JPH09210559A - 水分情報表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥時の水分管理作業を容易にし、また、乾
燥作業の後にも乾燥時に得た水分情報を確認することを
可能にする。 【解決手段】 穀物乾燥機から穀粒のサンプリング４が
自動水分計１に送られ、自動水分計１で、サンプリング
穀粒の水分値が測定されると共に測定された水分値デー
タの統計処理がなされる。この水分値データは、一方で
制御装置２に送られ穀物乾燥機の自動制御に用いられる
が、他方で、情報表示装置３のコントロール部１１に送
られる。コントロール部１１ではデータをメモリ１２に
記憶し、設定されたモードで表示部１３に出力して水分
情報の表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、穀物乾燥機内の穀粒を
周期的にサンプリングして、そのサンプル穀粒から水分
値を測定し、その測定結果に基づいて穀物乾燥機の運転
を制御するシステムに用いられ、サンプル穀粒の水分値
を測定する自動水分計に接続される水分情報表示装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】穀物乾燥機では、乾燥対象の穀粒の種
類，性状，性質に応じて適正な乾燥を行うために、乾燥
工程中の穀粒の水分状態を周期的に検知しながら、乾燥
機におけるバーナ装置や穀粒の循環装置の稼働状況を自
動制御することが行われている。この際に、被乾燥穀粒
の水分状態を検知するには、穀物乾燥機内の穀粒を周期
的に適当な粒数サンプリングして、サンプル穀粒の水分
値を測定する自動水分計が用いられており、測定された
水分値データは統計処理されて穀物乾燥機の自動制御に
おける検知データとして用いられる。

【０００３】ここで、自動水分計によって計測された水
分値データから単純平均値を求めて、この平均値によっ
て被乾燥穀粒の水分状態を検知することが一般に行われ
ているが、被乾燥穀粒の中には未熟米とよばれる高水分
の穀粒が含まれてることが多く、乾燥行程中にも穀粒の
水分の分布状態が広範囲にばらつくことがあり、上記の
単純平均値のみでは被乾燥穀粒の水分状態を正確に把握
することはできない。したがって、測定された水分値デ
ータから水分分布のばらつきの程度を求める統計処理を
行って、その統計処理の結果から単純平均値を補正して
穀物乾燥機の自動制御における検知データとしたり、或
いは、統計処理の結果を表示して被乾燥穀粒の水分分布
のばらつき程度を作業者に認識させ、必要な対応処置を
促すことが行われている。

【０００４】そして、被乾燥穀粒の水分分布を表示する
従来技術として、特開平６−３００４４６号公報には、
穀物乾燥機の制御装置における制御盤に、文字，数字，
絵等を画面に表示できる画面表示器を設け、その画面表
示器に測定された水分値データの上限値から下限値まで
のばらつき幅を時系列的に図表化して表示したものが記
載されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術は、穀
物乾燥機の運転中に、サンプリング周期毎の測定された
水分値データのばらつき幅を表示するもので、乾燥機の
運転中にのみ、測定された水分値のばらつき状態を逐次
作業者に認識させるものであるから、一度表示した内容
は次の表示時には消されてしまい、後で確認することが
できない。したがって、乾燥工程の開始から終了に至る
までの被乾燥穀粒の水分状態の変化をまとめ、乾燥終了
後に今後の対応処置に関する参考資料としたり、或い
は、測定した水分値データを制御装置の設定変更のため
の資料として用いたい場合には、作業者が乾燥工程中に
逐次表示される水分情報を記録する必要があり、穀物乾
燥における水分管理作業が手間のかかるものとなる問題
があった。

【０００６】また、穀物乾燥機における制御装置の制御
盤とデータを表示する画面表示器が一体となっているの
で、データの取り扱いや記録作業を行う際の自由度がな
く、水分管理作業が行い難い問題があった。

【０００７】本発明はこのような問題に対処するために
提案されたものであって、乾燥時の水分管理作業を容易
にし、また、乾燥作業の後にも乾燥時に得た水分情報を
確認することを可能にした水分情報表示装置を提供する
ことを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明による水分情報表示装置は、穀物乾燥機から周
期的に穀粒をサンプリングし、サンプル穀粒の水分値を
測定すると共に測定された水分値データを統計処理する
自動水分計に接続される水分情報表示装置であって、上
記自動水分計からのデータを処理するコントローラ部
と、該コントローラ部における処理結果を表示する表示
部とを備えることを特徴とする。

【０００９】また、上記コントローラ部では、穀物乾燥
機運転中に必要最小限のデータを自動的に保存すること
を特徴とする。

【００１０】また、上記コントローラ部は、少なくとも
数回の乾燥工程における水分値データ又はその統計処理
結果を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。

