JPH0918896A - 立体画像表示装置 - Google Patents

立体画像表示装置

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JPH0918896A
JPH0918896A JP7165802A JP16580295A JPH0918896A JP H0918896 A JPH0918896 A JP H0918896A JP 7165802 A JP7165802 A JP 7165802A JP 16580295 A JP16580295 A JP 16580295A JP H0918896 A JPH0918896 A JP H0918896A
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Japan
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prism
image
display device
barrier
stripe
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Withdrawn
Application number
JP7165802A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Hoshi
宏明 星
Noritaka Mochizuki
則孝 望月
Takasato Taniguchi
尚郷 谷口
Hideki Morishima
英樹 森島
Toshiyuki Sudo
敏行 須藤
Kazutaka Inoguchi
和隆 猪口
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高輝度でかつモアレを低減し観察者の負担を
低減したパララックス・バリア法を用いた立体画像表示
装置の提供。 【構成】 パララックス・バリアの前記開口作用部と前
記遮光作用部との少なくとも一方が前記表示手段からの
光を偏向させる偏向素子を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパララックス・バリア法
を用いた立体画像表示装置に関し、明るさが高く、モア
レのコントラストが低い装置に関する。また、本発明は
観察領域の広い立体画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パララックス・バリア法を用いた立体画
像表示方式は、S.H.Kaplan,"Theory of Parallax Barri
ers",J.SMPTE,Vol.59,No.7,pp.11-21(1952)に開示され
ており、複数の視差画像から左右画像が少なくとも交互
に配列されたストライプ画像を、この画像から所定の距
離だけ離れた位置に設けられた所定の開口部と遮光部を
有するスリット列(パララックス・バリアと呼ばれる)
を介して、それぞれの目でそれぞれの目に対応した視差
画像を観察することにより立体視を行なうことができ
る。
【0003】眼鏡を必要としない立体画像表示方式とし
てよく知られている方式であるが、以下に述べるような
原理に関わる複数の欠点を有しているため、現実の立体
画像表示装置として実現された例は極めて少ない。
【0004】まず視差に応じたストライプ画像を空間的
に並列に配列するため、画像表示部の水平方向の解像度
がその視差の数分だけ損なわれる。例えば、2視点であ
れば、水平方向の解像度が1/2に落ちてしまう。
【0005】また、従来のパララックス・バリア法にお
いては、開口スリットと遮光バリアのペアを配列した1
次元格子状の素子を用いる。左右の視差画像のクロスト
ークを低減するためには、遮光バリアと開口スリットの
コントラストが高い方が望ましい。つまり遮光バリアの
透過率は0%に近いほどよく、アルミニウムやクロム等
の金属膜をガラス基板に蒸着することにより透過率が1
%以下の遮光バリアが実現できる。また遮光バリアと開
口スリットの各々の幅のデューティ比、表現を変えれば
格子ピッチに対する開口スリットの幅をスリット開口率
とすると、遮光バリアの幅の比が大きいほどクロストー
ク低減の効果が期待できるため、スリット開口率は通常
50%以下である。輝度の定義からは、スリット開口率
は輝度に影響を与えないが、スリットの幅が画素ピッチ
程度であるため、その微視的な輝度よりは、画面全体の
平均輝度が観察者が知覚する明るさに対応するという表
示装置で通常使われる平均輝度をここでも考える。つま
り遮光バリアの透過率がほとんどなく、スリット開口率
が50%以下であるため、従来のパララックス・バリア
方式では、原理的にストライプ画像が本来持っている明
るさは1/2以下に落ちてしまう。
【0006】さらに、1次元配列されたストライプ画像
を、1次元配列されたスリット列を介して観察するた
め、原理的にモアレ縞が発生する。コントラストが十分
に高いストライプ画像を、上記のようにコントラストの
高いスリット列を介して観察すれば、モアレ縞自身のコ
ントラストも高くなり、画像に対する雑音が増え、画像
