JPH09206984A - 薄板用ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

薄板用ガスシールドアーク溶接方法

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JPH09206984A
JPH09206984A JP1600196A JP1600196A JPH09206984A JP H09206984 A JPH09206984 A JP H09206984A JP 1600196 A JP1600196 A JP 1600196A JP 1600196 A JP1600196 A JP 1600196A JP H09206984 A JPH09206984 A JP H09206984A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、薄板鋼板および亜鉛めっき鋼板の
高速ガスシールドアーク溶接において、優れた耐気孔
性、耐ギャップ性および低スパッタの溶接ができるガス
シールドアーク溶接方法を提供する。 【解決手段】 特定量のC、Si、Mn、S、Oを含み
かつAl、TiまたはZrの1種以上を含有し、さらに
必要に応じてNb、VまたはTaの1種以上を含み、残
部が実質的にFeよりなる薄板用ガスシールドアーク溶
接鋼ワイヤを用いるパルスマグ溶接において、パルス電
流のピーク電流Ip=380〜680(A)とパルスピ
ーク時間Tp=0.4〜3.0(msec)、ベース電
流Ib=20〜100(A)の範囲としたパルスアーク
溶接法である。合金元素の適量添加とパルスマグ溶接法
により亜鉛めっき鋼板および薄板の高速ガスシールドア
ーク溶接において耐気孔性、耐ギャップ性に優れ、スパ
ッタ発生量の少ない溶接が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてAr−CO2
混合ガスをシールドガスとする薄板鋼板の溶接方法に関
し、さらに詳しくは、亜鉛めっき鋼板および非表面処理
の冷延および熱延の薄板の溶接において優れた溶接性が
得られるパルスマグ溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼材などの錆びやすい欠点を補う手段と
して、冷延鋼板または熱延鋼板の表面に亜鉛系塗料塗布
や亜鉛めっきを施した表面処理鋼板がある。これら表面
処理鋼板は、薄板分野では、特にプレハブ等の柱、屋根
などの建築材料、ガソリン缶、洗濯機の部品の他、自動
車車体においても利用されている。
【0003】これらの表面処理鋼板の溶接にはガスシー
ルドアーク溶接法が多用されているが、亜鉛系表面処理
鋼板の溶接では、ピット、ブローホール等の気孔欠陥
の発生、スパッタ量の増加などの問題点に加えて、
溶落ちや、溶接部材の間隙に対する条件範囲が狭いな
どの各種の問題点がある。特に、最近では溶接ロボット
の採用による自動化が進み、上記の問題点は自動化を阻
害する要因としてより顕在化する傾向にあり、これら問
題点の解決が強く望まれている。
【0004】薄板溶接の自動化は生産性の向上を目的と
しているため、溶接速度も1m/min程度以上の高速
で溶接される場合が多く、このため高速域で安定した溶
接を行う必要がある。このような薄板の溶接では、溶落
ち等への対策として、溶接速度は高速に、また溶接電流
は低めに設定しなければならないため、溶接入熱が小さ
くなり、冷却速度は早くなる。このため、亜鉛めっき鋼
板の場合には、溶融金属に侵入した亜鉛系ガスの浮上に
要する十分な時間が得られないために気孔欠陥が多発す
る。さらに、高速溶接であるためシールド性不良になり
やすく、シールド面による気孔欠陥も考慮する必要があ
る。また、薄板の高速溶接においては、開先間隙に対し
ての溶接条件範囲も狭くなるため、耐ギャップ性も同時
に満足することが必要である。
【0005】亜鉛めっき鋼板に対する気孔欠陥の防止技
術としては、特開昭63−56395号公報に、Te、
