JPH09202890A - 自動変速機用潤滑油組成物 - Google Patents

自動変速機用潤滑油組成物

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JPH09202890A
JPH09202890A JP8298082A JP29808296A JPH09202890A JP H09202890 A JPH09202890 A JP H09202890A JP 8298082 A JP8298082 A JP 8298082A JP 29808296 A JP29808296 A JP 29808296A JP H09202890 A JPH09202890 A JP H09202890A
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JP
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carbon atoms
lubricating oil
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hydrocarbon group
compound
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JP8298082A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kaneko
博之 金子
Takanori Kugimiya
貴徳 釘宮
Hiroshi Ishida
博 石田
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリップ制御機構を備えた自動車用自動
変速機において、低速域でロックアップ機構を作動させ
てもシャダー振動防止性能が高く、かつ十分な伝達トル
ク容量を有する自動変速機用潤滑油組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 基油に、一般式 【化1】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一でもまたは異なるものでもよく、各々炭素数5以上
の炭化水素基であり、R3 は炭素数1〜5の炭化水素基
であり、R4 は水素原子または炭素数1〜20の炭化水
素基であり、該炭化水素基は、アミノ基および/または
アミド結合を有してもよく、nは0〜10の整数であ
る。)で表される化合物を含有させてなる自動変速機用
潤滑油組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機用潤滑
油組成物に関し、さらに詳しくは、伝達トルク容量が高
く、かつシャダー振動防止性能に優れ、特にスリップ制
御機構を備えた自動変速機に好適な潤滑油組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機はトルクコンバーター、湿式
多板クラッチ、歯車軸受機構およびこれらをコントロー
ルする油圧制御機構から構成され、車速および負荷の大
きさ等に応じて伝達トルク容量が自動的に設定される機
構を有している。
【0003】自動変速機用潤滑油(ATF)は、このよ
うな自動変速機内においてこれらのすべての機構で共通
に使用されるものであり、自動変速機を円滑に作動させ
るためにはトルクコンバーターおよび油圧制御機構にお
いては動力伝達媒体として、歯車軸受機構では潤滑油と
して、また、油圧制御機構に対しては作動油として機能
することが求められている。
【0004】さらに、近年、多くの自動車の自動変速機
には燃料消費率向上に有効なロックアップクラッチがト
ルクコンバーター内に内蔵されている。ロックアップク
ラッチの機能は、走行条件に応じてエンジンの駆動力を
直接トランスミッションへ伝達するものであり、トルク
コンバータ駆動と直接駆動の切替を適当な時期に行なう
ことにより、トルクコンバーターの効率を向上させるこ
とができる。
【0005】しかしながら、従来のロックアップ機構
は、高速域においてのみ作動させ、低速域においては作
動させなかったため、自動車の発進時など低速域におい
ては、トルクコンバーターによるトルク伝達の際にエン
ジン出力回転数とトランスミッション入力回転数との間
に動力伝達ロスが生じ、燃料消費率悪化の原因となって
いた。この動力伝達ロスを低減させ、燃料消費率を向上
させるため、最近では自動変速機の低速域においてもロ
ックアップ機構を作動させるスリップ制御方式が導入さ
れている。
【0006】ところが、低速域においてロップアップ機
構を作動させた場合にロックアップクラッチ摩擦面でシ
ャダー(Shudder)と呼ばれる車体異常振動が頻
繁に発生するという問題が生じる。特に、スリップ制御
方式ロックアップクラッチにおいて、すべり速度の増加
に伴なって摩擦係数が低下する場合にシャダーが発生し
易くなるため、すべり速度の増加に伴ない摩擦係数が高
くなるようにμ(摩擦係数)−V(すべり速度)特性が
改良され、シャダー振動防止性能に優れた自動変速機用
潤滑油が求められている。
【0007】従来、自動変速機用潤滑油には、摩擦調整
剤としてリン酸エステルのほか、アミド、カルボン酸、
アミン等を用いることが提案されているが、このような
