JPH09190996A - 薄膜構造体の製造方法 - Google Patents

薄膜構造体の製造方法

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JPH09190996A
JPH09190996A JP8161746A JP16174696A JPH09190996A JP H09190996 A JPH09190996 A JP H09190996A JP 8161746 A JP8161746 A JP 8161746A JP 16174696 A JP16174696 A JP 16174696A JP H09190996 A JPH09190996 A JP H09190996A
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JP
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thin film
substrate
manufacturing
film structure
sublimable substance
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JP8161746A
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English (en)
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Takeshi Irita
丈司 入田
Yoshihiko Suzuki
美彦 鈴木
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、基板に薄膜を形成してなる薄膜構
造体の製造方法に関し、薄膜と基板あるいは薄膜と薄膜
とが密着することを容易,確実に防止することを目的と
する。 【解決手段】 基板上に薄膜あるいは犠牲材となる薄膜
層を形成する工程と、前記基板または犠牲材をエッチン
グ溶液によりエッチングし、薄膜と薄膜との間または薄
膜と基板との間に微小間隙を形成する工程と、前記エッ
チング溶液を洗浄溶液により洗浄除去する工程と、前記
微小間隙に存在する前記洗浄溶液が乾燥する前に前記薄
膜と薄膜との間または薄膜と基板との間に溶融状態の昇
華性物質を付着させる工程と、前記昇華性物質を凝固さ
せる工程と、前記昇華性物質を昇華させる工程とを有し
て構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に薄膜を形成
してなる薄膜構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造技術の発展にともな
い、これ等の技術を用いてミクロンオーダーの微小構造
物あるいは微小機械要素が得られるようになっている。
これ等の要素において、例えば、自己支持型の薄膜構造
体、すなわち薄膜の一部が基板から浮いており、基板に
弾性的に支持される構造体は、アクチュエータ(駆動要
素),センサー,マイクログリッパー(例えば特開平5
−253870号に開示)等へ応用する構造体として極
めて有用である。
【0003】従来、このような薄膜構造体を製造する場
合には、基板に薄膜の成膜と所望のパターニングを行っ
た後、基板自体あるいは基板と薄膜との間にある犠牲層
のみをエッチング溶液中で選択的にエッチングして取り
除く方法がとられている。このエッチングは、純水,イ
ソプロピルアルコール等の洗浄溶液に基板を浸し、エッ
チング溶液を充分に洗浄除去することにより終了され
る。
【0004】そして、基板を洗浄溶液から引き上げ乾燥
することにより目的の薄膜構造体が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
薄膜構造体の製造方法では、エッチング溶液中で薄膜と
基板あるいは薄膜と薄膜との間に微小間隙を形成した後
に、洗浄溶液によりエッチング溶液を除去しているた
め、乾燥時に、薄膜と基板との間あるいは薄膜と薄膜と
の間の微小間隙に存在する洗浄溶液の表面張力により、
薄膜と基板あるいは薄膜と薄膜とが密着してしまうとい
う問題があった。
【0006】本発明は、かかる従来の問題を解決するた
めになされたもので、薄膜と基板あるいは薄膜と薄膜と
が密着することを容易,確実に防止することができる薄
膜構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の薄膜構造体の
製造方法は、基板上に薄膜あるいは犠牲材となる薄膜層
