JPH09200947A - 電流差動保護継電装置及びその演算処理方法 - Google Patents

電流差動保護継電装置及びその演算処理方法

Info

Publication number
JPH09200947A
JPH09200947A JP8004624A JP462496A JPH09200947A JP H09200947 A JPH09200947 A JP H09200947A JP 8004624 A JP8004624 A JP 8004624A JP 462496 A JP462496 A JP 462496A JP H09200947 A JPH09200947 A JP H09200947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sampling
data
time
current differential
calculation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8004624A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Takahashi
透 高橋
Tomio Chiba
富雄 千葉
Mitsuyasu Kido
三安 城戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Engineering Co Ltd
Priority to JP8004624A priority Critical patent/JPH09200947A/ja
Publication of JPH09200947A publication Critical patent/JPH09200947A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】CPU処理による電流差動保護継電装置で、ジ
ッタによる伝送路遅延時間変動等による受信データの欠
落やダブリを防止する。 【解決手段】受信データ読出し管理部9aは、受信部8
aで識別したサンプリングナンバーS6aを取り込み、
受信データ読み出しアドレスに相当するサンプリングナ
ンバーS8aを決定し、電流差動リレー演算用データと
して受信データメモリ10aよりデータS9aを読出し
て、電流差動リレー演算部11aに与える。サンプリン
グナンバーの決定は、受信部8aで識別したサンプリン
グナンバーの1サンプリング時における2回読み出しの
ナンバーが一致するときは当該ナンバーを、一致しない
ときは、前回演算時のサンプリングナンバーを+1した
更新ナンバーと2回読み出しのナンバーを比較し、一致
する方を該当ナンバーとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統における
異常を検出し、系統を保護する電流差動保護継電装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】複数の電気所でサンプリングした電気量
及びON/OFF情報により、電力系統における異常を
検出するために、電流差動保護継電装置が設けられてい
る。
【0003】電流差動保護継電装置では、送電線の各端
におけるサンプリングタイミングは同一時刻で行われ
る。このサンプリングデータを送出してから相手端が受
信するまでの時間、すなわち伝送路遅延時間は通常、サ
ンプリング周期より大きくなる。このため、各端子で同
一時刻にサンプリングしたデータには、同じサンプリン
グナンバーを付与して伝送し合っている。この例とし
て、特開昭50−49645号に示される各端子対向伝
送のサンプリング同期方式、特開平1−302939及
び電気学会論文B114巻7/8号686〜691ペー
ジに示される各端子ループ伝送のサンプリング同期方式
などが知られている。
【0004】サンプリング同期方式の電流差動保護継電
装置では、送電線の各端において電気量を一定周期でサ
ンプリングしてA/D変換した後、マイクロ回線などを
使用して相互に相手端電気所に伝送し、この各電気所デ
ータからベクトル和及びスカラ和の演算を行ない送電線
の保護を行なっている。
【0005】図5に、従来の電流差動保護継電装置の構
成を示す。電気所A,B間を遮断機3a,3bを介して
接続している送電線1を保護するために、電気所A,B
にそれぞれ電流差動保護継電装置4a,4bが設置され
ている。電気所Aの電流差動保護継電装置4aは、サン
プリング周期毎に変流器2aを介して検出する電流S1
aを、A/D変換器5aによりディジタル信号S2aに
変換して、電流差動リレー演算部11aと送信部6aに
与える。送信部6aからは信号S2aの送信データを、
伝送路12を介して相手端の電流差動保護継電装置4b
に送信する。同様にして、相手端の電気所Bでも電気所
Aと同期サンプリングした電流S1bをA/D変換した