摩擦調整剤には、ロックアップクラッチ部の摩擦係数を
低下させ、伝達トルク容量が不十分であるという難点が
あり、このため、シャダー振動防止性能と伝達トルク容
量とを兼ね備えた自動変速機用潤滑油が要求されてきて
おり、その技術開発が強く望まれてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、自
動変速機用潤滑油の前述の如き開発状況に鑑み、伝達ト
ルク容量を損なうことなく、シャダー振動防止性能に優
れた自動変速機用潤滑油組成物を提供することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
伝達トルク容量を低下させることなく、シャダー振動防
止性能を改善した自動変速機用潤滑油組成物を提供する
ことを課題として鋭意研究を重ねた結果、潤滑油基油
に、以下に詳述するような、特定のイミド系化合物を必
須成分として有効量含有させることにより得られる潤滑
油組成物が自動変速機用潤滑油として要求される潤滑特
性、伝達トルク容量およびシャダー振動防止性能を有す
ることから、前記課題を解決しうることを見出し、これ
らの知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0010】かくして、本発明によれば、潤滑油基油
に、下記一般式[I]
【0011】
【化2】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、各々炭素数5
以上の炭化水素基であり、R3 は炭素数1〜5の2価の
炭化水素基であり、R4 は水素原子または炭素数1〜2
0の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である。)
で表される化合物を有効量含有させてなる自動変速機用
潤滑油組成物を提供するものである。
【0012】また、本発明によれば、次の(1)〜(1
1)に示すように、好ましい実施の態様として、 (1)潤滑油基油に、組成物全重量基準で、一般式
[I]
【0013】
【化3】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、各々炭素数5
以上の炭化水素基であり、R3 は炭素数1〜5の2価の
炭化水素基であり、R4 は水素原子または炭素数1〜2
0の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である。)
で表される化合物を0.02重量%〜4重量%含有させ
てなる自動変速機用潤滑油組成物、 (2)潤滑油基油に、組成物全重量基準で、一般式
[I]
【0014】
【化4】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、各々炭素数5
〜40の炭化水素基であり、R3 は炭素数1〜5の2価
の炭化水素基であり、R4 は水素原子または炭素数1〜
20の炭化水素基であり、該炭化水素基はアミノ基およ
び/またはアミド結合を有してもよく、nは1〜10の
整数である。)で表される化合物を0.02重量%〜4
重量%含有させてなる自動変速機用潤滑油組成物、 (3)潤滑油基油に、組成物全重量基準で、(a)一般
式[I]
【0015】
【化5】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、各々炭素数5
〜40の炭化水素基であり、R3 は炭素数1〜5の2価
の炭化水素基であり、R4 は水素原子または炭素数1〜
20の炭素化水素基であり、該炭化水素基はアミノ基お
よび/またはアミド結合を有してもよく、nは1〜5の
整数である。)で表される化合物0.02重量%〜4重
量% および(b)スルホネート、フェネート、サリシ
レートおよびホスホネートからなる群より選択される少
なくとも一種の有機酸金属塩0.02重量%〜5重量%
を含有させてなる自動変速機用潤滑油組成物、 (4)潤滑油基油に、組成物全重量基準で、(a)一般
式[I]
【0016】
【化6】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、各々炭素数5
〜40の炭化水素基であり、R3 は炭素数1〜5の2価
の炭化水素基であり、R4 は水素原子または炭素数1〜
20の炭化水素基であり、nは0〜10の整数であ
る。)で表される化合物0.02重量%〜4重量%、
(b)スルホネート、フェネート、サリシレートおよび
ホスホネートからなる群より選択される少なくとも一種
の有機酸金属塩0.02重量%〜5重量% および
(c)リン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸
エステルおよび酸性亜リン酸エステルからなる群より選
択される少なくとも一種の化合物0.01重量%〜5重
量%を含有させてなる自動変速機用潤滑油組成物、 (5)潤滑油基油に、一般式[I]
【0017】
【化7】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一でもまたは異なるものでもよく、各々炭素数8〜2
5の分岐を有しない直鎖状炭化水素基であり、R3 は炭
素数2〜5の2価の炭化水素基であり、R4 は水素原子
または炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0〜1
