JPH09176054A - 結晶性物質の精製方法 - Google Patents

結晶性物質の精製方法

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JPH09176054A
JPH09176054A JP7339341A JP33934195A JPH09176054A JP H09176054 A JPH09176054 A JP H09176054A JP 7339341 A JP7339341 A JP 7339341A JP 33934195 A JP33934195 A JP 33934195A JP H09176054 A JPH09176054 A JP H09176054A
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substance
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Koichi Nagaoka
浩一 永岡
Koji Yamamoto
浩司 山本
Masahiro Motoyuki
正浩 元行
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    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B63/00Purification; Separation; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C7/00Purification; Separation; Use of additives
    • C07C7/14Purification; Separation; Use of additives by crystallisation; Purification or separation of the crystals

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定物質濃度の低い原料混合物から、該特定
物質の濃縮と精製を比較的簡単な手順で効率よく行なう
ことのできる方法を提供すること。 【解決手段】 特定物質を含む混合物から該特定物質を
精製する方法であり、(1)液状もしくは該特定物質が
一部晶出したスラリー状の上記混合物を高圧力下の晶析
操作に付し、上記特定物質の結晶量を増加させて上記特
定物質の濃縮された結晶を得る工程、(2a)上記で得
られる特定物質の濃縮された結晶を、該結晶を良く溶解
する溶剤に溶解し、冷却下の晶析操作に付すことによっ
て特定物質を再結晶させる工程によって結晶性物質の精
製を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性の特定物質
を含む混合物から該特定物質を高収率且つ高純度で得る
ことのできる精製方法に関し、この方法は、たとえば石
炭や石油留分として得られ、あるいはナフタレンへのメ
チル基の付加もしくは炭化水素の環化反応等によって得
られるジメチルナフタレン異性体を含む混合物から、高
純度の2,6−ジメチルナフタレンを得る方法などとし
て有効に活用することができる。
【0002】
【従来の技術】特定物質を含む混合物から該特定物質を
分離して精製する方法としては、従来より沸点差を利用
した蒸留法、温度による溶剤への溶解度差を利用した冷
却晶析法等が汎用されており、また最近では、圧力差を
利用した圧力晶析法等も提案されている。しかしながら
何れの方法にしても、特定物質濃度の低い原料混合物か
ら特定物質を一段の処理で高純度かつ高収率に精製する
ことは困難であり、通常は、比較的低濃度の原料混合物
を複数段の処理に付して逐次特定物質濃度を高めていく
方法を採用しているが、特に特定物質と共に物性(沸点
や溶剤に対する溶解度など)の近似した他の物質が含ま
れている場合は、特定物質の濃縮乃至精製に様々の問題
が生じてくる。
【0003】例えば2,6−ジメチルナフタレン(以
下、ジメチルナフタレンをDMNと略記する)を精製す
る場合を例にとって説明すると、2,6−DMNは、石