Se、REM等の単体または酸化物、炭酸塩、弗化物等
で構成される防止剤を鋼板表面に塗布する技術が提案さ
れ、また特開昭63−108995号公報では、りん鉄
を主成分とした塗布剤が提案されているが、これらは溶
接前に予め鋼板表面に塗布することが必要であるばかり
でなく、溶接後も該塗布剤を除去する工程が必要となる
ものであり、実用的ではない。
【0006】次に、鋼ワイヤとしては、特開昭63−7
2498号公報に、Al、Ti、Cuの他に多量のNi
を含有させるソリッドワイヤの提案がある。しかしなが
ら、このような組成では、本発明が対象とする亜鉛めっ
き鋼板の高速溶接には効果が期待できない。また、特開
平1−309796号公報には、C、Si、Mn、B
i、O、Tiの添加量を規制した亜鉛めっき鋼板溶接用
ソリッドワイヤが開示されている。この技術は、亜鉛め
っき鋼板の気孔抑制やスパッタ発生量の低減には効果が
あるものの、薄板高速溶接の耐ギャップ性に対しては配
慮がなされていない。
【0007】また、特開平4−41098号公報には、
C、Si、Mn、BiにNb、VおよびAl、Ti、Z
rを規制した各種表面処理鋼板用ソリッドワイヤが開示
されている。このワイヤも、亜鉛めっき鋼板の耐気孔性
に対しては効果があるものの、スパッタ発生量の低減や
耐ギャップ性に対しては効果が期待できない。また、特
開平5−305445号公報では、亜鉛系めっき鋼板の
溶接方法が提案されているが、溶接速度が100cm/
minを超える高速溶接では耐気孔性に対して効果がな
く、さらに耐ギャップ性に対しては配慮がなされていな
い。
【0008】さらに、薄板の高速溶接を対象とした特開
平5−305476号公報は、C、Si、Mn、P、
S、Al、N、O量、およびMn/Si比を規定したソ
リッドワイヤの提案である。このうち、Sの添加は、普
通鋼板の高速溶接におけるスパッタ発生量の低減、ビー
ド形成性の改善、およびスラグ剥離性の改善を目的とし
ている。また、Oについては、心線加工性と溶接作業性
への悪影響を考慮して、むしろ制限しているものであ
る。このように、この提案も3.2mm程度の普通鋼板
のみの高速溶接を対象としたものであり、表面処理鋼板
の耐気孔性を満足できるものではない。
【0009】また、特開平5−329682号公報で
は、C、Si、Mn、P、S量の他に、Ti、Nb量、
さらにはシールドガスを規制したパルスMAG溶接方法
が提案されているが、この方法も亜鉛系めっき鋼板の耐
気孔性とスパッタ発生量の低減には効果があるものの、
耐ギャップ性に対しては効果が期待できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決するためになされたものであり、薄板
の高速溶接において、耐気孔性、低スパッタ量、および
耐ギャップ性を同時に満足するパルスマグ溶接方法を提
供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
とするところは、ワイヤ全重量に対して、重量%で、
C:0.02〜0.40%、Si:0.50〜2.0
%、Mn:0.20〜3.0%、S:0.005〜0.
050%、O:0.0030〜0.050%であって、
Al:0.005〜0.20%、Ti:0.005〜
0.20%、Zr:0.005〜0.20%の1種また
は2種以上を含有し、あるいはさらにNb:0.05〜
1.50%、V:0.05〜1.50%、Ta:0.0
5〜1.50%の1種または2種以上を含有し、かつ残
部が実質的にFeよりなる薄板用ガスシールドアーク溶
接鋼ワイヤを用いるパルスマグ溶接において、パルス電
流のピーク電流Ipを380〜680(A)、パルスピ
ーク時間Tpを0.4〜3.0(msec)、ベース電
流Ibを20〜100(A)の範囲としたことを特徴と
する薄板用ガスシールドアーク溶接方法にある。
【0012】
【作用】本発明者らは、薄板の高速溶接における上記問
題点を解決するために詳細な検討を重ねた結果、耐ギャ
