JPH09176752A - アルミドロス残灰とアルミスラッジの同時処理方法 - Google Patents

アルミドロス残灰とアルミスラッジの同時処理方法

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JPH09176752A
JPH09176752A JP33660395A JP33660395A JPH09176752A JP H09176752 A JPH09176752 A JP H09176752A JP 33660395 A JP33660395 A JP 33660395A JP 33660395 A JP33660395 A JP 33660395A JP H09176752 A JPH09176752 A JP H09176752A
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aluminum
weight
sludge
residual ash
dross
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Application number
JP33660395A
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Akira Morita
彰 森田
Masaharu Sugiyama
雅春 杉山
Noboru Sugiyama
昇 杉山
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Publication date
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミドロス残灰とアルミスラッジとを同時
にかつ効率良く処理することができ、しかも、好ましく
ない不純物の含有量を可及的に低減して種々の用途のア
ルミ源として有用なアルミナ製品を得ることができるア
ルミドロス残灰とアルミスラッジの同時処理方法を提供
する。 【解決手段】 アルミ又はアルミ合金からなるアルミ原
材料を溶解するアルミ溶解工程由来のアルミドロス残灰
と、アルミ又はアルミ合金からなるアルミ加工品の表面
処理工程で発生する水酸化アルミを含むゲル状のアルミ
スラッジとを混合し、得られた混合物を加熱処理するア
ルミドロス残灰とアルミスラッジの同時処理方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム
(以下「アルミ」と略称する)又はアルミ合金からなる
アルミ原材料を溶解するアルミ溶解工程で不可避的に発
生するアルミドロスより金属状のアルミ又はアルミ合金
を回収した後のアルミドロス残灰と、アルミ又はアルミ
合金からなるアルミ加工品の表面処理工程で不可避的に
発生する水酸化アルミを含むゲル状のアルミスラッジと
を同時に処理し、これらアルミドロス残灰及びアルミス
ラッジからアルミ分を有価物として回収することができ
るこれらアルミドロス残灰及びアルミスラッジの同時処
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ又はアルミ合金からなるアルミ製
品は、その耐蝕性、軽量性、導電性、伝熱性等において
優れた特性を有し、このために車両、船舶、機械、電
気、建築、日用品、飲料用缶等の極めて多くの分野で利
用されており、また、その形態も鋳塊品、圧延品、押出
品、鍛造品等の種々の製品として極めて多岐に及んでい
る。
【0003】そして、このようなアルミ製品の製造は、
一般的には、アルミ新地金、アルミ母合金、工場内で生
じる製品のアルミ切れ端(工場内リターン材)、二次ア
ルミ塊、二次アルミ母合金塊、回収アルミスクラップ等
のアルミ原材料を溶解して基本的な形態のスラブ、ビレ
ット、アルミ塊、アルミ合金塊等のアルミ鋳塊品を製造
し、次いで、このアルミ鋳塊品に圧延、押出、鍛造等の
加工を施して所望の形状に形成し、このうち多くは、表
面の清浄化や、表面に耐蝕性や意匠性を付与する等の目
的で、陽極酸化処理等の表面処理を施し、所望のアルミ
製品としている。
【0004】このため、アルミ原材料からアルミ鋳塊品
を製造するにはこのアルミ原材料を溶解するアルミ溶解
工程が不可欠であり、アルミ又はアルミ合金が元来酸化
され易い金属であることから、このアルミ溶解工程で溶
湯表面が酸化される。そこで、この溶湯表面の酸化を防
止するために、通常フラックスが使用されているが、こ
