JPH09176861A - 無電解ニッケルめっき老化液の処理方法 - Google Patents

無電解ニッケルめっき老化液の処理方法

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JPH09176861A
JPH09176861A JP35113195A JP35113195A JPH09176861A JP H09176861 A JPH09176861 A JP H09176861A JP 35113195 A JP35113195 A JP 35113195A JP 35113195 A JP35113195 A JP 35113195A JP H09176861 A JPH09176861 A JP H09176861A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は無電解ニッケルめっき老化液からN
2+と亜リン酸分を工業的安価かつ効果的に分離回収し
て、廃棄可能な状態まで無公害化できる無電解ニッケル
めっき老化液の処理方法を提供する。 【構成】 無電解ニッケルめっき老化液とニッケル粉末
との接触により無電解反応を行わせて、該老化液中のニ
ッケルイオンをニッケル金属として分離回収する第一分
離工程、その分離母液に石膏又は鉱酸と消石灰を作用さ
せて、溶存する亜リン酸分を亜リン酸カルシウムとして
分離回収する第二分離工程を順次施すことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無電解ニッケルめっき
老化液中に残存溶存するニッケルイオン、次亜リン酸
分、亜リン酸分及び有機酸を工業的に効率よく分離除去
して廃棄可能な状態まで無公害化させる無電解ニッケル
めっき老化液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、無電解めっき技術は装飾めっき物
品から磁気ディスクや磁気テープのような機能性電子部
品の製造に至る多様な分野で活用されており、対象とな
るめっき金属の種類も、従来から多用されてきたニッケ
ルの他、一部にニッケル−コバルト合金が適用されてい
る。
【0003】無電解めっき法は、一般に予め建浴しため
っき液に被めっき基材を浸漬して経験的に定められた時
間反応させる方法で行われるが、処理段階でめっき浴や
工程の条件を適正に管理しても反応時の酸化生成物の増
大は避けられず、ある程度使用した処理液は、もはや再
利用できなくなる。
【0004】このため一定のめっき反応を経た浴液は、
液中にNi2+などのめっき金属イオンや次亜リン酸ナト
リウムのような還元成分が多量に残留するにも拘わら
ず、多くの場合、めっき老化液として海洋投棄などの手
段で廃棄処分されてきた。
【0005】しかしながら、公害防止及び環境浄化面か
らの要請から海洋投棄が禁止され、他方、含有する有価
金属成分の回収再利用の積極的な観点から、めっき老化
液の処理技術が活発に開発されており、その一部は実用
化されている。
【0006】ニッケルめっき老化液の処理法としては、
ニッケルイオンを分離回収する方法が主体で、例えば電
解法によりニッケルを折出して回収する方法、鉄粉やバ
ナジウム塩をめっき老化液中に多量投入して自己分解を
誘発させて分離回収する方法、イオン交換樹脂に吸着さ
せる方法、アルカリ性としためっき老化液にアルミニウ
ム板またはアルミニウム箔を投入してニッケルを析出さ
せた後、硝酸で回収し、母液中に残存するニッケルはキ
レート樹脂で吸着させる方法(特開昭51−6136号
公報)、添加法による粉体の無電解めっき粉の製法にお
いて原料にめっき老化液を適用する方法等が提案されて
いる。また、主に環境汚染の立場から溶存する亜リン酸
分を分離回収する方法も提案されており、例えばめっき
老化液を酸性状態に保った状態でPt等の貴金属を担持
した酸化チタンを光触媒として用いて次亜リン酸イオン
をリン酸イオンに酸化、もしくはリン酸カルシウムとす
る方法(特開平6−136549号公報)等が挙げられ
