JPH09196680A - ジャイロ装置及びその製造方法 - Google Patents

ジャイロ装置及びその製造方法

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JPH09196680A
JPH09196680A JP8005177A JP517796A JPH09196680A JP H09196680 A JPH09196680 A JP H09196680A JP 8005177 A JP8005177 A JP 8005177A JP 517796 A JP517796 A JP 517796A JP H09196680 A JPH09196680 A JP H09196680A
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vibrating
tuning fork
gyro device
electrode
axis
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JP8005177A
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English (en)
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Akihiro Chiyou
亮弘 長
Takeshi Hojo
武 北條
Shigeru Nakamura
茂 中村
Kazuteru Sato
一輝 佐藤
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5607Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using vibrating tuning forks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音叉に作用するコリオリ力を利用して角速度
を測定する小型の振動型ジャイロ装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 音叉はZ軸に対して対称的な2つの振動
部を有し、2つの振動部はZ軸方向に振動し、コリオリ
力によってY軸方向に変位する。2つの振動部の各々は
片持ち支持されXZ面に沿って配置された板状部材より
なり且つその中心軸線に対して対称な形状を有する。振
動部の両面に電極部が形成され、該電極部に対応してケ
ーシングの内部空間に電極が形成され、電極は電極部に
対して振動部の中心軸線に対して外側又は内側に偏倚さ
れている。電極の各々に変位検出用交流電圧と制御用電
圧とを印加するための検出駆動回路が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動体に作用するコ
リオリ力を利用して角速度を測定するための振動型ジャ
イロ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図18及び図19を参照して従来の振動
型ジャイロ装置の例を説明する。振動型ジャイロ装置は
振動体に作用するコリオリ力を利用して角速度を測定す
るように構成されており、様々な形式のものが知られて
いる。この例では、振動体として音叉を使用する。この
ジャイロ装置は、音叉1と音叉1に装着された撓み軸2
と撓み軸2を支持している基台3とを有する。
【0003】音叉1には音叉1を振動させるための駆動
コイル4と音叉1の振動変位を検出する変位検出装置5
と撓み軸3の捩じり変位を検出するための捩じり変位検
出装置6が装着されている。図19に示すように、ジャ
イロ装置は更に駆動増幅器7とデモジュレータ8とを有
する。
【0004】図示のように撓み軸3の中心軸線に沿って
Z軸をとる。音叉1はZ軸に対称に配置されており、Z
軸を音叉軸Z−Zと称する。音叉1の振動方向Vは図示
のようにZ軸に垂直である。このジャイロ装置の入力軸
はZ軸である。即ち、Z軸周りの回転角速度Ωを検出す
る。
【0005】音叉1が振動方向Vに振動しているときに
音叉軸Z−Z周りに角速度Ωが入力されると、入力角速
度Ωに対応したコリオリ力FC が音叉1に作用する。こ
のコリオリ力FC の作用方向は、音叉軸Z−Z及び音叉
1の振動方向Vの両者に垂直である。音叉1の2つの振
動体(二股)は互いに反対方向±Vに振動するから、2
つの振動体に働くコリオリ力FC の作用方向は互いに反
対方向である。
【0006】従って音叉1に作用するコリオリ力FC
偶力であり、音叉1は音叉軸Z−Z周りに交番的に回転
振動する。この回転振動の大きさはコリオリ力FC の大
きさに比例し、振動周期は音叉1の周期に等しい。
【0007】図19はこのジャイロ装置の制御系を示
す。制御系は、変位検出装置5、駆動増幅器7及び駆動
コイル4を含む検出/駆動系と捩じり変位検出器6及び
デモジュレータ8を含む角速度検出系とを有する。検出
/駆動系では、変位検出装置5によって音叉1の変位を
検出し、その出力を駆動増幅器7を経由して駆動コイル
4に供給する。こうして音叉1は一定の振動数にて振動
する。
【0008】角速度検出系では、捩じり変位検出器6に
よって音叉1の捩じり変位を検出し、その出力をデモジ
ュレータ8に供給する。デモジュレータ8は駆動増幅器
7の出力信号を用いて捩じり変位検出器6の出力を同期
整流することによって入力角速度Ωを求める。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の振動型ジャイロ
装置は比較的重い音叉1を撓み軸2によって片持ち支持
するように構成されている。従って、撓み軸2の剛性を
十分大きくすると音叉1の音叉軸Z−Z周りの回転振動
の振幅が小さくなり入力角速度Ωに対する感度が低下す
る。撓み軸2の剛性を十分小さくすると重量の大きい音
叉1を支持することができなくなる。
【0010】従来の振動型ジャイロ装置では、音叉1の
振動変位を検出するための変位検出装置5と音叉1の回
転変位を検出するための捩じり変位検出装置6の2つの
変位検出装置を設ける必要があり装置が大型化し且つ複
雑な構造となる欠点があった。
【0011】駆動コイル4及び変位検出装置6は外部磁
界の影響を受け易く高い検出精度を達成することができ
ない。また駆動コイル4及び変位検出装置6の代わりに
圧電素子を用いる場合もあるが、圧電素子を装着すべき
音叉1及び撓み軸2との間の熱膨張係数の差に起因した
誤差が生ずる欠点がある。
【0012】本発明は斯かる点に鑑み、構造が簡単で且
つ小型化に適した振動型ジャイロ装置を提供することを
目的とする。
【0013】本発明は斯かる点に鑑み、2つの変位検出
装置を使用することのない振動型ジャイロ装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によると、Z軸方
向に沿った音叉軸を有しX軸方向に一定の振動数にて振
動する音叉と、該音叉を収容するケーシングと、を有
し、該音叉に生ずるY軸方向のコリオリ力を検出してZ
軸周りの角速度Ωを検出するように構成されたジャイロ
装置において、上記音叉にて片持ち支持され、各々の中
心軸線に対して対称的な板状の形状を有し、XZ面に沿
って配置され、Z軸に対して互いに対称的に配置された
2つの振動部と、該振動部の両面に形成された電極部
と、該電極部に対応して上記ケーシングの内部空間に形
成され且つ上記電極部に対して上記振動部の中心軸線の
外側又は内側に偏倚された電極と、上記電極の各々とそ
れに対応する上記電極部とによって構成されるコンデン
サに変位検出用交流電圧を印加するための検出駆動回路
と、を有し、上記変位検出用交流電圧の変化によって上
記コリオリ力に起因する上記振動部のY軸方向の変位を
検出するように構成されていることを特徴とする。
【0015】本発明によると、ジャイロ装置において、
上記検出駆動回路は上記変位検出用検出電圧に加えて更
に変位交流電圧を上記コンデンサに印加し、該変位交流
電圧によって上記振動部はX軸方向に振動するように構
成されていることを特徴とする。
【0016】本発明によると、ジャイロ装置において、
上記振動部の各々は2本の互いに平行な支持部材を有す
るコの字形部材によって支持され、該2本の支持部材が
撓んでも上記振動部の中心軸線は常にZ軸方向に平行に
維持されることを特徴とする。
【0017】本発明によると、ジャイロ装置において、
2枚の板状のカバー部材とその間に挟まれた基板とを含
み、上記基板は一体的に形成された上記音叉と上記音叉
を囲む額縁状部分とを含み、上記ケーシングの内部空間
は上記2枚のカバー部材とその間に挟まれた上記基板の
額縁状部分とによって形成されていることを特徴とす
る。
【0018】本発明によると、ジャイロ装置において、
上記ケーシングは絶縁材料よりなり上記電極は上記ケー
シングの内面に形成された金属薄膜よりなり、上記振動
部は導電性材料よりなり上記電極部は上記振動部に形成
された凸部よりなることを特徴とする。
【0019】本発明によると、ジャイロ装置において、
上記電極及び上記電極部は上記振動部の中心軸線を通り
且つYZ面に平行な面に対して対称的に配置された多数
の細長い帯状部よりなることを特徴とする。上記帯状部
の幅は数10μmであることを特徴とする。
【0020】本発明によると、ジャイロ装置において、
上記2枚の板状のカバー部材と上記基板の額縁状部分と
は陽極接合によって接合されていることを特徴とする。
上記2枚の板状のカバー部材はガラスよりなる。上記基
板は単結晶珪素(Si)よりなる。
【0021】本発明によると、ジャイロ装置において、
上記ケーシングの内部空間は密閉され真空に維持されて
いることを特徴とする。上記ケーシングには内部空間に
連通した凹部が形成され、該凹部には真空を維持するた
めのゲッタ部材が配置されていることを特徴とする。
【0022】本発明によると、ジャイロ装置において、
