JPH09203426A - 磁歪ブレーキ - Google Patents
磁歪ブレーキInfo
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- JPH09203426A JPH09203426A JP8012983A JP1298396A JPH09203426A JP H09203426 A JPH09203426 A JP H09203426A JP 8012983 A JP8012983 A JP 8012983A JP 1298396 A JP1298396 A JP 1298396A JP H09203426 A JPH09203426 A JP H09203426A
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- magnetostrictive
- friction material
- displacement
- brake
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D65/00—Parts or details
- F16D65/14—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position
- F16D65/16—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position arranged in or on the brake
- F16D65/18—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position arranged in or on the brake adapted for drawing members together, e.g. for disc brakes
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ブレーキ機能のインテリジェント化に適し、
しかも、装置を小型化すると同時に、摩擦材の摩耗を許
容する能力も高めることのできるブレーキ装置を提供す
ること。 【解決手段】 磁歪ブレーキ１は、磁歪によって伸縮す
る磁歪材１２を利用して摩擦材３を回転体２に向けて進
退移動させる電動式のアクチュエータ４に、前記磁歪材
１２と前記摩擦材３との間に前記磁歪材１２による変位
量を拡大して前記摩擦材３に伝達する流体式の変位拡大
機構５を装備する。
しかも、装置を小型化すると同時に、摩擦材の摩耗を許
容する能力も高めることのできるブレーキ装置を提供す
ること。 【解決手段】 磁歪ブレーキ１は、磁歪によって伸縮す
る磁歪材１２を利用して摩擦材３を回転体２に向けて進
退移動させる電動式のアクチュエータ４に、前記磁歪材
１２と前記摩擦材３との間に前記磁歪材１２による変位
量を拡大して前記摩擦材３に伝達する流体式の変位拡大
機構５を装備する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の制動に使用
される電動式のブレーキ装置に関し、更に詳述すると、
摩擦材を進退させる電動式のアクチュエータとして磁歪
材を利用した構成の磁歪ブレーキに関する。
される電動式のブレーキ装置に関し、更に詳述すると、
摩擦材を進退させる電動式のアクチュエータとして磁歪
材を利用した構成の磁歪ブレーキに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、油圧を駆動源として、車両に
使用されるブレーキ装置は、油圧配管装備や油圧調整機
構のために構成部品点数が増大して、構成が繁雑化する
という問題があった。また、最近は、アンチロックブレ
ーキシステムの装備や、トラクションコントロールシス
テムの装備など、ブレーキ機能のインテリジェント化が
活発に行われているが、このようなインテリジェント化
に際して、油圧駆動式の従来のブレーキ装置の場合、車
輪のロック状態やスリップ状態に応じて所定の電気信号
を油圧アクチュエータの機械的動作に変換する電気−油
圧制御回路を付加しなければならない。そのため、制御
系が繁雑化したり、あるいは、その機構上の特徴である
サーボ効果が影響してよりきめ細かなブレーキ制御が困
難になるという問題があり、インテリジェント化になじ
みにくいという問題が指摘されていた。
使用されるブレーキ装置は、油圧配管装備や油圧調整機