る。一方、該めっき老化液からニッケルを分離回収し、
更に亜リン酸分を回収するといった一括した処理方法も
提案されている。例えば該めっき老化液に雲母粉体に無
電解めっきを施してニッケルを回収し、その母液を過酸
化水素等で酸化してオルソリン酸イオンに転換させ、次
いでこれをカルシウムイオン(Ca2+)と反応させて亜
リン酸カルシウム又はリン酸カルシウムとして沈澱分離
する方法{「リン系難処理めっき廃液の処理技術に関す
る研究」製品化学研究所研究報告第121号}、使用済
み無電解ニッケルめっき液をシュウ酸で処理して沈殿物
を除去し、次に鉱酸とカルシウム化合物を加えて空気中
で焼成することにより、公害を排出しないで有価物の分
離回収を可能とする方法(特開平7−206447号公
報)等が挙げられる。
【0007】しかしながら、上記の方法はいずれも操作
上又は経済的に不利な点があって、工業的に実施するに
は困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題に鑑み、無電解ニッケルめっき老化液の合理的な処理
方法につき、鋭意研究を重ねた結果、無電解ニッケルめ
っき老化液をニッケル粉と接触させて、無電解めっき反
応を施すとニッケルイオンをニッケル金属として実質的
完全かつ容易に分離回収することができ、しかも、分離
母液中に残留する亜リン酸分を石膏又は鉱酸と消石灰と
を作用させて亜リン酸カルシウム或いは、酸化反応によ
りリン酸カルシウムとして分離回収することにより、該
めっき老化液が投棄可能な状態にまで無公害化されるこ
とを知見し本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は無電解ニッケルめっき老化
液からNi2+と亜リン酸分を工業的に安価かつ効果的に
分離回収して、廃棄可能な状態まで無公害化できる無電
解ニッケルめっき老化液の処理方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明が提供しようとす
る無電解ニッケルめっき老化液の処理方法は、該老化液
とニッケル粉末との接触により、無電解めっき反応を行
わせて、老化液中のニッケルイオンをニッケル金属とし
て分離回収する第一分離工程、その分離母液に石膏又は
鉱酸と消石灰を作用させて、溶存する亜リン酸分を亜リ
ン酸カルシウムとして分離回収する第二分離工程を順次
施すことを構成上の特徴とする
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
処理対象とする無電解ニッケルめっき老化液は、主に次
亜リン酸ナトリウムを還元剤とするニッケルめっき廃液
であるが、ニッケル−コバルト合金をめっき金属源とし
ためっき廃液に対して適用することもできる。ここで言
うめっき老化液とは、建浴しためっき液で無電解ニッケ
ルめっきをする際、還元剤として用いる次亜リン酸ナト
リウムが酸化され、次第に亜リン酸ナトリウムの生成に
伴い、めっき機能が減退し、新たにめっき液を補充して
Ni2+が相当量含有しているにも拘わらず建浴における
再めっき機能が発現しない廃棄対象の浴液を言う。
【0012】該無電解ニッケルめっき老化液の組成は建
浴組成やめっき条件等によっても異なるが、ニッケルめ
っき老化液の組成の一例を示すと、多くの場合、Ni2+
が4〜7g/L、H2 PO2 2- が25〜55g/L、H
PO3 2- が80〜100g/L、SO4 2- が30〜75
g/L、キレート剤が30〜55g/L、Na+ 46〜
120g/Lの範囲にあり、老化液の水素イオン濃度は
通常pH4.5〜5.5程度である。しかし、本発明の
処理対象とする無電解ニッケルめっき老化液は、前期組
成のものに限定されるものではない。
【0013】本発明にかかる第一分離工程は、上記の如
き無電解ニッケルめっき老化液からニッケルイオンをニ
ッケル金属として選択的に分離回収する工程である。換
言すれば、この工程は、ニッケルめっき反応を完徹させ
て、落存Ni2+が実質的に除去できる様に処理すること
