JPH0920886A - 有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH0920886A
JPH0920886A JP7171741A JP17174195A JPH0920886A JP H0920886 A JPH0920886 A JP H0920886A JP 7171741 A JP7171741 A JP 7171741A JP 17174195 A JP17174195 A JP 17174195A JP H0920886 A JPH0920886 A JP H0920886A
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美智子 玉野
Toshio Enokida
年男 榎田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光効率が高く、繰り返し使用時での安定性の
優れた有機EL素子を提供する。 【解決手段】下記一般式[1]で示される有機エレクト
ロルミネッセンス素子材料。 一般式[1] 【化1】 [式中、A1 〜A7 の少なくとも1個は環を形成し、L
は、−R、−Ar、−OR、−OAr (Rは炭素数1か
ら10のアルキル基であり、Arは炭素数6から20の
窒素原子を含んでも良いアリール基である。)で表され
る配位子を表し、Mは金属原子を表し、mは1から3の
整数を表し、nは0かm+n=2または3を構成する正
の整数を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平面光源や表示に使
用される有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機物質を使用したEL素子は、固体発
光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が
有望視され、多くの開発が行われている。一般にEL
は、発光層および該層をはさんだ一対の対向電極から構
成されている。発光は、両電極間に電界が印加される
と、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入
される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結
合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際に
エネルギーを光として放出する現象である。
【0003】従来の有機EL素子は、無機EL素子に比
べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。
また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。
近年、10V以下の低電圧で発光する高い蛍光量子効率
を持った有機化合物を含有した薄膜を積層した有機EL
素子が報告され、関心を集めている(アプライド・フィ
ジクス・レターズ、51巻、913ページ、1987年
参照)。この方法では、金属キレート錯体を蛍光体層、
アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の緑色
発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は100c
d/m2 、最大発光効率は1.5lm/Wを達成して、
実用領域に近い性能を持っている。しかしながら、現在
までの有機EL素子は、構成の改善により発光強度は改
良されているが、未だ充分な発光輝度は有していない。
また、繰り返し使用時の安定性に劣るという大きな問題
を持っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発光
効率が高く、繰り返し使用時での安定性の優れた有機E
L素子の提供にある。本発明者らが鋭意検討した結果、
一般式[1]で示される化合物の少なくとも一種の有機
EL素子材料を少なくとも一層に使用した有機EL素子
の発光効率が高く、繰り返し使用時での安定性も優れて
いることを見いだし本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式[1]で示される化合物からなる有機エレクトロル
ミネッセンス素子材料に関する。
【0006】一般式[1]
【化2】 [式中、A1 〜A7 は、それぞれ環構造を形成しないか
6員芳香族環構造を表し(ただし、A1 〜A7 の少なく
とも1個は環を形成し、縮合環の置換可能な任意の位置
に置換基を有しても良く、これらの置換基どうしが結合
して更なる6員芳香族環構造を形成しても良い。)、L
は、−R、−Ar、−OR、−OAr (Rは炭素数1か
ら10のアルキル基であり、Arは炭素数6から20の
窒素原子を含んでも良いアリール基である。)で表され
る配位子を表し、Mは金属原子を表し、mは1から3の
整数を表し、nは0かm+n=2または3を構成する正
の整数を表す。]
【0007】更に、本発明は、一対の電極間に発光層を
含む有機化合物薄膜層を備えた有機エレクトロルミネッ
センス素子において、上記発光層が請求項1記載の有機
エレクトロルミネッセンス素子材料を含有する層である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子で
ある。
【0008】更に、本発明は、一対の電極間に発光層も
しくは発光層を含む複数層の有機化合物薄膜層を備えた
有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層と
陰極の間の少なくとも一層が請求項1記載の有機エレク
トロルミネッセンス素子材料を含有する層であることを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における一般式[1]で示
される、芳香族環としては、ベンゼン環を示し、少なく
とも4個の芳香族環が縮合された縮合環に置換される置
換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭素、ヨウ素、フ
ッ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ステアリル基、トリクロロメチル基等の置換もしく