0の整数である。)で表される化合物を含有させてなる
自動変速機用潤滑油組成物、 (6)潤滑油基油に、組成物全重量基準で、(a)一般
式[I]
【0018】
【化8】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、各々炭素数8
〜25の分岐を有しない直鎖状炭化水素基であり、R3
は炭素数2〜5の2価の炭化水素基であり、R4 は水素
原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0
〜10の整数である。)で表される化合物を0.02重
量%〜2重量% および(b)スルホネート、フェネー
ト、サリシレートおよびホスホネートからなる群より選
択される少なくとも一種の有機酸金属塩0.02重量%
〜5重量%を含有させてなる自動変速機用潤滑油組成
物、 (7)潤滑油基油に、組成物全重量基準で、(a)一般
式[I]
【0019】
【化9】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、各々炭素数8
〜25の分岐を有しない直鎖状炭化水素基であり、R3
は炭素数2〜5の2価の炭化水素基であり、R4 は水素
原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは0
〜10の整数である。)で表される化合物0.02重量
%〜2重量%、(b)スルホネート、フェネート、サリ
シレートおよびホスホネートからなる群より選択される
少なくとも一種の有機酸金属塩0.02重量%〜5重量
% および(c)リン酸エステル、酸性リン酸エステ
ル、亜リン酸エステルおよび酸性亜リン酸エステルから
なる群より選択される少なくとも一種の化合物0.01
重量%〜5重量%を含有させてなる自動変速機用潤滑油
組成物、 (8)潤滑油基油に、一般式[II]
【0020】
【化10】 (上記一般式[II]においてR1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、炭素数8〜2
5の分岐を有しない直鎖状炭化水素基であり、nは1〜
5の整数である。)で表されるイミド系化合物を含有さ
せてなる自動変速機用潤滑油組成物、 (9)潤滑油基油に、組成物全重量基準で、(a)一般
式[II]
【0021】
【化11】 (上記一般式[II]においてR1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、炭素数8〜2
5の分岐を有しない直鎖状炭化水素基であり、nは1〜
5の整数である。)で表されるイミド系化合物0.02
重量%〜4重量% および(b)スルホネート、フェネ
ート、サリシレートおよびホスホネートからなる群より
選択される少なくとも一種の有機酸金属塩0.02重量
%〜5重量%を含有させてなる自動変速機用潤滑油組成
物、 (10)潤滑油基油に、組成物全重量基準で、(a)一
般式[II]
【0022】
【化12】 (上記一般式[II]においてR1 およびR2 は互いに
同一であるかまたは異なるものでもよく、炭素数8〜2
5の分岐を有しない直鎖状炭化水素基であり、nは1〜
5の整数である。)で表されるイミド系化合物0.02
重量%〜4重量%、(b)スルホネート、フェネート、
サリシレートおよびホスホネートからなる群より選択さ
れる少なくとも一種の有機酸金属塩0.02重量%〜5
重量% および(c)リン酸エステル、酸性リン酸エス
テル、亜リン酸エステルおよび酸性亜リン酸エステルか
らなる群より選択される少なくとも一種の化合物0.0
1重量%〜5重量%を含有させてなる自動変速機用潤滑
油組成物 または (11)前記潤滑油基油に前記一般式[I]で表される
化合物に上記有機酸金属塩および/またはリン系化合物
を含有させてなり、さらに、摩耗防止剤、粘度指数向上
剤、無灰分散剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、腐蝕防
止剤、消泡剤その他自動変速機用潤滑油組成物に必要な
添加剤からなる群より選択される少なくとも一種の添加
剤を含有させてなる自動変速機用潤滑油組成物を提供す
ることができる。
【0023】本発明の特異性は、一般式[I]で表され
るイミド系化合物のR1 およびR2が各々炭素数5以上
の炭化水素基であることを特徴とする新規化合物を提供
したことに基づくものであり、従来、認識し得なかった
作用効果として、自動変速機用潤滑油の伝達トルク容量
を低下させることなくシャダー振動防止性能を改善でき
ることに着目したものである。
【0024】以下、本発明について詳述する。
【0025】本発明の自動変速機用潤滑油組成物の基油
としては、特に限定されるものではなく、一般に潤滑油
基油として用いられているものを採用することができ、
鉱油および合成油等のいずれをも使用することができ
る。
【0026】鉱油系基油としては、原油の常圧蒸留およ
び減圧蒸留により誘導される潤滑油原料をフェノール、
フルフラール、N−メチルピロリドンの如き芳香族抽出
溶剤で処理して得られる溶剤精製ラフィネート、潤滑油
原料を水素化処理用触媒の存在下において水素化処理条
件下で水素と接触させて得られる水素化処理油、ワック
スを異性化用触媒の存在下において異性化条件下で水素
と接触させて得られる異性化油、またはこれらの混合油
を用いることができる。潤滑油基材は、通常、溶剤精製