にある。
【0014】無電解ニッケルめっき老化液は、前記のと
おり通常pH4.5程度の酸性液であるが、第一工程に
おいては、処理するに当り、該溶液のpHを中性前後の
領域、通常pH6〜9、好ましくはpH7〜8の範囲に
調整する。pHの調整は、水酸化ナトリウム又は水酸化
カリウム等の常用のアルカリ薬剤を用いる。
【0015】本発明における第一工程の特徴は、中性前
後に調整した無電解ニッケルめっき老化液を加温下に撹
拌をしながらニッケル粉と接触させ無電解めっき反応を
行うことにある。無電解ニッケルめっき液の加温は、溶
存するNi2+を効率よく回収するため要件となる操作条
件で、通常、50〜90℃、好ましくは60〜80℃の
範囲に温度を保持する。ニッケル粉はNi2+の回収剤と
して機能する成分で、水に分散する金属ニッケル粉末で
あれば特に限定なく用いることができる。最も好ましい
操作の態様は、無電解反応に使用したニッケル粉体をそ
のまま反復して用いることである。この理由は、最初の
無電解めっき反応に使用したニッケル粉体を、繰り返し
使用でき、経済的に有利となるためである。なお、無電
解めっき反応の過程でニッケル粉体が粒成長した場合に
は、粉砕処理して使用すればよい。
【0016】上記無電解ニッケルめっき老化液にニッケ
ル粉を接触させて無電解めっき反応させる操作として
は、(1)室温でpH6〜9に調整しためっき老化液に
ニッケル粉を投入した後、50〜90℃の加温状態で撹
拌しながら無電解めっき反応させる方法、(2)予め温
度50〜90℃、pH6〜9に調整したニッケル粉の水
性スラリー(希釈老化液を分散媒として用いてもよ
い。)に無電解ニッケルめっきとアルカリ剤を同時又は
連続して添加し、前記のように加温並びにpH状態を維
持しながら撹拌下に無電解めっき反応させる方法、ある
いは(3)これらの方法を組み合わせて無電解めっき反
応させる方法のいずれかで行うことができる。これらの
うち(1)の方法は操作が簡便でニッケル回収率も高い
ため工業的に最も有利である。なお、(1)の方法をと
る場合には、1段操作に限らず多段操作を施して連続的
に行うこともできる。
【0017】上記無電解めっき反応の進行過程では水素
ガスが発生するので、このガス発砲現象が反応の開始お
よび終点の目安となる。すなわち、反応終点はガス発砲
現象が止まった時点となる。無電解めっき反応が終了
後、通常0.5時間以上、好ましくは1〜2時間熟成し
て処理を完了し、常法により濾過分離する。したがっ
て、この第一分離工程により、溶存残存するNi2+が1
0ppm以下と驚くほど高い除去率で金属ニッケルとし
て回収することができ、回収したニッケル成分は有価金
属として活用される。一方、次亜リン酸分は亜リン酸分
に酸化されるので処理母液には、金属成分を実質含ま
ず、亜リン酸ナトリウムと硫酸ナトリウムを主成分とす
る組成からなるところから、母液処理が非常に合理的に
行える。
【0018】すなわち、第二分離工程は、上記母液から
亜リン酸分を亜リン酸カルシウムとして分離回収する工
程である。具体的な操作は、第一分離工程後の母液に石
膏又は鉱酸と消石灰を添加して、加温下で反応を行うこ
とにより溶存する亜リン酸分を亜リン酸カルシウムして
沈澱除去する。
【0019】この工程において、適用できる亜リン酸分
の濃度は、特に制限はないが、通常30重量%以下、好
ましくは20重量%以下である。
【0020】用いる石膏及び消石灰は、特に限定はない
けれど反応性の観点から、微細な粒子ほど好ましく、具
体的には、平均粒子径が通常1〜50μm、好ましくは
10〜50μm、特に好ましくは約20μm程度であ
る。これは、粒子径が50μmを越えると反応性が悪く
なり、また、1μm未満のものは工業的に入手するのが
困難なためである。
【0021】石膏及び消石灰の添加量は、母液中に含有
する亜リン酸量に対して、正確な化学量論よりも少量過
剰であり、通常亜リン酸に対して1.1〜1.8倍モ
ル、好ましくは1.2〜1.6倍モルである。
【0022】また、反応時のpHは用いるカルシウム塩