の溶湯表面の酸化を完全に防止することは困難であり、
溶湯表面にアルミ酸化物を主成分とする、いわゆるアル
ミドロスが不可避的に発生する。
【0005】そして、このアルミドロスについては、通
常それが60重量%にも及ぶアルミを含んでいるので、
溶湯表面上から掻き出されて固化したアルミドロスを再
度溶解処理し、回転羽根式等のしぼり機を用いて高温及
び/又は加圧下に物理的に溶融金属アルミを絞り出して
回収し、また、必要によりこの操作を複数回繰り返して
溶融金属アルミを可及的に回収している。
【0006】このようにしてアルミドロスから溶融金属
アルミを可及的に回収した後の残滓、すなわちアルミド
ロス残灰は、主としてアルミ酸化物からなるものである
が、依然として金属アルミ(合金も含む)を含み、ま
た、水と反応してアンモニアや塩化水素を発生し、悪臭
等の公害の原因になる窒化アルミ(AlN)やフラック
ス由来の塩素含有成分を含んでいる。
【0007】そこで、このアルミドロス残灰について
は、これまでに、無公害化処理したり、あるいは、アル
ミ源として再利用することが種々検討されている。例え
ば、古くからの方法としては、水熱処理法や高温か焼法
があるが、前者の方法においては、処理に長時間を要
し、また、多量の熱湯を必要とするので設備やエネルギ
ーに多大なコストを要し、しかも、不純物除去効率も十
分ではないという問題があり、また、後者の方法におい
ては、不純物の完全な除去のためには1000℃以上、
好ましくは1100℃以上の加熱が必要になり、設備や
エネルギーに多大なコストを要して実用的でないという
問題がある。
【0008】このため、近年においては、このようなア
ルミドロス残灰を処理する方法として、アルミドロス残
灰を酸化性雰囲気を維持しながら400〜1400℃に
加熱し、酸化アルミを主成分とする粉体状の処理生成物
にする方法(特開平6−135761号公報)、アルミ
ドロス残灰に水を添加して水分含有量を5〜30重量%
に調整し、次いで700〜1500℃で燃焼させる方法
(特開平6−339674号公報)、アルミドロス残灰
に含まれる窒化アルミの量以上の量の二酸化珪素を添加
し、800℃以上で加熱してセメント用原料となるα−
アルミナを得る方法(特開平7−96265号公報)等
も提案されている。
【0009】一方、アルミ鋳塊品に圧延、押出、鍛造等
の加工を施して得られたアルミ加工品については、通常
は、酸洗・脱脂→水洗→エッチング→水洗→脱スマット
→陽極酸化→水洗等の工程で通常行われる陽極酸化処理
が施されている。
【0010】しかしながら、このようなアルミ加工品の
表面処理工程においては、表面処理に用いられる処理液
がアルミ分を多量に含有する老化浴となって排出される
ほか、表面処理の際に発生するガスと共にミストとして
飛散し、排気系に吸収されて発生したり、その他のハン
ドリングロスとして漏洩する、いわゆる「ミスト等由来
の廃液」が発生し、また、各表面処理の後に行われる水
洗工程で発生する多量の「洗浄水由来の廃液」が発生す
る。
【0011】特に、上記ミスト等由来の廃液や洗浄水由
来の廃液については、その濃度が希薄であって、しか
も、多種多様な不純物を含んでいるために有効な利用方
法がなく、一括して廃液処理されている。この廃液処理
としては、通常、先ずその廃液をpH5〜9、好ましく
はpH5.5〜8.5に中和処理し、その際に生成した
水酸化アルミを含有するゲル状のアルミスラッジを可及
的に分離除去し、得られた中性の清澄液を排水として処
理するが、アルミスラッジについてはこれを経済的に有
用資源化することが困難であり、時には多額の処理コス
トを費やして廃棄処分にすることが行われている。
【0012】ここで、アルミ加工品の表面処理工程にお
ける廃液処理から工業的に回収されたアルミスラッジに
ついてその実例の幾つかを表1に示す。
【表1】
【0013】上記表1から明らかなように、アルミスラ
ッジの主成分はアルミ分〔Al、超微粒アルミナ水和物
(アルミナゲル)〕であるが、このアルミスラッジには
Al分の1/4〜1/2にも及ぶ多量の硫酸根(SO4
2- )が含まれ、しかも、全体の70〜80%(105
℃乾燥物基準:105℃で乾燥した残分を固形分と仮定
して計算した値)にも及ぶ多量の水分が含まれており、
これがこのアルミスラッジの有効利用を困難にしている
ほか、その重量及び嵩の点から輸送コストの負担を大き
くし、また、利用する上でも製品の物理的、化学的な品
質を低下させ、あるいは、このようなアルミスラッジを
