JPH091924A - インクジェット被記録材 - Google Patents

インクジェット被記録材

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JPH091924A
JPH091924A JP7156158A JP15615895A JPH091924A JP H091924 A JPH091924 A JP H091924A JP 7156158 A JP7156158 A JP 7156158A JP 15615895 A JP15615895 A JP 15615895A JP H091924 A JPH091924 A JP H091924A
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JP
Japan
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polymer
ink
recording material
ink jet
layer
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Pending
Application number
JP7156158A
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English (en)
Inventor
Makoto Kato
真 加藤
Mitsuhiro Ikeda
光弘 池田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水性インクを用いたインクジェット記録にお
いて、印字後に画像部のべたつきを生じないインクジェ
ット被記録材を提供する。 【構成】 高沸点溶剤に対する親和性の異なる2種のポ
リマーを用い、このうち、親和性の高い方のポリマーを
支持体側に、親和性の低い方のポリマーを表面側に順次
積層して塗設する事により、印字後のべたつきのないイ
ンクジェット被記録材を作製することができる。また、
これらのポリマーを架橋することにより、表面強度が高
く、耐水性を有するインクジェット被記録材を作製する
ことができる。また、これらのポリマーをカチオン変性
することにより、染料定着性を有するインクジェット被
記録材を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式を利用したプリンターやプロッターに使用される被記
録材に関するものであり、特にカラー記録での要望が高
い写真調の光沢を有するインクジェット用被記録材、O
HPフィルムとして使用可能な透明性が高い被記録材
で、印字後のべたつきが少ないことを特徴とする被記録
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターやプロ
ッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高
精細な画像が容易に得られるようになってきた。これに
伴い、従来からあるインクジェット記録用の上質紙や塗
工紙以外のインクジェット用被記録材の開発が切望され
ている。
【0003】インクジェット記録方式は、種々の作動原
理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の被記録材
に付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。
インクジェットプリンターやプロッターは、高速印字性
や低騒音性に優れ、記録パターンの融通性が大きく、現
像−定着が不要等の特長があり、複雑な画像を正確、且
つ迅速に形成することができる点で注目されている。特
にコンピューターにより編集した文字や各種図形等の画
像情報のハードコピー作製装置として、種々の用途にお
いて、近年急速に普及している。又、複数個のインクノ
ズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易
である。多色インクジェット方式により、形成されるカ
ラー画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式
による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可
能であり、更に作製部数が少ない用途においては、印刷
技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応
用されつつある。
【0004】最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精
細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安
価で市販されている。インクジェット用被記録材は、銀
塩写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安
価であることから、大面積の画像が必要な電飾看板や商
品見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって
経済的に大きなメリットがある。また、最近一般的にな
ってきたパーソナルコンピューター上で画像を編集し、
これをプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを訂
正することは従来の銀塩写真方式では全く無理であった
がインクジェット記録ではこのような操作が気軽にでき
るという長所もある。
【0005】インクジェットプリンターやプロッターの
利用分野として、最近、特に注目されているものとして
は、写真に近い画質が要求される印刷分野におけるカラ
ー版下の作製やデザイン部門でのデザインイメージのア
