JPH09176343A - プリプレグの製造方法 - Google Patents

プリプレグの製造方法

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JPH09176343A
JPH09176343A JP33539495A JP33539495A JPH09176343A JP H09176343 A JPH09176343 A JP H09176343A JP 33539495 A JP33539495 A JP 33539495A JP 33539495 A JP33539495 A JP 33539495A JP H09176343 A JPH09176343 A JP H09176343A
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Japan
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epoxy resin
prepreg
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resin
weight
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JP33539495A
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English (en)
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Shigeru Ekusa
繁 江草
Kunio Iketani
国夫 池谷
Yoshiyuki Takahashi
良幸 高橋
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂粉末等による発塵が極めて小さいプリプ
レグを得ること。 【解決手段】 (1)エポキシ当量が1500以上40
00以下である末端2官能直鎖状高分子エポキシ樹脂、
(2)有機ポリアミン系硬化剤、及び(3)硬化促進剤
(4)常圧での沸点が固形エポキシ樹脂の軟化点より1
5℃以上高い溶剤を必須成分とするエポキシ樹脂ワニス
を繊維基材に含浸、乾燥することを特徴とするプリプレ
グの製造方法であり、全エポキシ樹脂中、ノボラック型
エポキシ樹脂を10〜40重量%含有することが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂粉末等による
発塵が極めて小さいプリプレグの製造方法に関し、従来
発塵を防止するために行っていたプリプレグの再溶融処
理を不要とすることができるプリプレグの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント回路用エポキシ樹脂積層板は、
一般的には、エポキシ樹脂を繊維基材に塗布・乾燥させ
て得たプリプレグを1枚以上重ね、その上面に金属箔を
重ね合わせて、加熱加圧成形して得られている。また、
多層プリント配線板の製造方法は、両面又は片面に回路
加工及び黒処理を施した内層回路板に、エポキシ樹脂を
繊維基材に塗布・乾燥させたプリプレグを1枚以上重
ね、その上面に金属箔を重ね合わせて、加熱加圧して得
られている。プリプレグに使用するエポキシ樹脂は、通
常エポキシ当量が350から800程度の末端二官能直
鎖状エポキシ樹脂、及び耐熱性や耐薬品性の向上のため
にノボラック型エポキシ樹脂を少量(エポキシ樹脂全体
に対して5〜30重量%程度)配合していた。このよう
な配合のエポキシ樹脂はプリント回路板としての特性は
十分良好であるが、プリプレグの切断、穴あけ等により
容易に樹脂粉末が発生する。
【0003】プリント配線基板の成形において、加熱加
圧工程又はその前の重ね合わせ工程等において、プリプ
レグの切断部等より発生した樹脂粉末が金属鏡面板と金
属箔の間にも入り込み、そのまま成形されると、この樹
脂粉末が、後工程の回路パターン作成のためのエッチン
グ工程においてエッチングレジストと同じ作用をし、回
路パターンの絶縁不良等の原因になっている。そこで、
プリプレグの樹脂粉末の発生しやすい部分あるいは樹脂
粉末が付着している部分の樹脂及び樹脂粉末を再溶融し
て、プリプレグからの樹脂粉末の発生、飛散を防止して
いる。この工程のために、余分な設備と工数を要してお