炭留分や石油留分から蒸留等によって濃縮するか、或は
ナフタレンへのメチル基の付加反応、炭化水素の環化反
応等によって得られるが、いずれも複数のDMN異性体
を含む混合物として得られる。DMNは10種の異性体
を有しており、それら異性体の沸点は互いに近接してい
るので、分別蒸留による濃縮にはおのずと限界があり、
2,6−DMNとしての濃度で10〜40%程度にまで
しか高めることができない。
【0004】また本出願人は2,6−DMNの効率的な
精製法として先に圧力晶析法(特開昭63−27552
8号)を提案したが、この方法を効率よく実施するに
は、原料混合物としての2,6−DMN濃度が50%程
度以上でなければならず、2,6−DMN濃度が10〜
40%である通常の原料混合物を該圧力晶析にかけて
も、高純度の2,6−DMNを得ることは難しい。
【0005】そこで、上記の圧力晶析法を利用して高純
度の2,6−DMNを得ようとする場合は、まず原料混
合物を濃縮して2,6−DMN濃度を40%程度を超え
る濃度にまで高めてから圧力晶析による最終的な精製を
行なう必要があり、その手順としては、下記(A)の方
法が考えられる。
【0006】(A)冷却晶析法により濃縮してから圧力
晶析法で精製する方法 処理手順:原料混合物(2,6−DMN濃度:40%以
下)→濃縮のための冷却→固液分離(2,6−DM
N濃度:40%以下→約70%)→精製のための予備
冷却→圧力晶析(2,6−DMN濃度:約70%→9
9%以上)→精製品(図3のフロー図参照)
【0007】即ち、まずの工程では、原料混合物を冷
却して目的物質の結晶を含むスラリー状態とし、の工
程で該スラリーを遠心分離機や圧搾濾過機等の固液分離
機にかけて不純物を多く含んだ母液を分離除去し、次工
程の精製に必要なレベルまで目的物質濃度を高める。次
いでの工程では、の工程で得た濃縮物を冷却して目
的物質が一部析出したスラリー状態とし、の工程で該
スラリーを圧力晶析に付し、加圧によって目的物質の結
晶を増加させると共に不純物を多く含んだ母液を排出
し、高純度の2,6−DMN(精製品)を得る。上記
の圧力晶析工程では、圧力晶析の原料となるスラリー中
の特定物質濃度が低い(70%程度)ので、これを一気
に99%程度の高純度まで精製するには、晶析圧力を相
対的に低く抑えて不純物の析出を可及的に抑えると共
に、圧力晶析末期に行なわれる発汗を十分に行なって結
晶表面に付着した不純物を可及的に除去しなければなら
ず、目的物質の回収率は大幅に低下してくる。また、圧
力晶析を複数段に分け、特定物質濃度をたとえば第1段
階で70%→80%、第2段階で80%→90%、最終
段階で90%→99%と言ったふうに順次高めていくこ
とも可能であるが、この方法は作業効率が低い上に各段
階でのロスを掛け合わせたトータルロスも多くなるた
め、目的物質の回収率も大幅に低下してくる。また他の
濃縮・精製法として下記(B)の方法が考えられる。
【0008】(B)濃縮、精製ともに冷却晶析を採用す
る方法 処理手順:原料混合物(2,6−DMN濃度:40%以
下)→冷却晶析による濃縮→固液分離(2,6−D
MN濃度:40%以下→約70%)→溶剤を用いた冷
却晶析→固液分離(2,6−DMN濃度:約70%→
99%以上)→精製品(図3のフロー図参照)
【0009】即ち上記(A)の方法と同様にして、まず
の工程では、原料混合物を冷却して目的物質の結晶を
含むスラリー状態とし、の工程で該スラリーを遠心分
離機や圧搾濾過機等の固液分離機にかけて不純物を多く
含んだ母液を分離除去し、次工程の精製に必要なレベル
まで目的物質濃度を高める。このとき、最終の精製を冷
却晶析によって行なうには、該精製工程での原料濃度を
かなり高くしておくことが必要であり、の固液分離工
程では、結晶に付着残存する母液の付着量(含液率)を
10%程度以下にして不純物を可及的に除去することが
必要となる。従ってこの工程では、分離末期の発汗を十
分に行なうと共に、圧搾濾過など高度に母液を分離でき
る固液分離法を採用して不純物を十分に除去しなければ
ならず、母液と共に排出される目的物質の量はおのずと
多くなるため、目的物質の回収率は低下してくる。ま