上記振動部のY軸方向の変位を制限するためのストッパ
が設けられ、該ストッパは上記電極部及び電極の少なく
とも一方の表面に形成された絶縁材の薄膜であることを
特徴とする。
【0023】本発明によると、ジャイロ装置の製造方法
において、導電性材料よりなる1枚の薄い板状の基板
に、貫通孔を形成することによって、片持ち支持構造を
有し且つ互いに対称的な2つの振動部を含む音叉を形成
することと、上記2つの振動部の両面に、該振動部の中
心軸線に対して対称的に突起部よりなる電極部を形成す
ることと、絶縁材よりなる2枚の薄い板状のカバー部材
のそれぞれ一方の面に、上記振動部の電極部に対応した
電極を形成することと、上記2つのカバー部材の間に上
記基板を挟み、上記電極を上記電極部に対して上記振動
部の中心軸線の外側又は内側に偏倚して配置すること
と、上記2つの振動部が振動可能なように上記2つのカ
バー部材とその間の上記基板を接合することと、を含
む。
【0024】本発明によると、ジャイロ装置の製造方法
において、上記2枚のカバー部材に形成された電極は金
属薄膜製造技術によって形成された金属薄膜よりなるこ
とを特徴とする。上記基板の音叉はエッチングによって
形成されたことを特徴とする。
【0025】本発明によると、ジャイロ装置の製造方法
において、上記振動部の電極部はエッチングによって形
成されたことを特徴とする。上記2つのカバー部材と上
記基板の間の接合は陽極接合によってなされることを特
徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明による振動型ジャイ
ロ装置の外観を示す。本例による振動型ジャイロ装置
は、2つのカバー部材10A、10Bとその間に挟まれ
た基板20とを含む。カバー部材10A、10B及び基
板20は薄い板状部材より構成され、振動ジャイロ装置
は全体として薄い直方体をなしている。
【0027】図示のように、振動型ジャイロ装置の長手
方向にX軸、厚さ方向にY軸、幅方向にZ軸をとる。ま
た座標軸の原点Oを直方体の中心位置にとる。主面はX
Z面に平行となる。
【0028】基板20は音叉を有し、この音叉は1対の
音叉部分20−1、20−2(一方のみ図示)よりな
る。この2つの音叉部分20−1、20−2はXZ平面
に沿って且つZ軸に対して対称に配置されている。従っ
て本例の振動型ジャイロ装置ではZ軸が音叉軸である。
カバー部材10A、10Bの内面にはそれぞれ電極(一
部100A−1、100A−2のみ図示)が形成されて
いる。尚、各部の寸法及び材質については後に説明す
る。
【0029】図2、図3及び図4を参照して基板20の
構造を説明する。図2は図1の線2−2に沿った断面構
成を示し、図3は図1の線3−3(図2の線3−3)に
沿った断面図であり、基板20の平面構成を示す。基板
20はZ軸に対して又はYZ面対して左右対称な形状を
有する。基板20の両面には長方形の浅い凹部20Aが
形成され、斯かる凹部20Aの底面に1対の音叉部分2
0−1、20−2が形成されている。図示のように、凹
部20Aの底面にE字形の貫通孔20aと1対のコの字
形の貫通孔20b、20cが形成されており、それによ
って2つの音叉部分20−1、20−2が形成されてい
る。
【0030】図4に一方の音叉部分20−1の構造を示
す。2つの音叉部分20−1、20−2の構造は同一で
あり、他方の音叉部分20−2の構造の説明は省略す
る。この第1の音叉部分20−1は中心軸線O−Oを有
する。また、説明の都合上、本明細書にて、中心軸線O
−Oを含みYZ面に平行な面を中心軸面O−Oと称す
る。
【0031】第1の音叉部分20−1は、中心軸線又は
中心軸面O−Oに対して対称な形状を有する。音叉部分
20−1はコの字形の支持部21a、21b、21cと
その間に配置された振動部201とを有する。コの字形
の支持部21a、21b、21cは両側の互いに平行な
脚部21a、21bと両者を接続している接続部21c
とを有し、振動部201は接続部21cに接続されてい
る。
【0032】こうして本例によると、振動部201は2
つの脚部21a、21bによって片持ち支持されてお
り、従って音叉部分20−1は片持ち支持構造を有す
る。
【0033】次に、再び図2及び図3を参照して第1の
音叉部分20−1の振動部201の形状を詳細に説明す
る。図3に示すように、第1の振動部201の上面及び
下面にはそれぞれ多数の細長い溝201a−1、201
a−2及び201b−1、201b−2が形成されてい
る。これらの細長い溝の両側に形成された細長い突起部
分は電極部を構成している。
【0034】図2に示すように、第1の振動部201の
上面には細長い電極部201A−1、201A−2が形
成され、第1の振動部201の下面には細長い電極部2
01B−1、201B−2が形成されている。図示のよ
うに、これらの電極部201A−1、201A−2及び
電極部201B−1、201B−2は、中心軸線O−O
に平行に且つ中心軸面の両側に対称的に配置されてい
る。
【0035】第2の音叉部分20−2の振動部202の
構造も同様である。即ち、第2の振動部202の上面に
は細長い電極部202A−1、202A−2が形成さ
れ、振動部202の下面には細長い電極部202B−
1、202B−2が形成されている。これらの電極部2
02A−1、202A−2及び電極部202B−1、2
02B−2は、中心軸線O−Oに平行に且つ中心軸面の
両側に対称的に配置されている。
【0036】図5を参照してカバー部材10Bの構造を
説明する。尚、2つのカバー部材10A、10Bの構造
は同一であり、他方のカバー部材10Aの構造の説明は
省略する。カバー部材10Bの内面には細長い電極10
1B−1、101B−2及び102B−1、102B−
2が形成されている。
【0037】第1の電極101B−1、101B−2は
図示のように中心軸面O−Oの両側に対称的に配置され
ており、第2の電極102B−1、102B−2も中心
軸面O−Oの両側に対称的に配置されている。図2に示
すように、他方のカバー部材10Aの内面にも、同様
に、第1の電極101A−1、101A−2及び第2の
電極102A−1、102A−2が配置されている。
【0038】次に図2、図5及び図6を参照して、2つ
の音叉部分20−1、20−2に形成された電極部20
1A−1、201A−2、201B−1、201B−2
及び202A−1、202A−2、202B−1、20
2B−2と2つのカバー部材10A、10Bの内面に配
置された電極101A−1、101A−2、101B−
1、101B−2及び102A−1、102A−2、1
02B−1、102B−2との間の相対的位置関係を説
明する。
【0039】ここでは、第1の音叉部分20−1の電極
部201A−1、201A−2、201B−1、201
B−2と2つのカバー部材10A、10Bの内面に配置
された第1の電極101A−1、101A−2、101
B−1、101B−2の間の相対的位置関係を説明す
る。
【0040】第1の音叉部分20−1の上側の電極部2
01A−1、201A−2と上側のカバー部材10Aの
内面に配置された電極101A−1、101A−2が対
応している。第1の音叉部分20−1の下側の電極部2
01B−1、201B−2と下側のカバー部材10Bの
内面に配置された電極101B−1、101B−2が対
応している。これは図5の破線によって示されている。
【0041】上述のように、第1の音叉部分20−1の
電極部201A−1、201A−2及び201B−1、
201B−2は中心軸面に対して両側に対称的に配置さ
れ、カバー部材10A、10Bの電極101A−1、1
01A−2及び101B−1、101B−2は中心軸面
に対して両側に対称的に配置されている。
【0042】従って第1の音叉部分20−1の外側の電
極部201A−1、201B−1とカバー部材10A、
10Bの外側の電極101A−1、101B−1がそれ
ぞれ対応し、第1の音叉部分20−1の内側の電極部2
01A−2、201B−2とカバー部材10A、10B
の内側の電極101A−2、101B−2がそれぞれ対
応している。
【0043】図2及び図5に示すように、音叉部分20
−1、20−2の電極部201A−2〜202B−2と
カバー部材10A、10Bの電極101A−1〜102
B−2の各々は多数の細長い帯状部を含み、これらの帯
状部の各々のX軸方向の幅寸法及びピッチは全て同一で
ある。
【0044】例えば、第1の音叉部分20−1の外側の
電極部201A−1、201B−1を構成する帯状部の
各々及びカバー部材10A、10Bの外側の電極101
A−1、101B−1を構成する帯状部の各々は、中心
軸面に対して同一ピッチにて配置されている。同様に、
第1の音叉部分20−1の内側の電極部201A−2、
201B−2を構成する帯状部の各々及びカバー部材1
0A、10Bの内側の電極101A−2、101B−2
を構成する帯状部の各々は、中心軸面に対して同一ピッ
チにて配置されている。
【0045】本例によると、カバー部材10A、10B
のそれぞれ第1の電極101A−1、101A−2、1
01B−1、101B−2は、対応する第1の音叉部分
20−1の電極部201A−1、201A−2及び20
1B−1、201B−2に対して、それぞれ中心軸面O
−Oに対して外側に偏倚して配置されている。カバー部
材10A、10Bのそれぞれ第2の電極102A−1、
102A−2、102B−1、102B−2は、対応す
る第2の音叉部分20−2の電極部202A−1、20
2A−2及び202B−1、202B−2に対して、そ
れぞれ中心軸面O−Oに対して外側に偏倚して配置され
ている。
【0046】図6を参照して説明する。図6には、第1
の音叉部分20−1の外側の電極部201A−1、20
1B−1を構成する帯状部とそれに対応したカバー部材
10A、10Bの第1の電極のうち外側の電極101A
−1、101B−1を構成する帯状部を示す。斯かる帯