構のために構成部品点数が増大して、構成が繁雑化する
という問題があった。また、最近は、アンチロックブレ
ーキシステムの装備や、トラクションコントロールシス
テムの装備など、ブレーキ機能のインテリジェント化が
活発に行われているが、このようなインテリジェント化
に際して、油圧駆動式の従来のブレーキ装置の場合、車
輪のロック状態やスリップ状態に応じて所定の電気信号
を油圧アクチュエータの機械的動作に変換する電気−油
圧制御回路を付加しなければならない。そのため、制御
系が繁雑化したり、あるいは、その機構上の特徴である
サーボ効果が影響してよりきめ細かなブレーキ制御が困
難になるという問題があり、インテリジェント化になじ
みにくいという問題が指摘されていた。
【０００３】そこで、このような背景から、近年では、
前記駆動源としては回転モータを使用し、回転−直線変
換機構や減速機構等を介して摩擦材を制動用の回転体に
押し付けることによって所定の制動力を生じさせる電動
式のブレーキ装置（特開昭６４−２１２２９号公報参
照）や、駆動源として圧電セラミックスを利用する電動
式のブレーキ装置（特開昭６０−１３６６２９号公報参
照）が提案されている。
前記駆動源としては回転モータを使用し、回転−直線変
換機構や減速機構等を介して摩擦材を制動用の回転体に
押し付けることによって所定の制動力を生じさせる電動
式のブレーキ装置（特開昭６４−２１２２９号公報参
照）や、駆動源として圧電セラミックスを利用する電動
式のブレーキ装置（特開昭６０−１３６６２９号公報参
照）が提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】前述のように駆動源と
して回転モータや圧電セラミックスを利用する電動式の
ブレーキ装置では、アンチロックブレーキシステムの装
備やトラクションコントロールシステムの装備などのブ
レーキ機能のインテリジェント化が図り易くなる。
して回転モータや圧電セラミックスを利用する電動式の
ブレーキ装置では、アンチロックブレーキシステムの装
備やトラクションコントロールシステムの装備などのブ
レーキ機能のインテリジェント化が図り易くなる。
【０００５】しかし、駆動源として回転モータを利用す
るブレーキ装置では、回転−直線変換機構や減速機構等
の装備のために、ブレーキ装置が大型化になるという問
題があった。一方、駆動源として圧電セラミックスを利
用するブレーキ装置では、摩擦材の進退動作に必要な直
線運動を駆動源から直接得ることができ、回転−直線変
換機構や減速機構等を使用せずに済むためにブレーキ装
置を小型化することが可能であるが、圧電セラミックス
は変位量が小さいため、摩擦材の摩耗を許容する能力が
低いという問題があった。また、大電圧を発生するため
の装置を必要とするため、車載能力が低い問題があっ
た。
るブレーキ装置では、回転−直線変換機構や減速機構等
の装備のために、ブレーキ装置が大型化になるという問
題があった。一方、駆動源として圧電セラミックスを利
用するブレーキ装置では、摩擦材の進退動作に必要な直
線運動を駆動源から直接得ることができ、回転−直線変
換機構や減速機構等を使用せずに済むためにブレーキ装
置を小型化することが可能であるが、圧電セラミックス
は変位量が小さいため、摩擦材の摩耗を許容する能力が
低いという問題があった。また、大電圧を発生するため
の装置を必要とするため、車載能力が低い問題があっ
た。
【０００６】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、アンチロックブレーキシステムの装備やトラクショ
ンコントロールシステムの装備などのブレーキ機能のイ
ンテリジェント化が図り易く、また、装置の小型化に適
すると共に、摩擦材を進退動作させるための変位量を大
きく設定できて、摩擦材の摩耗許容能力も高めることが
できるブレーキ装置を提供することを目的とする。
で、アンチロックブレーキシステムの装備やトラクショ
ンコントロールシステムの装備などのブレーキ機能のイ
ンテリジェント化が図り易く、また、装置の小型化に適
すると共に、摩擦材を進退動作させるための変位量を大
きく設定できて、摩擦材の摩耗許容能力も高めることが
できるブレーキ装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る磁歪ブレーキは、回転体に向けて進退可
能に支持している摩擦材支持部材と、前記回転体に前記
摩擦材を押し付けて制動力を得るため該摩擦材を前記回