データS2bが、送信部6bから電流差動保護継電装置
4aに送信され、受信部8aで受け取り、受信書き込み
データS7aをデータの切替回路42a、43aを介し
てメモリに書き込む。
【0006】この時、相手端からの受信データ書き込み
タイミングは伝送路遅延時間により決まる。このため、
1サンプル分データの受信が自端での2サンプルにまた
がるなど、自端での受信データの読み出しに都合の良い
タイミングとは限らない。従って、受信データ用メモリ
を2重化する方法が知られている。
【0007】受信データ用メモリを2重化し、メモリの
一方をXメモリ44a、他方をYメモリ45aとしてい
る。サンプリング毎に、メモリ切替部41aからのメモ
リ切替信号S41aをON/OFFさせ、ONで出力す
る論理積42aと、OFFで出力する論理積43a及
び、メモリ切替信号S41aがONでYメモリ45a出
力に接点ONするスイッチ回路46aを設けている。
【0008】あるサンプリングでは、Xメモリ44aを
受信データの書き込み用に、Yメモリ45aを受信デー
タS7aの読み出し用に設定し、相手端からのデータS
7aを受信タイミングでXメモリ44aに書き込む。一
方、受信データの読み出しは受信タイミングに関係なく
自端の都合の良いタイミングでYメモリ45aから読み
出す。次ぎのサンプリングではXメモリ44aを受信デ
ータの読み出し用、Yメモリ45aを受信データの書き
込み用に設定を切り替える。これをサンプリング毎に繰
り返すことにより常に、受信タイミングを制約されるこ
となく1サンプリング分の遅れで、自端の都合の良いタ
イミングで相手端からのデータを取り込むことが出来
る。
【0009】送信部6aから送信基準信号S3aを、受
信部8aからは受信基準信号S4aを時間計測部7aに
出力し、この信号S3a,S4aの時間差より伝送路遅
延時間を求め、サンプリング同期処理を行う。メモリ切
替信号S41aにより切替られるスイッチ回路46aの
出力S42aは、演算用の受信データS9aとして電流
差動リレー演算部11aに与られる。
【0010】電流差動リレー演算部11aは、自己の入
力データS2aと相手端からの受信データS9aを基に
ベクトル和・スカラー和によるリレー演算を実施する。
ここで、送電線1に短絡や地絡の故障がある場合は電流
差動リレー演算部11aのリレー動作出力S10aが出
力され、遮断器3aを遮断する。点線枠内のディジタル
演算部13a,13bは、CPUによるソフト処理によ
って実現している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術で、デ
ータ受信タイミングと自端での処理タイミングとの時間
関係が、サンプリング毎に変動しない場合は問題を生じ
ない。しかし、この時間関係は、伝送路不良発生時の局
切り替え制御において、伝送ルート変更に伴うサンプリ
ング同期引込み動作による伝送路遅延時間の変動や、定
常状態における伝送路のジッタやワンダの影響によっ
て、サンプリング毎に変動することが知られている。
【0012】さらに、電流差動保護継電装置のCPUに
おける演算で、割込み処理の回復時間が変動することも
一因となる。すなわち、CPUの演算処理は、サンプリ
ング周期と一致させる必要のあるリレー演算用データ入
力処理等はレベルの高い割込み処理で実行し、サンプリ
ング周期に制約されないマンマシンインタフェース処理
や常時監視処理はレベルの低い割込み処理にて実行し
て、CPUの処理性を高めている。この場合、サンプリ
ング周期毎に割込みが発生して、既に実行中であった低
レベルの処理を中断し高レベルの処理へ移行するが、サ
ンプリング毎に実行ステップ数が若干変化するため、回
復時間が一定とはならない。
【0013】図6は、伝送路遅延時間がt3、t5時点
で変動した場合の動作を示すタイムチャートである。相
手端はサンプリング周期TS毎にD(t1)〜D(t
5)のデータaを送信する。相手端の送信データaは、
伝送路bを介して伝送路遅延時間TDだけ遅れて自端受
信部に届く。受信データcは2重化されたメモリから交
互に読み出すため、読み出し可能データdは1サンプル
遅れる。なお、遅延時間の変動の影響を判り易くするた
め、図示ではt3、t5での変動を極端に示している。
【0014】ここで、t3時点で伝送路遅延時間TDが
△T1だけ増加し伝送路遅延時間TD1となった場合、
受信側すなわち自端における読み出し処理eによりリレ
ー演算部に取り込まれるデータfは、t3時点でD(t
0)、t4時点でもD(t0)となりデータのダブリが
発生する。さらにt5時点で、伝送路遅延時間TD1が
△T2だけ減少し伝送路遅延時間TD2となった場合、
t5時点でD(t1)、t6時点でD(t3)となり、
D(t2)データの欠落を生じる。
【0015】図7は、データ受信タイミングと自端での
処理タイミングとの時間関係がt3時点で変動した場合
の動作を示すタイムチャートである。相手端からサンプ