を形成する工程と、前記基板または犠牲材をエッチング
溶液によりエッチングし、薄膜と薄膜との間または薄膜
と基板との間に微小間隙を形成する工程と、前記エッチ
ング溶液を洗浄溶液により洗浄除去する工程と、前記微
小間隙に存在する前記洗浄溶液が乾燥する前に前記薄膜
と薄膜との間または薄膜と基板との間に溶融状態の昇華
性物質を付着させる工程と、前記昇華性物質を凝固させ
る工程と、前記昇華性物質を昇華させる工程とを有する
ことを特徴とする。
【0008】請求項2の薄膜構造体の製造方法は、基板
上に薄膜あるいは犠牲材となる薄膜層を形成する工程
と、前記基板または犠牲材をエッチング溶液によりエッ
チングし、薄膜と薄膜との間または薄膜と基板との間に
微小間隙を形成する工程と、前記エッチング溶液を洗浄
溶液により洗浄除去する工程と、前記洗浄溶液が乾燥す
る前に前記洗浄溶液および昇華性物質になじみの良好な
前処理溶剤を付着する工程と、前記微小間隙に存在する
前記前処理溶剤が乾燥する前に前記薄膜と薄膜との間ま
たは薄膜と基板との間に溶融状態の昇華性物質を付着さ
せる工程と、前記昇華性物質を凝固させる工程と、前記
昇華性物質を昇華させる工程とを有することを特徴とす
る。
【0009】請求項3の薄膜構造体の製造方法は、請求
項1または2記載の薄膜構造体の製造方法において、前
記昇華性物質の昇華を、大気圧中で行うことを特徴とす
る。請求項4の薄膜構造体の製造方法は、請求項3記載
の薄膜構造体の製造方法において、前記昇華性物質の昇
華を、常温で行うことを特徴とする。請求項5の薄膜構
造体の製造方法は、請求項1ないし4のいずれか1項記
載の薄膜構造体の製造方法において、前記溶融状態の昇
華性物質の温度が、50℃以上で220℃以下であるこ
とを特徴とする。
【0010】請求項6の薄膜構造体の製造方法は、請求
項1ないし5のいずれか1項記載の薄膜構造体の製造方
法において、前記昇華性物質は、ナフタレンまたはパラ
ジクロロベンゼンからなることを特徴とする。請求項7
の薄膜構造体の製造方法は、請求項1ないし6のいずれ
か1項記載の薄膜構造体の製造方法において、前記前処
理溶剤は、イソプロピルアルコール,メタノール,エタ
ノール,ブタノール,アセトン,エーテルまたはシクロ
ヘキサノールから選ばれた1の物質またはこれらの混合
液からなることを特徴とする。
【0011】(作用)請求項1の薄膜構造体の製造方法
では、先ず、基板上に薄膜あるいは犠牲材となる薄膜層
が形成される。次に、基板または犠牲材がエッチング溶
液によりエッチングされ、薄膜と薄膜との間または薄膜
と基板との間に微小間隙が形成される。
【0012】この後、エッチング溶液が洗浄溶液により
洗浄除去される。次に、微小間隙に存在する洗浄溶液が
乾燥する前に、薄膜と薄膜との間または薄膜と基板との
間の微小間隙に溶融状態の昇華性物質が付着される。
【0013】そして、昇華性物質が凝固された後、その
まま昇華され所定の薄膜構造体が得られる。請求項2の
薄膜構造体の製造方法では、先ず、基板上に薄膜あるい
は犠牲材となる薄膜層が形成される。次に、基板または
犠牲材がエッチング溶液によりエッチングされ、薄膜と
薄膜との間または薄膜と基板との間に微小間隙が形成さ
れる。
【0014】この後、エッチング溶液が洗浄溶液により
洗浄除去される。次に、微小間隙に存在する洗浄溶液が
乾燥する前に、洗浄溶液および昇華性物質になじみの良
好な前処理溶剤が洗浄溶液に置き換えて付着される。こ
の後、微小間隙に存在する前処理溶剤が乾燥する前に、
薄膜と薄膜との間または薄膜と基板との間の微小間隙に
溶融状態の昇華性物質が付着される。
【0015】そして、昇華性物質が凝固された後、その
まま昇華され所定の薄膜構造体が得られる。請求項3の
薄膜構造体の製造方法では、昇華性物質の昇華が、大気
圧中で行われる。請求項4の薄膜構造体の製造方法で
は、昇華性物質の昇華が、常温(例えば、10℃以上で
40℃以下の温度)で行われる。
【0016】請求項5の薄膜構造体の製造方法では、溶
融状態の昇華性物質の温度が、50℃以上で220℃以
下とされる。請求項6の薄膜構造体の製造方法では、昇
華性物質に、融点の比較的低いナフタレンまたはパラジ
クロロベンゼンが使用される。請求項7の薄膜構造体の
製造方法では、前処理溶剤として、イソプロピルアルコ
ール,メタノール,エタノール,ブタノール,アセト
ン,エーテルまたはシクロヘキサノールから選ばれた1
の物質またはこれらの混合液が使用される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。図1は、本発明の薄膜構造体の
製造方法の第1の実施形態により製造されたフレキシブ
