JPH09196504A - 電解反応による水蒸発式冷却方法およびその冷却装置 - Google Patents

電解反応による水蒸発式冷却方法およびその冷却装置

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JPH09196504A
JPH09196504A JP8035003A JP3500396A JPH09196504A JP H09196504 A JPH09196504 A JP H09196504A JP 8035003 A JP8035003 A JP 8035003A JP 3500396 A JP3500396 A JP 3500396A JP H09196504 A JPH09196504 A JP H09196504A
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Tetsuo Moriguchi
哲雄 森口
Shiro Yamauchi
四郎 山内
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の高分子膜状体を使用した冷却装置は、
大型で、多数の構成部品の集合体で構成され、電子部品
レベルでの冷却に対する要求に答えられない。 【解決手段】 固体電解膜50が密閉缶51を空間51
a,51bに分割するように配設され、水52が空間5
1aに貯液され、凝縮器54が空間51bに連通して配
設されている。凝縮器54により凝縮された凝縮水は通
水路55を介して空間51a内に返水される。また、空
間51a,51bの気相部は差圧式通気機構56を介し
て連結されている。さらに、固体電解膜50の両面に
は、空間51a側の面で水の電解反応が、空間51b側
の面で水の生成反応がそれぞれ起きるように、直流電源
11から直流電圧が印加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子機器や電力
機器に搭載されるLSIを中心とした電子部品や電力用
パワーモジュールの冷却方法およびその冷却装置に関す
るものであり、特に固体高分子電解質で作製された膜状
体の電解効果によって該膜状体の両面間に湿度差を生じ
させて、水の蒸発と水蒸気の凝縮とを加速して冷却効果
を発生させる水蒸発式冷却方法およびその冷却装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷却あるいは空調を目的としたヒ
ートポンプには、冷媒圧縮式ヒートポンプ、臭化リチウ
ム−水系の水を冷媒とした吸収式ヒートポンプ、ペルチ
ェ効果を利用した電子式冷却法などがある。また、除湿
に関しては、空気を塩化リチウムなどの吸湿液と接触さ
せて空気中の水蒸気を吸収する吸収式調湿装置などが実
用されている。そして、上記装置において、膜状体を用
いた装置が、例えば特開平6−154543号公報、特
公平2−24572号公報に提案されている。
【0003】図25は例えば特開平6−154543号
公報に記載された従来の水蒸気透過膜式除湿装置を示す
構成図である。この除湿装置は、除湿液体1を蓄えるタ
ンク2と、入口3aが室内に接続され、出口3b,3c
がダンパ12の開閉により室内と室外とに切り換え連通
される通風路3と、この通風路3内に設けられ、水蒸気
透過膜製のチューブ4内の除湿液体1とチューブ4外の
流通空気との間で水蒸気透過膜を介して水分の授受を行
う吸放湿モジュール5と、この吸放湿モジュール5に入
口3a側から風を送るファン13と備えている。また、
吸放湿モジュール5の両端とタンク2との間に、ポンプ
6を介装した管路7と管路8とがそれぞれ接続され、ポ
ンプ6によりタンク2内の除湿液体1を吸放湿モジュー
ル5に循環できるようになっている。さらに、電子冷凍
素子9が管路7と熱交換しうるように設けられ、ペルチ
ェ効果により吸湿液体1を択一的に加熱または冷却でき
るようになっている。ここで、除湿液体1は例えば塩化
リチウム(LiCl)水溶液が用いられ、これに接触す
る空気の相対湿度を、その溶液濃度が高いほど、またそ
の温度が低いほど低い値に保つという原理を利用してい
る。また、チューブ4を構成する水蒸気透過膜は例えば
主鎖や側鎖に水酸基などをもつポリエステル系高分子が
用いられる。
【0004】つぎに、上記従来の水蒸気透過膜式除湿装
置の動作について説明する。まず、室内を除湿する場
合、スイッチ10が図25で示される位置におかれ、直
流電源11から電子冷凍素子9に正方向に電流が流され
る。この時、ダンパ12が図25で示される位置におか
れ、出口3bを室内に連通させるとともに、ファン13
が駆動され、ポンプ6が起動される。すると、タンク2
内の高濃度の除湿液体1はポンプ6により管路7内を圧
送されながら、ペルチェ効果で吸熱する電子冷凍素子9
の片面に放熱板14aを介して接触し冷却されて、低温
で高濃度の状態となって吸放湿モジュール5に達する。
吸放湿モジュール5に送られた除湿液体1は、チューブ
4内を流通しながら、蒸気圧差により、チューブ4の管
壁をなす水蒸気透過膜を介してファン13により通風路
3内に流された室内空気に含まれる水分を吸収する。そ
して、水分を奪われた空気は出口3bを介して室内に戻
される。このように室内の空気が循環されて、室内の除
湿が行われる。
【0005】一方、水分を吸収した除湿液体1は低濃度
となって管路8を通ってタンク2に戻され、タンク2内
の除湿液体1の濃度が低下する。吸収能が飽和した除湿
液体1から脱水する場合、スイッチ10が図中矢印方向
に切り換えられ、直流電源11から電子冷凍素子9に逆
方向に電流が流される。この時、ダンパ12が図中矢印
方向に切り換えられ、出口3cを室外に連通させるとと
もに、ファン13が駆動され、ポンプ6が起動される。
すると、タンク2内の低濃度の除湿液体1はポンプ6に
より管路7内を圧送されながら、ペルチェ効果で発熱す
る電子冷凍素子9の片面に放熱板14aを介して接触し
加熱されて、高温で低濃度の状態となって吸放湿モジュ
ール5に達する。吸放湿モジュール5に送られた除湿液
体1内の水分は、チューブ4内を流通しながら、蒸気圧
差により、チューブ4の管壁をなす水蒸気透過膜を介し
て通風路3内に流れる空気に放出される。そして、水分
を与えられた空気は出口3cを介して室外に排出され、
水分を放出した除湿液体1は高濃度となって管路8を介
してタンク2に戻される。このような動作を繰り返すこ
とにより、室内空気の除湿と除湿液体1の再生が行われ
る。
【0006】図26は例えば特公平2−24572号公
報に記載された多孔質膜を用いた吸収式温度回生器を示
す構成図である。この吸収式温度回生器は、水蒸気21
のみを選択的に透過させる疎水性多孔質膜19により吸
収室15aと蒸発室15bとに区画された希釈ユニット
15と、同様に疎水性多孔質膜19により吸収液を濃縮
する濃縮槽16aと水蒸気を凝縮する凝縮槽16bとに
区画された濃縮ユニット16と、吸収液および水を循環
する循環ポンプ17a,17b、再生熱交換機18を備
えている。
【0007】つぎに、上記従来の吸収式温度回生器の動
作について説明する。吸収液は水蒸気圧の低い化学物
質、例えば臭化リチウム水溶液が用いられ、吸収室15
aと濃縮槽16aとの間で循環される。そこで、蒸発室
15b内で水の蒸発によって発生した水蒸気21は疎水
性多孔質膜19を介して吸収室15a内に透過し、吸収
液に吸収される。水分を吸収して希釈された吸収液は濃
縮槽16aに送られる。そして、濃縮槽16aで加熱沸
騰されて濃縮された後、吸収室15aに濃縮液となって
戻され、水蒸気の吸収に寄与する。一方、蒸発室15b
で蒸発によって温度降下した水は冷熱源として利用され
る。また、濃縮槽16aで希釈された吸収液が加熱沸騰
されて発生した水蒸気21は、疎水性多孔質膜19を介
して凝縮器16b内に透過し、凝縮器16bで凝縮され
て水となり、蒸発室15bに戻される。このような動作
を繰り返して冷熱および温熱の少なくとも何れか一方を
得るようにしている。
【0008】ここで、蒸発室15bおよび凝縮器16b
の水系統、特に蒸発室15bに吸収液が混入すると、水
の蒸発が吸収液によって制止され、ヒートポンプの機能
が維持できなくなるという不具合が生じる。この疎水性
多孔質膜19は、孔径1〜5μmの貫通孔19aが膜を
貫通して複数設けられている。これによって、液滴20
を含む水蒸気21が疎水性多孔質膜19に接近しても、
疎水性であるために液滴20は膜に接触できず、図27
中破線で示される境界線が形成される。そこで、疎水性
多孔質膜19は、液滴20は透過せず水蒸気21のみが
選択的に透過され、気液分離機能を有している。したが
って、吸収液が吸収室15aから疎水性多孔質膜19を
介して蒸発室15b内に透過することが阻止され、上述
の不具合が回避される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体技術の控
除に伴いLSIを中心とした電子部品や電力パワーモジ
ュールなどを駆使した電子機器や電力機器が至るところ
で使用されるようになってきた。半導体は使用に際して
種々の制限があり、温度もその1つである。そのため、
例えば図28に示されるように、電子基板22上に配置
された電子部品23からの発熱をヒートパイプ24で放
熱器25まで熱輸送して熱放散させる冷却手段が講され
ていた。また、電子機器あるいは半導体センサ類を許容
温度より高い周囲環境に設置し、動作させることが要求
される場合もある。しかしながら、図28で示される冷
却手段では、電子機器や半導体センサ類を周囲温度以下
に冷却することができず、電子基板22上のレベルで冷
却を可能にする小規模、あるいはミクロレベルの冷却装
置が要求される。しかも、この場合の多くが小型静止形
で、無音で、高効率で、かつ、メンテナンスフリーの冷
却装置が要求される。しかしながら、上記従来の水蒸気
透過膜式除湿装置は、吸湿液体1を蓄えるタンク2、通
風路3、水分の授受を行う吸放湿モジュール5、吸湿液
体1を圧送するポンプ6、管路7,8および電子冷凍素
子9など、多くの機器によって構成され、また従来の吸
収式温度回生器においても、希釈ユニット15、濃縮ユ
ニット16、吸収液および水循環用の循環ポンプ17、
再生熱交換機18など、多くの機器によって構成されて
いる。また、従来の装置では高分子膜状体を使用してい
るものの、その使用が装置の小型化を目的としたもので
はなかった。そこで、このような従来の装置は、大型
で、多数の構成部品の集合体で構成されており、電子部
品レベルでの冷却に対する要求に答えられないという課
題があった。また、吸湿液体1や吸収液および水を循環
させるポンプ6,17が必要となり、無音の冷却が達成
できないという課題もあった。
【0010】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、水分子を電気分解する機能を有
する固体電解膜を用い、気体中の水蒸気を電気分解して
膜の両面間に湿度差を形成し、水の蒸発/凝縮を加速さ
せて熱の汲上げを行うようにし、小型静止形で、無音
で、高効率で、かつ、メンテナンスフリーの冷却装置お
よび水蒸発式冷却方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る電解反応による水蒸発式冷却方法は、気体が封入さ
れた密閉空間を固体電解膜により第1および第2の密閉
空間に2分割し、第1の密閉空間側の固体電解膜の面で
水の電気分解を生じさせ、該水の電気分解で生成された
プロトンを固体電解膜を介して第2の密閉空間側の固体
電解膜の面に供給し、第2の密閉空間側の固体電解膜の
面で水の生成反応を生じさせて第1および第2の密閉空
間に湿度差を発生させ、第1の密閉空間内に貯液されて
いる水の温度を低下させるようにしたものである。
【0012】また、この発明の第2の発明に係る電解反
応による水蒸発式冷却方法は、上記第1の発明におい
て、第2の密閉空間の高湿度の気体を凝縮して凝縮水を
生成し、該凝縮水を第1の密閉空間に返水して、第1の
密閉空間に貯液されている水を補給するようにしたもの
である。
【0013】また、この発明の第3の発明に係る電解反
応による水蒸発式冷却装置は、プロトンを選択的に通過
させる固体高分子電解質の両面に多孔質電極が設けられ
てなり、気体が封入された密閉空間を第1の密閉空間と
第2の密閉空間とに分離する固体電解膜と、第1の密閉
空間内に貯液された水と、第2の密閉空間内の気体に含
まれる水分を凝縮する凝縮手段と、凝縮手段により凝縮
された凝縮水を第1の密閉空間に返水する返水手段と、
第1の密閉空間の気相部と第2の密閉空間の気相部との
圧力差が作動圧力を越えると第1および第2の密閉空間
の気相部間を通気させる差圧式通気手段と、固体電解膜
の両面に設けられた多孔質電極間に直流電圧を印加する
直流電源とを備えたものである。
【0014】また、この発明の第4の発明に係る電解反
応による水蒸発式冷却装置は、気体が封入された密閉空
間を第1の密閉空間と第2の密閉空間とに分離するよう
にプロトンの移動方向に直列に2段に配列された、プロ
トンを選択的に通過させる固体高分子電解質の両面に多
孔質電極が設けられてなる第1および第2の固体電解膜
と、第1の密閉空間内に貯液された水と、第2の密閉空
間内の気体に含まれる水分を凝縮する凝縮手段と、凝縮
手段により凝縮された凝縮水を第1の密閉空間に返水す
る返水手段と、第1の密閉空間の気相部と第2の密閉空
間の気相部との圧力差が作動圧力を越えると第1および
第2の密閉空間の気相部間を通気させる差圧式通気手段
と、第1の密閉空間に臨む第1の固体電解膜の両面に設
けられた多孔質電極間に直流電圧を印加する直流電源と
を備えたものである。
【0015】また、この発明の第5の発明に係る電解反
応による水蒸発式冷却装置は、上記第4の発明におい
て、第2の固体電解膜の両面に設けられた多孔質電極間
に発生する起電力を回収し、第1の固体電解膜の両面に
設けられた多孔質電極間に供給する電力の一部として帰
還させるようにしたものである。
【0016】また、この発明の第6の発明に係る電解反
応による水蒸発式冷却装置は、気体が封入された密閉空
間を第1の密閉空間と第2の密閉空間とに分離するよう
にプロトンの移動方向に直列に2段に配列された、プロ
トンを選択的に通過させる固体高分子電解質の両面に多
孔質電極が設けられてなる第1の固体電解膜およびプロ
トンと電子とを同時に移動できるように構成された第2
の固体電解膜と、第1の密閉空間内に貯液された水と、
第2の密閉空間内の気体に含まれる水分を凝縮する凝縮
手段と、凝縮手段により凝縮された凝縮水を第1の密閉
空間に返水する返水手段と、第1の密閉空間の気相部と
第2の密閉空間の気相部との圧力差が作動圧力を越える
と第1および第2の密閉空間の気相部間を通気させる差
圧式通気手段と、第1の密閉空間に臨む第1の固体電解
膜の両面に設けられた多孔質電極間に直流電圧を印加す
る直流電源とを備えたものである。
【0017】また、この発明の第7の発明に係る電解反
応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第6の発明
のいずれかの発明において、第1の密閉空間を構成する
缶体の冷却部が可撓性部材で構成され、該冷却部の外面
形状が該冷却部に熱的に連結される被冷却体の外形形状
に合わせて変形できるようにしたものである。
【0018】また、この発明の第8の発明に係る電解反