の品質が落ちることになる。
【0007】以上の欠点に加え、幾何的配置により決ま
る立体視が可能な視域が狭いという欠点がある。立体視
領域と逆立体視領域が交互に水平方向に並び、観察者が
頭を移動して自分の瞳の位置、視点を立体視領域に入れ
るように調整する必要がある。これは上記の遮光バリア
の幅と開口スリットの幅に依存し、立体視領域と逆立体
視領域の間は視差画像間のクロストークが大きい領域と
なる。また、観察者の視点が水平方向に移動するとモア
レ縞が移動し、モアレ縞が1縞動く度に立体視領域と逆
立体視領域が交互に観察者に認識されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】このように上記従
来のパララックス・バリア方式では、遮光バリアにより
画像の明るさが1/2以下に落ちて暗い表示画像となっ
てしまうという問題があった。この問題は液晶表示装置
(以下LCD)を表示装置として使った場合には、さら
に、LCDの画素の開口率(30%〜60%)があるた
め、より暗い画像表示となってしまうという問題があっ
た。そのために、LCDの照明装置であるフラットなバ
ックライト光源の高輝度化、高消費電力化を招き、特に
携帯性に優れるノート型パーソナルコンピュータや、パ
ームトップ型パーソナルコンピュータなどでは、バッテ
リの寿命を考えると、パララックス・バリア方式の採用
がほぼ不可能であった。また、さらに印刷物やプリンタ
ー出力や銀塩写真等の記録媒体を使った立体表示におい
ては、上述のLCDのような透過型の表示ではなく基本
的に反射型であって、照明光は外部から開口スリット列
を透過し、表示面で散乱反射された光束の一部が再び開
口スリットを透過し、観察者の瞳に入射する構成となる
ので、パララックス・バリアを設けることにより、実質
的明るさは1/4以下になってしまうという問題点を有
している。
【0009】また、水平の解像度が1/2に落ちるとい
う原理的問題点だけでなく、片眼に入射する画像は、遮
光バリアにより水平方向に離散的なストライプ画像配列
となっていることによる問題点がある。多くの画像表示
装置は色を表現するのに、例えばLCDの場合1画素を
RGBに色分解しそれを空間的にRGBのストライプ上
の画素列を配列し、観察者が網膜以降で合成し色を知覚
する。パララックス・バリア方式の場合は、さらに離散
的なストライプ画像間を補間して1枚の視差画像に合成
しなければならないという負担を観察者にかけることに
なる。立体視するためにはこうして得た視差画像を融像
する必要があり、観察者の負担が大きいところに、この
ような画像合成が必要となり、明るさが不十分、解像度
が低いこととあいまって、立体画像を長時間鑑賞するこ
とは観察者の疲労の点でほとんど不可能に近いという問
題点を有している。
【0010】また、ストライプ画像と開口スリット列に
よるモアレ縞の発生による画質の劣化は、観察者にとっ
て不快なものであるが、上述のように、視域が狭いこと
とあいまって、わずかな視点移動により、モアレ縞が移
動するというわずらわしさが加わり、立体画像が本来持
っている臨場感、現実感を損なってしまうという問題点
を有している。さらに、LCDを表示装置とした場合、
その画素構造がRGBをストライプ配列等に空間的に展
開しているため、開口スリット列との幾何的位置関係に
より、輝度モアレばかりでなく色モアレが発生するとい
う問題点を有している。厳密には色モアレばかりでなく
色バランスのずれも生じていることになる。印刷物等の
記録媒体を使った表示においても、銀塩写真以外は色を
表現するのに空間的色分解・合成を用いたものが多いた
め、色モアレ、色バランスのずれが生じるという問題点
を有している。
【0011】また、視域が狭いことによる直接の問題点
は、観察者が視点調整を常に行っていなければならない
ため、姿勢や頭部位置に自由度がなく、特に長時間の立
体画像の鑑賞がおおよそ不可能であるという問題点を有
している。これに対し、視域を拡大する方法として、レ
ンチキュラー方式と呼ばれる1次元配列の円柱レンズを
用いた立体表示方法が広く知られているが、微小な位相
物体である円柱レンズを介してストライプ画像を観察す
るため、円柱レンズのレンズ作用により非点収差等によ
る微小領域の画像の歪みが生じ、ギラツキ感、不自然感
があり、高い画質の表示を得ることができないという原
理的な問題点を有している。
【0012】本発明の目的は、パララックス・バリア法
を用いた立体画像表示装置において、上記課題を解決
し、高輝度でかつモアレを低減し観察者の負担を低減し
た立体画像表示装置を容易に安価に実現できる装置を提
供することである。また、立体視できる視域の拡大を可
能にする装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の立体画
像表示装置は、左眼用及び右眼用画像のそれぞれをスト
ライプ状に分割して複数のストライプ画像とし、各画像
からの各ストライプ画像を交互に配列して表示する表示
手段と、該表示手段の前方の所定の位置に所定のストラ
イプ画像に対し所定の開口作用部と遮光作用部を有する
