JPH09185273A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置

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JPH09185273A
JPH09185273A JP35410295A JP35410295A JPH09185273A JP H09185273 A JPH09185273 A JP H09185273A JP 35410295 A JP35410295 A JP 35410295A JP 35410295 A JP35410295 A JP 35410295A JP H09185273 A JPH09185273 A JP H09185273A
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JP
Japan
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nip portion
pressure contact
magnetic field
contact nip
heated
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JP35410295A
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Koichi Okuda
幸一 奥田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定支持の第1部材19と、該第1部材と直
接又は介在部材15を挟んで相互圧接して圧接ニップ部
Nを形成する第2部材20と、圧接ニップ部に交番磁場
を作用させる磁場発生手段31を有し、圧接ニップ部の
直接圧接の第1部材と第2部材との間或は圧接ニップ部
の介在部材と第2部材との間に被加熱材Pを導入して第
1部材面に密着摺動させながら或は介在部材と一緒に該
介在部材を第1部材面に密着摺動させながら圧接ニップ
部を挟持搬送させ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の
交番磁場を作用させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式
で加熱する加熱装置において、介在部材15の削れ・破
壊、駆動トルクの増大を防止する事、温度制御の精度向
上等を目的とする。 【解決手段】 圧接ニップ部Nにおける第1部材19の
被加熱材P又は介在部材15との接触摺動面にガラス1
01またはセラミック層を設ける事。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、固定支持の第1部
材と、該第1部材と直接又は介在部材を挟んで相互圧接
して圧接ニップ部を形成する第2部材と、圧接ニップ部
に交番磁場を作用させる磁場発生手段を有し、圧接ニッ
プ部の直接圧接の第1部材と第2部材との間或は圧接ニ
ップ部の介在部材と第2部材との間に被加熱材を導入し
て第1部材面に密着摺動させながら或は介在部材と一緒
に該介在部材を第1部材面に密着摺動させながら圧接ニ
ップ部を挟持搬送させ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手
段の交番磁場(磁束の方向を換えずに磁場の発生・消滅
を繰り返すものを含む)を作用させる事で被加熱材を磁
気(電磁)誘導加熱方式で加熱する加熱装置に関するも
のである。
【0002】また該加熱装置を画像加熱定着装置として
用いた画像形成装置(画像記録装置)に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】例えば、複写機・プリンタ・ファクシミ
リ等の画像形成装置において、電子写真方式・静電記録
方式・磁気記録方式等の適宜の作像プロセス機構により
被記録材(転写材・感光紙・静電記録紙・印刷紙等の紙
葉体)に転写方式(間接方式)又は直接方式で形成担持
させた目的の画像情報の未定着トナー像を被記録材面に
加熱定着させるための加熱装置である画像加熱定着装置
としては、従来より熱ローラー方式の装置が多用されて
いる。
【0004】熱ローラー方式の定着装置は、内蔵させた
発熱源としてのハロゲンランプで加熱される熱ローラー
としての定着ローラーと、これに圧接させた加圧ローラ
ーとの圧接ニップ部(定着ニップ部)へ被加熱材として
の被記録材を導入して挟持搬送させて被加熱材を定着ロ
ーラーで加熱する構成・方式ものである。しかしこの装
置は、発熱源としてのハロゲンランプは電気エネルギー
を一旦は光にエネルギー変換しているため効率が悪いこ
と、定着ローラーという熱容量の大きなものを加熱する
ことから、効率の最良のものでも決してクイックスター
トができるものではなかった。
【0005】これに対して、前記ような磁気誘導加熱方
式の加熱装置は、磁気誘導発熱部材に交番磁場を作用さ
せて渦電流を発生させジュール発熱によって被加熱材を
加熱する構成・方式のものであり、発熱部を前記圧接ニ
ップ部若しくは圧接ニップ部近くに設定することができ
て、ハロゲンランプを用いた定着ローラーよりも消費エ
ネルギーの効率アップが達成でき、クイックスタート性
を有する等の特徴点があり、有効な装置である。
【0006】上記のような磁気誘導加熱方式の加熱装置
は種々の構成形態のものとすることができるが、一構成
形態例を挙げると、磁場発生手段としてコア側周にコイ
ル(線輪)を設けた励磁コイルを用い、該励磁コイルの
コアを固定支持の第1部材とし、該コアの一方側の磁極
面と、第2部材としての加圧ローラーとを介在部材とし
ての導電性スリーブ(円筒ロール、エンドレスフィルム
等)の内外面を挟ませて圧接させて圧接ニップ部を構成
させ、加圧ローラーを回転駆動させることで導電性スリ
ーブに回転力を与えて該導電性スリーブをその内面を上
記コアの一方側の磁極面に密着摺動させながら励磁コイ
ルの外回りを回転駆動させる構成にする。
【0007】そして導電性スリーブを回転させ、かつ圧
