JPH09189330A - 銅系すべり軸受及びCu−Mo系皮膜めっき方法 - Google Patents

銅系すべり軸受及びCu−Mo系皮膜めっき方法

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JPH09189330A JP290196A JP290196A JPH09189330A JP H09189330 A JPH09189330 A JP H09189330A JP 290196 A JP290196 A JP 290196A JP 290196 A JP290196 A JP 290196A JP H09189330 A JPH09189330 A JP H09189330A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケルメットなどの銅系すべり軸受が潤滑油中
に含有される硫黄により腐食される硫化腐食を起こり難
くする。 【構成】 金属Moもしくは酸化Mo形態のMoを金属
Mo換算で0.01〜5重量%を含有し、残部が実質的
にCuからなるCu−Mo系皮膜で銅系すべり軸受合金
を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銅系すべり軸受及び
Cu−Mo系皮膜めっき方法に関するものである。さら
に詳しく述べるならば本発明は、特に、エンジンクラン
ク軸用メインメタル、コンロッド大端部メタル、トラン
スミッション用ブシュもしくはワッシャ、ピストンピン
ブシュ、カムブシュ、バランサ軸受(ブシュメタル)あ
るいはターボチャージャ用各種部品、例えば、フローテ
ィングブシュ、スラストワッシャ等の硫黄系添加剤を含
有する潤滑油による潤滑下で使用されることがある部品
用すべり軸受に関するものである。また、本発明は上記
すべり軸受の表面層を形成するのに適したCu−Mo系
皮膜めっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来上記摺動材料としては鉛青銅あるい
はりん青銅などが使用されてきた。また、これらの銅合
金の耐焼付性を向上させるために、P,AlなどのCu
マトリックスを強化する元素を添加する、なじみ性が優
れたBiなどを添加するなどの提案がなされ、それなり
の成果を達成している。
【0003】しかしながら、鉛青銅もしくはりん青銅は
硫黄分が多い潤滑油中かつ/または高温で使用される
と、表面に黒色の硫化銅が生成し、この硫化銅層は強度
が弱くかつ母材に密着していないために容易に剥離し、
この結果焼付もしくは異常摩耗を起こす。また腐食によ
って材料の強度劣化や疲労が起こる。さらに、潤滑油が
少なく混合もしくは境界潤滑領域の摺動条件では鉛青銅
及びりん青銅は容易に焼付を招く。
【0004】上記した摺動材料と相手材の間を潤滑する
潤滑油としては、エンジンオイル、トランスミッション
オイル、ギヤオイル等があり、これらには硫黄系添加剤
が添加されていることが多い。
【0005】まず、ガソリンエンジンオイルには、エン
ジンオイルの酸化劣化を防止するためのジアルキルモノ
サルファイド、エンジンオイルの酸化により発生するス
ラッジを洗浄するスルフォネート系もしくはフェネート
系金属洗浄剤、低粘度エンジンオイルの泡立ちを防止す
るジチオフォスフェートモリブデン化合物、ジチオカー
バメイトモリブデン化合物等が添加される。上記のジア
ルキルモノサルファイドは基油の酸化により生成するハ
イドロパーオキサイドをイオン的に分解すると考えられ
ている。しかしながら、これらの添加剤の副作用も指摘
されており、例えば、金属系洗浄剤は硫酸灰分スラッジ
を生成するために使用量が制限されている。また、泡立
ち防止剤も軸受メタルの性能に悪影響を及ぼすこともあ
ると言われている。
【0006】ディーゼルエンジンオイルにはすすによる
摩耗対策としてZnDTP(ジアルキルジオりん酸亜
鉛)が添加される。ロータリーエンジンオイルには、硫
黄系極圧添加剤としては、硫化オレフィン、硫化油脂等
