JPH09176584A - 粘着シート - Google Patents

粘着シート

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JPH09176584A
JPH09176584A JP33492195A JP33492195A JPH09176584A JP H09176584 A JPH09176584 A JP H09176584A JP 33492195 A JP33492195 A JP 33492195A JP 33492195 A JP33492195 A JP 33492195A JP H09176584 A JPH09176584 A JP H09176584A
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JP
Japan
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pressure
sensitive adhesive
water
paper
sheet
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Pending
Application number
JP33492195A
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English (en)
Inventor
Kenji Suzuki
賢治 鈴木
Akira Kunihiro
明 國弘
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粘着シートの粘着剤層が水に対する再離解性が
優れる構成にすることで、通常の再生パルプ化工程でパ
ルプを再生することができる再離解性を有する粘着シー
トを提供する。 【解決手段】表面基材、粘着剤層及び剥離紙を順次積層
してなる粘着シートにおいて、粘着剤層が、水浸漬時の
破断強度2kgf/cm2 以下である粘着剤よりなることを特
徴とする粘着シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着シートに関する
ものである。詳しくは、古紙リサイクル可能な粘着シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】粘着シートは商業用、事務用、工程管理
用、物流管理用、家庭用等として広範囲に至ってラベ
ル、ステッカー、ワッペン、配送伝票等の形で使用され
ている。この粘着シートの一般的構成を説明すると、表
面基材と剥離シートとの間に粘着剤をサンドイッチにし
た状態のものであり、表面基材としては、紙、フォイ
ル、あるいはフィルム等が使用される。剥離シートとし
ては、グラシン紙のような高密度原紙、クレーコート
紙、クラフト紙や上質紙等にポリエチレン等の樹脂フィ
ルムをラミネートしたポリラミ原紙、あるいはクラフト
紙や上質紙等にポリビニルアルコール、澱粉等の水溶性
高分子等と顔料とを主成分とする塗被層を設けた樹脂コ
ーティング原紙等にシリコーン化合物やフッ素化合物の
如き剥離剤を塗布したものが用いられる。また、粘着剤
としては、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系等の
エマルジョン、溶剤ないしは無溶剤型の各種粘着剤が使
用される。
【0003】一方、古紙リサイクルに関しては、現在わ
が国ではパルプ製造の為の原料として、再生用損紙を含
む古紙の使用量は、紙、板紙生産原料の50%を越えて
おり、既に主原料の位置を占めるまでになっている。再
生パルプ化可能な古紙は、新聞、段ボール、雑誌、模
造、色上(アートを含む)、上白、カード、特白、中
白、白マニラ、切符、中更反古、茶模造紙(洋段を含
む)、台紙、地券、ボール、感熱記録紙、感圧複写紙、
OCR用紙等である。
【0004】これら古紙からの再生パルプ化法は、一般
的には古紙を離解してパルプ懸濁液を得る離解工程、パ
ルプ懸濁液中の異物を分離する粗選、精選工程、印刷イ
ンクを分離する脱墨工程、色を白くする漂白工程等を経
て再生パルプ化が行われている。
【0005】しかし、ワックス加工した紙や粘着シート
等は、パルプ繊維から水に不溶なワックス、粘着剤等を
分離することが出来ず、再生パルプ化不可能な古紙とさ
れている。特に粘着ラベルの場合は、水に不溶な粘着剤
が5〜50%も含まれており、更にこの粘着剤は粘着力
が強いために、パルプ繊維からの分離が不可能とされて
いる。また、再生パルプ中に粘着剤が含まれたままで、
該再生パルプを使用して抄紙すると、抄紙工程で粘着剤
がワイヤーの目を塞いだり、プレスロールや毛布を汚し
たりして、紙切れを起こし、抄紙効率を著しく低下させ
るという問題が生じたり、紙面上に斑点を形成する等、
紙層形成または品質面で悪影響を及ぼすという問題が生
じる。更に、通常、前記説明したポリラミ原紙を用いた