は未置換のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、3ー
メチルフェニル基、3ーメトキシフェニル基、3ーフル
オロフェニル基、3ートリクロロメチルフェニル基、3
ートリフルオロメチルフェニル基、3ーニトロフェニル
基等の置換もしくは未置換のアリール基、メトキシ基、
n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリクロロメ
トキシ基、トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロプ
ロポキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキ
シ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−
プロポキシ基、6−(パーフルオロエチル)ヘキシルオ
キシ基等の置換もしくは未置換のアルコキシ基、フェノ
キシ基、p−ニトロフェノキシ基、p−tert−ブチ
ルフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、ペンタフ
ルオロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェノキシ
基等の置換もしくは未置換のアリールオキシ基、メチル
チオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキ
シルチオ基、オクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ
基等の置換もしくは未置換のアルキルチオ基、フェニル
チオ基、p−ニトロフェニルチオ基、p−tert−ブ
チルフェニルチオ基、3−フルオロフェニルチオ基、ペ
ンタフルオロフェニルチオ基、3−トリフルオロメチル
フェニルチオ基等の置換もしくは未置換のアリールチオ
基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、
ジエチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジフェニ
ルアミノ基等のモノまたはジ置換アミノ基、ビス(アセ
トキシメチル)アミノ基、ビス(アセトキシエチル)ア
ミノ基、ビスアセトキシプロピル)アミノ基、ビス(ア
セトキシブチル)アミノ基等のアシルアミノ基、水酸
基、シロキシ基、アシル基、メチルカルバモイル基、ジ
メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチ
ルカルバモイル基、プロイピルカルバモイル基、ブチル
カルバモイル基、フェニルカルバモイル基等のカルバモ
イル基、カルボン酸基、スルフォン酸基、イミド基、シ
クロペンタン基、シクロヘキシル基等の脂肪族環基、フ
ェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の炭素環式芳香
族基、ピリジン基、ピラジン基、ピリミジン基、ピリダ
ジン基、トリアジン基、インドール基、キノリン基、ア
クリジン基等の複素環式芳香族基、ピロリジン基、ジオ
キサン基、ピペリジン基、モルフォリン基、ピペラジン
基、トリチアン基等の複素環基等がある。また、以上の
置換基同士が結合してさらなる6員芳香族環を形成して
も良い。
【0010】本発明における一般式[1]で示される、
配位子Lの代表例としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、トリフルオロメチル基等の置換基を有して良い
アルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントラニル
基、9−クロロ−アントラニル基等の置換基を有して良
いアリール基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキ
シ基、ブトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエ
トキシ基等の置換基を有して良いアルコキシ基、フェノ
キシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニル基、ピレニ
ル基等の置換基を有して良いアリールオキシ基、そし
て、8−キノリノ−ル、2−メチル−8−キノリノール
等の置換基を有して良い8−キノリノール誘導体、4−
メチル−10−ヒドロキシベンゾキノリノール等の置換
基を有して良い10−ヒドロキシベンゾキノリノール誘
導体等が挙げられる。
【0011】金属Mは二価もしくは三価の金属原子であ
ればいずれでも良いが、Be、Zn、Mg、Co、C
u、Ni、Al、GaまたはInが好ましい。
【0012】本発明の一般式[1]の化合物の合成方法
は、相当する配位子と金属アルコキシド、金属ハロゲン
化物、金属アセチル化合物等を、トルエン、アルコール
等の溶媒中で反応させることにより、これら金属錯体が
合成されるが、これに限定されるものではない。
【0013】本発明の化合物の代表例を表1に具体的に
例示するが、これらに限定されるものではない。
【0014】
【表1】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】有機EL素子は、陽極と陰極間に一層もし
くは多層の有機薄膜を形成した素子である。一層型の場
合、陽極と陰極との間に発光層を設けている。発光層
は、発光材料を含有し、それに加えて陽極から注入した
正孔もしくは陰極から注入した電子を発光材料まで輸送
させるために正孔輸送材料もしくは電子輸送材料を含有
しても良い。多層型は、(陽極/正孔注入層/発光層/
陰極)、(陽極/発光層/電子注入層/陰極)、(陽極
/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極)の多層構成
で積層した有機EL素子がある。一般式[1]の化合物
は、電子輸送性化合物であるので、その電子輸送性を使
用して電子注入層、電子輸送層および電子輸送性発光層
等に使用することが出来る。また、この化合物を含有し
た薄膜層は、電界下で強い蛍光性を有しているので、発
光材料としての使用が可能であり、高い発光効率および