状部のX軸方向のピッチpは帯状部のX軸方向の幅tの
2倍、即ち、p=2tである。また第1の音叉部分20
−1の外側の電極部201A−1、201B−1に対す
るカバー部材10A、10Bの外側の電極101A−
1、101B−1のX軸方向の偏倚量Δxは帯状部の幅
tの半分、即ち、Δx=t/2である。
【0047】尚、上述の例では、カバー部材10A、1
0Bのそれぞれ第1の電極101A−1、101A−
2、101B−1、101B−2は、対応する第1の音
叉部分20−1の電極部201A−1、201A−2及
び201B−1、201B−2に対して、それぞれ中心
軸面O−Oに対して外側に偏倚して配置されているが、
内側に偏倚して配置されてもよい。斯かる場合、カバー
部材10A、10Bのそれぞれ第2の電極102A−
1、102A−2、102B−1、102B−2は、対
応する第2の音叉部分20−2の電極部202A−1、
202A−2及び202B−1、202B−2に対し
て、それぞれ中心軸面O−Oに対して内側に偏倚して配
置される。
【0048】図7及び図8を参照して音叉部分20−1
の片持ち支持構造の機能について説明する。図4を参照
して説明したように、本例の音叉部分20−1の振動部
201は両側の支持部21a、21bによって片持ち支
持されている。振動部201は、この支持部21a、2
1bの撓みによって変位する。支持部21a、21b
は、典型的には矩形断面を有し、XZ面内にて及びYZ
面内にて撓む。
【0049】図7は振動部201にX軸方向の外力FX
が作用し、支持部21a、21bがXZ面内にて撓んだ
状態を示し、図8は振動部201にY軸方向の外力FY
が作用し、支持部21a、21bがYZ面内にて撓んだ
状態を示す。
【0050】例えば図7Aを参照する。振動部201の
重心Gが支持部21a、21bの先端より距離LG にあ
るものとする。振動部201にX軸方向の外力FX が作
用すると、振動部201にはその上端を通るY軸に平行
な回転軸線周りの回転モーメントFX ×LG が作用す
る。一方、支持部21a、21bにはY軸に平行な回転
軸線周りの曲げモーメントMが生ずる。回転モーメント
X ×LG と曲げモーメントMは互いに反対方向に作用
するから、両者が等しい場合には、振動部201のY軸
に平行な回転軸線周りの回転変位はゼロとなる。
【0051】従って図7B及び図7Cに示すように、振
動部201はX軸方向に変位するがY軸に平行な回転軸
線周りに回転変位しない。即ち、音叉部分20−1の中
心軸線O−Oは常にZ軸に平行となる。
【0052】図8Aに示すように、振動部201にY軸
方向の外力FY が作用すると、振動部201にはその上
端を通るX軸に平行な回転軸線周りの回転モーメントF
Y ×LG が作用する。一方、支持部21a、21bには
X軸に平行な回転軸線周りの曲げモーメントMが生ず
る。回転モーメントFY ×LG と曲げモーメントMは互
いに反対方向に作用するから、両者が等しい場合には、
振動部201のX軸に平行な回転軸線周りの回転変位は
ゼロとなる。
【0053】従って図8B及び図8Cに示すように、振
動部201はY軸方向に変位するがX軸に平行な回転軸
線周りに回転変位しない。即ち、音叉部分20−1の中
心軸線O−Oは常にZ軸に平行となる。
【0054】即ち、本例によると、振動部201の質量
及びその重心位置を適当に選択することによって、支持
部21a、21bが撓んでも、振動部201は外力方向
の直線変位だけとなり、中心軸線O−Oは常にZ軸に平
行に維持される。尚、図7に示すX軸方向の変位は音叉
部分20−1の振動変位に相当し、図8に示すY軸方向
の変位はコリオリ力による振動変位に相当する。
【0055】本例によると、音叉部分20−1の中心軸
線O−Oは常に音叉軸即ち、Z軸に平行であり、従っ
て、振動部201の電極部201A−1〜201B−2
を構成する帯状部の各々とそれに対応する2つのカバー
部材10A、10Bの電極101A−1〜101B−2
を構成する帯状部の各々は常に平行となり、両者間の間
隔δは各帯状部のどこでも同一となる。従って両者間に
生ずる静電吸引力は最も効率的に得られる。
【0056】次に再び図4を参照して本発明による振動
型ジャイロ装置の機能を説明する。本例の振動型ジャイ
ロ装置は、Z軸周りの入力角速度Ωを検出するように構
成されている。2つ音叉部分20−1、20−2の振動
部201、202はXZ平面上にてX軸方向に沿って互
いに反対方向±Vに変位するように振動される。振動型
ジャイロ装置にZ軸周りの入力角速度Ωが作用すると、
各音叉部分20−1、20−2の振動部201、202
にY軸方向のコリオリ力±FC が発生する。
【0057】2つの振動部201、202の振動方向は
互いに反対であるから、各振動部201、202に作用
するコリオリ力FC は互いに反対である。従って2つの
コリオリ力FC は偶力となる。コリオリ力FC によって
2つの音叉部分20−1、20−2はY軸方向に沿って
交番振動する。この交番振動の変位を検出することによ
って入力角速度Ωが検出される。
【0058】次に本発明による振動型ジャイロ装置の各
部の寸法及び材質について説明する。この振動型ジャイ
ロ装置は、例えば、幅及び長さは10mm以下又は数m
m〜10mm、厚さは5mm以下又は2〜4mmであっ
てよい。
【0059】図2、図3及び図4に示すように、基板2
0に形成された音叉部分20−1、20−2の振動部2
01、202の縦及び横の幅は2〜4mm、厚さ2〜4
mmであってよい。振動部201、202に形成された
電極部201A−1、201A−2、201B−1、2
01B−2、202A−1、202A−2、202B−
1、202B−2を構成する帯状部のX軸方向の幅tは
t=10〜20μmであってよい。
【0060】例えば、第1の音叉部分20−1の振動部
201のX軸方向の幅が4mmであり、中心軸線O−O
の左半分、即ち、外側の電極201A−1の部分のX軸
方向の幅が2.0mmであったとする。この電極201
A−1を構成する帯状部の幅tがt=10μmでありピ
ッチpがp=20μmであったとすると、約100本の
帯状部が含まれる。
【0061】同様に、第1の音叉部分20−1の振動部
201の中心軸線O−Oの右半分、即ち、内側の電極2
01A−2の部分にも、帯状部の幅tがt=10μmで
ありピッチpがp=20μmであったとすると、約10
0本の帯状部が含まれる。従って、第1の音叉部分20
−1の振動部201には中心軸線O−Oの両側に合計約
200本の帯状部が含まれる。
【0062】図3に示すように、各音叉部分20−1、
202の電極部201A−1、201A−2、201B
−1、201B−2、202A−1、202A−2、2
02B−1、202B−2は、帯状の溝201a−1、
201a−2、201b−1、201b−2、202a
−1、202a−2、202b−1、202b−2によ
って形成されている。これらの溝の幅及びピッチは電極
部の幅t及びピッチpに等しい。
【0063】カバー部材10A、10Bの内面に形成さ
れた電極101A−1、101A−2、102A−1、
102A−1、101B−1、101B−2、102B
−1、102B−2は、上述のように、2つの音叉部分
20−1、20−2の電極部201A−1、201A−
2、201B−1、201B−2、202A−1、20
2A−2、202B−1、202B−2に対応してい
る。従って、図5に示すように、例えば下側側の第1の
101B−1、101B−2のX軸方向の幅が2.0m
m、それを構成する帯状部の幅tがt=10μm、その
ピッチpがp=20μmであったとすると、それぞれ約
100本の帯状部が含まれ、従って合計約200本の帯
状部が含まれる。
【0064】次に音叉部分20−1、202の電極部2
01A−1、201A−2、201B−1、201B−
2、202A−1、202A−2、202B−1、20
2B−2の厚さ及びカバー部材10A、10Bの電極1
01A−1、101A−2、102A−1、102A−
1、101B−1、101B−2、102B−1、10
2B−2の厚さについて説明する。
【0065】即ち、音叉部分20−1、202の電極部
201A−1、201A−2、201B−1、201B
−2、202A−1、202A−2、202B−1、2
02B−2の厚さは、帯状の溝201a−1、201a
−2、201b−1、201b−2、202a−1、2
02a−2、202b−1、202b−2の深さによっ
て決まる。この溝の深さは、少なくとも帯状部の幅tよ
り大きい。
【0066】また、カバー部材10A、10Bの電極1
01A−1、101A−2、102A−1、102A−
1、101B−1、101B−2、102B−1、10
2B−2は、後に説明するが金属薄膜よりなり、従って
その厚さは1μmm以下であってよい。
【0067】最後に、図6に示すように、音叉部分20
−1、202の電極部201A−1、201A−2、2
01B−1、201B−2、202A−1、202A−
2、202B−1、202B−2と対応するカバー部材
10A、10Bの電極101A−1、101A−2、1
02A−1、102A−1、101B−1、101B−
2、102B−1、102B−2の間の間隙、即ち、Y
軸方向の間隔δはδ=2〜3μmである。
【0068】カバー部材10A、10Bは、ガラス、セ
ラミックス等の適当な絶縁材料よりなり、好ましくは透
明な硬質ガラスよりなる。基板20は、金属等の適当な
導電性材料よりなり、好ましくは単結晶珪素(Si)よ
りなる。
【0069】次に本例による振動型ジャイロ装置の製造
方法を説明する。先ずカバー部材10A、10Bを製造
する。長方形の薄い絶縁材料板、好ましくは硬質ガラス
板を2枚用意し、それぞれ一方の面に金属薄膜の電極1
01A−1、101A−2、102A−1、102A−
1及び101B−1、101B−2、102B−1、1
02B−2を形成する。
【0070】電極は適当な金属薄膜形成技術を使用して
