JPH09204645A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09204645A
JPH09204645A JP8013290A JP1329096A JPH09204645A JP H09204645 A JPH09204645 A JP H09204645A JP 8013290 A JP8013290 A JP 8013290A JP 1329096 A JP1329096 A JP 1329096A JP H09204645 A JPH09204645 A JP H09204645A
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JP
Japan
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ratio
peak
carbon
film
recording medium
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JP8013290A
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English (en)
Inventor
Katsumi Endo
克巳 遠藤
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Katsumi Sasaki
克己 佐々木
Junko Ishikawa
准子 石川
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬さと共に適度な弾性を備えた保護膜を有
し、耐久性に優れた磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 磁気記録媒体の保護層を、蛍光有機分子
を適度に含み、結晶性炭素成分の量が適度な範囲にある
炭素保護膜により構成する。この炭素保護膜について測
定されるラマンスペクトルは、ブランクレベルを差し引
く補正を行うことによって正味のスペクトルとされる。
この正味のスペクトルについて、炭素保護膜は1550±50
cm-1におけるバックグラウンド強度(IB)とピーク強度
(IG)の比IB/IGが、0.56≦IB/IG<1.0なる関係を満
たし、さらにバックグラウンドを除去し、1350±50cm-1
のピークと1550±50cm-1のピークを分離して得られた13
50±50cm-1のピークの面積強度(S1)と1550±50cm-1
ピークの面積強度(S2)の比S1/S2が、0<S1/S2<0.
9なる関係を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、詳しくは、磁性層上に炭素薄膜からなる保護層が形
成されたタイプの磁気記録媒体、特に磁気テープに関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の耐食性、耐久性といった
特性を向上させる目的で、磁性層上に保護層を設けるこ
とが従来から行われている。こうした保護層は非磁性材
料からなり、例えばダイヤモンドライクカーボンや、炭
化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化
ケイ素、酸化アルミニウムなどの種々の炭化物、窒化
物、酸化物から構成される。これらの中でも、特にダイ
ヤモンドライクカーボン(DLC)の如き炭素薄膜は、
硬度や摺動などに関する優れた特性の故に、保護層とし
て有力なものとして注目されている。
【0003】DLC薄膜は、グラファイト結合とダイヤ
モンド結合が混在する非晶質の炭素薄膜であり、高周波
スパッタリング、プラズマCVD法等により磁性層上に
成膜される。そしてDLC薄膜のダイヤモンド結合性を
高めること、即ちSP2結合に対するSP3結合の比を高める
ことによって、よりダイヤモンドに近い炭素薄膜とし、
硬度を向上させることを目的として、種々の試みがなさ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来は、炭
素薄膜に対する関心は、主として硬度を増大させること
に向けられていた。しかしながら、保護層の硬度を高め
た場合、即ち炭素薄膜中のダイヤモンド成分を増大させ
た場合、硬度の増大による利点を享受しうる反面、用途
によっては幾つかの不具合が生ずる場合がある。すなわ
ちこうした炭素薄膜を磁気テープなどの磁気記録媒体の
保護層に用いた場合、炭素薄膜が硬すぎて可撓性が不十
分となり、撓んだ場合に保護層が折れてしまい、かえっ
て耐久性が低下するといった不具合がある。そこで本発
明の課題は、このような問題点のない炭素薄膜からなる
保護層を備えた、最適な耐久性を有する磁気記録媒体を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく検討を行った。その結果、炭素薄膜中にポ
リマー化した炭化水素分子(蛍光有機分子)を適度に含
有し、SP3結合とSP2結合の両者をアモルファス的に持つ
ことにより、保護層の弾性挙動が改善され、硬さと共に