り、この工程を不要とする方法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、プリント
回路板や多層プリント配線板において、回路パターン作
成時のエッチング不良等の原因となる積層成形時の金属
鏡面板と金属箔の間へ樹脂粉末が入り込むという問題を
解決すべく、プリプレグに含浸されるエポキシ樹脂の組
成を鋭意検討をすすめた結果、本発明をなすに到った。
本発明は、従来、裁断、折曲げおよび穴あけ等の工程に
おいて、プリプレグから発生する樹脂粉末を大幅に減じ
ることができ、これによりプリプレグの再溶融工程を不
要とすることができるプリプレグの製造方法に関するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、プリント配線
板用プリプレグの製造方法において、(1)エポキシ当
量が1500以上4000以下である末端2官能直鎖状
高分子エポキシ樹脂、(2)有機ポリアミン系硬化剤、
及び(3)硬化促進剤(4)常圧での沸点が固形エポキ
シ樹脂の軟化点より15℃以上高い溶剤を必須成分とす
るエポキシ樹脂ワニスを繊維基材に含浸、乾燥すること
を特徴とするプリプレグの製造方法、に関するものであ
る。
【0006】本発明の目的は、発明が解決しようとする
課題の項で述べたように、樹脂粉末の飛散防止のための
プリプレグの含浸樹脂の再溶融処理を不要とすることが
できるプリプレグの製造方法を提供することにある。即
ち、比較的高分子量の末端2官能直鎖状エポキシ樹脂を
主成分とし、高沸点の溶剤を必須成分として含み、有機
ポリアミン系硬化剤及び硬化促進剤を組み合わせること
により、Bステージ化したエポキシ樹脂含有プリプレグ
からの樹脂粉末の発生を極めて低く抑えることができた
ものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。エポキシ
樹脂としては、プリプレグの低発塵性が得られ、プリプ
レグの再溶融処理を不要とするためには、エポキシ当量
が1500以上4000以下である末端2官能直鎖状高
分子エポキシ樹脂を使用する。代表的には、ビスフェノ
−ルA等の2官能フェノールとエピハロヒドリンとを反
応して得られる2官能直鎖状エポキシ樹脂、2官能エポ
キシ樹脂と2官能フェノールの交互共重合反応によって
得られる末端2官能直鎖状エポキシ樹脂等があり、これ
らは数種類のものを併用することも可能である。例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、プロピレンオキサイドビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂、2、6−ナフトール型ジグリシ
ジルエーテル重合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
とテトラブロモビスフェノールA共重合物、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノールA
共重合物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂とテトラブ
ロモビスフェノールA共重合物等が例示される。難燃化
のために、臭素化した前記エポキシ樹脂を使用すること
ができる。
【0008】前記エポキシ樹脂の分子量について言及す
る。再溶融処理がなされていないプリプレグの低発塵性
を考えた場合、分子量が大きいほうが良い傾向にあるも
のの、硬化性は逆に低下する傾向がある。エポキシ樹脂
の基本骨格、硬化剤の種類によって多少の差異はあるも
のの、この傾向については基本的に変りない。エポキシ
樹脂を使用したプリント配線基板において、実用上必要
とされるプリプレグの低発塵性は、平均エポキシ当量1
500のエポキシ樹脂の使用の場合、実用上最低限のレ
ベルであった。また、平均エポキシ当量が4000以上
のエポキシ樹脂の場合は、発塵性は充分に低いレベルで
あるが、熱変形温度が低下し必要に耐熱性が発現しにく
い。これは、架橋点間距離が離れ過ぎているとともに、
架橋点の数も少なくなるためである。
【0009】エポキシ当量が1500以上4000以下
である末端2官能直鎖状高分子エポキシ樹脂の配合量は
全エポキシ樹脂中50重量%以上であることが好まし
い。50重量%未満であると、前述のようなこのエポキ
シ樹脂の特長を十分に発揮させることができない。好ま
しくは70重量%以上である。