形成される。斯かる金属薄膜形成技術として蒸着、イオ
ンプレーティング、フォトファブリケーション等があ
る。電極は好ましくは金(Au)よりなる。図5に示す
ように、電極101A−1、101A−2、102A−
1、102A−1及び101B−1、101B−2、1
02B−1、102B−2の端部は端子101B’、1
02B’に接続されている。この端子101B’、10
2B’も電極と同時に形成される。
【0071】カバー部材10A、10Bには端子101
B’、102B’が配置された位置にスルーホールが形
成され、その内面には金属薄膜が形成される。こうして
スルーホール接続によって電極101A−1、101A
−2、102A−1、102A−1及び101B−1、
101B−2、102B−1、102B−2の端子10
1B’、102B’と外部の電気回路が電気的に接続さ
れる。尚、スルーホールは充填材によって密閉される。
【0072】次に基板20を製造する。長方形の薄い導
電性材料、好ましくは単結晶珪素(Si)板を用意し、
両面に長方形の浅い凹部20Aを形成する。この凹部2
0Aの深さは、図6を参照して説明したように、音叉部
分20−1、202の電極部201A−1〜202B−
2と対応するカバー部材10A、10Bの電極101A
−1〜102B−2の間の間隙δを規定する。従ってこ
の凹部20Aの深さは、2〜3μmであってよい。
【0073】次にこの凹部20Aの底面に、2つの音叉
部分20−1、20−2を形成する。E字形の孔20a
と2つのコの字形の孔20b、20cを形成することに
よって2つの音叉部分20−1、20−2の支持部21
a、21b、21c及び22a、22b、22cと振動
部201、202が形成される。
【0074】次に各振動部201、202に電極部20
1A−1〜202B−2を形成する。斯かる電極部20
1A−1〜202B−2は多数の帯状の互いに平行な溝
201a−1〜202b−2を形成することによって形
成される。
【0075】基板20の両面に形成された長方形の浅い
凹部20A、この凹部20Aの底に形成されたE字形の
孔20aと2つのコの字形の孔20b、20c及び振動
部201、202に形成された帯状の平行な溝201a
−1〜202b−2は、レーザ光を使用したリソグラフ
ィ技術、例えばレーザ光を使用したエッチングによって
形成されてよい。
【0076】2つのカバー部材10A、10Bと基板2
0が形成されると両者は接合される。基板20は、2つ
のカバー部材10A、10Bの間にサンドイッチ状に挟
まれる。基板20の両面の凹部20Aの周りの額縁状の
面と2つのカバー部材10A、10Bの内面が接合され
る。斯かる接合は、好ましくは、陽極接合によってなさ
れる。
【0077】こうして2つのカバー部材10A、10B
と基板20を接合することによって、2つのカバー部材
10A、10Bの内面の間に密閉空間が形成される。こ
の密閉空間は、基板20の両面に形成された長方形の浅
い凹部20A、この凹部20Aの底に形成されたE字形
の孔20aと2つのコの字形の孔20b、20c及び振
動部201、202に形成された帯状の平行な溝201
a−1〜202b−2の内面によって確定されている。
【0078】この密閉空間内にて、2つの音叉部分20
−1、20−2の振動部201、202は振動する。従
ってこの密閉空間は高真空に維持される。密閉空間内に
高真空を生成するために、2つのカバー部材10A、1
0Bと基板20の接合作業は高真空雰囲気にてなされて
よい。勿論、大気中にて接合作業を行い、後に適当な方
法で密閉空間を排気してもよい。
【0079】図3に示すように、好ましくは基板20に
凹部20Bが形成される。この凹部20Bは、上述の密
閉空間と連通するように適当な位置に形成される。この
凹部20Bに、密閉空間内を高真空に維持するためのゲ
ッタ部材が配置される。
【0080】本例の音叉部分20−1、20−2には振
動部201、202の変位を制限するためのストッパが
設けられてよい。振動部201、202は基本的にはX
軸方向及びY軸方向に変位する。従って振動部201、
202のX軸方向の変位及びY軸方向変位を制限するた
めのストッパが設けられる。
【0081】振動部201、202のY軸方向の変位を
制限するためのストッパについて説明する。振動部20
1、202の電極部201A−1〜202B−2とカバ
ー部材10A、10Bの電極101A−1〜102B−
2とによってコンデンサが構成される。斯かるコンデン
サ間には静電吸引力が作用する。
【0082】この静電吸引力は、両者によって構成され
るコンデンサの容量に比例し、間隙δの二乗に反比例す
る。従って、振動部201、202の電極部201A−
1〜202B−2とカバー部材10A、10Bの電極1
01A−1〜102B−2が接触して、間隙δがゼロに
なると、静電吸引力は無限大になり、両者を分離するこ
とが困難となる。そこで、両者が接近しても両者間の間
隙δがゼロとならないようにY軸方向のストッパが設け
られる。
【0083】Y軸方向のストッパは、振動部201、2
02の電極部201A−1〜202B−2とカバー部材
10A、10Bの電極101A−1〜102B−2の少
なくとも一方に設けた絶縁材の薄膜であってよい。斯か
る絶縁材として例えば酸化珪素(SiO2 )が使用され
てよい。
【0084】同様に、X軸方向のストッパは振動部20
1、202のX軸方向の変位を制限するために設けられ
る。斯かるX軸方向のストッパは振動部201、202
の両側、即ち、E形の貫通孔20aに適当なストッパを
設けることによって形成されてよい。それによって、振
動部201、202は予め設定された最大振幅より大き
い振幅にて振動することが阻止される。
【0085】図9を参照して本例の振動型ジャイロ装置
の制御ループを説明する。本例の振動型ジャイロ装置の
制御系は、検出/駆動系と角速度検出系とを有する。検
出/駆動系は検出駆動部51と制御演算部52とを含
み、角速度検出系は検出駆動部51と角速度演算部53
とを含む。
【0086】検出駆動部51は2つのカバー部材10
A、10Bの内面に形成された電極101A−1、10
1A−2、102A−1、102A−2及び101B−
1、101B−2、102B−1、102B−2に接続
された4個の検出駆動回路51−1、51−2、51−
3、51−4を含む。
【0087】第1の検出駆動回路51−1は第1のカバ
ー部材10Aの第1の電極101A−1、101A−2
に接続され、第2の検出駆動回路51−2は第1のカバ
ー部材10Aの第2の電極102A−1、102A−2
に接続されている。第3の検出駆動回路51−3は第2
のカバー部材10Bの第1の電極101B−1、101
B−2に接続され、第4の検出駆動回路51−4は第2
のカバー部材10Bの第2の電極102B−1、102
B−2に接続されている。
【0088】第1の検出駆動回路51−1は基準直流電
圧DC0 と変位交流電圧VX と変位検出用交流電圧AC
0 とを入力し、第1の電極101A−1、101A−2
にそれぞれ制御電圧DC0 +VX +AC0 及びDC0
X −AC0 を印加する。変位検出用交流電圧AC0
高周波の交流電圧が使用される。例えば、変位交流電圧
X の周波数fX は数kHzであってよく、変位検出用
交流電圧AC0 の周波数f0 は数100KHz〜数10
MHzであってよい。
【0089】また第1の検出駆動回路51−1は第1の
音叉部分20−1の振動部201のX軸方向の変位を指
示するX電圧信号VXA1 及びY軸方向の変位を指示する
Y電圧信号VYA1 を生成する。第2、第3及び第4の検
出駆動回路51−2、51−3、51−4についても同
様である。制御演算部52はX電圧信号VXA1
XA 2 、VXB1 、VXB2 を入力して変位交流電圧信号V
X を演算する。角速度演算部53はY電圧信号VYA1
YA2 、VYA1 、VYA2 を入力して入力角速度Ωを演算
する。
【0090】図10を参照して第1の検出駆動回路51
−1の構成及び動作を説明する。第2、第3及び第4の
検出駆動回路51−2、51−3、51−4は同様な構
成を有し、同様な動作をなすためその説明を省略する。
図示のように、検出駆動回路51−1は6つの演算増幅
回路501、502、503、504、505、506
を含む。
【0091】第1の演算増幅回路501は基準直流電圧
DC0 と変位交流電圧VX と変位検出用交流電圧AC0
とを加算し、第1の制御電圧DC0 +VX +AC0 を生
成する。第2の演算増幅回路502は第1の演算増幅回
路501の出力電圧DC0 +VX +AC0 と基準直流電
圧2DC0 とを差動演算し、第2の制御電圧DC0 −V
X −AC0 を生成する。
【0092】斯かる2つの制御電圧DC0 +VX +AC
0 、DC0 −VX −AC0 はそれぞれ第1のカバー部材
10Aの第1の電極101A−1、101A−2にそれ
ぞれ印加される。
【0093】第1のカバー部材10Aの第1の電極10
1A−1、101A−2とそれぞれ対応する第1の振動
部201の電極部201A−1、201A−2との間に
コンデンサが形成され、第1の振動部201が変位する
と、電極部201A−1、201A−2と電極101A
−1、101A−2の間の間隙が変化し、コンデンサの
容量が変化する。図示のように、第1の振動部201は
接地されているものとする。
【0094】斯かるコンデンサの容量が変化すると、各
電極101A−1、101A−2に印加された制御電圧
DC0 +VX +AC0 、DC0 −VX −AC0 のうち、
変位検出用交流成分AC0 のみが変化する。変化後の変
位検出用交流成分をそれぞれAC1A1 、AC1A2 とする
と、第1の電極101A−1、101A−2に印加され
る制御電圧はそれぞれDC0 +VX +AC1A1 、DC0
−VX −AC1A2 となる。
【0095】第3の演算増幅回路503には、CR回路
を経由して、第1の演算増幅回路501の出力電圧DC
