JPH09206664A - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

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JPH09206664A
JPH09206664A JP3568196A JP3568196A JPH09206664A JP H09206664 A JPH09206664 A JP H09206664A JP 3568196 A JP3568196 A JP 3568196A JP 3568196 A JP3568196 A JP 3568196A JP H09206664 A JPH09206664 A JP H09206664A
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JP
Japan
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powder
coating
coating film
electrodeposition
conductive
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Application number
JP3568196A
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English (en)
Inventor
Toshio Ogoshi
利雄 大越
Tetsuo Higuchi
徹雄 樋口
Yoshio Tomioka
義雄 冨岡
Hiroshi Arai
弘 新井
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Honda Motor Co Ltd
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉体塗膜と電着塗膜との境界部分の平滑性及
び耐蝕性が優れる被膜を形成しうる塗装方法の提供。 【解決手段】 自動車ボデー等の被塗物に粉体塗料を塗
装して粉体塗膜形成後、未塗装部分を電着塗装して電着
塗膜を形成する塗装方法において、粉体塗膜を形成した
後電着塗膜形成前に、粉体塗膜と電着塗膜との境界部分
になる箇所に導電性プライマーを塗装しておくことを特
徴とする塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な塗装方法に係
わる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
粉体塗装は有機溶剤等の揮発成分をほとんど含まないこ
とから公害防止、地球環境の保護の点に優れた塗料とし
て注目されている。しかしながら、該塗装方法は、被塗
物の裏面、コーナー部あるいはスリット部分への塗装が
困難であり、複雑な形状の被塗物を被覆することは難し
いといった欠点がある。
【0003】このような欠点を防止する方法として、被
塗物に粉体塗装した後、未塗着部分を電着する下塗り塗
装方法が考えられている。該方法によると、粉体塗膜の
ダスト部分(境界部分)には電着塗膜が形成されない。
このために該境界部分の塗膜膜厚が薄くなるため耐蝕性
が悪いといった欠点があった。
【0004】また、該境界部分の膜厚を上げる方法とし
て、被塗物に導電性粉末を含有する粉体塗料を塗装し、
次いで未塗装部分に再溶解率が特定範囲であるマレイン
化ポリブタジェン等のアニオン電着塗料を塗装する方法
が特開昭51−133333号公報に提案されている。
しかしながら、該方法では粉体塗料として導電性粉末を
含有するので流動性が悪い。このために境界部分以外の
連続塗膜においても塗膜平滑性が悪くなり、その結果と
して上塗り塗膜の平滑性が劣るといった問題点がある。
また、該方法ではダスト部分(境界部分)以外の連続粉
体塗膜表面にも電着塗膜が形成されるので特定範囲に体
積固有電気抵抗値を調整した粉体塗料を使用する必要が
あり、また、電着塗料においても特定範囲に再溶解率を
調整したものを使用する必要があるため煩わしいこと及
び塗料の選択幅が狭くなり限定されたものしか使用でき
ないといった問題点がある。また、上記した方法では耐
蝕性が十分ではなく実用的には問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、自動車
ボデー等の被塗物に粉体塗料を塗装し、好ましくは静電
塗装して粉体塗膜形成後、未塗装部分を電着塗装して電
着塗膜を形成する塗装方法において、粉体塗膜を形成し
た後電着塗膜形成前に、粉体塗膜と電着塗膜との境界部
分になる箇所に導電性プライマーを塗布しておくことに
より、耐蝕性、仕上がり外観等に優れた塗膜が形成でき
ることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、自動車ボデー等の被塗物