リング周期TS毎に送信したD(t1)〜D(t5)の
データaは、伝送路遅延時間TDだけ遅れて自端受信部
cに届き、1サンプル遅れた読み出し可能データdとな
る。t3時点で受信タイミングと処理タイミングが△T
3変動しているため、自端における読み出し処理eでリ
レー演算部に取り込まれるデータfは、t3時点とt4
時点でD(t0)とデータがダブり、t5時点ではD
(t1)が抜け落ちてD(t2)となっている。
【0016】このように、相手端からのデータ受信タイ
ミングと自端での処理タイミングとの時間関係がサンプ
リング時点で変動する場合、受信データの重複や抜けが
発生して忠実に再現できなくなり、リレー演算部は誤っ
た演算結果を出力する恐れがあり、保護継電装置の信頼
性を低下させている。
【0017】この問題の解決策として、各サンプリング
に固定の遅延時間を挿入することも考えられるが、伝送
路切り替えを含む想定されるケース全てを考慮した固定
遅延時間を設定することは困難である。
【0018】本発明の目的は、従来技術の問題点を克服
し、他電気所からの受信データの連続性を確保できる信
頼性の高い電流差動保護継電装置とその演算処理方法を
提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、多端子電力系統の各電気所で系統の電
気量を一定周期で同期サンプリングするサンプリング手
段と、A/D変換したデータをサンプリング時刻毎に同
一サンプリング番号を付与して、互に送受信する送信手
段及び受信手段と、同一サンプリング番号の自電気所の
データと他電気所からの受信データを基に所定の演算を
行ない、演算の結果による異常検出時に所定の制御指令
を出力する演算手段を備える電流差動保護継電装置にお
いて、他電気所から受信して、サンプリング番号と受信
データを識別する受信手段と、過去のサンプリング時刻
から現在までの複数の受信データをサンプリング番号と
対応して、時系列に更新しながら記憶する受信データメ
モリと、過去のサンプリング時刻から現在までの複数の
サンプリング番号を基にして、演算に使用する受信デー
タの連続性を保つように前記受信データメモリから読出
すためのサンプリング番号を決定する受信データ読出し
管理手段を設けていることを特徴とする。
【0020】前記受信データ読出し管理手段は、前記複
数のサンプリング番号を各々記憶し、今回の演算に予定
されている記憶エリアのサンプリング番号を、1サンプ
リング時に所定時間離して2回読出し、2回のサンプリ
ング番号が一致する場合は当該番号の付与されている受
信データを今回演算用として前記受信データメモリから
読出し、一致しない場合は前回の演算に使用したサンプ
リング番号を一つ更新した番号と一致する方のサンプリ
ング番号の付与されている受信データを今回演算用とし
て読出すことを特徴とする。
【0021】前記演算手段と前記受信データ読出し管理
手段は、CPUのソフト処理によって実現されることを
特徴とする。
【0022】また、本発明の電流差動保護継電装置の演
算処理方法は、受信時に識別したサンプリング番号とデ
ータを対応して時系列に記憶し、前記識別したサンプリ
ング番号を1サンプリング時に2回読み取り、両者が一
致する場合は当該サンプリング番号に対応するデータを
読み出して演算に使用することを特徴とする。
【0023】前記2回読み取りによるサンプリング番号
が不一致のときは、これらサンプリング番号と前回演算
時のサンプリング番号を一つ更新した番号を比較し、一
致するサンプリング番号に対応するデータを読み出して
演算に使用することを特徴とする。
【0024】前記2回のサンプリング番号に一致するも
のが取得できないときは、前記演算手段の処理をバイパ
スすることを特徴とする。
【0025】前記2回の読出しの間の所定時間は、他電
気所からのデータ受信タイミングと自電気所での処理タ
イミングとの時間関係が変動する場合の変動時間幅以上
とすることを特徴とする。
【0026】本発明によれば、サンプリング番号に対応
して受信データを時系列に更新しながら記憶するととも
に、現在から遡った複数サンプリング時刻分のサンプリ
ング番号も時系列に更新しながら一時記憶している。演
算のための受信データの読み出しのアドレスは、一時記
憶しているサンプリング番号の予定エリア(前回演算の
次の番号が記憶されるエリア)を一サンプリング時内に
2回読み出して決定する。
【0027】すなわち、サンプリング毎に、データ受信
書き込みタイミングと自端での受信データ読み出しタイ
ミングとの時間関係に変動が無いときは2回のサンプリ
ング番号は同じ値となる。しかし、系統の切り替えによ
る遅延時間の変化や、本演算処理をCPUに割込みする
ときのステップ数の変化などのために、受信タイミング
と自電気所での処理タイミングとの時間関係が変動した
場合は、2回のサンプリング番号が一致しない。このと
きは、前回演算に使用したサンプリング番号を+1した