工程、水素化処理工程および異性化工程等を任意に組み
合せて製造することができるが、いずれの製造方法によ
っても、脱蝋工程、水素化仕上げ工程、白土処理工程等
の工程を任意に採用することができる。鉱油系混合基材
の具体例として、軽質ニュートラル油、中質ニュートラ
ル油、重質ニュートラル油ブライトストック等を例示す
ることができる。
【0027】また、合成系基油としては、例えば、ポリ
α−オレフィン、α−オレフィンコポリマー、ポリブテ
ン、アルキルベンゼン、ポリオールエステル、二塩基酸
エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキ
シアルキレングリコールエステルまたはポリオキシアル
キレングリコールエーテル、シリコーン油等を挙げるこ
とができる。
【0028】上記のような潤滑油基油の混合基材を自動
変速機用潤滑油として必要な動粘度をはじめ要求品質を
満たすように、単独でまたは二種以上、例えば二種以上
の鉱油または鉱油と合成油等適宜混合することにより、
所望の潤滑油基油を調製することができる。本発明の潤
滑油基油としては、100℃において、通常、2mm2
/s〜20mm2 /s、好ましくは、3mm2 /s〜1
5mm2 /sの範囲の動粘度を有するものを用いること
ができる。潤滑油基油の粘度が高すぎると、その低温粘
度性状が低下し、逆に、粘度が低過ぎると、自動変速機
のギヤ軸受、クラッチ等の摺動部において摩耗が増加す
るというおそれがある。
【0029】本発明の自動変速機用潤滑油組成物に用い
られる摩擦調整剤は、次の一般式[I]
【0030】
【化13】 で表されるイミド系化合物である。
【0031】上記一般式[I]ににおいて、R1 および
2 は互いに同一でもまたは異なるものでもよく、各々
炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜40の飽和または
不飽和炭化水素基である。炭化水素基としては、例え
ば、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オレイル基、ト
リデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサ
デシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシ
ル基等のほか炭素数40までの炭化水素基を例示するこ
とができる。特に、好ましい炭化水素基としては、炭素
数8〜25の直鎖状炭化水素基を挙げることができる。
炭化水素基の炭素数が4以下である場合、シャダー振動
防止性能を低下させ、自動変速機用潤滑油として十分実
用的価値のある潤滑油組成物を提供することができな
い。
【0032】上記一般式[I]において、R3 は炭素数
1〜5の2価の炭化水素基であり、好ましくは、炭素数
2〜3のアルキレン基である。
【0033】上記一般式[I]において、R4 は水素原
子または炭素数1〜20、好ましくは水素原子または1
〜10の炭化水素基である。炭化水素基としては、炭素
数1〜20のアルキル基;炭素数2〜20のアルケニル
基;炭素数6〜20のシクロアルキル基;炭素数6〜2
0のアリール基が挙げられ、アリール基は1〜12のア
ルキル基を有していてもよい。特に、水素原子または炭
素数1〜10のアルキル基が好ましい。上記炭化水素基
として、その構造中にアミノ基またはアミド結合および
両者を数個、すなわち、各々1個〜5個有しているもの
も用いることができる。
【0034】 で表され、該炭化水素基の炭素原子と任意の位置で結合
させることができる。
【0035】上記一般式[I]において、nは1〜1
0、好ましくは1〜5の整数である。
【0036】本発明によれば、次の一般式[II]で表
される化合物が特に好ましい。
【0037】
【化14】 上記一般式[II]において、R1 およびR2 は各々、
炭素数8〜25の直鎖状炭化水素基であり、nは1〜5
である。
【0038】本発明のイミド系化合物は、自動変速機用
潤滑油組成物の基油に対し有効量添加される。イミド系
化合物の有効量としては、基油の性状により相違するが
組成物全重量基準で0.02重量%〜4重量%、好まし
くは0.03重量%〜3重量%用いられる。
【0039】上記の一般式[I]で表されるイミド系化
合物は、炭化水素置換コハク酸無水物とポリアミンとの
反応により合成することができる。ポリアミンを例示す
れば、モノジアミン、例えば、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミ
ン等、ポリアルキレンポリアミン、例えば、ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン等を挙げることができる。
【0040】本発明の自動変速機用潤滑油組成物は、上
記の一般式[I]に示すイミド系化合物を必須成分とし
て含有させることにより、自動変速機油として使用した
場合、伝達トルク容量を低下させることなく、シャダー
振動防止性能を改善し、特にスリップ制御機構付自動変
速機のシャダー振動防止にとって顕著な効果を奏する。
さらに、有機酸金属塩および/または上記のリン系化合
物を添加し、イミド系化合物を組み合せることにより、
シャダー振動防止性能を一層改善することができる。
【0041】上記有機酸金属塩としては、スルホネー