転体に向けて進退移動させる電動式のアクチュエータ
と、ブレーキ操作部の操作状態に応じて前記アクチュエ
ータの動作を制御するコントロール・ユニットとを具備
すると共に、前記アクチュエータは、磁界が加えられる
と磁歪によって長さが変化する磁歪材と、該磁歪材の外
周を囲むように前記摩擦材支持部材に固定されて入力電
圧に応じた磁界を前記磁歪材に加える電磁コイルとを備
え、前記コントロール・ユニットは、前記電磁コイルの
入力電圧を前記ブレーキ操作部の操作状態に応じて制御
し、制動に必要な前記摩擦材の進退動作を、前記磁歪材
の磁歪による伸縮によって実現する磁歪ブレーキであっ
て、前記磁歪材と前記摩擦材との間に、前記磁歪材の変
位量を拡大して前記摩擦材に伝達する流体式の変位拡大
機構を装備したことを特徴とする。
の本発明に係る磁歪ブレーキは、回転体に向けて進退可
能に支持している摩擦材支持部材と、前記回転体に前記
摩擦材を押し付けて制動力を得るため該摩擦材を前記回
転体に向けて進退移動させる電動式のアクチュエータ
と、ブレーキ操作部の操作状態に応じて前記アクチュエ
ータの動作を制御するコントロール・ユニットとを具備
すると共に、前記アクチュエータは、磁界が加えられる
と磁歪によって長さが変化する磁歪材と、該磁歪材の外
周を囲むように前記摩擦材支持部材に固定されて入力電
圧に応じた磁界を前記磁歪材に加える電磁コイルとを備
え、前記コントロール・ユニットは、前記電磁コイルの
入力電圧を前記ブレーキ操作部の操作状態に応じて制御
し、制動に必要な前記摩擦材の進退動作を、前記磁歪材
の磁歪による伸縮によって実現する磁歪ブレーキであっ
て、前記磁歪材と前記摩擦材との間に、前記磁歪材の変
位量を拡大して前記摩擦材に伝達する流体式の変位拡大
機構を装備したことを特徴とする。
【０００８】あるいは、上記構成の磁歪ブレーキにおい
て、前記アクチュエータの磁歪材は、一端が前記摩擦材
支持部材に係止されて磁界が加えられると前記摩擦材の
進退方向に沿って長さが変化する棒状に形成され、前記
変位拡大機構は、摩擦材支持部材上に形成されて流体を
封入したシリンダと、該シリンダの一方の壁部を挿通す
ると共に前記磁歪材の他端に連結されて前記磁歪材の変
位をシリンダ内の流体に伝える大径ピストンと、前記シ
リンダの他方の壁部を挿通すると共に前記摩擦材に連結
されて前記大径ピストンから流体に伝えられた変位を前
記摩擦材に伝える小径ピストンとを備え、前記磁歪材の
変位量の拡大率が前記大径ピストン及び前記小径ピスト
ンの面積比により設定されることを特徴とする。
て、前記アクチュエータの磁歪材は、一端が前記摩擦材
支持部材に係止されて磁界が加えられると前記摩擦材の
進退方向に沿って長さが変化する棒状に形成され、前記
変位拡大機構は、摩擦材支持部材上に形成されて流体を
封入したシリンダと、該シリンダの一方の壁部を挿通す
ると共に前記磁歪材の他端に連結されて前記磁歪材の変
位をシリンダ内の流体に伝える大径ピストンと、前記シ
リンダの他方の壁部を挿通すると共に前記摩擦材に連結
されて前記大径ピストンから流体に伝えられた変位を前
記摩擦材に伝える小径ピストンとを備え、前記磁歪材の
変位量の拡大率が前記大径ピストン及び前記小径ピスト
ンの面積比により設定されることを特徴とする。
【０００９】本発明の上記構成によれば、摩擦材を制動
用の回転体に向けて進退させるための駆動源として磁歪
によって伸縮する磁歪材を使用したもので、例えば、棒
状の磁歪材に磁界を加えて摩擦材の進退方向に伸縮させ
ることで、摩擦材の進退方向に沿って摩擦材の進退動作
に必要な直線運動を駆動源である磁歪材から直接得るこ
とができる。
用の回転体に向けて進退させるための駆動源として磁歪
によって伸縮する磁歪材を使用したもので、例えば、棒
状の磁歪材に磁界を加えて摩擦材の進退方向に伸縮させ
ることで、摩擦材の進退方向に沿って摩擦材の進退動作
に必要な直線運動を駆動源である磁歪材から直接得るこ
とができる。
【００１０】また、前記磁歪材の伸縮は該磁歪材の外周
を囲う電磁コイルに印加する電圧によって制御するの
で、電気的に直接動作を制御できる。そして、磁歪材に
おける伸縮量は、該磁歪材に加える電界を強めること、
すなわち、電磁コイルに印加する電圧を高めることで容
易に増大させることができ、圧電セラミックスの場合と
比較すると、摩擦材を進退動作させるための変位量を大
きくすることができるとともに、消費電力を低く抑える
ことができる。
を囲う電磁コイルに印加する電圧によって制御するの