の種類により若干異なり、石膏を用いる場合には、反応
系のpHは通常7〜9、好ましくはpH8の中性付近で
ある。一方、消石灰を用いる場合には、反応時のpH
は、通常7〜12、好ましくは8〜10の弱アルカリ領
域である。なお、上記量の消石灰を反応系内に添加する
に伴い、反応系は強アルカリ性となるので、硫酸又は塩
酸等の鉱酸を添加することにより反応を進行させる。こ
の場合、鉱酸の添加量は、母液中に含有する亜リン酸量
に対して等モル以上、好ましくは1.0〜1.1倍モル
である。鉱酸と消石灰の添加順序は特に問題がなく、同
時でもまたはどちらを先に添加してもよい。
【0023】上記、石膏又は消石灰による反応は、温度
が通常40〜60℃、好ましくは45〜50℃である。
反応時間は、0.5時間以上であれば特に制限はない
が、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜3時間であ
る。反応終了後、常法により濾過分離する。
【0024】以上から判るように、石膏と母液との反応
は典型的な複分解反応であり、消石灰と母液との反応
は、中和を伴う複分解反応であるが、いずれを採るか
は、専ら原料事情や経済上の理由に依存する。前者の反
応は石膏の物性に大きく左右され反応率が90%以下に
なる場合もあるから、より完全に亜リン酸イオンの除去
を図る必要があるときは後者の反応が有利である。
【0025】この第二分離工程により処理した母液中に
は、実質Ni2+が存在せず、亜リン酸分が通常8000
ppm以下、好ましくは5000ppm以下となる。
【0026】したがって、第二分離工程後の母液は、十
分廃棄可能であるが、さらに厳しい排出規制が要求され
る場合には、所望により、下記第三分離工程と第四分離
工程を順次施して、母液から更に亜リン酸分及び有機酸
を除去する。
【0027】第三分離工程は、亜リン酸分をリン酸分に
酸化分解し、リン酸カルシウムとして分離回収する工程
である。具体的な操作法は、第二分離工程後の母液に酸
化剤を添加して、亜リン酸分を酸化分解した後、カルシ
ウム化合物を添加してリン酸分をリン酸カルシウムとし
て分離回収する。
【0028】酸化剤の種類は特に限定なく、塩素、次亜
塩素酸ソーダ、過酸化水素、オゾン等の常用の酸化剤を
用いることができる。酸化剤の添加量は、BOD量に対
して通常0.8〜1.2倍モル、好ましくは0.9倍モ
ルである。反応温度は、特に制限がなく、通常20℃前
後で行えばよい。反応系のpHは通常1〜5、好ましく
は2〜3である。反応時間は、1時間以上であれば特に
制限がなく、通常1〜4、好ましくは2〜3時間であ
る。かくすることにより、亜リン酸成分はオルトリン酸
成分に酸化される。
【0029】次いで、残留溶存するリン酸成分とカルシ
ウム塩とを作用させて、該母液からリン酸カルシウムと
して分離回収することにより、リンのオキシ酸イオンは
完全に母液から除去することができる。なお、用いるカ
ルシウム塩の種類は、例えば消石灰、塩化カルシウム、
石膏等が挙げられるが、カルシウム塩及び反応系のpH
調整剤としても作用する消石灰が最も有利である。
【0030】また、カルシウム塩の添加量は、リン酸に
対して、化学量論以上、好ましくは1.5〜2.0倍モ
ル程度である。反応温度は、限定的でないが、常温以
上、好ましくは50℃程度である。反応系のpHは通常
7〜10、好ましくは8〜9である。反応時間は瞬間的
沈殿反応であるから特に制限はないが、分離性等を考慮
する熟成操作をみれば通常1〜3時間、好ましくは2時
間前後である。反応終了後、常法により濾過分離し母液
からリン酸カルシウムを分離回収する。
【0031】第四分離工程は、第三分離工程後の母液中
に残留する有機酸を活性汚泥法により生物的除去する工
程である。曝気槽中の全活性汚泥量(MLSS濃度)は
通常2000〜3000mg/L、好ましくは2500
mg/Lであり、処理水の滞留時間は、40時間以上で
あれば特に制限がなく、通常40〜60時間、好ましく
は50時間である。