ような離解性の悪い剥離紙を重ねた状態にされているた
め、再生パルプ化については一層困難でる。このような
問題を抱えているために、現状では粘着シート古紙の再
生パルプ化は敬遠され、産業廃棄物となっているのが実
状である。
【0006】最近では森林資源、環境等の問題から、上
記の如くリサイクルには不可能な粘着シートを、物理的
または装置的に工夫することでリサイクル化に成功した
例も数件報告されている。例えば特開平4−17478
7号公報の如く、離解工程に無機顔料を添加して糊の粘
着性を消失させスクリーン処理する方法や、特開平4−
163383号公報の如く、離解後のスクリーンの目穴
を細かくして糊を除去する方法等が挙げられるが、どれ
も特別な処理方法となり、通常の再生パルプ化工程とは
異なる方法であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粘着シート
の古紙より再生パルプを得る上で、その粘着剤層が水に
対する再離解性が優れる構成にすることで、粘着剤が悪
影響をおよぼすことなく容易に離解でき、離解時に調整
水を汚染することなく、通常の再生パルプ化工程でパル
プを再生することができる再離解性を有する粘着シート
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するために、粘着シートの粘着剤層の物性と古
紙処理の適性の関係について鋭意研究を行った。粘着シ
ート古紙より再生パルプを得るためには、離解工程の後
工程である粗選、精選及びフローテーション等の各工程
で粘着剤成分を除去する必要がある。そのためには粘着
剤層を各工程において除去するのに最適な形状に変化さ
せること、即ち粒子径が1mm以下程度の微粒子状に変
化させることが必要である。このためには古紙に大量の
水を加えて高速で攪拌する離解工程において、粘着シー
トの粘着剤層が機械的、及び物理的作用によって粘着剤
層皮膜を粘着シート基材より容易に分離でき、さらに粘
着剤層皮膜を容易に微粒子状に変化できることが必要で
あることを見いだした。
【0009】このような粘着剤層を得る為に、研究を重
ねた結果、水浸漬後の破断強度が特定の値以下となるよ
うな粘着剤を用いると、粘着剤層を効率よく微粒子状に
することができることを見いだしたのである。
【0010】.本発明は、表面基材、粘着剤層及び剥
離紙を順次積層してなる粘着シートにおいて、粘着剤層
が、水浸漬後の破断強度2kgf/cm2 以下である粘着剤よ
りなることを特徴とする粘着シートである。 .好ましくは、水浸漬後の破断強度が1kgf/cm2 以下
である粘着剤を用いた請求項1記載の粘着シートであ
る。
【0011】更に、発明者等が研究を重ねた結果、粘着
剤層の水に対する接触角が特定の値以下となると、粘着
剤層が水に馴染み易くなり、離解が極めて容易になるこ
とを見いだしたのである。 .粘着剤層の水に対する接触角が、60秒後の値で1
00゜以下である又は記載の粘着シートである。
【0012】また、水可溶成分含有率が特定の条件を満
たすものは、極めて容易に微粒子状にできることを見い
だしたのである。 .粘着剤層における水可溶成分の含有率が3〜40%
である,又は記載の粘着シートである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明でいう粘着剤の水浸漬後の
破断強度は、次のようにして求めた値である。先ず、ポ
リエチレンラミネート紙を基材にした剥離の重さの異な
る二種類の剥離シートを用意する。この剥離シートの一
方に、塗布量が乾燥重量で100g/m2 となるように
粘着剤層を形成し、他方の剥離シートを積層する。即
ち、剥離シートA/粘着剤層/剥離シートBの構成にす
る。
【0014】次に、得られた粘着シートを巾20mm、
長さ120mmの形に切断し、さらに剥離シートA及び
剥離シートBを剥がし粘着剤層の試験片を作る。得られ
た試験片を1時間水に浸漬する。この試験片を、JIS
−K−6301の引張り強さの測定方法に準拠して粘着
剤層皮膜の切断に至る最大荷重を測定し、下記計算式に
より破断強度を求める。(単位:kgf/cm2
【0015】
【数1】
【0016】本発明は、この水浸漬後の破断強度が2kg
f/cm2 以下となる粘着剤を、好ましくは、1kgf/cm2
下となる粘着剤を用いることが必要である。因みに、水
浸漬後における破断強度が2kgf/cm2 を越える場合は、
離解工程において粘着剤層皮膜を微粒子にすることがで
きず、離解工程の後工程である粗選、精選及びフローテ
ーション等の各工程で粘着剤成分を除去することが不十
分となり、結果的に再生パルプにおける粘着剤成分の残
存率が高くなってしまう。本発明者等は、この破断強度
の値が、離解の容易さと関係があることを見いだしたの
である。
【0017】このような破断強度を満たす粘着剤を用い
ても、粘着剤層の水に対する接触角が100°以下、好
ましくは90°以下であると、更に離解性が優れるので
好ましい。恐らく、接触角が100°以下の粘着剤層