で、電気的に直接動作を制御できる。そして、磁歪材に
おける伸縮量は、該磁歪材に加える電界を強めること、
すなわち、電磁コイルに印加する電圧を高めることで容
易に増大させることができ、圧電セラミックスの場合と
比較すると、摩擦材を進退動作させるための変位量を大
きくすることができるとともに、消費電力を低く抑える
ことができる。
【００１１】また、磁歪材の変位を流体式の変位拡大機
構で拡大し摩擦材に伝達する構成のため、摩擦材を進退
動作させるための変位量を磁歪材の変位量以上に大きく
設定することができる。
構で拡大し摩擦材に伝達する構成のため、摩擦材を進退
動作させるための変位量を磁歪材の変位量以上に大きく
設定することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁歪ブレーキ
の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図１は本発明に係る磁歪ブレーキの要部断面図である。
この磁歪ブレーキ１は、車両用のディスクブレーキとし
て設けられ、制動用の回転体であるブレーキディスク
（ロータ）２と、該ブレーキディスク２に押し付けるこ
とで制動力を発生させる摩擦材であるパッド３と、該パ
ッド３をブレーキディスク２に向けて進退移動させるた
めの電動式のアクチュエータ４と、該アクチュエータ４
が発生する変位量を拡大して前記パッド３に伝達する流
体式の変位拡大機構５と、ブレーキ操作部であるブレー
キペダル６の操作状態に応じて前記アクチュエータ４の
動作を制御するコントロール・ユニット（ＥＣＵ）８と
を備えて構成される。
の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図１は本発明に係る磁歪ブレーキの要部断面図である。
この磁歪ブレーキ１は、車両用のディスクブレーキとし
て設けられ、制動用の回転体であるブレーキディスク
（ロータ）２と、該ブレーキディスク２に押し付けるこ
とで制動力を発生させる摩擦材であるパッド３と、該パ
ッド３をブレーキディスク２に向けて進退移動させるた
めの電動式のアクチュエータ４と、該アクチュエータ４
が発生する変位量を拡大して前記パッド３に伝達する流
体式の変位拡大機構５と、ブレーキ操作部であるブレー
キペダル６の操作状態に応じて前記アクチュエータ４の
動作を制御するコントロール・ユニット（ＥＣＵ）８と
を備えて構成される。
【００１３】前記パッド３は、前記ブレーキディスク２
を挟むように一対装備されていて、摩擦材支持部材であ
るブレーキキャリパ１０によって、ブレーキディスク２
に向って進退自在に支持されている。
を挟むように一対装備されていて、摩擦材支持部材であ
るブレーキキャリパ１０によって、ブレーキディスク２
に向って進退自在に支持されている。
【００１４】前記アクチュエータ４は、棒状をなして一
端（図では、右端）が前記ブレーキキャリパ１０に係止
されると共に、他端がヨーク７を介して前記変位拡大機
構５を形成する大径ピストン１１に連結（実際は当接し
ているだけ）されて、磁界が加えられると磁歪によって
軸方向の長さが変化する磁歪材１２と、該磁歪材１２の
外周を囲うように前記ブレーキキャリパ１０内に固定さ
れて入力電圧に応じた磁界を前記磁歪材１２に加える略
円筒状の電磁コイル１４とを備えて構成される。
端（図では、右端）が前記ブレーキキャリパ１０に係止
されると共に、他端がヨーク７を介して前記変位拡大機
構５を形成する大径ピストン１１に連結（実際は当接し
ているだけ）されて、磁界が加えられると磁歪によって
軸方向の長さが変化する磁歪材１２と、該磁歪材１２の
外周を囲うように前記ブレーキキャリパ１０内に固定さ
れて入力電圧に応じた磁界を前記磁歪材１２に加える略
円筒状の電磁コイル１４とを備えて構成される。
【００１５】また、前記ブレーキペダル６は、運転者に
よって踏下されると、そのとき踏下されたストロークま
たは踏力が公知のセンサ１６によって前記コントロール
・ユニット８に通知される。
よって踏下されると、そのとき踏下されたストロークま
たは踏力が公知のセンサ１６によって前記コントロール
・ユニット８に通知される。
【００１６】流体式の変位拡大機構５は、ブレーキキャ
リパ１０上に形成されて流体２０を封入したシリンダ２
１と、該シリンダ２１の一方の壁部を挿通すると共に前
記磁歪材１２の他端に連結されて前記磁歪材１２の変位
をシリンダ２１内の流体２０に伝える前記大径ピストン