た、冷却晶析による濃縮を複数段に分け、特定物質濃度
をたとえば第1段階で40%→60%、第2段階で60
%→80%、最終段階で80%→90%と言ったふうに
順次高めていくことも可能であるが、この方法は作業効
率が低い上に各段階でのロスを掛け合わせたトータルロ
スも多くなるため、目的物質の回収率も大幅に低下して
くる。
【0010】上記の様にして90%レベルにまで濃縮し
た後、の工程で最終の冷却晶析によって精製を行な
う。尚冷却晶析法を採用して精製を行なう場合、原料中
の目的物質濃度が高いと僅かな温度変化でスラリー濃度
(固液共存物中の結晶濃度)が大きく変動し、スラリー
の取扱いや固液分離が困難になるため、溶剤を加えて希
釈した上で冷却晶析を行なう必要がある。溶剤として
は、2,6−DMNの場合はベンゼン等の芳香族系溶剤
やアルコール類が用いられる。その後の工程で、目的
物質の析出したスラリーを固液分離して母液を分離除去
し目的物を結晶として採取するが、このときの固液分離
には遠心分離法等も採用できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記(A),
(B)法に共通する問題として、何れも目的物質の濃縮
に冷却晶析法を採用しているため、取扱い性を高めるこ
との必要上スラリー中の結晶濃度を十分に高めることが
できず、処理工程全体としての目的物質の回収率を十分
に高めることができない。即ち、結晶を含むスラリーの
輸送や取扱い性を考えると、扱えるスラリー中の結晶濃
度は20%程度が限界であり、それ以上の結晶含有率の
スラリーを一段の濃縮工程で得ることは困難であり、該
濃度が律速となって回収率はおのずと低くならざるを得
ない。そして目的物質の回収率を高めるには、濃縮工程
で排出される母液中に相当量溶け込んでいる目的物質の
回収と濃縮を更に複数回繰り返さなければならず、作業
が煩雑で効率も低下すると共に処理設備も大きくしなけ
ればならない。
【0012】また上記(A)の方法では、高融点の目的
物質を扱うときに次の様な問題も生じてくる。例えば
2,6−DMNの融点は110℃であり、この様な高融
点物質を冷却晶析法によって濃縮するには、設備温度を
それ以上に高めなければならないため、設備の保温等の
管理が煩雑となるばかりでなく発汗精製を高温で行なわ
なければならないため温度管理も難しく、到達純度も十
分に上がらない。
【0013】本発明は上記の様な従来技術の問題点に着
目してなされたものであって、その目的は、特定物質濃
度の低い原料混合物から、該特定物質の濃縮と精製を比
較的簡単な手順で効率よく行なうことのできる方法を提
供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る結晶性物質の精製方法とは、特定
物質を含む混合物から該特定物質を精製する方法であっ
て、(1)液状もしくは該特定物質が一部晶出したスラ
リー状の上記混合物を高圧力下の晶析操作に付し、上記
特定物質の結晶量を増加させて上記特定物質の濃縮され
た結晶を得る工程、(2a)上記で得られる特定物質の
濃縮された結晶を、該結晶を良く溶解する溶剤に溶解
し、冷却下の晶析操作に付すことによって特定物質を再
結晶させる工程、あるいは(2b)上記で得られる特定
物質の濃縮された結晶を、該結晶を溶解することのでき
る溶剤によって洗浄する工程、を実施するところにその
特徴を有している。
【0015】そしてこの精製方法は、たとえばジメチル
ナフタレン異性体混合物から2,6−ジメチルナフタレ
ンを特定物質として分離精製する方法などとして有効に
活用することができ、この場合、冷却下の晶析を行なう
際に用いる結晶を良く溶解する溶剤としてはアルコール
系溶剤が好ましく、また結晶の洗浄に用いられる結晶を
溶解することのできる溶剤としては、芳香族系溶剤が好
ましく用いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明で採用される精
製方法は、精製前段階として行なわれる特定物質の濃縮
に圧力晶析法を採用し、最終の精製段階では溶剤を用い
た冷却晶析もしくは溶媒洗浄を採用し、これらの組合せ