発光波長の最適な選択が可能になった。
【0020】有機EL素子は、多層構造にすることによ
り、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことが
できる。また、必要があれば、発光材料、ドーピング材
料、キャリア輸送を行う正孔輸送材料や電子輸送材料を
二種類以上組み合わせて使用することも出来る。また、
正孔注入層、発光層、電子注入層は、それぞれ二層以上
の層構成により形成されても良く、正孔もしくは電子が
効率よく電極から注入され、層中で輸送される素子構造
が選択される。
【0021】有機EL素子の陽極に使用される導電性材
料は、4eVより大きな仕事関数を持つものが好適であ
り、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、
ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等
およびそれらの合金、ITO基板、NESA基板と称さ
れる酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さらには
ポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用
いられる。陰極に使用される導電性材料は、4eVより
小さな仕事関数を持つものが好適であり、マグネシウ
ム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、
リチウム、ルテニウム、マンガン等およびそれらの合金
が用いられるが、これらに限定されるものではない。陽
極および陰極は、必要があれば二層以上の層構成により
形成されていても良い。
【0022】有機EL素子では、効率良く発光させるた
めに、少なくとも一方は素子の発光波長領域において充
分透明であることが望ましい。また、基板も透明である
ことが望ましい。透明電極は、上記の導電性材料を使用
して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性を
確保するように設定する。発光面の電極は、光透過率を
10%以上にすることが望ましい。基板は、機械的、熱
的強度を有し、透明であれば限定されるものではない
が、例示すると、ガラス基板、ポリエチレン板、ポリエ
ーテルサルフォン板、ポリプロピレン板等の透明性樹脂
があげられる。
【0023】本発明に係わる有機EL素子の各層の形成
は、真空蒸着、スパッタリング等の乾式成膜法やスピン
コーティング、ディッピング等の湿式成膜法のいずれの
方法を適用することができる。膜厚は特に限定されるも
のではないが、各層は適切な膜厚に設定する必要があ
る。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大き
な印加電圧が必要になり効率が悪くなる。膜厚が薄すぎ
るとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な
発光輝度が得られない。通常の膜厚は5nmから10μ
mの範囲が好適であるが、10nmから0.2μmの範
囲がさらに好ましい。
【0024】湿式成膜法の場合、各層を形成する材料
を、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
の適切な溶媒に溶解または分散して薄膜を形成するが、
その溶媒はいずれであっても良い。また、いずれの薄膜
においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため
適切な樹脂や添加剤を使用しても良い。このような樹脂
としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポ
リスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチル
アクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポ
リチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げるこ
とができる。また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、可塑剤等を挙げることができる。
【0025】本発明の有機EL素子に使用できる発光材
料またはドーピング材料としては、アントラセン、ナフ
タレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネ
ン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリ
レン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、
ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェ
ニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダ
ジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジ
ン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキ
ノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニル
アントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピ
ラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレー
ト化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン等お
よびそれらの誘導体があるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0026】正孔輸送材料としては、正孔を輸送する能
力を持ち、発光層または発光材料に対して優れた正孔注
入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入層ま