パララックス・バリアを設け、該パララックス・バリア
を介して該ストライプ画像を観察することにより立体視
を行なう立体画像の表示装置であって、前記パララック
ス・バリアの前記開口作用部と前記遮光作用部との少な
くとも一方が前記表示手段からの光を偏向させる偏向素
子を有することを特徴とする。
【0014】前記表示手段の好ましい形態は、液晶表示
装置、またはCRTであることを特徴とする。
【0015】前記表示手段の好ましい形態はが前記スト
ライプ画像が記録された印刷可能な紙、または印画紙で
あることを特徴とする。
【0016】前記開口作用部と前記遮光作用部の好まし
い形態は、双方に前記偏向素子を有することを特徴とす
る。
【0017】前記偏向素子が前記ストライプ画像の配列
方向と同じ方向に配列されていることを特徴とする請求
項1の立体画像表示装置。
【0018】配列された前記偏向素子の好ましい形態
は、前記偏向素子の配列位置によって前記偏向素子の偏
向角が異なることを特徴とする。
【0019】前記偏向素子の好ましい形態は、プリズム
状の光学素子を有することを特徴とする。
【0020】本発明の構成によれば、従来のパララック
ス・バリアで遮光されていた光束を、偏向素子、好まし
くはプリズムにより所定の方向に屈折偏向させ、開口ス
リットを透過した光束と画角的に合成することにより、
実質的に開口スリットの幅を拡大し、明るさを増大でき
る。
【0021】さらに、開口スリットと偏向素子、好まし
くはプリズム部とからの光が画角的に合成されるので、
従来のパララックス・バリアで大きな問題であったモア
レ縞のコントラストを減少させる。
【0022】さらに、水平方向に画角的に合成された画
像を観察者に提示するため、従来のパララックス・バリ
アの離散的なストライプ画像の合成といった観察者の負
担が無くなる。同時に輝度モアレ、色モアレの低減を実
現する。
【0023】さらに、偏向素子の各偏向角、好ましくは
各プリズムの頂角の水平方向の分布を最適化することに
より、各プリズムで屈折偏向する光線方向を最適に設定
できるため、左右それぞれの眼に届くべき光束の位置を
独立に設定することが可能になる。
【0024】また、左右それぞれの眼に届くべき光束の
位置を、複数独立に設定することが可能なため、立体視
可能な視域の拡大を実現する。
【0025】このように、本発明の構成により、明るさ
を倍増させ、離散的なストライプ画像の合成を物理的に
行うことで眼の負担をやわらげ、さらにモアレ縞という
画像の雑音を激減させSNRを向上させ、高い画質向上
が実現し、また、立体視可能な視域を拡大させる。
【0026】
【実施例】
《実施例1》図1は本発明の立体画像表示装置の第1の
実施例をしめす概略構成図である。図1において1はC
RTやバックライト光源を有するLCD(液晶表示装
置)等の様なディスプレイもしくは、印刷物やプリンタ
出力や銀塩写真等の記録媒体であり、本実施例ではLC
Dについて説明する。図1ではその画像表示面の表示画
像の状態11を模式的に表している。2は本発明による
プリズム・バリア素子であり、プリズムを1次元に配列
した構造を持ち、所定の開口部を有するパララックス・
バリアを形成している。4はディスプレイ駆動回路、5
は表示画像状態11のように、左眼用及び右眼用画像の
それぞれをストライプ状に分割して複数のストライプ画
像とし、各画像からの各ストライプ画像を交互に配列し
た画像を形成する画像処理装置である。ER、ELは観
察者の右眼、左眼の瞳である。
【0027】本装置の構成について図を用いて説明す
る。観察者の両眼間隔(基線長)をO、観察とディスプ
レイとの距離をC、ディスプレイ1とパララックス・バ
リアとしてのプリズム・バリア2との間隔をD、パララ
ックス・バリアの開口部の幅をB’、ディスプレイ1に
表示するストライプ画像の画像間隔をIとすると、以下
の関係がある。
【0028】 D=I*C/(O+I) (1) B’=I*(C−D)/C (2)
【0029】また、実際には観察位置において観察幅は
有限の広がりをもつので、これらの諸量は若干変更して
設定される。これらの関係については、S.H.Kaplan,"Th
eoryof Parallax Barriers",J.SMPTE,Vol.59,No.7,pp.1
1-21(1952)に詳細に述べられている。
【0030】本実施例においては、ディスプレイ1に対
角10.4インチのカラーLCDを用い、その画素数は
SVGAと呼ばれる水平800×垂直600画素であ
り、カラーフィルタの配列はRGBストライプ配列であ
り、このストライプ配列で1画素を形成している。1画
素の大きさは、水平0.264mm×垂直0.264m
mの正方画素である。各視差画像のストライプ幅を1画
素にしたので画像間隔はI=0.264mmとなり、基
線長をO=62mm、観察距離をC=560mmと設定
したので、LCDとプリズム・バリアの間隔はD=2.
12mm、プリズム・バリアの開口スリット幅はB’=
0.263mmと設定され、観察幅の広がりを考慮し多
少の微調整を行っている。
【0031】図2(a)、図2(b)は本発明の立体画