番号に該当する方のサンプリング番号が今回演算の正し
いデータを示している。
【0028】従って、常に正しいサンプリング番号を決
定し、それをアドレスとして受信データを読出すこと
で、時間変動の影響による受信データの抜けやダブリを
防止でき、誤ったデータによる誤出力を回避して、電流
差動保護継電装置の信頼性を向上する効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に従って詳細に説明する。
【0030】図1は、本実施例による電流差動保護継電
装置の構成を示したものである。電気所A、B間を遮断
機3a、3bを介して接続している送電線1を保護する
ために、電気所A、Bにそれぞれ電流差動保護継電装置
4a、4bが設置されている。
【0031】電気所Aの電流差動保護継電装置4aは、
サンプリング周期毎に変流器2aを介して検出する電流
S1aを、A/D変換器5aによりディジタル信号S2
aに変換し、電流差動リレー演算部11aと送信部6a
に与える。送信部6aは信号S2aの送信データを、伝
送路12を介して相手端の電流差動保護継電装置4bに
送信する。同様にして、相手端の電気所Bは電流S1b
を電気所Aと同期サンプリングし、A/D変換したデー
タS2bを送信部6bから電流差動保護継電装置4aに
送信する。
【0032】受信部8aはデータS2bを受け取り、識
別したサンプリングナンバーとデータを対応して受信デ
ータメモリ10aに、受信書き込みデータS7aとして
記憶する。受信データメモリ10には、少なくとも2サ
ンプリング時点過去までのデータを時系列に更新しなが
ら記憶する。なお、サンプリング番号は最小値(=1)
から最大値までの一連番号を、時系列のサンプリング時
刻に繰返し付与しているので、全サンプリング番号分の
データエリアを用意し、一巡分の受信データを記憶して
もよい。
【0033】時間計測部7aは、送信部6aからの送信
基準信号S3aと、受信部8aからの受信基準信号S4
aの時間差より伝送路遅延時間を求め、サンプリング同
期処理を行う。
【0034】受信データ読出し管理部9aは、受信部8
aで識別したサンプリングナンバーS6aを現時点から
遡って複数点、時系列に更新しながら一時記憶し、これ
を後述のように処理して読出しアドレスS8aを決定
し、電流差動リレー演算用データを受信データメモリ1
0aから読出し、受信読み出しデータS9aとして電流
差動リレー演算部11aに与える。
【0035】電流差動リレー演算部11aは、自己の入
力データS2aと相手端からの受信データS9aを基に
ベクトル和・スカラー和によるリレー演算を実施する。
ここで、送電線1に短絡や地絡の故障がある場合は、電
流差動リレー演算部11aからリレー動作出力S10a
が出力され、遮断機3aを遮断する。なお、相互に送受
信する電気所は3か所以上でもよい。
【0036】図1の構成で、点線枠内はディジタル演算
部13a、13bであり、本実施例ではCPUの処理に
よって実現される。図2に、CPUを使用する電流差動
保護継電装置の構成を示す。CPU25は、システムバ
ス26を介してROM23に記憶されている処理プログ
ラムを実行し、ソフト処理によるディジタル演算部を実
現する。
【0037】変流器2aでサンプリングされた電流S1
は、入力変換器20で所定の電圧量に変換され、フィル
ター21を介してA/D変換器5でディジタル量S2に
変換され、RAM22に格納される。CPU25は、R
AM22に格納されたデータS2を送信部6にセットす
る。さらに、RAM22に格納されたデータS2、受信
部8からの受信データS7、S9を基に電流差動リレー
演算を行い、その結果に基づいて、DI/O24を介し
てリレー動作出力S10を出力する。なお、演算にはD
I/O24から外部機器の状態も取り込まれる。
【0038】従来のディジタル演算部の構成は、A/D
変換器5から送信部6に、ハード構成にて直接セットし
ていたが、本実施例のようにCPU25を経由してセッ
トすることで、保護継電装置を標準化でき、汎用性の面
から有利である。
【0039】図3は、電流差動保護継電装置の受信デー
タ読出し処理をメインとするフローチャートである。本
処理はサンプリング時毎に起動される。
【0040】まず、今回の計算に用いる受信データに対
応するサンプリングナンバーSR(t)の一時記憶エリ
アを読み込み、1回目の読出し結果SR1を取得する
(S010)。次に、ダミータイマ処理にてデータ受信
タイミングと自端での処理タイミングの変動時間と同程
度もしくはそれ以上の待ち時間をとる(S020)。例
えば、低位レベルの割込み処理中から、高位レベルの割
込みであるサンプリング毎の演算処理に移行する時間が
0〜15マイクロ秒の範囲で変動している場合、余裕を
みてTR1=20マイクロ秒とする。また、ダミータイ
マ処理の替わりに必ず20マイクロ秒以上かかる別な処
理を実行しても良い。