に粉体塗料を塗装し、好ましくは静電塗装して粉体塗膜
形成後、未塗装部分を電着塗装して電着塗膜を形成する
塗装方法において、粉体塗膜を形成した後電着塗膜形成
前に、粉体塗膜と電着塗膜との境界部分になる箇所に導
電性プライマーを塗装しておくことを特徴とする塗装方
法に係わる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明塗装方法において使用され
る被塗物は、粉体塗装及び電着塗装ができる導電性被塗
物であり、具体的には、自動車ボデー(ドアー、ボンネ
ット等のパーツも含む)として使用されているものが好
適である。該被塗物としては、従来からこれらの塗装に
使用される被塗物が特に制限なしに使用でき、具体的に
は、アルミニウム、アルマイト、鉄鋼、鉄鋼表面に亜
鉛、スズ、クロム、アルミニウム等をメッキした鋼板あ
るいはこれらの表面をクロム酸、燐酸等で化成処理した
もの等の広範囲な金属類が挙げられる。
【0008】本発明塗装方法において使用される粉体塗
料は、特に制限なしに従来から公知の熱硬化性粉体塗料
を使用することができる。該熱硬化性粉体塗料として
は、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂(水酸
基、カルボキシル基等の官能基を含有したもの)、アク
リル系樹脂(水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等の
官能基を含有したもの)を基体樹脂としこのものに架橋
剤(水酸基と反応する架橋剤としてブロックポリイソシ
アネート、テトラメトキシメチルグリコルリル等、カル
ボキシル基と反応する架橋剤としてポリエポキシド、β
−ヒドロキシアルキルアミド等、エポキシ基と反応する
架橋剤としてポリカルボン酸、酸無水物、フェノール樹
脂、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジッド、芳香族
スルホニウム塩カチオン重合触媒等)を配合してなる熱
硬化性粉体塗料が好適に使用できる。
【0009】該粉体塗料において、上記した成分以外
に、例えば、着色顔料、充填剤、流動性調整剤、ブロッ
キング防止剤、表面調整剤、ワキ防止剤、酸化防止剤、
硬化促進剤、帯電制御剤、その他樹脂等のその他の配合
物を必要に応じて配合できる。該粉体塗料は約150メ
ッシュを透過したものが好適に使用できる。粉体塗料
は、従来から公知の粉体塗料の製造方法、例えば、基体
樹脂、架橋剤及び必要に応じてその他の配合物を配合し
た後ドライブレンドを行い、次ぎに溶融ブレンドを行っ
た後、冷却、粗粉砕、微粉砕、濾過を行って製造するこ
とができる。
【0010】粉体塗料の塗装は、それ自体公知の粉体塗
装方法、好ましくは静電粉体塗装方法、例えば、コロナ
帯電式、摩擦帯電式等によって行うことができる。粉体
塗膜膜厚は境界部分以外の部分(連続塗膜)では、通
常、約20〜100ミクロン、好ましくは約30〜80
ミクロンの範囲が好適である。
【0011】粉体塗料の焼付けは、次ぎに塗布される導
電性プライマーが後記する導電性粉体プライマーである
場合には焼付けを行わないか、又は電着塗膜を焼付ける
際に該粉体塗膜が再流動するような条件(未硬化もしく
は完全硬化しない程度)で焼付けるか又は粉体塗料が完
全に硬化する焼付け条件で行うことができる。上記粉体
塗料の焼付けにおいて全く焼付けを行わないか又は未硬
化で塗膜を形成させた場合には粉体塗膜と電着塗膜との
境界部分の平滑性、耐蝕性等が良くなるといった利点が
ある。
【0012】また、導電性プライマーが後記する導電性
液状プライマーである場合には粉体塗料は焼付けが必要
となる。該焼付けは上記と同様に、電着塗膜を焼付ける
際に該粉体塗膜が再流動するような条件(未硬化もしく
は完全硬化しない程度)で焼付けるか又は粉体塗料が完
全に硬化する焼付け条件で行うことができるが、好まし
くは前者の方法である。
【0013】上記粉体塗膜が再流動する粉体塗料の焼付
け条件は、粉体塗料の種類によって異なるが、例えば、
約100〜140℃では約1〜10分間程度、約150
〜170℃では約30秒〜5分間程度と考えられる。
【0014】本発明塗装方法において使用される導電性
プライマーは、カチオン電着塗装される前に予め粉体塗
膜のダスト部分(電着塗膜との境界部分となる箇所)に
塗布するものである。導電性プライマーとしては、該プ
ライマーから形成された被膜の表面に、電着塗装により
電析塗膜が析出するものであれば、特に制限されること
なしに従来から公知のものが使用できる。導電性プライ
マーとしては、例えば、粉体樹脂及び導電材料で構成さ
れる導電性粉体プライマー、有機溶剤又は水を媒体とす
る樹脂成分及び導電材料で構成される導電性液状プライ
マー等が使用できる。
【0015】導電性粉体プライマー及び導電性液状プラ
イマーで使用する導電材料としては、例えば、銅粉、銀
粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉末
及びカーボンブラック、アセチレンブラック、グラファ
イト等の非金属粉末が挙げれる。導電材料の配合割合
は、上記した目的が達成されるように配合すればよい
が、通常、樹脂成分(固形分)100重量部に対して約
3〜50重量部の範囲が好ましい。導電性粉体プライマ
ーは粉体塗装作業性及び電着塗膜析出の観点から20
℃、20Vで1×103 〜1×108 Ω・cm(JIS
K 6911)の範囲の体積固有電気抵抗値を持つこ
とが好ましい。
【0016】導電性粉体プライマーで使用する粉体樹脂
としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を基体樹脂
としこのものに架橋剤を配合してなる熱硬化性粉体樹脂
が使用できる。
【0017】上記エポキシ樹脂としては、エポキシ当量
約200〜5000、平均分子量約1000〜8000
0で軟化温度約60〜150℃の粉体樹脂が使用でき
る。具体的には、商品名として、例えば、エピコート1
004、同左1002、同左1007(以上、油化シェ
ルエポキシ(株)社製)、アラルダイトGY−608
4、同左6097(チバ・ガイギー社製)、DER−6
62、同左664、同左667(ダウ・ケミカル社製)
等のビスフェノール〜エピクロルヒドリン型エポキシ樹
脂、EPPN−201、同左202、EOCN−102
0、同左102S(以上、日本化薬(株)社製)等のノ
ボラック型エポキシ樹脂、ビニル系重合体(例えば、グ
リシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基
含有不飽和モノマーのラジカル同重合体、及び必要に応
じて、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸のアルキル又はシクロア
ルキルエステル類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート等の水酸基含有不飽和モノマー類、スチレン等の芳
香族化合物類、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル
化合物類等のその他の不飽和モノマーとのラジカル共重
合体等)等が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノ
ール〜エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂が耐蝕性等が優れることからこのものを
使用することが好ましい。
【0018】上記エポキシ樹脂用の架橋剤としては、上
記エポキシ樹脂のエポキシ基に対して架橋硬化するもの
であれば特に制限なしに従来から公知のものを使用する
ことができる。具体的には、例えば、(無水)ポリカル
ボン酸化合物(アジピン酸、ドデカン二酸、(無水)ト
リメリット酸、(無水)コハク酸等)、フェノール樹
脂、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジッド(アジピ
ン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等)、芳香
族スルホニウム塩のカチオン重合触媒(ベンジル−4−
ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロ
アンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチ
ルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ア
セトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロ
アンチモネート等)等のものが挙げられる。
【0019】上記ポリエステル樹脂としては、水酸基及
び/又はカルボキシル基含有ポリエステル樹脂が使用で
き、カルボキシル当量及び/又は水酸基当量が約200
〜5000、平均分子量約500〜50000、軟化温
度約60〜150℃の粉体樹脂が使用できる。該ポリエ
ステル樹脂は主に多塩基酸(又はメチルエステル)と多
価アルコールとのエステル化物であって、例えば、フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ(無
水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、イソフ
タル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル等の芳香族又は
脂環族ジカルボン酸化合物及び必要に応じてアジピン
酸、セバシン酸、(無水)マレイン酸、(無水)トリメ
リット酸等のその他のポリカルボン酸化合物等の多塩基