は、水に馴染み易いので、粘着剤層皮膜を表面基材より
容易に分離できるためだと考えられる。因みに、粘着剤
層の水に対する接触角が100°を越える場合には、粘
着剤層の疎水性が強いため、粘着シート古紙の離解工程
において粘着剤層への水の浸透が不十分であるので、パ
ルプより粘着剤成分を十分に分離することが不可能であ
り、結果的に再生パルプにおける粘着剤成分の残存率が
高くなってしまう。
【0018】ここでいう接触角とは、粘着シートの粘着
剤層表面にマイクロシリンジより水を滴下し、水滴の角
度を測定した値であるが、本発明では、滴下後60秒経
過した時点の接触角で粘着剤層の離解性を評価するもの
である。因みに、滴下後直ぐに測定すると、離解の際の
粘着剤層の水の馴染み易さを正確に評価することができ
ない。
【0019】更に、粘着剤層中の水可溶成分の含有率が
3〜40%の範囲である粘着剤層は、粘着剤層を水に浸
漬した際に、粘着剤層への水の浸透が良好で且つ粘着剤
層が部分的に水に溶解するので粘着剤層皮膜は脆くな
り、離解工程での大きな攪拌力によって容易に微粒子状
に変化させることができ、離解工程の後工程である粗
選、精選及びフローテーション等の各工程で粘着剤成分
を除去することが可能となるので好ましい。因みに、粘
着剤層における水可溶成分が3%未満の場合は、粘着剤
層への水の浸透性が劣り、逆に40%を越える場合は、
粘着物性の面で粘着剤の凝集力が乏しくなる。
【0020】上記の条件を満足する粘着剤層を形成する
粘着剤としては、例えば、下記のモノマー組成のよう
な、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート
モノマーを必須成分として含有する(メタ)アクリル酸
エステル共重合体を使用した粘着シートが、本発明の再
離解性に優れた粘着シートのひとつの好ましい形態とし
れ挙げられる。
【0021】 (モノマー組成) (a)(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートモノマー …5〜40重量% (b)(メタ)アクリル酸のC4 〜C18アルキルエステルモノマー …20〜80重量% (c)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー …0〜20重量% (d)上記a,bおよびcと共重合可能なモノマー …1〜40重量%
【0022】かかる(a)(ポリ)エチレングリコール
(メタ)アクリレートモノマーとしては、下記〔化1〕
の如き一般式に表される化合物である。
【0023】
【化1】
【0024】(ここに、R1 はメチル基または水素原
子、またR2 はメチル基またはフェニル基をそれぞれ示
す。なお、mは1〜10の整数である。)
【0025】なお、これら(a)(ポリ)エチレングリ
コール(メタ)アクリレートモノマーは、5〜40重量
%の範囲で共重合させる必要がある。因みに、5重量%
未満では、水再離解性が不十分となる。一方これら親水
性モノマーの配合率が増せば粘着剤皮膜の親水性が増し
て離解性が向上するが40重量%を越えると、粘着剤の
凝集力が低下して、粘着シートの機能が低下する。
【0026】また、(b)(メタ)アクリル酸のC4
18アルキルエステルモノマーとしては、例えば(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が
挙げられる。そして、これらモノマーの共重合体部分に
占める割合は、20〜80重量%の範囲で共重合され
る。因みに、20重量%未満では、粘着剤の粘着力が乏
しく、また、80重量%を越えると、水再離解性が不十
分となる。
【0027】また、(c)エチレン性不飽和カルボン酸
含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、モノアルキ
ルマレイン酸、モノアルキルイタコン酸、モノアルキル
フマル酸等が挙げられる。そして、これらモノマーの共
重合体部分に占める割合は、0〜20重量%の範囲で共
重合される。因みに、これら酸成分のモノマーの配合率
が増せば粘着剤皮膜の親水性が増して離解性が向上する
が20重量%を越えると、粘着剤が硬くなり過ぎて粘着
力が低下する。
【0028】さらに、上記の(a)(ポリ)エチレング
リコール(メタ)アクリレートモノマー、(b)(メ
タ)アクリル酸のC4 〜C18アルキルエステルモノマ
ー、および(c)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノ
マー と共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、
(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチル
アミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、スチレン、ジビニルベンゼン、エチレン、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、及び例えば下記の一般
式〔化2〕で表されるカルボン酸変成ロジンエステルモ
ノマー等が挙げられる。
【0029】
【化2】
【0030】(式中、R3 は水素原子またはメチル基を
示し、nは1〜8の整数を表す。)
【0031】そして、共重合体に占めるこれらモノマー
の割合は、1〜40重量%の範囲で調節される。因み
に、1重量%未満では粘着剤が軟らかくなりすぎ、逆に
40重量%を越えると粘着剤が硬くなりすぎて粘着シー
トの機能が低下するため好ましくない。
【0032】なお、これらの共重合可能な他のモノマー
の中でも、特に(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グ
リシジル、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリル
アミド、〔化2〕で表されるカルボン酸変成ロジンエス
テルモノマー等が、ガラス転移温度、接着性能等の面か
ら好ましい。
【0033】なお、上記の共重合体の製造方法について
は、特に限定されるものではなく、例えば、水、溶剤、
連鎖移動剤、重合開始剤等の存在下で溶液重合する方法
や、乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤、分散剤等の存在
下の水系でエマルション重合する方法にて製造される。
また、必要に応じて一般のロジン系、テルペン系、石油
系等のタッキファイヤーを添加してもかまわない。
【0034】なお、重合時のモノマーの濃度は、通常3
0〜70重量%、好ましくは40〜60重量%程度が適
当である。また、重合の際に使用される重合開始剤とし
ては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の
過硫酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオ
キサイド、ラウリルパーオキサイド等の過酸化物、過硫
酸アンモニウムと亜硫酸ソーダ、酸性亜硫酸ソーダ等と
の組み合わせからなる、所謂レドックス系の重合開始剤
等が挙げられる。
【0035】上記重合開始剤の使用量は、通常重合に供
するモノマー全量に対して、0.2〜2重量%、より好
ましくは、0.3〜1重量%の範囲で調節される。
【0036】さらに、共重合に際して添加する連鎖移動
剤としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタ
ン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のア
ルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チ
オグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチル
ヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘ
キシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフ
ェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−
イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等を挙げること
ができる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4
−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル
−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセンを使用し
た場合には、得られる共重合体が低臭気となり好まし
い。なお、連鎖移動剤の使用量は、重合させる全モノマ
ーの0.001〜3重量%程度の範囲で調節される。な
お、重合反応は、通常60〜100℃の温度条件下、2
〜8時間かけて行われる。さらに、増粘剤、濡れ剤、レ
ベリング剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
【0037】なお、上記の方法で得られた共重合体は、
その共重合体中のカルボン酸を、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア、各種の第1級、第2
級、第3級アミン等の適当なアルカリ性物質で中和する
こともできる。また中和すると共重合体の機械安定性が
向上するので好ましい。
【0038】共重合体のガラス転移温度は、−60〜−
30℃の範囲のものであり、目的に応じて適宜選択され
る。因みに、共重合体のガラス転移温度が−60℃未満
になると、得られる皮膜の凝集力が不十分となり、逆に