ルマイクログリッパー(Jpn.J.Appl.Phys.vol.33 pp210
7-2112 1994参照)を示している。
【0018】このフレキシブルマイクログリッパーは、
シリコン(Si)からなる支持体11の両面から、窒化
シリコン膜からなる一対のフィンガー部13,15を突
出して形成されている。そして、一対のフィンガー部1
3,15の間に微小間隙17が形成されている。フィン
ガー部13,15には、金からなる薄膜コイル19が形
成されている。
【0019】薄膜コイル19は、支持体11の両面に形
成される金からなる電極21に接続されている。フィン
ガー部13,15の先端には、保持突起23が形成され
ている。上述したフレキシブルマイクログリッパーは、
本発明の薄膜構造体の製造方法の第1の実施形態により
以下述べるように製造される。
【0020】先ず、図2の(a),(b)に示すよう
に、シリコン基板25の両面の全体に、LPCVD法に
より厚さ0.7μmの窒化シリコン膜27が成膜され
る。次に、この窒化シリコン膜27が、フィンガー部1
3および支持体11の形状が得られるようにパターニン
グされる。この後、金からなる薄膜コイル19および電
極21がリフトオフ法により形成される。
【0021】次に、試料が水酸化カリウム(KOH)水
溶液に浸漬され、シリコン基板25の不要なシリコン部
がエッチングにより除去され、(c)に示すような試料
が得られる。
【0022】この後、試料が純水により洗浄され、水酸
化カリウム水溶液が除去されエッチングが停止される。
次に、純水が乾燥する前に、試料がイソプロピルアルコ
ールに浸漬され、一対のフィンガー部13,15の間の
微小間隙17に存在する純水がイソプロピルアルコール
に置き換えられる。
【0023】この後、イソプロピルアルコールから試料
が引き上げられ、乾燥する前に、溶融状態のナフタレン
溶液に浸漬される。なお、ナフタレン溶液は融点である
80℃より若干高い温度まで加熱され溶融状態とされて
いる。次に、試料の細部までナフタレン溶液が付着した
ところで、試料が常温かつ大気圧の空気中に引き上げら
れナフタレンが迅速に凝固される。
【0024】なお、ここで常温とは、例えば10℃以上
で40℃以下の通常室内雰囲気温度であり、大気圧とは
約1気圧の圧力をいう。この後、試料に付着しているナ
フタレンが常温かつ大気圧の空気中で昇華除去され、図
1に示したようなフレキシブルマイクログリッパーが製
造される。上述した工程を簡単にまとめると図3に示す
ようになる。
【0025】上述した薄膜構造体の製造方法では、一対
のフィンガー部13,15の間の微小間隙17に存在す
るイソプロピルアルコールが乾燥する前に、一対のフィ
ンガー部13,15の間に溶融状態のナフタレンを付着
し、付着したナフタレンをそのまま凝固,昇華するよう
にしたので、一対のフィンガー部13,15が密着する
ことを容易,確実に防止することができる。
【0026】すなわち、従来のようにエッチング溶液中
で一対のフィンガー部13,15を形成した後に、洗浄
溶液によりエッチング溶液を除去し、このまま洗浄溶液
を乾燥すると、一対のフィンガー部13,15の間の微
小間隙17に存在する洗浄溶液の表面張力により、乾燥
時に一対のフィンガー部13,15が密着するという問
題が発生するが、上述した製造方法では、一対のフィン
ガー部13,15の間に溶融状態のナフタレンを付着し
て洗浄溶液を除去し、付着したナフタレンをそのまま凝
固,昇華するようにしたので、一対のフィンガー部1
3,15が密着することを容易,確実に防止することが
できる。
【0027】そして、上述した薄膜構造体の製造方法で
は、エッチング溶液を純水により洗浄除去した後、一対
のフィンガー部13,15の間の微小間隙17に存在す
る純水が乾燥する前に、純水を、純水および昇華性物質
になじみの良好なイソプロピルアルコールに置き換えて
付着させ、この後、微小間隙17に存在するイソプロピ
ルアルコールが乾燥する前に、イソプロピルアルコール
に置き換えて溶融状態のナフタレンを付着するようにし
たので、ナフタレンを薄膜構造体の微小間隙17に迅
速,確実に付着することができる。
【0028】また、上述した薄膜構造体の製造方法で
は、ナフタレンの昇華を大気圧中で行うようにしたの
で、特別な圧力雰囲気を形成することなく、ナフタレン
を容易,確実に昇華することができる。さらに、上述し
た製造方法では、ナフタレンの昇華を、常温の室温で行
うようにしたので、特別な温度雰囲気を形成することな
く、ナフタレンを容易,確実に昇華することができる。
【0029】また、上述した製造方法では、80℃程度