によって従来技術で指摘した前述の問題点を解消し、比
較的簡単な操作・手順で特定物質を高純度、高収率で効
率よく得ることに成功したものである。
【0017】図1,2は、本発明で採用される精製手順
を示すフロー図であり、図1は請求項1に記載の方法、
図2は請求項2に記載の方法を夫々実施する際の手順を
示している。
【0018】まず図1のフロー図において、の工程で
は、前記従来法と実質的に同様の目的物質濃度の原料混
合物を冷却し、目的物質の結晶を含むスラリー状態とし
てから、の工程で圧力晶析による濃縮を行なう。
【0019】この様に圧力晶析法で濃縮する方法を採用
すれば、高圧容器内でのスラリー濃度に制限がなく、即
ち、前述した様に従来の冷却晶析法を採用する際の輸送
性や取扱い性を確保することの必要からスラリー濃度を
20%程度の低濃度に抑える必要がなく、スラリー濃度
を十分に高めることができるので、冷却晶析によって濃
縮する場合に比べて目的物質の回収率を大幅に高めるこ
とが可能となる。しかも、圧力晶析を目的物質濃度で9
0%程度までの濃縮に止めるという前提の下では、精製
を目的とする通常の圧力晶析における発汗・洗浄・圧搾
といった操作を最後まで行なわず、母液の排出を途中で
止めればよいので、母液に混入して排出される目的物質
のロスも抑えられ、目的物質の回収率は更に高められ
る。また圧力晶析で精製を行なうには、発汗・洗浄・圧
搾を確実に行なうのに高精度の制御機器(温度、圧力、
母液排出量等の制御)を必要とするが、濃縮を目的とす
る場合はその制御を著しく簡素化することができ、圧力
晶析設備の装置・機構を簡略化することも可能となる。
【0020】更に、圧力晶析を濃縮によって行なうこと
の他の利点として、次の点が挙げられる。即ち目的物質
濃度が50%程度以下の原料を用いて一段の圧力晶析で
99%以上の高純度物に精製することはかなり難しい。
しかして、圧力晶析によって得れらる精製結晶の純度
は、結晶中に残存する母液の量と純度に依存し、低濃度
原料を圧力晶析にかけたときは、母液中の不純物濃度が
高くなるため、精製結晶の純度は上がりにくい。ところ
が純度90%程度までの濃縮に圧力晶析を利用する場
合、結晶中に残存する母液の不純物濃度が比較的高くて
もよいので、精製する場合よりもやや高めの圧力で母液
の排出を行なうことによって、母液と共に排出される目
的物質量を低減することが可能となり、ひいては目的物
質の回収率を高めることができる。
【0021】かくしての工程で目的物質濃度を90%
程度にまで濃縮した後は、の工程で該濃縮結晶を適当
な溶剤に溶解して常法により冷却晶析を行ない、の工
程で固液分離し目的物質を高純度の結晶として得ればよ
い。該の冷却晶析工程の原料となる濃縮結晶は、前述
の如くの圧力晶析工程で90%程度まで濃縮されてい
るので、該冷却晶析時の負荷が少なく且つ目的物質のロ
スも抑えられ、高純度の目的物質を高収率で得ることが
可能となる。
【0022】尚、上記ではの工程で溶剤を用いた冷却
晶析法を採用したが、図2の方法では、これに代えて
の溶剤洗浄による精製を採用している。即ちの圧力晶
析工程では、目的物質を核として母液中の該目的物質が
晶出し成長していくものであり、濃縮結晶の純度を下げ
ているのは前述の如く該結晶の表面に付着残存した母液
中の不純物であるから、該濃縮結晶を適当な溶剤によっ
て洗浄しその表面に付着残存した母液を該溶剤によって
洗浄し、の固液分離によって液相を除去してやれば、
濃縮結晶から目的物質を高純度の結晶として得ることが
できる。
【0023】尚上記図1,2の方法を実施するに際し、
の固液分離工程で排出される母液あるいは溶剤洗浄液
中には、目的物質が相当量溶解・混入しており、使用す
る溶剤の種類や量にもよるが、該母液あるいは洗浄液中
には60〜75%程度の目的物質が混入している。従っ
てこの母液や洗浄液は、図1,2に破線で示す如く、必
要により溶剤を揮発除去して、後続の出発原料に返還し
て循環処理すれば、濃縮・精製系全体としての目的物質
の回収率を高めることができるので好ましい。
【0024】上記の様に本発明では、特定物質濃度が4
0%程度の低濃度原料から90%程度までの濃縮に、ス