ト、フェネート、サリシレートおよびホスホネート等で
あり、有機酸金属塩の金属成分としては、アルカリ土類
金属が好ましく、例えば、カルシウム、マグネシウム、
バリウム等が挙げられる。具体的にはカルシウムのスル
ホネート、フェネート、サリシレートおよびホスホネー
ト、マグネシウムのスルホネート、フェネート、サリシ
レートおよびホスホネートを用いることができる。スル
ホネート、フェネート、サリシレートおよびホスホネー
トは炭化水素基を有するものであり少なくとも1個は炭
素数6以上の比較的長鎖のものが好ましい。例えば、炭
素数6〜18の直鎖状または分岐状アルキル基;炭素数
6〜18の直鎖状または分岐状アルケニル基;炭素数6
〜18のシクロアルキル基;炭素数6〜18のアリール
基等を用いることができ、アリール基は置換基として炭
素数1〜12のアルキル基または炭素数2〜12のアル
ケニル基を有していてもよい。上記の炭化水素基のうち
好ましい炭化水素基は炭素数6〜18のアルキル基であ
り、特に炭素数8〜12のアルキル基が伝達トルク容量
の改善の観点から好ましい。スルホネートの具体例とし
ては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、例えばヘキシル
ベンゼンスルホン酸塩、ヘキサデシルトルエンスルホン
酸塩、ヘキサデシルキシレンスルホン酸塩、オクタデシ
ルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸
塩等が挙げられ、金属成分としてはカルシウムおよびマ
グネシウムが好ましい。また、サリシレートは、特に炭
素数10〜14を有するものが好ましく、具体的にはド
デシルサリチル酸塩を挙げることができる。金属成分と
してはカルシウムおよびマグネシウムが好適である。フ
ェネートは、アルキルフェノールの金属塩が好ましく、
例えばドデシルフェノールのカルシウム塩等が挙げられ
る。また、ホスホネートは、ポリオレフィンと五硫化リ
ンとの反応により得られるホスホン酸、チオホスホン酸
の金属塩であり、金属成分としてはカルシウム、マグネ
シウムが用いられる。これらの有機酸金属塩は、全塩基
価10mgKOH/g〜400mgKOH/gのものが
好ましい。
【0042】上記スルホネート、フェネート、サリシレ
ートおよびホスホネートの有機酸金属塩は、組成物全重
量基準で、0.02重量%〜5重量%、好ましくは、
0.1重量%〜2重量%の範囲で添加することが有効で
ある。
【0043】リン系化合物としては、例えば、リン酸エ
ステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性
亜リン酸エステル、チオリン酸亜鉛等を挙げることがで
き、一般式[III]、[IV]および[V]で表され
るものを包含する。
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】 上記一般式[III]〜[V]において、R5 は炭素数
1〜30の炭化水素基または硫黄原子含有炭化水素基で
あり、各々の式中で同一または相異なるものであっても
よい。xは1、2または3であり、yは1または2であ
る。好ましい炭化水素基は、炭素数1〜30のアルキル
基;炭素数2〜30のアルケニル基;炭素数6〜30の
シクロアルキル基;炭素数6〜30のアリール基、アル
キルアリール基、アリールアルキル基である。特に好適
な炭化水素基は、炭素数3〜24の直鎖状または分岐状
アルキル基である。
【0047】具体的には、リン酸エステルとして、トリ
アリールホスフェート等があり、例えば、ベンジルジフ
ェニルホスフェート、アリルジフェニルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート、ジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホ
スフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチル
フェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフ
ェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホス
フェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、
トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニ
ルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェー
ト、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチ
ルフェニルホスフェート、プロピルフェニルフェニルホ
スフェート混合物、ブチルフェニルフェニルホスフェー
ト混合物等の化合物を挙げることができる。これらの化
合物のうち炭素数3〜10のアルキル基を有するホスフ
ェートが好ましい。
【0048】酸性リン酸エステルとしては、例えば、モ
ノブチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モ
ノオクチルホスフェート、モノラウリルホスフェート、
モノフェニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジ
オクチルホスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)ホス
フェート、ジデシルホスフェート、ジラウリルホスフェ
ート、ジオレイルホスフェート、ジステアリルホスフェ
ート、ジフェニルホスフェート等を挙げることができ
る。これらのうち、アルキル基の炭素数3〜10のモノ
またはジアルキルホスフェートまたはそれらの混合物が
好ましい。
【0049】亜リン酸エステルとしては、例えば、トリ
フェニルホスファイト、トリ(p−クレジル)ホスファ
イト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリオ
クチルトリチオホスファイト、トリイソオクチルホスフ
ァイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニル
イソデシルホスファイト、トリイソデシルホスファイ
ト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスフ
ァイト等が挙げられる。酸性亜リン酸エステルとして
は、例えば、ジ−2−エチルヘキシルハイドロジエンホ
スファイト、ジラウリルハイドロジエンホスファイト、
ジオレイルハイドロジエンホスファイト等が挙げられ
る。
【0050】硫黄原子含有炭化水素基としては、例え
ば、ドデシルチオエチル基が挙げられる。
【0051】上記のリン系化合物は、基油に対して、組
成物全重量基準で、0.01重量%〜5重量%、好まし
くは0.03重量%〜3重量%の割合で添加される。特
に好ましい添加量は、0.05重量%〜1重量%の範囲
である。
【0052】さらに、本発明の自動変速機用潤滑油組成
物には、必要に応じて、他の添加剤、例えば、他の摩擦
調整剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、無灰分散剤、酸
化防止剤、極圧剤、金属不活性剤、流動点降下剤、消泡
剤、腐食防止剤等を適宜添加することができる。
【0053】粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメ
タクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロ
ピレン共重合体系、スチレン−ブタジエン水添共重合体
等を用いることができ、これらは、3重量%〜35重量
%の割合で使用される。
【0054】無灰分散剤としては、例えば、ポリブテニ
ルコハク酸イミド系、ポリブテニルコハク酸イミド系、
ベンジルアミン系、コハク酸エステル系のものがあり、
これらは、0.05重量%〜7重量%の割合で使用され
る。
【0055】酸化防止剤としては、例えば、アルキル化
ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ア
ルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸
化防止剤、2,6−ジタ−シャリ−ブチルフェノール、
4,4´−メチレンビス−(2,6−ジタ−シャリ−ブ
チルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、さら
に、ジチオリン酸亜鉛等を挙げることができ、これら
は、0.05重量%〜5重量%の割合で使用される。
【0056】極圧剤としては、例えば、ジベンジルサル
ファイド、ジブチルジサルファイド等があり、これら
は、0.05重量%〜3重量%の割合で使用される。
【0057】金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、チアジアゾール等があり、これらは、
0.01重量%〜3重量%の割合で使用される。
【0058】流動点降下剤としては、例えば、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレン
との縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合
物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙
げられ、これらは、0.1重量%〜10重量%の割合で
使用される。また、本発明の目的を損なわない限り、腐
蝕防止剤、消泡剤等を使用することもできる。
【0059】上記の各種添加剤の含有量を掲げると、次
の通りである。
【0060】 含有量(重量%) 好ましい含有量(重量%) 粘度指数向上剤 3 〜 35 4 〜 30 無灰分散剤 0.05 〜 7 0.1 〜 5 酸化防止剤 0.05 〜 5 0.1 〜 3 極圧剤 0.05 〜 3 0.1 〜 2 金属不活性化剤 0.01 〜 3 0.01 〜 2 流動点降下剤 0.1 〜 10 0.5 〜 8 腐食防止剤 0.01 〜 5 消泡剤 0.0001〜 1
【0061】
【発明の実施の態様】本発明の自動変速機用潤滑油組成
物の実施の一態様を示すと次の通りである。100℃に
おける動粘度4mm2 /sの溶剤精製パラフィン系鉱油