ウトプット等のフルカラー画像記録等や、コンピュータ
ーで編集した画像情報をインクジェットプリンターによ
り透明な被記録材に記録し、会議のプレゼンテーション
等でOHP(オーバーヘッドプロジェクター)で利用す
る等がある。
【0006】上述した、インクジェットプリンターやプ
ロッターの利用分野からの要望や、インクジェットプリ
ンターやプロッターの普及に伴い、被記録材に対する要
望が多様化し、例えば、銀塩カラー写真並の高い光沢表
面を有する、優れた外観適性を備えた被記録材、OHP
フィルムとして使用可能な透明性の高い被記録材などが
要望されている。
【0007】インクジェット記録方式で使用される被記
録材としては、通常の印刷、或は筆記用上質紙やコーテ
ッド紙を用いることができる様に、装置やインク組成の
面から努力がなされてきた。しかし、高速化・高精細
化、或はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能
の向上や用途の拡大に伴い、被記録材に対しても、より
高度な特性が要求されるようになった。即ち、当該被記
録材としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく
鮮やかであること、インクの吸収が速くて、印字ドット
が重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
要求される。特に、カラー記録の場合は、イエロー・マ
ゼンタ・シアン・ブラックの単色記録だけでなく、これ
らの色を重ねる重色記録がなされ、インク付着量が更に
多くなるために極めて厳しい性能が要求される。
【0008】従来インクジェット用被記録材としては、
例えば特開昭55−51583号、同56−157号、
同57−107879号、同57−107880号、同
59−230787号、同62−160277号、同6
2−184879号、同62−183382号、同64
−11877号公報等に見られるシリカ等含珪素顔料を
水系バインダーとともに紙表面に塗工して得られる被記
録材が提案されているが、これらの例で用いられている
シリカ等の顔料微粒子は吸油量が大きく、これらを使用
した被記録材は一般にインクの吸収容量および吸収速度
の点ではある程度のレベルに達するものであるが、シリ
カ等の無機顔料を多量に塗工層中に導入する必要がある
ことから被記録材自体の表面光沢が低下するという欠点
を有する。光沢性を改善する目的でシリカに替えてコロ
イダルシリカを使用すると先の特開昭56−157号公
報に記載されているようにインクの吸収性を悪くするた
め好ましくない。あるいは、特開平3−215082
号、同4−67986号、同5−32037号公報等に
は、アルミナゾルを水溶性バインダーとともに支持体表
面に塗工することで透明性を有する被記録材を形成する
方法が記載されている。しかしながら、塗層中における
アルミナゾル(擬ベーマイト)のバインダーに対する比
率を高めないとインク吸収性が劣る問題があり、こうし
た顔料比率の高い塗工層は塗布乾燥の際塗膜のひび割れ
が非常に発生しやすく、かつ塗工量も20g/m2 程度
以上でなければインク吸収容量が充分でないため厚膜塗
布が必要であることからさらに実製造における乾燥条件
のコントロール等が困難となる問題がある。さらに塗膜
強度が弱いためインクジェット記録した表面が擦られる
ことで容易に画像が剥離する問題や、印字後にカールが
発生しやすいという種々の問題があることに加え、塗膜
の透明性が劣る為、高光沢表面を有する支持体を用いた
場合でさえも、光沢表面が得られないという欠点を有す
る。また、光沢表面を備えたインクジェット被記録材と
しては、塗層が湿潤状態にある間にキャスト仕上げして
得られるキャスト塗被紙が特開平6−320857号公
報などに記載されているが、銀塩写真と比較するとその
表面光沢は極めて低く、銀塩写真の質感が得られるもの
ではない。
【0009】一方、透明性および/または光沢性を高め
たインク吸収層を形成するためには上記のような種々の
無機顔料は使用しないか使用しても添加量は少量に限ら
れてくることから、インク吸収性は支持体表面に形成さ
れる樹脂層に委ねられることが多い。従来こうした用途
に使用される樹脂の例としては、例えば特開昭57−3
8185号、同62−184879号公報等に記載され
るようなポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢
酸ビニル共重合体、特開昭60−168651号、特開
昭60−171143号、特開昭61−134290号
公報に記載されるようなポリビニルアルコールを主体と
する樹脂組成物、特開昭60−234879号公報に示
されるビニルアルコールとオレフィンまたはスチレンと
無水マレイン酸との共重合体、特開昭61−74879
号公報に示されるポリエチレンオキサイドとイソシアネ
ートとの架橋物、特開昭61−181679号公報に示
されるカルボキシメチルセルロースとポリエチレンオキ
サイドとの混合物、特開昭61−132377号公報に
示されるポリビニルアルコールにメタクリルアミドをグ
ラフト化したポリマー、特開昭62−220383号公
報に示されるカルボキシル基を有するアクリル系ポリマ
ー、特開平4−214382号公報等に示されるポリビ
ニルアセタール系ポリマー等種々のインク吸収性ポリマ
ーが提案されている。また、特開平4−282282号
公報、特開平4−285650号公報等には架橋性ポリ
マーから形成されるポリマーマトリックスと吸収性ポリ
マーとを混合させた被記録材が提案されている。さら
に、特開平4−97880号には、インク吸収層の最表
層を他層よりも水性インク吸収性を高くしてなるインク
ジェット被記録材が提案されている。これらの被記録材
は水性インクの吸収性が高く、優れた画質を有するもの
の、これらの発明においては印字後、印字ヘッドにおけ
る目詰まりの防止や、普通紙への印字における紙層中へ