【0041】ダミータイマ処理後、1回目と同一のサン
プリングナンバー記憶エリアから、2回目の読出し結果
SR2を取得する(S030)。続いて、1回目と2回
目のサンプリングナンバーSR1、SR2を比較し(S
040)、同一ならSR1又はSR2を読出しデータ用
サンプリングナンバーSR(t)とする。図では、SR
(t)=SR1としている(S080)。
【0042】サンプリングナンバーSR1とSR2の比
較結果が異なるときは、前回サンプリング周期のサンプ
リングナンバーSR(t−1)から1サンプリング分更
新したサンプリングナンバーSR(t)’(=SR(t
−1)+1)とSR1、SR2を各々比較する(S05
0、S060)。サンプリングナンバーSR(t)’と
SR1が同一ならSR(t)=SR1とする(S08
0)。また、サンプリングナンバーSR(t)’とSR
2が同一なら、SR(t)=SR2とする(S07
0)。SR1、SR2及びSR(t)’の比較結果が全
て異なるときは、電流差動リレー演算処理をバイパスす
る。このケースは、伝送路不良等によるデータエラーが
発生したと判断されるため、データは廃棄し電流差動リ
レー演算部の誤出力を防止する。伝送路不良等、何らか
の異常検出及び出力ロック等の処置については周知事項
であり説明を省略する。
【0043】このように、1回目SR1、2回目SR
2、さらには前回計算に読出したサンプリング番号を一
つ更新したSR(t)’の比較から、今回のサンプリン
グナンバーSR(t)が求まると、これに従って、受信
メモリ10から該当する受信データを読出し、自電気所
の同一サンプリングナンバーの送信データとともに、電
球差動リレー演算部11に入力し(S090)、電流差
動リレー演算を行い(S100)、その演算結果につい
て電流差動リレー出力の要否を判定し(S110)、送
電線1に故障が認められる場合はDI/O24を介して
遮断指令を出力する(S120)。この後、次回サンプ
リング周期の準備処理を行い(S130)、今回計算の
サンプリングナンバーSR(t)を一つ更新する。即
ち、SR(t)=SR(t)+1とし、次回の読み出し
アドレス処理のためのサンプリングナンバーSR(t)
とする(S130)。
【0044】電流差動リレー演算の内容は周知であり説
明を省略する。なお、演算には、DI/O24から入力
されるON/OFF状態を含むこともある。
【0045】図4は、本実施例による電流差動保護継電
装置の動作を示すタイムチャートである。同図で、相手
端はサンプリング周期TS毎にD(t1)〜D(t
3)、D(tn)〜D(tn+3)のデータaを送信す
る。相手端からの送信データaは伝送路bを介し、伝送
路遅延時間TDだけ遅れて自端受信部cに届く。自端受
信部の読み出し可能データdは、1サンプリング分のデ
ータ受信を完了してから読み出すため、1サンプルだけ
遅れる。
【0046】自端における読み出し処理eは次のように
行われる。まず、t1時点のサンプリングで、サンプリ
ングナンバーの読出しをR1、R2の2回行う。読出し
R1とR2の間隔TR1は、上記ダミータイマーによる
時間である。R1とR2で読み出したサンプリングナン
バーは、図示のようにSR(t−1)と一致しているた
め、リレー演算部に取り込まれるデータfはD(t−
1)となる。
【0047】t2時点のサンプリングでも、サンプリン
グナンバーの読出しR3、R4を行う。ここでは、デー
タ受信タイミングと自端での処理タイミングとの時間関
係が変動しているため、読み出しR3のナンバーSR
(t−1)と、R4のナンバーSR(t0)が不一致と
なる。そこで、前サンプリングのt1時点でのサンプリ
ングナンバーSR(t−1)を一つ更新したSR(t
0)と比較する。この結果、読み出しR4の結果SR
(t0)と一致することが確認され、リレー演算部に取
り込まれるデータfはD(t0)となる。
【0048】t3時点のサンプリングでは、時間関係が
正常に復帰し、読出しR5とR6との結果SR(t1)
が一致し、リレー演算部に取り込まれるデータfはD
(t1)となる。
【0049】tn+1時点のサンプリングでは、読出し
R7、R8のサンプリングナンバーSR(tn−2)が
一致し、リレー演算部に取り込まれるデータfはD(t
n−2)となる。しかし、tn+2時点のサンプリング
では、再び時間関係の変動により読み出しR9、R10
のサンプリングナンバーがSR(tn−2)とSR(t
n−1)となり一致しない。そこで、前サンプリングの
サンプリングナンバーSR(tn−2)を一つ更新した
SR(tn−1)と比較する。この結果、読出しR10
のSR(tn−1)と一致するので、データD(tn−
1)をリレー演算部に取り込む。続く、tn+3時点の
サンプリングでも、読み出しR11、R12のサンプリ
ングナンバーが不一致で、前サンプリングのSR(tn
−1)を一つ更新したSR(tn)と一致する、読出し
R12の読み出しSR(tn)のデータ(tn)を、リ