接ニップ部に励磁コイルの交番磁場を作用させると、圧
接ニップ部における導電性スリーブ部分に交番磁場の作
用で渦電流が生じ、該導電性スリーブ部分に該渦電流と
導電性スリーブの固有抵抗によってジュール熱が発生し
て圧接ニップ部が効率良く、迅速に加熱昇温する。温度
検知手段を具備させ励磁コイルの発生交番磁界を制御さ
せることで圧接ニップ部の温度を所定の一定温度に温調
制御することができる。
【0008】導電性スリーブが回転され、励磁コイルの
交番磁場により圧接ニップ部が加熱昇温して所定の一定
に温調制御されている状態において、導電性スリーブと
加圧ローラーとの間に被加熱材を導入して導電性スリー
ブと一緒に圧接ニップ部を挟持搬送させることで被加熱
材が加熱処理される。被加熱材が未定着画像を担持した
被記録材であれば未定着画像が被記録材面に加熱定着さ
れる。
【0009】励磁コイルは被加熱材の搬送方向に直交す
る方向を長手とする横長形態のものとされ、被加熱材の
搬送方向に直交する方向を長手とする横長コアの側周に
コイルを巻つけて構成される。実際の横長コアは、複数
個の短尺コアを直列に当接させて並べて全体に所要長さ
寸法のものとした短尺コア寄せ並べ構造体である。この
短尺コア寄せ並べ構造体の側周にコイルを巻つけて所要
長さの横長励磁コイルを構成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述の構成形
態例に代表されるような前述の磁気誘導加熱方式の加熱
装置においては次のような課題がある。
【0011】a)圧接ニップ部において第1部材の面に
密着摺動して挟持搬送される介在部材が第1部材との密
着摺動により削られ、搬送駆動トルクの増大や、破壊を
起こす。
【0012】上述の構成形態例では、第1部材としての
コアがこれに当接する介在部材としての導電性スリーブ
の内面を削り、導電スリーブ駆動トルクの増大、導電性
スリーブの破壊を起こす。
【0013】b)圧接ニップ部の温度を所定の一定温度
に制御するためには圧接ニップ部の温度を検知し加熱量
を調整しなければならないが、上述の構成形態例でいえ
ば、介在部材としての導電性スリーブが回転しているこ
とと、圧接ニップ部内部は励磁コイルと第2部材として
の加圧ローラーで密閉されている事から正確な温度検知
は難しい。
【0014】c)さらにサーミスタ等の温度検知手段で
電気信号として温度検知を行う場合、磁場発生主段とし
ての励磁コイルより発生する電子ノイズにより検出温度
精度が低下する。
【0015】d)省電力化のため、介在部材として金属
フィルムのような薄いスリーブを用いた場合、該フィル
ムの回転時の繰り返し曲率変化によりフィルムが破壊す
る。
【0016】そこで本発明はこの種の磁気誘導加熱方式
の加熱装置、該加熱装置を画像加熱定着装置として用い
た画像形成装置について、上記のような問題点を解消す
る、即ち介在部材部材の削れ・破壊、駆動トルクの増大
を防止する事、温度制御の精度向上等を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱装置及び画像形成装置である。
【0018】(1)固定支持の第1部材と、該第1部材
と直接又は介在部材を挟んで相互圧接して圧接ニップ部
を形成する第2部材と、圧接ニップ部に交番磁場を作用
させる磁場発生手段を有し、圧接ニップ部の直接圧接の
第1部材と第2部材との間或は圧接ニップ部の介在部材
と第2部材との間に被加熱材を導入して第1部材面に密
着摺動させながら或は介在部材と一緒に該介在部材を第
1部材面に密着摺動させながら圧接ニップ部を挟持搬送
させ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の交番磁場を作
用させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式で加熱する加
熱装置において、圧接ニップ部における第1部材の被加
熱材又は介在部材との接触摺動面にガラスまたはセラミ
ック層を設ける事を特徴とする加熱装置。
【0019】(2)固定支持の第1部材と、該第1部材
と直接又は介在部材を挟んで相互圧接して圧接ニップ部
を形成する第2部材と、圧接ニップ部に交番磁場を作用
させる磁場発生手段を有し、圧接ニップ部の直接圧接の
第1部材と第2部材との間或は圧接ニップ部の介在部材
と第2部材との間に被加熱材を導入して第1部材面に密
着摺動させながら或は介在部材と一緒に該介在部材を第
1部材面に密着摺動させながら圧接ニップ部を挟持搬送
させ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の交番磁場を作
用させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式で加熱する加
熱装置において、圧接ニップ部における第1部材の被加
熱材又は介在部材との接触摺動面部分に温度検知手段が
一体に形成された事を特徴とする加熱装置。
【0020】(3)固定支持の第1部材と、該第1部材
と直接又は介在部材を挟んで相互圧接して圧接ニップ部
を形成する第2部材と、圧接ニップ部に交番磁場を作用
させる磁場発生手段を有し、圧接ニップ部の直接圧接の
第1部材と第2部材との間或は圧接ニップ部の介在部材
と第2部材との間に被加熱材を導入して第1部材面に密
着摺動させながら或は介在部材と一緒に該介在部材を第
1部材面に密着摺動させながら圧接ニップ部を挟持搬送
させ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の交番磁場を作
用させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式で加熱する加
熱装置において、圧接ニップ部の温度を検知する温度検
知手段を有し、該温度検知手段が温度により抵抗が変化
する素子であり、該素子に所定周波数の電圧が印加され
る事を特徴とする加熱装置。
【0021】(4)固定支持の第1部材と、該第1部材
と直接又は介在部材を挟んで相互圧接して圧接ニップ部
を形成する第2部材と、圧接ニップ部に交番磁場を作用
させる磁場発生手段を有し、圧接ニップ部の直接圧接の