像表示装置の作用を説明するための模式図である。図2
(a)は右眼に入射する光、図2(b)は左眼に入射す
る光を説明するための模式図である。本実施例ではプリ
ズム・バリア2の作用の本質をより明確に説明できる例
として、プリズムBと開口スリットB’からなる最もシ
ンプルなプリズム・バリアの例を示す。後に、より高性
能、高機能なプリズム・バリアについて説明することと
する。本実施例ではプリズムBと開口スリットB’が交
互に1次元に配列しプリズム・バリアを構成している。
開口スリットB’は基本的に従来の開口スリットと同等
である。プリズムBの構造については後述するが、1次
元配列の方向に入射光束を偏向する方向に頂角が設定さ
れている。このようなプリズム・バリアの作成法は後述
するが、一般的な樹脂の複数の成形法により作成可能で
ある。図2(a)、図2(b)において、3はバックラ
イト、6、7、8、9は光束を表している。
【0032】本発明の立体画像表示装置の作用につい
て、図1、図2(a)、図2(b)を用いて説明する。
図1に示す様に、左眼用、右眼用の少なくとも2枚の視
差画像は画像処理装置5でそれぞれストライプ状に分割
され、RLRL・・・と交互に合成され、1枚のストラ
イプ画像が作成される。ここでRは右眼用視差画像から
作られたストライプ画像、Lは左眼用に作られたストラ
イプ画像を示す。この画像データはディスプレイ駆動回
路4に入力されストライプ画像11を表示する。
【0033】図2(a)に示すように右眼ERは、プリ
ズム・バリア2の開口スリット幅B’を通して、右眼用
の視差画像Rからの光束6を観察する。これは従来のパ
ララックッス・バリアの開口スリットB’の作用と同じ
である。一方、同じストライプ画像Rから発した光束7
はプリズムBにより屈折偏向される。その偏角δは、プ
リズムの頂角αとプリズムへの入射角θ1と最終屈折角
θ2に関係づけられ、詳しい説明は後述する。プリズム
Bにより屈折偏向された光束7は、光束6と同様に右眼
ERに入射する。光束7は、従来のパララックッス・バ
リアにおいては遮光バリアにより遮光され失われる光束
である。図2(a)では、簡単のために他の右眼用スト
ライプ画像Rからの光束に図番を振っていないが、これ
と同様に全画面にわたって、同じストライプ画像Rから
の光のうち、プリズムBにより屈折偏向された光束は、
開口スリットB’を透過した光束と画角的に合成され
て、右眼ERに入射する。
【0034】従来は、ストライプ状の遮光バリアとスト
ライプ画像が交互に配列された画像、つまり2次元的に
ストライプ状のバリアにより離散的に分離された画像
を、右眼画像として網膜以降で空間的に合成する必要が
あった。しかし、本発明よれば、プリズムにより物理的
に合成された連続的な画像が与えられるため、観察者の
負担が低減され、長時間の立体画像の鑑賞を行っても疲
労が軽減される。
【0035】図2(b)には左眼ELに入射する光束を
表しているが、図2(a)の右眼の場合と同様に、左眼
用ストライプ画像Lからの光束は、全画面にわたって、
同じストライプ画像Lからの光のうち、プリズムBによ
り屈折偏向された光束9と、開口スリットB’を透過し
た光束8と画角的に合成されて、右眼ELに入射する。
【0036】このように本発明によれば、従来のパララ
ックス・バリアで遮光されていた光束を、プリズムによ
り所定の方向に屈折偏向させ、開口スリットを透過した
光束と画角的に合成することにより、実質的に開口スリ
ットの幅を倍増させることができるため、原理的に2倍
の明るさを確保できる。
【0037】このようにして遮光バリアと屈折偏向を兼
ねたプリズムにより、右眼と左眼用のそれぞれの光束
を、独立に右眼と左眼に導くことができるため、左右の
視差画像を網膜以降で合成・融像立体画像を観察できる
ことはパララックス・バリア法の原理から容易に理解で
きる。
【0038】さらに、本発明の装置においては、プリズ
ム・バリアの開口スリットとプリズム部とからの光が画
角的に合成されるので、ストライプ状の遮光バリアがほ
とんど知覚不可能である。従って、従来のパララックス
・バリアで大きな問題であったモアレ縞のコントラスト
を激減させる効果も有する。
【0039】また、プリズムという屈折偏向素子をもち
い、頂角も小さいため、レンチキラー方式に見られるよ
うな、微小領域でのレンズ作用による非点収差等の画像
の歪みが無視できるほど小さく、良好な画質が得られ
る。
【0040】このように、本発明の装置においては、明
るさを倍増させ、離散的なストライプ画像の合成を物理
的に行うことで眼の負担をやわらげ、さらにモアレ縞と
いう画像の雑音を激減させSNRを向上させるという効
果があいまって、非常に高い画質向上が計られる。その
ため、従来画質が劣悪なため実現されることがまれであ
ったパララックス・バリア方式を、本発明により実用的
な性能を持つ立体画像表示装置として初めて実現させる
ものである。
【0041】《実施例2》図3、図4、図5(a)、図
5(b)は本発明の第2の実施例の構成を説明するため
の模式図である。
【0042】図3において、LCD1の表示面上に水平