のインクの浸透性の向上を目的として水性インクに添加
される高沸点溶剤が被記録材の表面近くに残留したり、
被記録材表面ににじみ出てくることによって好ましくな
いべたつきを生じ、他の物体表面に粘着して画像が転写
したり、被記録材表面の光沢が失われたり、あるいは軟
質プラスチック性のケースからの出し入れが困難になる
等の取り扱い上の不都合を生じていた。また、近年、環
境保護の必要性が強く主張されるようになってきてお
り、環境中への有機溶剤の放出に厳しい規制が加えられ
つつあるが、受像層の構成要素として水に不溶性のポリ
マーを使用しているため、塗布工程において有機溶剤を
使用する必要があり、これら有機溶剤の環境への放出が
避けられず、また、塗工を行う現場での作業環境が悪化
したりしていた。また、例えば特開昭61−12388
号、同61−135788号公報に記載されるようなイ
ンク保持層の表面にインク保持層と比較して親水性の低
いポリマーからなる薄層を形成させる方法も提案されて
いるが、印字直後のインクの吸収への寄与が小さい層を
設けることから、インク受容層全体で見た、厚み当たり
のインクに対する受容性が低くなり、結果として、受像
層の薄層化が困難であり、製造上、高速での塗布が困難
となったり、支持体表面にエンボス加工などを施した場
合に、この性状を活かした被記録材を製造することが困
難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、イン
クの吸収性が十分であり、かつ印字部のべたつきが少な
い、写真調の質感を有するインクジェット被記録材また
は透明性の高いインクジェット被記録材を提供すること
である。更に詳しくは、印字後、水性インクに含有され
る高沸点溶剤が被記録材の表面近くに残留したり、被記
録材表面ににじみ出てくることによって好ましくないべ
たつきを生じ、他の物体表面に粘着して画像が転写した
り、被記録材表面の光沢が失われたり、あるいは軟質プ
ラスチック性のケースからの出し入れが困難になる等の
取り扱い上の不都合を生じる問題を解決した、インクジ
ェット被記録材を提供することである。さらに、印字直
後においても十分な表面強度を有する被記録材、耐水性
に優れた被記録材を提供することである。また、印字後
に表面が水で濡れても画像の損失を生じない被記録材を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の主課題である印
字部のべたつきは、以下に述べる手段によって解決され
る。すなわち、支持体上にインク受容層を設けたインク
ジェット被記録材において、該インク受容層が少なくと
も2層を積層したインク受容層であり、該各層は、イン
ク中に含まれる高沸点溶剤に対する親和性の、相対的に
高いポリマーで構成される層を支持体側に、相対的に低
いポリマーで構成される層を表面側に積層することによ
って解決することが出来た。
【0012】ここで言う親和性とは、該ポリマーと該高
沸点溶剤との間の相溶性の大小と密接に関連する物性で
あり、精密には、濁度滴定法、曇点測定法等の方法で求
められるが、本発明におけるポリマーの選択の目的には
以下に述べる簡便な方法によることが可能である。
【0013】親和性の決定方法の第一法としては、ま
ず、ポリマー対高沸点溶媒の重量比が100対Xとなる
ようにポリマーおよび高沸点溶媒を含む水溶液を調製す
る。これを、親水化処理を施したポリエステルフィルム
等の適切な支持体上に塗布し、温風を用いて水分を揮発
乾燥する。この方法により、Xを変化させて作製したポ
リマー皮膜を観察し、その表面に高沸点溶媒がにじみ出
てきたり、またはポリマー皮膜と支持体の中間に高沸点
溶媒が分離してきたりしないXの上限値をもって親和性
を決定する。このとき、Xが大きいポリマーの方が親和
性が大きい。
【0014】インク受容層を構成するポリマーが、紫外
線照射によって支持体上で重合させることにより生成さ
れる場合等、ポリマーフィルムの作製に際して多量の高
沸点溶剤を含有させることが不可能であり、親和性の決
定を第一法によることができない場合には、以下に述べ
る第二法によって親和性の大小を決定することができ
る。すなわち、用いようとするポリマー膜を、親水化処
理を施したポリエステルフィルムなどの適切な支持体上
にその重量が10g/m2となるように形成させ、これ
に、試験に用いる高沸点溶媒の水溶液を付与し、次い
で、これを温風によって乾燥させる。このシートを10
cm角に切り出し、これらの重量を測定しておく。この
とき、両ポリマー中における高沸点溶剤の重量分率が2
0重量%となるようにする。ついで、両シートの表面同
士を密着するように重ね合わせ、1平方センチメートル
当たり5g重の圧力を加えて3日間以上放置する。つい
で2枚のシートを剥離してそれぞれの重量を測定して、
高沸点溶媒の移動量を求める。2種のポリマーに高沸点
溶剤に対する親和性の差異がある場合、親和性の高い方
のポリマーを塗布した方のシートの重量は増加し、親和
性の低い方のポリマーを塗布した方のシートの重量は減
少する。なお、この実験に際して、空気中の水分によっ
てシートの重量の増減が生じないように配慮しなければ
ならないことは言うまでもない。
【0015】この実験において、高沸点溶剤が移行して
きた結果、一方のポリマー層が溶解してしまうことがあ
るが、この場合は、この溶解したポリマーの方が高沸点
溶剤への親和性が高いものと判断することができる。
【0016】親和性の決定を、第一法、第二法のいずれ
による場合も、インク受容層の作製に当たり、該ポリマ
ーを架橋させる場合には、架橋させたポリマーで同様の
実験を行っても良いし、架橋による親和性の変化はわず
かであるので、同一組成の架橋していないポリマーで親
和性を決定しても良い。
【0017】上記の第一法、第二法とも、試験に用いる
高沸点溶剤としては、作製する被記録材に印字を行う際