ラリー濃度を支障なく高めて目的物質の回収率を高める
ことができ、しかもその後の精製負荷を軽減できる圧力
晶析法を活用し、最終の精製工程では、高濃度品からの
精製を簡単な操作で効率よく行なうことのできる溶剤を
用いた冷却晶析法あるいは溶剤洗浄法を活用することに
より、比較的低濃度の原料混合物から比較的簡単な操作
・手順で高純度の特定物質を収率良く回収できることに
なった。
【0025】尚、本発明で採用される圧力晶析や冷却晶
析の具体的な操作条件(温度、圧力など)等は、目的物
質や不純物の種類等に応じて、適宜最適の条件を設定す
ればよい。また精製のための冷却晶析もしくは洗浄に用
いる溶剤の種類等についても、目的物質の種類等に応じ
て適宜選択して決定すればよく、例えば目的物質が2,
6−DMNであるときの好ましい溶剤は、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタ
ノール等の低級アルコール系溶剤、などである。
【0026】また、本発明法が適用される精製目的の特
定物質として代表的なのは、前述の如く2,6−DMN
であるが、要は精製目的となる特性物質を含む混合物溶
液の状態図において、該特定物質が最初に析出するタイ
プの混合物であれば同様に適用することができる。この
様な化合物としては、上記2,6−DMN以外に、例え
ばフェノール,クレゾール類,ナフタレン,ハロゲン化
ベンゼン類,インドールなど窒素を環内に有する芳香族
化合物,アルキルベンゼン類,アルキルナフタレン類等
が例示される。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。尚、下
記において「%」とあるのは「重量%」を意味する。
【0028】実施例1 予備冷却晶析法によって得た、2,6−DMN含有量:
40%、2,7−DMN含有量:16%、その他のDM
N異性体含有量:44%からなる混合物を原料とし、そ
の100kgを48℃に加温してスラリー濃度を20%
とし、これを高圧晶析にかけて2,6−DMNの濃縮を
行なった。この圧力晶析は、圧力:1500kg/cm
2 、温度:70℃で3分間保持して結晶を晶出させた
後、フィルターを通して母液を排出させ、2,6−DM
N濃度が90%のケーキ状粗結晶28kgを得た。
【0029】次いでこの粗結晶を圧力容器から取り出
し、重量比で5倍量のエタノールを加え60℃に加熱し
て粗結晶の全てを溶解させ、その後溶液を20℃に冷却
して2,6−DMNの結晶を析出させてから、遠心分離
機によって固液分離を行ない、、2,6−DMN純度が
99%の結晶18.2kg(原料中の2,6−DMN量
に対して45.5%)を得た。
【0030】実施例2 予備冷却晶析法によって得た上記実施例1と同じ物質組
成の混合物を原料とし、且つ実施例1と同様にして圧力
晶析による濃縮を行ない、2,6−DMN濃度が90%
のケーキ状粗結晶28kgを得た。次いでこのケーキ状
粗結晶を圧力容器から取り出して破砕し、これに重量比
で2倍量のベンゼンを加えてから20℃で1時間攪拌
し、次いで遠心分離機によって固液分離を行ない、2,
6−DMN純度が99%の結晶18.0kg(原料中の
2,6−DMN量に対して45.0%)を得た。
【0031】実施例3 上記実施例1の濃縮・精製法を実施するに際し、精製工
程の遠心分離機で固液分離される母液中には相当量の
2,6−DMNが含まれている。そこで、該母液中の溶
剤を減圧下に留去したところ、2,6−DMN濃度が7
1%の混合物9.8kgが得られた。この混合物9.8
kgを、当初の原料混合物(2,6−DMN濃度:4
2.8%)100kgに混合し、実施例1と全く同様に
して濃縮および精製を行なったところ、最終的に2,6
−DMN純度が99%の結晶20.0kg(原料中の
2,6−DMN量に対して50.0%)が得られた。
【0032】比較例1 前記(A)として記載した従来法、即ち「冷却晶析法に
より濃縮してから圧力晶析法で精製する方法」を採用
し、実施例1で用いたのと同じ物質組成の原料混合物1
00kgを48℃に加温してスラリー濃度20%とす
る。次いでこのスラリーを軽度の圧搾濾過にかけて固液