方向にx軸、垂直方向にy軸、中心に原点Oを持ち、観
察者方向にz軸を持つ座標系を考えると、プリズム・バ
リア2は平面z=Dに、観察者の左右の瞳EL、ERは
平面z=C上でx方向にO/2離れた位置にある。図3
において、x軸負方向からn番めの左眼用ストライプ画
像L(n)のx軸上の中心点をx(n)、それに対応す
るプリズム・バリアの開口ストライプPL(n)のx軸
方向の中心点をx’(n)とし、それぞれを代表させ
る。なお、発明の本質の説明が煩雑にならないように、
LCD1の構造(画素電極や透明電極、配向膜、液晶
層、カラーフィルタ、ガラス基板、偏光板等)、および
プリズム・バリアの厳密な構造(基板部や頂角以外の角
度等)を無視して説明を行い、それらの影響は後述す
る。
【0043】図4は、図3のxz面を改めて図示したも
のである。
【0044】図5(a)、図5(b)は、図4のプリズ
ム・バリア部を拡大して図示したものである。
【0045】まず、左眼について考える。図4におい
て、LCDの水平方向の画素数をN、画素x(n)から
左眼ELへ開口x’(n)を透過する光線とz軸のなす
角をθ0(n)、画素x(n)からプリズムx’(n+
1)に入射する光線(図4破線で示したようにプリズム
がなければ右眼ERに入射する光線)がz軸となす角を
θ0p(n+1)、その光線がプリズムx’(n+1)
により屈折偏向し左眼ELに入射する光線(右眼用スト
ライプ画像R(n+1)の中心点x(n+1)からの光
線がプリズムがなければ左眼ELに入射する光線と一
致)がz軸となす角をθ0n(n+1)とする。
【0046】左眼に関しては以下のような関係が導かれ
る。
【0047】 x(n)=(−N/2+n−1/2)I (3) tanθ0(n)=(x(n)+O/2)/C =(x’(n)+O/2)/(C−D) (4) x’(n)=(−N/2+n−1/2)B’ (5) tanθ0p(n)=(x(n)−O/2)/C =(x’(n+1)−O/2)/(C−D) (6) tanθ0n(n)=(x(n+1)+O/2)/C =(x’(n+1)+O/2)/(C−D) (7)
【0048】これらの関係から、各左眼用画像L(n)
からの光線の方向を計算することができる。第1の実施
例の数値実施例の場合、対角10.4インチのSVGA
のLCDで、画像間隔I=0.264mm、基線長O=
62mm、観察距離C=560mm、LCD−プリズム
・バリア間隔はD=2.12mm、プリズム・バリア開
口B’=0.263mmであるから、LCD左端の画素
n=1で、θ0=−7.6°、θ0p=−13.7°、
θ0n=−7.6°、中心の画素n=399で、θ0=
3.1°、θ0p=−3.2°、θ0n=3.2°、右
端の画素=799で、θ0n=13.7°、θ0p=
7.6°、θ0n=13.7°となる。
【0049】また、図5(a)、図5(b)は、それぞ
れ左眼用画像L(n)が左眼ELが存在するx<0にあ
る場合、x>0にある場合を示している。これらの図に
おいて、プリズムx’(n)は頂角α(n)を持ち入射
屈折面はx’y面内にあるとする。各光線のプリズムへ
の入射角をθ1(n+1)、射出屈折角をθ2(n+
1)、偏角をδ(n+1)、プリズムの屈折率をndx
(n+1)とする。また一般的であるので図示しない
が、入射屈折面のプリズム内部の屈折角をφ1(n+
1)、その光線が射出屈折面に入射するプリズム内部の
入射角をφ2(n+1)とすると以下の関係が導かれ
る。
【0050】 sinθ1/sinφ1=sinθ2/sinφ2=ndx (8) δ=θ1−φ1+θ2−φ2 (9)
【0051】(3)〜(7)で求められる光線の方向か
ら、各プリズムのパラメータが求められる。プリズムの
屈折率ndxを与えると、θ1(n)=−θ0(n)と
して、(8)(9)から各角度φ1、θ2が求められ、
δ、φ2が得られ、その時のプリズム頂角αが求められ
る。
【0052】前述の第1の実施例に示した数値実施例
で、中心画素n=399について求めると、φ1=2.
0°、θ2=13.6°、プリズムに入射されて偏向さ
れる角度である偏角δ=6.4°、φ2=8.5°、頂
角α=17.1°が得られる。従って屈折率ndx=
1.6、頂角α=17.1°のプリズムを、入射屈折面
サイズB’=0.263mm、ピッチ2B’=0.52
6mmで1次元配列したプリズム・バリアにより、第1
実施例が実現される。
【0053】ところで、画面全体を考えると、画面中心
の条件で設定した値ではいくつかの不都合が考えられ
る。例えば、左端n=1と右端n=799における必要
な偏角は、δ(1)=δ(799)=6.2°と等しく
画面中心との差も小さいが、その時の最適な頂角は、実
は、α(1)=15.5°、α(399)=17.1
°、α(799)=13.7°と異なっている。実施例
1の数値実施例のような、画面サイズも画素数もそれほ
ど大きくない場合は、上述のように必要な偏角δの画面
内の不均一性は小さいので、頂角αが一定であっても本
発明の効果は十分期待できる。
【0054】しかしながらより厳密に考えると、上述の
例でも、各プリズムの頂角を全画面でα(n)=17.