レー演算部に取り込む。
【0050】サンプリング周期TSは一般に、50Hz
系統では1.667(ms)、60Hz系統では1.3
89(ms)である。また、データ受信タイミングと自
端での処理タイミングの変動幅は数マイクロ秒から百数
十マイクロ秒程度でありTR1はこれを考慮し決定され
る。TR1時間は上述したように、変動幅が0〜15マ
イクロ秒の場合、余裕をみてTR1=20マイクロ秒程
度にするとよい。
【0051】なお、上記の実施形態は、各端子対向伝送
のサンプリング同期方式についての一例であるが、電気
所Aを親局(主局とも呼ぶ)、電気所Bを折返し局と
し、電気所Bにて電気所Aからの信号に自端(電気所
B)のデータを付加し相手端(電気所A)に送信するこ
とにより、各端子ループ伝送のサンプリング同期方式に
もそのまま適用できる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、サンプリングナンバー
の2回読み出しによる確認と、前サンプルからの更新を
考慮して、演算に使用する受信サンプリングデータを切
替るため、相手端からのデータ受信タイミングと自端で
の処理タイミングとの時間関係がサンプリング毎に変動
しても、受信データが抜け落ちたり繰り返してしまうこ
とを防止するため、誤った受信データによる誤出力を回
避でき、電流差動保護継電装置の信頼性を向上できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による電流差動保護継電装置
の構成図。
【図2】本発明による電流差動保護継電装置のディジタ
ル演算部の構成図。
【図3】本発明による電流差動保護継電装置の動作を説
明するフローチャート。
【図4】本発明による電流差動保護継電装置の動作を説
明するタイムチャート。
【図5】従来の電流差動保護継電装置の構成図。
【図6】従来の電流差動保護継電装置の動作を説明する
タイムチャート。
【図7】従来の電流差動保護継電装置の動作を説明する
タイムチャート。
【符号の説明】 1…送電線、2a,2b…変流器、3a,3b…遮断
器、4a,4b…電流差動保護継電装置、5a,5b…
A/D変換器、6a,6b…送信部、7a,7b…時間
計測部、8a,8b…受信部、9a,9b…受信データ
読出し管理部、10a,10b…受信データメモリ、1
1a,11b…電流差動リレー演算部、12…伝送路、
13a,13b…ディジタル演算部、20…入力変換
器、21…フィルタ(FIL)、22…RAM、23…
ROM、24…DI/O、25…CPU。
フロントページの続き (72)発明者 城戸 三安 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多端子電力系統の各電気所で系統の電気
    量を一定周期で同期サンプリングするサンプリング手段
    と、A/D変換したデータをサンプリング時刻毎に同一
    サンプリング番号を付与して、互に送受信する送信手段
    及び受信手段と、同一サンプリング番号の自電気所のデ
    ータと他電気所からの受信データを基に所定の演算を行
    ない、演算の結果による異常検出時に所定の制御指令を
    出力する演算手段を備える電流差動保護継電装置におい
    て、 他電気所から受信して、サンプリング番号と受信データ
    を識別する受信手段と、 過去のサンプリング時刻から
    現在までの複数の受信データをサンプリング番号と対応
    して、時系列に更新しながら記憶する受信データメモリ
    と、 過去のサンプリング時刻から現在までの複数のサンプリ
    ング番号を基にして、演算に使用する受信データの連続
    性を保つように前記受信データメモリから読出すための
    サンプリング番号を決定する受信データ読出し管理手段
    を設けていることを特徴とする電流差動保護継電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記受信データ読出し管理手段は、前記複数のサンプリ
    ング番号を各々記憶し、今回の演算に予定されている記
    憶エリアのサンプリング番号を、1サンプリング時に所
    定時間離して2回読出し、2回のサンプリング番号が一
    致する場合は当該番号の付与されている受信データを今
    回演算用として前記受信データメモリから読出し、一致
    しない場合は前回の演算に使用したサンプリング番号を
    一つ更新した番号と一致する方のサンプリング番号の付
    与されている受信データを今回演算用として読出すこと
    を特徴とする電流差動保護継電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記演算手段と前記受信データ読出し管理手段は、CP
    Uのソフト処理によって実現されることを特徴とする電
    流差動保護継電装置。