【００１１】さらには、この水分情報表示装置によっ
て、乾燥工程における水分経過グラフを出力することを
特徴とする。

【００１２】

【作用】穀物乾燥機から所定の周期間隔で自動水分計に
穀粒がサンプリングされ、サンプル穀粒の水分値が測定
される。この自動水分計では、測定された水分値データ
を統計処理して、その結果を制御装置に出力し穀物乾燥
機の自動制御を行う。一方、この自動水分計には水分情
報表示装置が接続され、水分値データ及びその統計処理
の結果が水分情報表示装置のコントロール部に入力され
る。コントロール部では、入力されたデータを任意の設
定或いは指示に従って表示部に出力し、表示部では測定
された水分値データ及びそれらを統計処理した結果を水
分分布が認識しやすい形態で表示する。この際、自動水
分計に対して水分情報表示装置は着脱可能に接続されて
いるので、組み付け、取り外しが自由であり、水分情報
表示装置に送られたデータを取り扱う自由度が増す。

【００１３】また、水分情報表示装置におけるコントロ
ーラ部は、自動水分計から送られてきたデータを自動的
に保存する機能を有し、例えば、乾燥開始，平均水分値
２１％時，１８％時，乾燥終了時といった必要最小限の
水分データを保存することによって水分管理作業を容易
にすることができる。

【００１４】また、上記のコントローラ部は、少なくと
も数回の乾燥工程における水分値データ又はその統計処
理結果を記憶する記憶手段を有するので、乾燥作業が終
了した後にデータを確認，分析することが可能になり、
記憶されたデータからその穀物にあった適切な乾燥条件
を導出できる。

【００１５】さらには、この水分情報表示装置では、乾
燥工程における水分経過グラフを出力するようにしたの
で、乾燥される穀物の水分分布の変化を視覚化でき、乾
燥時の適切な乾燥条件の判断、選択に有効である。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は本発明の一実施例に係る水分情報表示装置
のブロック図であり、１は自動水分計、２は制御装置、
３は情報表示装置である。４の矢印は穀物乾燥機からの
サンプリングを示している。

【００１７】まず、穀物乾燥機からサンプリング周期に
従って通常２００個程度の穀粒がサンプリングされ自動
水分計１に送られる。自動水分計１ではサンプル穀粒の
水分値が測定され、その水分値データが統計処理され
る。統計処理は、通常、サンプル穀粒の水分データの中
から異常な値を除いて、それらの単純平均値，中央値，
最大値，最小値，標準偏差等の統計値が求められると共
に、ヒストグラムを作成するために各水分値区間毎の度
数分布がカウントされる。

【００１８】自動水分計１で測定された水分値データ及
び統計処理の結果は、サンプリング周期の度に、一方で
制御装置２へ送られ穀物乾燥機を自動制御するための検
知データとして用いられ、また他方では、情報表示装置
３のコントローラ部１１に入力される。コントローラ部
１１はメモリ１２を備え、一端入力されたデータをこの
メモり１２に記憶する。メモリ１２は、最低でも数回の
乾燥工程で得られるデータを保存可能な記憶容量を備え
ている。また、コントロール部１１は、情報表示装置３
における表示部１３及び情報表示装置に対して外付けさ
れる印刷装置５、パーソナルコンピュータ６に接続さ
れ、モード選択スイッチ１４又はテンキー１５による入
力状態にしたがって自動水分計１から入力されたデータ
の管理及び上記の各出力先への出力指令を行う。

【００１９】モード選択スイッチ１４は、コントローラ
部１１に入力されメモリ１２に保存されたデータの出力
先，出力形態，出力タイミング等を設定するスイッチで
ある。モード選択スイッチ１４で設定される各モードの
一例を列挙すると以下のようになるが、これに限らず種
々のモードを設定可能である。

【００２０】１）測定モード：穀物乾燥機運転中のサン
プリング周期毎、つまり自動水分計１からコントローラ
部３にデータが送られてくる度に、水分値データ或いは
統計処理結果から必要最小限のデータを抽出し、これを
メモリに自動保存すると共に表示部１３に送って逐次設
定された形態で表示するモードである。

【００２１】２）表示モード：メモリに保存されている
過去のデータを任意に抽出して設定された形態で表示す
る。所定のサンプリング時のデータをヒストグラムで表
示できる。

【００２２】３）記録モード：データを印刷装置５へ出
力して紙面へ設定された形態でデータを印刷するモード
であり、乾燥時にサンプリング周期毎に逐次印刷するこ
ともできるし、一乾燥分のデータをまとめて水分経過を
示すグラフにして印刷することもできる。