ップ性を確保しつつ、シールド不良による気孔の発生が
なく、かつスパッタ量の少ない本発明の溶接方法を完成
するに到った。すなわち、本発明者らは、耐ギャップ性
についてはSおよびO量の検討により向上できること、
またパルス溶接によりパルス条件を選定することによ
り、スパッタ発生量を少なくでき、かつ耐ギャップ性を
良好にできることを見出した。
【0013】Sは添加することにより、溶接金属の溶込
みを減少するとともに、溶接金属のビード幅を増加し、
母材へのぬれ性を改善して架橋性を向上し、耐ギャップ
性を向上する作用がある。しかし、S添加のみでは、本
発明が対象としている高速溶接ではアークの安定性が不
十分である。高速溶接性の向上にはOの添加が有効であ
り、OにはSと同様に耐ギャップ性を向上する効果もあ
り、SとOの共存により高速溶接での耐ギャップ性向上
に有効となる。これによりアーク状態が安定化するた
め、スパッタ発生量の低減にも寄与する。さらに、A
l、Ti、Zrの添加は、スパッタ発生量の低減に効果
がある。また、V、Nb、Taはシールド不良時の溶接
金属中の窒素を固定し、耐シールド性を向上させるほ
か、溶融金属の粘性を変化させて耐ギャップ性の向上に
有効に作用する。
【0014】このように、SとOの共存、Al、Ti、
ZrおよびTa等の効果に加え、パルスアーク溶接によ
るパルス条件(ピーク電流=Ip、ピーク時間=Tp、
ベース時間=Ib)を適正に設定することにより、アー
ク状態の安定化が図れ、高速溶接におけるスパッタ発生
量の低減と耐ギャップ性の向上および耐割れ性の改善さ
れたパルスアーク溶接方法を得るに到った。
【0015】以下に、本発明の成分限定理由と作用、お
よびパルス条件限定理由について、詳細に説明する。 C:0.02〜0.40% Cは本発明の構成では、亜鉛めっき鋼板の気孔発生の抑
制に効果がある。しかし、C量が0.02%未満ではそ
の効果が認められず、また0.40%を超えるとスパッ
タ発生量が増加して薄板の高速溶接においても割れ感受
性が著しく高くなるので、その範囲を0.02〜0.4
0%とした。
【0016】Si:0.50〜2.0% Siは主脱酸剤として添加するが、その他にビード形状
を改善するとともに、高速溶接での耐ギャップ性を向上
する作用がある。しかし、Si量が0.50%未満では
これらの効果が得られず、また2.0%超ではスラグ発
生量が増加するため、その範囲を0.50〜2.0%と
した。
【0017】Mn:0.20〜3.0% MnはSiとともに脱酸剤として作用するほか、ビード
形状の改善を目的として添加する。しかし、Mn量が
0.20%未満では脱酸不足により亜鉛以外の要因によ
る気孔発生が著しくなり、またスパッタが多発するの
で、下限を0.20%とした。また、Mn量が3.0%
を超えると耐ギャップ性が劣化するとともに、溶接金属
の硬化が著しくなるので、上限を3.0%とした。
【0018】S:0.005〜0.050% Sは耐ギャップ性を向上させる元素として酸素とともに
極めて有効である。その効果は0.005%程度から発
揮されるが、一方、0.050%超ではPと同様に耐割
れ性の危険が増加するため、Sの範囲を0.005〜
0.050%とした。
【0019】O:0.0030〜0.050% OはSとともに高速溶接における耐ギャップ性を確保す
るために必要な元素である。また、スパッタ発生量を減
少させる作用もある。本発明の構成では、0.0030
%以上の添加で効果が顕著となるが、0.050%を超
えるとその効果が飽和するばかりでなく、アークが不安
定となり、スパッタも多発するため、Oの範囲を0.0
030〜0.050%とした。Oの存在形態は、固溶ま
たは酸化物としてワイヤに均一に分布してもよいが、よ
り好ましいのは、内部酸化層、粒界酸化層としてワイヤ
表面部に集中して存在する場合である。
【0020】Al:0.005〜0.20% Alは強脱酸元素であり、また窒素固定元素として、T
i、Zrとともに極微量の添加でシールド不良による気
孔の発生を抑制する作用がある。しかし、Al量が0.