の比較的低温度においてナフタレンを溶融するようにし
たので、ナフタレンを容易に溶融することができる。さ
らに、上述した薄膜構造体の製造方法では、昇華性物質
に、融点の比較的低いナフタレンを使用したので、一対
のフィンガー部13,15の間の微小間隙17に溶融状
態の昇華性物質を容易,確実に付着することができる。
【0030】図4は、本発明の薄膜構造体の製造方法の
第2の実施形態により製造された薄膜構造体を示してい
る。この薄膜構造体は、シリコン(Si)からなる支持
体29の一面に、多結晶シリコンからなる片持ち梁31
および両持ち梁を突出して形成されている。
【0031】そして、片持ち梁31と支持体29、およ
び両持ち梁33と支持体29との間に微小間隙35,3
7が形成されている。上述した薄膜構造体は、本発明の
薄膜構造体の製造方法の第2の実施形態により以下述べ
るように製造される。先ず、図5の(a)に示すよう
に、シリコン基板39の一面に、犠牲層41となる酸化
シリコン膜が、スパッタリングにより成膜されパターニ
ングされる。
【0032】次に、犠牲層41の外側に、多結晶シリコ
ン膜43がCVD法により成膜され、片持ち梁31およ
び両持ち梁33となる形状が得られるようにパターニン
グされる。この後、試料がフッ酸(HF)水溶液に浸漬
され、犠牲層41がエッチングにより除去され、(c)
に示すような試料が得られる。
【0033】この後、試料が純水により洗浄され、フッ
酸水溶液が除去されエッチングが停止される。次に、試
料がイソプロピルアルコールに浸漬される。この後、イ
ソプロピルアルコールから試料が引き上げられ、乾燥す
る前に、溶融状態のナフタレン溶液に浸漬される。
【0034】なお、ナフタレン溶液は融点である80℃
より若干高い温度まで加熱され溶融状態とされている。
次に、試料の細部までナフタレン溶液が付着したところ
で、試料が常温かつ大気圧の空気中に引き上げられナフ
タレンが迅速に凝固される。この後、試料に付着してい
るナフタレンが常温かつ大気圧の空気中で昇華除去さ
れ、図4に示したような片持ち梁31および両持ち梁3
3を有する薄膜構造体が製造される。
【0035】上述した薄膜構造体の製造方法では、片持
ち梁31と支持体29との間の微小間隙35に存在する
イソプロピルアルコールが乾燥する前に、片持ち梁31
と支持体29との間の微小間隙35に溶融状態のナフタ
レンを付着し、付着したナフタレンをそのまま凝固,昇
華するようにしたので、片持ち梁31と支持体29とが
密着することを容易,確実に防止することができる。
【0036】図6および図7は、本発明の薄膜構造体の
製造方法の第3の実施形態により製造されたマイクロ静
電モータを示している。このマイクロ静電モータでは、
シリコン(Si)からなる円柱状の支持体45の一面
に、窒化シリコン層47が形成されている。なお、支持
体45の形状は、円柱状に限定されるものではない。
【0037】窒化シリコン層47の中央には、軸受部4
9と軸受支持部51とからなる軸受け53が突出して形
成されている。軸受部49と軸受支持部51とは、多結
晶シリコンからなる。軸受部49には、多結晶シリコン
からなるローター55が回転可能に支持されている。
【0038】そして、ローター55と窒化シリコン層4
7との間に微小間隙57が形成されている。ローター5
5の外側には、多結晶シリコンからなるステーター59
が形成されている。ステーター59の上面には、アルミ
電極61が形成されている。
【0039】上述したマイクロ静電モータは、本発明の
薄膜構造体の製造方法の第3の実施形態により以下述べ
るように製造される。先ず、図8の(a)に示すよう
に、シリコン基板63の一面に、電気的アイソレーショ
ンを目的として窒化シリコン層47が成膜される。
【0040】次に、第1の犠牲層65となる燐化シリコ
ンガラス(Phosphosilicate-Glass)が、LPCVD法
により堆積されパターニングされる。次に、(b)に示
すように、第1の犠牲層65の外側に、多結晶シリコン
67がLPCVD法により堆積され、回転子となるロー
ター55、ローター55の周囲を囲むステーター59、
軸受支持部51の形状が得られるようにパターニングさ
れる。
【0041】この後、(c)に示すように、第2の犠牲
層69となる燐化シリコンガラスが、LPCVD法によ
り堆積されパターニングされる。次に、(d)に示すよ
うに、第2の犠牲層69の外側に、多結晶シリコン71
がLPCVD法により堆積され、軸受部49の形状が得
られるようにパターニングされる。
【0042】この後、試料がフッ酸水溶液に浸漬され、
燐化シリコンガラスからなる第1および第2の犠牲層6
