JPH09196524A - 冷凍装置の故障診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機１、凝縮器２、蒸発器４をこの順に接
続してなる冷媒回路中に凝縮器４で凝縮した液冷媒の一
部を圧縮機１に導入する液インジェクション回路６を設
け、この液インジェクション回路６に電磁弁８を設けて
なる冷凍装置において、液インジェクション回路６及び
これに介装された電磁弁８、キャピラリチューブ７等の
故障の有無を診断できるようにする。 【解決手段】 PTI 指令スイッチ12から診断指令が出力
されると、診断装置20の運転指令手段22は電磁弁８を開
とすると同時に圧縮機１を起動して冷凍装置の運転を開
始し、タイマー23に設定された所定時間T₁の経過後に電
磁弁８を閉すとする。一方、記憶手段24は所定時間T₁の
経過後にセンサ11により検出された圧縮機１の吐出ガス
温度を記憶する。温度差算出手段21は電磁弁８の閉後設
定時間T₂が経過したときのセンサ11の検出温度と記憶手
段24に記憶されている温度との温度差を算出する。判定
手段26はこの温度差がデータ記憶手段27から入力された
所定値以上のときは正常、所定値以下のときは異常と判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はコンテナ用の冷凍装
置に好適な故障診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種冷凍装置の系統図が図３に示され
ている。コンテナＣ内に形成された庫内空気が循環する
空気流路９には空気循環用のフアン５及び空気冷却用の
蒸発器４が配設されている。

【０００３】冷凍装置を運転すると、圧縮機１から吐出
されたガス冷媒は凝縮器２に入り、ここで凝縮液化す
る。この液冷媒は電子膨張弁等からなる膨張手段３に入
り、ここで絞られることにより断熱膨張して気液二相の
冷媒となる。この冷媒は蒸発器４を流過する過程でフア
ン５により送風される庫内空気を冷却することによって
蒸発気化した後、圧縮機１に戻る。

【０００４】負荷の増大時等において液インジェクショ
ン回路６に介装された電磁弁８を開とすると、凝縮器２
で凝縮した液冷媒の一部が液インジェクション回路６及
びこれに介装された電磁弁８及びキャピラリチューブ７
を経て圧縮機１に噴射されて圧縮機１の温度上昇を防止
する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の冷凍装置は
コンテナの運航前点検において異常の有無を点検してい
るが、液インジェクション回路６の故障の有無を診断す
ることができないという問題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために発明されたものであって、その要旨とすると
ころは、圧縮機、凝縮器、膨張手段、蒸発器をこの順に
接続してなる冷媒回路中に上記凝縮器で凝縮した液冷媒
の一部を上記圧縮機に導入する液インジェクション回路
を設け、このインジェクション回路に電磁弁を設けてな
る冷凍装置において、上記圧縮機の吐出ガス温度を検出
するセンサを設けるとともに診断指令により上記電磁弁
を開として冷凍装置を運転し、上記診断指令の所定時間
後に上記電磁弁を閉とする運転指令手段と、上記所定時
間後に上記センサで検出された温度を記憶する記憶手段
と、上記電磁弁の閉後設定時間が経過したとき上記セン
サが検出した温度と上記記憶手段に記憶された温度との
間の温度差を算出する温度差算出手段と、算出された温
度差が所定値以上のときは正常、所定値以下のときは異
常と判定する判定手段とからなる診断装置を設けたこと
を特徴とする冷凍装置の故障診断装置にある。

【０００７】しかして、診断指令が出力されると、運転
指令手段は電磁弁を開として冷凍装置を運転し、その所
定時間後に電磁弁を閉とする。上記所定時間後にセンサ
で検出された圧縮機の吐出ガス温度が記憶手段に記憶さ
れ、電磁弁の閉後設定時間が経過したときのセンサの検
出温度と上記記憶手段に記憶された温度との温度差が温
度差算出手段で算出される。判定手段は算出された温度
差が所定値以上のときは正常、所定値以下のときは異常
と判定する。

【０００８】上記判定手段が異常と判定した時、それを
表示する表示手段を設けることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態が図１及び図２
に示され、図１は系統図、図２は制御フローチャートで
ある。図１に示すように、圧縮機１の吐出管には吐出ガ
ス温度を検出するセンサ11が取り付けられ、このセンサ
11の検出温度は診断装置20の温度差算出手段21に入力さ
れるようになっている。