  4. 【請求項4】 電力系統の各電気所で系統の電気量を一
    定周期で同期サンプリングしたデータを、サンプリング
    時刻毎に一連番号の中から順繰りに同一サンプリング番
    号を付与して互に送受信し、同一サンプリング番号の自
    電気所のデータと他電気所からの受信データを基に電流
    差動リレー演算を行ない、演算の結果による異常検出時
    に所定の制御指令を出力する電流差動保護継電装置にお
    いて、 受信時に識別したサンプリング番号とデータを対応して
    時系列に記憶し、 前記識別したサンプリング番号を1サンプリング時に2
    回読み取り、両者が一致する場合は当該サンプリング番
    号に対応するデータを読み出して演算に使用することを
    特徴とする電流差動保護継電装置の演算処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記2回読み取りによるサンプリング番号が不一致のと
    きは、これらサンプリング番号と前回演算時のサンプリ
    ング番号を一つ更新した番号を比較し、一致するサンプ
    リング番号に対応するデータを読み出して演算に使用す
    ることを特徴とする電流差動保護継電装置の演算処理方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記2回のサンプリング番号に一致するものがないとき
    は、前記演算手段の処理をバイパスすることを特徴とす
    る電流差動保護継電装置演算処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または5または6において、 前記2回の読出しの間の所定時間は、他電気所からのデ
    ータ受信タイミングと自電気所での処理タイミングとの
    時間関係が変動する場合の変動時間幅以上とすることを
    特徴とする電流差動保護継電装置の演算処理方法。
JP8004624A 1996-01-16 1996-01-16 電流差動保護継電装置及びその演算処理方法 Pending JPH09200947A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8004624A JPH09200947A (ja) 1996-01-16 1996-01-16 電流差動保護継電装置及びその演算処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8004624A JPH09200947A (ja) 1996-01-16 1996-01-16 電流差動保護継電装置及びその演算処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09200947A true JPH09200947A (ja) 1997-07-31

Family

ID=11589210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8004624A Pending JPH09200947A (ja) 1996-01-16 1996-01-16 電流差動保護継電装置及びその演算処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09200947A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100771916B1 (ko) * 2006-08-25 2007-11-01 엘에스산전 주식회사 디지털 보호 계전기의 데이터 수집 방법
JP2010016960A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Mitsubishi Electric Corp Pcm電流差動保護継電装置
JP2010183817A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Mitsubishi Electric Corp 保護継電装置
JP2011200100A (ja) * 2010-02-24 2011-10-06 Hitachi Ltd 保護リレーシステム及び保護リレー装置
JP2012055138A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Chugoku Electric Power Co Inc:The 発変電所における設備統合化システム
JP2013038841A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Hitachi Ltd ディジタル保護継電装置
WO2016181457A1 (ja) * 2015-05-11 2016-11-17 株式会社日立製作所 ディジタル保護制御装置及び電力系統保護方法