利用するプロセスに特別な脱水プロセスを必要とさせ、
結果としてアルミスラッジの有効利用を防げている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、アルミ製品の製造工程で発生する処理の困難なアル
ミドロス残灰やアルミスラッジについて、これらをより
効率的に処理することができると共に、これらアルミド
ロス残灰やアルミスラッジに含まれている好ましくない
不純物を可及的に除去してアルミ源として有用資源化す
る方法について鋭意検討した結果、意外にも、アルミド
ロス残灰とアルミスラッジとを混合して加熱処理するこ
とにより、これらアルミドロス残灰とアルミスラッジと
を同時にかつ効率良く処理することができ、しかも、種
々の用途のアルミ源として有用資源化できる程度にまで
容易に不純物を除去することができることを見出し、本
発明を完成した。
【0015】従って、本発明の目的は、アルミドロス残
灰とアルミスラッジとを同時にかつ効率良く処理するこ
とができ、しかも、種々の用途のアルミ源として有用資
源化することができるアルミドロス残灰とアルミスラッ
ジの同時処理方法を提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、アルミドロス
残灰とアルミスラッジとを同時に処理し、好ましくない
不純物である金属アルミの含有量が全アルミ分の5重量
%以下、窒化アルミの含有量が全アルミ分の2重量%以
下、及び全塩素分の含有量が全アルミ分の0.1重量%
以下であるアルミナ製品を得ることができるアルミドロ
ス残灰とアルミスラッジの同時処理方法を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
ルミ又はアルミ合金からなるアルミ原材料を溶解するア
ルミ溶解工程で発生するアルミドロスより金属状のアル
ミ又はアルミ合金を回収した後のアルミドロス残灰と、
アルミ又はアルミ合金からなるアルミ加工品の表面処理
工程で発生する水酸化アルミを含むゲル状のアルミスラ
ッジとを混合し、得られた混合物を加熱処理するアルミ
ドロス残灰とアルミスラッジの同時処理方法である。
【0018】本発明において処理の対象となるアルミド
ロス残灰は、それがアルミやアルミ合金からなるアルミ
原材料を溶解するアルミ溶解工程で副生するものであれ
ば特に制限されるものではなく、具体的には、例えば、
アルミ新地金、アルミ母合金、工場内で生じる製品のア
ルミ切れ端(工場内リターン材)、二次アルミ塊、二次
アルミ母合金塊、自動車部品やアルミ缶等の回収アルミ
スクラップ等のアルミ原材料を溶解して基本的な形態の
スラブ、ビレット、アルミ塊、アルミ合金塊等のアルミ
鋳塊品を製造する際のアルミ溶解工程で副生するアルミ
ドロスから得られるアルミドロス残灰である。このよう
なアルミドロス残灰の組成は、概ね、金属アルミ10〜
15重量%、酸化アルミ(Al2 3 )50〜60重量
%、窒化アルミ(AlN)5〜10重量%、塩素(C
l)0.5〜1重量%、全珪素(Si)0〜4重量%、
及びその他10〜34.5重量%である。
【0019】また、本発明において処理の対象となるア
ルミスラッジについても、それがアルミ加工品の表面処
理工程で発生する種々のアルミ分を含む廃液を中和処理
し、固液分離して回収される水酸化アルミを含有するゲ
ル状のアルミスラッジであれば特に制限はなく、特にエ
ッチング処理や陽極酸化処理の表面処理工程で不可避的
に発生するミスト等由来の廃液や洗浄水由来の廃液等を
pH5〜9、好ましくはpH5.5〜8.5に中和処理
し、加圧濾過により固液分離して中性の清澄液を排水と
した際に回収されるケーキ状ゲルのアルミスラッジであ
る。このようなアルミナゲルの組成は、通常、アルミ分
6〜9重量%及び水分70〜80重量%を含有している
ほか、硫酸根(SO4 2- )を2〜5重量%含んでいる。
【0020】本発明においては、上記アルミドロス残灰
とアルミスラッジとを混合し、得られた混合物を加熱処
理してこれらアルミドロス残灰とアルミスラッジとを同
時に処理する。
【0021】ここで、これらアルミドロス残灰とアルミ
スラッジの混合割合は、アルミドロス残灰100重量部
に対して、アルミスラッジの割合がこのアルミスラッジ
中の水分量に換算して通常20〜300重量部、好まし
くは30〜100重量部の範囲となるような割合であ
る。この混合割合がアルミスラッジ中の水分量に換算し
て20重量部より少ないと、アルミドロス残灰中の窒化