を基油とし、組成物全重量基準で、 ・イミド系化合物(化合物A) 0.5 〜2 重量% ・有機酸金属塩(カルシウムスルホネート) 0.1 〜0.5 重量% ・リン系化合物(トリアルキルホスフェート) 0.1 〜0.5 重量% ・ポリメタクリレート 2 〜10重量% ・ポリブテニルコハク酸イミド 2 〜5 重量% ・2,6 −ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール 0.2 〜1 重量% および ベンゾトリアゾール 0.02〜0.1 重量% を含有する自動変速機用潤滑油組成物が提供される。
【0062】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例等により限定されるものではない。
【0063】シャダー振動防止性能および伝達トルク容
量は以下に示す測定法で評価した。 (1)シャダー振動防止性能 試験機としてLVFA(Low Velocity F
riction Apparatus)を用い、次の実
験条件でμH およびμL を各々測定し、μH /μL 比を
算出する。
【0064】実験条件 ・摩擦材:SD−1777 ・油 量:100cc ・油 温:80℃ ・面 圧:10kgf/cm2 μH ・・・相対スリップ速度1.5m/sにおける摩擦
係数 μL ・・・相対スリップ速度0.5m/sにおける摩擦
係数 μH /μL 比をシャダー振動防止性能指数とし、シャダ
ー振動防止効果の判断基準とする。μH /μL 比(シャ
ダー振動防止性能指数)>1であれば実機でシャダーが
発生しない。 (2)伝達トルク容量 試験機としてSAE No.2摩擦試験機を用い、次の
条件でDynamic試験及びStatic試験を実施
する。
【0065】・摩擦材:SD−1777、3枚 ・油 量:800cc ・油 温:100℃ ・面 圧:8kgf/cm2 [Dynamic試験]摩擦材を回転数3600rp
m、慣性重量3.5kgf・cm・s2 で無負荷回転
し、スチールプレートで摩擦材を挟み込むように圧力を
付加し、回転を停止させる。 [Static試験]摩擦材をスチールプレートで挟み
込むように圧力を付加し、回転数0.72rpmで摩擦
材を回転させ、その時に発生する回転トルクを読み取
り、摩擦係数に換算する。低速回転で滑り出す最大トル
ク時の静止摩擦係数μsを測定する。
【0066】伝達トルク容量の評価はSAE No.2
試験100c/cでの静止摩擦係数μsにより行ない、
μsが0.100を超え高いほど伝達トルク容量が大き
いものと評価される。
【0067】実施例1 潤滑油基油として溶剤精製パラフィン系鉱油(100℃
での動粘度;4mm2/s)を使用し、イミド系化合物
(化合物A)1.0重量%、カルシウムスルホネート
(全塩基価300mgKOH/g)0.3重量%、トリ
ブチルホスフェート0.2重量%、ポリメタアクリレー
ト(粘度指数向上剤)5.0重量%、ポリイソブテニル
コハク酸イミド(無灰分散剤)4.0重量%、2.6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(酸化防止剤)
0.4重量%およびベンゾトリアゾール(金属不活性化
剤)0.05重量%含有する潤滑油組成物を調製した。
ここで用いた化合物Aは、表4に示すように、R1 およ
びR2 が各々炭素数12の直鎖状アルキル基、R3 が炭
素数2のアルキレン基、R4 が水素原子であり、nが2
のイミド系化合物である。得られた潤滑油組成物につい
てシャダー振動防止性能および伝達トルク容量を測定し
次の結果を得た。
【0068】・シャダー振動防止性能指数(LVFAで
のμH /μL 比):1.06 ・伝達トルク容量(SAE No.2試験 100c/
cでの静止摩擦係数μs):0.146 上記の評価結果によると、シャダー振動防止性能指数
1.06は1.00を超えており、また、伝達トルク容
量0.146は、0.100を超えていることから動力
伝達性能が極めて優れていることが理解される。
【0069】実施例2 潤滑油基油として溶剤精製パラフィン系鉱油の代わりに
α−オレフィンコポリマー系合成油(100℃における
動粘度:4mm2 /s[モービル石油株式会社製SHF
41])を用いたこと以外すべて実施例1と同様にして
潤滑油組成物を調製した。シャダー振動防止性能指数お
よび伝達トルク容量を測定し、これらの結果を表1に示
す。鉱油系基油と比較して実質的に同等の結果を得た。
【0070】実施例3〜9 表1に示す基油に化合物Aと各種添加剤を同表に示す割
合で添加し潤滑油組成物を調製した。特に、リン系化合
物として、トリブチルホスフェート(実施例3)、トリ
クレジルホスフェート(実施例4)、トリオクチルトリ
チオホスファイト(実施例5)、モノオクチルホスフェ
ートとジオクチルホスフェートの混合物(1:1)(実
施例6)を用いた。得られた各潤滑油組成物のシャダー
振動防止性能および伝達トルク容量を各々求め、表1に
示す結果を得た。
【0071】実施例10 イミド系化合物として化合物Aの代わりに表4に示す化
合物Bを用いたこと以外すべて実施例1と同様にして潤
滑油組成物を調製した。化合物Bは、R1 およびR2
炭素数が各々12の直鎖状アルキル基であり、R3 がエ
チレン基、R4が炭素数6のアルキル基であり、−NH
−基2個、−NH2 3個結合されたイミド系化合物であ
る。また、nが2である。潤滑油組成物を性能評価に供
し、表2に示す結果を得た。シャダー振動防止性能指数
(μH /μL 比)は1.07であり、伝達トルク容量