005%未満では上記効果は認められず、また0.20
%を超えるとスラグ生成量が増加して、亜鉛による気孔
発生を促進するため、上限は0.20%とする必要があ
る。
【0021】Ti:0.005〜0.20% TiはAl、Zrと同様に強脱酸剤であり、また窒素固
定元素として、極微量の添加でシールド不良による気孔
の発生を抑制する作用がある。また、Tiはアークを安
定化させて高速溶接性の向上とスパッタ発生量の低減に
有効に作用する。しかし、Ti量が0.005%未満で
は上記効果は認められず、また0.20%を超えるとス
ラグ生成量が増加し、ビード表面のスラグ被包面積が増
加して、亜鉛めっき鋼板では気孔発生を促進するため、
上限は0.20%とする必要がある。
【0022】Zr:0.005〜0.20% ZrはAl、Tiと同様に強脱酸剤であり、Al、Ti
との複合添加によりシールド不良による気孔発生を抑制
する作用がある。その効果はZr量が0.005%以上
で発揮される。しかし、Zr量が0.20%を超えると
Al、Tiと同様の作用により気孔発生を助長するた
め、上限を0.20%とした。
【0023】Nb:0.05〜1.50% Nbは窒化物生成元素として、シールド不良による気孔
発生を抑制し、また亜鉛による気孔生成にも効果があ
り、さらにはビード形状を良好にして高速溶接での耐ギ
ャップ性も向上させる。その効果は0.05%以上の添
加で認められる。しかし、Nb量が1.50%を超える
と上記各効果が飽和するほか、ビードの硬さが著しく高
くなるため、上限を1.50%とした。
【0024】V:0.05〜1.50% VはNbとともに窒化物を生成し、シールド不良による
気孔生成を抑制する目的で添加する。しかし、V量が
0.05%未満では効果が不足し、また1.50%を超
えると割れ感受性が高まるので、0.05〜1.50%
の範囲とした。 Ta:0.05〜1.50% TaはNb、Vと同様に窒素固定元素として添加する。
その効果は0.05〜1.50%の範囲で認められる。
【0025】上記ワイヤとの組み合わせにおけるパルス
マグ溶接のパルス条件の設定理由は以下のとおりであ
る。 ピーク電流Ip=380〜680(A) ピーク電流が380A未満では電磁ピンチ力が弱くな
り、ワイヤからの溶滴の脱離が不安定になりやすく、ス
パッタ発生量が多くなる。また、680A超では実効入
熱量が増加し、溶込み深さが増大して、溶込み幅を確保
することが困難となって耐ギャップ性が劣化する。従っ
て、ピーク電流Ipは380〜680(A)の範囲とし
た。
【0026】 ピーク時間Tp=0.4〜3.0(msec) ピーク時間が0.4msec未満、および3.0mse
cを超える場合、溶滴移行形態が不安定となり、スパッ
タ量が増加するばかりでなく、耐ギャップ性も低下する
ため、ピーク時間Tpは0.4〜3.0(msec)の
範囲とした。 ベース電流Ib=20〜100(A) ベース電流が20A未満では、ベース期間中に溶滴と溶
融池が短絡しやすくなり、アークが不安定になってスパ
ッタ量が増加し、また耐ギャップ性も劣化する。一方、
ベース電流が100Aを超えるとアークの影響を受けや
すくなるため、溶滴移行が不安定になってスパッタ量の
増加となる。
【0027】以下に実施例により、本発明を具体的に説
明する。
【0028】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼ワイヤ(ワイヤ径
1.2mmφ)により、表2に示す溶接条件で溶接を行
い、耐ギャップ性、耐気孔性、スパッタ発生量を調査し
た。耐ギャップ性の評価は、図1に示す継手形状により
溶接したもので行った。この溶接における耐気孔性、耐
ギャップ性およびスパッタ発生量の評価結果を表3に示
す。
【0029】また、表1のワイヤ記号No.5により、
種々のパルス条件によるパルスアーク溶接を表2に示す
溶接条件で実施し、耐ギャップ性、耐気孔性、スパッタ
発生量を調査した。そのパルス条件および評価結果を表
4に示し、パルス波形例を図2および図3に示す。評価
基準は、耐気孔性については外観検査によりピット個数
を測定し、ビード1m当たりに換算して4個/m以下を
合格とし、ブローホール発生率についてはX線透過検査
により、ブローホール合計幅/ビード長さが30%以下
を合格とした。また、耐ギャップ性の評価は、溶接が可
能であったギャップが2.0mm以上を合格とし、スパ
ッタ発生量の評価は、鋼製捕集箱により捕集したスパッ
タ重量が1.0g/min以下を合格とした。割れはX
線透過試験により溶接ビードのクレーター部を除いて調
査した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】ワイヤNo.7は、C量が本発明の範囲を
超えるため、特にスパッタ量が多く、割れの発生が認め
られる。ワイヤNo.8は、Si量が本発明の限定範囲
を超えるものであるが、全体的に各項目の性能が十分に
得られていない。ワイヤNo.9は、Si量が本発明範
囲未満であるため、亜鉛による気孔とは異なる形態のピ
ット、ブローホールの発生が多く、また耐ギャップ性が
劣り、スパッタ量も多くなっている。
【0035】ワイヤNo.10は、Mn量が本発明の範
囲を超えるため、特に耐気孔性、耐ギャップ性が十分で
ない。ワイヤNo.11は、Mn量が本発明範囲未満で
あり、ワイヤNo.7の場合と同様の気孔が多発し、ス
パッタも多発して、耐ギャップ性も劣化している。ワイ
ヤNo.12はS、O量が本発明範囲未満であるため、
特に耐ギャップ性が劣り、またその他の性能も全体的に
不十分である。
【0036】ワイヤNo.13は、Tiが本発明の範囲
を超えており、耐気孔性とスパッタ発生量が多く、性能
を満足していない。ワイヤNo.14は、Al、Ti、
Zr量が本発明の範囲を満たしていないもので、耐気孔
性が著しく悪く、またスパッタ量も多い。ワイヤNo.