5,69がエッチングにより除去され、(e)に示すよ
うな試料が得られる。この後、試料が純水により洗浄さ
れ、フッ酸水溶液が除去されエッチングが停止される。
【0043】次に、試料がイソプロピルアルコールに浸
漬される。この後、イソプロピルアルコールから試料が
引き上げられ、乾燥する前に、溶融状態のナフタレン溶
液に浸漬される。なお、ナフタレン溶液は融点である8
0℃より若干高い温度まで加熱され溶融状態とされてい
る。
【0044】次に、試料の細部までナフタレン溶液が付
着したところで、試料が常温かつ大気圧の空気中に引き
上げられナフタレンが迅速に凝固される。この後、試料
に付着しているナフタレンが常温かつ大気圧の空気中で
昇華除去され、図6に示したようなマイクロ静電モータ
が製造される。
【0045】上述した薄膜構造体の製造方法では、ロー
ター55と窒化シリコン層47との間の微小間隙57に
存在するイソプロピルアルコールが乾燥する前に、ロー
ター55と窒化シリコン層47との間の微小間隙57に
溶融状態のナフタレンを付着し、付着したナフタレンを
そのまま凝固,昇華するようにしたので、ローター55
と窒化シリコン層47とが密着することを容易,確実に
防止することができる。
【0046】なお、以上述べた実施形態では、昇華性物
質にナフタレンを用いた例について説明したが、本発明
はかかる実施形態に限定されるものではなく、昇華性物
質には、例えば、次表に示すような物質を使用すること
ができる。
【表1】 これ等の昇華性物質のうちナフタレンおよびパラジクロ
ロベンゼンは、融点が比較的低いため、扱いが容易であ
り、また微小間隙17,35,57への付着性も良好で
ある。
【0047】また、以上述べた実施形態では、前処理溶
剤に、純水および昇華性物質になじみの良好なイソプロ
ピルアルコールを用いた例について説明したが、本発明
はかかる実施形態に限定されるものではなく、例えば、
純水および昇華性物質になじみの良好な、メタノール,
エタノール,ブタノール,アセトン,エーテルまたはシ
クロヘキサノールから選ばれた1の物質またはこれらの
混合液を使用しても良い。
【0048】さらに、以上述べた実施形態では、洗浄溶
液に純水を用いた例について説明したが、本発明はかか
る実施形態に限定されるものではなく、例えば、界面活
性剤あるいはアルコールを含む水溶液、またはアルコー
ルを使用しても良い。そして、洗浄溶液に、イソプロピ
ルアルコール等のアルコールを使用する場合には、アル
コールが洗浄溶液と前処理溶剤とを兼ねるため、別途前
処理溶剤を使用することなく直接昇華性物質を付着する
ことができる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の薄膜構造
体の製造方法では、薄膜と薄膜との間または薄膜と基板
との間の微小間隙に存在する洗浄溶液が乾燥する前に、
微小間隙に溶融状態の昇華性物質を付着し、付着した昇
華性物質をそのまま凝固,昇華するようにしたので、薄
膜と基板あるいは薄膜と薄膜とが密着することを容易,
確実に防止することができる。
【0050】請求項2の薄膜構造体の製造方法において
も請求項1と同様の効果を得ることができるが、請求項
2の薄膜構造体の製造方法では、エッチング溶液を洗浄
溶液により洗浄除去した後、薄膜と薄膜との間または薄
膜と基板との間の微小間隙に存在する洗浄溶液が乾燥す
る前に、洗浄溶液および昇華性物質になじみの良好な前
処理溶剤を洗浄溶液に置き換えて付着させ、この後、微
小間隙に存在する前処理溶剤が乾燥する前に、前処理溶
剤に置き換えて溶融状態の昇華性物質を付着するように
したので、昇華性物質を薄膜構造体の微小間隙に迅速,
確実に付着することができる。
【0051】請求項3の薄膜構造体の製造方法では、昇
華性物質の昇華を大気圧中で行うようにしたので、特別
な圧力雰囲気を形成することなく、昇華性物質を容易,
確実に昇華することができる。請求項4の薄膜構造体の
製造方法では、昇華性物質の昇華を、常温で行うように
したので、特別な温度雰囲気を形成することなく、昇華
性物質を容易,確実に昇華することができる。
【0052】請求項5の薄膜構造体の製造方法では、溶
融状態の昇華性物質の温度を、50℃以上で220℃以
下にしたので、比較的低温度において、昇華性物質を容
易,確実に溶融することができる。請求項6の薄膜構造
体の製造方法では、昇華性物質に、融点の比較的低いナ
フタレンまたはパラジクロロベンゼンを使用するように
したので、薄膜と基板との間に溶融状態の昇華性物質を
容易,確実に付着することができる。
【0053】請求項7の薄膜構造体の製造方法では、前
処理溶剤に、イソプロピルアルコール,メタノール,エ