に用いるインク中の高沸点溶剤と同一の組成物を用いる
ことが望ましく、一般にはグリセリン、およびその誘導
体、(オリゴ)エチレングリコール、およびその誘導
体、チオエーテル類、アルカノールアミン類等が用いら
れる。具体的には、グリセリン、グリセリンモノメチル
エーテル、エチレングリコール、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセタート、ジエチレングリコール、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、2−ヒドロキシエチル
スルフィド、2−(ジエチルアミノ)エタノール等が挙
げられるが、本発明の効果は、これらの溶媒を含むイン
クに限定されないことは言うまでもない。
【0018】作製する被記録材に印字を行う際に用いる
インク中の高沸点溶剤の組成が明らかでない場合もある
が、ポリマーの相対的な親和性は上に挙げた高沸点溶剤
間でほぼ同一の傾向を示すので、グリセリンなどの最も
一般的に用いられる高沸点溶剤を用いて実験しても、2
種のポリマーの親和性にある程度の差があれば差し支え
ない。
【0019】上記のように形成された被記録材に、高沸
点溶剤を含む水性インクを用いて画像を形成した場合、
画像の形成直後においては両層ともインクを保持してい
る。こののち、インク中の揮発性溶剤が蒸発乾燥する
と、インク中に含まれる高沸点溶剤は、このものとの親
和性がより高い支持体側の層に拡散・移動する。この結
果、インク中の高沸点溶剤の被記録材表面側の層への残
留量は少ないものとなり、被記録材の表面はべたつきの
ないものとなる。
【0020】この様な効果は、用いる2種のポリマーの
高沸点溶剤に対する親和性の差が、わずかであっても発
現し、実際、水性インクに含まれる高沸点溶剤の総量が
5重量%以下の場合にはこのような組み合わせでも印字
後のべたつきの少ない被記録材を得ることができるが、
本発明の効果を十分に得るためには、組み合わせるポリ
マーの高沸点溶剤に対する親和性の差はある程度以上大
きい方が好ましく、親和性測定の第一法におけるXの値
の比が1.2以上、より好ましくは1.5以上である
か、または、親和性測定の第2法における高沸点溶媒の
移動量が2mg以上、より好ましくは5mg以上である
ことが望まれる。
【0021】また、親和性を決定する試験の第一法にお
いて、Xの値が5以下であるポリマーは、高沸点溶媒と
の親和性が不足しており、親和性の相対的に高いポリマ
ーとして用いることはできない。
【0022】この様な組み合わせとするために、高沸点
溶剤との親和性が相対的に高い水溶性ポリマーとして、
特に好適に用いられるものとしては、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、
ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルメタクリル
アミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリイソプ
ロピルメタクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミ
ド、ポリジエチルメタクリルアミド、ポリメチルアクリ
ルアミド、ポリメチルメタクリルアミド、ポリエチルア
クリルアミド、ポリエチルメタクリルアミド、ポリビニ
ルホルムアミド、ポリビニルアセトアミド、および、類
似の物性を示す、これらの重合体を構成しているモノマ
ーからなる共重合体等が挙げられるが、本発明はこれら
に限定されるものではなく、またここに示したポリマー
同士の組み合わせでも、高沸点溶剤に対する親和性が相
対的に異なる場合には、好適に使用しうる。
【0023】また、高沸点溶剤との親和性が相対的に低
い水溶性ポリマーとして、特に好適に用いられるものと
しては、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、
ポリアクリロイルモルホリン、ポリメタクリロイルモル
ホリン、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリアク
リル酸ナトリウム、ポリ2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウムおよび、類似の物性を
示す、これらの重合体を構成しているモノマーからなる
共重合体等が挙げられるが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0024】また、インク受容層の表面側に設ける層が
被記録材の最表層となる場合には、この層を、通常の室
内環境条件、すなわち、気温25℃、相対湿度80%の
雰囲気下で、べたつきを生じるようなポリマーのみで構
成することは好ましくないが、上で具体的に示した高沸
点溶剤との親和性が相対的に低い水溶性ポリマーは、こ
のようなべたつきを生じることはなく、全て好適に使用
し得る。
【0025】また、被記録材の印字直後の湿潤時におけ
る表面の機械的強度を向上させる等の目的で、多価エポ
キシ化合物、多価アジリジン化合物、メチロール化合
物、ビニルスルホン酸化合物、多価イソシアネート化合
物、有機チタネート化合物等の適切な架橋剤を使用する
か、または電子線照射、紫外線照射、アニール法、凍結
−乾燥法等のポリマーの架橋方法を使用して、インク受
容層の表面側に設ける層を構成する高沸点溶媒に対する
親和性の相対的に低いポリマーを架橋させることも可能
である。
【0026】さらに、インク受容層の耐水性を向上させ
る等の目的で、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化
合物、メチロール化合物、ビニルスルホン酸化合物、多
価イソシアネート化合物、有機チタネート化合物等の適
切な架橋剤を使用するか、または電子線照射、アニール