第1部材と第2部材との間或は圧接ニップ部の介在部材
と第2部材との間に被加熱材を導入して第1部材面に密
着摺動させながら或は介在部材と一緒に該介在部材を第
1部材面に密着摺動させながら圧接ニップ部を挟持搬送
させ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の交番磁場を作
用させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式で加熱する加
熱装置において、圧接ニップ部における第1部材の被加
熱材又は介在部材との接触摺動側の面を圧接ニップ部側
に凸とする事を特徴とする加熱装置。
【0022】(5) 第1部材が圧接ニップ部に、磁場
発生手段としての励磁コイル及び該コイルの芯材を有
し、該芯材が直接又は介在部材を挟んで第2部材との圧
接ニップ部を形成しており、該芯材の被加熱材又は介在
部材との接触摺動側の面を圧接ニップ部側に凸とする事
を特徴とする(4)に記載の加熱装置。
【0023】(6) 圧接ニップ部側の凸面の曲率がニ
ップ上流側がニップ下流側より小さい事を特徴とする
(4)又は(5)に記載の加熱装置。
【0024】(7)被加熱材自体が交番磁場により渦電
流を生じて発熱する部材である事を特徴とする(1)乃
至(6)の何れか1つに記載の加熱装置。
【0025】(8)介在部材が圧接ニップ部に対する磁
場発生手段の交番磁場により渦電流を生じて発熱する導
電部材である或はそのような発熱導電層を有する部材で
ある事を特徴とする(1)乃至(6)の何れか1つに記
載の加熱装置。
【0026】(9)第1部材が交番磁場により渦電流を
生じて発熱する磁気誘導発熱部材である事を特徴とする
(1)乃至(4)の何れか1つに記載の加熱装置。
【0027】(10)介在部材が回転体である事を特徴
とする(1)乃至(9)の何れか1つに記載の加熱装
置。
【0028】(11)第2部材が磁場発生手段の交番磁
場により渦電流を生じて発熱する導電部材である或はそ
のような発熱導電層を有する部材である事を特徴とする
(1)乃至(10)の何れか1つに記載の加熱装置。
【0029】(12)第2部材が回転体である事を特徴
とする(1)乃至(11)の何れか1つに記載の加熱装
置。
【0030】(13)被加熱材が未定着画像を担持した
被記録材であり、装置が未定着画像を被記録材に加熱定
着させる加熱定着装置であることを特徴とする(1)乃
至(12)の何れか1つに記載の加熱装置。
【0031】(14)前記(1)乃至(13)の何れか
1つに記載の加熱装置を被記録材に未定着画像を加熱定
着させる画像加熱定着装置として備えている事を特徴と
する画像形成装置。
【0032】〈作 用〉圧接ニップ部における第1部材
の被加熱材又は介在部材との接触摺動面にガラスまたは
セラミック層を設ける事により、該接触摺動面を耐熱性
で、高い寸法精度、平面性、平滑性の面にすることがで
き、該接触摺動面自体の熱圧変形や削れ、及び該面に密
着して摺動する介在部材或は被加熱材の削れ・破壊、駆
動トルクの増大を防止する事ができる。
【0033】温度制御のための温度検知手段を第1部材
の被加熱材又は介在部材との接触摺動面に一体に形成す
る事により、組立て時間の短縮、温度検知手段の応答性
改善を行う事ができる。
【0034】温度検知手段が温度により抵抗が変化する
素子であり、該素子に交流(所定周波数の電圧)を印加
する事により、S/N比の高い温度検知ができ、より精
度の高い温度制御ができる。
【0035】圧接ニップ部における第1部材の被加熱材
又は介在部材との接触摺動面を圧接ニップ部側に凸とす
る事により、介在部材に発生する繰り返し応力を減ら
し、介在部材破壊を防止し、かつ発熱効率の低下を防止
できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
〈実施形態例1〉(図1〜図3) (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の
画像形成装置はレーザー走査式・転写式電子写真プリン
タである。
【0037】3は有機感光体やアモルファスシリコン感
光体でできた感光体ドラムであり、矢示の反時計方向に
所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動さ
れる。この回転感光体ドラム3は帯電ローラー4により
その周面が所定の極性・電位に一様帯電される。そして
その帯電面に、レーザー光学箱(レーザースキャナ)8
から出力される、不図示の画像読み取り装置やコンピュ
ータ等の画像信号発生装置(ホスト装置)から入力され
た目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応
して変調(オン/オフ変換)されたレーザー光6の走査
露光がなされることで、画像情報の静電潜像が形成され
る。7はレーザー光反射ミラーであり、レーザー光学箱
8からの出力レーザー光6を感光体ドラム3に対して偏
向する。5は現像器であり、回転感光体ドラム3面の上
記静電潜像をトナー像として現像する。
【0038】16は中間転写体ドラムであり、感光体ド
ラム3に接触もしくは近接させて配設してあり、感光体
ドラム3の回転に順方向に感光体ドラム3とほぼ同一周
速度で回転駆動される。そして、回転感光体ドラム3に
形成された上記のトナー像が不図示の転写手段によりこ
の中間転写体ドラム16の周面に転写される。
【0039】12は中間転写体ドラム16に対するトナ
ー像転写後の感光体ドラム3の面を清掃するクリーナー
である。
【0040】中間転写体ドラム16と転写ローラー9と
の間の転写ニップ部に対して、給紙カセット11から被
記録材としての転写材Pが給紙ローラー10により一枚
給紙されて所定のタイミングにて導入され、該転写材P
に対して中間転写体ドラム16側のトナー像が転写ロー
ラー9により転写される。転写ローラー9は転写材Pの
背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転
写体ドラム16から転写材Pにトナー像を転写する。