アルミを始めとする不純物を除去することが困難にな
り、反対に、アルミスラッジ中の水分量に換算して30
0重量部より多くなると、アルミドロス残灰中の不純物
除去の効果は向上しても、加熱処理におけるエネルギー
コストが嵩むという問題が生じる。
【0022】従って、これらアルミドロス残灰とアルミ
スラッジとをどのような割合で混合するかは、アルミド
ロス残灰やアルミスラッジの組成、エネルギーコスト、
設備等を勘案し、上記混合割合の範囲内で決定するのが
よい。例えば、これを有姿混合重量比からみた場合、ア
ルミドロス残灰100重量部に対してアルミスラッジ3
0重量部を混合した場合、水分量がアルミドロス残灰1
00重量部に対し約23重量部となって不純物含有量の
少ないアルミナ製品約116重量部が得られ、アルミス
ラッジ50重量部を混合した場合、水分量がアルミドロ
ス残灰100重量部に対し約39重量部となって同様の
アルミナ製品約120重量部が得られ、また、アルミス
ラッジ100重量部を混合した場合、水分量がアルミド
ロス残灰100重量部に対し約80重量部となって同様
のアルミナ製品約126重量部が得られ、更に、アルミ
スラッジ200重量部を混合した場合、水分量がアルミ
ドロス残灰100重量部に対し約150重量部となって
同様のアルミナ製品約140重量部が得られる。
【0023】また、本発明において、アルミドロス残灰
とアルミスラッジの混合物を加熱処理する際の処理条件
は、通常、加熱温度700℃以上、好ましくは加熱温度
750〜1000℃である。加熱温度が700℃未満で
は好ましくない不純物の除去が不十分になり、また、1
000℃程度までの加熱で不純物減少の効果が充分に達
成されてそれ以上の温度での加熱はエネルギーコストを
増やして好ましくない。また、加熱時間については、昇
温速度にもよるが、通常目標とする最高温度に達してか
ら2時間以下で十分である。
【0024】本発明方法においては、加熱時間1時間毎
のアルミスラッジの水分保持性を示す図1の加熱温度
(℃)と加熱生成物の保持水分量(重量%)との関係か
らも明らかなように、単にアルミドロス残灰をそのまま
酸化雰囲気下に高温で加熱する場合(高温か焼法)やア
ルミドロス残灰に水を加えて高温に加熱する場合(水添
加か焼法)とは異なり、加熱処理の際に高温に達するま
で、本発明者らの実験によれば800〜900℃に達す
るまで水分が徐々に放出されてアルミドロス残灰中の不
純物除去に関与し、このアルミドロス残灰中の不純物を
効率よく分解し除去するものと考えられる。
【0025】すなわち、図1のアルミスラッジの水分保
持性を示すグラフ図によれば、100℃加熱後でも約4
5重量%の水分を含有し、加熱温度の上昇につれて水分
を徐々に放出するが、300℃加熱後でもなお28重量
%に及ぶ水分を含有し、更に700℃加熱後でもなお1
5重量%に及ぶ水分を含有するほか、900℃加熱後で
もX線回折の結果によればなお非晶質に近い性状を保持
して水分を含んでいる。そして、700〜800℃の間
でやや急激な揮発分を放出し、その間に水分と共に、ア
ルミスラッジ生成時に構造内に取り込んだ硫酸根(SO
4 2- )を無水硫酸(SO3 )として放出している。この
ように、加熱温度の上昇と共に徐々に放出される水分が
アルミドロス残灰中の不純物である窒化アルミや塩素含
有成分等と反応し、この不純物を効率良く分解して酸化
アルミ(アルミナ)を生成させ、また、アルミスラッジ
中の硫酸根(SO4 2- )は窒化アルミと反応してその分
解を促進する。
【0026】
【発明の実施の形態】粉末状のアルミドロス残灰とケー
キ状のアルミスラッジとを、アルミドロス残灰100重
量部に対して、アルミスラッジの割合がこのアルミスラ
ッジ中の水分量に換算して20〜300重量部の範囲と
なるように配合し、スクリュー式攪拌混合機等でよく混
合する。この際に、もし混合や混練の都合上必要があれ
ば、若干の水を添加してもよい。
【0027】この際におけるアルミドロス残灰100重
量部に対するアルミスラッジの混合割合は、アルミスラ
ッジ中の水分量を正確に特定するには困難が伴うので、
例えば、通常の105℃乾燥後の重量減少分を付着水分
とし、それ以後の加熱減量は通常大略その1/10以下
であるので、計算上は、105℃乾燥後重量減少分(7
0〜80重量%)にその10%の灼熱減量分を加えた値
を全水分量として概算してもよい。
【0028】次に、このようにして得られた混合物を、
例えばロータリー式、流動層式、定置式、トンネル式等