が、また有機金属系摩耗防止剤としてはチオりん酸亜
鉛、硫化モリブデンジチオカルバメートがそれぞれ添加
される。
【0007】トランスミッションオイル及びギアオイル
には、硫黄系極圧添加剤として硫化オレフィン、硫化油
脂等が、また有機金属系摩耗防止剤としてチオりん酸亜
鉛、硫化モリブデンジチオカルバメート、及び/または
りん系摩耗防止剤としてりん酸エステルアミン塩などが
添加されている。これらのオイル中の硫黄濃度は現在の
市販油では0.37〜1.7%であり、またこれらの添
加剤の量が多いと銅の腐食が起こると言われている。
【0008】上記した各種潤滑油が劣化すると、銅系摺
動材料は潤滑油による腐食の問題が起こることが知られ
ており、その腐食対策として本出願人は次のような特許
出願を行った。
【0009】米国特許第4878768号:ディーゼル
エンジンに使用されるすべり軸受のCu−Pb系焼結合
金中のスケルトン内部の間隙に存在するPb相が劣化油
により腐食するのを防止するためにInをPb相に添加
する。
【0010】特願平5−263242号:Zn−15%
を超え40%以下、黒鉛−0.5〜6%、及びAl2
3 ,SiO2 ,Fe3 Pの1種以上−0.5〜6%,残
部Cuからなる焼結銅合金系摺動部材。この出願では劣
化トランスミッションオイルが銅合金表面にCuSを形
成することによる腐食を防止するために上記した量のZ
nを添加している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】硫黄系添加剤を添加し
た潤滑油を用いかつ実機の使用条件をほぼ再現する条件
で銅系摺動材料の摺動試験を本発明者等が行ったとこ
ろ、潤滑油の全酸価が次のように著しく増大することが
認められた。 時間(h) 0 50 100 150 220 全酸価(mgKOH/g) 1.3 6.4 18.0 21.5 22.3 強酸価(mgKOH/g) 0 0 0.1 0.2 0.3 全塩基価(mgKOH/g)3.8 0.5 0 0 0
【0012】従来のケルメット及び本出願人が提案した
対策を講じた銅系摺動材料はこのような条件下での耐食
性が不十分であることが判明した。特にピストンピンブ
シュ、オートマチックトランスミッションブシュ等のす
べり軸受の使用環境は、きびしさが増して、使用温度の
上昇が著しくなっており、油中の硫黄と銅が反応し硫化
銅を形成し摩耗が進行し、あるいは高温になることによ
り油膜切れが生じ、焼付が発生する問題が生じている。
一方、本出願人が特願平7−439182号にて提案し
た、銅合金に5〜50%Ni及び0.1〜2%Agを添
加する方法は有効な対策であったが、添加元素の総量が
比較的多くまた高価な銀を使用するので、これに代わる
方法を見出す必要があった。
【0013】したがって、本発明は、硫黄系添加剤を添
加した潤滑油であって劣化した潤滑油に対して抵抗性が
優れた銅系摺動材料を開発することによりすべり軸受の
性能を高めることを目的とする。また、本発明は上記す
べり軸受の表面処理として優れた耐食性を発揮するCu
−Mo系皮膜のめっき等による形成方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明に係る銅系すべ
り軸受は、裏金上に接着された銅系すべり軸受合金を含
んでなる銅系すべり軸受材料において、前記銅系すべり
軸受合金を被覆するCu−Mo系皮膜をさらに含み、該
Cu−Mo系皮膜は、金属Moもしくは酸化Mo形態の
Moを金属Mo換算で0.01〜5重量%を含有し、残
部が実質的にCuからなることを特徴とするものであ
る。以下、本発明をより詳しく説明する。
【0015】本発明における銅系すべり軸受合金は、鉛
青銅(JIS LBC3,LBC1,LBC6)、Cu
−3.0%Sn−23.0%Pb−3.0%Fe系鉛青
銅、銅鉛合金(JIS KJ4,LBC6),りん青
銅、銀添加銅などの各種材料であってよい。これらの銅
合金は軟鋼、構造用鋼などの裏金上に焼結、鋳造法など