適度な弾性を有する膜が得られ、上記のような不具合が
解消されることを見い出した。そしてこのような特性
は、保護層として形成される炭素薄膜のラマンスペクト
ルにおいて、1550±50cm-1におけるバックグラウンド強
度(IB)とピーク強度(IG)の比と、さらに1350±50cm
-1のピークの面積強度(S1)と1550±50cm-1のピークの
面積強度(S2)の比を規定することにより好適に記述す
ることができることが判った。かくして本発明により提
供される磁気記録媒体は、支持体とその上に形成された
磁性層と、さらに磁性層上に形成された炭素保護膜とを
有し、炭素保護膜のラマンスペクトルが、ブランク補正
を行った後、1550±50cm-1におけるバックグラウンド強
度(IB)とピーク強度(IG)の比IB/IGが、0.56≦IB
IG<1.0なる関係を満たすと共に、さらにバックグラウ
ンドを除去し、1350±50cm-1のピークと1550±50cm-1
ピークを分離して得られた1350±50cm−1のピーク
の面積強度(S1)と1550±50cm-1のピークの面積強度
(S2)の比S1/S2が、0<S1/S2<0.9なる関係を満た
すことを特徴とするものである。
【0006】ラマン分光分析において1550±50cm-1にお
けるラマンバンドは結晶性グラファイトのピークを示し
ており、そのバックグラウンド強度IBは上記した蛍光有
機分子の指標となる。即ち蛍光有機分子が多くなればバ
ックグラウンド強度IBが増大し、比IB/IGは大きくなる
と考えることができる。こうした炭素保護膜では膜中に
蛍光有機分子が適度に存在し、それが膜中欠陥を補填
し、適度な硬さとしなやかさとを備えた膜となる。ここ
で蛍光有機分子とは、炭素薄膜中にランダムに存在す
る、水素を含んでポリマー化した炭化水素分子を指す。
本発明はこうした場合に、0.56≦IB/IG<1.0なる関係
が、磁気記録媒体の保護層として形成される炭素保護膜
の弾性を適度にする役割を果たす、蛍光有機分子の量の
指標となることを見い出したものである。
【0007】また一方、1350±50cm-1のピークと1550±
50cm-1のピークを分離して得られた1350±50cm-1のピー
クの面積強度(S1)と1550±50cm-1のピークの面積強度
(S2)の比S1/S2は、グラファイトの結晶性の指標とな
ると考えられる。1350±50cm-1のピークは結晶性の低い
グラファイト構造(欠陥性グラファイト)を示す。これ
は熱分解カーボン、グラッシーカーボン、アモルファス
カーボンなどに見られ、炭素薄膜中のグラファイト結晶
が微少化するに伴って相対強度が増大する。他方1550±
50cm-1のピークは上述したように結晶性グラファイトの
ピークを示しており、これら両者のピークを分離して面
積強度比を規定することにより、炭素薄膜中の結晶性の
指標を提供することができる。この比が小さいと炭素薄
膜中のダイヤモンド成分が多くなり、また大きいと多結
晶グラファイト成分が多くなって膜が脆くなる。従って
この比を適当な範囲に保つことによって最適な硬さを有
する保護薄膜が得られると考えられるが、本発明はこの
場合に0<S1/S2<0.9なる関係を満たすことが最適で
あることを見い出したものである。
【0008】本発明においては、保護層のラマンスペク
トルはブランク補正後のものが使用される。ブランク補
正は、ラマン分光計に試料をセットしない状態で測定し
たスペクトルを、実際に試料をセットして測定して得ら
れたスペクトルから差し引くことによって行う。これ
は、室内照明、または分光器内の回折格子や鏡表面など
での乱反射に由来する迷光その他によるノイズ成分を除
去し、分光装置の種類や感度などに依存しない、正味の
ラマンスペクトルを得るためである。例を図1に示す。
図1の(a)は補正前のラマンスペクトルとブランクレ
ベルを共に示している。この補正前のラマンスペクトル
からブランクレベルを差し引くことにより、図1の
(b)で示したような正味のラマンスペクトルが得られ
る。このようにしてブランク補正を行った後、1550±50
cm-1におけるスペクトルの、グラファイトによるピーク
強度(IG)と、やはり1550±50cm-1におけるスペクトル
の、上記蛍光有機分子によるバックグラウンド強度
(IB)とを用いて、比IB/IGを得る。そして本発明によ
る磁気記録媒体においては、炭素保護膜について得られ
たこの比IB/IGが、0.56≦IB/IG<1.0なる関係を満た
すものである。
【0009】また面積強度比を求めるため、上記のよう
にブランク補正により得られた正味のラマンスペクトル
から、バックグラウンドを除去する。かくして得られた
スペクトルを2つのローレンツ関数(1350±50cm-1を中
心としたものと、1550±50cm-1を中心としたもの)の和
として、誤差が最小となるように近似し、1350±50cm-1
のピークの面積強度(S1)と1550±50cm-1のピークの面
積強度(S2)を求め、比S1/S2を得る。この例を図1の
(c)に示す。本発明では前述にように、この比S1/S2
は0<S1/S2<0.9なる範囲内にある。
【0010】
【発明の実施の形態】上記のような、1550±50cm-1にお