の加熱装置に装入し、電熱式、ガス燃焼式、燃料油燃焼
式等の熱源で加熱し、必要によりこの際に強制通風しな
がら、700〜1000℃まで昇温させ、この加熱温度
に2時間以下の範囲で保持する。このような条件での加
熱処理に要する燃料は、生成するアルミナ製品1トン当
たり、重油として130〜150リットルであり、はい
熱回収の工夫により更に節約することができる。
【0029】この加熱処理により得られたアルミナ製品
は、不純物として残留する金属アルミ及び窒化アルミが
それぞれ全アルミの5重量%以下及び2重量%以下にま
で低減しており、また、硫酸根(SO4 2- )も全アルミ
の0.5重量%以下にまで低減しており、安全に保管や
加工ができるほか、これを用いたセメント用、レンガ
用、窯業用等の工業製品の品質も良好である。なお、加
熱処理時に発生する排ガスの処理は公知の集煙、洗浄等
の方法で容易に処理することができ、また、洗浄廃液に
ついても酸あるいはアルカリによる中和処理等の公知の
方法で容易に処理することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
方法を具体的に説明する。
【0031】実施例1 アルミ合金塊製造の際に得られたアルミドロス残灰〔組
成:酸化アルミ(Al 2 3 )55.7重量%、金属ア
ルミ(Al)12.6重量%、窒化アルミ(AlN)
9.9重量%、全塩素分(Cl)0.12重量%、及び
硫酸根(SO4 2-)0.32重量%〕100gに、アル
ミ加工品の表面処理工程で得られたアルミスラッジ〔組
成:水分(105℃乾燥減量)73重量%、アルミ分
(Al)8.6重量%、硫酸根(SO4 2- )3.6重量
%、全珪素分(Si)0.1重量%、及び全鉄分(F
e)0.06重量%〕39g(水分含有量30重量%)
を混合し、700〜1300℃まで加熱し、各加熱温度
における全アルミ分に対する金属アルミ含有量、窒化ア
ルミ含有量及び塩素含有量をそれぞれ測定した。結果を
図2に示す。
【0032】比較例1 実施例1のアルミドロス残灰のみを用いた以外は、上記
実施例1と全く同様にして加熱処理し、実施例1の場合
と同様に、各加熱温度における全アルミ分に対する金属
アルミ含有量、窒化アルミ含有量及び塩素含有量をそれ
ぞれ測定した。結果を図2に示す。
【0033】比較例2 実施例1のアルミドロス残灰に水30重量%を添加して
混合した以外は、上記実施例1と全く同様にして加熱処
理し、実施例1の場合と同様に、各加熱温度における全
アルミ分に対する金属アルミ含有量、窒化アルミ含有量
及び塩素含有量をそれぞれ測定した。結果を図2に示
す。
【0034】実施例2 鋳物用アルミ合金塊製造の際に得られたアルミドロス残
灰〔組成:酸化アルミ(Al2 3 )55.2重量%、
金属アルミ(Al)13.4重量%、窒化アルミ(Al
N)10.2重量%、全塩素分(Cl)0.75重量
%、全珪素分(Si)3.40重量%、及び全鉄分(F
e)1.4重量%〕100gに、アルミ加工品の表面処
理工程で得られたアルミスラッジ〔組成:水分(105
℃乾燥減量)76.3重量%、アルミ分(Al)6.6
4重量%、硫酸根(SO4 2- )2.22重量%、全珪素
分(Si)0.05重量%、及び全鉄分(Fe)0.0
1重量%〕39gを混合し、電気炉で1.5リットル/
分の空気を送りながら60分で800℃まで昇温させ、
この800℃で30分間保持した。
【0035】冷却後、電気炉から取り出された白色粉末
状のアルミナ製品は113gであり、その組成は酸化ア
ルミ(Al2 3 )81.6重量%、金属アルミ(A
l)1.8重量%、窒化アルミ(AlN)1.4重量
%、全塩素分(Cl)0.05重量%、硫酸根(SO4
2- )0.44重量%、全珪素分(Si)3.0重量
%、及び全鉄分(Fe)1.7重量%であった。
【0036】比較例3 実施例2のアルミドロス残灰のみを用いた以外は、上記
実施例2と全く同様にして加熱処理した。得られたやや
灰色のアルミナ製品は103gであり、その組成は酸化
アルミ(Al2 3 )69.6重量%、金属アルミ(A
l)7.9重量%、窒化アルミ(AlN)3.7重量
%、全塩素分(Cl)0.33重量%、硫酸根(SO4
2- )0.35重量%、全珪素分(Si)3.3重量
%、及び全鉄分(Fe)1.8重量%であった。
【0037】比較例4 実施例2のアルミドロス残灰に水33gを添加して混合
した以外は、上記実施例2と全く同様にして加熱処理し
