JPH09192548A - 液体噴出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体用導管の一端から加圧供給される液体を
同導管の他端に設けられたノズルから噴出させる液体噴
出装置において、噴出する液体の運動量を増加させる。 【解決手段】 上記液体用導管を流れる液体の圧力より
高い圧力で上記液体中に均一に微細な気泡を噴射混入さ
せる装置を上記液体用導管に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は液体噴出装置に関す
るものである。本方法は、消防車、洗浄装置、水流を利
用した工作機械等のノズルに利用できる。

【０００２】

【従来の技術】従来、液体噴流の運動量を増やすには、
単位時間当りの質量流量をふやすか、噴出速度を上げる
ためにポンプ等の能力をアップさせる以外に方法はなか
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】単位時間当りの質量流
量をふやすためには、供給装置の能力を上げること、さ
らに流量がふえることによる装置全体の大型化、流量元
であるタンクあるいは貯蔵所の能力を上げることが必要
となっていた。また噴出速度を上げるためには、上記同
様供給装置の能力を上げることが必要であった。これら
は全て製品の能力を上げるために、製品の大型化コスト
高を招くこととなる。

【０００４】本発明は、小型かつ低コストで液体噴流の
運動量を増加させる液体噴出装置を提供しようとするも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
したものであって、液体用導管の一端から加圧供給され
る液体を同導管の他端に設けられたノズルから噴出させ
る液体噴出装置において、上記液体用導管を流れる液体
の圧力より高い圧力で上記液体中に均一に微細な気泡を
噴射混入させる装置を上記液体用導管に設け、噴出する
液体の運動量を増加させることを特徴とする液体噴出装
置に関するものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の一形態に係
る液体噴出装置の縦断面図である。図において、１はこ
の装置へ加圧して供給される液体、２は液体用導管、３
は同導管に連るノズル、４は上記液体より高い圧力に加
圧して上記装置に供給される気体、５は気体を上記装置
内へ導く気体用導管であり、その液体用導管内の部分は
液体用導管の軸線に平行になっている。６は上記気体用
導管の、液体用導管と平行になっている部分の円筒部に
設けられている焼結金属メッシュである。７は同メッシ
ュから液体内へ噴出する微細気泡、８は同気泡を含んで
ノズル３から噴出する噴流である。上記焼結金属メッシ
ュは１０数ミクロン以下の微細な孔を多数有するもので
ある。焼結金属メッシュの材料としてはステンレス系の
材料が好ましい。

【０００７】本装置において、液体１は液体用導管２を
通って進む。気体４は高い圧力で気体用導管５を経て供
給される。気体４は焼結金属メッシュ６の微細孔から、
同メッシュの外周部を通過する液体の中へ噴出し、微細
気泡となって同液体に混入する。微細気泡を含む液体は
ノズル３を経て外部へ噴流８となって噴出する。

【０００８】上記装置において、気体４の供給が無い場
合を想定すると、噴流の密度は液密度であるから大き
く、噴出速度は小さい。ところが気体が液体の中に混入
していると、噴流の密度は小さく、噴出速度は大きい。
このため、流量はさほど変化せず、噴出速度は大きくな
るので、運動量としては増加する。混入させる気体の圧
力および密度が大であればあるほど、運動量は増加す
る。

【０００９】この原理を数式で示せば次のようになる。

【００１０】

【数１】

【００１１】以上の式よりγ＝０の時と、そうでない時
の運動量比を求めると次式が得られる。

【００１２】

【数２】

【００１３】こゝで、例えば液体として水、気体として
５ata の圧力で供給される空気を選び、質量比として
０．０１を選ぶと、

【００１４】

【数３】

【００１５】となる。よって、質量比０．０１で気体を
混合すれば、圧力５ata の時、運動量は１．６倍とな
る。

【００１６】本実施形態（図１）においては、焼結金属
メッシュ６は、液体の流れの中に挿入されている気体用
導管５の円筒部に設けた例を示したが、焼結金属メッシ
ュは気体用導管の先端部に設けてもよい。さらに、焼結
金属メッシュを液体用導管の円筒部の内面に設けて液体
の流れの周囲から気体を混入させるようにしてもよい。
その場合には気体用導管を液体用導管の中へ挿入する必
要はなくなる。また前記気体用導管５の液体流の中に挿
入されている部分に多数の枝管を設け、その枝管に焼結
金属メッシュを設けて気体を噴出させ、より均一な混入
を図ってもよい。要するに液体の流れの中に微細気泡を
均一に混入させる手段であればよい。

【００１７】図２は上記液体噴出装置の利用に係る実施
形態の系統図である。図において９は水を供給する消防
車、１０は消防車が供給する加圧水より高い圧力で窒素
ガスを供給する窒素ガス供給源、１１は図１に示した液
体噴出装置である。

【００１８】本実施形態は、図１に示した液体噴出装置
を消防車の放水部に適用したもので、高圧窒素ガス供給
源から窒素ガスを数ata の圧力に減圧して水の中へ混入
するものである。これにより、放水の運動量を増加さ
せ、消火用水の到達距離を長くすることができる。なお
窒素ガス供給源１０は消防車９に常備してもよいし、必
要時に現場へ持ち運んでもよい。

【００１９】図３は本発明の液体噴出装置の利用に係る
他の実施形態の系統図である。図において、１２は水を
供給する水ポンプ、１３は上記の水ポンプが供給する水
の圧力より高い圧力で空気を供給する空気圧縮機、１４
は図１に示した液体噴出装置、１５は洗浄対象物であ
り、例として皿を示している。

【００２０】本実施形態は、図１に示した液体噴出装置
を洗浄装置に適用したもので、気体としては圧縮機を利
用して数ata に昇圧した空気を用い、これをポンプ等で
昇圧された水の中に混入して、洗浄水の噴出運動量を増
加させ、洗浄能力を向上させたものである。

【００２１】

【発明の効果】先にも述べたように、例えば１kg/sの水
を出すノズルがあった時、この運動量を１．６倍するた
めには、わずかに５ata の空気０．０１kg/sを混入すれ
ば良い。したがって、本発明の液体噴出装置において
は、液体の供給能力、貯蔵能力等を増加させることな
く、わずかな気体を混入するだけで容易に液体噴流の運
動量を増加させることができる。またこの装置を利用す
れば、効果的に消火あるいは洗浄等を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係る液体噴出装置。

【図２】上記装置の利用に係る実施形態の系統図。

【図３】上記装置の利用に係る他の実施形態の系統図。

【符号の説明】

１ 液体 ２ 液体用導管 ３ ノズル ４ 気体 ５ 気体用導管 ６ 焼結金属メッシュ ７ 微細気泡 ８ 噴流 ９ 消防車 １０ 窒素ガス供給源 １１ 液体噴出装置 １２ ポンプ １３ 空気圧縮機 １４ 液体噴出装置 １５ 洗浄対象物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体用導管の一端から加圧供給される液
   体を同導管の他端に設けられたノズルから噴出させる液
   体噴出装置において、上記液体用導管を流れる液体の圧
   力より高い圧力で上記液体中に均一に微細な気泡を噴射
   混入させる装置を上記液体用導管に設け、噴出する液体
   の運動量を増加させることを特徴とする液体噴出装置。