法、凍結−乾燥法等のポリマーの架橋方法を使用して、
インク受容層の支持体側に設ける層を構成する高沸点溶
媒に対する親和性の相対的に高いポリマーを架橋させる
ことも可能である。
【0027】インク受容層の支持体側に設ける層を構成
するポリマー、および表面側に設ける層を構成するポリ
マーの双方を架橋させることによって、表面の機械的強
度に優れ、なおかつ耐水性の特に優れたインク受容層を
作製することが出来る。
【0028】さらに、被記録材上に形成された画像の耐
水性を向上させる目的で、インク受容層を構成するポリ
マーの内、少なくとも一種のポリマーを、各種のカチオ
ン性化合物で変性したり、各種のカチオン性モノマーを
共重合させたポリマーとする事によって、インクジェッ
ト記録に通常使用される酸性染料の定着性を向上させる
ことも可能である。
【0029】このとき、共重合させるカチオン性モノマ
ーの例としては、以下に示す各種のモノマーが挙げられ
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】すなわち、スチレンの誘導体であるカチオ
ン性モノマーとして、トリメチル−p−ビニルベンジル
アンモニウム クロライド、トリメチル−m−ビニルベ
ンジルアンモニウム クロライド、トリエチル−p−ビ
ニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m
−ビニルベンジルアンモニウム クロライド、N,N−
ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモ
ニウム クロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−
N−p−ビニルベンジルアンモニウム クロライド、
N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニル
ベンジルアンモニウム クロライド、N,N−ジメチル
−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニ
ウム クロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−
N−p−ビニルベンジルアンモニウム クロライド、
N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベン
ジルアンモニウム クロライド、N,N−ジメチル−N
−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルア
ンモニウム クロライド、N,N−ジメチル−N−フェ
ニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウム クロライ
ド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウム ブ
ロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウ
ム ブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアン
モニウム スルホネート、トリメチル−m−ビニルベン
ジルアンモニウム スルホネート、トリメチル−p−ビ
ニルベンジルアンモニウム アセテート、トリメチル−
m−ビニルベンジルアンモニウム アセテート、N,
N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)
エチルアンモニウム クロライド、N,N,N−トリエ
チル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニ
ウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−
2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウム クロ
ライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4
−ビニルフェニル)エチルアンモニウム アセテートな
どを挙げることができる。
【0031】また、(メタ)アクリル酸エステル、また
は(メタ)アクリルアミドの誘導体であるカチオン性モ
ノマーとして、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミドおよびN,N−ジエチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロラ
イド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブ
ロマイド、メチルアイオダイドあるいはエチルアイオダ
イドによる4級化物、または、それらのアニオンを置換
したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩ある
いはアルキルカルボン酸塩を挙げることができる。この
中で特に好ましい化合物としては、たとえば、トリメチ
ル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム
クロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキ
シ)エチルアンモニウム クロライド、トリメチル−2
−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウム クロラ
イド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチル
アンモニウム クロライド、トリメチル−3−(メタク
リロイルオキシ)プロピルアンモニウム クロライド、
トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルア
ンモニウム クロライド、トリメチル−2−(メタクリ
ロイルアミノ)エチルアンモニウム クロライド、トリ
エチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニ
ウム クロライド、トリメチル−2−(アクリロイルア
ミノ)エチルアンモニウム クロライド、トリエチル−
2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウム クロ
ライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プ
ロピルアンモニウム クロライド、トリエチル−3−
(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウム クロ
ライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロ
ピルアンモニウム クロライド、トリエチル−3−(ア
クリロイルアミノ)プロピルアンモニウム クロライ
ド、N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロ
イルオキシ)エチルアンモニウム クロライド、N,N
−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキ
シ)エチルアンモニウム クロライド、N,N−ジメチ
ル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピル
アンモニウム クロライド、トリメチル−2−(メタク
リロイルオキシ)エチルアンモニウム ブロマイド、ト
リメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモ
ニウム ブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイ
ルオキシ)エチルアンモニウム スルホネート、トリメ
チル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウ
ム アセテートなどを挙げることができる。
【0032】また、カチオン性アリル化合物として、ジ
アリルジメチルアンモニウム クロライド、ジアリルジ
エチルアンモニウム クロライド、ジアリルジメチルア
ンモニウム ブロマイド、ジアリルジメチルアンモニウ
ム スルホネート、ジアリルジメチルアンモニウム ア
セテートなどを挙げることができる。
【0033】本発明においてインクジェット被記録材を
製造する場合に、用いられる支持体としては、例えばポ
リエステルフィルム、樹脂被覆紙、キャスト紙、コート
紙などが主に用いられるが、ガラス、金属箔、蒸着紙、
蒸着フィルムなどその表面にインク受容層を設けること
ができる支持体であれば特に限定されるものではない。
【0034】また、インク受容層は、支持体の少なくと
も片面に設けられるが、カールを防止する等の目的で、
支持体の両面に設けてもよい。
【0035】本発明に用いる支持体として、ポリエステ
ルフィルムを用いる際には、その厚さに特に制限する必
要はないが、ハンドリング性とプリンターの通紙適性か
ら10〜200μm程度のものが好ましい。
【0036】本発明に用いる支持体として、樹脂被覆紙
を用いる際にも、厚さについては特に制限する必要はな
いが、ハンドリング性とプリンターの通紙適性から、5
0〜300μm程度のものが好ましい。また、樹脂被覆
紙を用いると写真ライクな被記録材が得られ、写真の印
画紙の風合いを得るためには200〜300μm程度の
ものが好ましい。
【0037】本発明における支持体には、インク受容層
と支持体との接着性向上等の目的でアンカー層を設けて
もよい。アンカー層にはゼラチン等の親水性バインダ
ー、ブチラール等の溶剤可溶性バインダー、ラテック
ス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含
有せしめることができる。
【0038】本発明における支持体には、帯電防止性、
搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のために、
インク受容層を設ける面と反対側の面に、各種のバック
コート層を塗設することができる。バックコート層に
は、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダ
ー、ラテックス、硬化剤、顔料、滑剤、界面活性剤等を
適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0039】本発明におけるインク受容層は、乾燥後の
べたつきを生じないものであるが、さらに、鏡面と密着
して取り扱いが困難になることを避けるために、受像層
を微粗面化する目的で、適切な粒径の樹脂粒子、シリカ
粒子等を受像層に含有せしめることができる。
【0040】さらに、本発明におけるインク受容層の表
面に、インクの拡がり等を調整するための、ポリマー、
各種の微粒子等からなる層を設けることもできる。
【0041】本発明におけるインク受容層塗液の塗布方
法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン
方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロー
ルコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の
塗布方法のいずれもが使用可能である。
【0042】インク受容層の作製に当たり、人体や環境
に悪影響を与える可能性のある有機溶剤を使用する必要
がないことは、本発明の特長の1つであるが、面質の向