15は、Nb、V、Ta量が本発明範囲未満であり、特
に耐気孔性が劣り、またスパッタ量も多いばかりでな
く、割れも発生している。
【0037】ワイヤNo.16は、V量が本発明の範囲
を超えるワイヤで、割れが発生している。試験記号N
o.6は、ピーク電流が本発明の範囲を超え、ピーク時
間が本発明範囲外であるため、耐ギャップ性が劣り、ス
パッタ量が多く、耐気孔性も不十分である。この試験記
号No.6のパルス波形例を図3に示す。
【0038】試験記号No.7は、ピーク電流が本発明
範囲未満であり、アークが不安定になり、スパッタ発生
が多く、耐気孔性も劣っている。試験記号No.8は、
ベース電流が本発明範囲外であり、アークが不安定とな
り、スパッタが多発している。試験記号No.9および
No.10は、ピーク時間が本発明の範囲外であり、溶
滴移行が不安定となり、各性能ともに満足していない。
【0039】これらに比較し、本発明ワイヤNo.1〜
No.6および試験記号No.1〜No.5では、何れ
の項目においても良好な性能が得られていることが明ら
かである。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明により、表面処理
鋼板および普通鋼板の高速溶接時に耐気孔性と耐ギャッ
プ性がともに優れた、スパッタ発生量の少ない溶接が可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験板の継手形状を示す斜視図である。
【図2】パルス波形例を示す図である。
【図3】パルス波形例を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ全重量に対して、重量%で、 C:0.02〜0.40%、 Si:0.50〜2.0%、 Mn:0.20〜3.0%、 S:0.005〜0.050%、 O:0.0030〜0.050% であって、 Al:0.005〜0.20%、 Ti:0.005〜0.20%、 Zr:0.005〜0.20% の1種または2種以上を含有し、かつ残部が実質的にF
    eよりなる薄板用ガスシールドアーク溶接鋼ワイヤを用
    いるパルスマグ溶接において、パルス電流のピーク電流
    Ipを380〜680(A)、パルスピーク時間Tpを
    0.4〜3.0(msec)、ベース電流Ibを20〜
    100(A)の範囲としたことを特徴とする薄板用ガス
    シールドアーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 ワイヤ全重量に対して、重量%で、 C:0.02〜0.40%、 Si:0.50〜2.0%、 Mn:0.20〜3.0%、 S:0.005〜0.050%、 O:0.0030〜0.050% であって、 Al:0.005〜0.20%、 Ti:0.005〜0.20%、 Zr:0.005〜0.20% の1種または2種以上を含有し、さらに Nb:0.05〜1.50%、 V:0.05〜1.50%、 Ta:0.05〜1.50% の1種または2種以上を含有し、かつ残部が実質的にF
    eよりなる薄板用ガスシールドアーク溶接鋼ワイヤを用
    いるパルスマグ溶接において、パルス電流のピーク電流
    Ipを380〜680(A)、パルスピーク時間Tpを
    0.4〜3.0(msec)、ベース電流Ibを20〜
    100(A)の範囲としたことを特徴とする薄板用ガス
    シールドアーク溶接方法。
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