ける所定のIB/IG比と1350±50cm-1と1550±50cm-1にお
ける所定のピーク面積強度比S1/S2を有する炭素保護膜
は、公知の種々の方法によって形成することができる。
例えば各種の化学的気相成長法(CVD)や物理的蒸着
法(PVD)を使用することができる。CVD法として
は、マイクロ波を用いたECRプラズマCVDや、高周
波(RF)を用いた方法が有効である。CVD法により
炭素保護膜を形成する場合、原料は気体状、液体状、固
体状の何れでもよい。PVD法としては、熱蒸発、スパ
ッタリング、イオンプレーティング等が挙げられる。炭
素保護膜の厚みに特に限定はないが、通常は10〜300Å
程度である。
【0011】本発明の磁気記録媒体に用いられる支持体
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートのようなポリエステル;ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン;セルローストリアセ
テート、セルロースジアセテート等のセルロース誘導
体;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;
芳香族ポリアミドといったプラスチックを使用すること
ができる。支持体の厚さは3〜50μm程度である。
【0012】支持体上に設けられる磁性層は塗布型のも
のでもよいが、蒸着等により形成された金属薄膜型の磁
性層であるのが好ましい。磁性層を構成する磁性材料と
しては、通常の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用い
られる強磁性金属材料が挙げられる。例えばCo,Ni,Fe
等の強磁性金属、或いはFe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−
Co−Ni、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y、Co−La、Co
−Pr、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−
Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni
−Co−Cr等の強磁性合金が挙げられる。磁性層としては
鉄の薄膜或いは鉄を主体とする強磁性合金の薄膜が好ま
しく、特に鉄、コバルト、ニッケルを主体とする強磁性
合金及びこれらの窒化物又は炭化物から選ばれる少なく
とも1種が好ましい。また磁性層は、いわゆる斜め蒸着
によって成膜することが好ましい。本発明において磁性
層は2層以上で設けられるが、実用的な範囲としては2
〜5が適当と考えられる。磁性層の厚さは、2層の場合
は下層100〜2000Å、上層50〜1000Å程度が好ましく、
3層の場合は下層100〜2000Å、中間層100〜1000Å、上
層50〜1000Å程度が好ましい。
【0013】さらに本発明の磁気記録媒体には、磁性層
と反対の面において支持体にバックコート層を形成する
ことができる。バックコート層の形成は磁性層の形成よ
りも前でも後でもよい。バックコート層は常法によりバ
ックコート塗料を塗布して形成してもよいし、真空中で
金属又は半金属を付着させることにより形成することも
できる。また炭素保護膜上に、適当な潤滑剤からなるト
ップコート層を形成することもできる。これは例えばフ
ッ素系潤滑剤を大気中で塗布し、或いは真空中で噴霧し
て形成される。バックコート層を設ける場合は、その上
にもトップコート層を形成することができる。
【0014】
【実施例】
実施例1 厚さ6μmのPETフィルム上に斜め蒸着によってコバ
ルト磁性層を2000Åの厚みで成膜した。蒸着の際の真空
度は5×10-5Torr、フィルム走行速度は100m/分、電
子ビーム出力は100kWとし、酸素ガスを600SCCMの流量で
流した。次いでグラファイトをターゲットして、スパッ
タリングにより膜厚100Åの保護層を成膜した。チャン
バの排気真空度は9.0×10-6Torrとし、アルゴンと水素
を2:8の比で混合したガスを、成膜時の真空度が4.0
×10-3Torrとなる流量でチャンバ内に供給した。スパッ
タリングの電圧は430V、出力は2kW、フィルム走行速
度は0.1m/分とした。
【0015】得られた炭素保護膜について、ラマンスペ
クトルを測定した。ラマン分光計としてはスペックス社
製の多重分光器「トリプルスペクトロメーター」を用
い、波長488nmのアルゴンレーザーを出力300mWで用い、
照射時間(積算時間)は600秒とした。試料面に対して
レーザーを約5゜の角度で低角入射させ、試料からの散
乱光のうち、レーザービームと90゜方向に散乱される光
を集光し、検出器により分光した。測定点は1試料につ
いて少なくとも3点とし、平均を求めた。また試料を分
光計にセットせずに、検出器を600秒間働かせてブラン
クレベルを測定した。ブランクレベルを差し引くことに
より得られた正味のラマンスペクトルを図2に示す。こ
のスペクトルについて求めた1550cm-1におけるバックグ
ラウンド強度(IB)とピーク強度(IG)の比IB/IGは0.