0 +VX +AC0 と電極101A−1の制御電圧DC0
+V X +AC1A1 が供給される。CR回路はフィルタの
機能を有し、基準電圧及び変位交流電圧成分DC0 +V
X は除去される。従って、第3の演算増幅回路503に
は変位検出用交流電圧+AC0 、+AC1A1 のみが供給
される。
【0096】同様に、第4の演算増幅回路504には、
CR回路を経由して、第2の演算増幅回路502の出力
電圧DC0 −VX −AC0 と電極101A−2の制御電
圧DC0 −VX −AC1A2 が供給される。CR回路のフ
ィルタ機能によって、基準電圧及び変位交流電圧成分D
0 −VX は除去される。従って、第4の演算増幅回路
504には変位検出用交流電圧−AC0 、−AC1A2
みが供給される。
【0097】上述のように、変位検出用交流電圧AC0
は高周波の交流電圧が使用される。変位交流電圧VX
周波数fX が数kHzであるとすれば、変位検出用交流
電圧AC0 の周波数f0 は数100KHz〜数10MH
zである。もし、変位検出用交流電圧AC0 の周波数f
0 と変位交流電圧VX の周波数fX が同一オーダである
と、CR回路によって基準電圧及び変位交流電圧成分D
0 ±VX のみを除去することが困難となる。また、変
位検出用交流電圧AC0 の周波数f0 が高いほどコンデ
ンサの容量の変化に伴う変位検出用交流電圧AC0 の変
化量が大きく、変位の検出がより容易となる。
【0098】第3及び第4の演算増幅回路503、50
4の出力電圧はそれぞれ、−AC0+AC1A1 及び+A
0 −AC1A2 である。第5及び第6の演算増幅回路5
05、506は第3及び第4の演算増幅回路503、5
04の出力電圧−AC0 +AC1A1 及び+AC0 −AC
1A2 をそれぞれ加算及び減算する。従って第5及び第6
の演算増幅回路505、506の出力電圧をそれぞれV
XA1 、VYA1 とすると次のように表される。
【0099】
【数1】 XA1 =−(AC1A1 −AC1A2 ) VYA1 =2AC0 −(AC1A1 +AC1A2
【0100】ここに、AC0 は変位検出用基準交流電
圧、AC1A1 、AC1A2 は、第1のカバー部材10Aの
第1の電極101A−1、101A−2にそれぞれ印加
される制御電圧に含まれる変位検出用交流電圧成分であ
る。
【0101】同様に、第2、第3及び第4の検出駆動回
路51−2、51−3、51−4の出力電圧VXA2 、V
YA2 、VXB1 、VYB1 及びVXB2 、VYB2 は次のように
表される。
【0102】
【数2】 XA2 =−(AC2A1 −AC2A2 ) VYA2 =2AC0 −(AC2A1 +AC2A2 XB1 =−(AC1B1 −AC1B2 ) VYB1 =2AC0 −(AC1B1 +AC1B2 XB2 =−(AC2B1 −AC2B2 ) VYB2 =2AC0 −(AC2B1 +AC2B2
【0103】ここに、AC2A1 、AC2A2 は、第1のカ
バー部材10Aの第2の電極102A−1、102A−
2にそれぞれ印加される制御電圧に含まれる変位検出用
交流電圧成分である。またAC1B1 、AC1B2 は、第2
のカバー部材10Bの第1の電極101B−1、101
B−2にそれぞれ印加される制御電圧に含まれる変位検
出用交流電圧成分、AC2B1 、AC2B2 は、第2のカバ
ー部材10Bの第2の電極102B−1、102B−2
にそれぞれ印加される制御電圧に含まれる変位検出用交
流電圧成分、である。
【0104】次に図11〜図14を参照して、音叉部分
20−1、20−2の振動部201、202の変位と各
電極101A−1〜101B−2及び102A−1〜1
02B−2に印加される制御電圧に含まれる変位検出用
交流電圧成分AC1A1 〜AC 1B2 及びAC2A1 〜AC
2B2 の変化の関係を説明する。各電極101A−1〜1
01B−2及び102A−1〜102B−2とそれに対
応する電極部201A−1〜201B−2及び202A
−1〜202B−2は、図2を参照して説明したように
実際には多数の帯状部を含むが、ここでは説明の簡単化
のためにこれらの図では只1つの帯状部のみが示されて
いる。
【0105】図11は静電吸引力によって音叉部分20
−1、20−2の振動部201、202がXZ平面内に
てX軸方向に振動している状態を示し、図11Aは2つ
の振動部201、202が互いに離れた位置にあり、図
11Bは2つの振動部201、202が中立位置にあ
り、図11Cは2つの振動部201、202が互いに近
づいた位置にある状態を示す。
【0106】図12はコリオリ力によって音叉部分20
−1、20−2の振動部201、202がXY平面内に
てY軸方向に振動している状態を示し、図12Aは第1
の振動部201がY軸の負の方向に変位し第2の振動部
202がY軸の正の方向に変位した状態であり、図12
Bは2つの振動部201、202が中立位置にあり、図
12Cは第1の振動部201がY軸の正の方向に変位し
第2の振動部202がY軸の負の方向に変位した状態を
示す。
【0107】図13はY軸方向の加速度によって音叉部
分20−1、20−2の振動部201、202がXY平
面内にてY軸方向に変位している状態を示し、図13A
は2つの振動部201、202がY軸の正の方向に変位
した状態であり、図11Bは2つの振動部201、20
2が中立位置にあり、図13Cは2つの振動部201、
202がY軸の負の方向に変位した状態を示す。
【0108】上述のように、各電極101A−1〜10
1B−2及び102A−1〜102B−2とそれに対応
する電極部201A−1〜201B−2及び202A−
1〜202B−2の間にコンデンサが形成され、振動部
201、202が変位すると、対応する電極と電極部の
間の相対的位置が変化しコンデンサの静電容量が変化す
る。
【0109】各電極101A−1〜101B−2及び1
02A−1〜102B−2とそれに対応する電極部20
1A−1〜201B−2及び202A−1〜202B−
2の間のコンデンサの静電容量を図示のようにC1A1
1B1 及びC2A1 〜C2B2 とする。
【0110】電極101A−1〜101B−2及び10
2A−1〜102B−2と電極部201A−1〜201
B−2及び202A−1〜202B−2の間の間隙が増
加又は減少すると、両者によって形成されるコンデンサ
の静電容量C1A1 〜C1B1 及びC2A1 〜C2B2 は減少又
は増加し、両者間に印加される電圧AC1A1 〜AC1B 1
及びAC2A1 〜AC2B2 は増加又は減少する。
【0111】電極101A−1〜101B−2及び10
2A−1〜102B−2と電極部201A−1〜201
B−2及び202A−1〜202B−2の間の実質的に
重なり合う面積が減少又は増加すると、コンデンサの静
電容量C1A1 〜C1B1 及びC 2A1 〜C2B2 は減少又は増
加し、両者間に印加される電圧AC1A1 〜AC1B1 及び
AC2A1 〜AC2B2 は増加又は減少する。
【0112】図14は、図11A〜図13Aの各場合に
ついて、コンデンサの静電容量C1A 1 〜C1B1 及びC
2A1 〜C2B2 とそれに印加される変位検出用交流電圧成
分AC 1A1 〜AC1B1 及びAC2A1 〜AC2B2 の変化を
示したものである。第1の振動部201の上側のコンデ
ンサの参照符号をそれぞれ1A1、1A2、下側のコン
デンサの参照符号をそれぞれ1B1、1B2とする。ま
た、第2の振動部202の上側のコンデンサの参照符号
をそれぞれ2A1、2A2、下側のコンデンサの参照符
号をそれぞれ2B1、2B2とする。
【0113】図14において、コンデンサの静電容量C
1A1 〜C1B1 及びC2A1 〜C2B2 が増加した場合はI、
減少した場合はRで表し、変位検出用交流電圧成分AC
1A1〜AC1B1 及びAC2A1 〜AC2B2 が増加した場合
は+、減少した場合は−で表す。
【0114】(1)音叉振動の場合 図11Aに示すように、第1の振動体201において、
上側の外側のコンデンサ1A1の間隙は変化しないが有
効面積が増加する。従って静電容量C1A1 は増加(I)
し変位検出用交流電圧成分AC1A1 は減少(−)する。
内側のコンデンサ1A2の間隙は変化しないが有効面積
が減少する。従って静電容量C1A2 は減少(R)し変位
検出用交流電圧成分AC1A2 は増加(+)する。
【0115】下側のコンデンサ1B1、1B2の静電容
量C1B1 、C1B2 及び変位検出用交流電圧成分A
1B1 、AC1B2 は、上側のコンデンサ1A1、1A2
の静電容量C1A1 、C1A2 及び変位検出用交流電圧成分
AC1A1 、AC1A2 と同様に変化する。また第2の振動
部202のコンデンサ2A1、2A2、2B1、2B2
は第1の振動部201のコンデンサ1A1、1A2、1
B1、1B2と同様な動作をする。
【0116】(2)コリオリ力による振動の場合 図12Aに示すように、第1の振動体201において、
上側の2つのコンデンサ1A1、1A2の有効面積は変
化しないが間隙が増加する。従って、静電容量C1A1
1A2 は減少(R)し、変位検出用交流電圧成分AC
1A1 、AC1A2 は増加(+)する。逆に、下側の2つの
コンデンサ1B1、1B2の有効面積は変化しないが間
隙が減少する。従って、静電容量C1B1 、C1B2 は増加
(I)し、変位検出用交流電圧成分AC1B1 、AC1B2
は減少(−)する。第2の振動部202のコンデンサ2
A1、2A2、2B1、2B2は第1の振動部201の
コンデンサ1A1、1A2、1B1、1B2と反対の動
作をする。
【0117】(3)Y軸方向の加速度による変位の場合 図13Aに示すように、第1の振動体201において、
上側の2つのコンデンサ1A1、1A2の有効面積は変
化しないが間隙が減少する。従って、静電容量C1A1
1A2 は増加(I)し、変位検出用交流電圧成分AC
1A1 、AC1A2 は減少(−)する。逆に、下側の2つの