により接着されている。またこれら銅合金の厚さは通常
の範囲であってよい。このような銅合金を以下「ライニ
ング」と称する。
【0016】本発明が最も特徴とするところは、ライニ
ングを被覆するCu−Mo系皮膜を鋳造、焼結、電気め
っき、溶射、真空蒸着などの任意の方法で形成すること
によって、潤滑油中の硫黄に対する耐食性を著しく高め
たところにある。すなわち、Cu自体は耐硫化腐食性が
不良であるが微量の金属Mo及び/又は酸化Moを添加
することによって、この性質が著しく改良される。この
理由は以下のとおりであると考えられる。
【0017】Moは空気混入潤滑油中で次式により酸化
される。 Mo+O2 →MoO2 ・・・・・・・・・・・・(1) 上記により酸化されたMoO2 あるいは皮膜中に最初か
ら酸化物形態で存在するMoO2 は次式により硫黄と反
応する。 MoO2 +3S→MoS2 +SO2 ・・・・・・・・・・・・(2) この反応は次式によるCuの硫化反応を抑制するために
銅の腐食が抑えられ、また反応生成物であるMoS2
低摩擦特性をもっているために摺動特性の向上にも寄与
する。 Cu+S→CuS・・・・・・・・・・・・(3)
【0018】本発明におけるCu−Mo系皮膜ではMo
は金属形態で存在していてもよく、この場合は潤滑油中
に溶解した空気中の酸素あるいは有機化合物に含まれる
酸素と該皮膜がまず反応して耐硫化腐食性が高められ
る。またMoは本発明におけるCu−Mo系複合皮膜で
は最初から酸化物形態で存在していてもよく、また酸化
物と金属が共存していてもよい。
【0019】金属Mo及び/又は酸化Moの量がMo換
算で0.01重量%未満であると、上記した耐硫化腐食
性向上の効果が少なく、一方5.0重量%を超えると耐
疲労性が低下するので、これらの含有量は0.01〜
5.0重量%の範囲であることが必要である。より好ま
しい含有量は0.05〜2.0重量%である。
【0020】本発明のCu−Mo系皮膜は、Pbを10
重量%以下さらに含有することもできる。Pbは摺動特
性を向上する面で好ましい元素であり、またMoより硫
化物との反応性が少ないのでMoの反応を阻害しないか
らである。
【0021】上記組成の残部はFe、S,Oなどの銅に
通常含まれる不純物である。銅の純度は竿銅、電気銅、
電解精製銅,OFHCなどいずれに該当するものであっ
てもよい。なお、不純物として許容されるSはCuに対
して殆ど固溶度がないために、Cu−S二次相として存
在する。
【0022】本発明に係るCu−Mo系皮膜は、さらに
酸化Cuを金属Cu換算で0.01〜10重量%を含有
することができる。酸化Cuは潤滑油中で次のように反
応すると考えられる。 2Cu2 O+S→ 4Cu+SO2 ・・・・・・・・・・(4) この反応により潤滑油中のSはCu2 Oと反応するため
に、(3)式で金属Cuと反応するSが少なくなり結果
的にCu−Mo系皮膜の耐硫化腐食性が高められる。酸
化Cuの含有量が0.01%未満であると耐硫化腐食性
向上の効果がなく、一方5重量%を超えると耐疲労性が
低下する。好ましい酸化Cu含有量は0.05〜2.0
重量%である。
【0023】上記したCu−Mo系複合皮膜を焼結によ
り製造する場合は、銅粉末とモリブデン粉末の混合粉、
銅−モリブデン合金粉末、酸化銅などをライニング上に
散布して、還元性雰囲気中で700〜1000℃で10
〜30分間熱処理を行うことが好ましい。また、上記し
たモリブデン系粉末の一部または全部を酸化モリブデン
粉末で置き換えることもできる。さらにライニング材料
の粉末上に上記した粉末を二層に散布したものを同様の
条件で焼結することも可能である。
【0024】本発明のCu−Mo系複合皮膜を電気めっ
きにより製造する場合は、硫酸銅、硫酸及び0.01〜
2.0mol/Lのモリブデン酸塩、例えばモリブデン
酸ナトリウムを含有するめっき浴中にて1〜10A/d
2 の陰極電流密度にて行うめっきによることができ
る。即ち、上記範囲のモリブデン酸塩濃度範囲において