た。得られたやや灰色のアルミナ製品は106gであ
り、その組成は酸化アルミ(Al2 3 )70.6重量
%、金属アルミ(Al)7.4重量%、窒化アルミ(A
lN)3.5重量%、全塩素分(Cl)0.30重量
%、硫酸根(SO4 2- )0.32重量%、全珪素分(S
i)3.3重量%、及び全鉄分(Fe)1.8重量%で
あった。
【0038】実施例3 アルミ塊製造の際に得られたアルミドロス残灰〔組成:
酸化アルミ(Al2 3 )63.9重量%、金属アルミ
(Al)14.8重量%、窒化アルミ(AlN)8.0
重量%、全塩素分(Cl)0.44重量%、全珪素分
(Si)0.30重量%、及び全鉄分(Fe)0.50
重量%〕100gに、実施例2と同じアルミスラッジ4
0gを混合し、電気炉で1.5リットル/分の空気を送
りながら60分で900℃まで昇温させ、この900℃
で30分間保持した。
【0039】冷却後、電気炉から取り出された白色粉末
状のアルミナ製品は118gであり、その組成は酸化ア
ルミ(Al2 3 )87.2重量%、金属アルミ(A
l)1.0重量%、窒化アルミ(AlN)1.0重量
%、全塩素分(Cl)0.02重量%、硫酸根(SO4
2- )0.40重量%、全珪素分(Si)0.26重量
%、及び全鉄分(Fe)0.42重量%であった。
【0040】比較例5 実施例3のアルミドロス残灰のみを用いた以外は、上記
実施例3と全く同様にして加熱処理した。得られたやや
灰色のアルミナ製品は109gであり、その組成は酸化
アルミ(Al2 3 )79.6重量%、金属アルミ(A
l)4.4重量%、窒化アルミ(AlN)2.8重量
%、全塩素分(Cl)0.33重量%、硫酸根(SO4
2- )0.35重量%、全珪素分(Si)0.27重量
%、及び全鉄分(Fe)0.45重量%であった。
【0041】
【発明の効果】本発明方法によれば、アルミ又はアルミ
合金からなるアルミ原材料を溶解するアルミ溶解工程由
来の処理が困難なアルミドロス残灰と、アルミ又はアル
ミ合金からなるアルミ加工品の表面処理工程で発生する
処理の困難なアルミスラッジとを、同時にかつ効率的に
処理することができると共に、これらアルミドロス残灰
やアルミスラッジに含まれている好ましくない不純物を
可及的に除去して工業的に有用なアルミナ製品を得るこ
とができ、しかも、その際における加熱処理の温度を低
温化して省エネルギー化をも達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、加熱時間1時間毎の加熱温度(℃)
と加熱生成物の保持水分量(重量%)との関係によるア
ルミスラッジの水分保持性を示すグラフ図である。
【図2】 図2は、実施例1、比較例1及び比較例2に
おける各加熱温度における全アルミ分に対する金属アル
ミ含有量、窒化アルミ含有量及び塩素含有量を示すグラ
フ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 昇 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号、 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なるアルミ原材料を溶解するアルミ溶解工程で発生する
    アルミドロスより金属状のアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金を回収した後のアルミドロス残灰と、アルミニウ
    ム又はアルミニウム合金からなるアルミ加工品の表面処
    理工程で発生する水酸化アルミニウムを含むゲル状のア
    ルミスラッジとを混合し、得られた混合物を加熱処理す
    ることを特徴とするアルミドロス残灰とアルミスラッジ
    の同時処理方法。
  2. 【請求項2】 アルミドロス残灰とアルミスラッジとの
    混合割合は、アルミドロス残灰100重量部に対して、
    アルミスラッジの割合がこのアルミスラッジ中の水分量
    に換算して20〜300重量部の範囲である請求項1に
    記載のアルミドロス残灰とアルミスラッジの同時処理方
    法。
  3. 【請求項3】 アルミドロス残灰とアルミスラッジとの
    混合物は、700〜1000℃の温度で加熱処理される
    請求項1又は2に記載のアルミドロス残灰とアルミスラ
    ッジの同時処理方法。
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