【0041】トナー像の転写を受けた転写材Pは中間転
写体ドラム16から分離されて定着装置13へ導入され
てトナー像の加熱定着を受け、排紙トレー14に複写物
として排出される。
【0042】(2)定着装置13 a)装置構成・動作 図2は定着装置13の概略構成模型図である。本例の定
着装置13は導電層(発熱層)1を具備させた円筒状
(エンドレスベルト状)の定着フィルム(導電性スリー
ブ)15を用いたフィルム加熱方式・磁気誘導加熱方式
の加熱装置である。
【0043】円筒状の定着フィルム15は、本例のもの
は、基層となる金属フィルム等でできた導電層1と、そ
の外周面を被覆させた樹脂層2からなり、フィルム内面
ガイド部材を兼ねるステー30と、そのステー30内に
配設した、高透磁率コア(磁束発生コア)17とその側
周に巻つけたコイル18からなる励磁コイル31と、こ
の励磁コイル31のコア17の下面側(一方側の磁極
面)に配置したフィルム加圧板19とからなるアセンブ
リに対してルーズに外嵌させてある。
【0044】ステー30は励磁コイル31を支持する働
きも持ち、磁場の作用で磁気誘導発熱を生じない材質
材、例えば非磁性金属材や非金属材料、あるいは複合構
造体で構成してある。32はコイル18に接続した励磁
回路(磁気回路)である。
【0045】20は加圧ローラーであり、芯金21の周
囲にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性の良い弾性
層22を設け、その外側にフッ素樹脂やシリコーン樹脂
等の耐熱性かつ離型性に優れた樹脂層を表面層23とし
て設けたものである。この加圧ローラー20は芯金21
の両端部を不図示の装置側板の軸受部材間に回転自由に
保持させてあり、駆動系Mにより矢示の反時計方向に回
転駆動される。
【0046】上記の部材15・30・31・19・20
は何れも被加熱材としての被記録材(転写材)Pの搬送
方向に直交する方向(図2の紙面に垂直の方向)を長手
とする横長部材である。
【0047】円筒状の定着フィルム15を外嵌したアセ
ンブリ15・30・31・19はフィルム加圧板19側
を下向きにして加圧ローラー20の上側に加圧ローラー
20に略並行に配置され、定置のバネ受け34とステー
30との間に加圧バネ33を縮設してあり、この加圧バ
ネ33の縮設反力によりアセンブリ15・30・31・
19に押し下げ力が作用してフィルム加圧板19と加圧
ローラー20とが定着フィルム15を挟み込んで圧接す
る。この圧接により加圧ローラー20の弾性層22・表
面層23が弾性変形して所定幅の圧接ニップ部N(以
下、定着ニップ部と記す)が形成される。
【0048】上記において、励磁コイル31が本発明の
加熱装置における磁場発生手段、フィルム加圧板19が
固定支持の第1部材、定着フィルム15が介在部材、加
圧ローラー20がフィルム加圧板19との間に定着フィ
ルム15を挟んで相互圧接して定着ニップ部Nを形成す
る第2部材にそれぞれ対応している。
【0049】加圧ローラー20が矢示の反時計方向に所
定の速度で回転駆動されると、その回転に伴い、円筒状
の定着フィルム15がステー30の外周りを、内面が定
着ニップ部Nにおいてフィルム加圧板19の下面に密着
摺動しながら加圧ローラー20との摩擦力で矢示の時計
方向に従動回転する。この場合、フィルムガイド部材と
してのステー30によって定着ニップ部Nへの加圧と定
着フィルム15の搬送安定化が図られている。
【0050】定着ニップ部Nの定着フィルム15と加圧
ローラー20との間に被加熱材としての被記録材Pが導
入されることで、該被記録材Pが定着フィルム15に密
着してフィルム15と一緒に該定着ニップ部Nを挟持搬
送される。
【0051】励磁コイル31のコイル18に励磁回路3
2から高周波を発生させることで、定着ニップ部Nにお
いて定着フィルム15の導電層1の部分に磁場が入り、
該導電層1部分に渦電流が発生して発熱を生じ定着ニッ
プ部Nが加熱される。
【0052】励磁コイル31の高透磁率コア17はフェ
ライトやパーマロイといったトランスのコアに用いられ
る材料を用いるが、より好ましくは、100kHz以上
でも損失の少ないフェライトを用いるのがよい。励磁回
路32は20kHzから500kHzの高周波をスイッ
チング電源で発生させるようになっている。
【0053】加圧ローラー20の回転駆動により定着フ
ィルム15を回転させ、かつ励磁コイル31の発生磁場
により定着ニップ部Nを所定の温度に加熱した状態にお
いて、定着ニップ部Nの定着フィルム15と加圧ローラ
ー20との間に被加熱材としての被記録材Pを導入して
挟持搬送させることで被記録材Pの未定着トナー像Tが
加熱定着される。
【0054】図3は定着ニップ部N内での加熱原理図で
あり、励磁回路32によってコイル18に印加される電
流で発生する磁束は、高透磁率コア17に導かれて定着
ニップ部N内で定着フィルム15の導電層1に磁束35
と渦電流36を発生させる。この渦電流36と導電層1
の固有抵抗によって熱(ジュール熱)が発生する。
【0055】本例の定着装置は、定着ニップ部Nにおい
て被加熱材Pに近い金属フィルム1を直接発熱させ、か
つ薄い離型樹脂層2を介して被加熱材Pに伝達しやすく
することで、従来の熱ローラー加熱定着方式の装置等に
比較して熱効率が格段に良くて、電力消費が少なく、か
つ待ち時間のいらないクイックスタート性を有する装置
である。
【0056】b)定着フィルム15 定着フィルム15の導電層としての金属フィルム1は、
非磁性の金属でも良いが、より好ましくはニッケル、
鉄、ステンレスといった強磁性体の金属を用いるとよ
い。外周面被覆層(離型層)2は、シリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の離型性かつ
耐熱性の良い耐熱樹脂層である。
【0057】金属フィルム1の厚みは200μm以下に
するとよい。より好ましくは次の式で表される表皮深さ
σ(m)を越えない方が好ましい。表皮深さσは、励磁
回路の周波数f(Hz)と透磁率μと固有抵抗ρ(Ω)