応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第7の発明
のいずれかの発明において、凝縮手段が通気管を介して
第2の密閉空間に連通された凝縮器からなり、通気管の
少なくとも一部を可撓性部材で構成して凝縮器の位置を
第2の密閉空間に対して可変としたものである。
【0019】また、この発明の第9の発明に係る電解反
応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第6の発明
のいずれかの発明において、第1の密閉空間に通気管を
介して連通され、水を貯液する含水層を内部に有する第
3の密閉空間を備え、凝縮された凝縮水を返水手段によ
り含水層に返水させるようにし、さらに第3の密閉空間
を構成する缶体の冷却部が可撓性部材で構成され、該冷
却部の外面形状が該冷却部に熱的に連結される被冷却体
の外形形状に合わせて変形できるようにしたものであ
る。
【0020】また、この発明の第10の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第6の発
明および第9の発明のいずれかの発明において、第1の
密閉空間に通気管を介して連通され、水を貯液する含水
層を内部に有する第3の密閉空間を備え、凝縮された凝
縮水を返水手段により含水層に返水させるようにし、さ
らに通気管の少なくとも一部を可撓性部材で構成して第
3の密閉空間の位置を第1の密閉空間に対して可変とし
たものである。
【0021】また、この発明の第11の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第9または第10
の発明において、液状の水の透過を阻止して水蒸気を選
択的に透過させる水蒸気透過膜が含水層の表面に被覆さ
れているものである。
【0022】また、この発明の第12の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第6の発
明のいずれかの発明において、第1および第2の密閉空
間の気相部に気体を撹拌する気体撹拌手段が備えられて
いるものである。
【0023】また、この発明の第13の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第6の発
明のいずれかの発明において、被冷却体と熱的に連結さ
れる冷却板を固体電解膜もしくは第1の固体電解膜と相
対するように配置して第1の密閉空間が構成され、冷却
板の固体電解膜と相対する面に含水層が形成され、第1
の密閉空間に貯液されている水が含水層に給水されるよ
うにしたものである。
【0024】また、この発明の第14の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第13の発明にお
いて、冷却板の一部が第2の密閉空間内に臨むように構
成され、第2の密閉空間内に臨む該冷却板の一部に凝縮
手段により凝縮された凝縮水を溜める凝縮水溜め部が形
成され、さらに凝縮水溜め部と含水層とが通水可能に形
成されているものである。
【0025】また、この発明の第15の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第6の発
明のいずれかの発明において、第1の密閉空間と第2の
密閉空間とが、両空間の圧力差が規定値以上となると第
1の密閉空間内の気体を第2の密閉空間内に流通させ、
両空間の圧力差が規定値未満となると第2の密閉空間内
の凝縮水を第1の密閉空間内に返水させる管路によって
連結されているものである。
【0026】また、この発明の第16の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第6の発
明のいずれかの発明において、伝熱体が、固定電解膜あ
るいは第1および第2の固定電解膜のいずれかの面に熱
的に接触し、かつ、その一部を密閉空間から外部に延出
するように配設され、伝熱体の密閉空間から外部に延出
された部位に放熱器が配設されているものである。
【0027】また、この発明の第17の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第16の
発明のいずれかの発明において、第1の密閉空間および
第2の密閉空間内に酸素ガスと水蒸気とからなる気体が
封入されているものである。
【0028】また、この発明の第18の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第3乃至第16の
発明のいずれかの発明において、第1の密閉空間および
第2の密閉空間内に空気からなる気体が封入されている
ものである。
【0029】また、この発明の第19の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第17または第1
8の発明において、第1の密閉空間および第2の密閉空
間内の圧力が大気圧近傍に設定されているものである。
【0030】また、この発明の第20の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却方法は、気体が封入された密閉
空間をプロトンを選択的に通過させる固体高分子電解質
の両面に多孔質電極が設けられてなる固体電解膜により
第1および第2の空間に2分割し、両面に設けられた多
孔質電極間に直流電圧を印加して第1の空間側の固体電
解膜の面で水の電気分解を生じさせ、該水の電気分解で
生成されたプロトンを固体電解膜を介して第2の空間側
の固体電解膜の面に移動させ、第2の空間側の固体電解
膜の面で水の生成反応を生じさせて第1および第2の空
間に湿度差を発生させ、第1の空間内に形成されている
水膜の水の温度を低下させるようにしたものである。
【0031】また、この発明の第21の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却方法は、上記第20の発明にお
いて、第2の空間の1部は熱を系外に放出する機能の凝
縮空間に形成し、第2の空間内の高湿度の気体を凝縮し
て凝縮水を生成し、該凝縮水を第1の空間に返水して、
第1の空間に形成された水膜に水を補給するようにした
ものである。
【0032】また、この発明の第22の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却方法は、上記第20または第2
1の発明において、第1の空間と第2の空間とを連通す
る通気孔を設け、第1の空間側の固体電解膜の面で水の
電気分解で生成された酸素ガスを通気孔を介して第2の
空間に還流させるようにしたものである。
【0033】また、この発明の第23の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、プロトンを選択的に通
過させる固体高分子電解質の両面に多孔質電極が設けら
れてなり、気体が封入された密閉空間を第1の空間と第
2の空間とに分離する固体電解膜と、第1の空間内に形
成された水膜と、第2の空間内の気体に含まれる水分を
該第2の空間に連通する凝縮空間で凝縮する凝縮手段
と、凝縮手段により凝縮された凝縮水を第1の空間内に
形成された水膜に返水する返水手段と、第1の空間と第
2の空間とを連通するように設けられた通気孔と、固体
電解膜の両面に設けられた多孔質電極間に直流電圧を印
加する直流電源とを備えたものである。
【0034】また、この発明の第24の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第23の発明にお
いて、固体電解膜が、それぞれプロトンを選択的に通過
させる固体高分子電解質の両面に多孔質電極が設けられ
た第1および第2の固体電解膜を、該第1および第2の
固体電解膜間に密閉空間を形成するように該プロトンの
移動方向に直列に2段に配列して構成されているもので
ある。
【0035】また、この発明の第25の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第24の発明にお
いて、第2の固体電解膜の両面に設けられた多孔質電極
間に発生する起電力を回収し、第2の固体電解膜の両面
に設けられた多孔質電極間に供給する電力の一部として
帰還させるようにしたものである。
【0036】また、この発明の第26の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第23の発明にお
いて、固体電解膜が、プロトンを選択的に通過させる固
体高分子電解質の両面に多孔質電極が設けられた第1の
固体電解膜と、プロトンと電子とを同時に移動できるよ
うに構成された第2の固体電解膜とを、該第1および第
2の固体電解膜間に密閉空間を形成するように該プロト
ンの移動方向に直列に2段に配列して構成されているも
のである。
【0037】また、この発明の第27の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第23乃至第26
の発明のいずれかの発明において、第1の空間を形成す
る壁面および凝縮空間を形成する部材の壁面に互いに連
なるように付設された網状、綿状あるいは海綿状の吸水
部材を備え、凝縮手段で凝縮された凝縮水を凝縮空間内
の吸水部材に吸水させ、吸水部材の毛細管現象の作用に
より第1の空間内の吸水部材に返水させて、第1の空間
内に水膜を形成するようにしたものである。
【0038】また、この発明の第28の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第23乃至第27
の発明のいずれかの発明において、被冷却体と熱的に連
結される冷却板が固体電解膜と相対するように配置して
第1の空間が構成され、かつ、冷却板の固体電解膜と相
対する面に網状、綿状あるいは海綿状の吸水部材が付設
されて、吸収部材に水を吸水させて水膜を形成するよう
にしたものである。
【0039】また、この発明の第29の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第23乃至第28
の発明のいずれかの発明において、固体電解膜は筒状に
形成され、その軸心が略鉛直方向を向くように配置され
て、第1の空間と第2の空間とを該固体電解膜の軸心に
対して同心状に形成し、通気孔が密閉空間の該軸心方向
の最下部に配置され、第1の空間および第2の空間が密
閉空間の該軸心方向の下部側に配置され、かつ、凝縮空
間が第2の空間に連通して密閉空間の該軸心方向の最上
部に配置されているものである。
【0040】また、この発明の第30の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第23乃至第28
の発明のいずれかの発明において、固体電解膜は筒状に
形成され、その軸心が略鉛直方向を向くように配置され
て、第1の空間と第2の空間とを該固体電解膜の軸心に
対して同心状に形成し、第1の空間が第2の空間の内周
側に配置され、通気孔が該軸心方向の最下部に配置さ
れ、かつ、第2の空間の外周部に凝縮手段を配設して第
2の空間を凝縮空間としたものである。
【0041】また、この発明の第31の発明に係る電解
反応による水蒸発式冷却装置は、上記第23乃至第30
の発明のいずれかの発明において、第1の空間およに第
2の空間内に酸素ガスと水蒸気のみからなる気体が封入
されているものである。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る電
解反応による水蒸発式冷却装置を示す模式構成図であ
る。図において、50は水分子を電気分解する機能を有
する固体電解膜であり、この固体電解膜50は密閉空間
としての密閉缶51を第1および第2の密閉空間として
の2つの空間51a,51bに分割するように配設さ
れ、さらに両面には直流電源11から直流電圧が印加さ
れるようになっている。52は空間51aの底部に充填
された水であり、この水52は被冷却体53と熱的に連
結されている。54は空間51bに連通して設けられた
凝縮器であり、この凝縮器54の外面には内部の水蒸気
から熱を奪って外部に熱放散する放熱器57が取り付け
られており、空間51bから流れ込む水蒸気が冷却され
凝縮されて底部に溜まるように構成されている。55は
凝縮器54の底部の凝縮水溜め部と空間51aの貯水部
とを連通する返水手段としての通水路、56は空間51
bの気相部と空間51aの気相部とを連結する差圧式通
気手段としての差圧式通気機構である。なお、差圧式通
気機構56は凝縮器54の気相部と空間51aの気相部
とを連結するようにしてもよい。また、空間51a,5
1bには、内部を減圧して酸素ガスと水蒸気とが封入さ
れている。
【0043】ここで、固体電解膜50の構成について図
2を参照しつつ説明する。この固体電解膜50は、プロ
トンを選択的に通過させる固体高分子電解質としてのプ
ロトン伝導体58を挟持するように陽極59および陰極
60を配し、樹脂製のフレーム61によりプロトン伝導
体58、陽極59および陰極60の端部を保持して、陽
極59および陰極60がプロトン伝導体58の両面に固
定されて構成されている。このプロトン伝導体58とし
ては、例えばナフィオン(Nafion)−117(D
u Pont社登録商標)などのプロトン交換膜(固体
高分子電解質膜)が用いられる。また、陽極59および
陰極60としては、白金メッキが施されたチタン、タン
タルあるいはステンレスのメッシュ体、あるいは繊維を
給電体とした金属メッキ体の多孔質電極が用いられる。
【0044】ついで、差圧式通気機構56の構成につい
て図3を参照しつつ説明する。この差圧式通気機構56
は、弁室56aと弁室56bとが弁56cにより区画さ
れており、この弁56cにはダイヤフラム56dおよび
圧力調整バネ56eの閉力が作用するように構成されて
いる。そこで、弁室56aと弁室56bとの圧力差が弁
56cに作用する閉力を越えると、弁56cが開かれて
通気される。なお、この閉力は、差圧式通気機構56の
作動圧力に相当し、例えば調整ネジ56fを回転させて
圧力調整バネ56eの伸縮量、つまり付勢力を変えるこ
とにより、簡易に調整できる。
【0045】つぎに、この発明の実施の形態1の動作に
ついて説明する。陽極59と陰極60との間に直流電源
11から直流電圧を印加すると、両電極面上で次式に示
される酸化/還元反応が起こる。この時、図2に示され
るように、陽極59での水の電気分解で生成されたH+
(プロトン)がプロトン伝導体58中を通過して陰極6
0に供給され、水の生成に供せられる。そこで、陽極5
9で水が電気分解され、陰極60で水が生成され、全体
として陽極59側の水蒸気が陰極60側に、陰極60側
の酸素が陽極59側に移送されることになる。 陽極側:H2O→2H++1/2O2+2e- 陰極側:2H++1/2O2+2e-→H2O 全 体:H2O(陽極側)→H2O(陰極側) O2(陰極側)→O2(陽極側) 空間51a側に陽極59が位置するように固体電解膜5
0を配置すれば、この反応によって空間51a内の水蒸
気が空間51b側に移動され、空間51b内の酸素が空
間51a側に移動される。これによって、空間51aで
は湿度が低下し、同空間に貯水されている水52の蒸発
が加速され、温度降下が誘引される。
【0046】この空間51a内に貯水されている水52
は被冷却体53と熱的に連結されているので、被冷却体
53の内部で発生した発熱は空間51a内で温度降下し
た水52に吸熱される。これによって被冷却体53は冷