上や、非水溶性成分を添加することを目的として、本発
明のインク受容層の塗液に各種の有機溶剤を添加するこ
とも可能である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
【0044】実施例1 白色ポリエステルフィルム(U2、帝人社製)をコロナ
処理した後、重量平均重合度約350のカルボン酸変性
可塑化ポリビニルアルコール(クラレ社製HL−120
3)の10重量%水溶液を乾燥後の重量が8g/m2
なるようにバーコーターを用いて塗布し、温風式乾燥器
を用いて乾燥後、さらに、重量平均重合度500、鹸化
度88%のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA−
205)の10重量%水溶液を乾燥後の重量が4g/m
2になるようにバーコーターを用いて塗布し、乾燥させ
て、インクジェット被記録材を得た。得られた被記録材
の表面は、写真調の光沢を有していた。また、両ポリマ
ーの高沸点溶剤に対する親和性試験を、第一法により、
グリセリンを使用して行った結果、HL−1203では
X=100、PVA−205ではX=20(Xの比率=
5)であった。
【0045】実施例2〜6、比較例1〜3 表1に示す組成でのモノマーを、20重量%の水溶液と
し、窒素雰囲気下60℃に加温した所に、モノマーに対
して0.5重量%の2、2′−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)二塩酸塩(和光純薬社製V−50)を添加し
て2時間反応させ、ポリマーA〜ポリマーFの6種類の
ポリマーを合成した。
【0046】
【表1】
【0047】表1で用いた記号は、それぞれ以下のモノ
マーを示す。 ACMO N−アクリロイルモルホリン(興人社製AC
MO)、 DMAA N,N−ジメチルアクリルアミド(興人社製
DMAA) DMAPAA N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルア
ミド(興人社製DMAPAA) DMAPAA-Q DMAPAAの塩化メチル四級塩(興人社製
DMAPAA−Q) X 合成したポリマーのグリセリンに対する親和
性の決定試験第一法におけるXの値
【0048】表2に示すポリマーの組み合わせにより、
実施例1と同様にしてインクジェット用被記録材を作製
した。得られた被記録材の表面は、いずれも写真調の光
沢を有していた。
【0049】
【表2】
【0050】表2中、ポリマー記号の後に付した*は、
該ポリマーを塗布する際に、ポリマーに対して10重量
%のエポキシ架橋剤エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル(ナガセ化成社製EX−810)を添加したこと
を示す。
【0051】比較例4 メタクリル酸メチル91重量%、アクリル酸9重量%か
らなる共重合ポリマー2.8g、重量平均分子量36万
のポリビニルピロリドン(GAF社製K−90)6.5
g、ポリエチレングリコール600 0.625gをエ
タノール/酢酸エチル=3/7からなる混合溶媒に10
重量%となるように溶解した組成物を実施例1で用いた
白色ポリエステルフィルム上に乾燥後の重量が16g/
2となるように塗布し、乾燥させてインクジェット被
記録材を得た。
【0052】比較例5 特開昭61−135788号の実施例1として記載され
ている方法に準じて、インクジェット被記録材を作製し
た。すなわち、ポリエチレンテレフタレート・フィルム
として本出願の実施例1で用いた白色ポリエステルフィ
ルムを用い、この表面に、水溶性アクリル樹脂(昭和高
分子社製コーガムHW−7)20g、ポリビニルアルコ
ール(クラレ社製PVA−420)5gを水75gに溶
解した液を乾燥後の重量が13g/m2となるように塗
工し、この上に、さらに、親水性ウレタン樹脂(タイホ
ー工業社製トリコートG)10gをアセトン90gに溶
解した液を乾燥後の重量が1g/m2となるように塗工
して、インクジェット被記録材を作製した。
【0053】比較例6 特開平4−97880号の実施例1として記載されてい
る方法に準じて、インクジェット被記録材を作製した。
すなわち、実施例1で用いた白色ポリエステルフィルム
に、ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA110)
の10重量%水溶液を乾燥後の重量が8g/m2となる
ように塗工し、140℃で5分間乾燥し、さらに重量平
均分子量36万のポリビニルピロリドン(GAF社製K
−90)60g、1、3−2、4−ジベンジリデン−D
−ソルビトール(新日本理化社製ゲルオールD)40g
をジメチルホルムアミド400gに溶解した溶液を乾燥
後の重量が6g/m2となるように塗工し、110℃で
5分間乾燥し、ここに、2−プロパノールの10重量%
水溶液を50g/m2付与し、室温下で20秒放置した
後70℃で5分間乾燥して、インクジェット被記録材を
作製した。
【0054】(評価)実施例1〜6および比較例1〜6
で得られたインクジェット被記録材にキヤノン社製BJ
C−600Jカラーインクジェットプリンターを用いて
画像を印字し、以下の試験を行い、その結果を表3に示
した。
【0055】(1)インク吸収性 べた印字部におけるインクのあふれを観察し、あふれの
生じているものを×、あふれの生じていないものを○と
した。
【0056】(2)べたつき性 べた印字部における印字後10分経過後の表面のべたつ
きを指触によって判定し、べたつきのあるものを×、べ
たつきのないものを○とした。
【0057】(3)表面強度 印字直後の被記録材の画像部表面を鉛筆の先端でひっか
き、きずの生じたものを×、きずの生じなかったものを
○とした。
【0058】(4)耐水性 作製した被記録材を30秒間水中に放置した後、表面を
ティッシュペーパーで拭き取り、インク受容層の残存の