−30℃を越えると、得られる共重合体の皮膜が硬くな
り過ぎて、実用性に乏しくなる傾向がある。
【0039】ここで上記各モノマーの役割について簡単
に説明をすると、粘着剤の水に対する膨潤率及び可溶分
を高め、さらには粘着剤皮膜の破断強度を弱める成分と
しては、(a)(ポリ)エチレングリコール(メタ)ア
クリレートモノマーが特に重要であり、また(c)エチ
レン性不飽和カルボン酸含有モノマーについても重要で
ある。次に粘着剤の粘着性を付与する成分としては、
(b)(メタ)アクリル酸のC4 〜C18アルキルエステ
ルモノマーが重要であり、更に粘着剤の凝集力を付与す
る成分としては、(c)エチレン性不飽和カルボン酸含
有モノマー及び(d)上記a,b及びcと共重合可能な
モノマーが重要である。従ってこれらモノマーをバラン
スよく重合することが重要となる。
【0040】次に粘着シートの構成する表面基材として
は、例えばフィルム(セロハン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、
ポリエステル等)、紙(上質紙、アート紙、コート紙、
キャスト紙、箔紙、クラフト紙、含浸紙、蒸着紙、低サ
イズ紙、水溶紙等)、金属フォイル類、合成紙等の支持
体や、更にこれらに感熱記録層、熱転写記録用受像層、
インクジェット記録用受容層、各種印刷層、着色層、隠
蔽層等の層を設けたものなどが適宜使用できる。
【0041】粘着シートのリサイクル適性を考慮する
と、紙類や、ポリビニルアコール、カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース等の水溶性高分子より成形
した水溶性フィルム、或いはアルカリ水等に溶解または
分散するフィルムを表面基材として使用することが望ま
しい。
【0042】なお、上記紙類の中でも原紙中に、或いは
塗被層中にカルシウムが存在すると、経時的または高湿
度条件下に保存した場合に接着性能の低下が見られるの
で、カルシウムが含有しないように調製することが望ま
しく、例えばアート紙、コート紙、キャスト紙等の紙の
表面に顔料を主成分とした顔料塗被層を設けた表面基材
を用いる場合には、使用する顔料中にカルシウムを含有
しない鉱物質顔料、例えばカオリン、クレー、タルク、
焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、水酸化
アルミニウム、シリカ、ホワイトカーボン等、あるいは
ポリスチレン樹脂微粒子、尿素−ホルマリン樹脂微粒
子、微小中空粒子等の有機合成顔料等から選択すること
により、安定した接着性能を有する粘着シートが得られ
るので好ましい。因みに、重質炭酸カルシウム、軽質炭
酸カルシウム、サチンホワイト等のカルシウムを含む鉱
物質顔料を用いてた場合、鉱物質顔料中のカルシウムが
カルシウムイオンとなり、基紙を通過し、多量のカルボ
ン酸を含んだ酸性度の高い粘着剤層へ移行することによ
って、カルシウムイオンとカルボン酸との金属架橋反応
を生じてしまい、接着性能が低下してしまうためと推定
される。
【0043】なお、上記顔料塗被層を設ける場合には、
顔料塗被液に、顔料以外に顔料同士および顔料と基材の
表面とを固着させるために接着剤を使用する。かかる接
着剤としては、例えばカゼイン、デキストリン、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−塩化
ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アク
リル酸エステル共重合体等の天然、または合成の接着剤
が水溶液、または水分散液(エマルジョン)の形で使用
される。なお、顔料塗被液にはこれら顔料や接着剤の他
に、その性質を阻害しない範囲で、消泡剤、分散剤、染
料等を必要に応じて、種々の助剤を添加することもでき
る。
【0044】そして、かかる顔料塗被液は、ブレードコ
ーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビ
アコーター、ロールコーター、ダイコーター、リップコ
ーター等の通常の塗被装置で塗被される。この場合の塗
被量は、固形分重量で2g/m2 以上、好ましくは5〜
30g/m2 の範囲で調節される。
【0045】なお、粘着シートの形成方法は、通常、剥
離シートの剥離剤表面上に粘着剤を塗被、乾燥して粘着
剤層を設け、次いで、表面基材とを貼り合わせて仕上げ
られるが、直接表面基材に塗被して粘着剤層を設けても
構わない。
【0046】剥離シートとしては、グラシン紙の如き高
密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙または上質紙等
に、例えばカゼイン、デキストリン、澱粉、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エス
テル共重合体等の天然、または合成樹脂と顔料とを主成
分とした目止め層を設けたシート、クラフト紙または上