【0010】このエポキシ樹脂以外にノボラック型エポ
キシ樹脂を配合することが好ましい。ノボラック型エポ
キシ樹脂はエポキシ当量が小さく、架橋密度を高くする
とともに、硬化性を向上させるものである。従って、ノ
ボラック型エポキシ樹脂の配合により耐熱性(ガラス転
移温度)、耐薬品性の向上等を達成することができる。
この樹脂の配合量は全エポキシ樹脂中の10〜40重量
%が好ましく、この範囲で2種のエポキシ樹脂の特長が
効果的に発現する。10重量%未満でも使用可能である
が配合効果が小さく、実質的とはいえない。40重量%
を越えるとノボラック型エポキシ樹脂配合の効果は大き
いが、逆にエポキシ当量1500以上4000以下であ
る末端2官能直鎖状高分子エポキシ樹脂の配合効果が低
減し好ましくない。
【0011】硬化剤である有機ポリアミンについて説明
する。使用される有機ポリアミンとしては、芳香族ポリ
アミン、ジシアンジアミド等の複合アミン化合物等であ
って、これらの内から選ばれた1種または2種以上を、
当量比でエポキシ樹脂の0.8倍から2倍量配合するこ
とにより適当な硬化性を得ることができる。
【0012】複合アミン化合物としては、アミド型とし
てジシアンジアミドは硬化性と保存性の点で好ましいも
のである。ジシアンジアミドは当量比でエポキシ樹脂に
対して0.5から1.2倍当量が好ましい。0.5倍当
量より少ないと硬化性が低くガラス転移温度の向上効果
が小さく、1.2倍当量より多く配合したものは吸湿量
が大きく吸湿半田耐熱性が低下する。ジシアンジアミド
の配合量については他のポリアミン系硬化剤に比べて適
正当量比が小さい値であり特異である。
【0013】また、芳香族ポリアミンは、ジアミノジフ
ェニルメタン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメ
タン、トリクロロジアミノジフェニルメタン、テトラク
ロロジアミノジフェニルメタン等があるが、ジアミノジ
エチルジメチルジフェニルメタンは、耐熱性(ガラス転
移温度)の向上のために好ましい。芳香族ポリアミンの
みを使用した場合、エポキシ樹脂との当量比が0.7よ
り少ないと、耐溶剤性やガラス転移点が低く、硬化性向
上効果が小さいことが多く、一方、2.0より多いもの
は、吸湿量が大きく吸湿半田耐熱性が低下し、さらにワ
ニスの常温での保存性が不十分となる傾向がある。
【0014】有機ポリアミンの一種であるグアニド化合
物について説明する。グアニド化合物は、プリプレグの
保存性を確保しながら、末端2官能直鎖状高分子エポキ
シ樹脂の使用による硬化性の低下を補うために使用され
る。グアニド化合物としては、一般にグアニジン構造を
有する化合物を示し、1、3−ジフェニルグアニジン、
ジーオルソトリルグアニジン、1−オルソトリルジグア
ニド、α−2,5−ジメチルグアニド、α,ω−ジフェ
ニルジグアニド、5−ヒドロキシナフチル−1−ジグア
ニド、フェニルジグアニド、α,α’−ヘキサメチレン
ビス[ω−(p−クロロフェノール)]ジグアニド、o
−トリルジグアニド亜鉛塩、ジフェニルジグアニド鉄
塩、フェニルジグアニド銅塩、ジグアニドニッケル塩、
エチレンビスジグアニド塩酸塩、ラウリルジグアニド塩
酸塩、フェニルジグアニドオキサレート、1置換あるい
は2置換のアルキル置換したフェニルジグアニド等が例
示されるが、1、3−ジフェニルグアニジン、ジ−オル
ソトリルグアニジン、1−オルソトリルジグアニドが硬
化性向上効果が大きく好ましい化合物であって、これら
の内から選ばれた1種または2種以上をエポキシ樹脂と
の当量比で0.8倍から2倍にすることにより適切な硬
化性を得ることができる。
【0014】これらの化合物の特徴は、エポキシ樹脂の
エポキシ基と反応してエポキシ環が開環する時に非常に
発熱が大きいことにある。従って、本発明の場合のよう
に、加熱によりエポキシ樹脂と付加重合をおこす反応系
において反応が著しく促進される。グアニド化合物によ
る硬化は、エポキシ当量が1500以上4000以下で
ある末端2官能直鎖状高分子エポキシ樹脂などの反応点
の少ない樹脂との反応において、硬化剤や硬化促進剤の
配合量を多くすることなく硬化時間を短縮する方法とし
て有用なものである。また、芳香族ポリアミン等を耐熱
性や吸湿性の向上のために併用配合することができる
が、硬化剤全体のうち、当量で8割を越えるような配合
量は硬化性と保存性とのバランスを崩すことがあるの
で、注意を要する。