有無を観察した。インク受容層が残存していなかったも
のを×、インク受容層が残存していたものを○とした。
また、耐水性が特に高く、インク受容層に目立った痕跡
を生じなかったものは◎とした。
【0059】(5)染料定着性 形成された画像の表面を水で濡らしたティッシュペーパ
ーで拭き取り、ティッシュペーパーへの染料の転写を観
察した。染料の転写が起こったものを×、染料の転写が
起こらなかったものを○とした。
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】本発明により、水性インクを用いたイン
クジェット記録において、印字後に画像部のべたつきを
生じないインクジェット被記録材を作製することが可能
になった。すなわち、実施例1〜6と比較例1〜6との
比較により明らかであるように、本発明により、従来困
難であった、インク受容層の塗工量が合理的な範囲にあ
り、インクの吸収性が十分であり、なおかつ印字後に画
像部のべたつきを生じないインクジェット被記録材の作
製が可能になった。
【0062】また、本発明により、表面側の層が架橋さ
れたポリマーから構成されることにより、印字直後の湿
潤時において、十分な表面の機械的強度を有するインク
ジェット被記録材を作製することが可能になった。すな
わち、表面側の層を構成するポリマーが架橋されていな
い実施例1〜3、比較例4〜6と該ポリマーが架橋され
ている実施例4〜6との比較により明らかであるよう
に、本発明により、十分な表面の機械的強度を有するイ
ンクジェット被記録材の作製が可能になった。
【0063】また、本発明により、支持体側の層が架橋
されたポリマーから構成されることにより、インク受容
層の耐水性に優れたインクジェット被記録材を作製する
ことが可能になった。すなわち、支持体側の層を構成す
るポリマーが架橋されていない実施例1、2および4、
比較例4〜6と該ポリマーが架橋された実施例3、5お
よび6との比較により明らかであるように、本発明によ
り、インク受容層の耐水性に優れたインクジェット被記
録材の作製が可能になった。
【0064】特に、表面側の層、支持体側の層の双方が
架橋されたポリマーから構成されることにより、印字直
後の湿潤時において十分な表面の機械的強度を有し、な
おかつインク受容層の耐水性の特に優れたインクジェッ
ト被記録材の作製が可能になった。すなわち、実施例
5、6により明らかであるように、本発明により、十分
な表面の機械的強度を有し、なおかつインク受容層の耐
水性の特に優れたインクジェット被記録材の作製が可能
になった。
【0065】さらに、本発明により、インク受容層を構
成するポリマーに、カチオン性官能基を導入することに
より、被記録材上に形成された画像の染料定着性に優れ
たインクジェット被記録材を作製することが可能になっ
た。すなわち、インク受容層を構成するポリマーにカチ
オン性官能基が導入されていない実施例1〜5、比較例
1〜6と該ポリマーにカチオン性官能基が導入されてい
る実施例6の比較により明らかであるように、本発明に
より、被記録材上に形成された画像の染料定着性に優れ
たインクジェット被記録材の作製が可能になった。
【0066】以上記したように、本発明により、印字後
の画像部のべたつきがなく、印字直後の画像部の機械的
強度に優れ、インク受容層の耐水性を有し、なおかつ形
成された画像の染料定着性に優れたインクジェット被記
録材の作製が可能になった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にインク受容層を設けたインク
    ジェット被記録材において、該インク受容層が少なくと
    も2層を積層したインク受容層であり、該各層は、イン
    ク中に含まれる高沸点溶剤に対する親和性の、相対的に
    高いポリマーで構成される層を支持体側に、相対的に低
    いポリマーで構成される層を表面側に積層してなること
    を特徴とするインクジェット被記録材。
  2. 【請求項2】 該親和性の異なるポリマーで構成される
    少なくとも2層を積層したインク受容層の少なくとも1
    層が、架橋されたポリマーから構成されることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載のインクジェット被記録
    材。
  3. 【請求項3】 該インク受容層を構成するポリマーが、
    1種以上のカチオン性官能基が導入されたポリマーであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項、または第2
    項記載のインクジェット被記録材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003097369A1 (fr) * 2002-05-15 2003-11-27 Kiwa Chemical Industry Co., Ltd. Stratifie pour impression, procede d'impression et matiere imprimee correspondants
US6783817B2 (en) 1999-10-25 2004-08-31 Oji Paper Co., Ltd. Ink jet recording sheet

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WO2003097369A1 (fr) * 2002-05-15 2003-11-27 Kiwa Chemical Industry Co., Ltd. Stratifie pour impression, procede d'impression et matiere imprimee correspondants
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