１１と、前記シリンダ２１の他方の壁部を挿通すると共
に前記パッド３に連結されて前記大径ピストン１１から
流体２０に伝えられた変位をパッド３に伝える小径ピス
トン２３とを備え、シリンダ２１内の流体２０を押圧す
る大径ピストン１１及び小径ピストン２３の面積比を適
宜値に設計することで変位量の拡大率を所望値に設定で
きる構成とされている。シリンダ２１内に封入される流
体２０は、非圧縮性及び耐熱性を有する流体で、例えば
ブレーキオイル等が適用される。また、シリンダ２１内
のそれぞれのピストン１１、２３の摺動部分には、流体
２０の漏出を防止するシール部材２４が装備されてい
る。
リパ１０上に形成されて流体２０を封入したシリンダ２
１と、該シリンダ２１の一方の壁部を挿通すると共に前
記磁歪材１２の他端に連結されて前記磁歪材１２の変位
をシリンダ２１内の流体２０に伝える前記大径ピストン
１１と、前記シリンダ２１の他方の壁部を挿通すると共
に前記パッド３に連結されて前記大径ピストン１１から
流体２０に伝えられた変位をパッド３に伝える小径ピス
トン２３とを備え、シリンダ２１内の流体２０を押圧す
る大径ピストン１１及び小径ピストン２３の面積比を適
宜値に設計することで変位量の拡大率を所望値に設定で
きる構成とされている。シリンダ２１内に封入される流
体２０は、非圧縮性及び耐熱性を有する流体で、例えば
ブレーキオイル等が適用される。また、シリンダ２１内
のそれぞれのピストン１１、２３の摺動部分には、流体
２０の漏出を防止するシール部材２４が装備されてい
る。
【００１７】前記コントロール・ユニット８は、前記セ
ンサ１６からの信号によって運転者の制動指令を検知し
て前記アクチュエータ４の動作を制御するものである
が、本実施形態の場合は、前記センサ１６からの信号に
応じて前記電磁コイル１４の入力電圧を制御する。すな
わち、上記構成の磁歪ブレーキ１は、パッド３をブレー
キディスク２に向けて進退させるための駆動源として磁
歪によって伸縮する磁歪材１２を使用したもので、棒状
の磁歪材１２に磁界を加えてパッド３の進退方向に伸縮
させる構成であれば、パッド３の進退動作に必要な直線
運動を駆動源である磁歪材１２から直接得ることがで
き、回転−直線変換機構や減速機構等を使用せずに済む
ためにブレーキ装置を小型化することができる。
ンサ１６からの信号によって運転者の制動指令を検知し
て前記アクチュエータ４の動作を制御するものである
が、本実施形態の場合は、前記センサ１６からの信号に
応じて前記電磁コイル１４の入力電圧を制御する。すな
わち、上記構成の磁歪ブレーキ１は、パッド３をブレー
キディスク２に向けて進退させるための駆動源として磁
歪によって伸縮する磁歪材１２を使用したもので、棒状
の磁歪材１２に磁界を加えてパッド３の進退方向に伸縮
させる構成であれば、パッド３の進退動作に必要な直線
運動を駆動源である磁歪材１２から直接得ることがで
き、回転−直線変換機構や減速機構等を使用せずに済む
ためにブレーキ装置を小型化することができる。
【００１８】また、前記磁歪材１２の伸縮は該磁歪材１
２の外周を囲う電磁コイル１４の印加電圧によって制御
するもので、電気的に直接動作を制御できるため、アン
チロックブレーキシステムの装備やトラクションコント
ロールシステムの装備などのブレーキ機能のインテリジ
ェント化も図り易い。
２の外周を囲う電磁コイル１４の印加電圧によって制御
するもので、電気的に直接動作を制御できるため、アン
チロックブレーキシステムの装備やトラクションコント
ロールシステムの装備などのブレーキ機能のインテリジ
ェント化も図り易い。
【００１９】さらに、磁歪材１２における伸縮量は、該
磁歪材１２に加える電界を強めること、すなわち、電磁
コイル１４に印加する電圧を高めることで容易に増大さ
せることができ、圧電セラミックスの場合と比較する
と、パッド３を進退動作させるための変位量（ストロー
ク）を大きくすることができるとともに、低電圧で駆動
でき、消費電力を低く抑えられる。
磁歪材１２に加える電界を強めること、すなわち、電磁
コイル１４に印加する電圧を高めることで容易に増大さ
せることができ、圧電セラミックスの場合と比較する
と、パッド３を進退動作させるための変位量（ストロー
ク）を大きくすることができるとともに、低電圧で駆動
でき、消費電力を低く抑えられる。
【００２０】また、磁歪材１２の変位を変位拡大機構５
で拡大してパッド３に伝達する構成のため、パッド３を
進退動作させるための変位量を磁歪材１２の変位量以上