コンデンサ1B1、1B2の有効面積は変化しないが間
隙が増加する。従って、静電容量C1B1 、C1B2 は減少
(R)し、変位検出用交流電圧成分AC1B1 、AC1B2
は増加(+)する。第2の振動部202のコンデンサ2
A1、2A2、2B1、2B2は第1の振動部201の
コンデンサ1A1、1A2、1B1、1B2と同様な動
作をする。
【0118】上述のように、本例では、2つの音叉部分
20−1、20−2はZ軸に対して対称的な構造を有す
る。電極101A−1〜101B−2及び102A−1
〜102B−2と電極部201A−1〜201B−2及
び202A−1〜202B−2もまた、Z軸に対して対
称的な構造を有する。更に、各音叉部分20−1、20
−2において、電極101A−1〜101B−2及び1
02A−1〜102B−2と電極部201A−1〜20
1B−2及び202A−1〜202B−2は、中心軸面
O−Oに対して対称的な構造を有する。
【0119】従って、各場合について各コンデンサの有
効面積の変化量の絶対値及び間隙の変化量の絶対値は同
一であると仮定してよい。即ち、各コンデンサの静電容
量の変化量の絶対値は同一であり各コンデンサに印加さ
れる変位検出用交流電圧成分の変化量の絶対値は同一で
ある。しかしながら各コンデンサの静電容量の変化量の
極性及び各コンデンサに印加される変位検出用交流電圧
成分の変化量の極性は個々の場合について異なる。
【0120】(1)音叉振動の場合 図11A及び図11Cに示すように、第1の音叉部分2
0−1の振動部201において、外側の2つのコンデン
サ1A1、1B1の静電容量C1A1 、C1B1 及び変位検
出用交流電圧成分AC1A1 、AC1B1 の変化量の絶対値
と極性は等しい。内側の2つのコンデンサ1A2、1B
2の静電容量C1A2 、C1AB 及び変位検出用交流電圧成
分AC1A2 、AC1B2 の変化量の絶対値と極性は等し
い。
【0121】第2の音叉部分20−2の振動部202に
おいても同様である。従って次の関係が成り立つ。
【0122】
【数3】C1A1 =C1B1 =C2A1 =C2B1 AC1A1 =AC1B1 =AC2A1 =AC2B11A2 =C1B2 =C2A2 =C2B2 AC1A2 =AC1B2 =AC2A2 =AC2B2
【0123】(2)コリオリ力による振動の場合 図12A及び図12Cに示すように、第1の音叉部分2
0−1の振動部201において、上側の2つのコンデン
サ1A1、1A2の静電容量C1A1 、C1A2 及び変位検
出用交流電圧成分AC1A1 、AC1A2 の変化量の絶対値
と極性は等しい。下側の2つのコンデンサ1B1、1B
2の静電容量C1B1 、C1B2 及び変位検出用交流電圧成
分AC1B1 、AC1B2 の変化量の絶対値と極性は等し
い。
【0124】第2の音叉部分20−2の振動部202に
おいても同様である。また、第1の振動部201の上側
の2つのコンデンサ1A1、1A2と第2の振動部20
2の下側の2つのコンデンサ2B1、2B2は同一の動
作をする。従って次の関係が成り立つ。
【0125】
【数4】C1A1 =C1A2 =C2B1 =C2B2 AC1A1 =AC1A2 =AC2B1 =AC2B21B1 =C1B2 =C2A1 =C2A2 AC1B1 =AC1B2 =AC2A1 =AC2A2
【0126】(3)Y軸方向の加速度による変位の場合 図13A及び図13Cに示すように、第1及び第2の振
動部201、202の上側の4つのコンデンサ1A1、
1A2及び2A1、2A2の静電容量C1A1 、C1A2
びC2A1 、C2A2 及び変位検出用交流電圧成分A
1A1 、AC1A2 及びAC2A1 、AC2A2 の変化量の絶
対値と極性は等しい。下側の4つのコンデンサ1B1、
1B2及び2B1、2B2の静電容量C1B1 、C1B2
びC2B1 、C2B 2 及び変位検出用交流電圧成分A
1B1 、AC1B2 及びAC2B1 、AC2B2 の変位量の絶
対値と極性は等しい。従って次の関係が成り立つ。
【0127】
【数5】C1A1 =C1A2 =C2A1 =C2A2 AC1A1 =AC1A2 =AC2A1 =AC2A21B1 =C1B2 =C2B1 =C2B2 AC1B1 =AC1B2 =AC2B1 =AC2B2
【0128】図15及び図16を参照して本例による制
御演算部52の構成及び動作を説明する。本例の制御演
算部52は3つの加算器52−1、52−2、52−3
と復調器52−4と補償器52−5と係数器52−6と
を有する。第1の加算器52−1は2つのX電圧信号V
XA1 、VXB1 の和VXA1 +VXB1 を演算し、第2の加算
器52−2は2つのX電圧信号VXA2 、VXB2 の和V
XA2 +VXB2 を演算する。第3の加算器52−3は2つ
の加算器52−1、52−2の出力信号の和を演算す
る。第3の加算器52−3の出力信号VX0*ACは次の
ようになる。
【0129】
【数6】VX0*AC=VXA1 +VXB1 +VXA2 +VXB2
【0130】数1の式及び数2の式を代入すると次のよ
うになる。
【0131】
【数7】VX0*AC=−(AC1A1 −AC1A2 )−(A
2A1 −AC2A2 )−(AC1B1 −AC1B2 )−(AC
2B1 −AC2B2
【0132】(1)音叉振動の場合、この式に数3の式
の関係を代入して出力信号VX0*ACを求めると次のよ
うになる。
【0133】
【数8】VX0*AC=−4(AC1A1 −AC1A2
【0134】(2)コリオリ力による振動の場合及び
(3)Y軸方向の加速度による変位の場合、それぞれ数
4の式及び数5の式の関係を数7の式に代入して出力信
号VX0*ACを求めると、共にゼロとなる。即ち、コリ
オリ力による振動及びY軸方向の加速度による変位が起
きても、第3の加算器52−3の出力信号VX0*ACに
影響を与えない。
【0135】こうして本例によると、音叉の振動部20
1、202が音叉振動によってX軸方向に変位すると、
制御演算部52の第3の加算器52−3は数8の式に示
す出力電圧VX0*ACを出力する。
【0136】この出力電圧VX0は、外側のコンデンサ1
A1に印加される電圧AC1A1 と内側のコンデンサ1A
2に印加される電圧AC1A2 の差であり、これは明らか
に、音叉の振動部201、202のX軸方向の振動変位
ΔXを表す。
【0137】第3の加算器52−3の出力信号VX0*A
Cは一般的に次のような形をしており、図16Aにその
波形を示す。
【0138】
【数9】VX0*AC=KX ・sin(2πfX t)×s
in(2πf0 t)
【0139】ここでfX は変位交流電圧信号の周波数で
あり例えば数KHzである。f0 は変位検出用交流電圧
の周波数であり例えば数100KHz〜数10MHzで
ある。
【0140】図16Aにおいて、出力信号VX0*ACの
波形の曲線の包絡線(破線で示す。)の振幅が音叉の振
動部201、202のX軸方向の振動変位ΔXに比例
し、数9の式の係数KX に相当する。従って係数KX
次のように表される。
【0141】
【数10】KX =kX ΔX
【0142】kX は比例定数である。
【0143】第3の加算器52−3の出力信号VX0*A
Cは復調器52−4に供給され、そこで基準周波数f0
の信号によって同期検波される。復調器52−4の出力
信号VX0は一般的に次のような形をしており、図16B
にその波形を示す。
【0144】
【数11】VX0=K1 X ・sin(2πfX t)
【0145】K1 は比例定数である。
【0146】復調器52−4の出力信号VX0は補償器5
2−5に供給される。補償器52−5は変位電圧信号V
X0の振幅K1 X と位相を調節するように機能する。係
数器52−6は変位電圧信号VX0の振幅K1 X が予め
設定された一定値になるように補償器52−5のゲイン
を調節する。即ち、音叉の振幅ΔXを一定に制御する。
【0147】補償器52−5の出力信号、即ち、制御演
算部52の出力信号VX は一般に次のように表される。
【0148】
【数12】 VX =K2 1 X ・sin(2πfX t+φ)
【0149】ここにK2 は係数器52−6によって供給
される係数であり、変位電圧信号V X0の振幅K1 X
予め設定された一定値になるように変動する。またφは
補償器52−5によって付与された位相であり、この位
相φを適当な値に選択することによって音叉は自励発振
する。
【0150】次に音叉部分20−1、20−2の各振動
部201、202の各振動部201、202に実際に作
用する静電吸引力を考察する。一般に、2つの平行電極
の間の作用する静電吸引力Fは次の式によって表され
る。
【0151】
【数13】F=εV2 S/2δ2 =CV2 /2δ
【0152】ここにεは誘電率、Vは電極間に印加され
た電圧、Sは電極の面積、δは電極間の距離、Cは2つ
の電極によって構成されるコンデンサの静電容量であ
る。
【0153】図11Bに示すように2つの振動部20
1、202が中立位置にあるものとする。第1の振動部
201の外側の電極101A−1、101B−1に印加
される制御電圧は共にDC0 +VX 、DC0 +VX 、内
側の電極101A−2、101B−2に印加される制御
電圧は共にDC0 −VX 、DC0 −VX であると考えて
よい。実際には、変位検出用交流電圧成分AC0 も印加
されるが、変位検出用交流電圧成分AC0 の周波数f0
は音叉の共振周波数と比較すると大きく異なるため、無
視することができる。
【0154】第1の振動部201はX軸の負の方向(外
側方向)に静電吸引力FX1が作用し、X軸の正の方向
(内側方向)に静電吸引力FX2が作用する。コンデンサ
の間隙δは一定であり、コンデンサの静電容量Cは一定
である。従って振動部201に作用する静電吸引力
X1、FX2は次のように表される。
【0155】
【数14】FX1=(C/2δ)(DC0 +VX 2X2=(C/2δ)(DC0 −VX 2
【0156】第1の音叉部分20−1の振動部201が