質紙等にポリエチレン等をラミネートしたラミネート紙
(ポリラミ紙)、ポリプロピレン等のフィルム等のシー
トに、水、溶剤型あるいは無用剤型のシリコーン樹脂や
フッ素樹脂等を乾燥重量で0.05〜3g/m2 程度塗
被後、熱硬化、電子放射線硬化等によって剥離層を形成
したものが使用される。
【0047】特に、剥離シートも含んだ粘着シートの構
成でのリサイクル適性を考慮すると、上記剥離基材の中
で、クレーコート紙、クラフト紙または上質紙等に、例
えばカゼイン、デキストリン、澱粉、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ス
チレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−
ブタジエン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル共
重合体等の天然、または合成樹脂と鉱物質顔料とを主成
分とした離解性のある目止め層を乾燥重量で0.1〜1
0g/m2 程度設けた剥離基材、または、フィルムでは
ポリビニルアコール、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース等の水溶性高分子より成形した水溶性フ
ィルム、或いはアルカリ水等に溶解または分散するフィ
ルムの基材からなる剥離基材が望ましい。
【0048】粘着剤を塗被する塗被装置としては、例え
ばロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダ
イコーター、コンマコーター、リップコーター、グラビ
アコーター等が適宜使用される。そして、粘着剤の塗被
量は、乾燥重量で5〜50g/m2 程度の範囲で調節さ
れる。因みに、5g/m2 未満では、得られる粘着シー
トの接着性能が不十分となり、一方50g/m2 を越え
ると粘着シートの貼り合わせ時に粘着剤がはみ出した
り、剥離時に凝集破壊の原因となる恐れがある。
【0049】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はそれらに限定されるものでは
ない。尚、例中の部、重量、割合、塗被量等は特に断ら
ない限り、全て固形分重量で示すものである。
【0050】実施例1 (カルボン酸変性ロジンエステルの合成)撹拌機、排気
管、滴下ロート、窒素吸入管、温度計を付帯したフラス
コにメタクリル酸を70部とエピクロルヒドリン90部
を仕込み、窒素ガス下で100℃に昇温して2時間保っ
た。次いで十分に溶解させたアビエチン酸ロジンを、3
00部添加し、230℃で2時間保った。次いで無水グ
ルタル酸125部を添加し、230℃で2時間保ち、
〔化3〕に示すカルボン酸変性ロジンエステルを合成し
た。
【0051】
【化3】
【0052】(粘着剤の製造)まず乳化モノマー混合液
として、 メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(分子
量468):20部 アクリル酸ブチル:65部 アクリル酸:5部 メタアクリル酸メチル:2部 〔化3〕に示されるカルボン酸変性ロジンエステル:8
部 (以上、モノマーの全固形分量を100部とする) アニオン系乳化剤(商品名:エマールNC−35/花王
社製):1.5部 イオン交換水:50部 を混合して、調製した。
【0053】次に撹拌機、クーラー、滴下ロート、窒素
吸入管、温度計を付帯したフラスコに、イオン交換水5
0部、過酸化カリウム0.5部、オクチルメルカプタン
1部を仕込み、窒素置換しながら80℃に昇温した後、
上記乳化モノマー混合液を1/6滴下した。反応率が9
0%に達した時点で、残りの乳化モノマー混合液を3時
間かけて滴下して重合を行った。滴下終了後、80℃で
3時間熟成して反応を完結さた。次にフラスコ内容物を
40℃に冷却し、アンモニア水を添加して中和反応を行
い反応終了後に強撹拌して本発明に使用する粘着剤を製
造した。
【0054】(剥離シートの作成)塗被液として、カオ
リン(商品名:UW−90/EMC社製):15部、リ
ン酸エステル化澱粉(商品名:ニ−ルガムA−55C/
アベベ社製):5部、ポリビニルアルコール(商品名:
クラレPVA−103/クラレ社製):80部、分散剤
(商品名:アロンA−9/東亞合成化学工業社製):
0.1部から成る組成物を、固形分濃度が40%となる
ように混合調製して市販の米坪64g/m2 の上質紙の
上に乾燥重量が5g/m2 となるように塗被、乾燥して
目止め層を設けた。次いで、スーパーキャレンダーにて
平滑仕上げを行い、剥離基材を得た。
【0055】次に、かくして得られた剥離基材の目止め
層上に溶剤型のシリコーン剥離剤(商品名:LTC−3
00B/東レ・ダウコーニング社製):100部、触媒
(商品名:SRX−212/東レ・ダウコーニング社
製):0.8部を乾燥重量が1.0g/m2 となるよう
に塗被、熱硬化して剥離シートを得た。