酸にエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール等のポリオール化合物をカルボキシル基及び
/又は水酸基を有するようにエステル化反応させたもの
が使用できる。
【0020】ポリエステル樹脂用架橋剤として、ポリエ
ステル樹脂がカルボキシル基を有する場合には、トリグ
リシジルイソシアヌレート、ポリエポキシド(上記ビス
フェノール(A、F、B)〜エピクロルヒドリン型エポ
キシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、ビニル重合体
等)、β−ヒドロキシアルキルアミドが挙げれる。ま
た、ポリエステル樹脂が水酸基を有する場合には、ブロ
ックポリイソシアネート(ε−カプロラクタムジイソシ
アネート等)、テトラメトキシメチルグリコルリル等が
挙げられる。
【0021】上記基体樹脂と架橋剤との配合比率は、通
常、約95/5〜50/50重量比の範囲が好適であ
る。但し、上記芳香族スルホニウム塩のカチオン重合触
媒を使用する場合には、99.99/0.01〜90/
10重量比の範囲で良い。
【0022】導電性粉体プライマーには、上記した成分
以外に、例えば、着色顔料、充填剤、流動性調整剤、ブ
ロッキング防止剤、表面調整剤、ワキ防止剤、酸化防止
剤、硬化促進剤、帯電制御剤、その他樹脂等のその他の
配合物を必要に応じて配合できる。該粉体プライマーは
約150メッシュを透過したものが好適に使用できる。
【0023】導電性粉体プライマーは、従来から公知の
粉体塗料の製造方法、例えば、基体樹脂、架橋剤、導電
材料及び必要に応じてその他の配合物を配合した後、ド
ライブレンドを行い、次ぎに溶融ブレンドを行った後、
冷却、粗粉砕、微粉砕、濾過を行って製造することがで
きる。
【0024】導電性粉体プライマーの塗装は、粉体塗膜
のダスト部分(電着塗膜との境界部分)に塗装される
が、その塗装方法はそれ自体公知の粉体塗装方法、好ま
しくは静電粉体塗装方法、例えば、コロナ帯電式、摩擦
帯電式等によって行うことができる。
【0025】導電性粉体プライマーは、焼付けて導電性
粉体プライマー被膜を形成する必要があるが、その被膜
は融着又は溶融させた未硬化粉体プライマー被膜、更に
焼付けて硬化させた被膜として使用できる。
【0026】上記導電性液状プライマーで使用する樹脂
組成物としては、従来から公知のラッカー型、熱(常温
も含む)硬化型の有機溶剤系及び水系のいずれのものに
おいても使用することができる。ラッカー型としては、
例えば、アクリル樹脂系、ポリエステル(アルキッド樹
脂も含む)樹脂系、ポリウレタン樹脂系、シリコン樹脂
系、エポキシ樹脂系、繊維素樹脂系、ポリオレフィン樹
脂系、フェノール樹脂系等が挙げられ、また、熱硬化型
としては、例えば、エポキシ樹脂系硬化型(例えば、ビ
スフェノール〜エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、ノ
ボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ基体樹脂/フェノ
ール樹脂、ポリアミン、ポリアミド、ポリカルボン酸、
酸無水物等のエポキシ樹脂用架橋剤)、アクリル樹脂系
硬化型(例えば、水酸基含有アクリル基体樹脂/アミノ
樹脂架橋剤、水酸基含有アクリル基体樹脂/(ブロッ
ク)ポリイソシアネート架橋剤、エポキシ基含有アクリ
ル樹脂/ポリカルボン酸架橋剤等)、ポリエステル樹脂
系硬化型(例えば、水酸基含有ポリエステル(アルキッ
ド)基体樹脂/アミノ樹脂架橋剤、水酸基含有ポリエス
テル(アルキッド)基体樹脂/(ブロック)ポリイソシ
アネート架橋剤、空気酸化硬化型アルキッド樹脂等)、
ポリブタジェン樹脂系硬化型等が挙げられる。
【0027】導電性液状プライマーには必要に応じて着
色顔料、充填剤、流動性調整剤、表面調整剤、ワキ防止
剤、硬化促進剤、その他樹脂等のその他の配合物を必要
に応じて配合できる
【0028】該導電性液状プライマーはスプレー塗装方
法など公知の塗装方法によって塗装し、水、有機溶剤を
揮発させて被膜を形成し、硬化または未硬化の状態で使
用することができる。
【0029】導電性プライマー被膜の膜厚は約1ミクロ
ン以上、好ましくは約5〜100ミクロンの範囲が好適
である。
【0030】本発明において使用される電着塗料として
は、エポキシ樹脂をベース樹脂として含有するカチオン
電着塗料が好適に使用できる。カチオン電着塗料として
は、従来から公知の塗料が使用できる。カチオン電着塗
料としては、例えば、アミン付加エポキシ樹脂やアミン
付加ポリエステル変性エポキシ樹脂をベース樹脂として
このものにプロックポリイソシアネートの架橋剤を配合
もしくは付加したものを中和、水分散したものが使用で
きる。この中でもアミン付加ポリエステル変性エポキシ
樹脂をベース樹脂とする電着塗料は、電着塗膜自体の耐
蝕性や塗膜境界部分における平滑性、防食性、耐候性、