請求項1のMo含有量を得ることができる。上記しため
っき浴は通常の硫酸銅系銅めっき浴に可溶なモリブデン
酸ナトリウム(Na2 MoO4 ・2H2 O)を添加した
ものである。この系では陰極領域において浴の色が変色
しており、これは6価のMoイオンの一部または全部が
低級酸化物もしくは金属Moに還元されていることと関
連すると考えられ、その結果得られるCuめっき皮膜中
には金属モリブデンとモリブデン化合物もしくは金属モ
リブデンが複合する。電析した銅の一部は次式の反応で
Cu酸化物としてめっき皮膜に複合化される。2Cu+
MoO3 →Cu2 O+MoO2 ・・・・・・・(5)及
び/又は 2Cu+Mo25 →Cu2 O+2MoO2 ・・・・・(6)
【0025】Cu−Mo系皮膜を電気めっきにより形成
する条件は、通常の硫酸銅系銅めっき浴に準じることが
できるが、電流密度は1〜10A/dm2 の範囲とす
る。
【0026】上記した以外のめっき条件で好ましいもの
は下記のとおりである。 (1)めっき浴 硫酸銅(CuSO4 ・5H2 O)−100〜300g/
L 硫酸(H2 SO4 )−20〜60g/L (2)めっき条件 浴温−20〜40℃ 陽極−銅板(可溶性電極) めっき時間−1〜120分 pH−0.9〜1.0
【0027】本発明のCu−Mo系皮膜はライニングの
上に直接形成されるか、ライニングをショットブラスト
等により粗面化し、その表面に形成される。あるいは、
接着性を高めるためにライニングに一旦薄い純銅メッキ
皮膜を形成した後にCu−Mo系皮膜が形成される。ま
たCu−Mo系皮膜の上にはPb,Sn系オーバレイめ
っきを施して表面のなじみ性をさらに高めることが好ま
しい。このオーバレイの他に、MoS2 系、PTFE
系、無機又は有機材料のコーティングを施してもよい。
Cu−Mo系皮膜の厚さは0.1〜50μmであること
が好しい。より好ましくは5〜15μmである。
【0028】本発明のCu−Mo系皮膜は、添加剤とし
て(ポリ)サルファイド(スルフィド)、スルフォネー
ト、スルフィネート、スルフェネート、フェネート系,
(ジ)チオフォスフェート化合物、チオケトン、チオア
セタール、チオカルボン酸とその誘導体、スルホキシド
とその誘導体、スルフォニル、スルフィニル、スルフェ
ニル、ZnDTP等の化合物などを添加した潤滑油で潤
滑される部品の保護のために使用することが好ましい。
すなわち、これらの有機硫黄化合物は何れも摺動温度で
ある80〜180℃において腐食性がある硫酸系酸(こ
の酸の腐食性成分を(2)〜(4)式ではSと表してい
る)に分解し、この酸との反応により銅合金表面の腐食
が起こるが本発明による腐食減量が従来の1/2以下に
減少し、かつ腐食が時間とともに一定になり増えないと
言う顕著な傾向が認められる。以下、実施例により本発
明をより詳しく説明する。
【0029】実施例1 以下の条件により電気めっきによりCu−Mo系皮膜を
形成した。 条件A 硫酸銅(CuSO4 ・5H2 O)−200g/L 硫酸(H2 SO4 )−30g/L モリブデン酸ナトリウム(Na2 MoO4 ・2H2 O)
−24.2g/L 浴温−30℃ 陽極−銅板 陰極−銅板 めっき時間−120分 pH−0.9〜1.1 条件B 硫酸銅(CuSO4 ・5H2 O)−200g/L 硫酸(H2 SO4 )−30g/L モリブデン酸ナトリウム(Na2 MoO4 ・2H2 O)
−48.4g/L 浴温−30℃ 陽極−銅板 陰極−銅板 めっき時間−35分 pH−1.0 条件Aでは0.7%Mo及び2.0%Cu2 Oを含有す
る皮膜(厚さ50μm,図1においてCu−Moめっき
A)が得られ、一方条件Bでは1.0%Mo及び2.8
%Cu2 Oを含有する皮膜(厚さ10μm,図1におい
てCu−MoめっきB)が得られた。
【0030】裏金鋼板(JIS SPCC)上に鉛青銅
(JIS LBC1)をバイメタル状に接合した素材中
に焼結によりMoを分散させた。焼結は、アトマイズ銅
粉末(粒度180μm以下)とMo粉末(粒度63μm