【００２３】４）消去モード：メモリ１２に保存したデ
ータを消去するモードである。

【００２４】５）転送モード：メモリに記憶したデータ
をパーソナルコンピュータ６に転送するモードである。

【００２５】表示部１３は、コントロール部から送られ
てくるデータを設定された形態で画面に表示するもので
あって、図２にその表示形態の例を示す。同図（ａ）は
各モードでデータと共に時刻を表示するために必要な時
刻合わせの表示である。同図（ｂ）及び（ｃ）に示され
る形態は、上述の表示モード及び測定モードにおいて水
分値データをヒストグラムで表示すると共に水分値デー
タを統計処理して得られた各種の統計値を並べて表示し
ており、サンプリング時における穀物乾燥機内の穀粒の
水分分布が一見して認識できるように表示したものであ
る。

【００２６】また、印刷装置５は、コントロール部から
送られてくるデータを設定された印刷形態で紙面に印刷
するものである。図３，図４にその印刷形態の例を示
す。図３（ａ），（ｂ）に示される形態では水分値デー
タをヒストグラムで示すと共に水分値データを統計処理
して得られた各種の統計値を並べて示しており、サンプ
リング時における穀物乾燥機内の穀粒の水分分布が一見
して認識できるように示したものである。同図（ａ）で
は乾燥前の水分分布状態を示し、同図（ｂ）では乾燥終
了時の水分分布状態を示している。また、図４は、乾燥
工程の開始から終了に至るまでの水分状態の変動経過を
示したものである。

【００２７】図５は情報表示装置３の外観図であって、
同図（ａ）は左側面図、同図（ｂ）は正面図、同図
（ｃ）は右側面図を示している。同図（ｂ）に示される
ように、記録装置３の前面には、モード選択スイッチ１
４及び上述の時刻合わせ等の入力に用いられるテンキー
１５、或いは、表示画面３１が備えられている。また、
同図（ａ），（ｃ）に示されるように、各側面には自動
水分計からの信号伝送ケーブルが接続される接続口３
２、電源スイッチ３３、印刷装置５へ出力口３４等が設
けられている。このように自動水分計１と情報表示装置
３とは伝送ケーブルで接続されるので情報表示装置３の
組み付け，取り外しは自由である。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上記のように構成されるので、
次に記載する効果を奏する。 （１）水分情報表示装置は自動水分計に着脱自在に接続
されるので、組み付け、取り外しが自由であって、水分
情報表示装置に送られたデータを取り扱う自由度が増
す。 （２）水分情報表示装置の表示部或いは水分情報表示装
置に接続される印刷装置による水分分布，水分経過の表
示によって、乾燥される穀物の水分状態を視覚化でき、
作業者は乾燥時に適切な乾燥条件の判断、選択を行うこ
とができる。 （３）水分情報表示装置は、自動水分計から送られてき
たデータを自動的に保存するので、乾燥時の水分管理作
業を容易にすることができる。 （４）少なくとも数回の乾燥工程中に得られる水分値デ
ータ又はそれらを統計処理した結果を記憶するための記
憶手段を備えるので、乾燥終了後に穀物乾燥機の制御状
況等を分析して、今後の設定変更等の資料とすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る水分情報記録装置のブ
ロック図である。

【図２】水分表示装置の表示形態の例を示す図である。

【図３】印刷装置による印刷形態の例を示す図である。

【図４】印刷装置による印刷形態の例を示す図である。

【図５】水分情報表示装置の外観図である。

【符号の説明】

１ 自動水分計 ２ 制御装置 ３ 情報表示装置 ４ サンプリング １１ コントロール部 １２ メモリ １３ 表示部 １４ モード選択スイッチ １５ テンキー ５ 印刷装置 ６ パーソナルコンピュータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 浜吉 静岡県袋井市山名町４番地の１ 静岡製機 株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 穀物乾燥機から周期的に穀粒をサンプリ
   ングし、サンプル穀粒の水分値を測定すると共に測定さ
   れた水分値データを統計処理する自動水分計に接続され
   る水分情報表示装置であって、 上記自動水分計からのデータを処理するコントローラ部
   と、該コントローラ部における処理結果を表示する表示
   部とを備えることを特徴とする水分情報表示装置。
2. 【請求項２】 上記コントローラ部では、穀物乾燥機運
   転中に必要最小限のデータを自動的に保存することを特
   徴とする請求項１記載の水分情報表示装置。
3. 【請求項３】 上記コントローラ部は、少なくとも数回
   の乾燥工程における水分値データ又はその統計処理結果
   を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項１
   又は２に記載の水分情報表示装置。
4. 【請求項４】 乾燥工程における水分経過グラフを出力
   することを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記
   載の水分情報表示装置。