受けるX軸の負の方向(外側方向)の力の合力は次のよ
うになる。
【0157】
【数15】FX =KFX(FX1−FX2)=KFX(C/2
δ)(DC0 +VX 2 −KFX(C/2δ)(DC0
X 2 =KFX(C/2δ)・4DC0 X
【0158】ここに、KFXは電極の本数等に起因する係
数であり、一般に電極の本数に比例する。従って振動部
201の大きさが同一であれは電極を構成する帯状部の
幅が小さく帯状部の総本数が多い方が振動部201を効
率よく駆動することができる。また、DC0 は基準電
圧、VX は変位交流電圧であり、数12の式及び図16
Cに示されるように大きさ及び極性が変化する。従って
変位交流電圧VX の極性が変化する毎に、振動部201
に作用するX軸方向の静電吸引力は方向は反転する。こ
うして、振動部201は変位交流電圧VX の周期fX
同一周期にて振動する。
【0159】尚、振動部201が変位すると、コンデン
サの静電容量Cは変化し、この静電吸引力FX の値も変
化する。例えば、振動部201が受けるX軸の負の方向
(外側方向)に変位すると、振動部201の外側の静電
容量C1A1 、C1B1 は増加し、振動部201の内側の静
電容量C1A2 、C1B2 は減少する。従ってX軸の負の方
向(外側方向)に静電吸引力FX1が増加し、X軸の正の
方向(内側方向)に静電吸引力FX2が減少する。その結
果、振動部201に作用するX軸の負の方向(外側方
向)の静電吸引力FX は増加する。しかしながら、振動
部201の変位が増加すると振動部201の片持ち支持
部の弾性力が増加する。両者が釣り合ったときに変位が
最大となる。
【0160】そこで、変位交流電圧VX の極性が反転
し、振動部201に作用するX軸方向の静電吸引力は方
向が反転し、振動部201は逆方向に、即ち、X軸の正
の方向(内側方向)に変位する。これを繰り返して振動
部201は振動する。第2の音叉部分20−2の振動部
202に作用する静電吸引力についても同様である。
【0161】図17を参照して本例による角速度演算部
53の構成及び動作を説明する。本例の角速度演算部5
3は3つの加算器53−1、53−2、53−3と復調
器53−4とを有する。第1の加算器53−1は2つの
Y電圧信号VYA1 、VYB1 の差VYA1 −VYB1 を演算
し、第2の加算器53−2は2つのY電圧信号VYA2
YB2 の差VYA2 −VYB2 を演算する。第3の加算器5
3−3は2つの加算器53−1、53−2の出力信号の
差を演算する。第3の加算器53−3の出力信号VY0
ACは次のようになる。
【0162】
【数16】 VY0*AC=(VYA1 −VYB1 )−(VYA2 −VYB2
【0163】数1の式及び数2の式を代入すると次のよ
うになる。
【0164】
【数17】VY0*AC=−(AC1A1 +AC1A2 )+
(AC1B1 +AC1B2 )+(AC2A1 +AC2A2 )−
(AC2B1 +AC2B2
【0165】(2)コリオリ力による振動の場合、この
式に数4の式の関係を代入して出力信号VY0*ACを求
めると次のようになる。
【0166】
【数18】VY0*AC=−4(AC1A1 −AC1B1
【0167】(1)音叉振動の場合及び(3)Y軸方向
の加速度による変位の場合、それぞれ数3の式及び数5
の式の関係を数17の式に代入して出力信号VY0*AC
を求めると、共にゼロとなる。即ち、音叉振動及びY軸
方向の加速度による変位は、第3の加算器53−3の出
力信号VY0*ACに影響を与えない。
【0168】音叉の振動部201、202がコリオリ力
によって振動変位すると、角速度演算部53の第3の加
算器53−3は数18の式に示す出力電圧VY0を出力す
る。この出力電圧VY0は、上側のコンデンサ1A1に印
加される電圧AC1A1 と下側のコンデンサ1B2に印加
される電圧AC1B1 の差であり、これは明らかに、音叉
の振動部201、202に作用するコリオリ力を表す。
【0169】ここでも、制御演算部52の動作に関して
なされた議論が成り立つ。第3の加算器53−3の出力
信号VY0*ACは一般的に次のような形をしており、そ
の波形は図16Aに示される如き曲線となる。
【0170】
【数19】VY0*AC=KY ・sin(2πfX t)×
sin(2πf0 t)
【0171】図16Aに示す如き曲線の出力信号VY0
ACの波形の曲線の包絡線(破線で示す。)の振幅が音
叉の振動部201、202のY軸方向の振動変位ΔYに
比例する。これは数19の式の係数KY に相当する。従
って係数KY は次のように表される。
【0172】
【数20】KY =kY ΔY
【0173】kY は比例定数である。
【0174】第3の加算器53−3の出力信号VY0*A
Cは復調器53−4に供給され、そこで基準周波数f0
の信号によって同期検波される。復調器53−4の出力
信号VY は一般的に次のような形をしており、図16B
に示す如き波形をなす。
【0175】
【数21】VY =K3 Y ・sin(2πfX t)
【0176】K3 は比例定数である。復調器53−4の
出力信号VY より、係数KY を求めれば、数20の式に
よって音叉の振動部201、202のY軸方向の変位Δ
Yが求められる。コリオリ力による音叉の振動部20
1、202のY軸方向の変位ΔYは入力加速度Ωに比例
する。こうして本例によると、角速度演算部53は入力
加速度Ωに比例した出力信号VY を出力する。
【0177】以上本発明の実施の形態について詳細に説
明したが、本発明はこれらの例に限定されることなく特
許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更等
が可能であることは当業者にとって理解されよう。
【0178】
【発明の効果】本発明によると、基板に形成された片持
ち支持構造の音叉とその振動部の電極部をリソグラフィ
技術によって形成することができるから振動型ジャイロ
装置を高精度且つ低コストにて製造することができる利
点を有する。
【0179】本発明によると、ケーシングの内面に配置
された電極を金属薄膜形成技術によって形成することが
できるから振動型ジャイロ装置を高精度且つ低コストに
て製造することができる利点を有する。
【0180】本発明によると、ケーシングを構成する2
枚のカバー部材をガラスによって構成し、音叉を有する
基板を単結晶珪素(Si)によって構成すると、両材料
の熱膨張係数は略等しいから温度変化の影響を受けるこ
とのない高精度のジャイロ装置を提供することができる
利点を有する。
【0181】本発明によると、2枚のカバー部材とその
間に挟まれた基板の間を陽極接合することによってケー
シングを構成することができるから、接着剤を使用した
りねじ等の締結具を使用する場合に比べて、組立誤差が
少なく高精度の振動型ジャイロ装置を提供することがで
きる利点がある。
【0182】本発明の振動型ジャイロ装置によると、音
叉の振動部の電極部とケーシングの電極の間に作用する
静電吸引力によって振動部を振動させるように構成され
ており、従来の振動型ジャイロ装置のように駆動コイル
や圧電素子等の駆動装置を使用しないから、構造が簡単
で且つQ値を高くすることができる利点がある。
【0183】本発明の振動型ジャイロ装置によると、静
電吸引力によって振動部を振動させるように構成されて
いるため、外部磁界の影響を受けることなく高精度の振
動型ジャイロ装置を提供することができる利点を有す
る。
【0184】本発明の振動型ジャイロ装置によると、コ
リオリ力による振動部の振動変位を静電容量の変化量と
して検出するように構成されているため、外部磁界の影
響を受けることなく高精度の振動型ジャイロ装置を提供
することができる利点を有する。
【0185】本発明によると、電極及び電極に接続され
た端子は金属薄膜によって形成され、電極端子と外部の
電気回路の間はスルーホール接続によって接続されるこ
とができるため、ケーシングとそれに接続された基板の
部分にはワイヤよりなる電路が含まれないから、組立作
業が能率化され又はワイヤの破断、ワイヤの変形又は共
振等による劣化がなく寿命が長いジャイロ装置を提供す
ることができる利点を有する。
【0186】本発明の振動型ジャイロ装置によると、音
叉の振動部を支持する支持部材が撓んでも振動部の中心
軸線は常に音叉軸に平行に維持されるから、振動部の振
動変位は常にX軸方向に沿った直線運動であり、コリオ
リ力に起因した振動部の変位は常にY軸方向に沿った直
線運動となる利点を有する。
【0187】本発明の振動型ジャイロ装置によると、振
動部の振動変位は常にX軸方向に沿った直線運動であ
り、振動部の中心軸線は常にZ軸即ち音叉軸に平行に維
持されるから、振動部のX軸方向の振動を生成するため
のX軸方向に沿った静電吸引力を効率的に生成すること
ができる利点を有する。
【0188】本発明の振動型ジャイロ装置によると、コ
リオリ力に起因した振動部の変位は常にY軸方向に沿っ
た直線運動となり、振動部の中心軸線は常にZ軸即ち音
叉軸に平行に維持されるから、コリオリ力を検出するた
めのZ軸方向に沿ったコンデンサの容量の変化量を効率
的に生成することができる利点を有する。
【0189】本発明の振動型ジャイロ装置によると、振
動部のY軸方向の変位を制限するためのストッパが設け
られるから、振動部の電極部とそれに対応してケーシン
グ側の電極との間の間隙δがゼロとなることはなく、ま
た斯かる間隙δがゼロとなって両者が付着することがな
い利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動型ジャイロ装置の外観を示す
一部切開斜視図である。
【図2】本発明による振動型ジャイロ装置の断面構成を
示す、図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】本発明による振動型ジャイロ装置の基板及び音
叉の構成を示す、図1及び図2の線3−3に沿った断面