【0015】硬化促進剤について説明する。硬化促進剤
の種類は,特に限定するものではないが、イミダゾール
系硬化促進剤とホスフィン系硬化促進剤が好ましく使用
される。イミダゾール系硬化促進剤としては、2−メチ
ルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾール、2,4’−ジアミノ−6−[2’−
エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル
−s−トリアジン、2−メチルイミダゾール・イソシア
ヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール・トリメリット
酸付加物等が、また、ホスフィン系硬化促進剤として
は、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン
フェノール塩等がある。耐熱性向上のためには、2−フ
ェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダ
ゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−ウンデシルイミダゾール又は2,4−ジアミノ
−6−{2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)}エ
チル−s−トリアジンを各々単独もしくは併用使用する
ことが好ましい。エポキシ樹脂100重量部に対する硬
化促進剤の量は0.1〜0.8重量部が好ましい。0.
8重量部を越える添加量になると、硬化が速過ぎて成形
性が悪くなるとともに、吸湿半田耐熱性とプリプレグ保
存性とが両立しないか、あるいは両方の特性が低下する
ようになる。一方、0.1重量部未満の添加量では、硬
化不足により硬化性、耐熱性が不十分となり、密着性も
低下するようになる。
【0016】さらに、必要に応じて金属箔あるいはガラ
スクロス等の無機物との密着性を付与する目的で、シラ
ンカップリング剤を配合することも可能である。例え
ば、カップリング剤としては、シランカップリング剤、
チタネート系カップリング剤、アルミキレート系カップ
リング剤等が使用可能であり、例えば、クロロプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウ
レイドプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリ
イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリメタク
リルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルフィロ
フォスフェート)チタネート、イソプロピルイソステア
ロイルジ(4−アミノベンゾイル)チタネート等が例示
される。エポキシ樹脂100重量部に対する配合量は
0.1から2.0重量部が好ましい。0.1重量部未満
では金属箔あるいはガラスクロス等の無機物との剥離強
度を向上する効果が不十分であり、2.0重量部を越え
てもこれ以上の向上がみられないようになり、特に未反
応部が生じることがあり硬化の妨げになることがある。
【0017】さらに、必要に応じてプリプレグの外観特
性向上(はじき、クレーター、ボイド等のないこと)の
ために、表面張力調整剤として消泡剤を配合することが
できる。消泡剤としては、ノンシリコーン系(アクリル
系)ものがすべり特性が良好となるので好ましい。かか
る消泡剤の配合量はエポキシ樹脂100重量部に対して
0.1から2.0重量部が好ましい。0.1重量部未満
ではその配合効果が小さく、2.0重量部より多く配合
するとワニスのゲルタイムを短縮するため、適正配合量
の範囲にする必要がある。この範囲で十分な外観特性の
向上効果を発現する。
【0018】常圧での沸点が固形エポキシ樹脂の軟化点
より15℃以上高い溶剤としては、たとえば、エポキシ
当量が1500である末端2官能直鎖状高分子エポキシ
樹脂が主成分の場合、この樹脂の軟化点は120℃であ
るので、溶剤の沸点は135℃以上が必要となる。更
に、ワニス組成の各成分の溶解を妨げるようなものは当
然に使用できないので、たとえばエチルカルビトール、
エチルカルビトールアセテート、メチルカルビトール、
フルフリルアルコール、イソブチレングリコール、イソ
プロピレングリコール、乳酸エチル、プロピレングリコ
ールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテルが使用可能である。また溶解性は落ちる
が、酢酸エチル、ブチレングリコールモノアセテート、
ジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコールも使用
可能である。
【0019】このような高沸点の溶剤は、蒸気圧が低
く、これらを溶剤に用いたワニスを繊維基材に塗布し加
熱乾燥を始めるとき、最初の段階では樹脂の溶融温度以
上になっても、その溶剤が基材内に残っているため、沸
点までの温度の間では樹脂ワニスの粘度は低く、繊維基
材への含浸が速やかにかつ均一に行われる。また、乾燥
中に溶剤の蒸発で起こるプリプレグ面の泡立ちを生じる
ことなく乾燥することができる。従って、樹脂ワニスの
繊維基材への含浸性に優れているので、ボイドの発生が
防止され、しかも少量残存している溶剤がプリプレグ切
断時等において樹脂粉末の発生をさらに抑える働きをも
有する。
【0020】ワニス粘度やワニスの樹脂含有量を調整す
る目的で、沸点が上記の条件を満たさない溶剤を樹脂の
溶解を妨げない範囲で配合することは可能である。この
ような溶剤としては、アセトン、メタノール、トルエ
ン、ジオキサン、MCS、キシレン、ジグライム等であ
り、2種以上を混合使用することも可能である。
【0021】塗布方法としては、有機溶剤を含むエポキ
シ樹脂ワニスを基材に含浸する方法であれば、いかなる
方法も可能である。いずれの方法においても、含浸に必
要な最適粘性があるため、塗布方法の違いにより、反応
性希釈剤や溶剤の種類、配合量の調整は必要になってく
る。
【0022】プリプレグの樹脂の硬化状態について言及
する。硬化状態は、一般的に全くの未硬化状態であるA
ステージ状態、半硬化状態であるBステージ状態、さら
に硬化をすすめたゲル状態、そして、完全硬化状態であ
るCステージ状態に分けることができる。本発明により
得られたプリプレグのエポキシ樹脂は通常Bステージ状
態であるが、特にタックフリーの状態にしておくことに
より取り扱いが容易になる。
【0023】本発明により得られたプリプレグをプリン
ト回路基板に用いることにより、従来積層成形時又は多
層成形時に予め必要とされてきた低発塵化のためのプリ
プレグ再溶融処理を不要とすることができる。従って、
プリプレグ再溶融処理工程の品質管理に費やす工数の削
減、生産コストの削減が図られ、更にはプリプレグ再溶
融処理を行わないことによりプリプレグの局部的なゲル
タイムの短縮が生じる恐れはない。更に、裁断サイズの
取り直しや穴開け加工がある場合、一度プリプレグ再溶
融処理により低発塵性としたものも、再度同じ処理を行
う必要があり、品質管理も重複し煩雑となるが、このよ
うな場合にも、本発明により得られたプリプレグでは、
上記のような重複した品質管理が不要となる。樹脂ワニ
スを繊維基材に含浸、乾燥する際にボイドの発生が抑え
られるので、積層成形時の成形不良も軽減する。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0025】(実施例1)ガラス織布基材厚0.1m
m、銅箔厚35μmのガラスエポキシ両面銅張積層板を
表面研磨、ソフトエッチングし防錆処理を除いた後、エ
ッチングにより回路加工し、黒処理を行って内層プリン
ト回路板を得た。
【0026】ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量2900、軟化点144℃)80重量部をエチル
カルビトール(沸点202℃)80重量部に溶解した。
これに、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(エポキシ当量215、軟化点70℃)20重量部をメ
チルエチルケトン(MEK)20部に溶解して混合し、
硬化剤としてジシアンジアミド2.5重量部を添加し溶
解した。更に、硬化促進剤として2−フェニル−4−メ
チルイミダゾール0.2重量部と、アクリル系の消泡剤
(BYK−361)0.2重量部を添加した後、調合槽
内で混合した。さらに、MEKにより粘度調整を行い、
含浸用エポキシ樹脂ワニスを得た。
【0027】前記エポキシ樹脂ワニスをガラス織布に含
浸、乾燥してプリプレグ(180μm厚)を得た。この
プリプレグを上記内層プリント回路板にそれぞれ1枚ず