(μs )は0.146であり、極めて良好な結果が得ら
れた。
【0072】実施例11 イミド系化合物として化合物Aの代わりに化合物Cを用
いたこと以外すべて実施例1と同一の条件および操作に
より潤滑油組成物を得た。化合物Cは、表4に示すよう
にR1 およびR2 が各々炭素数18の直鎖状アルキル基
であり、R3 がエチレン基、R4 が水素原子であり、n
が2のイミド系化合物である。潤滑油組成物のシャダー
振動防止性能指数(μH /μL 比)および伝達トルク容
量(μs)の測定結果を表2に示す。
【0073】実施例12〜14 イミド系化合物として化合物Aの代わりに化合物D(実
施例12)、化合物E(実施例13)および化合物F
(実施例14)を各々用いたこと以外すべて実施例1と
同様にして潤滑油組成物を調製した。
【0074】表4に示すように化合物Dは、R1 および
2 が各々炭素数18の直鎖状アル 基(−NH−)1個を有する炭素数10のアルキル基で
あり、nが2のイミド系化合物である。
【0075】化合物Eは、R1 およびR2 が各々炭素数
24の直鎖状アルキル基、R3 がエチレン基、R4 が水
素原子であり、nが2のイミド系化合物である。
【0076】化合物Fは、R1 およびR2 が各々炭素数
8の直鎖状アルキル基、R3 がエチレン基、R4 が水素
原子であり、nが2のイミド系化合物である。
【0077】実施例15〜16 イミド系化合物として、化合物Aの代わりに化合物G
(実施例15)および化合物H(実施例16)を各々用
いたこと以外すべて実施例1と同様にして潤滑油組成物
を調製した。化合物GおよびHは表4に示すようにR1
およびR2 が各々直鎖状不飽和炭化水素基を有するイミ
ド系化合物である。上記評価結果を表2に示す。
【0078】比較例1〜14 表3に示す基油と各種添加剤を同表に示す割合で混合し
潤滑油組成物を調製した。各組成物についてシャダー振
動防止性能指数(μH /μL 比)および伝達トルク容量
を求め、それらの結果を表3に示す。
【0079】比較例12で用いた化合物Iは、R1 およ
びR2 が各々炭素数4のn−ブチル基であり、R3 がエ
チレン基であり、R4 が水素原子であり、nが2のイミ
ド系化合物である。
【0080】比較例14の化合物Jは、R1 が炭素数1
2の直鎖状アルキル基であるのに対し、R2 が環式炭化
水素基であり、直鎖状飽和炭化水素基でない炭化水素基
を含有するイミド系化合物である。
【0081】上記実施例および比較例から、本発明に係
る新規なイミド系化合物を用いることによりシャダー振
動防止性能および伝達トルク容量のすべてを満足させ得
ることが明らかになった。比較例12においてはイミド
系化合物として化合物Iを用いているが、そのR1 およ
びR2 は各々炭素数4のn−ブチル基であり、本発明の
炭素数5以上の炭化水素基に該当しないものである。ま
た、比較例13においては、無灰清浄分散剤として、ポ
リイソブテニルコハク酸イミドを他の実施例および比較
例に比較して2重量%増加させて6重量%添加したが、
ここで用いたポリイソブテニルコハク酸イミドは、本発
明の炭素数5以上の分岐を有しない直鎖状炭化水素基と
は相違するポリイソブテニル基を有するものであり、シ
ャダー振動防止性能の改善はみられない。
【0082】化合物Jを用いた比較例14の潤滑油組成
物のシャダー振動防止性能指数が0.94と1.00以
下に低下し、シャダー振動防止性能を欠如する結果とな
っている。これは、R1 およびR2 が両者共に直鎖状炭
化水素でなければ伝達トルク容量を維持しつつ、シャダ
ー振動防止性能を付与することができないことを示した
ものである。
【0083】化合物A〜HのR1 およびR2 は表3に示
すように炭素数8以上の直鎖状アルキル基であり、これ
らを用いた潤滑油組成物は伝達トルク容量を損なうこと
なくシャダー振動防止性能においては顕著な効果を示し
ている。
【0084】また、本発明のイミド系化合物には、比較
例8および9から理解されるように、さらに顕著な効果
の発揮可能な含有量の範囲が存在することも判明した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】本発明の自動変速機用潤滑油組成物は、
潤滑油基油に前述のイミド系化合物を含有させてなるも
のであり、スリップ制御機構付自動変速機においてシャ
ダー振動防止性能の指標であるμ−Vカーブの勾配を向
上させることができ、低速域でロックアップ機構を作動
させた場合にも伝達トルク容量を損なうことなく、優れ
たシャダー振動防止性能を発揮することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油基油に、下記一般式[I] 【化1】 (上記一般式[I]において、R1 およびR2 は互いに
    同一であるかまたは異なるものでもよく、各々炭素数5
    以上の炭化水素基であり、R3 は炭素数1〜5の2価の
    炭化水素基であり、R4 は水素原子または炭素数1〜2
    0の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である。)
    で表される化合物を有効量含有させてなる自動変速機用
    潤滑油組成物。
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