1°と固定した場合、画面両端に近いほどプリズムによ
り屈折偏向される光線の角度が理想値からずれてしま
う。これは明るさ向上の効果を低減させるばかりでな
く、他の光線との重なり条件によっては多重像の可能性
もあり得る。さらにモアレ縞低減の効果も薄められる方
向に働く。これらは、画面サイズが大きくなり、画素数
も増える程無視できないものとなってくる。
【0055】例えば、対角21インチのSXGA(N=
1280)のLCDを考えると、(1)、(2)式か
ら、画像間隔I=0.325mm、観察距離C=424
mm、LCD−プリズム・バリア間隔はD=2.61m
m、プリズム・バリア開口B’=0.323mmとな
る。(3)〜(7)式から、LCD中心の画素n=63
9で、θ0=4.1°、θ0p=−4.3°、θ0n=
4.2となり、(8)、(9)式から、屈折率ndx
(n)=1.6のプリズムを用いると、偏角δ(63
9)=8.4°、頂角α(639)=13.7°とな
る。頂角をこの中心画素の値に固定した場合の、θ0
(1)=−22.6°、θ0(1279)=29.4°
という入射角θ1=−θ0範囲内での、射出屈折角θ2
と偏角δの変化を(3)〜(9)式を用いて計算した結
果を図6(a)、図6(b)に示す。これらの図から、
頂角αを中心画素の条件で固定した場合、プリズムへの
入射角θ1に対する屈折角θ2の変化が約−8°〜46
°と非常に大きいこと、また偏角δの変化も最小偏角を
またぎながら約8.3°〜11°と大きく変化すること
がわかる。この偏角δの大きな変化量では、上述の問題
点を無視することはできず、本発明の本来の効果を損な
う可能性がある。
【0056】図7(a)はこの問題を解決するプリズム
・バリアの第2実施例を示す構成図である。同図におい
て、プリズム・バリア2は一体化された1次元配列とな
っており、開口スリットB’とプリズムBの交互配列か
らなっている。本実施例では、各プリズムの頂角α
(n)が、水平方向x’で異なり、中心画素n=N/2
近傍で最も大きく、両端n=1、n=Nに近づくにつれ
徐々に小さくなっており、 α(1)<α(N/2−1)<α(N−1) (10) の関係がある。この最適分布は(1)〜(9)式から求
められる。最終の式の変形を示すと、 α(n)=φ1(n)+φ2(n) (11) φ1(n)=arcsin((sinθ1(n))/ndx) (12) φ2(n)=arcsin((sinθ2(n))/ndx) (13)
【0057】
【外1】 β(n)=δ(n)−θ1(n)+φ1(n) (15) となる。なおこれまでの説明は煩雑さを避けるため、左
眼についての式のみを示してきたが、基本的には左右の
対称性からほぼ同じ議論ができる。例えば最初の
(4)、(6)、(7)式は、分子の第2項の符号を変
えれば右眼用光線の方向を求められるし、そうした左右
の違いに注意すれば、最終の(11)〜(15)の表現
はそのまま使用できる。従って、本実施例の最適頂角分
布α(n)は厳密には左右で異なるが、その差が小さい
ので図7(a)のプリズム・バリアでは左右の頂角分布
の平均値を採用している。
【0058】図7(b)は本実施例の光線方向の補正を
説明するための模式図である。同図において、左端近傍
の画素L(3)から出た光線のうち開口ストライプを透
過した光線はそのまま左眼ELに到達するが、中心画素
のプリズム頂角α(N/2−1)をそのまま左端のプリ
ズム頂角α(1)とした場合は、上述のように図7
(b)に波線で示した光線となり、左眼ELからx方向
つまり水平方向にずれる。しかし、本実施例のように左
端頂角α(1)は最適化されているため、図の実線の光
線となり左眼ELに正しく導かれる。右眼に関しても同
様にR(2)からでた光線は、本実施例により、波線の
光線が実線の光線に補正され、正しく右眼に導かれる。
説明は省略するが、図に示したように右端n=N近傍か
らの光線も補正され正しく左右眼に導かれる。
【0059】このように本実施例では、プリズム・バリ
アの頂角の水平方向の分布を最適化することにより、各
プリズムで屈折偏向する光線方向を微妙に変化設定でき
るため、左右それぞれの眼に独立に、所望の光線を集め
ることが可能になる。
【0060】これにより、画面サイズが大きく画素数が
多いディスプレイやプリンタ出力に対しても、本発明の
効果である明るさの向上の効果、モアレ縞低減の効果を
得ることが可能となる。
【0061】本発明によれば、明るさを倍増させ、離散
的なストライプ画像の合成を物理的に行うことで眼の負
担をやわらげ、さらにモアレ縞という画像の雑音を激減
させSNRを向上させるという効果があいまって、高い
画質向上が計られる発明の適用範囲を広げることが可能
となる。
【0062】《実施例3》図8は本発明の第3の実施例
を説明するための模式図である。プリズム・バリア2は
図7(a)と同じタイプを使う。但し、第2の実施例に
おいては左右眼の各眼に正しく光線を導くようにプリズ
ム頂角α(n)を最適分布させ補正したのに対し、本実
施例においては、各プリズムBで屈折偏向される光線群
が集まる点を、開口ストライプB’を透過した光線が集
まる左右眼の位置EL、ERから僅かにx方向、水平方
向にずらし、EL’、ER’を得ることにより視域を拡
大させる効果を実現している。
【0063】図中の破線は図7(a)と同様に頂角を中
心画素の頂角に固定した場合の光線を示している。(1
1)〜(15)式を使えば、開口ストライプB’とプリ
ズムBを透過する光線の方向を独立に設定することがで
きる。従って、開口ストライプB’からの光線をEL、
ERに集め、プリズムBからの光線をEL’、ER’に
集めるように各プリズム頂角α(n)を最適化すること
が可能である。
【0064】なお、画面サイズが大きく画素数の多い表
示装置の場合にそのような画素毎の最適化が必要となる
のだが、第1の実施例のような、画面サイズも小さく画
素数も少ない場合は、プリズム頂角α(n)を固定して
同じ効果を実現することが可能である。その場合は、中