付着性等が優れるといった効果がある。カチオン電着塗
料には、必要に応じて顔料、有機溶剤、硬化触媒、界面
活性剤等を配合することができる。
【0031】カチオン電着塗装方法としては、従来から
公知の方法で行うことができる。例えば、カチオン電着
塗料を電着浴とし、被塗物を陰極とし金属溶出のない素
材(炭素板等)を陽極として通電することにより行うこ
とができる。通電条件は電着塗膜膜厚が約10〜40ミ
クロン、好ましくは約15〜30ミクロンの範囲で行う
ことが望ましい。また、電着塗装後、ウルトラフィルト
レーシヨン濾過液、限外濾過液などにより水洗すること
が好ましい。
【0032】カチオン電着塗膜の焼付けはカチオン電着
塗膜及び粉体塗膜(未硬化塗膜の場合)が硬化できる焼
付け条件で行なわれる。該焼付けはカチオン電着塗膜及
び粉体塗膜の種類によって異なるが、通常、約140〜
180℃の範囲では約20〜40分間の範囲で行うこと
ができる。
【0033】本発明によって形成された粉体塗膜、電着
塗膜及び境界部分の表面には中塗り塗料、上塗り塗料等
の塗料を塗装することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1は導電性プライマーとして導電性粉体プ
ライマーを使用した塗装方法説明図、図2は導電性プラ
イマーとして導電性液状プライマーを使用した塗装方法
説明図、図3は従来の塗装方法説明図である。
【0035】[実施例1]図1においてA〜Eは導電性
粉体プライマーを使用した塗装方法を示す。Aは燐酸亜
鉛化成処理を施した厚さ0.8×縦300×横100
(mm)のダル鋼板の被塗物(1)の中央付近に粉体塗
料のダストがくるように下記粉体塗料(2)を静電粉体
塗装機(3)で塗装した図を示す。粉体塗膜膜厚は連続
塗膜部分が約50ミクロンになるように塗装した。該粉
体塗料は焼付けをおこなっても又はおこなわなくても構
わない。ここでは粉体塗料の焼付けを行わなかった。B
は導電性粉体プライマーを静電粉体塗装機(3)で塗装
して粉体塗料ダスト部分に導電性粉体プライマー(4)
を形成した図を示す。塗膜膜厚は約10ミクロンになる
ように塗装した。Cは焼付けをおこない(110℃で1
0分間、未硬化)粉体塗料及び導電性粉体プライマー
(1×106 Ω・cm、体積固有電気抵抗値)がフロー
して粉体塗膜(5)及び導電性粉体プライマー被膜
(6)を形成した図を示す。Dはカチオン電着塗装(カ
チオン電着塗料:エレクロンHG−10R、関西ペイン
ト株式会社製、商品名、アミン付加エポキシ基体樹脂、
ブロックポリイソシアネート架橋剤)した後、水洗をお
こないカチオン電着塗膜(7)を形成した図を示す。カ
チオン電着膜膜膜厚は連続塗膜部分が約30ミクロンに
なるように塗装した。Eは焼付け後の塗膜の図を示す。
焼付けは175℃で20分間おこなった。
【0036】粉体塗料:エピコート1004(油化シェ
ルエポキシ株式会社製、商品名、ビスフェノールA〜エ
ピクロルヒドリン型エポキシ樹脂)940g、アジピン
酸ジヒドラジド60g、チタン白顔料200g、バリタ
200gの混合物をドライブレンドした後、ブスコニー
ダーで溶融混練り分散を行い、次いで冷却、粗粉砕、微
粉砕、150メッシュ濾過を行って製造した。
【0037】導電性粉体プライマー:エピコート100
4(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名、ビスフェ
ノールA〜エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂)940
g、アジピン酸ジヒドラジド60g、グラファイト20
0gの混合物をドライブレンドした後、ブスコニーダー
で溶融混練り分散を行い、次いで冷却、粗粉砕、微粉
砕、150メッシュ濾過を行って製造した。
【0038】上記によって形成された塗膜において、塗
膜平滑性(塗膜平滑性の平滑感を肉眼で評価した、以
下、同様の意味を表す)は粉体塗装部、電着塗装部及び
その境界部分のいずれにおいても良好であり、また、耐
塩水噴霧性(JIS K−5400塩水噴霧試験500
時間後の平面部における錆発生を目視で評価した、以
下、同様の意味を表す)は粉体塗装部、電着塗装部及び
その境界部分のいずれにおいても錆の発生がなく良好で
あった。
【0039】[実施例2]図2においてF〜Iは導電性
有機溶剤系プライマーを使用した塗装方法を示す。被塗
物(1)の中央付近に粉体塗料のダストがくるように粉
体塗料(2)(前記と同様のもの)を静電粉体塗装機
(3)で塗装した図を示す。粉体塗膜膜厚は連続塗膜部
分が約50ミクロンになるように塗装した。Gは焼付け
(110℃で10分間、未硬化)をおこなって粉体塗膜
(5)を形成した図を示す。Hは下記導電性有機溶剤系
プライマー(8)をスプレー塗装機(9)で塗装した図
を示す。塗膜膜厚は約10ミクロンになるように塗装し
た。導電性有機溶剤系プライマー(8)は塗装後有機溶