に大きくすることができ、パッド３に要求される変位を
より小さな磁歪材１２で実現したり、あるいは、パッド
３の変位可能な範囲をより大きく設定して、パッド３の
摩耗許容能力をさらに向上させることが可能になる。
で拡大してパッド３に伝達する構成のため、パッド３を
進退動作させるための変位量を磁歪材１２の変位量以上
に大きくすることができ、パッド３に要求される変位を
より小さな磁歪材１２で実現したり、あるいは、パッド
３の変位可能な範囲をより大きく設定して、パッド３の
摩耗許容能力をさらに向上させることが可能になる。
【００２１】また、磁歪材１２の変位量を拡大してパッ
ド３に伝える機構として、従来より知られている種々の
変位拡大機構を利用することが可能であるが、この実施
形態のように、流体２０を押圧する大径ピストン１１及
び小径ピストン２３の面積比から変位量の拡大率を設定
する流体式の変位拡大機構５を適用すれば、図からも明
らかなとおり、少ない部品と簡単な構造で所望の性能を
得ることができる。本実施形態の場合、例えば、大径ピ
ストン１１及び小径ピストン２３の面積比を１０：１に
設定すると、磁歪材１２の変位量を１０倍に拡大してパ
ッド３に伝えることができ、前記磁歪材１２として、変
位量が１０００ＰＰＭで軸長が１０ｃｍの磁歪素子を使
用すれば、パッド３のストロークは１ｍｍにすることが
でき、パッド３のストロークとして十分な値が得られ
る。
ド３に伝える機構として、従来より知られている種々の
変位拡大機構を利用することが可能であるが、この実施
形態のように、流体２０を押圧する大径ピストン１１及
び小径ピストン２３の面積比から変位量の拡大率を設定
する流体式の変位拡大機構５を適用すれば、図からも明
らかなとおり、少ない部品と簡単な構造で所望の性能を
得ることができる。本実施形態の場合、例えば、大径ピ
ストン１１及び小径ピストン２３の面積比を１０：１に
設定すると、磁歪材１２の変位量を１０倍に拡大してパ
ッド３に伝えることができ、前記磁歪材１２として、変
位量が１０００ＰＰＭで軸長が１０ｃｍの磁歪素子を使
用すれば、パッド３のストロークは１ｍｍにすることが
でき、パッド３のストロークとして十分な値が得られ
る。
【００２２】なお、前記の実施形態では、磁歪材１２を
棒状として長さ方向に磁歪を生じるようにしたが、例え
ば、径方向に磁歪を生じる磁歪材を利用することも考え
られる。ただし、径方向に磁歪を生じる磁歪材を利用し
た場合は、パッド３に連結されているピストン部材が磁
歪材の径方向の変位で圧迫された流体によって変位する
ように、流体式の変位拡大機構の構成を改善する必要が
ある。また、本発明による磁歪ブレーキは、前記実施形
態に示したディスクブレーキに限定されるものでなく、
例えば、ドラムブレーキにも適用可能である。
棒状として長さ方向に磁歪を生じるようにしたが、例え
ば、径方向に磁歪を生じる磁歪材を利用することも考え
られる。ただし、径方向に磁歪を生じる磁歪材を利用し
た場合は、パッド３に連結されているピストン部材が磁
歪材の径方向の変位で圧迫された流体によって変位する
ように、流体式の変位拡大機構の構成を改善する必要が
ある。また、本発明による磁歪ブレーキは、前記実施形
態に示したディスクブレーキに限定されるものでなく、
例えば、ドラムブレーキにも適用可能である。
【００２３】
【発明の効果】以上記載したとおり、本発明の磁歪ブレ
ーキによれば、磁歪によって伸縮する磁歪材を、摩擦材
を制動用の回転体に向けて進退させるための駆動源とし
て使用したので、摩擦材の進退動作に必要な直線運動を
駆動源である磁歪材から直接得ることができ、回転−直
線変換機構や減速機構等を使用せずに済むためにブレー
キ装置を小型化することができる。また、前記磁歪材の
伸縮は該磁歪材の外周を囲む電磁コイルの印加電圧によ
って電気的に直接制御できるため、アンチロックブレー
キシステムの装備やトラクションコントロールシステム
の装備などのブレーキ機能のインテリジェント化も図り
易い。さらに、磁歪材における伸縮量は、該磁歪材に加
える電界を強めること、すなわち、電磁コイルの印加電
圧を高めることで容易に増大させることができ、圧電セ
ラミックスの場合と比較すると、摩擦材を進退動作させ
るための変位量を大きくすることができて、摩擦材の摩
耗許容能力も高めることができる。さらに、磁歪材の変
位を流体式の変位拡大機構で拡大して摩擦材に伝達する
構成のため、摩擦材を進退動作させるための変位量を磁
歪材の変位量以上に大きく設定することができ、摩擦材