【0032】第一分離工程、第二分離工程に次いで、第
三分離工程と第四分離工程を順次施すことにより、無電
解ニッケルめっき老化液中のニッケルイオン濃度は、通
常1ppm以下、好ましくは0.5ppm以下、BOD
濃度は、通常30ppm以下、好ましくは15ppm以
下、P濃度は、通常10ppm以下、好ましくは4pp
m以下となって、本発明に係る方法により、合理的にめ
っき廃液を処理することができる。
【0033】
【作用】本発明は、無電解ニッケルめっき老化液の処理
法において、該めっき老化液をNi粉体と接触させて、
溶存するNi2+をニッケル金属として分離回収する第一
分離工程、その分離母液を石膏又は鉱酸と消石灰とを作
用させて、亜リン酸分を亜リン酸カルシウムとして分離
回収する第二分離工程を順次施すことを特徴とする。
【0034】第一分離工程は、中性前後にpH調整し、
加温状態の無電解ニッケル老化液をめっき浴とし、Ni
金属として回収分離するものである。この第一分離工程
により、次亜リン酸分は亜リン酸分に酸化され、該老化
液中のNi2+は実質存在しなくなり、多くとも10pp
mでNi2+の回収率は著しく高く、その効果は次第二工
程への移行を容易にする。このように第一分離工程でN
2+を合目的的に回収できることは、全く予想外で、こ
の詳細な機構は不明であるが、めっき反応を中性付近で
行わせること及びめっき基材をニッケル粉に選択した理
由によるものと考えられる。
【0035】第二分離工程は石膏又は消石灰をカルシウ
ム塩として作用させて、亜りン酸分を亜リン酸カルシウ
ムとして分離回収する工程である。例えば、石膏を用い
た場合、反応式は以下に示す通りである。
【0035】
【反応式1】 Na2 HPO3 +CaSO4 → CaHPO3 ↓+Na2SO4 (1)
【0036】上記反応式において、石膏の溶解が反応律
速となって亜リン酸イオンと反応して、亜リン酸カルシ
ウムの沈殿を生じ、液相は硫酸ナトリウムを生成する複
分解反応であり、これも予想外に反応が進行し、経済的
な方法と言える。
【0037】一方、消石灰による亜リン酸カルシウムの
生成機構は、鉱酸として硫酸を用いた場合、反応式は以
下に示す通りである。
【0038】
【反応式2】 Na2 HPO3 +H2 SO4 +Ca(OH)2 →CaHPO3 ↓+Na2SO4 +2H2 O (2)
【0039】上記反応式において、消石灰が順次溶解し
て亜リン酸イオンと反応して、亜リン酸カルシウムの沈
殿を生じ、液相は硫酸ナトリウムを生成させ、実質的に
(1)式と異なるところはない。
【0040】この第二分離工程により処理された分離母
液中には、Ni2+が実質的に存在せず、亜リン酸分は反
応系の溶解度分の通常8000ppm以下、好ましくは
5000ppm以下残留溶存する。また、本発明は、上
記二工程でめっき廃液の処理は実質的に終了するが、更
に、廃液の処理を考慮した場合、必要に応じ上記第一分
離工程及び第二分離工程に次いで、残留する亜リン酸分
をリン酸分に酸化して、リン酸分をカルシウム塩と作用
させてリン酸カルシウムとして完全にリンのオキシ酸イ
オンを分離回収する第三分離工程と、残留する有機酸を
活性汚泥法により、生物的に除去する第四分離工程を順
次施すことにより処理は完全となる。
【0041】かくすることにより、ニッケルイオン、亜
リン酸分及び有機酸を実質含まない処理水まで無電解ニ
ッケルめっき老化液を無公害化することができる。な
お、回収したニッケル金属は工程中に循環使用し、その
後有価物として容易に有効利用することができ、一方、
亜リン酸カルシウムは防錆顔料、フィラー或いはこれを
焼成してリン酸カルシウムのセラミック物、肥料などに
活用することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。
【0043】実施例1 使用済無電解ニッケルめっき老化液として表1の組成の
ものを使用した。
【0044】
【表1】
【0045】・第一分離工程 上記組成の無電解ニッケルめっき廃液1t(比重1.