図である。
【図4】本発明による振動型ジャイロ装置の音叉の一方
の部分を示す図である。
【図5】本発明による振動型ジャイロ装置のカバー部材
に形成された電極を示し、図2の線5−5に沿った断面
図である。
【図6】カバー部材に形成された電極と振動部に形成さ
れた電極部の間の相対的位置関係を示す図である。
【図7】音叉の振動部がX軸方向に変位したときの支持
部材の撓み状態を説明するための説明図である。
【図8】音叉の振動部がY軸方向に変位したときの支持
部材の撓み状態を説明するための説明図である。
【図9】本発明による振動型ジャイロ装置の制御ループ
の例を示す図である。
【図10】本発明による検出駆動回路の例を示す回路図
である。
【図11】音叉の振動変位を説明するための説明図であ
る。
【図12】音叉のコリオリ力による振動変位を説明する
ための説明図である。
【図13】音叉の加速度による変位を説明するための説
明図である。
【図14】音叉の変位とコンデンサの静電容量の変化及
びそれに印加される電圧の変化を示す図である。
【図15】本発明による制御演算部の構成例を示す図で
ある。
【図16】本発明による制御演算部の動作を説明するた
めの波形図である。
【図17】本発明による角速度演算部の構成例を示す図
である。
【図18】従来の振動型(音叉型)ジャイロ装置の例を
示す斜視図である。
【図19】従来の振動型(音叉型)ジャイロ装置の制御
ループの例を示す図である。
【符号の説明】
1 音叉 2 撓み軸 3 基台 4 駆動コイル 5 変位検出装置 6 捩じり変位検出装置 7 駆動増幅器 8 デモジュレータ 10A、10B カバー部材 20 基板 20−1、20−2 音叉部分 20A 凹部 20B 凹部 20a、20b、20c 孔 21a、21b、21c、22a、22b、22c 支
持部材 51 検出駆動部 52 制御演算部 53 角速度演算部 101A−1、101A−2、102A−1、102A
−2 電極 101B−1、101B−2、102B−1、102B
−2 電極 201、202 振動部 201A−1、201A−2、202A−1、202A
−2 電極部 201B−1、201B−2、202B−1、202B
−2 電極部 201a−1、201a−2、202a−1、202a
−2 溝部 201b−1、201b−2、202b−1、202b
−2 溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 一輝 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Z軸方向に沿った音叉軸を有しX軸方向
    に一定の振動数にて振動する音叉と、該音叉を収容する
    ケーシングと、を有し、該音叉に生ずるY軸方向のコリ
    オリ力を検出してZ軸周りの角速度Ωを検出するように
    構成されたジャイロ装置において、 上記音叉にて片持ち支持され、各々の中心軸線に対して
    対称的な板状の形状を有し、XZ面に沿って配置され、
    Z軸に対して互いに対称的に配置された2つの振動部
    と、 該振動部の両面に形成された電極部と、 該電極部に対応して上記ケーシングの内部空間に形成さ
    れ且つ上記電極部に対して上記振動部の中心軸線の外側
    又は内側に偏倚された電極と、 上記電極の各々とそれに対応する上記電極部とによって
    構成されるコンデンサに変位検出用交流電圧を印加する
    ための検出駆動回路と、を有し、上記変位検出用交流電
    圧の変化によって上記コリオリ力に起因する上記振動部
    のY軸方向の変位を検出するように構成されていること
    を特徴とするジャイロ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジャイロ装置において、
    上記検出駆動回路は上記変位検出用検出電圧に加えて更
    に変位交流電圧を上記コンデンサに印加し、該変位交流
    電圧によって上記振動部はX軸方向に振動するように構
    成されていることを特徴とするジャイロ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のジャイロ装置にお
    いて、上記振動部の各々は2本の互いに平行な支持部材
    を有するコの字形部材によって支持され、該2本の支持
    部材が撓んでも上記振動部の中心軸線は常にZ軸方向に
    平行に維持されることを特徴とするジャイロ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のジャイロ装置
    において、2枚の板状のカバー部材とその間に挟まれた
    基板とを含み、上記基板は一体的に形成された上記音叉
    と上記音叉を囲む額縁状部分とを含み、上記ケーシング
    の内部空間は上記2枚のカバー部材とその間に挟まれた
    上記基板の額縁状部分とによって形成されていることを
    特徴とするジャイロ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のジャイロ
    装置において、上記ケーシングは絶縁材料よりなり上記
    電極は上記ケーシングの内面に形成された金属薄膜より
    なり、上記振動部は導電性材料よりなり上記電極部は上
    記振動部に形成された凸部よりなることを特徴とするジ
    ャイロ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載のジャ
    イロ装置において、上記電極及び上記電極部は上記振動
    部の中心軸線を通り且つYZ面に平行な面に対して対称
    的に配置された多数の細長い帯状部よりなることを特徴
    とするジャイロ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のジャイロ装置において、
    上記帯状部の幅は数10μmであることを特徴とするジ
    ャイロ装置。
  8. 【請求項8】 請求項4、5、6又は7記載のジャイロ
    装置において、上記2枚の板状のカバー部材と上記基板
    の額縁状部分とは陽極接合によって接合されていること
    を特徴とするジャイロ装置。
  9. 【請求項9】 請求項4、5、6、7又は8記載のジャ
    イロ装置において、上記2枚の板状のカバー部材はガラ
    スよりなることを特徴とするジャイロ装置。
  10. 【請求項10】 請求項4、5、6、7、8又は9記載
    のジャイロ装置において、上記基板は単結晶珪素(S
    i)よりなることを特徴とするジャイロ装置。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9又は10記載のジャイロ装置において、上記ケー
    シングの内部空間は密閉され真空に維持されていること
    を特徴とするジャイロ装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のジャイロ装置におい
    て、上記ケーシングには内部空間に連通した凹部が形成
    され、該凹部には真空を維持するためのゲッタ部材が配
    置されていることを特徴とするジャイロ装置。
  13. 【請求項13】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11又は12記載のジャイロ装置におい
    て、上記振動部のY軸方向の変位を制限するためのスト
    ッパが設けられ、該ストッパは上記電極部及び電極の少
    なくとも一方の表面に形成された絶縁材の薄膜であるこ
    とを特徴とするジャイロ装置。
  14. 【請求項14】 導電性材料よりなる1枚の薄い板状の
    基板に、貫通孔を形成することによって、片持ち支持構
    造を有し且つ互いに対称的な2つの振動部を含む音叉を
    形成することと、 上記2つの振動部の両面に、該振動部の中心軸線に対し
    て対称的に突起部よりなる電極部を形成することと、 絶縁材よりなる2枚の薄い板状のカバー部材のそれぞれ
    一方の面に、上記振動部の電極部に対応した電極を形成
    することと、 上記2つのカバー部材の間に上記基板を挟み、上記電極
    を上記電極部に対して上記振動部の中心軸線の外側又は
    内側に偏倚して配置することと、 上記2つの振動部が振動可能なように上記2つのカバー
    部材とその間の上記基板を接合することと、を含むジャ
    イロ装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のジャイロ装置の製造
    方法において、 上記2枚のカバー部材に形成された電極は金属薄膜製造
    技術によって形成された金属薄膜よりなることを特徴と
    するジャイロ装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15記載のジャイロ装
    置の製造方法において、上記基板の音叉はエッチングに
    よって形成されたことを特徴とするジャイロ装置の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項14、15又は16記載のジャ
    イロ装置の製造方法において、上記振動部の電極部はエ
    ッチングによって形成されたことを特徴とするジャイロ
    装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項14、15、16又は17記載
    のジャイロ装置の製造方法において、上記2つのカバー
    部材と上記基板の間の接合は陽極接合によってなされる
    ことを特徴とするジャイロ装置の製造方法。
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