剤の揮発乾燥をおこなう必要があるが、被膜は硬化させ
なくても硬化させてもどちらであっても構わない。ここ
では硬化を行わなかった。Iは導電性有機溶剤系プライ
マー(8)(80℃で10分間焼付け、未硬化)(1×
106 Ω・cm、体積固有電気抵抗値)表面にカチオン
電着塗装(前記と同様のもの)した後、水洗をおこない
カチオン電着塗膜(7)を形成した後、175℃で20
分間焼付けて塗膜を形成した図を示す。カチオン電着膜
装膜厚は連続塗膜部分が約30ミクロンになるように塗
装した。
【0040】導電性有機溶剤系プライマー:エピコート
1004(前記と同様のもの)をキシロール溶剤に溶解
した固形分30重量%の有機溶剤溶液313g(固形分
94g)、アジピン酸ジヒドラジド6g、グラファイト
20gの混合物をペイントシェーカーで分散混合したも
の。
【0041】上記によって形成された塗膜において、塗
膜平滑性は粉体塗装部、電着塗装部及びその境界部分の
いずれにおいても良好であり、また、耐塩水噴霧性は粉
体塗装部、電着塗装部及びその境界部分のいずれにおい
ても錆の発生がなく良好であった。
【0042】[比較例1]図3においてJ〜Lは導電性
プライマーを使用しない従来からの塗装方法を示す。J
は被塗物(1)の中央付近に粉体塗料のダストがくるよ
うに粉体塗料(2)(前記と同様のもの)を静電粉体塗
装機(3)で塗装した図を示す。粉体塗膜膜厚は連続塗
膜部分が約50ミクロンになるように塗装した。Kは焼
付けをおこない(110℃で10分間、未硬化)粉体塗
料がフローして塗膜を形成した図を示す。Lはカチオン
電着塗装(前記と同様のもの)した後、水洗をおこない
カチオン電着塗膜を形成した後、焼付けをおこなった図
を示す。カチオン電着塗膜膜厚は連続塗膜部分が約30
ミクロンになるように塗装した。焼付けは175℃で2
0分間おこなった。
【0043】上記によって形成された塗膜において、塗
膜平滑性は粉体塗装部及び電着塗装部は良好であったが
その境界部分は凸凹で悪かった。耐塩水噴霧性は粉体塗
装部及び電着塗装部は良好であったがその境界部分は錆
が著しく発生して悪かった。
【0044】
【発明の効果】本発明塗装方法によれば、特に粉体塗膜
と電着塗膜との境界部分の平滑性及び耐蝕性が優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性プライマーとして導電性粉体プライマー
を使用した本発明塗装方法の説明図。
【図2】導電性プライマーとして導電性液状プライマー
を使用した本発明塗装方法の説明図。
【図3】従来からの塗装方法の説明図。
【符号の説明】
1 被塗物 2 粉体塗料 3 静電粉体塗装機 4 導電性粉体プライマー 5 粉体塗膜 6 導電性粉体プライマー被膜 7 カチオン電着塗膜 8 導電性液状プライマー 9 スプレー塗装機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨岡 義雄 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 本田技研 工業株式会社内 (72)発明者 新井 弘 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車ボデー等の被塗物に粉体塗料を塗
    装して粉体塗膜形成後、未塗装部分を電着塗装して電着
    塗膜を形成する塗装方法において、粉体塗膜を形成した
    後電着塗膜形成前に、粉体塗膜と電着塗膜との境界部分
    になる箇所に導電性プライマーを塗装しておくことを特
    徴とする塗装方法。
  2. 【請求項2】 該粉体塗料を静電塗装することを特徴と
    する請求項1記載の塗装方法。
  3. 【請求項3】 導電性プライマーが粉体塗料であること
    を特徴とする請求項1記載の塗装方法。
  4. 【請求項4】 電着塗装がカチオン電着塗装であること
    を特徴とする請求項1記載の塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0982413A2 (en) * 1998-08-06 2000-03-01 Kansai Paint Co., Ltd. A car body coating process

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0982413A2 (en) * 1998-08-06 2000-03-01 Kansai Paint Co., Ltd. A car body coating process
EP0982413A3 (en) * 1998-08-06 2004-05-12 Kansai Paint Co., Ltd. A car body coating process

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