に要求される変位量をより小さな磁歪材で実現したり、
あるいは、摩擦材の変位範囲をより大きく設定しておい
て、摩擦材の摩耗許容能力をさらに向上させることが可
能になる。
ーキによれば、磁歪によって伸縮する磁歪材を、摩擦材
を制動用の回転体に向けて進退させるための駆動源とし
て使用したので、摩擦材の進退動作に必要な直線運動を
駆動源である磁歪材から直接得ることができ、回転−直
線変換機構や減速機構等を使用せずに済むためにブレー
キ装置を小型化することができる。また、前記磁歪材の
伸縮は該磁歪材の外周を囲む電磁コイルの印加電圧によ
って電気的に直接制御できるため、アンチロックブレー
キシステムの装備やトラクションコントロールシステム
の装備などのブレーキ機能のインテリジェント化も図り
易い。さらに、磁歪材における伸縮量は、該磁歪材に加
える電界を強めること、すなわち、電磁コイルの印加電
圧を高めることで容易に増大させることができ、圧電セ
ラミックスの場合と比較すると、摩擦材を進退動作させ
るための変位量を大きくすることができて、摩擦材の摩
耗許容能力も高めることができる。さらに、磁歪材の変
位を流体式の変位拡大機構で拡大して摩擦材に伝達する
構成のため、摩擦材を進退動作させるための変位量を磁
歪材の変位量以上に大きく設定することができ、摩擦材
に要求される変位量をより小さな磁歪材で実現したり、
あるいは、摩擦材の変位範囲をより大きく設定しておい
て、摩擦材の摩耗許容能力をさらに向上させることが可
能になる。
【図１】本発明に係る磁歪ブレーキの一実施形態の要部
断面図である。
断面図である。
１ 磁歪ブレーキ ２ ブレーキディスク（制動用の回転体） ３ パッド（摩擦材） ４ アクチュエータ ５ 流体式の変位拡大機構 ６ ブレーキペダル ７ ヨーク ８ コントロール・ユニット（ＥＣＵ） １０ ブレーキキャリパ（摩擦材支持部材） １１ 大径ピストン １２ 磁歪材 １４ 電磁コイル １６ センサ ２０ 流体 ２１ シリンダ ２３ 小径ピストン ２４ シール部材
Claims (2)
- 【請求項１】 摩擦材を回転体に向けて進退可能に支持
している摩擦材支持部材と、前記回転体に前記摩擦材を
押し付けて制動力を得るため該摩擦材を前記回転体に向
けて進退移動させる電動式のアクチュエータと、ブレー
キ操作部の操作状態に応じて前記アクチュエータの動作
を制御するコントロール・ユニットとを具備すると共
に、 前記アクチュエータは、磁界が加えられると磁歪によっ
て長さが変化する磁歪材と、該磁歪材の外周を囲むよう
に前記摩擦材支持部材に固定されて入力電圧に応じた磁
界を前記磁歪材に加える電磁コイルとを備え、 前記コントロール・ユニットは、前記電磁コイルの入力
電圧を前記ブレーキ操作部の操作状態に応じて制御し、 制動に必要な前記摩擦材の進退動作を、前記磁歪材の磁
歪による伸縮によって実現する磁歪ブレーキであって、 前記磁歪材と前記摩擦材との間に、前記磁歪材の変位量
を拡大して前記摩擦材に伝達する流体式の変位拡大機構
を装備したことを特徴とした磁歪ブレーキ。 - 【請求項２】 前記アクチュエータの磁歪材は、一端が
前記摩擦材支持部材に係止されて磁界が加えられると前
記摩擦材の進退方向に沿って長さが変化する棒状に形成
され、 前記変位拡大機構は、摩擦材支持部材上に形成されて流
体を封入したシリンダと、該シリンダの一方の壁部を挿
通すると共に前記磁歪材の他端に連結されて前記磁歪材
の変位をシリンダ内の流体に伝える大径ピストンと、前
記シリンダの他方の壁部を挿通すると共に前記摩擦材に
連結されて前記大径ピストンから流体に伝えられた変位
を前記摩擦材に伝える小径ピストンとを備え、 前記磁歪材の変位量の拡大率が前記大径ピストン及び前
記小径ピストンの面積比により設定されることを特徴と
する請求項１記載の磁歪ブレーキ。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01298396A JP4059534B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | 磁歪ブレーキ |
| US08/789,267 US5826683A (en) | 1996-01-29 | 1997-01-28 | Magnetostrictive brake |