【0056】(粘着シートの作成)上記の方法で得られ
た剥離シートに、上記粘着剤を乾燥重量で25g/m2
となるように塗被、乾燥させた後、市販の米坪64g/
2 の上質紙と貼り合わせて、本発明の粘着シートを得
た。
【0057】実施例2 (粘着剤の製造)乳化モノマー混合液として、 メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(分子
量468):5部 アクリル酸ブチル:75部 アクリル酸:3部 メタクリル酸メチル:7部 〔化3〕に示されるカルボン酸変性ロジンエステル:1
0部 (以上、モノマーの全固形分量を100部とする) アニオン系乳化剤(商品名:エマールNC−35/花王
社製):1.5部 イオン交換水:50部 を混合して調製したこと以外は実施例1と同様にして本
発明に使用する粘着剤を製造した。
【0058】(粘着シートの作成)前記粘着剤を使用し
た以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0059】実施例3 (粘着剤の製造)乳化モノマー混合液として、 メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(分子
量468):40部 アクリル酸ブチル:40部 アクリル酸:10部 〔化3〕に示されるカルボン酸変性ロジンエステル:1
0部 (以上、モノマーの全固形分量を100部とする) アニオン系乳化剤(商品名:エマールNC−35/花王
社製):1.5部 イオン交換水:50部 を混合して調製したこと以外は実施例1と同様にして本
発明に使用する粘着剤を製造した。
【0060】(粘着シートの作成)前記粘着剤を使用し
た以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0061】比較例1 (粘着剤の製造)乳化モノマー混合液として、 メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(分子
量468):3部 アクリル酸ブチル:75部 アクリル酸:7部 メタアクリル酸メチル:5部 〔化3〕に示されるカルボン酸変性ロジンエステル:1
0部 (以上、モノマーの全固形分量を100部とする) アニオン系乳化剤(商品名:エマールNC−35/花王
社製):1.5部 イオン交換水:50部 を混合して調製したこと以外は実施例1と同様にして粘
着剤を製造した。
【0062】(粘着シートの作成)前記粘着剤を使用し
た以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0063】比較例2 (粘着剤の製造)乳化モノマー混合液として、 アクリル酸ブチル:70部 アクリル酸:5部 メタアクリル酸メチル:25部 (以上、モノマーの全固形分量を100部とする) アニオン系乳化剤(商品名:エマールNC−35/花王
社製):1.5部 イオン交換水:50部 を混合して調製したこと以外は実施例1と同様にして粘
着剤を製造した。
【0064】(粘着シートの作成)前記粘着剤を使用し
た以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
【0065】比較例3 粘着剤として、市販の汎用タイプのアクリル酸エステル
系粘着剤(商品名:L−145/日本カーバイド社)を
使用したこと以外は実施例1と同様にして粘着シートを
得た。
【0066】以上のようにして作成した粘着シートにつ
いて、下記の測定および評価を行い、得られた結果を表
1に示した。
【0067】<測定項目> 〔破断強度〕粘着剤皮膜の水中での破断強度を、下記の
方法で測定した。先ず、ポリエチレンラミネート紙に溶
剤型の重剥離型シリコーン剥離剤(商品名:LTC−3
50A/東レ・ダウコーニング社製):100部、触媒
(商品名:SRX−212/東レ・ダウコーニング社
製):0.8部を乾燥重量が0.5g/m2 となるよう
に塗被、熱硬化して剥離シートAを作成し、また軽剥離
型シリコーン剥離剤(商品名:LTC−300B/東レ
・ダウコーニング社製)を用いること以外は上記剥離シ
ートAの作成方法と同様にして剥離シートBを作成す
る。次に剥離シートA、粘着剤層、剥離シートBを順次
積層して粘着シートを作成する。この場合の各粘着剤層
の塗布量は乾燥重量で100g/m2 になるようする。
【0068】次いで上記の方法で得られた粘着シートを
巾20mm、長さ120mmの形に切断し、さらに剥離
シートA及び剥離シートBを剥がし粘着剤層の試験片を
作る。得られた試験片を水に浸漬して1時間後に、JI
S−K−6301の引張り強さの測定方法に準拠して粘
着剤層皮膜の切断に至る最大荷重を測定し、下記計算式
により破断強度をもとめた。(単位:kgf/cm2
【0069】
【数2】
【0070】なお、粘着剤層試験片の厚みは下記方法で
測定できる。粘着剤層の厚み=粘着シートの厚み−{剥
離シートAの厚み+剥離シートBの厚み}