却され、一方水52は吸熱により蒸発する。そして、蒸
発した水蒸気は固体電解膜50の水蒸気汲上げ作用によ
って空間51bに汲上げられ、空間51a内は常に低湿
度に維持され、水52の蒸発が加速される。
【0047】空間51aから空間51bに汲み上げられ
た水蒸気は、空間51bに流路的に連結されている凝縮
器54に流れ込む。凝縮器54に流れ込んだ水蒸気は熱
を放熱器57により外部に放熱されて冷却され、凝縮水
となって凝縮器54の底部に溜まる。そして、凝縮器5
4の底部に溜まった凝縮水は、通水路55を通って逐次
空間51aの底部に返水される。このようにして、空間
51a内の水52がポンプなどの機械的手段を用いるこ
となく循環される。
【0048】一方、固体電解質膜50の水蒸気汲上げ作
用に併せて有する酸素分子移送機能によって空間51b
内の酸素ガスが空間51a内に移送される。これによっ
て、空間51a内の圧力が上昇し、空間51b内の圧力
が下降し、両空間の間に圧力差が発生する。そして、こ
の圧力差が差圧式通気機構56の作動圧力を越えると、
弁56cが開かれ、弁室56a,56bが連通されて、
空間51a内の酸素ガスが空間51b内に返送される。
そこで、固体電解膜50の水蒸気および酸素ガスの相互
移送動作が継続維持される。
【0049】ここで、被冷却体53の必要な冷却温度は
各々の場合に応じて全て異なることから、冷却装置は冷
却温度を任意に設定できることが必要となる。図4は水
の飽和圧力に対する沸騰蒸発温度の関係を示したもので
ある。そこで、同図から水の沸騰蒸発温度が要求される
被冷却体53の冷却温度以下となるように、密閉缶51
の動作圧力を設定することで、任意の冷却温度を設定す
ることができる。例えば、被冷却体53を50℃以下に
冷却したい場合には、図4中破線で示されるように、密
閉缶51内の圧力が点Pの値(0.15Kg/cm2
以下となるように水蒸気と酸素とからなる気体を封入す
ればよい。
【0050】つぎに、本願発明による冷却装置の構成が
被冷却体53を冷却できる原理について説明する。図5
は水と気体とが接触している状態において、気体の水分
含有量、すなわち相対湿度に対する乾球温度と湿球温度
との関係を示したものである。乾球温度は水に接してい
る気体の温度であり、気体に接している水の温度は湿球
温度に限りなく近づくように温度下降する。例えば、図
5中破線で示されるように、温度30℃、相対湿度20
%の気体の湿球温度は点Qの値(16℃)である。そこ
で、これに接触している水の温度は16℃に向けて温度
下降することになる。したがって、低湿度の気体に接す
る水と被冷却体53とを熱的に連結しておけば、被連結
53を周囲温度以下に冷却することができる。
【0051】ついで、図1に示す系統の動作状態を空気
線図上に示したものを図6に示す。同図において、空間
51aの相対湿度をx1、空間温度をt1とすると、空間
の熱的状態は、空気線図上の点P1で示される。そこ
で、相対湿度x1の気体に接している水52は湿球温度
wに向けて線L1に沿って温度下降を始める。そして、
水52には熱的に連結されている被冷却体53から熱が
流れ込み、水52はその中間温度で平衡する。空間51
aで発生した水蒸気は固体電解膜50の作用によって空
間51bに移送され、空間51bから酸素ガスが空間5
1aに移送されるので、空間51aの相対湿度は常に低
湿度に維持される。
【0052】同様に、空間51bの相対湿度を飽和状
態、あるいはその近傍でx2、空間温度をt1とすると、
空間の熱的状態は、空気線図上の点P2で示される。凝
縮器54の凝縮温度をtcとすれば、気体の熱的状態は
点P2から水平に移動して点Pdに達し、水蒸気は凝縮を
開始し、さらに冷却されて点Pcに至り、直線L2に沿っ
て再び空間51bに戻って点P2で示される状態となる
繰り返しによって固体電解膜50から移動してきた水蒸
気を凝縮する。なお、前述の電解反応により水蒸気と等
モルの酸素ガスが水蒸気と逆方向に空間51b,51a
間を移動する。
【0053】このように、この実施の形態1によれば、
酸素と水蒸気とが封入された密閉缶51を固体電解膜5
0により空間51a,51bに分割し、空間51a側の
固体電解膜50の面で水の電気分解を生じさせ、該水の
電気分解で生成されたプロトンを固体電解膜50を通し
て空間51b側の固体電解膜50の面に供給し、空間5
1b側の固体電解膜50の面で水の生成反応を生じさせ
て空間51a,51b間に湿度差を発生させ、空間51
a内の低湿度の気体に空間51a内に貯水されている水
52を接しさせて、水の温度を下降するようにしている
ので、ポンプなどの機械的手段を用いることなく水52
および気体の循環ができ、電子基板上の局部冷却にも適
用できる無音の冷却方法が得られる。
【0054】また、この実施の形態1によれば、酸素と
水蒸気とからなる気体が封入された密閉缶51を2つの
空間51a,51bに2分割するように配置された固体
電解膜50と、空間51aに貯水された水52と、空間
51bに連通して設けられた凝縮器54と、凝縮器54
の底部の凝縮水溜め部と空間51aの貯水部とを連通す
る通水路55と、空間51a,51bの気相部間を連結
する差圧式通気機構56と、固体電解膜50の両面に直
流電圧を印加する直流電源11とを備えているので、ポ
ンプなどの機械的手段を用いることなく水52および気
体の循環がなされ、静止機器で構成され、かつ、構成部
品が削減される。そこで、小型化が可能となり、電子基
板上の局部冷却などミクロレベルあるいは小規模冷却が
可能で、かつ、無音の冷却装置が得られる。また、内部
に駆動部がないので、メンテナンスフリーの冷却装置が
得られる。また、密閉缶51内に封入する気体の圧力を
調整することにより水52の冷却温度を調整できるの
で、被冷却体53の要求される冷却温度に対応する冷却
が可能となる。また、空間51a,51bに封入されて
いる気体が酸素ガスと水蒸気とで構成されているので、
空間51a,51b内には電解反応に寄与する因子のみ
存在し、反応スピードが速められ、冷却能力を高めるこ
とができる。
【0055】実施の形態2.上記実施の形態1では、空
間51a,51b内の気体の流動は、水分子の比重量が
酸素分子のそれに比べて1/2程度であり、その比重量
の差によって自然対流的流動に拠っていたが、この実施
の形態2では、図7に示すように、空間51a,51b
の気相部に撹拌手段としての回転翼62が配され、該回
転翼62が駆動装置63により回転駆動できるように構
成されている。したがって この実施の形態2によれ
ば、駆動装置63により回転翼62を回転駆動させるこ
とにより、空間51a,61b内の気体が強制的に流動
される。そこで、酸素分子および水分子が固体電解膜5
9の電解反応面、すなわち陽極59および陰極60の面
に強制的に効率よく接触することになり、電解反応が促
進されて冷却能力を高めることができるという効果が得
られる。
【0056】実施の形態3.上記実施の形態1では、空
間51aの底部に水52を貯液し、貯液されている水5
2を低湿度の気体と接触させて温度降下を誘引し、水5
2に被冷却体53を熱的に連結して冷却するものとして
いるが、この実施の形態3では、図8に示すように、被
冷却体53と熱的に連結される冷却板64を密閉缶51
の一部に一体に取り付け、固体電解膜50と密閉缶51
と冷却板64とで空間51aを構成するものとしてい
る。そして、この冷却板64の固体電解膜50と対向す
る面には、熱良導性でかつ吸水性を有する多孔質板、網
状板、膜状体などを固着して含水層65が形成されてい
る。また、この冷却板64はその一部が凝縮器54の下
方に位置され、凝縮器54で凝縮された凝縮水を溜める
凝縮水溜め部64aが形成され、さらにこの凝縮水溜め
部64aは含水層65に連通しており、含水層65を湿
潤状態に維持できるように構成されている。
【0057】このように、この実施の形態3では、含水
層65が固体電解膜50の陽極59と相対するように配
設されているので、上記実施の形態1と同様に、空間5
1a内の水蒸気は空間51bに移送され、空間51b内
の酸素分子が空間51aに移送されて空間51a内は低
湿度となり、含水層65の表面は低湿度の気体と接触し
て温度が降下する。これによって冷却板64が冷却さ
れ、これに熱的に連結されている被冷却体53を効率よ
く冷却することができる。
【0058】また、凝縮器54が冷却板64の上方に空
間51bと流路的に連結されて配置され、貯水部64a
が凝縮器54の真下に位置するように冷却板64に設け
られ、かつ、含水層65と通水可能に連結されているの
で、空間51b内の水蒸気は比重量が酸素に比べて小さ
いため重力差によって上部の凝縮器54に移動する。そ
こで、水蒸気は凝縮器54で凝縮されて凝縮水となって
凝縮水溜め部64aに滴下回収される。そして、凝縮水
溜め部64aに貯水された水52は重力差によって含水
層65に給水され、含水層65が湿潤状態に維持され
る。さらに、含水層65に含水されている水52はその
表面から空間51a内に蒸発し、水および水蒸気の循環
が継続される。一方、空間51aは空間51bからの酸
素ガスの移送によって圧力が上昇するが、差圧式通気機
構56により空間51aから空間51bに酸素ガスの返
送が行われる。したがって、動力および循環管路を用い
ることなく、水および気体の循環が可能となり、小型化
を図ることができる。
【0059】実施の形態4.上記実施の形態1では、通
水路55により凝縮器54の底部の凝縮水溜め部と空間
51aの貯水部とを連通するものとしているが、この実
施の形態4では、図9に示すように、管路としてのU字
管66が、その一端を空間51a,51bの気相部の圧
力差が規定値未満の場合に空間51aの貯水部の水52
内に浸漬され、かつ、該圧力差が規定値を越えると水5
2から突出する位置に配置され、他端を該圧力差が規定
値未満の場合に空間51aの貯水部の水52の水面より
高い位置に位置するように凝縮器54の底部の凝縮水溜
め部に配置されているものとしている。
【0060】このように、この実施の形態4では、空間
51a,51bの気相部の圧力差が規定値未満の場合に
は、凝縮器54で凝縮された凝縮水は凝縮水溜め部に溜
められる。そして、該凝縮水溜め部に溜められた凝縮水
の水位がU字管66の他端を越えると、U字管66を通
って空間51aの貯水部に流入され、水の循環がなされ
る。また、空間51a,51bの気相部の圧力差が大き
くなると、空間51aの貯水部の水52の水位が低下す
る。そして、該圧力差が規定値となると、U字管66の
一端が水52の水面と一致し、さらに圧力差が大きくな
ると、U字管66内の水は凝縮器54側に押し出され、
空間51a内の気体が凝縮器54に排出されて、圧力差
が解消される。そこで、空間51a,51bの圧力差が
なくなり、U字管66の一端は貯水部の水52に浸漬
し、U字管66を介しての水の循環が再開される。した
がって、この実施の形態4によれば、U字管66が水の
循環機能と気体の循環機能とを兼ね備えているので、差
圧式通気機構56が不要となり、構成部品の簡素化が図
られ、小型化が可能となる。
【0061】実施の形態5.上記実施の形態1では、1
つの固体電解膜50で密閉缶51を2つの空間51a,
51bに分割するものとしているが、この実施の形態5
では、図10に示すように、2つの固体電解膜、すなわ
ち上述の固体電解膜50と同様に構成された第1の固体
電解膜50aおよび第2の固体電解膜50bを一定の間
隔をもって密閉缶51を2つの空間51a,51bに分
割するとともに、第1および第2の固体電解膜50a,
50b間に密閉空間70を形成するものとしている。こ
の場合、第1および第2の固体電解膜50a,50b
は、水素イオンの移動方向に直列に配列されている。
【0062】つぎに、この実施の形態5の特徴とする動
作について説明する。第1の固体電解膜50a(水電解
セル部)の陽極59aと陰極60aとに直流電源11か
ら直流電圧が印加される。そこで、陽極59aおよび陰
極60aの表面で次の電解反応がおきる。 陽極側:H2O→2H++1/2O2+2e- 陰極側:2H++2e-→H2 すなわち、陽極59aでは水蒸気を消費して酸素ガスを
生成するとともに、陰極60aでは水素ガスが生成され
る。そして、この生成された水素ガスが密閉空間70内
に密閉されて、低湿度のガス空間が形成される。ここ
で、空間51aは低湿度に維持され、空間51bは高湿
度に維持されて、膜間で大きな湿度差が形成されてい
る。そこで、上記実施の形態1のように、空間51a,
51b間を1つの固体電解膜50で区画している場合に
は、プロトン伝導体58(固体高分子電解質膜)は透湿
性を有していることから、水蒸気がプロトン伝導体58
を介して高湿度側から低湿度側に移動してしまう。これ
は、系としてみると水蒸気の逆移動に相当し、系として
の水蒸気の移動効率を損なうこととなる。しかしなが
ら、密閉空間70に形成される低湿度のガス空間は、上
述の水蒸気の逆移動を阻止するように作用し、水蒸気の
移動効率の低下を抑えることができる。
【0063】一方、第2の固体電解膜50b(水発生セ
ル部)の電極59bでは、水素分子をイオン化する解離
反応がおき、電極60bでは酸素分子を水分子にする反
応がおきる。 電極59b:H2→2H++2e- 電極60b:2H++2e-+1/2O2→H2O 上式で示される反応は燃料電池の原理に基づき反応で、
電極59b,60bの間には起電力が発生され、第1の
固体電解膜50aに供した電力を第2の固体電解膜50
bから回収して再利用することができる。
【0064】ついで、第2の固体電解膜50bで回収し
た起電力を第1の固体電解膜50aでの電解反応に再利
用するシステムについて図11を参照しつつ説明する。
まず、直流電源11から第1の固体電解膜50aに直流
電圧を印加し、第1の固体電解膜50aにて水の電解反
応を行わせ、第2の固定電解膜50bにて水の生成反応
を行わせる。この時、第2の固体電解膜50bでの反応
により起電力が発生する。この発生した起電力は起電力
回収装置71に受電され回収される。そして、起電力回
収装置71にて回収された電力を直流電源11からの電
力に代えて第1の固体電解膜50aに供給し、電解反応
が維持され、冷却運転が継続される。また、各固体電解
膜でジュール熱損などで電力が消費されるので、起電力
回収装置71で回収される電力では賄いきれなくなり、
電力補給源72により補給するようにしている。
【0065】このように、この実施の形態5によれば、
第1および第2の固体電解膜50a,50b間の密閉空
間70に形成されるガス空間により空間51b(高湿度
側)から空間51a(低湿度側)への水蒸気の逆移動を
阻止し、すなわち水蒸気の移動効率の低下を抑え、冷却
性能を高めることができるとともに、第2の固体電解膜
50bの電極59b,60b間に発生する起電力を回収
再利用することにより、省エネルギーを達成することが
できる。
【0066】なお、上記実施の形態5では、第1および
第2の固体電解膜50a,50bを一定の間隔をもって
配置するものとしているが、第1および第2の固体電解
膜50a,50bを接触状態で配置してもよい。この場
合、第1および第2の固体電解膜50a,50b間に形
成される密閉空間70が最小の空間となり、水素ガスの
ガス空間が最小となり、装置の安全性を高めることがで
る。
【0067】実施の形態6.上記実施の形態5では、第
1および第2の固体電解膜50a,50bを一定の間隔
をもって配置するものとしているが、この実施の形態6
では、図12に示されるように、水発生セル部である第