82であった。またバックグラウンドを除去してピークを
分離し、1350±50cm-1のピークの面積強度(S1)と1550
±50cm-1のピークの面積強度(S2)の比S1/S2を求めた
ところ、0.22であった。
【0016】実施例2 実施例1において、混合ガス中のアルゴンと水素の比を
4:6に変更し、またフイルム走行速度を0.14m/分と
した。その他は同じ条件で炭素保護膜の成膜を行い、実
施例1と同様にして炭素保護膜の正味のラマンスペクト
ルを求めた。これを図3に示す。この場合の比IB/IG
0.64、面積強度比S1/S2は0.44であった。
【0017】実施例3 実施例1において、混合ガス中のアルゴンと水素の比を
5:5に変更し、またフイルム走行速度を0.18m/分と
した。その他は同じ条件で炭素保護膜の成膜を行い、実
施例1と同様にして炭素保護膜の正味のラマンスペクト
ルを求めた。これを図4に示す。この場合の比IB/IG
0.58、面積強度比S1/S2は0.71であった。
【0018】比較例1 実施例1と同様にして磁性層を成膜した後、磁性層上に
ECRプラズマCVD法によって膜厚100Åの炭素保護
膜を形成した。チャンバの排気真空度は9.0×10-6Torr
とし、反応ガスとしてベンゼンを用い、これを成膜時の
真空度が9.0×10-3Torrとなる流量でチャンバ内に供給
した。マイクロ波周波数として2.45GHzを用い、出力は3
00Wとし、共鳴条件を満たす所定の磁界を印加した。フ
ィルム走行速度は10m/分とした。得られた炭素薄膜の
ラマンスペクトルを実施例1と同様に測定し、ブランク
補正を行って炭素保護膜の正味のラマンスペクトルを求
めた。これを図5に示す。この場合の比IB/IGは0.62で
あったが、1350±50cm-1のピークは現れず、面積強度比
S1/S2は0であった。
【0019】比較例2 比較例1において、マイクロ波の出力を600Wとし、フ
ィルム走行速度を12m/分とした。その他は同じ条件で
炭素保護膜の成膜を行い、実施例1と同様にして炭素保
護膜の正味のラマンスペクトルを求めた。これを図6に
示す。この場合の比IB/IGは0.38、面積強度比S1/S2は
0.24であった。
【0020】比較例3 比較例1において、反応ガスをメタンとし、フィルム走
行速度を4m/分とした。その他は同じ条件で炭素保護
膜の成膜を行い、実施例1と同様にして炭素保護膜の正
味のラマンスペクトルを求めた。これを図7に示す。こ
の場合の比IB/IGは0.42であったが、1350±50cm-1のピ
ークは現れず、面積強度比S1/S2は0であった。
【0021】実施例及び比較例で得られた処理フィルム
について、PETフィルムの磁性層が形成された面とは
反対側に、平均粒径40nmのカーボンブラックをウレタン
プレポリマーと塩化ビニル系樹脂とのバインダー樹脂中
に分散させてなるバックコート用の塗料を、乾燥膜厚0.
5μmとなるようにダイコーティング方式により塗布し、
乾燥してバックコート層を形成した。次いで、パーフル
オロポリエーテル(FOMBLIN AM2001、アウジモント社
製)をフッ素系不活性液体(PF-5080、住友スリーエム
株式会社製)に0.05重量%となるように希釈、分散させ
た塗料を、乾燥膜厚が15Åとなるように保護層上にダイ
コーティング方式により塗布し、100℃で乾燥させて潤
滑層を形成した。得られたものを8mm幅に裁断し、カセ
ットにロードしてHi−8用のビデオカセットを作製し
た。
【0022】上記により得たビデオカセットのスチル耐
久性を評価した。評価に際しては市販のHi−8用VTR
を改造した装置にビデオカセットを装填してスチル状態
とし、20.92MHzにおける出力が2dB低下するまでの時間
を測定した。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、耐久性に優
れた磁気記録媒体を得ることができる。この磁気記録媒
体は蛍光有機分子を含む炭素保護膜を有し、また結晶性
炭素成分の量が適度な範囲にあるため、硬さと共に適度
な弾性を備え、従来の不具合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラマンスペクトルのブランク補正について説明
するためのグラフであり、(a)は補正前のスペクトル
とブランクレベルを、(b)はブランクレベルを差し引
いた正味のスペクトルを、(c)はバックグラウンドを
除去した後のピーク分離を示す。
【図2】実施例1により得られた保護層のラマンスペク
トルを示すグラフである。
【図3】実施例2により得られた保護層のラマンスペク
トルを示すグラフである。
【図4】実施例3により得られた保護層のラマンスペク
トルを示すグラフである。
【図5】比較例1により得られた保護層のラマンスペク
トルを示すグラフである。
【図6】比較例2により得られた保護層のラマンスペク
トルを示すグラフである。
【図7】比較例3により得られた保護層のラマンスペク
トルを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 准子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体上に形成された磁性
    層と、該磁性層上に形成された炭素保護膜とを有する磁
    気記録媒体において、前記炭素保護膜のラマンスペクト
    ルが、ブランク補正を行った後の1550±50cm-1における
    バックグラウンド強度(IB)とピーク強度(IG)の比IB
    /IGが、0.56≦IB/IG<1.0なる関係を満たし、さらに
    バックグラウンドを除去し、1350±50cm-1のピークと15
    50±50cm-1のピークを分離して得られた1350±50cm-1
    ピークの面積強度(S1)と1550±50cm-1のピークの面積
    強度(S2)の比S1/S2が、0<S1/S2<0.9なる関係を
    満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
JP8013290A 1996-01-29 1996-01-29 磁気記録媒体 Pending JPH09204645A (ja)

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