つ重ね合わせ、その両面に厚さ18μmの銅箔を1枚ず
つ重ね、真空圧プレスにて積層材料の最高到達温度が1
70℃、昇温、冷却含め150分間加熱加圧成形し、多
層プリント配線板を得た。前記プリプレグの樹脂粉末発
生量を測定し、多層プリント配線板の特性(ガラス転移
温度及び吸湿後の半田耐熱性)を評価し、その結果を表
1に示す。プリプレグからの樹脂粉末発生量は極めて少
ない。
【0028】(実施例2〜4)ワニスの組成を表1に示
すように変更した以外は実施例1と同様の方法により多
層プリント配線板を作製し、特性の評価を行った。それ
ぞれの組成及び評価結果を表1に示す。実施例1と同様
にプリプレグからの樹脂粉末発生量は極めて少ない。
【0029】(比較例1〜3)ワニスの組成を表1に示
すように変更した以外は実施例1と同様の方法により多
層プリント配線板を作製し、特性の評価を行った。それ
ぞれの組成及び評価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 注1 DDDDM:ジアミノジエチルジメチルジフェニ
ルメタン 注2 2P4MZ:2−フェニル−4−メチルイミダゾ
ール 注3 2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾー
【0031】(エポキシ樹脂の軟化点) 1.エポキシ当量2900のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂:144℃ 2.エポキシ当量1800のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂:128℃ 3.エポキシ当量480のビスフェノールA型エポキシ
樹脂:64℃ (溶剤の沸点) 1.エチルカルビトール:202℃、2.メチルカルビ
トール:194℃、 3.シクロヘキサノン:156℃、メチルイソブチルケ
トン:116℃
【0032】(測定方法) 1.樹脂粉末発生量:カッターナイフによりプリプレグ
を一定長さ(約50cm)だけカットした時の樹脂粉末
の発生量(長さ1cm当たり)を測定した。 2.外層銅箔のピール強度:JIS C 6481に準
じて行った。銅箔はTSTO箔(古河サーキットホイル
(株)製)を使用した。 3.吸湿後の半田耐熱性:得られた多層プリント配線板
を50×50mmに大きさに切り出し、表面銅箔をエッ
チングして除去し、125℃PCT処理30分間の後、
260℃半田浴に20秒間浸漬し、膨れ等の異常の有無
をみた。
【0033】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の方法により得られたプリプレグはその切断等の際
に樹脂粉末の発生が極めて少なく、この樹脂粉末による
積層成形あるいは多層成形時の成形不良を実質的になく
することができる。従って、従来必要であったプリプレ
グの再溶融処理をなくすることができ、このことにより
プリント回路板の製造工程を短縮することができ、製造
コストの低下を達成することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリプレグの製造方法において、(1)
    エポキシ当量が1500以上4000以下である末端2
    官能直鎖状高分子エポキシ樹脂、(2)有機ポリアミン
    系硬化剤、及び(3)硬化促進剤(4)常圧での沸点が
    固形エポキシ樹脂の軟化点より15℃以上高い溶剤を必
    須成分とするエポキシ樹脂ワニスを繊維基材に含浸、乾
    燥することを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 全エポキシ樹脂中、ノボラック型エポキ
    シ樹脂を10〜40重量%含有する請求項1記載のプリ
    プレグの製造方法。
  3. 【請求項3】 全エポキシ樹脂中、前記エポキシ当量が
    1500以上4000以下である末端2官能直鎖状高分
    子エポキシ樹脂が50重量%以上である請求項1又は2
    記載のプリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溶剤が、エポキシ樹脂及び硬化剤の
    合計量に対して30重量%以上を含まれている請求項
    1、2及び3記載のプリプレグの製造方法。
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