| DE19703230A DE19703230B4 (de) | 1996-01-29 | 1997-01-29 | Magnetostriktive Bremse |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01298396A JP4059534B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | 磁歪ブレーキ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09203426A true JPH09203426A (ja) | 1997-08-05 |
| JP4059534B2 JP4059534B2 (ja) | 2008-03-12 |
Family
ID=11820453
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01298396A Expired - Fee Related JP4059534B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | 磁歪ブレーキ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4059534B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000019121A1 (fr) * | 1998-09-28 | 2000-04-06 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Frein a disque |
| EP1022205A3 (en) * | 1999-01-21 | 2002-08-21 | Meritor Heavy Vehicle Systems, LLC | Magnetostrictive brake actuation mechanism |
| JP2019215073A (ja) * | 2018-06-08 | 2019-12-19 | ワックデータサービス株式会社 | ブレーキキャリパー |
| CN110962825A (zh) * | 2019-11-19 | 2020-04-07 | 南京航空航天大学 | 一种基于磁致伸缩材料的盘式线控制动***及其控制方法 |
| CN114992259A (zh) * | 2022-05-18 | 2022-09-02 | 南京航空航天大学 | 电磁联合式滑板底盘线控制动***及其多目标优化方法 |
-
1996
- 1996-01-29 JP JP01298396A patent/JP4059534B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000019121A1 (fr) * | 1998-09-28 | 2000-04-06 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Frein a disque |
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| JP2019215077A (ja) * | 2018-06-08 | 2019-12-19 | 富士登 松下 | ブレーキキャリパー |
| CN112292542A (zh) * | 2018-06-08 | 2021-01-29 | 松下富士登 | 制动钳 |
| CN110962825A (zh) * | 2019-11-19 | 2020-04-07 | 南京航空航天大学 | 一种基于磁致伸缩材料的盘式线控制动***及其控制方法 |
| CN110962825B (zh) * | 2019-11-19 | 2023-12-29 | 南京航空航天大学 | 一种基于磁致伸缩材料的盘式线控制动***及其控制方法 |
| CN114992259A (zh) * | 2022-05-18 | 2022-09-02 | 南京航空航天大学 | 电磁联合式滑板底盘线控制动***及其多目标优化方法 |
| CN114992259B (zh) * | 2022-05-18 | 2023-03-17 | 南京航空航天大学 | 电磁联合式滑板底盘线控制动***及其多目标优化方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP4059534B2 (ja) | 2008-03-12 |
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