m)で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0058】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆に言うとほとんどのエ
ネルギーはこの深さまでで吸収されている。
【0059】一方でフィルムの厚さが200μmを越え
ると、金属の硬さが目立ち始め、フィルムとしての駆動
がしづらくなる。また熱容量も大きくなり、室温から急
速に温度を上げて数秒間で定着可能にするようなことが
できなくなる。
【0060】金属フィルム1の外周面被覆層としての耐
熱樹脂層2は5μm以上25μmまでの離型性のよいも
のを用いる。
【0061】25μm以上厚くすることは、熱伝導を悪
化させ、また塗膜の強度が低下したり一回の工程で作れ
ない、材料が多くかかるといった問題の割りにメリット
が無くなる。
【0062】一方、5μm以下は塗膜のムラで離型性の
悪い部分ができたり、耐久性が不足するといった問題が
生じる。
【0063】また、定着フィルム15は金属フィルム1
を基材とせず、ポリイミドのような耐熱性と強度のある
樹脂フィルム上に金属フィラーのようなものを混ぜた樹
脂層を重ねて導電層とし、これを発熱させるようにした
ものでもよい。
【0064】又、定着フィルム15の金属フィルム1の
内面をフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、PPS、PEE
K、液晶ポリマー、フェノール樹脂等により被覆しフィ
ルム内面からの熱の逃げを防止してもよい。
【0065】c)フィルム加圧板19 定着フィルム15の内面が密着摺動する、定着フィルム
15の加圧搬送を支持する部材である第1部材としての
フィルム加圧板19は、アルミナ等のセラミック板10
1と、その表面側にはガラス層102を形成したもの
で、ガラス層102の面に定着フィルム15の内面が密
着摺動する。
【0066】セラミック板101の裏面には温度検知手
段としてサーミスタ100を設けている。サーミスタ1
00は感温素子をガラス内に封止したφ1mmのビーズ
型サーミスタをシリコンゴム接着剤でセラミック板10
1に接着し、熱応答性を高めている。
【0067】サーミスタ100はセラミック板101の
裏面温度を検知し、その検知温度情報を不図示の制御系
へフィードバックする。制御系はその検知温度情報に基
づいて励磁回路32を制御して励磁コイル31の発生交
番磁界を制御し定着ニップ部Nの温度を所定の一定温度
に温調制御する。
【0068】ガラス層102はセラミック板101上に
膜厚印刷用ガラスペーストを印刷または塗布し焼成した
ものである。焼成時に温度をガラスの融点以上にあげる
ためガラスが液状化しこの時表面張力により非常に平滑
性のよい表面を形成する。
【0069】フィルム加圧板19は定着ニップ部Nにお
いて200〜300℃の高温下で加圧をうけ加圧ローラ
ー20との間で挟みつけた状態で定着フィルム15が密
着摺動する。このため高温でも変形しない耐熱性、耐摩
耗性、平滑性が必要とされる。
【0070】平滑性についてはRZ で2μ以下(小坂研
究所製 表面粗さ計 SE−30Hにて測定長2.5m
m,測定速度0.5mm/sec)、ビッカース硬度は
200以上が望ましい。
【0071】第1部材としてのフィルム加圧板19が樹
脂の場合、或は該部材の定着フィルムとの密着摺動面が
樹脂層の場合には、高温高加重下ではクリープにより加
圧面の変形をおこし定着不良をおこしてしまう。また定
着フィルム15と摺動する際、摩耗が多くフィルム15
の駆動トルクの増大をおこす。
【0072】また第1部材としてのフィルム加圧板19
に金属を用いると、磁場が通過する際うず電流発生によ
り、フイルム15の導電層1に到達する磁場が弱くなり
発熱効率がおちる。
【0073】その点、ガラス、セラミック等は非金属で
磁場を弱めない。耐熱性もある。また硬度が高く耐摩耗
性に優れている。
【0074】又、セラミックからなるコア17を直接フ
ィルム内面に押しつけ加圧する場合、コアのフィルム摺
動面に高い表面平滑性,寸法精度が要求される。しかし
ながら、通常コア17を成型する時は、セラミック粉末
を加熱,圧縮するのであるが高い成型圧力を必要とする
ため樹脂モールドのように大きな部品を高い寸法精度で
作る事、高い面平滑性を得る事が難しい。
【0075】コア17以外の部材で加圧面を形成すれば
加圧面形状の寸法精度が上がり均一な定着ニップ部Nを
形成でき、平滑性の高い加圧面が得られる。コア17
も、加圧板19もセラミックであるが、コア17は3次
元形状、加圧板19は2次元形状である。2次元形状す
なわち板状部材であれば高い平面性、平滑性を得られる
製法がある。よって定着性の悪化、フィルム駆動トルク
の増大といった事がなくなる。
【0076】フィルム加圧板19としてはセラミック板
単品、ガラス板単品を用いてもよい。
【0077】又、本例においてフィルム15内面にグリ
ス、オイル等耐熱性潤滑剤を塗布してもよい。
【0078】〈実施形態例2〉(図4) 本例は温度検知手段に関して、フィルム加圧板19の裏
面上に電極を設けサーミスタを接着・接合する事でフィ
ルム加圧板19とサーミスタを一体化し、組立て時間の
短縮、応答性の改善をはかる。
【0079】図4はフィルム加圧板19の裏面上に設け
たサーミスタ部の拡大斜視図である。フィルム加圧板1
9のセラミック板101の裏面にはAg,Ag/Pd,
Ag/Pt,Pt,Au等の非磁性金属からなる厚さ1
0μ程の並行1対の電極120・120が設けられてお
り、その間にサーミスタ503が導電性接着剤504に
より接着してある。
【0080】サーミスタ503はFe34 ,MgCr
24 ,MgAl24 ,NiO,Mn23 ,Co2
3 等の金属酸化物の固溶体または混合焼成したものを
1.6mm×0.8mm×1.6mmの大きさに切り出
したブロック501とその両端を包む様に設けられたA
g,Ag/Pt,Pt,Ag/Pd,Pt等からなる電
極502・502からなり負の温度係数をもつ。
【0081】サーミスタ503の出力はセラミック板端
部Eに不図示のコネクターを接続する事で電極120・
120から制御系に取り出す。