2の固体電解膜50bに代えて、固体高分子電解質膜の
内部で電気的に短絡回路を形成した第2の固体電解膜5
0cを用いるものとしている。
【0068】この第2の固体電解膜50cは、その両面
が正極と負極とにわかれているものでなく、内部短絡電
極の「単極」で構成されている。つまり、この第2の固
体電解膜50cは、電子伝導性の多孔質基材73の空孔
に陽イオン伝導性の固体高分子電解質74と白金微粒子
触媒75を含浸させてそれらを3次元的に接触させて構
成されている。したがって、この第2の固体電解膜50
cは、プロトンと電子とが第2の固体電解膜50cの裏
面(第1の固体電解膜50aと対向する面)76から表
面77に同時に移動できる。
【0069】第2の固体電解膜50cの裏面76では、
水電解セル部である第1の固体電解膜50aの陰極60
aで生成された水素を消費してプロトンと電子とが生成
される。そして、プロトンは多孔質基材73の空孔内に
含浸された陽イオン伝導性の固体高分子電解質74を通
り、裏面76から表面77に伝達される。一方電子は、
電子伝導性の多孔質基材73内を通り、裏面76から表
面77に伝達される。表面77に伝達されたプロトンと
電子とは、気体中の酸素と反応して表面77で水が生成
されて、冷却運転が行われる。したがって、この実施の
形態6によれば、第2の固体電解膜50bに代えて単極
第2のの固体電解膜50cを用いているので、システム
構成の簡素化が図られ、コストダウンを図ることができ
る。
【0070】ここで、実施の形態1に示すように1つの
固体電解膜50で動作させた場合と、この実施の形態6
に示すように第1の固体電解膜50aと第2の固体電解
膜50cとを一対にして動作させた場合とにおける除湿
性能と酸素濃縮性能の評価試験を行い、その結果を図1
3に示す。図中、曲線Aおよび曲線Bは固体電解膜1枚
使用した場合の水電解空間51aにおける湿度および酸
素濃度の経時変化を示し、曲線Cおよび曲線Dは一対の
固体電解膜を使用した場合の水電解空間51aにおける
湿度および酸素濃度の経時変化を示している。なお、水
電解空間を密閉系にして湿度センサと酸素濃度計を設置
し、水発生空間を恒温高湿槽で35℃、相対湿度70%
に保持し、印加電圧はDC3vとした。図13から、曲
線Aと曲線Cとを比較すれば、一対の固体電解膜を使用
した場合の方が時間経過とともに湿度の低下が大きく、
除湿性能が優れていることがわかる。これは、一対の固
体電解膜間にガス空間を形成して水蒸気の逆移動を阻止
することにより、除湿性能の改善が図られることを示し
ている。また、曲線Bと曲線Dとを比較すれば、一対の
固体電解膜を使用した場合の方が時間経過とともに酸素
濃度の増加が大きく、酸素濃縮性能が優れていることが
わかる。
【0071】なお、上記実施の形態6では、第1の固体
電解膜50aと第2の固体電解膜50cを一定の間隔を
もって配置するものとしているが、第1の固体電解膜5
0aと第2の固体電解膜50cとを接触状態で配置して
もよい。この場合、第1の固体電解膜50aと第2の固
体電解膜50cとの間に形成される密閉空間70が最小
の空間となり、水素ガスのガス空間が最小となり、装置
の安全性を高めることがでる。
【0072】実施の形態7.この実施の形態7では、図
14に示されるように、上記実施の形態5において、第
1の固体電解膜50aの陰極60aの表面にメッシュ状
の伝熱体78を取り付け、さらに伝熱体78を系外に延
出させて該延出部に放熱器79を取り付けるものとして
いる。
【0073】固体電解膜の電極間に直流電圧を印加し、
両極の面上で酸化/還元反応をおこさせ、全体として陽
極側の水蒸気を陰極側に、陰極側の酸素を陽極側に移送
させて、空間51a内の水蒸気を空間51b側に、空間
51b側の酸素を空間51a側に移送させている。これ
によって、空間51a内の湿度が低下し、空間51a内
に貯水されている水52の蒸発を加速し、温度降下を誘
引している。このとき、プロトン伝導体58には電流の
流れによってジュール熱、あるいは化学反応によって反
応熱が発生し、プロトン伝導体58の温度上昇を引き起
こすことになる。しかしながら、このプロトン伝導体5
8の熱は、伝熱体78に伝熱され、放熱器79を介して
系外に放熱され、プロトン伝熱体58の温度上昇が抑え
られ、所定の温度に維持され、冷却性能が高められるこ
とになる。
【0074】なお、上記実施の形態7では、第1の固体
電解膜50aの陰極60aにのみ伝熱体78を取り付け
るものとしているが、第2の固体電解膜50bの陽極5
9bにのみ伝熱体78を取り付けても、あるいは図15
に示されるように、伝熱体78を第1および第2の固体
電解膜50a,50bの両方に取り付けても、同様の効
果が得られる。また、1つの固体電解膜50を用いる上
記実施の形態1において、固体電解膜50に伝熱体78
を取り付けても、同様に冷却性能を高めることができ
る。
【0075】実施の形態8.上記各実施の形態では、密
閉缶51に封入される気体を水蒸気と酸素からなるもの
としているが、この実施の形態8では、密閉缶51に封
入される気体を空気とし、常に大気圧近傍で動作させる
ものである。この場合、気体内に窒素など電解反応に寄
与しない因子が含まれることから、反応スピードの点で
劣るという不具合がある。しかしながら、大気圧近傍で
動作させることから、密閉缶51のガス漏れを心配する
必要がなく、装置作製が容易となる。
【0076】実施の形態9.図16はこの発明の実施の
形態9に係る電解反応による水蒸発式冷却装置を示す模
式構成図である。図において、100は水分子を電気分
解する機能を有する固体電解膜であり、この固体電解膜
100は円筒形状に形成され、密閉空間としての有底円
筒形状の密閉缶101内を第1および第2の空間として
の2つの空間101a,101bに分割するように支持
板102を介して取り付けられ、さらに両面には直流電
源11から直流電圧が印加されるようになっている。な
お、2つの空間101a,101bは固体電解膜100
の下端に取り付けられた端板103に穿設された通気孔
103aを介して互いに連通されている。52は空間1
01aの底部に充填された水であり、この水52は密閉
缶101の内壁面に沿って付設されている水和性の良い
網状、綿状もしくは海綿状の吸水部材としての布体10
1cの下端部を浸漬する状態に水面を保持している。そ
して、水52は毛細管現象によって布体101cに吸水
され、空間101aを形成する缶体の内壁面に水52a
からなる水膜を形成している。空間101aを形成する
缶体の1部は被冷却体53と熱的に連結されている。1
04は空間101bの1部に形成された凝縮空間であ
り、この凝縮空間104の外面には内部の水蒸気から熱
を奪って外部に熱放散する凝縮手段としての放熱器57
が取り付けられており、空間101bから流れ込む水蒸
気が冷却され凝縮されて壁面に付設されている布体10
1cに吸水されるように構成されている。そして、凝縮
されて布体101cに吸水された水は毛細管現象によっ
て空間101aを形成する缶体の内壁面まで布体101
c内を矢印Aに沿って移動する。また、空間101a,
101bには、酸素ガスが封入され水蒸気と混合状態に
保持されている。
【0077】ここで、固体電解膜100は、円筒形状に
形成されている点を除いて図2に示される固体電解膜5
0と同様に構成されている。すなわち、この固体電解膜
100は、プロトンを選択的に通過させる固体高分子電
解質としての円筒形状のプロトン伝導体58の外周面側
および内周面側にそれぞれ陽極59および陰極60を配
し、樹脂製のフレーム61によりプロトン伝導体58、
陽極59および陰極60の端部を保持して、陽極59お
よび陰極60がプロトン伝導体58の両面に固定されて
構成されている。このプロトン伝導体58としては、例
えばナフィオン(Nafion)−117(Du Po
nt社登録商標)などのプロトン交換膜(固体高分子電
解質膜)が用いられる。また、陽極59および陰極60
としては、白金メッキが施されたチタン、タンタルある
いはステンレスのメッシュ体、あるいは繊維を給電体と
した金属メッキ体の多孔質電極が用いられる。
【0078】つぎに、この発明の実施の形態9の動作に
ついて説明する。陽極59と陰極60との間に直流電源
11から直流電圧を印加すると、両電極面上で次式に示
される酸化/還元反応が起こる。この時、図2に示され
るように、陽極59での水の電気分解で生成されたH+
(プロトン)がプロトン伝導体58中を通過して陰極6
0に供給され、水の生成に供せられる。そこで、陽極5
9で水が電気分解され、陰極60で水が生成され、全体
として陽極59側の水蒸気が陰極60側に、陰極60側
の酸素が陽極59側に移送されることになる。 陽極側:H2O→2H++1/2O2+2e- 陰極側:2H++1/2O2+2e-→H2O 全 体:H2O(陽極側)→H2O(陰極側) O2(陰極側)→O2(陽極側) 空間101a側に陽極59が位置するように固体電解膜
100を配置すれば、この反応によって空間101a内
の水蒸気が空間101b側に移動され、空間101b内
の酸素が空間101a側に移動される。これによって、
空間101aでは湿度が低下し、同空間を形成する缶体
の内壁面に付設されている布体101cに吸水されてい
る水52aの蒸発が加速され、温度降下が誘引される。
【0079】この空間101aを構成する缶体は被冷却
体53と熱的に連結されているので、被冷却体53の内
部で発生した発熱は空間101a内で温度降下した水5
2aに吸熱される。これによって被冷却体53は冷却さ
れ、一方水52aは吸熱により蒸発する。そして、蒸発
した水蒸気は固体電解膜100の水蒸気汲上げ作用によ
って空間101bに汲上げられ、空間101a内は常に
低湿度に維持され、水52aの蒸発が加速される。
【0080】空間101aから空間101bに汲み上げ
られた水蒸気は、空間101bに流路的に連結されてい
る凝縮空間104に矢印Bに沿って流れ込む。凝縮空間
104に流れ込んだ水蒸気は熱を放熱器57により外部
に放熱されて冷却され、凝縮水となって凝縮空間104
の内壁面に付設されている布体101cに吸水される。
そして、凝縮水は、布体101cの毛細管現象によって
逐次空間101aの内壁面に付設されている布体101
cに矢印Aに沿って返水される。このようにして、空間
101a内の水52aがポンプなどの機械的手段を用い
ることなく循環される。
【0081】一方、固体電解膜100の水蒸気汲上げ作
用に併せて有する酸素分子移送機能によって空間101
b内の酸素ガスが空間101a内に移送される。これに
よって、空間101a内の圧力が上昇し、空間101b
内の圧力が下降し、両空間の間に圧力差が発生する。そ
して、この両空間の間に発生する圧力差により、空間1
01a内の酸素ガスが通気孔103aを介して矢印Cに
沿って空間101b内に返送される。そこで、固体電解
膜100の水蒸気および酸素ガスの相互移送動作が継続
維持される。
【0082】ここで、被冷却体53の必要な冷却温度は
各々の場合に応じて全て異なることから、冷却装置は冷
却温度を任意に設定できることが必要となる。図4は水
の飽和圧力に対する沸騰蒸発温度の関係を示したもので
ある。そこで、同図から水の沸騰蒸発温度が要求される
被冷却体53の冷却温度以下となるように、密閉缶10
1の動作圧力を設定することで、任意の冷却温度を設定
することができる。例えば、被冷却体53を50℃以下
に冷却したい場合には、図4中破線で示されるように、
密閉缶101内の圧力が点Pの値(0.15Kg/cm
2)以下となるように水蒸気と酸素とからなる気体の圧
力を設定すればよい。
【0083】つぎに、本願発明による冷却装置の構成が
被冷却体53を冷却できる原理について説明する。図5
は水と気体とが接触している状態において、気体の水分
含有量、すなわち相対湿度に対する乾球温度と湿球温度
との関係を示したものである。乾球温度は水に接してい
る気体の温度であり、気体に接している水の温度は湿球
温度に限りなく近づくように温度下降する。例えば、図
5中破線で示されるように、温度30℃、相対湿度20
%の気体の湿球温度は点Qの値(16℃)である。そこ
で、これに接触している水の温度は16℃に向けて温度
下降することになる。したがって、低湿度の気体に接す
る水と被冷却体53とを熱的に連結しておけば、被連結
53を周囲温度以下に冷却することができる。
【0084】ついで、図16に示す系統の動作状態を空
気線図上に示したものを図6に示す。同図において、空
間101aの相対湿度をx1、空間温度をt1とすると、
空間の熱的状態は、空気線図上の点P1で示される。そ
こで、相対湿度x1の気体に接している水52は湿球温
度twに向けて線L1に沿って温度下降を始める。そし
て、水52には熱的に連結されている被冷却体53から
熱が流れ込み、水52はその中間温度で平衡する。空間
51aで発生した水蒸気は固体電解膜100の作用によ
って空間101bに移送され、空間101bから酸素ガ
スが空間101aに移送されるので、空間101aの相
対湿度は常に低湿度に維持される。
【0085】同様に、空間101bの相対湿度を飽和状
態、あるいはその近傍でx2、空間温度をt1とすると、
空間の熱的状態は、空気線図上の点P2で示される。凝
縮空間104の凝縮温度をtcとすれば、気体の熱的状
態は点P2から水平に移動して点Pdに達し、水蒸気は凝
縮を開始し、さらに冷却されて点Pcに至り、直線L2
沿って再び空間101bに戻って点P2で示される状態
となる繰り返しによって固体電解膜100から移動して
きた水蒸気を凝縮する。なお、前述の電解反応により水
蒸気と等モルの酸素ガスが水蒸気と逆方向に空間101
b,101a間を移動する。
【0086】このように、この実施の形態9によれば、
酸素と水蒸気とが封入された密閉缶101を固体電解膜
100により空間101a,101bに分割し、空間1
01a側の固体電解膜100の面で水の電気分解を生じ
させ、該水の電気分解で生成されたプロトンを固体電解
膜100を通して空間101b側の固体電解膜100の
面に供給し、空間101b側の固体電解膜100の面で
水の生成反応を生じさせて空間101a,101b間に
湿度差を発生させ、空間101a内の低湿度の気体に空
間101aの内壁面に給水されている水52aを接しさ
せて、水の温度を下降するようにしているので、ポンプ
などの機械的手段を用いることなく水52aおよび気体
の循環ができ、水を循環させる駆動機構をもたない無音
の冷却方法が得られる。
【0087】また、この実施の形態9によれば、酸素と
水蒸気とからなる気体が封入された密閉缶101を2つ
の空間101a,101bに2分割するように配置され
た固体電解膜100と、空間101aの内壁面に給水さ
れた水52aと、空間101bに連通して設けられた凝
縮空間104と、凝縮空間104と空間101aとを連
通する布体101cと、空間101a,101bの気相
部間を連結する通気孔103aと、固体電解膜100の
両面に直流電圧を印加する直流電源11とを備えている
ので、ポンプなどの機械的手段を用いることなく水52
aおよび気体の循環がなされ、静止機器で構成され、か
つ、構成部品が削減される。そこで、小型化が可能とな
り、電子基板上の局部冷却などミクロレベルあるいは小
規模冷却が可能で、かつ、無音の冷却装置が得られる。
また、内部に駆動部がないので、メンテナンスフリーの
冷却装置が得られる。また、密閉缶101内に封入する
気体の圧力を調整することにより水52aの冷却温度を