【0071】〔接触角〕粘着剤層の水に対する接触角を
下記の方法で測定した。先ず表面基材に市販のポリエス
テルフィルム(50μm)を、また剥離紙に市販のポリ
エチレンラミネート剥離紙を用いて各粘着剤を乾燥重量
で25g/m2になるようにして粘着シートを作成し
た。得られた各粘着シートの粘着剤層表面の水に対する
接触角を、協和界面科学社製のCA−D型接触角計を用
い液適法により、滴下1分後の水滴の角度を測定した。
【0072】〔水可溶分率〕粘着剤皮膜の水可溶成分含
有率(水可溶分率)を下記の方法で測定した。表面基材
に市販のポリエステルフィルム(50μm)を、また剥
離紙に市販のポリエチレンラミネート剥離紙を用いて各
粘着剤を乾燥重量で25g/m2 になるようにして粘着
シートを作成した。その後剥離紙を除去してポリエステ
ルフィルム、粘着剤層の積層体を20℃の水道水に24
時間浸漬する。その後超音波により粘着剤をポリエステ
ルフィルムから完全に除去し粘着剤分散液を作る。その
粘着剤分散液をガラスフィルターで濾過し、その粘着剤
の濾過重量と、また濾過水を乾燥させて水に溶けだした
糊の重量を測定し、下記計算式に従って水可溶分率を求
めた。(単位:%)
【0073】
【数3】
【0074】〔接着力〕JIS−Z−0237の常態粘
着力の測定方法に準拠して、接着力を測定した(単位:
g/25mm)。
【0075】〔凝集力〕JIS−Z−0237の常態保
持力の測定方法に準拠して、凝集力を測定した。そして
測定結果に応じて下記評価基準に従い判定した。 ◎:測定開始後60分の間では重りの落下がなかった。 ○:測定開始後5分から60分の間で重りが落下した。 ×:測定開始後5未満の間で重りが落下した。
【0076】〔リサイクル適正〕粘着シート50gに対
し、パルプ濃度が3%になるように水を加え、TAPP
I離解機にて150000回転処理した後、パルプ濃度
が15%になるまで脱水し、18%濃度のNaOH水溶
液を1.5g、脱墨剤(商品名DI−600/花王社
製)10%濃度溶液を1.8gをそれぞれ添加し、40
℃で20分間放置し、次にパルプ濃度が25%になるな
で脱水し、18%濃度のNaOH水溶液を3.62g、
30%濃度のNa2 SiO3 水溶液を3.85g、6%
濃度のH2 2 水を5gをそれぞれ添加し、次いで双腕
式ニーダーで5分間ニーディング処理を行った。
【0077】次に55℃に保ちながら120分間放置し
た後、パルプ濃度が17.5%になるまで水で希釈し、
次いで2回目のニーディング処理を同様に行った。その
後更にパルプ濃度が1%いなるまで水で希釈した。次に
この1%濃度のパルプ分散液をフローテーターにて10
分間浮上分離処理を行った。その際発生する泡をスクレ
ーパーにて取り除いて得られた浮上分離処理液を更に水
800mlで洗浄し、13%濃度になるまで脱水した。
このようにして得られたパルプ分散液を0.3%濃度に
なるまで水を加えて手抄きシートを作成し、未離解物の
残存状態を目視し下記評価基準にて判定した。 (リサイクル適性評価基準) ◎:粘着剤異物が全くない。 ○:数ミクロン程度の粘着剤異物がほんの僅かにある
が、実用上問題ない。 △:1ミリ以上の粘着剤異物はないが、数ミクロン程度
の粘着剤異物が目立ち実用上問題となる。 ×:1ミリ以上の粘着剤異物がかなり目立つ。
【0078】
【表1】
【0079】表1より、各実施例は、古紙リサイクルが
可能であり、且つその粘着性能においても実用上問題の
ないものである。中でも接触角が100°以下であり、
水可溶成分の含有率が3〜40%である実施例1は、粘
着性能及びリサイクル特性が共に優れているので好まし
い実施形態である。
【0080】
【発明の効果】このように、本発明の粘着シートは、そ
の粘着剤層が水に馴染みやすく、さらに水浸漬後に皮膜
強度が脆くなるという性質を備えていることにより、古
紙リサイクルする際の離解工程にて容易に粘着剤層を微
粒子状に変化させることができ、精選、粗選、フローテ
イション等の各工程で容易にパルプ分から除去できるた
め、パルプのリサイクル適性が優れており、且つその接
着性能にのおいても十分に使用可能な粘着シートであっ
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面基材、粘着剤層及び剥離紙を順次積層
    してなる粘着シートにおいて、粘着剤層が、水浸漬後の
    破断強度2kgf/cm2 以下である粘着剤よりなることを特
    徴とする粘着シート。
  2. 【請求項2】水浸漬後の破断強度が1kgf/cm2 以下であ
    る粘着剤を用いた請求項1記載の粘着シート。
  3. 【請求項3】粘着剤層の水に対する接触角が100゜以
    下である請求項1又は2記載の粘着シート。
  4. 【請求項4】粘着剤層における水可溶成分の含有率が3
    〜40%である請求項1,2又は3記載の粘着シート。
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