心画素の頂角α(N/2−1)を求める場合に、
(4)、(6)、(7)式の右辺にEL’、ER’の位
置の座標つまりシフトしたい量をつけ加えるだけでよ
い。
【0065】このように本発明では、各プリズム・バリ
アの頂角の水平方向の分布を最適化することにより、各
プリズムで屈折偏向する光線方向を微妙に変化設定でき
るため、左右それぞれの眼に届くべき光束の位置を独立
に複数設定することが可能になる。
【0066】従って、本発明によれば、上述した明るさ
の向上等の効果以外に、立体視可能な視域の拡大を実現
することができる。しかも、プリズムという屈折偏向素
子をもちい、頂角も小さいため、レンチキュラー方式に
見られるような、微小領域でのレンズ作用による非点収
差等の画像の歪みが無視できるほど小さく、良好な画質
が得られる。
【0067】本発明により、上述の画質の向上効果とあ
いまって、視域が拡大し、立体画像が本来持っている臨
場感、現実感を損うことなく疲労を低減させ、長時間の
立体画像の鑑賞を実現する。
【0068】《実施例4》図9(a)は本発明の第4の
実施例を説明するための模式図である。同図において、
プリズム・バリア2は配列方向に対称性を有している。
プリズムは遮光バリア部だけでなく、開口ストライプ部
にも付与されている。
【0069】以上の前記実施例では、従来のパララック
ス・バリアの遮光バリアをプリズムに置き換える例につ
いて説明し、プリズムへの置き換えにより十分な効果が
得られることを説明してきた。しかし、以上の実施例に
おいては、z軸を対称軸とした対称性が厳密には崩れて
いる。このため、左右眼への光束の対称性が崩れてい
る。例えば、上述した左右眼それぞれに最適化した頂角
分布を求め、それらを平均化することにより左右のバラ
ンスをとる場合、左右の対称性が崩れていることから生
じる頂角分布の非対称性が残る。これは厳密には、たと
えば眼球が水平方向に回転した場合に、モアレ縞の出方
やストライプ画像列の見え方が回転方向で異なることを
意味し、最良視点位置に両眼を調整する際等に水平方向
へのずれの原因となり問題となる。
【0070】また、プリズム・バリアの製造方法につい
て考えると、以上の実施例においては、頂角以外のプリ
ズムの内角が直角と鋭角となり、製造上、精度的に問題
となる。すなわち、サイズが小さければ、2次元的な型
を作成し、紫外線硬化樹脂を使った2P法やコンプレッ
ションやインジェクション等の成形方法により、プラス
ティック材料を成形する方法がとられるが、直角部や鋭
角部があるため、樹脂を十分に入り込ませることが難し
くなるという点と、離形の際に各稜線を乱すばかりでな
く、角度や平面部を乱す可能性が高いという点が問題と
なる。さらに、残留応力が集中しやすい箇所となるの
で、経時変形や複屈折発生の原因となりやすいという問
題点がある。また、サイズが大きい場合はロータリ状の
グループ型を作成し、ロールした樹脂シートに熱、圧力
を加え塑性加工することになるが、やはり直角部や鋭角
部があると同じ様な問題が生じる。これらは歩留まりに
きき、製造コストを押し上げる原因となるという問題点
を有している。
【0071】本実施例によれば、開口ストライプもプリ
ズムとすることにより、これらの問題点を解決できる。
すなわちプリズム頂角αは大きくても10数度程度であ
るから、図9(a)に示したように、プリズム・バリア
の山の角度p(n)と谷の角度q(n)は小さくても1
10°程度あり、上記の製造上の精度や経時変化等の問
題点を解決できる。
【0072】また図9(b)に光線の模式図を示した
が、対称性が大幅に改善されるので、上記のような観察
者への負担、見にくさを軽減する効果がある。
【0073】また、プリズムの頂角も小さい上に、直角
や鋭角部が無くなるため、レンチキュラー方式に比べて
の微小領域での画像の歪みが、さらに小さくなり良好な
画質が得られる。
【0074】なお、図9(b)には、明るさ改善の方向
への最適化の例を示したが、図8と同様に視域の拡大を
実現する最適化も同様に可能であり、2組の光線の分離
はそれぞれにプリズムを用いるため、さらに容易とな
り、視域拡大を安価に実現できる。
【0075】《実施例5》図10は本発明の第5の実施
例を説明するための模式図である。同図において、プリ
ズム・バリア2は、開口ストライプB’、バリアBに相
当する領域内で配列方向に分割されており、1つの領域
内に複数の頂角を存在させることが可能になる。同図は
2つの頂角α(n)、α’(n)を持つ例を示してい
る。この構成により視域のさらなる拡大が可能になる。
図10示したように1つの画素Lから出た4つの光線
は、4つの異なるプリズムで屈折偏向され、異なる位
置、つまり視点EL、EL’EL’’、EL’’’に光
線群を導くことができる。それぞれの視点に到達する光
束は、バリアの開口が1/2になったことにより明るさ
が1/2になるが、視域を拡大するという効果を優先さ
せる場合に有効な構成である。もちろん、プリズムの分
割数は任意に設定可能である。
【0076】このように本発明では、各分割されたプリ
ズム・バリアの複数の頂角の水平方向の分布を最適化す
ることにより、各分割プリズムで屈折偏向する光線方向
を微妙に変化設定できるため、左右それぞれの眼に届く
べき光束の位置を、さらに分割して独立に複数設定する
ことが可能になる。従って、立体視可能な視域をさらに
拡大することができる。
【0077】本発明により、上述の画質の向上効果とあ
いまって、視域が拡大し、立体画像が本来持っている臨
場感、現実感を損うことなく疲労を低減させ、長時間の
立体画像の鑑賞を実現する。
【0078】尚、以上の実施例においては、本発明の偏
向素子として、プリズムの例のみを示したが、本発明の
本質を考えれば、屈折率分布型の平板の偏向素子や、振
幅型、位相型の回折素子を用いた偏向素子、あるいはこ
れらのハイブリッド型の偏向素子を採用しても、本発明
が実施可能であることは明白である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の立体画像