調整できるので、被冷却体53の要求される冷却温度に
対応する冷却が可能となる。また、空間101a,10
1bに封入されている気体が酸素ガスと水蒸気とで構成
されているので、空間101a,101b内には電解反
応に寄与する因子のみ存在し、反応スピードが速めら
れ、冷却能力を高めることができる。
【0088】さらに、上記実施の形態9では、固体電解
膜100および空間101a,101bを鉛直軸(固体
電解膜100の軸心)周りに同心的に配置し、凝縮空間
104を最上部に設け、空間101a,101bを下部
に設け、酸素ガスを空間101aから空間101bに還
流させる通気孔103aを最下部に設けているので、水
蒸気は比重量が小さく上方に移動しやすく、一方酸素ガ
スは比重量が大きく下方に移動するため、水蒸気と酸素
ガスとの比重量の差によって、駆動源を必要とすること
なく気体の移動を可能にしている。なお、固体電解膜1
00および空間101a,101bを鉛直方向から傾斜
された軸周りに同心的に配置しても、同様の効果が得ら
れる。
【0089】実施の形態10.上記実施の形態9では、
密閉缶101は上下方向に同じ外径寸法の有底円筒形状
に構成されているものとしているが、この実施の形態1
0では、図17に示すように、密閉缶101は下部の固
体電解膜100が取り付けられる部分の外径寸法に対し
て上部の凝縮空間104を構成する部分の外径寸法を小
径とする有底円筒形状に構成されているものとする。そ
こで、上記実施の形態9では、特に、被冷却体53から
の熱負荷が大きく、固体電解膜100の外径寸法を大き
くする必要が生じた場合には、空間101aの寸法が大
きくなってしまう。そして、密閉缶101全体を空間1
01aの寸法に合わせると、不必要な部分、すなわち凝
縮空間104の外径寸法まで大きくなって、装置全体が
大型化となり、不経済となるという不具合がある。しか
しながら、この実施の形態10によれば、上部に配置さ
れる凝縮空間104を構成する部分の外径寸法を小径と
して、装置全体の大型化を抑え、上記不具合をなくすこ
とができる。
【0090】実施の形態11.上記実施の形態9では、
布体101cに吸水されている水52aを蒸発させるた
めに減湿された空間101aが凝縮空間104と連通し
水蒸気を多量に含有する空間101bの外周に配置され
る構成としているが、この実施の形態11では、図18
に示すように、空間101aが空間101bの内周に配
置される構成としている。すなわち、冷却板64がその
下端を密閉缶101の底面から延出するように密閉缶1
01に同軸的に配設されている。そして、密閉缶101
内の下部側で、固体電解膜100が冷却板64を包囲す
るように配設されている。さらに、布体101cが、密
閉缶101内の下部側で冷却板64の外周壁面に沿わせ
られ、密閉缶101内の上部側で密閉缶101の内周壁
面に沿わせられ、互いに連なって付設されている。な
お、布体101cの中間部には、蒸気の通気孔101d
が設けられている。そこで、密閉缶101の下部側にお
いて、冷却板64の外周壁面に付設された布体101c
と固体電解膜100とで囲まれた空間101aが形成さ
れ、この空間101aの外周に固体電解膜100と密閉
缶101とで囲まれた空間101bが形成される。この
空間101a内には水52が布体101cの下端部を浸
漬する状態に保持されている。そして、空間101aは
通気孔103aを介して空間101bと連通されてい
る。また、空間101bは通気孔101dを介して密閉
缶101内の上部側に形成された凝縮空間104と連通
されている。
【0091】この実施の形態11では、被冷却体53の
熱が冷却板64を介して伝達され、冷却板64の外周壁
面に付設されている布体101c内の水52aに吸熱さ
れる。これによって被冷却体53は冷却され、一方水5
2aは吸熱により蒸発する。そして、蒸発した水蒸気は
固体電解膜100の水蒸気汲上げ作用によって空間10
1bに汲上げられ、空間101a内は常に低湿度に維持
され、水52aの蒸発が加速される。また、固体電解膜
100の水蒸気汲上げ作用によって空間101b内に汲
上げられた水蒸気は、通気孔101dを通って凝縮空間
104に移動される。そして、凝縮空間104に移動さ
れた水蒸気は、放熱器57の放熱作用によって凝縮し、
その内周壁面に付設されている布体101cに吸水され
る。そして、凝縮空間104内で布体101cに吸水さ
れた水蒸気は、布体101cの毛細管現象によって矢印
Aに沿って冷却板64の外周壁面に付設されている布体
101cまで移動され、空間101aに還流される。一
方、固体電解膜100の水蒸気汲上げ作用に併せて有す
る酸素分子移送機能によって空間101b内の酸素ガス
が空間101a内に移送される。これによって、空間1
01a内の圧力が上昇し、空間101b内の圧力が下降
し、両空間の間に圧力差が発生する。そして、この両空
間の間に発生する圧力差により、空間101a内の酸素
ガスが通気孔103aを介して矢印Cに沿って空間10
1b内に返送される。そこで、固体電解膜100の水蒸
気および酸素ガスの相互移送動作が継続維持される。
【0092】このように、この実施の形態11では、空
間101aが空間101bの内周側に形成されているの
で、冷却板64を密閉缶101の軸心位置に設けること
ができる、つまり冷却板64を局所的に狭い範囲に集中
させることができる。したがって、この実施の形態11
によれば、上記実施の形態9の効果に加えて、小さい被
冷却体53や局所加熱部をコンパクトに効果的に冷却す
ることができる。さらに、布体101cが冷却板64の
外周壁面に接するように付設されているので、冷却板6
4の熱が布体101c内の水52aに吸熱され、冷却板
64がすみやかに冷却される。
【0093】実施の形態12.上記実施の形態9では、
密閉缶101が軸心に対して対称に構成されているもの
としているが、この実施の形態12では、図19に示す
ように、密閉缶101を多角形に構成し、水蒸気の電気
分解反応をおこさせる固定電解質膜面もしくは冷却面を
全面ではなく、1面もしくは図示していないが数面に限
定して形成し、同様の効果が得られる。この場合、被冷
却板53を冷却するための取付条件に合わせて密閉缶1
01および冷却板64の形状を構成できる。
【0094】実施の形態13.上記実施の形態11で
は、密閉缶101内の下部側で、布体101cに吸水さ
れている水52aを蒸発させるために減湿された空間1
01aを水蒸気を多量に含有する空間101bの内周に
配置し、密閉缶101内の上部側で、空間101bと連
通する凝縮空間104を配置する構成としているが、こ
の実施の形態13では、図20に示すように、空間10
1aの外周に配置される空間101bを凝縮空間104
とする構成としている。すなわち、冷却板64がその下
端を密閉缶101の底面から延出するように密閉缶10
1に同軸的に配設されている。そして、固体電解膜10
0が冷却板64を包囲するように配設されている。さら
に、布体101cが、冷却板64の外周壁面に沿わせら
れ、密閉缶101の内底面に沿わせられ、さらには密閉
缶101の内周壁面に沿わせられて、冷却板64の外周
壁面側から密閉缶101の内周壁面側まで連なって付設
されている。また、密閉缶101の外周壁面には放熱器
57が取り付けられている。そこで、冷却板64の外周
壁面に付設された布体101cと固体電解膜100とで
囲まれた空間101aが形成され、この空間101aの
外周に固体電解膜100と密閉缶101とで囲まれた空
間101bが形成される。この空間101a内には水5
2が布体101cの下端部を浸漬する状態に保持されて
いる。そして、空間101aは通気孔103aを介して
空間101bと連通されている。また、空間101bは
密閉缶101の外周壁面に放熱器57が取り付けられて
凝縮空間としても機能する。
【0095】この実施の形態13では、被冷却体53の
熱が冷却板64を介して伝達され、冷却板64の外周壁
面に付設されている布体101c内の水52aに吸熱さ
れる。これによって被冷却体53は冷却され、一方水5
2aは吸熱により蒸発する。そして、蒸発した水蒸気は
固体電解膜100の水蒸気汲上げ作用によって空間10
1bに汲上げられ、空間101a内は常に低湿度に維持
され、水52aの蒸発が加速される。また、空間101
bでは、固体電解膜100の水蒸気汲上げ作用によって
汲上げられた水蒸気が放熱器57の放熱作用によって凝
縮し、その内周壁面に付設されている布体101cに吸
水される。そして、空間101b内で布体101cに吸
水された水蒸気は、布体101cの毛細管現象によって
矢印Aに沿って冷却板64の外周壁面に付設されている
布体101cまで移動され、空間101aに還流され
る。一方、固体電解膜100の水蒸気汲上げ作用に併せ
て有する酸素分子移送機能によって空間101b内の酸
素ガスが空間101a内に移送される。これによって、
空間101a内の圧力が上昇し、空間101b内の圧力
が下降し、両空間の間に圧力差が発生する。そして、こ
の両空間の間に発生する圧力差により、空間101a内
の酸素ガスが通気孔103aを介して矢印Cに沿って空
間101b内に返送される。そこで、固体電解膜100
の水蒸気および酸素ガスの相互移送動作が継続維持され
る。
【0096】このように、この実施の形態13によれ
ば、空間101aを空間101bの内周に配置し、密閉
缶101の外周壁面に放熱器57を設けて空間101b
を凝縮空間104としても機能させる構成としているの
で、上記実施の形態11の効果に加えて、軸方向の寸法
を短くでき、特に取付上の制約で高さ方向を短くする必
要がある場合に、効果的に適用することができる。
【0097】実施の形態14.上記実施の形態9では、
円筒状の固体電解膜100を用いて2つの空間101
a,101bを分離形成するものとしているが、この実
施の形態14では、図示していないが、固体電解膜10
0と同様に構成された径の異なる第1および第2の固体
電解膜を、第1および第2の固体電解膜間に密閉空間を
形成するようにして同心状に配設して、2つの空間10
1a,101bを分離形成するものとしている。なお、
第1の固体電解膜が空間101a側に、第2の固体電解
膜が空間101b側に位置しているものとする。この実
施の形態14では、上記実施の形態5と同様に、第1お
よび第2の固体電解膜間に形成される密閉空間が低湿度
のガス空間を構成するとともに、第2の固体電解膜の両
面に設けられた電極間に起電力が発生される。そこで、
この実施の形態14によれば、上記実施の形態9の効果
に加え、該密閉空間の低湿度のガス空間により空間10
1bから空間101aへの水蒸気の逆移動を阻止して冷
却性能を高めることができ、さらには第2の固体電解膜
の両面に設けられた電極間に発生する起電力を回収利用
することにより、省エネルギーを達成することができ
る。
【0098】実施の形態15.上記実施の形態9では、
円筒状の固体電解膜100を用いて2つの空間101
a,101bを分離形成するものとしているが、この実
施の形態15では、図示していないが、固体電解膜10
0と同様に構成された円筒状の第1の固体電解膜と、高
分子電解質膜の内部で電気的に短絡回路を形成した円筒
状の第2の固体電解膜とを、第1および第2の固体電解
膜間に密閉空間を形成するようにして同心状に配設し
て、2つの空間101a,101bを分離形成するもの
としている。なお、なお、第1の固体電解膜が空間10
1a側に、第2の固体電解膜が空間101b側に位置し
ているものとする。この実施の形態15によれば、上記
実施の形態6と同様に、除湿性能の改善を図ることがで
きるとともに、優れた酸素濃縮性能を得ることができ
る。
【0099】なお、上記各実施の形態では、装置の小型
化を目的としてなされているが、大型の固体電解質を組
み込んで電解反応面積を大きくすれば、静止型で、無音
で、かつ、メンテナンスフリーの空調装置を実現できる
ことになる。
【0100】実施の形態16.図21はこの発明の実施
の形態16に係る電解反応による水蒸発式冷却装置を示
す模式構成図である。図において、密閉缶110は例え
ば波板形状あるいは微小な凹凸形状に加工されて可撓性
を有する0.3mm厚程度のステンレス板で作製されてい
る。そして、固体電解膜50が密閉缶110内を第1お
よび第2の密閉空間としての2つの空間110a,11
0bに分割するように配設されている。さらに、絶縁性
高分子樹脂からなるスペーサ111が密閉缶110の内
壁面と固体電解膜50との間に配設されている。また、
空間110a,110bには、酸素ガスが封入されてい
る。密閉缶110の空間110bと凝縮器54とは通気
管112を介して連通されている。そして、この通気管
112の経路中には可撓性部材113、例えばベローズ
が介装されている。さらに、通水路55の経路中にも、
可撓性部材114、例えばベローズが介装されている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成され
ている。
【0101】この実施の形態16では、密閉缶110が
可撓性を有する部材で作製されているので、両端を把持
して曲げることにより、図22に示されるように、その
外形形状を湾曲させることができる。そして、固体電解
膜50と密閉缶110とはスペーサ111により適切な
空隙が確保される。また、密閉缶110の変形により密
閉缶110の端部が凝縮器54に対して相対的に下降す
る。この密閉缶110と凝縮器54との相対的な変位に
伴って通水路55にかかる応力は、可撓性部材114が
変形することにより抑制される。また、通気管112に
介装されている可撓性部材113を変形することによ
り、凝縮器54は密閉缶110に対して上下左右方向の
位置関係を任意に設定することができる。この時、通水
路55に介装されている可撓性部材114は、密閉缶1
10と凝縮器54との相対的な変位に応じて変形され
る。
【0102】ここで、この実施の形態16による水蒸発
式冷却装置の冷却動作は、上記実施の形態1と同様であ
る。従って、この実施の形態16によれば、上記実施の
形態1と同様の効果が得られる。また、密閉缶110は
可撓性を有しているので変形が可能となり、水52と接
する密閉缶110の底部、すなわち冷却部の外面形状は
被冷却体53の冷却面の形状に沿うように変形でき、冷
却面と冷却部とを密着させることができる。そこで、被
冷却体53の冷却面の形状に拘わらず密閉缶110の冷
却部と被冷却体53との良好な熱的連結が可能となり、
冷却効率を向上させることができる。また、可撓性部材
113、114を変形させることにより密閉缶110と
凝縮器54との相対位置関係を任意に設定できる。そこ
で、凝縮器54は被冷却体53の位置に関係なく任意の
場所に配置でき、水蒸発式冷却装置の設置自由度を増す
ことができる。
【0103】なお、上記実施の形態16では、波板形状
あるいは微小な凹凸形状に加工された0.3mm厚程度のス
テンレス板で密閉缶110を作製するものとしている
が、密閉缶110は変形できるように作製されていれば
よく、例えば可撓性を有する金属板、あるいは通気性の
無い布状体で作製されてもよい。ここで、通気性の無い
布状体は、例えば布生地にゴムライニング加工を施した
ものである。
【0104】実施の形態17.図23はこの発明の実施
の形態17に係る電解反応による水蒸発式冷却装置を示
す模式構成図である。図において、第1の密閉缶120
Aと第2の密閉缶120Bとが上下に配置されている。