2、pH4.5)にNi粉末10Kgを加え、50wt
%NaOHを滴下しながらpHを8に維持し、反応が始
まるまで昇温した。約65℃の温度で水素ガスが発生
し、50%wtNaOHを滴下してpHを8に保持した
状態で、更に80℃まで昇温し、1時間熟成した。無電
解めっき反応終了後、常法により濾過分離し、14.5
Kgのニッケル金属を分離回収した(除去率99.9
%)。なお、濾過分離後の母液には、Ni2+が5mg/
L、亜リン酸分148g/Lが残存していた。
【0046】・第二分離工程 第一分離工程後の母液1.2tに50wt%硫酸366
Kgと消石灰粉末180Kgを添加した(pH9)。5
0℃に昇温し、そのまま攪拌しながら2時間熟成させ
た。次いで、反応液を常法にて濾過分離し、355Kg
の亜リン酸カルシウムを分離回収した(除去率95
%)。なお、濾過分離後の母液には、亜リン酸分が6.
6g/L残存していた。
【0047】以上2つの工程により、それぞれ有価物と
してめっき老化液より回収でき、その結果として、合理
的にめっき老化液の処理を行うことができることが判っ
た。
【0048】・第三分離工程 第二分離工程後の母液1.35t(BOD:3500m
g/L)に塩素ガス16Kg吹き込み、20℃で30分
間、亜リン酸分を酸化分解した。次いで、消石灰粉末1
2.5Kgを添加し、50℃で2時間攪拌下で熟成させ
た。反応終了後、常法にて濾過分離し、リン酸カルシウ
ム24Kg(除去率99%)を回収した。なお、濾過分
離後の母液は、リン酸分がPO4 3-としてわずか20m
g/Lという低い濃度にすぎなかった。
【0049】・第四工程 第三分離工程後の母液1.345tを2m3 の曝気槽
(MLSS量:2500mg/L)にて、有機酸を除去
すべく50時間、活性汚泥処理を施し、19Kgの汚泥
ケーキを除去した(BOD除去率99%)。この結果、
最終的な処理水の主な液組成を表2に示したとおり、全
く無害化され、そのまま放流することができた。
【0050】
【表2】 *Pの除去率は処理前の次亜リン酸分と亜リン酸分中のP量で換算した。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の無電解ニ
ッケルめっき老化液の処理法によれば、該めっき老化液
からNi2+と亜リン酸分及び有機酸を簡便な操作で工業
的に効率よく分離除去することができると共に、廃棄可
能な状態まで無公害化でき、産業上の利用価値は極めて
大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無電解ニッケルめっき老化液とニッケル
    粉末との接触により無電解めっき反応を行わせて、該老
    化液中のニッケルイオンをニッケル金属として分離回収
    する第一分離工程、その分離母液に石膏又は鉱酸と消石
    灰を作用させて、溶存する亜リン酸分を亜リン酸カルシ
    ウムとして分離回収する第二分離工程を順次施すことを
    特徴とする無電解ニッケルめっき老化液の処理方法。
  2. 【請求項2】 第二分離工程後の母液に、酸化剤を添加
    して、残留する亜リン酸分を酸化分解した後、消石灰を
    作用させてリン酸カルシウムとして分離回収する第三分
    離工程を施す無電解ニッケルめっき老化液の処理方法。
  3. 【請求項3】 第三分離工程後の母液中の有機酸を活性
    汚泥法により除去する第四分離工程を施す無電解ニッケ
    ルめっき老化液の処理方法。
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JP2007125482A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Japan Organo Co Ltd キレート剤含有水のフッ素・リン処理方法および装置
JP2008248363A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Gunma Univ 無電解Niめっき廃液中のNiの回収方法と低品位炭のガス化方法
JP2019094249A (ja) * 2017-11-28 2019-06-20 国立大学法人東北大学 水素ガスの製造方法および水素ガスの製造装置
JP2019118908A (ja) * 2018-01-10 2019-07-22 株式会社興徳クリーナー 無電解メッキ廃液の処理方法

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