【0082】導電性の接着剤504としては融点300
℃以上のSn/Pb等のはんだ、あるいはエポキシ,ポ
リイミド,シリコン等の耐熱樹脂にAg,Au,Ag/
Pd,Ag/Pt,Ptあるいはカーボン等の導電粉を
混合したもの、あるいは導電性厚膜印刷用ペースト、金
属ろう等を用いる事ができる。
【0083】また、熱応答性やサーミスタの接着力を高
めるため電極502、サーミスタブロック501、セラ
ミック板101からなる空間Fにエポキシ,シリコン,
ポリイミド等の耐熱絶縁性樹脂をつめてもよい。
【0084】〈実施形態例3〉(図5) 本例は温度検知手段に関して、フィルム加圧板19のセ
ラミック板101の表面側に厚膜印刷によりサーミスタ
を形成して、組立て時間の短縮、応答性の改善、サーミ
スタの信頼性の改善を行った例を示す。
【0085】図5の(a)は要部の拡大横断面模型図、
(b)は要部の切欠き拡大平面図である。
【0086】即ち、フィルム加圧板19のセラミック板
101の表面側に並行1対の電極50・50を厚膜印刷
し、その一端側に両電極にまたがらせてサーミスタ51
を同様に厚膜印刷により形成する。サーミスタ51・電
極50はガラス層102により覆われ、外部より保護さ
れている。
【0087】また厚膜印刷ではなく、蒸着、スパッタリ
ング,CVD等の薄膜プロセスによっても同様にフィル
ム加圧板19内にサーミスタ51を形成できる。
【0088】本例の場合は、先述の実施形態例2にくら
べ、サーミスタ51を発熱源に近づけられるためより高
い応答性が得られるとともに、ヒートサイクルによる熱
膨張、収縮による接着、接合部の破壊がおきにくく、高
い信頼性が得られる。
【0089】サーミスタ51として先述以外にPt等の
温度係数の大きな金属の層を設け、その抵抗変化により
温度を測定してもよい。特にPtの様な非磁性材料は磁
場による発熱が少なく温度が正確に測れる。
【0090】又、図5(c)の様にニップ方向に長くサ
ーミスタ51′を形成してフィルム加圧板19′を構成
するとニップ内の温度むらを平均化して温度を測ること
ができ定着性のばらつきをおさえられる。
【0091】〈実施形態例4〉(図6) 本例は、実施形態例1の定着装置13(図2)におい
て、サーミスタ100の信号を交流変調し、フィルター
により変調周波数成分のみを取り出す事で温度検知のS
/N比を上げ、より正確な温度制御ができるようにして
いる。
【0092】図6において、サーミスタ100には電源
202より80Hz,VP-P 5Vのパルス信号が加えら
れている。その出力を中心周波数80Hzのバンドパス
フィルター201を通しCPU200へ信号を伝える事
で、他の周波数成分のノイズをすべて除去でき、高いS
/N比でサーミスタ100の抵抗変化を検知できる。
【0093】CPU200は温度情報に基づき励磁回路
32を制御して励磁コイル31の発生交番磁界を制御し
定着ニップ部Nの温度を所定の一定温度に温調制御す
る。
【0094】電磁誘導加熱方式においては、コイルに通
電される電流のオン/オフにより大量のノイズが発生す
る。このノイズによりサーミスタ出力のS/N比が低下
し、温度制御の精度が低下するが、本例ではこれを防止
できる。
【0095】本例ではアナログフィルター201を用い
たがCPU200内でソフトウェアによりデジタルフィ
ルターを構成してもよい。
【0096】〈実施形態例5〉(図7) 介在部材として金属フィルムのような薄いスリーブ15
(フィルムと記す)を用いた場合に、フィルム回転時の
曲率変化が繰り返されると、繰り返し応力の発生によ
り、フィルムが破壊し易い。
【0097】これを防止するためフィルム回転は一定の
曲率で行うのが望ましい。
【0098】そこで本例の装置は図7のように、定着フ
ィルム15の加圧搬送を支持するステー300を下方に
凸(定着ニップ部N側に凸)とし、フィルム回転時の定
着ニップ部N内外での曲率変化を防止している。
【0099】さらにこの時励磁コイル310のコア30
1の下面の形状を凸としている。コアの面が平面だとス
テー300のフィルム加圧面を凸とした時、フィルムと
コア間の距離がはなれてフィルム内の磁力が弱まり発熱
効率が低下するが、コア形状を凸とする事でこれを防止
できる。
【0100】〈実施形態例6〉(図8) 本例は上記実施形態例5の装置について、さらに図8に
示す様にステー305の定着ニップ部N内の曲率を、定
着ニップ部Nにおける定着フィルム搬送移動方向上流側
Kより下流側Jを大きくしている。
【0101】フィルムのような薄いスリーブ15の場
合、円形に駆動するより、楕円形,卵型の様に駆動する
方がステー305とスリーブ15との摺擦面積を減らす
事ができ、スリーブ15の駆動トルクを減らせる。
【0102】〈実施形態例7〉(図9) 磁気誘導加熱方式の加熱装置は上述例の構成以外にも、
種々の構成形態のものとすることができる。本例はその
ような各種構成形態例である。
【0103】1)圧接ニップ部Nに導入されて挟持搬送
される被加熱材P自体が交番磁場の作用で渦電流を生じ
て発熱するものであれば、該被加熱材は圧接ニップ部を
挟持搬送される過程で励磁コイルの交番磁場の作用を受
けて加熱状態になる。
【0104】この場合は介在部材としてのフィルム15
は発熱層である導電層1を具備させなくともよい。また
介在部材としてのフィルム15自体を具備させない構成
のものとすることもできる。
【0105】2)フィルム15の駆動は加圧ローラー2
0以外の他の駆動部材により行う構成とすることもでき
る。図9の(a)はその例であり、ステー30・励磁コ
イル31・フィルム加圧板19のアセンブリと、駆動ロ
ーラー41と、従動ローラー42(テンションローラ
ー)との間にエンドレスベルト状のフィルム15を懸回
張設して支持させて、駆動ローラー41の回転駆動によ
りフィルム15を回転駆動させるように構成したもので
ある。加圧ローラー20は従動回転ローラーである。
【0106】3)フィルム15は巻き取り式の有端フィ
ルムとすることもできる。図9の(b)はその例であ
り、ロール巻きの長尺のフィルム15を繰り出し軸43
に支持させて先端側を、ステー30・励磁コイル31・