【００１０】PTI 指令スイッチ12からの診断指令が運転
指令手段22に入力されると、運転指令手段22は電磁弁８
に出力してこれを開とし、かつ、圧縮機１に出力してこ
れを起動することによって冷凍装置の運転を開始する。
そして、タイマー23に設定された所定時間T₁、即ち、こ
の運転状態が安定するのに要する時間が経過したとき再
び電磁弁８に出力してこれを閉とする。

【００１１】上記所定時間T₁が経過したときのセンサ11
の検出温度は記憶手段24に記憶される。電磁弁８の閉
後、タイマー25に設定された設定時間T₂、即ち、この運
転状態が安定するのに要する時間が経過したとき、温度
差算出手段21はセンサ11の検出温度と記憶手段24に記憶
されている温度との温度差を算出する。

【００１２】算出された温度差は判定手段26に入力さ
れ、判定手段26は温度差がデータ記憶手段27から入力さ
れた所定値以上のときは正常、所定値以下のときは異常
と判定する。そして、異常と判定したとき、表示手段13
に出力してそれを表示させる。

【００１３】なお、上記所定値は予め高圧冷媒の圧力、
蒸発器４出口の冷媒温度、蒸発器４から吹き出される空
気温度等の相関により求められてデータ記憶手段27に記
憶されている。

【００１４】しかして、液インジェクション回路６が正
常であれば、電磁弁８を開として圧縮機１を所定時間T₁
運転すると、凝縮器２で凝縮した液冷媒の一部が液イン
ジェクション回路６、電磁弁８、キャピラリチューブ７
を通って圧縮機１に噴射されることにより圧縮機１の吐
出ガス温度が低下する。

【００１５】その後、電磁弁８を閉として所定時間T₂運
転すると、液冷媒が圧縮機１に噴射されないためその吐
出ガス温度が上昇する。従って、電磁弁８を開としたと
きの吐出ガス温度と電磁弁８を閉としたときの吐出ガス
温度との間の温度差は大きくなる。

【００１６】しかるに、液インジェクション回路６に異
常があれば、電磁弁８を開としても液冷媒が噴射されな
かったり、噴射量が過少であったり、電磁弁８を閉じて
も液冷媒が噴射されたりするので、電磁弁８の開時にお
ける吐出ガス温度と閉時におけるそれとの間の温度差が
小さくなる。

【００１７】従って、この温度差をデータ記憶手段27に
記憶された所定値と対比することによって液インジェク
ション回路６が正常か否かを判定できる。また、これに
併せて圧縮機１に対する冷媒配管の誤接続の有無もチェ
ックできる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の冷凍装置においては、診断指令
が出力されると、自動的に診断装置により液インジェク
ション回路の故障の有無を診断することができる。

【００１９】判定手段が異常と判定した時、それを表示
する表示手段を設ければ、液インジェクション回路の故
障を容易に是正しうるので、液インジェクション回路の
故障に基づく圧縮機の故障を未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示す系統図である。

【図２】上記実施形態の制御フローチャートである。

【図３】従来の冷凍装置の系統図である。

【符号の説明】

１ 圧縮機 ２ 凝縮器 ３ 膨張手段 ４ 蒸発器 ６ 液インジェクション回路 ８ 電磁弁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機、凝縮器、膨張手段、蒸発器をこ
   の順に接続してなる冷媒回路中に上記凝縮器で凝縮した
   液冷媒の一部を上記圧縮機に導入する液インジェクショ
   ン回路を設け、このインジェクション回路に電磁弁を設
   けてなる冷凍装置において、 上記圧縮機の吐出ガス温度を検出するセンサを設けると
   ともに診断指令により上記電磁弁を開として冷凍装置を
   運転し、上記診断指令の所定時間後に上記電磁弁を閉と
   する運転指令手段と、上記所定時間後に上記センサで検
   出された温度を記憶する記憶手段と、上記電磁弁の閉後
   設定時間が経過したとき上記センサが検出した温度と上
   記記憶手段に記憶された温度との間の温度差を算出する
   温度差算出手段と、算出された温度差が所定値以上のと
   きは正常、所定値以下のときは異常と判定する判定手段
   とからなる診断装置を設けたことを特徴とする冷凍装置
   の故障診断装置。
2. 【請求項２】 上記判定手段が異常と判定したときそれ
   を表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項１
   記載の冷凍装置の故障診断装置。