そして、固体電解膜50が第1の密閉缶120A内を2
つの空間120a,120bに分割するように配設され
ている。この空間120bの底部には、水52が貯液さ
れている。また、放熱器57が空間120b側の第1の
密閉缶120Aの外面に取り付けられて凝縮器を構成し
ている。被冷却体53と熱的に連結される冷却板121
が第2の密閉缶120Bの一側面に一体に取り付けられ
ている。そして、冷却板121と第2の密閉缶120B
が例えば波板形状あるいは微小な凹凸形状に加工されて
可撓性を有する0.3mm厚程度のステンレス板で作製され
ている。また、凝縮水溜め部64aが第2の密閉缶12
0Bの上部側に設けられている。さらに、絶縁性高分子
樹脂からなるスペーサ111が第2の密閉缶120B内
に配設されて空間120cを形成している。この冷却板
121の内面には、熱良導性でかつ吸水性を有する多孔
質板、網状板、膜状体などからなる含水層65が形成さ
れている。この含水層65は、その上端が凝縮水溜め部
64a内に配置され、凝縮水溜め部64a内の水52を
吸水して湿潤状態に維持されるようになっている。
【0105】また、第1の密閉缶120Aの空間120
aと第2の密閉缶120Bの空間120cとが通気管1
12を介して連通されている。そして、この通気管11
2の経路中には可撓性部材113が介装されている。ま
た、空間120bの貯水部と凝縮水溜め部64aとが通
水路55を介して連通されている。この通水路55の経
路中には可撓性部材114が介装されている。さらに、
空間120bの気相部と空間120cの気相部とが差圧
式通気機構56を介して連結されている。この差圧式通
気機構56の配管経路中にもベローズ等の可撓性部材1
15が介装されている。ここで、空間120aが第1の
密閉空間を構成し、空間120bが第2の密閉空間を構
成し、さらに空間120cが第3の密閉空間を構成して
いる。そして、空間120a,120b、120cに
は、酸素ガスが封入されている。なお、含水層65内に
吸水されている水52が、第1の密閉空間内に貯液され
ている水に相当している。
【0106】つぎに、この実施の形態17の動作につい
て説明する。陽極59と陰極60との間に直流電源11
から直流電圧を印加すると、陽極59において水の電気
分解が起こり、H+(プロトン)が生成される。このプ
ロトンがプロトン伝導体58中を通過して陰極60に供
給され、水の生成に供される。そこで、空間120a内
の水蒸気が空間120bに移送され、空間120b内の
酸素が空間120aに移送される。
【0107】ここで、含水層65は凝縮水溜め部64a
内に貯液されている水52を吸水して湿潤状態となって
いる。そこで、空間120a,120c内の水蒸気は固
体電解膜50を介して空間120bに移送され、空間1
20a,120c内の湿度が低下する。これによって、
含水層65に吸水されている水の蒸発が加速され、温度
降下が誘因される。そして、含水層65に接している冷
却板121の温度が下降される。また、冷却板121が
被冷却体53と熱的に連結されているので、被冷却体5
3の内部で発生した熱は冷却板121および含水層65
に吸水されている温度下降した水に吸熱される。これに
よって被冷却体53は冷却され、一方水は吸熱により蒸
発する。そして、蒸発した水蒸気は固体電解膜50の水
蒸気汲上げ作用によって空間120bに汲上げられ、空
間120a,120c内は常に低湿度に維持され、水の
蒸発が加速される。空間120b内に汲み上げられた水
蒸気はその熱を放熱器57により外部に放熱されて冷却
され、凝縮水となって空間120bの底部に溜まる。こ
の空間120bの底部に溜まった水52は通水路55を
通って逐次凝縮水溜め部64aに返水される。凝縮水溜
め部64a内に貯液されている水52は含水層65に吸
水される。このようにして、水52がポンプなどの機械
的手段を用いることなく循環される。
【0108】一方、固体電解膜50の水蒸気汲上げ作用
に併せて有する酸素分子移動機能によって空間120b
内の酸素ガスが空間120a,120cに移送される。
これによって、空間120a,120c内の圧力が上昇
し、空間120b内の圧力が下降して、両空間の間に圧
力差が発生する。そして、この圧力差が差圧式通気機構
56の作動圧力を越えると、空間120a,120c内
の酸素ガスが空間120b内に返送される。このように
して、固体電解膜50の水蒸気および酸素ガスの相互移
動動作が維持される。
【0109】また、冷却板121と第2の密閉缶120
Bが例えば波板形状あるいは微小な凹凸形状に加工され
て可撓性を有する0.3mm厚程度のステンレス板で作製さ
れており、被冷却体53の冷却面の外形形状に合わせて
変形できる。この時、第2の密閉缶120Bと冷却板1
21とはスペーサ111により適切な空隙が確保され
る。そして、冷却板121を被冷却体53の冷却面に密
着させ、被冷却体53の冷却が行われる。また、可撓性
部材113,114,115を変形させることにより、
第1の密閉缶120Aと第2の密閉缶120Bとの相対
的な位置関係が変えられる。
【0110】このように、この実施の形態17によれ
ば、上記実施の形態16と同様の効果が得られる。さら
に、この実施の形態17では、冷却板121が配設され
る第2の密閉缶120Bを固体電解膜50が配設される
第1の密閉缶120Aと分離している。そこで、被冷却
体53の外面形状に合わせて固体電解膜50を変形する
必要がなく、固体電解膜50の水蒸気汲上げ作用および
酸素分子移動機能が長期的に安定して行われ、装置の長
寿命化が図られる。
【0111】なお、上記実施の形態17では、波板形状
あるいは微小な凹凸形状に加工された0.3mm厚程度のス
テンレス板で第2の密閉缶120Bを作製するものとし
ているが、第2の密閉缶120Bは変形できるように作
製されていればよく、例えば可撓性を有する金属板、あ
るいは通気性の無い布状体で作製されてもよい。ここ
で、通気性の無い布状体は、例えば布生地にゴムライニ
ング加工を施したものである。
【0112】実施の形態18.この実施の形態18で
は、図24に示すように、水蒸気透過膜122が含水層
65の表面に被覆されている。なお、他の構成は上記実
施の形態17と同様に構成されている。なお、水蒸気透
過膜122は、水蒸気のみを選択的に透過させるもの
で、例えば高分子フィルムに微細な孔を無数に形成して
構成される。この孔径は、水蒸気の分子より大きく、液
状の水分子より小さい。
【0113】この種の冷却装置において、要求される冷
却面が広く、冷却板121の面積を大きくする場合に
は、通水に偏りが生じ、一部に乾燥面が発生し、部分的
に冷却効果が低下する現象が発生してしまう。しかしな
がら、この実施の形態18によれば、凝縮水溜め部64
aから毛細管現象によって含水層65に吸水され水52
は水蒸気となって水蒸気透過膜122を透過して空間1
20cに移送される。そこで、この水蒸気透過膜122
によって含水層65の含水率を高い値に設定でき、含水
層65内の全面において水の欠損現象を防止することが
でき、大きな冷却面に対しても十分な冷却効果が得られ
る。
【0114】なお、上記実施の形態16〜18では、固
体電解膜50を用いるものとして説明しているが、固体
電解膜50に代えて、図10に示される第1および第2
の固体電解膜50a,50b、あるいは図12に示され
る第1および第2の固体電解膜50a,50cを用いる
ことができる。また、上記実施の形態17,18では、
被冷却体53と熱的に連結される冷却板121が第2の
密閉缶120Bの一側面に一体に取り付けられているも
のとして説明しているが、第2の密閉缶120Bの一側
の内壁面に含水層65を固着し、含水層65が取り付け
られた第2の密閉缶120Bの一側面を被冷却体53と
熱的に連結するようにしてもよい。この場合、冷却体1
21を省略することができる。また、上記実施の形態1
7,18では、凝縮水溜め部64aを第2の密閉缶12
0Bの上部側に設けるものとして説明しているが、凝縮
水溜め部64aは第2の密閉缶120Bの底部に設け、
含水層65の下端側を凝縮水溜め部64a内に貯液され
ている凝縮水に浸漬させ、毛細管現象により吸い上げて
含水層65を湿潤状態に維持するようにしてもよい。
【0115】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0116】この発明の第1の発明によれば、気体が封
入された密閉空間を固体電解膜により第1および第2の
密閉空間に2分割し、第1の密閉空間側の固体電解膜の
面で水の電気分解を生じさせ、該水の電気分解で生成さ
れたプロトンを固体電解膜を介して第2の密閉空間側の
固体電解膜の面に供給し、第2の密閉空間側の固体電解
膜の面で水の生成反応を生じさせて第1および第2の密
閉空間に湿度差を発生させ、第1の密閉空間内に貯液さ
れている水の温度を低下させるようにしているので、小
型静止形で、無音で、高効率で、かつ、メンテナンスフ
リーの電解反応による水蒸発式冷却方向が得られる。
【0117】また、この発明の第2の発明によれば、上
記第1の発明において、第2の密閉空間の高湿度の気体
を凝縮して凝縮水を生成し、該凝縮水を第1の密閉空間
に返水して、第1の密閉空間に貯液されている水を補給
するようにしたので、ポンプなどの機械的手段を用いる
ことなく水の循環が行われ、無音化を図ることができ
る。
【0118】また、この発明の第3の発明によれば、プ
ロトンを選択的に通過させる固体高分子電解質の両面に
多孔質電極が設けられてなり、気体が封入された密閉空
間を第1の密閉空間と第2の密閉空間とに分離する固体
電解膜と、第1の密閉空間内に貯液された水と、第2の
密閉空間内の気体に含まれる水分を凝縮する凝縮手段
と、凝縮手段により凝縮された凝縮水を第1の密閉空間
に返水する返水手段と、第1の密閉空間の気相部と第2
の密閉空間の気相部との圧力差が作動圧力を越えると第
1および第2の密閉空間の気相部間を通気させる差圧式
通気手段と、固体電解膜の両面に設けられた多孔質電極
間に直流電圧を印加する直流電源とを備えているので、
小型静止形で、無音で、高効率で、かつ、メンテナンス
フリーの電解反応による水蒸発式冷却装置が得られる。
【0119】また、この発明の第4の発明によれば、気
体が封入された密閉空間を第1の密閉空間と第2の密閉
空間とに分離するようにプロトンの移動方向に直列に2
段に配列された、プロトンを選択的に通過させる固体高
分子電解質の両面に多孔質電極が設けられてなる第1お
よび第2の固体電解膜と、第1の密閉空間内に貯液され
た水と、第2の密閉空間内の気体に含まれる水分を凝縮
する凝縮手段と、凝縮手段により凝縮された凝縮水を第
1の密閉空間に返水する返水手段と、第1の密閉空間の
気相部と第2の密閉空間の気相部との圧力差が作動圧力
を越えると第1および第2の密閉空間の気相部間を通気
させる差圧式通気手段と、第1の密閉空間に臨む第1の
固体電解膜の両面に設けられた多孔質電極間に直流電圧
を印加する直流電源とを備えているので、上記第3の発
明と同様に、小型静止形で、無音で、高効率で、かつ、
メンテナンスフリーの電解反応による水蒸発式冷却装置
が得られる。さらに、第1および第2の固体電解膜間に
形成されるガス空間が水蒸気の逆移動を阻止するように
作用し、水蒸気の移動効率の低下が抑えられ、その分冷
却性能を高めることができる。
【0120】また、この発明の第5の発明によれば、上
記第4の発明において、第2の固体電解膜の両面に設け
られた多孔質電極間に発生する起電力を回収し、第1の
固体電解膜の両面に設けられた多孔質電極間に供給する
電力の一部として帰還させるようにしているので、省エ
ネルギー化を図ることができる。
【0121】また、この発明の第6の発明によれば、気
体が封入された密閉空間を第1の密閉空間と第2の密閉
空間とに分離するようにプロトンの移動方向に直列に2
段に配列された、プロトンを選択的に通過させる固体高
分子電解質の両面に多孔質電極が設けられてなる第1の
固体電解膜およびプロトンと電子とを同時に移動できる
ように構成された第2の固体電解膜と、第1の密閉空間
内に貯液された水と、第2の密閉空間内の気体に含まれ
る水分を凝縮する凝縮手段と、凝縮手段により凝縮され
た凝縮水を第1の密閉空間に返水する返水手段と、第1
の密閉空間の気相部と第2の密閉空間の気相部との圧力
差が作動圧力を越えると第1および第2の密閉空間の気
相部間を通気させる差圧式通気手段と、第1の密閉空間
に臨む第1の固体電解膜の両面に設けられた多孔質電極
間に直流電圧を印加する直流電源とを備えているので、
上記第4の発明と同様に、小型静止形で、無音で、高効
率で、かつ、メンテナンスフリーの電解反応による水蒸
発式冷却装置が得られる。さらに、第2の固体電解質膜
がプロトンと電子とを同時に移動できる単極で構成され
ているので、上記第4の発明に比べて、システムの簡素
化および低コスト化を図ることができる。
【0122】また、この発明の第7の発明によれば、上
記第3乃至第6の発明のいずれかの発明において、第1
の密閉空間を構成する缶体の冷却部が可撓性部材で構成
され、該冷却部の外面形状が該冷却部に熱的に連結され
る被冷却体の外形形状に合わせて変形できるようにした
ので、被冷却体の外形形状に拘わらず缶体の冷却部を被
冷却体に良好に密接させることができ、冷却効率の向上
が図られる。
【0123】また、この発明の第8の発明によれば、上
記第3乃至第7の発明のいずれかの発明において、凝縮
手段が通気管を介して第2の密閉空間に連通された凝縮
器からなり、通気管の少なくとも一部を可撓性部材で構
成して凝縮器の位置を第2の密閉空間に対して可変とし
たので、水蒸発式冷却装置の設置自由度を増すことがで
きる。
【0124】また、この発明の第9の発明によれば、上
記第3乃至第6の発明のいずれかの発明において、第1
の密閉空間に通気管を介して連通され、水を貯液する含
水層を内部に有する第3の密閉空間を備え、凝縮された
凝縮水を返水手段により含水層に返水させるようにし、
さらに第3の密閉空間を構成する缶体の冷却部が可撓性
部材で構成され、該冷却部の外面形状が該冷却部に熱的
に連結される被冷却体の外形形状に合わせて変形できる
ようにしたので、上記第7の発明と同様に、冷却効率の
向上を図ることができる。さらに、冷却部を有する第3
の密閉空間が固体電解膜を有する空間から分離されてい
るので、固体電解膜の変形が不要となり、固体電解膜の
水蒸気汲上げ作用および酸素分子移動機能が長期的に安
定して行われ、長寿命化が図られる。
【0125】また、この発明の第10の発明によれば、
上記第3乃至第6の発明および第9の発明のいずれかの
発明において、第1の密閉空間に通気管を介して連通さ
れ、水を貯液する含水層を内部に有する第3の密閉空間
を備え、凝縮された凝縮水を返水手段により含水層に返
水させるようにし、さらに通気管の少なくとも一部を可
撓性部材で構成して第3の密閉空間の位置を第1の密閉
空間に対して可変としたので、水蒸発式冷却装置の設置
自由度を増すことができる。
【0126】また、この発明の第11の発明によれば、
上記第9または第10の発明において、液状の水の透過
を阻止して水蒸気を選択的に透過させる水蒸気透過膜が
含水層の表面に被覆されているので、水蒸気透過膜によ
って含水層の含水率を高い値に設定でき、含水層内の全
面において水の欠損現象を防止することができ、大きな
冷却面に対しても十分な冷却効果が得られる。
【0127】また、この発明の第12の発明によれば、
上記第3乃至第6の発明のいずれかの発明において、第