以下)を混合したものをライニング上に平均厚み1.2
mmに散布し700℃〜1000℃の温度域を焼結領域
とし還元性雰囲気に保たれた加熱炉内を5〜50分かけ
て通板して行った。なおアトマイズ銅粉には酸化銅が少
量含まれていた。焼結後にロール加圧機のロールを焼結
層を有するストリップを通過させることにりよりサイジ
ングを行い、再び同様な条件で焼結を行った。その後再
びサイジングを行い、厚みが0.6mmのMoを分散さ
せた焼結層を形成した。その組成は0.5%Mo(図1
においてCu−MoケルメットC)、および3.1%M
o(図1においてCu−MoケルメットD)が得られ
た。これらの焼結層及びそれを施さない比較材(Cu−
PbケルメットE)の耐食性試験を以下の条件で行っ
た。
【0031】エンジンオイル(日本石油製HIDIESEL S-
3)に空気を吹き込みかつ加熱して温度を180℃に保
った。この条件のエンジンオイル中に供試材(寸法40
×20×0.5mm)を吊り下げて腐食減量を測定し
た。その結果を図1に示す。この図より比較材(Cu−
PbケルメットE)に比べ本発明供試材の腐食減量(1
-3kg/m2 )は著しく少ないことが明らかであり、
特に0.3Ms程度までの試験時間では比較材も本発明
供試材も腐食減量はほとんど同じであるが、その後前者
は次第に多くなるが後者では飽和する傾向が見られ、ま
た腐食生成物の剥離が認められなかったことは注目に値
する。よって、微量のMo(MoO2)及びCu2 Oの
添加により腐食を初期の段階に留め、その進展を抑える
効果が図1から認められ、この効果を軸受の耐硫化腐食
防止に結びつけた本発明は自動車部品その他の部品の摺
動技術改良の面で非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】腐食試験の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 保徳 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊工 業株式会社内 (72)発明者 山口 泰史 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊工 業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏金上に接着された銅系すべり軸受合金
    を含んでなる銅系すべり軸受材料において、前記銅系す
    べり軸受合金を被覆するCu−Mo系皮膜をさらに含
    み、該Cu−Mo系皮膜は、金属Moもしくは酸化Mo
    形態のMoを金属Mo換算で0.01〜5重量%を含有
    し、残部が実質的にCuからなることを特徴とする銅系
    すべり軸受。
  2. 【請求項2】 前記Cu−Mo系皮膜は、Pbを10重
    量%以下さらに含有することを特徴とする請求項1記載
    の銅系すべり軸受。
  3. 【請求項3】 前記Cu−Mo系皮膜は、さらに酸化C
    uを金属Cu換算で0.01〜10重量%を含有するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の銅系すべり軸
    受。
  4. 【請求項4】 前記Cu−Mo系皮膜の厚さは0.1〜
    50μmであることを特徴とする請求項1から3までの
    何れか1項記載の銅系すべり軸受。
  5. 【請求項5】 前記Cu−Mo系皮膜上になじみ性が優
    れたオーバレイ層を設けることを特徴とする請求項1か
    ら4までの何れか1項記載の銅系すべり軸受。
  6. 【請求項6】 硫酸銅、硫酸及び0.01〜1.0mo
    l/Lのモリブデン酸塩を含有するめっき浴中にて1〜
    10A/dm2 の陰極電流密度にて電気めっきを行うこ
    とを特徴とするCu−Mo系皮膜めっき方法。
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