タノール,ブタノール,アセトン,エーテルまたはシク
ロヘキサノールから選ばれた1の物質またはこれらの混
合液を使用するようにしたので、純水等の洗浄溶液と前
処理溶剤との置換、および、前処理溶剤と昇華性物質と
の置換を迅速,確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜構造体の製造方法の第1の実施形
態により製造されたフレキシブルマイクログリッパーを
示す斜視図である。
【図2】図1のフレキシブルマイクログリッパーの製造
方法を示す説明図である。
【図3】図1のフレキシブルマイクログリッパーの製造
工程を簡単に示す工程図である。
【図4】本発明の薄膜構造体の製造方法の第2の実施形
態により製造された片持ち梁と両持ち梁を有する薄膜構
造体を示す斜視図である。
【図5】図4のフレキシブルマイクログリッパーの製造
方法を示す説明図である。
【図6】本発明の薄膜構造体の製造方法の第3の実施形
態により製造されたマイクロ静電モータを示す斜視図で
ある。
【図7】図6の−線に沿う断面図である。
【図8】図6のマイクロ静電モータの製造方法を示す説
明図である。
【符号の説明】
11,29 支持体 13,15 フィンガー部 17,35,57 微小間隙 31 片持ち梁 41 犠牲層 47 窒化シリコン層 55 ローター 65 第1の犠牲層 69 第2の犠牲層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に薄膜あるいは犠牲材となる薄膜
    層を形成する工程と、 前記基板または犠牲材をエッチング溶液によりエッチン
    グし、薄膜と薄膜との間または薄膜と基板との間に微小
    間隙を形成する工程と、 前記エッチング溶液を洗浄溶液により洗浄除去する工程
    と、 前記微小間隙に存在する前記洗浄溶液が乾燥する前に前
    記薄膜と薄膜との間または薄膜と基板との間に溶融状態
    の昇華性物質を付着させる工程と、 前記昇華性物質を凝固させる工程と、 前記昇華性物質を昇華させる工程と、を有することを特
    徴とする薄膜構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上に薄膜あるいは犠牲材となる薄膜
    層を形成する工程と、 前記基板または犠牲材をエッチング溶液によりエッチン
    グし、薄膜と薄膜との間または薄膜と基板との間に微小
    間隙を形成する工程と、 前記エッチング溶液を洗浄溶液により洗浄除去する工程
    と、 前記洗浄溶液が乾燥する前に前記洗浄溶液および昇華性
    物質になじみの良好な前処理溶剤を付着する工程と、 前記微小間隙に存在する前記前処理溶剤が乾燥する前に
    前記薄膜と薄膜との間または薄膜と基板との間に溶融状
    態の昇華性物質を付着させる工程と、 前記昇華性物質を凝固させる工程と、 前記昇華性物質を昇華させる工程と、を有することを特
    徴とする薄膜構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の薄膜構造体の製
    造方法において、 前記昇華性物質の昇華を、大気圧中で行うことを特徴と
    する薄膜構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の薄膜構造体の製造方法に
    おいて、 前記昇華性物質の昇華を、常温で行うことを特徴とする
    薄膜構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項記載の
    薄膜構造体の製造方法において、 前記溶融状態の昇華性物質の温度が、50℃以上で22
    0℃以下であることを特徴とする薄膜構造体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項記載の
    薄膜構造体の製造方法において、 前記昇華性物質は、ナフタレンまたはパラジクロロベン
    ゼンからなることを特徴とする薄膜構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    薄膜構造体の製造方法において、 前記前処理溶剤は、イソプロピルアルコール,メタノー
    ル,エタノール,ブタノール,アセトン,エーテルまた
    はシクロヘキサノールから選ばれた1の物質またはこれ
    らの混合液からなることを特徴とする薄膜構造体の製造
    方法。
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