1および第2の密閉空間の気相部に気体を撹拌する気体
撹拌手段が備えられているので、第1および第2の密閉
空間内の気体が強制的に流動されて固体電解膜の電解反
応面に効率よく接触し、電解反応が促進されて冷却性能
を高めることができる。
【0128】また、この発明の第13の発明によれば、
上記第3乃至第6の発明のいずれかの発明において、被
冷却体と熱的に連結される冷却板を固体電解膜もしくは
第1の固体電解膜と相対するように配置して第1の密閉
空間が構成され、冷却板の固体電解膜と相対する面に含
水層が形成され、第1の密閉空間に貯液されている水が
含水層に給水されるようにしたので、冷却板が含水層に
吸水されている水により直接冷却され、冷却性能を高め
ることができる。
【0129】また、この発明の第14の発明によれば、
上記第13の発明において、冷却板の一部が第2の密閉
空間内に臨むように構成され、第2の密閉空間内に臨む
該冷却板の一部に凝縮手段により凝縮された凝縮水を溜
める凝縮水溜め部が形成され、さらに凝縮水溜め部と含
水層とが通水可能に形成されているので、動力および循
環管路を用いることなく水の循環ができ、小型化を図る
ことができる。
【0130】また、この発明の第15の発明によれば、
上記第3乃至第6の発明のいずれかの発明において、第
1の密閉空間と第2の密閉空間とが、両空間の圧力差が
規定値以上となると第1の密閉空間内の気体を第2の密
閉空間内に流通させ、両空間の圧力差が規定値未満とな
ると第2の密閉空間内の凝縮水を第1の密閉空間内に返
水させる管路によって連結されているので、該管路に水
の循環機能と気体の循環機能とが兼ね備えられ、構成部
品の簡素化が図られ、その分小型化を図ることができ
る。
【0131】また、この発明の第16の発明によれば、
上記第3乃至第6の発明のいずれかの発明において、伝
熱体が、固定電解膜あるいは第1および第2の固定電解
膜のいずれかの面に熱的に接触し、かつ、その一部を密
閉空間から外部に延出するように配設され、伝熱体の密
閉空間から外部に延出された部位に放熱器が配設されて
いるので、固体電解膜の熱が系外に放熱され、固体電解
膜の温度上昇が抑えられ、冷却性能が高められる。
【0132】また、この発明の第17の発明によれば、
上記第3乃至第16の発明のいずれかの発明において、
第1の密閉空間および第2の密閉空間内に酸素ガスと水
蒸気とからなる気体が封入されているので、第1の密閉
空間および第2の密閉空間内に電解反応に寄与する因子
のみが存在し、反応スピードが速められ、冷却能力の向
上を図ることができる。
【0133】また、この発明の第18の発明によれば、
上記第3乃至第16の発明のいずれかの発明において、
第1の密閉空間および第2の密閉空間内に空気からなる
気体が封入されているので、低コスト化を図ることがで
きる。
【0134】また、この発明の第19の発明によれば、
上記第17または第18の発明において、第1の密閉空
間および第2の密閉空間内の圧力が大気圧近傍に設定さ
れているので、堅牢な気密構造を採る必要がなく、装置
製作が容易となる。
【0135】また、この発明の第20の発明によれば、
気体が封入された密閉空間をプロトンを選択的に通過さ
せる固体高分子電解質の両面に多孔質電極が設けられて
なる固体電解膜により第1および第2の空間に2分割
し、両面に設けられた多孔質電極間に直流電圧を印加し
て第1の空間側の固体電解膜の面で水の電気分解を生じ
させ、該水の電気分解で生成されたプロトンを固体電解
膜を介して第2の空間側の固体電解膜の面に移動させ、
第2の空間側の固体電解膜の面で水の生成反応を生じさ
せて第1および第2の空間に湿度差を発生させ、第1の
空間内に形成されている水膜の水の温度を低下させるよ
うにしたので、小型静止形で、無音で、高効率で、か
つ、メンテナンスフリーの電解反応による水蒸発式冷却
方向が得られる。
【0136】また、この発明の第21の発明によれば、
上記第20の発明において、第2の空間の1部は熱を系
外に放出する機能の凝縮空間に形成し、第2の空間内の
高湿度の気体を凝縮して凝縮水を生成し、該凝縮水を第
1の空間に返水して、第1の空間に形成された水膜に水
を補給するようにしたので、ポンプなどの機械的手段を
用いることなく水の循環が行われ、無音化を図ることが
できる。
【0137】また、この発明の第22の発明によれば、
上記第20または第21の発明において、第1の空間と
第2の空間とを連通する通気孔を設け、第1の空間側の
固体電解膜の面で水の電気分解で生成された酸素ガスを
通気孔を介して第2の空間に還流させるようにしたの
で、ポンプなどの機械的手段を用いることなく酸素ガス
の循環が行われ、無音化を図ることができる。
【0138】また、この発明の第23の発明によれば、
プロトンを選択的に通過させる固体高分子電解質の両面
に多孔質電極が設けられてなり、気体が封入された密閉
空間を第1の空間と第2の空間とに分離する固体電解膜
と、第1の空間内に形成された水膜と、第2の空間内の
気体に含まれる水分を該第2の空間に連通する凝縮空間
で凝縮する凝縮手段と、凝縮手段により凝縮された凝縮
水を第1の空間内に形成された水膜に返水する返水手段
と、第1の空間と第2の空間とを連通するように設けら
れた通気孔と、固体電解膜の両面に設けられた多孔質電
極間に直流電圧を印加する直流電源とを備えたので、小
型静止形で、無音で、高効率で、かつ、メンテナンスフ
リーの電解反応による水蒸発式冷却装置が得られる。
【0139】また、この発明の第24の発明によれば、
上記第23の発明において、固体電解膜が、それぞれプ
ロトンを選択的に通過させる固体高分子電解質の両面に
多孔質電極が設けられた第1および第2の固体電解膜
を、該第1および第2の固体電解膜間に密閉空間を形成
するように該プロトンの移動方向に直列に2段に配列し
て構成されているので、第1および第2の固体電解膜間
に形成されるガス空間が水蒸気の逆移動を阻止するよう
に作用し、水蒸気の移動効率の低下が抑えられ、その分
冷却性能を高めることができる。
【0140】また、この発明の第25の発明によれば、
上記第24の発明において、第2の固体電解膜の両面に
設けられた多孔質電極間に発生する起電力を回収し、第
2の固体電解膜の両面に設けられた多孔質電極間に供給
する電力の一部として帰還させるようにしたので、省エ
ネルギー化を図ることができる。
【0141】また、この発明の第26の発明によれば、
上記第23の発明において、固体電解膜が、プロトンを
選択的に通過させる固体高分子電解質の両面に多孔質電
極が設けられた第1の固体電解膜と、プロトンと電子と
を同時に移動できるように構成された第2の固体電解膜
とを、該第1および第2の固体電解膜間に密閉空間を形
成するように該プロトンの移動方向に直列に2段に配列
して構成されているので、第1および第2の固体電解膜
間に形成されるガス空間が水蒸気の逆移動を阻止するよ
うに作用し、水蒸気の移動効率の低下が抑えられ、その
分冷却性能を高めることができる。さらに、第2の固体
電解膜が単極で構成され、その分低コスト化を図ること
ができる。
【0142】また、この発明の第27の発明によれば、
上記第23乃至第26の発明のいずれかの発明におい
て、第1の空間を形成する壁面および凝縮空間を形成す
る部材の壁面に互いに連なるように付設された網状、綿
状あるいは海綿状の吸水部材を備え、凝縮手段で凝縮さ
れた凝縮水を凝縮空間内の吸水部材に吸水させ、吸水部
材の毛細管現象の作用により第1の空間内の吸水部材に
返水させて、第1の空間内に水膜を形成するようにした
もので、ポンプなどの機械的手段を用いることなく水の
循環が行われ、無音化を図ることができる。
【0143】また、この発明の第28の発明によれば、
上記第23乃至第27の発明のいずれかの発明におい
て、被冷却体と熱的に連結される冷却板が固体電解膜と
相対するように配置して第1の空間が構成され、かつ、
冷却板の固体電解膜と相対する面に網状、綿状あるいは
海綿状の吸水部材が付設されて、吸収部材に水を吸水さ
せて水膜を形成するようにしたので、冷却板が含水部材
に吸水されている水により直接冷却され、冷却性能を高
めることができる。
【0144】また、この発明の第29の発明によれば、
上記第23乃至第28の発明のいずれかの発明におい
て、固体電解膜は筒状に形成され、その軸心が略鉛直方
向を向くように配置されて、第1の空間と第2の空間と
を該固体電解膜の軸心に対して同心状に形成し、通気孔
が密閉空間の該軸心方向の最下部に配置され、第1の空
間および第2の空間が密閉空間の該軸心方向の下部側に
配置され、かつ、凝縮空間が第2の空間に連通して密閉
空間の該軸心方向の最上部に配置されているので、水蒸
気と酸素ガスとの比重重の差により駆動源を用いること
なく気体がスムーズに移動される。
【0145】また、この発明の第30の発明によれば、
上記第23乃至第28の発明のいずれかの発明におい
て、固体電解膜は筒状に形成され、その軸心が略鉛直方
向を向くように配置されて、第1の空間と第2の空間と
を該固体電解膜の軸心に対して同心状に形成し、第1の
空間が第2の空間の内周側に配置され、通気孔が該軸心
方向の最下部に配置され、かつ、第2の空間の外周部に
凝縮手段を配設して第2の空間を凝縮空間としたので、
軸方向の寸法を縮小することができる。
【0146】また、この発明の第31の発明によれば、
上記第23乃至第30の発明のいずれかの発明におい
て、第1の空間およに第2の空間内に酸素ガスと水蒸気
のみからなる気体が封入されているので、第1の空間お
よび第2の空間内に電解反応に寄与する因子のみが存在
し、反応スピードが速められ、冷却能力の向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る電解反応によ
る水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る電解反応によ
る水蒸発式冷却装置に用いられる固体電解膜の構成を示
す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る電解反応によ
る水蒸発式冷却装置に用いられる差圧式通気機構の構成
を示す断面図である。
【図4】 水の飽和圧力に対する沸騰蒸発温度の関係を
示す図である。
【図5】 水と気体とが接触する場合の乾球と湿球との
温度関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る電解反応によ
る水蒸発式冷却装置における冷却動作を説明する図であ
る。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る電解反応によ
る水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る電解反応によ
る水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態4に係る電解反応によ
る水蒸発式冷却装置における差圧式通気機構を示す模式
構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態5に係る電解反応に
よる水蒸発式冷却装置における固体電解膜を示す模式構
成図である。
【図11】 この発明の実施の形態5に係る電解反応に
よる水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態6に係る電解反応に
よる水蒸発式冷却装置における固体電解膜を示す模式構
成図である。
【図13】 この発明の実施の形態6に係る電解反応に
よる水蒸発式冷却装置における固体電解膜の特性図であ
る。
【図14】 この発明の実施の形態7に係る電解反応に
よる水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図15】 この発明の実施の形態7に係る電解反応に
よる水蒸発式冷却装置の実施態様例を示す模式構成図で
ある。
【図16】 この発明の実施の形態9に係る電解反応に
よる水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図17】 この発明の実施の形態10に係る電解反応
による水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図18】 この発明の実施の形態11に係る電解反応
による水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図19】 この発明の実施の形態12に係る電解反応
による水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図20】 この発明の実施の形態13に係る電解反応
による水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図21】 この発明の実施の形態16に係る電解反応
による水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図22】 この発明の実施の形態16に係る電解反応
による水蒸発式冷却装置の使用状態を示す模式構成図で
ある。
【図23】 この発明の実施の形態17に係る電解反応
による水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図24】 この発明の実施の形態18に係る電解反応
による水蒸発式冷却装置を示す模式構成図である。
【図25】 従来の水蒸気透過膜式除湿装置を示す構成
図である。
【図26】 従来の疎水性多孔質膜を用いた吸収式温度
回生器を示す構成図である。
【図27】 疎水性多孔質膜の水蒸気の選択的透過によ
る気液分離を説明する断面図である。
【図28】 従来の電子回路基板の冷却方法を説明する
図である。
【符号の説明】
11 直流電源、50 固体電解膜、50a 第1の固
体電解膜、50b,50c 第2の固体電解膜、51
密閉缶(密閉空間)、51a 空間(第1の密閉空
間)、51b 空間(第2の密閉空間)、52 水、5
2a 水(水膜)、53 被冷却体、54 凝縮器(凝
縮手段)、55 通水路(返水手段)、56差圧式通気
機構(差圧式通気手段)、57 放熱器(凝縮手段)、
58 プロトン伝導体(固体高分子電解質)、59 陽
極(多孔質電極)、60 陰極(多孔質電極)、62
回転翼(撹拌手段)、64 冷却板、64a 凝縮水溜
め部、65 含水層、66 U字管(管路)、71 起
電力回収装置、78 伝熱体、79 放熱器、100
固体電解膜、101 密閉缶(密閉空間)、101a空
間(第1の空間)、101b 空間(第2の空間)、1
01c 布体(吸水部材)、103a 通気孔、104
凝縮空間、110 密閉缶(密閉空間)、110a、
120a 空間(第1の密閉空間)、110b,120
b 空間(第2の密閉空間)、112 通気管、113
可撓性部材、120A 第1の密閉缶(密閉空間)、
120B 第2の密閉缶(密閉空間)、120c 空間
(第3の密閉空間)、122 水蒸気透過膜。

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体が封入された密閉空間を固体電解膜
    により第1および第2の密閉空間に2分割し、前記第1
    の密閉空間側の前記固体電解膜の面で水の電気分解を生
    じさせ、該水の電気分解で生成されたプロトンを前記固