表示装置によれば、ディスプレイに適用した場合、画像
の明るさが従来のパララックス・バリア方式に対し約2
倍になる。これにより携帯型コンピュータの立体ディス
プレイも実現可能とする。また、印刷物やプリンター出
力や銀塩写真等の記録媒体を使った立体表示に適用した
場合は、実質的明るさは4倍になる。
【0080】また、水平方向に画角的に合成された画像
を観察者に提示するため、離散的なストライプ画像の合
成といった観察者の負担が無くなる。同時に輝度モア
レ、色モアレの低減を実現する。
【0081】さらに、観察者が立体視できる視域を拡大
する構成を提供することができる。
【0082】このように、本発明の装置においては、明
るさを向上させ、離散的なストライプ画像の合成を物理
的に行うことで眼の負担をやわらげ、さらにモアレ縞と
いう画像の雑音を激減させSNRを向上させるという効
果があいまって、非常に高い画質向上が計られる。その
結果、従来画質が劣悪なため実現されることがまれであ
ったパララックス・バリア方式を、本発明により実用的
な性能を持つ立体画像表示装置として初めて実現させる
ことができる。
【0083】さらに、視域が拡大することにより、上記
の画質の向上効果とあいまって、立体画像が本来持って
いる臨場感、現実感を損うことなく疲労を低減させ、長
時間の立体画像の鑑賞を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体画像表示装置の第1の実施例の構
成模式図
【図2】本発明の立体画像表示装置の作用を説明する図
【図3】本発明の立体画像表示装置の構成を示す図
【図4】本発明の立体画像表示装置における光線の方向
を示す図
【図5】本発明の立体画像表示装置における光線の方向
を示す図
【図6】本発明の立体画像表示装置のプリズムの特性を
示す図
【図7】本発明の立体画像表示装置の第2の実施例の構
成模式図
【図8】本発明の立体画像表示装置の第3の実施例の構
成模式図
【図9】本発明の立体画像表示装置の第4の実施例の構
成模式図
【図10】本発明の立体画像表示装置の第5の実施例の
構成模式図
【符号の説明】
1 ディスプレイ 2 プリズム バリア 3 バックライト EL 左眼 ER 右眼
フロントページの続き (72)発明者 森島 英樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 須藤 敏行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 猪口 和隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左眼用及び右眼用画像のそれぞれをスト
    ライプ状に分割して複数のストライプ画像とし、各画像
    からの各ストライプ画像を交互に配列して表示する表示
    手段と、該表示手段の前方の所定の位置に所定のストラ
    イプ画像に対し所定の開口作用部と遮光作用部を有する
    パララックス・バリアを設け、該パララックス・バリア
    を介して該ストライプ画像を観察することにより立体視
    を行なう立体画像の表示装置において、 前記パララックス・バリアの前記開口作用部と前記遮光
    作用部との少なくとも一方が前記表示手段からの光を偏
    向させる偏向素子を有することを特徴とする立体画像表
    示装置。
  2. 【請求項2】 前記表示手段が液晶表示装置、またはC
    RTであることを特徴とする請求項1の立体画像表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記表示手段が前記ストライプ画像が記
    録された印刷可能な紙、または印画紙であることを特徴
    とする請求項1の立体画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記開口作用部と前記遮光作用部の双方
    に前記偏向素子を有することを特徴とする請求項1の立
    体画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記偏向素子が前記ストライプ画像の配
    列方向と同じ方向に配列されていることを特徴とする請
    求項1の立体画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記偏向素子の配列位置によって前記偏
    向素子の偏向角が異なることを特徴とする請求項5の立
    体画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記偏向素子は、プリズム状の光学素子
    を有することを特徴とする請求項1、4、5、6の立体
    画像表示装置。
JP7165802A 1995-06-30 1995-06-30 立体画像表示装置 Withdrawn JPH0918896A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11295656A (ja) * 1998-04-14 1999-10-29 Sanyo Electric Co Ltd 立体表示装置
KR20010009720A (ko) * 1999-07-13 2001-02-05 박호군 3차원 영상의 다자 시청용 스크린 및 그 제작방법
CN100395609C (zh) * 2003-11-17 2008-06-18 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 液晶显示装置
CN106226900A (zh) * 2016-10-11 2016-12-14 深圳市华星光电技术有限公司 棱镜光栅及3d显示装置

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