フィルム加圧板19のアセンブリのフィルム加圧板19
と加圧ローラー20との圧接ニップ部Nを経由させて巻
き取り軸44に係止させ、巻き取り軸側へ所定の速度で
巻き取り走行させる構成のものである。
【0107】4)加圧ローラー20にも発熱層としての
導電層を具備させて圧接ニップ部Nにおいて励磁コイル
31の磁場により発熱させることで圧接ニップ部Nに導
入されて挟持搬送される被加熱材を表裏両面側から加熱
することもできる。
【0108】5)図9の(c)のように、励磁コイル3
1のコア17の圧接ニップ部側の磁極面部分に交番磁場
の作用で渦電流を生じて発熱する磁気誘導発熱部材45
を介在させて加圧ローラー20との間に圧接ニップ部N
を形成させ、あるいはこの磁気誘導発熱部材45の外面
側にさらにフィルム46を介在させて圧接ニップ部Nを
形成させ、圧接ニップ部Nに導入されて挟持搬送される
被加熱材を、上記の磁気誘導発熱部材45の発熱で直接
に、もしくは該磁気誘導発熱部材45の発熱を上記のフ
ィルム46を介して伝達して加熱する構成のものとする
こともできる。
【0109】上記のような各種構成形態例の装置にも本
発明を適用して有効であることは勿論である。また各実
施形態例1乃至7の特徴構成を相互に適宜組み合わせて
複合した装置構成とすることもできる。
【0110】また実施形態例は画像加熱定着装置である
が、これに限らず本発明の加熱装置は、画像を担持した
被記録材を加熱して表面性(つや等)を改質する装置、
画像の仮定着装置、加熱ラミネート装置、加熱乾燥装
置、その他、シート状の被加熱材を加熱処理する装置と
して広く活用することができるものである。
【0111】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、固定支持
の第1部材と、該第1部材と直接又は介在部材を挟んで
相互圧接して圧接ニップ部を形成する第2部材と、圧接
ニップ部に交番磁場を作用させる磁場発生手段を有し、
圧接ニップ部の直接圧接の第1部材と第2部材との間或
は圧接ニップ部の介在部材と第2部材との間に被加熱材
を導入して第1部材面に密着摺動させながら或は介在部
材と一緒に該介在部材を第1部材面に密着摺動させなが
ら圧接ニップ部を挟持搬送させ、かつ圧接ニップ部に磁
場発生手段の交番磁場を作用させる事で被加熱材を磁気
誘導加熱方式で加熱する加熱装置において、圧接ニップ
部における第1部材の被加熱材又は介在部材との接触摺
動面にガラスまたはセラミック層を設けることにより、
平滑性が確保され、第1部材の加圧面の熱圧変形による
加熱不良、摩耗による介在部材駆動トルクの増大、磁場
吸収による発熱効率の低下、介在部材の削れ・破損によ
る繰り返し使用寿命の低下等を防止できる。
【0112】温度制御のための温度検知手段を第1部材
の被加熱材又は介在部材との接触摺動面に一体に形成す
る事により、組立て時間の短縮、温度検知手段の応答性
改善を行う事ができる。
【0113】温度検知手段が温度により抵抗が変化する
素子であり、該素子に交流を印加する事によりS/N比
の高い温度検知ができ、より精度の高い温度制御ができ
る。
【0114】圧接ニップ部における第1部材の被加熱材
又は介在部材との接触摺動面を圧接ニップ部側に凸とす
る事により、介在部材に発生する繰り返し応力を減ら
し、介在部材破壊を防止し、かつ発熱効率の低下を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置例の概略構成図
【図2】加熱装置としての画像加熱定着装置の概略構成
模型図
【図3】定着ニップ部内での加熱原理の説明図
【図4】実施形態例2における温度検知手段の説明図
【図5】(a)は実施形態例3における温度検知手段部
分の要部の拡大横断面模型図、(b)は要部の切欠き拡
大平面図、(c)は変形例の要部の拡大平面図
【図6】実施形態例4における加熱装置の横断面模型図
と温調系のブロック図
【図7】実施形態例5における加熱装置の概略構成模型
【図8】実施形態例6における加熱装置の概略構成模型
【図9】(a)・(b)・(c)はそれぞれ磁気誘導加
熱方式の加熱装置の他の構成形態例の略図
【符号の説明】
3・・感光ドラム、4・・帯電ローラー、6・・レーザ
ー光、7・・反射ミラー、8レーザー光学箱、5・・現
像器、16・・中間転写体ドラム、12・・クリーナ
ー、9・・転写ローラー、11・・給紙カセット、10
・・給紙ローラー、P・・被加熱材(転写材)、13・
・定着装置、14・・排紙トレー、202・・電源、2
01・・バンドパスフィルタ、200・・CPU、15
・・定着フィルム、1・・導電層、2・・離型層、3
0,300,305・・ステー、17,301・・コ
ア、18・・コイル、31,310・・励磁コイル、1
9・・フィルム加圧板、32・・励磁回路、20・・加
圧ローラー、21・・芯金、22・・耐熱弾性層、23
・・表面層、34・・バネ受け、33・・加圧バネ、N
・・定着ニップ部(圧接ニップ部)、35・・磁束、3
6・・渦電流、101・・セラミック基板、102・・
ガラス層、100,51,503・・サーミスタ、12
0・・電極、504・・接着剤

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定支持の第1部材と、該第1部材と直
    接又は介在部材を挟んで相互圧接して圧接ニップ部を形
    成する第2部材と、圧接ニップ部に交番磁場を作用させ
    る磁場発生手段を有し、圧接ニップ部の直接圧接の第1
    部材と第2部材との間或は圧接ニップ部の介在部材と第
    2部材との間に被加熱材を導入して第1部材面に密着摺
    動させながら或は介在部材と一緒に該介在部材を第1部
    材面に密着摺動させながら圧接ニップ部を挟持搬送さ
    せ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の交番磁場を作用
    させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式で加熱する加熱
    装置において、 圧接ニップ部における第1部材の被加熱材又は介在部材