    体電解膜を介して前記第2の密閉空間側の前記固体電解
    膜の面に供給し、前記第2の密閉空間側の前記固体電解
    膜の面で水の生成反応を生じさせて前記第1および第2
    の密閉空間に湿度差を発生させ、前記第1の密閉空間内
    に貯液されている水の温度を低下させるようにした電解
    反応による水蒸発式冷却方法。
  2. 【請求項2】 第2の密閉空間の高湿度の気体を凝縮し
    て凝縮水を生成し、該凝縮水を第1の密閉空間に返水し
    て、前記第1の密閉空間に貯液されている水を補給する
    ようにした請求項1記載の電解反応による水蒸発式冷却
    方法。
  3. 【請求項3】 プロトンを選択的に通過させる固体高分
    子電解質の両面に多孔質電極が設けられてなり、気体が
    封入された密閉空間を第1の密閉空間と第2の密閉空間
    とに分離する固体電解膜と、前記第1の密閉空間内に貯
    液された水と、前記第2の密閉空間内の気体に含まれる
    水分を凝縮する凝縮手段と、前記凝縮手段により凝縮さ
    れた凝縮水を前記第1の密閉空間に返水する返水手段
    と、前記第1の密閉空間の気相部と前記第2の密閉空間
    の気相部との圧力差が作動圧力を越えると前記第1およ
    び第2の密閉空間の気相部間を通気させる差圧式通気手
    段と、前記固体電解膜の両面に設けられた前記多孔質電
    極間に直流電圧を印加する直流電源とを備えたことを特
    徴とする電解反応による水蒸発式冷却装置。
  4. 【請求項4】 気体が封入された密閉空間を第1の密閉
    空間と第2の密閉空間とに分離するようにプロトンの移
    動方向に直列に2段に配列された、プロトンを選択的に
    通過させる固体高分子電解質の両面に多孔質電極が設け
    られてなる第1および第2の固体電解膜と、前記第1の
    密閉空間内に貯液された水と、前記第2の密閉空間内の
    気体に含まれる水分を凝縮する凝縮手段と、前記凝縮手
    段により凝縮された凝縮水を前記第1の密閉空間に返水
    する返水手段と、前記第1の密閉空間の気相部と前記第
    2の密閉空間の気相部との圧力差が作動圧力を越えると
    前記第1および第2の密閉空間の気相部間を通気させる
    差圧式通気手段と、前記第1の密閉空間に臨む前記第1
    の固体電解膜の両面に設けられた前記多孔質電極間に直
    流電圧を印加する直流電源とを備えたことを特徴とする
    電解反応による水蒸発式冷却装置。
  5. 【請求項5】 第2の固体電解膜の両面に設けられた多
    孔質電極間に発生する起電力を回収し、第1の固体電解
    膜の両面に設けられた多孔質電極間に供給する電力の一
    部として帰還させるようにしたことを特徴とする請求項
    4記載の電解反応による水蒸発式冷却装置。
  6. 【請求項6】 気体が封入された密閉空間を第1の密閉
    空間と第2の密閉空間とに分離するようにプロトンの移
    動方向に直列に2段に配列された、プロトンを選択的に
    通過させる固体高分子電解質の両面に多孔質電極が設け
    られてなる第1の固体電解膜およびプロトンと電子とを
    同時に移動できるように構成された第2の固体電解膜
    と、前記第1の密閉空間内に貯液された水と、前記第2
    の密閉空間内の気体に含まれる水分を凝縮する凝縮手段
    と、前記凝縮手段により凝縮された凝縮水を前記第1の
    密閉空間に返水する返水手段と、前記第1の密閉空間の
    気相部と前記第2の密閉空間の気相部との圧力差が作動
    圧力を越えると前記第1および第2の密閉空間の気相部
    間を通気させる差圧式通気手段と、前記第1の密閉空間
    に臨む前記第1の固体電解膜の両面に設けられた前記多
    孔質電極間に直流電圧を印加する直流電源とを備えたこ
    とを特徴とする電解反応による水蒸発式冷却装置。
  7. 【請求項7】 第1の密閉空間を構成する缶体の冷却部
    が可撓性部材で構成され、該冷却部の外面形状が該冷却
    部に熱的に連結される被冷却体の外形形状に合わせて変
    形できるようにしたことを特徴とする請求項3乃至請求
    項6のいずれかに記載の電解反応による水蒸発式冷却装
    置。
  8. 【請求項8】 凝縮手段が通気管を介して第2の密閉空
    間に連通された凝縮器からなり、前記通気管の少なくと
    も一部を可撓性部材で構成して前記凝縮器の位置を第2
    の密閉空間に対して可変としたことを特徴とする請求項
    3乃至請求項7のいずれかに記載の電解反応による水蒸
    発式冷却装置。
  9. 【請求項9】 第1の密閉空間に通気管を介して連通さ
    れ、水を貯液する含水層を内部に有する第3の密閉空間
    を備え、凝縮された凝縮水を返水手段により前記含水層
    に返水させるようにし、さらに前記第3の密閉空間を構
    成する缶体の冷却部が可撓性部材で構成され、該冷却部
    の外面形状が該冷却部に熱的に連結される被冷却体の外
    形形状に合わせて変形できるようにしたことを特徴とす
    る請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の電解反応に
    よる水蒸発式冷却装置。
  10. 【請求項10】 第1の密閉空間に通気管を介して連通
    され、水を貯液する含水層を内部に有する第3の密閉空
    間を備え、凝縮された凝縮水を返水手段により前記含水
    層に返水させるようにし、さらに前記通気管の少なくと
    も一部を可撓性部材で構成して前記第3の密閉空間の位
    置を第1の密閉空間に対して可変としたことを特徴とす
    る請求項3乃至請求項6、請求項9のいずれかに記載の
    電解反応による水蒸発式冷却装置。
  11. 【請求項11】 液状の水の透過を阻止して水蒸気を選
    択的に透過させる水蒸気透過膜が含水層の表面に被覆さ
    れていることを特徴とする請求項9または請求項10記
    載の電解反応による水蒸発式冷却装置。
  12. 【請求項12】 第1および第2の密閉空間の気相部に
    気体を撹拌する気体撹拌手段が備えられていることを特
    徴とする請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の電解
    反応による水蒸発式冷却装置。
  13. 【請求項13】 被冷却体と熱的に連結される冷却板を
    固体電解膜もしくは第1の固体電解膜と相対するように
    配置して第1の密閉空間が構成され、前記冷却板の前記
    固体電解膜と相対する面に含水層が形成され、前記第1
    の密閉空間に貯液されている水が前記含水層に給水され
    るようにしたことを特徴とする請求項3乃至請求項6の
    いずれかに記載の電解反応による水蒸発式冷却装置。
  14. 【請求項14】 冷却板の一部が第2の密閉空間内に臨
    むように構成され、前記第2の密閉空間内に臨む該冷却
    板の一部に凝縮手段により凝縮された凝縮水を溜める凝
    縮水溜め部が形成され、さらに前記凝縮水溜め部と含水
    層とが通水可能に形成されていることを特徴とする請求
    項13記載の電解反応による水蒸発式冷却装置。
  15. 【請求項15】 第1の密閉空間と第2の密閉空間と
    が、両空間の圧力差が規定値以上となると第1の密閉空
    間内の気体を第2の密閉空間内に流通させ、両空間の圧
    力差が規定値未満となると第2の密閉空間内の凝縮水を
    第1の密閉空間内に返水させる管路によって連結されて
    いることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか
    に記載の電解反応による水蒸発式冷却装置。
  16. 【請求項16】 伝熱体が、固定電解膜あるいは第1お
    よび第2の固定電解膜のいずれかの面に熱的に接触し、
    かつ、その一部を密閉空間から外部に延出するように配
    設され、前記伝熱体の前記密閉空間から外部に延出され
    た部位に放熱器が配設されていることを特徴とする請求
    項3乃至請求項6のいずれかに記載の電解反応による水
    蒸発式冷却装置。
  17. 【請求項17】 第1の密閉空間および第2の密閉空間
    内に酸素ガスと水蒸気とからなる気体が封入されている
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項16のいずれかに
    記載の電解反応による水蒸発式冷却装置。
  18. 【請求項18】 第1の密閉空間および第2の密閉空間
    内に空気からなる気体が封入されていることを特徴とす
    る請求項3乃至請求項16のいずれかに記載の電解反応
    による水蒸発式冷却装置。
  19. 【請求項19】 第1の密閉空間および第2の密閉空間
    内の圧力が大気圧近傍に設定されていることを特徴とす
    る請求項17または請求項18に記載の電解反応による
    水蒸発式冷却装置。
  20. 【請求項20】 気体が封入された密閉空間をプロトン
    を選択的に通過させる固体高分子電解質の両面に多孔質
    電極が設けられてなる固体電解膜により第1および第2
    の空間に2分割し、両面に設けられた前記多孔質電極間
    に直流電圧を印加して前記第1の空間側の前記固体電解
    膜の面で水の電気分解を生じさせ、該水の電気分解で生
    成されたプロトンを前記固体電解膜を介して前記第2の
    空間側の前記固体電解膜の面に移動させ、前記第2の空
    間側の前記固体電解膜の面で水の生成反応を生じさせて
    前記第1および第2の空間に湿度差を発生させ、前記第
    1の空間内に形成されている水膜の水の温度を低下させ
    るようにした電解反応による水蒸発式冷却方法。
  21. 【請求項21】 第2の空間の1部は熱を系外に放出す
    る機能の凝縮空間に形成し、前記第2の空間内の高湿度
    の気体を凝縮して凝縮水を生成し、該凝縮水を第1の空
    間に返水して、前記第1の空間に形成された水膜に水を
    補給するようにした請求項20記載の電解反応による水
    蒸発式冷却方法。
  22. 【請求項22】 第1の空間と第2の空間とを連通する
    通気孔を設け、前記第1の空間側の固体電解膜の面で水
    の電気分解で生成された酸素ガスを前記通気孔を介して
    前記第2の空間に還流させるようにした請求項20また
    は請求項21記載の電解反応による水蒸発式冷却方法。
  23. 【請求項23】 プロトンを選択的に通過させる固体高
    分子電解質の両面に多孔質電極が設けられてなり、気体
    が封入された密閉空間を第1の空間と第2の空間とに分
    離する固体電解膜と、前記第1の空間内に形成された水
    膜と、前記第2の空間内の気体に含まれる水分を該第2
    の空間に連通する凝縮空間で凝縮する凝縮手段と、前記
    凝縮手段により凝縮された凝縮水を前記第1の空間内に
    形成された前記水膜に返水する返水手段と、前記第1の
    空間と前記第2の空間とを連通するように設けられた通
    気孔と、前記固体電解膜の両面に設けられた前記多孔質
    電極間に直流電圧を印加する直流電源とを備えたことを
    特徴とする電解反応による水蒸発式冷却装置。
  24. 【請求項24】 固体電解膜が、それぞれプロトンを選
    択的に通過させる固体高分子電解質の両面に多孔質電極
    が設けられた第1および第2の固体電解膜を、該第1お
    よび第2の固体電解膜間に密閉空間を形成するように該
    プロトンの移動方向に直列に2段に配列して構成されて
    いることを特徴とする請求項23記載の電解反応による
    水蒸発式冷却装置。
  25. 【請求項25】 第2の固体電解膜の両面に設けられた
    多孔質電極間に発生する起電力を回収し、第2の固体電
    解膜の両面に設けられた多孔質電極間に供給する電力の
    一部として帰還させるようにしたことを特徴とする請求
    項24記載の電解反応による水蒸発式冷却装置。
  26. 【請求項26】 固体電解膜が、プロトンを選択的に通
    過させる固体高分子電解質の両面に多孔質電極が設けら
    れた第1の固体電解膜と、プロトンと電子とを同時に移
    動できるように構成された第2の固体電解膜とを、該第
    1および第2の固体電解膜間に密閉空間を形成するよう
    に該プロトンの移動方向に直列に2段に配列して構成さ
    れていることを特徴とする請求項23記載の電解反応に
    よる水蒸発式冷却装置。
  27. 【請求項27】 第1の空間を形成する壁面および凝縮
    空間を形成する部材の壁面に互いに連なるように付設さ
    れた網状、綿状あるいは海綿状の吸水部材を備え、凝縮
    手段で凝縮された凝縮水を前記凝縮空間内の前記吸水部
    材に吸水させ、前記吸水部材の毛細管現象の作用により
    前記第1の空間内の前記吸水部材に返水させて、前記第
    1の空間内に水膜を形成するようにしたことを特徴とす
    る請求項23乃至請求項26のいずれかに記載の電解反
    応による水蒸発式冷却装置。
  28. 【請求項28】 被冷却体と熱的に連結される冷却板が
    固体電解膜と相対するように配置して第1の空間が構成
    され、かつ、前記冷却板の前記固体電解膜と相対する面
    に網状、綿状あるいは海綿状の吸水部材が付設されて、
    前記吸収部材に水を吸水させて水膜を形成するようにし
    たことを特徴とする請求項23乃至請求項27のいずれ
    かに記載の電解反応による水蒸発式冷却装置。
  29. 【請求項29】 固体電解膜は筒状に形成され、その軸
    心が略鉛直方向を向くように配置されて、第1の空間と
    第2の空間とを該固体電解膜の軸心に対して同心状に形
    成し、通気孔が密閉空間の該軸心方向の最下部に配置さ
    れ、前記第1の空間および前記第2の空間が前記密閉空
    間の該軸心方向の下部側に配置され、かつ、凝縮空間が
    前記第2の空間に連通して前記密閉空間の該軸心方向の
    最上部に配置されていることを特徴とする請求項23乃
    至請求項28のいずれかに記載の電解反応による水蒸発
    式冷却装置。
  30. 【請求項30】 固体電解膜は筒状に形成され、その軸
    心が略鉛直方向を向くように配置されて、第1の空間と
    第2の空間とを該固体電解膜の軸心に対して同心状に形
    成し、前記第1の空間が前記第2の空間の内周側に配置
    され、通気孔が該軸心方向の最下部に配置され、かつ、
    前記第2の空間の外周部に凝縮手段を配設して前記第2
    の空間を凝縮空間としたことを特徴とする請求項23乃
    至請求項28のいずれかに記載の電解反応による水蒸発
    式冷却装置。
  31. 【請求項31】 第1の空間およに第2の空間内に酸素
    ガスと水蒸気のみからなる気体が封入されていることを
    特徴とする請求項23乃至請求項30のいずれかに記載
    の電解反応による水蒸発式冷却装置。
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