CN108616111A (zh) * 2016-12-12 2018-10-02 南京南瑞继保电气有限公司 一种基于插值同步的多端t接输电线路光纤差动保护方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100771916B1 (ko) * 2006-08-25 2007-11-01 엘에스산전 주식회사 디지털 보호 계전기의 데이터 수집 방법
JP2010016960A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Mitsubishi Electric Corp Pcm電流差動保護継電装置
JP2010183817A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Mitsubishi Electric Corp 保護継電装置
JP2011200100A (ja) * 2010-02-24 2011-10-06 Hitachi Ltd 保護リレーシステム及び保護リレー装置
JP2012055138A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Chugoku Electric Power Co Inc:The 発変電所における設備統合化システム
JP2013038841A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Hitachi Ltd ディジタル保護継電装置
WO2016181457A1 (ja) * 2015-05-11 2016-11-17 株式会社日立製作所 ディジタル保護制御装置及び電力系統保護方法
JPWO2016181457A1 (ja) * 2015-05-11 2018-01-18 株式会社日立製作所 ディジタル保護制御装置及び電力系統保護方法
CN108616111A (zh) * 2016-12-12 2018-10-02 南京南瑞继保电气有限公司 一种基于插值同步的多端t接输电线路光纤差动保护方法
CN108616111B (zh) * 2016-12-12 2020-03-20 南京南瑞继保电气有限公司 一种基于插值同步的多端t接输电线路光纤差动保护方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4612534A (en) Method of transmitting measuring values in a monitoring system
JPH09200947A (ja) 電流差動保護継電装置及びその演算処理方法
JP5258286B2 (ja) デジタル電流差動保護継電器
JP3333053B2 (ja) ディジタル通信装置
JPS63240241A (ja) 中間中継装置
US3876997A (en) Analog data acquisition system
JP3583860B2 (ja) 情報通信装置
JPS60199247A (ja) フレ−ムの同期方式
US6374374B1 (en) Error processing circuit for a receiving location of a data transmission system
CA2088210A1 (en) Procedure for synchronizing circuit elements of a telecommunications system
JPS63115438A (ja) 中継器
JPS61133499A (ja) 複数住戸の相互監視装置
CN113489599B (zh) 一种变电站对时校验***及对时消缺方法
JP2949945B2 (ja) 伝送路切替回路
JPH1173583A (ja) 警報収集システム
JP3469710B2 (ja) クロック監視装置
JP3016280B2 (ja) 装置内監視方式
SU1424023A1 (ru) Устройство дл сопр жени ЭВМ с синхронным каналом передачи данных
SU1539783A1 (ru) Устройство дл контрол дискретной аппаратуры с блочной структурой
JP3411197B2 (ja) 回線終端装置
SU1585833A1 (ru) Устройство дл контрол синхронизма воспроизведенных сигналов
JPS63310211A (ja) クロック障害検出回路
SU1234984A2 (ru) Устройство тактовой синхронизации
JPH04271224A (ja) デジタル電流差動リレー
JPH05260639A (ja) ディジタル保護継電装置の自動監視回路