    との接触摺動面にガラスまたはセラミック層を設ける事
    を特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】 固定支持の第1部材と、該第1部材と直
    接又は介在部材を挟んで相互圧接して圧接ニップ部を形
    成する第2部材と、圧接ニップ部に交番磁場を作用させ
    る磁場発生手段を有し、圧接ニップ部の直接圧接の第1
    部材と第2部材との間或は圧接ニップ部の介在部材と第
    2部材との間に被加熱材を導入して第1部材面に密着摺
    動させながら或は介在部材と一緒に該介在部材を第1部
    材面に密着摺動させながら圧接ニップ部を挟持搬送さ
    せ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の交番磁場を作用
    させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式で加熱する加熱
    装置において、 圧接ニップ部における第1部材の被加熱材又は介在部材
    との接触摺動面部分に温度検知手段が一体に形成された
    事を特徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】 固定支持の第1部材と、該第1部材と直
    接又は介在部材を挟んで相互圧接して圧接ニップ部を形
    成する第2部材と、圧接ニップ部に交番磁場を作用させ
    る磁場発生手段を有し、圧接ニップ部の直接圧接の第1
    部材と第2部材との間或は圧接ニップ部の介在部材と第
    2部材との間に被加熱材を導入して第1部材面に密着摺
    動させながら或は介在部材と一緒に該介在部材を第1部
    材面に密着摺動させながら圧接ニップ部を挟持搬送さ
    せ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の交番磁場を作用
    させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式で加熱する加熱
    装置において、 圧接ニップ部の温度を検知する温度検知手段を有し、該
    温度検知手段が温度により抵抗が変化する素子であり、
    該素子に所定周波数の電圧が印加される事を特徴とする
    加熱装置。
  4. 【請求項4】 固定支持の第1部材と、該第1部材と直
    接又は介在部材を挟んで相互圧接して圧接ニップ部を形
    成する第2部材と、圧接ニップ部に交番磁場を作用させ
    る磁場発生手段を有し、圧接ニップ部の直接圧接の第1
    部材と第2部材との間或は圧接ニップ部の介在部材と第
    2部材との間に被加熱材を導入して第1部材面に密着摺
    動させながら或は介在部材と一緒に該介在部材を第1部
    材面に密着摺動させながら圧接ニップ部を挟持搬送さ
    せ、かつ圧接ニップ部に磁場発生手段の交番磁場を作用
    させる事で被加熱材を磁気誘導加熱方式で加熱する加熱
    装置において、 圧接ニップ部における第1部材の被加熱材又は介在部材
    との接触摺動側の面を圧接ニップ部側に凸とする事を特
    徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】 第1部材が圧接ニップ部に、磁場発生手
    段としての励磁コイル及び該コイルの芯材を有し、該芯
    材が直接又は介在部材を挟んで第2部材との圧接ニップ
    部を形成しており、該芯材の被加熱材又は介在部材との
    接触摺動側の面を圧接ニップ部側に凸とする事を特徴と
    する請求項4に記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 圧接ニップ部側の凸面の曲率がニップ上
    流側がニップ下流側より小さい事を特徴とする請求項4
    又は5に記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】 被加熱材自体が交番磁場により渦電流を
    生じて発熱する部材である事を特徴とする請求項1乃至
    6の何れか1つに記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】 介在部材が圧接ニップ部に対する磁場発
    生手段の交番磁場により渦電流を生じて発熱する導電部
    材である或はそのような発熱導電層を有する部材である
    事を特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の加
    熱装置。
  9. 【請求項9】 第1部材が交番磁場により渦電流を生じ
    て発熱する磁気誘導発熱部材である事を特徴とする請求
    項1乃至4の何れか1つに記載の加熱装置。
  10. 【請求項10】 介在部材が回転体である事を特徴とす
    る請求項1乃至9の何れか1つに記載の加熱装置。
  11. 【請求項11】 第2部材が磁場発生手段の交番磁場に
    より渦電流を生じて発熱する導電部材である或はそのよ
    うな発熱導電層を有する部材である事を特徴とする請求
    項1乃至10の何れか1つに記載の加熱装置。
  12. 【請求項12】 第2部材が回転体である事を特徴とす
    る請求項1乃至11の何れか1つに記載の加熱装置。
  13. 【請求項13】 被加熱材が未定着画像を担持した被記
    録材であり、装置が未定着画像を被記録材に加熱定着さ
    せる加熱定着装置であることを特徴とする請求項1乃至
    12の何れか1つに記載の加熱装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13の何れか1つに記載
    の加熱装置を被記録材に未定着画像を加熱定着させる画
    像加熱定着装置として備えている事を特徴とする画像形
    成装置。
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