たは電子輸送材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能の
優れた化合物が挙げられる。具体的には、フタロシアニ
ン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン
系化合物、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾ
ール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリ
ン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾ
ール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾ
ン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、
ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型ト
リフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等
と、それらの誘導体、およびポリビニルカルバゾール、
ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料等があるが、
これらに限定されるものではない。
【0027】電子輸送材料としては、電子を輸送する能
力を持ち、発光層または発光材料に対して優れた電子注
入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入層ま
たは正孔輸送材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能の
優れた化合物が挙げられる。例えば、フルオレノン、ア
ントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオ
キシド、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾ
ール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメ
タン、アントラキノジメタン、アントロン等とそれらの
誘導体があるが、これらに限定されるものではない。ま
た、正孔輸送材料に電子受容物質を、電子輸送材料に電
子供与性物質を添加して増感させることもできる。
【0028】本発明の一般式[1]の化合物は、発光材
料として発光層内での使用することが望ましく、発光材
料、ドーピング材料、正孔輸送材料および電子輸送材料
の少なくとも一種が同一層に含有されてもよい。また、
一般式[1]の化合物は、電子輸送能力を持っているの
で、電子注入層に使用することも出来る。
【0029】本発明により得られた有機EL素子の、温
度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のために、素
子の表面に保護層を設けたり、シリコンオイル等を封入
して素子全体を保護することも可能である。
【0030】以上のように、本発明では有機EL素子に
一般式[1]の化合物を用いたため発光効率を高くでき
た。また、この素子は熱や電流に対して非常に安定であ
り、さらには、低電圧で実用的に使用可能な発光輝度が
得られるので、従来まで大きな問題であった経時での劣
化、発光時間を大幅に向上させ、有機EL素子の寿命向
上に役立てることができた。。本発明の有機EL素子
は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや、
平面発光体として、複写機やプリンター等の光源、液晶
ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等へ応
用が考えられ、その工業的価値は非常に大きい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細
に説明する。化合物(4)の合成方法 7−シアノ−12−ヒドロキシ−ナフト[2,3−h]
キノリン8部をエタノール200部に加熱して溶かす。
これに、硫酸ベリリウム5部を水50部に溶かした溶液
を滴下し、60℃にて2時間加熱撹拌し、析出した結晶
を濾別、メタノールで洗浄、乾燥して黄色の結晶5.5
部を得た。さらに、この結晶5部を、10-5Toor、
300℃にて昇華精製することにより、黄色の固体2.
8部を得た。元素分析、分子量分析、赤外吸収スペクト
ル、NMRスペクトルにより化合物(4)であることを
確認した。
【0032】実施例1〜30 洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N' ―(4
―メチルフェニル)―N,N' ―(4−n−ブチルフェ
ニル)―フェナントレン―9,10―ジアミンを真空蒸
着して、膜厚50nmの正孔注入層を得た。次いで、表
2に記載した化合物を真空蒸着して膜厚50nmの発光
層を作成し、その上に、マグネシウムと銀を10:1で
混合した合金で膜厚150nmの膜厚の電極を形成して
有機EL素子を得た。正孔注入層、発光層および陰極
は、10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下
で蒸着した。この素子は直流電圧5Vで表2に示す発光
輝度が得られた。
【0033】
【表2】
【0034】比較例1 発光層の金属錯体を、実施例の化合物から、10−ヒド
ロキシベンゾ〔h〕キノリンベリリウム錯体に代える以
外は、実施例1〜30と同様の方法で有機EL素子を作
製して発光輝度を測定した。この素子は直流電圧5Vで
950cd/m 2 の発光輝度が得られた。
【0035】実施例31 洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(3)、
ポリ−N−ビニルカルバゾールを3:5の比率でクロロ
ホルムに溶解分散させ、スピンコーティングにより膜厚
100nmの発光層を得た。その上に、マグネシウムと
銀を10:1で混合した合金で膜厚150nmの電極を
形成して有機EL素子を得た。発光層および陰極は、1
-6Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着