分離すると、結晶間の隙間に相当量の母液を含む2,6
−DMN濃度70%の濃縮物28.6kgが得られた。
【0033】この濃縮物を87℃に加温してスラリー濃
度20%とし、実施例1に準じて圧力晶析および固液分
離を行なった。このとき、圧力晶析にかける混合物の目
的物質濃度が低い(70%)ため、99%レベルの純度
を確保するには、固液分離時の発汗・洗浄・圧搾を十分
に行なわねばならず、液相として多量の母液を排出させ
る必要があり、最終的に得られる2,6−DMN濃度9
9%の結晶は10.6kg(原料中の2,6−DMN量
に対し26.5%)であり、2,6−DMNの回収率
は、前記実施例1,2の約60%、実施例3の53%に
過ぎず、目的物質としての回収率において著しく劣るも
のであった。
【0034】比較例2 前記(B)として記載した従来法、即ち「濃縮、精製と
もに冷却晶析を採用する方法」を採用し、実施例1で用
いたのと同じ成分組成の原料混合物100kgを48℃
に加温してスラリー濃度20%とする。次いでこのスラ
リーを高度の圧搾濾過にかけて母液を可及的に除去する
と、2,6−DMN濃度90%の濃縮物としての収量は
18.9kgに低減した。
【0035】この濃縮物を破砕し、これに重量比で2倍
量のベンゼンを加えてから20℃で1時間攪拌し、次い
で遠心分離機により固液分離することによって得られる
2,6−DMN純度99%の結晶は12.2kg(原料
中の2,6−DMN量に対して30.6%)となり、
2,6−DMNの回収率は、前記実施例1,2の約68
%、実施例3の61%に過ぎず、目的物質としての回収
率において著しく劣るものであった。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、圧
力晶析を用いた濃縮と冷却晶析による精製をうまく組合
せることによって、特定物質を含む混合物から高純度の
特定物質を比較的簡単な操作で収率よく回収することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で採用される濃縮・精製法を示すフロー
図である。
【図2】本発明で採用される他の濃縮・精製法を示すフ
ロー図である。
【図3】従来の濃縮・精製法を示すフロー図である。
【図4】従来の濃縮・精製法を示す他のフロー図であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定物質を含む混合物から該特定物質を
    精製する方法であって、 (1)液状もしくは該特定物質が一部晶出したスラリー
    状の上記混合物を高圧力下の晶析操作に付し、上記特定
    物質の結晶量を増加させて上記特定物質の濃縮された結
    晶を得る工程、 (2a)上記で得られる特定物質の濃縮された結晶を、
    該結晶を良く溶解する溶剤に溶解し、冷却下の晶析操作
    に付すことによって特定物質を再結晶させる工程を実施
    することを特徴とする結晶性物質の精製方法。
  2. 【請求項2】 特定物質を含む混合物から該特定物質を
    精製する方法であって、 (1)液状もしくは該特定物質が一部晶出したスラリー
    状の上記混合物を高圧力下の晶析操作に付し、上記特定
    物質の結晶量を増加させて上記特定物質の濃縮された結
    晶を得る工程、 (2b)上記で得られる特定物質の濃縮された結晶を、
    該結晶を溶解することのできる溶剤によって洗浄する工
    程、を実施することを特徴とする結晶性物質の精製方
    法。
  3. 【請求項3】 特定物質が2,6−ジメチルナフタレン
    であり、混合物がジメチルナフタレン異性体を含有する
    ものである請求項1または2に記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 結晶を良く溶解する溶剤がアルコール系
    溶剤である請求項3に記載の精製方法。
  5. 【請求項5】 結晶を溶解することのできる溶剤が、芳
    香族系溶剤である請求項3に記載の精製方法。
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