した。この素子は直流電圧5Vで400cd/m2 の発
光輝度が得られた。
【0036】実施例32 洗浄したITO電極付きガラス板上に、化合物(6)、
2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(ビフェ
ニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ポリ−N−ビ
ニルカルバゾールを3:2:5の比率でクロロホルムに
溶解分散させ、スピンコーティングにより膜厚100n
mの発光層を得た。その上に、マグネシウムと銀を1
0:1で混合した合金で膜厚150nmの電極を形成し
て有機EL素子を得た。発光層および陰極は、10-6
orrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着した。
この素子は直流電圧5Vで520cd/m2 の発光輝度
が得られた。
【0037】実施例33 洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N' ―(4
―メチルフェニル)―N,N' ―(4−n−ブチルフェ
ニル)―フェナントレン―9,10―ジアミンをクロロ
ホルムに溶解分散させ、スピンコーティングにより膜厚
30nmの正孔注入層を得た。次いで、化合物(9)を
蒸着して膜厚30nmの発光層を作成し、さらに真空蒸
着法により、2−(4−tert−ブチルフェニル)−
5−(ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールの
膜厚20nmの電子注入層を得た。その上に、マグネシ
ウムと銀を10:1で混合した合金で膜厚100nmの
電極を形成して有機EL素子を得た。正孔注入層および
発光層は10-6Torrの真空中で、基板温度室温の条
件下で蒸着した。この素子は直流電圧5Vで1350c
d/m2 の発光輝度が得られた。
【0038】実施例34 洗浄したITO電極付きガラス板上に、N,N' ―(4
―メチルフェニル)―N,N' ―(4−n−ブチルフェ
ニル)―フェナントレン―9,10―ジアミンを真空蒸
着して、膜厚30nmの正孔注入層を得た。次いで、化
合物(11)を蒸着して膜厚30nmの発光層を作成
し、さらに真空蒸着法により、2−(4−tert−ブ
チルフェニル)−5−(ビフェニル)−1,3,4−オ
キサジアゾールの膜厚20nmの電子注入層を得た。そ
の上に、マグネシウムと銀を10:1で混合した合金で
膜厚150nmの電極を形成して有機EL素子を得た。
正孔注入層、発光層、電子注入層および陰極は、10-6
Torrの真空中で、基板温度室温の条件下で蒸着し
た。この素子は直流電圧5Vで約1550cd/m2
発光輝度が得られた。
【0039】実施例35 電子注入層に[2−(4−tert−ブチルフェニル)
−5−(ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル]に代えて化合物(16)を使用する以外は実施例2
0と同様の方法で有機EL素子を作製して発光輝度を測
定した。この素子は直流電圧5Vで1620cd/m2
の発光輝度が得られた。
【0040】本実施例で示された全ての有機EL素子
は、初期最高輝度として10000cd/m2 以上の発
光輝度を得た。更に、本実施例で示された全ての有機E
L素子について、3mA/cm2 で連続発光させたとこ
ろ、1000時間以上安定な発光を観測することができ
たが、同条件で作製した比較例の有機EL素子は、50
0時間以下の発光時間で初期の発光輝度の半分以下にな
った。本発明の有機EL素子は発光効率、発光輝度の向
上と長寿命化を達成するものであり、併せて使用される
発光材料、ドーピング材料、正孔輸送材料、電子輸送材
料、増感剤、樹脂、電極材料等および素子作製方法を限
定するものではない。
【0041】
【発明の効果】本発明により、従来に比べて高発光効
率、高輝度であり、長寿命の有機EL素子を得ることが
できた。これは、本発明で示した化合物を有機EL素子
に使用することにより、湿式および乾式成膜法が容易で
あり、高い発光輝度、高い発光効率を持つ有機EL素子
を容易に作製することが可能になった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で示される有機エレク
    トロルミネッセンス素子材料。 一般式[1] 【化1】 [式中、A1 〜A7 は、それぞれ環構造を形成しないか
    6員芳香族環構造を表し(ただし、A1 〜A7 の少なく
    とも1個は環を形成し、縮合環の置換可能な任意の位置
    に置換基を有しても良く、これらの置換基どうしが結合
    して更なる6員芳香族環構造を形成しても良い。)、L
    は、−R、−Ar、−OR、−OAr (Rは炭素数1か
    ら10のアルキル基であり、Arは炭素数6から20の
    窒素原子を含んでも良いアリール基である。)で表され
    る配位子を表し、Mは金属原子を表し、mは1から3の
    整数を表し、nは0かm+n=2または3を構成する正
    の整数を表す。]
  2. 【請求項2】 一対の電極間に発光層を含む有機化合物
    薄膜層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子にお
    いて、上記発光層が請求項1記載の有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子材料を含有する層であることを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 一対の電極間に発光層もしくは発光層を
    含む複数層の有機化合物薄膜層を備えた有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子において、発光層と陰極の間の少な
    くとも一層が請求項1記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子材料を含有する層であることを特徴とする有機
    エレクトロルミネッセンス素子。
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