JPH09175570A - 時限噴射式殺虫剤容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】密閉した室内等に置いてセット後の一定時間経
過後に殺虫剤を噴出させることができるとともに、極め
て簡単な操作でセットすることが出来、安全性も高い優
れた時限噴射式殺虫剤容器を提案する。 【解決手段】エアゾール容器体２上端に傾倒可能に突設
したステムに注出ノズル３嵌着し、容器体上方に画成し
た操作室Ａ内へ上記ノズル３を傾倒可能に突出してその
上端を操作室頂板15の噴出孔に臨ませ、操作室Ａ内に回
動付勢させた押圧杆23を係止ピン24により係止し、操作
室Ａ内に設けたシリンダ34内に高粘度材36を充填し、シ
リンダ34の一端に配置したピストン37と押圧杆23先端を
連動させ、上記係止ピン24を抜くことにより、ピストン
37が高粘度材36をシリンダの排出用孔35より押し出しつ
つ付勢力で押圧杆23が回動してノズル３を押圧傾倒する
如く構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は時限噴射式殺虫剤容
器に関し、詳しくは、密閉した室内等に置いてセット後
の一定時間経過後に殺虫剤を噴出させることができる殺
虫剤容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】殺虫剤容器としてエアゾール式容器が用
いられている。該容器はその頂壁を貫通させて上方付勢
状態に起立するステムに押し下げ釦を付勢させておき、
該釦を押し下げ、容器体上部へ嵌合させることでステム
の押し下げ状態が保たれ、また、ステムを押し下げた後
に容器体内殺虫剤が噴出する様に設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記殺虫剤容器は、セット後殺虫剤が噴霧するまでの時
間が短く、セット後密封室内から退去するまでの間に多
少なりともセット者が殺虫剤を吸い込む場合があり、好
ましくなかった。

【０００４】本発明はこの様な点を考慮して、セット後
室内から充分余裕をもって退去出来る程度の所定時間を
経過した後に上記噴霧が開始するようにすることで、殺
虫剤の吸い込みを防止でき、しかもセットは極めて簡単
な操作で行え、安全性も高い優れた容器を提案するもの
である。

【０００５】また、その組立も容易で、セット後の噴出
作動も円滑に且つ安定して行える容器を提案するもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本請求項１発明容器は上
記課題を解決するため、上端中央より傾倒可能に突設し
たステム19を傾倒させることにより内蔵吐出弁が開弁し
て収納殺虫剤が噴出する如く構成したエアゾール容器体
２を備え、上記ステム19に嵌着させた注出ノズル３を容
器体上方に画成した操作室Ａ内に傾倒可能に突出させる
とともに、その上端を操作室頂板15に穿設した噴出孔16
に噴出可能に臨ませ、上記操作室Ａ内に水平回動可能に
一端を軸支させた押圧杆23を弾性部材33によりノズル側
へ回動する如く付勢させるとともに、該付勢状態に於い
て上記操作室頂板15を貫通して上端を突出させた係止ピ
ン24によりノズルとの回動離間位置に押圧杆23を係止さ
せ、上記操作室Ａ内に横設したシリンダ34の一端を開口
して他端に排出用孔35を穿設するとともに、該シリンダ
34に高粘度材36を収納し、上記シリンダ開口部に配置し
たピストン37と上記押圧杆23先端部とを連結杆38により
連動させ、上記係止ピン24を抜くことにより、弾性部材
33の付勢力でピストン37が高粘度材36を排出用孔35より
押し出しつつ押圧杆23が回動してノズル３を押圧傾倒す
る如く構成してなることを特徴とする時限噴射式殺虫剤
容器として構成した。

【０００７】また、請求項２発明容器は、上記高粘度材
36がグリースである請求項１記載の時限噴射式殺虫材容
器として構成した。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態を図
面を参照して説明する。本発明時限噴射式殺虫剤容器１
は、エアゾール容器体２と、該容器体２上方に画成した
操作室Ａ内に突出させた注出ノズル３とを備えている。

【０００９】本実施例では、上記操作室Ａをケース４内
部に設けた仕切壁５によりその上部に区画形成し、ま
た、仕切壁５下部をエアゾール容器体２を収納する収納
室Ｂに形成している。

【００１０】本実施例では、筒状の周壁６内上部に仕切
壁５を横設したケース本体７と、該本体下端部に嵌合さ
せた底蓋８と、上端部に嵌合させた上蓋９とからケース
４を構成している。底蓋８は、ケース本体周壁６外周下
端部に内周上部を螺合させた嵌合筒10内面よりケース本
体７の下端開口を閉塞する底板11を延設しており、底板
11中央部には、容器体２の下端部を嵌合させる嵌合凹部
12を横設している。

【００１１】上蓋９は、ケース本体周壁６の内面上端部
に周設した突条13下面に、上方に湾曲上昇する周壁14上
面を抜け出し不能に係止させて、該周壁14をケース本体
周壁６内面上端に嵌合させ、周壁14下端縁より延設した
頂板15によりケース本体上端開口を閉塞し、頂板中央に
楕円形をなす噴出孔16を穿設し、また、頂板15の後部に
ピン挿通用の透孔17を穿設している。

【００１２】エアゾール容器体２は、筒状胴部18の上端
中央より常時垂直起立状態に付勢されたステム19を傾倒
可能に突設し、該ステムを傾倒させることにより、内蔵
吐出弁が開弁して収納ガス圧で収納殺虫剤をステム上端
より噴出する如く構成した公知の噴出機構を有するもの
で、所謂ティルトタイプと呼ばれるものが使用される。
本実施例では、胴部18の上部外周に環状突条20を突周設
し、該突条上部の胴部を縮径してその上端に小径の環状
突条を突周設している。そして、上記収納室Ｂの嵌合凹
部12内に載置させ、また、仕切壁５裏面より垂設した係
止筒21内面下端部を上記環状突条20外周に嵌合させて収
納室Ｂ内に固定させている。

【００１３】注出ノズル３は、上記ステム19に下端を液
密に嵌着して上記仕切壁５中央に穿設した窓孔22より操
作室Ａ内へ傾倒可能に突設し、上端を上記噴出孔16に噴
出可能に臨ませている。本実施例では、内部注出路を斜
めに形成し、ノズルを傾倒させて液の注出が可能になっ
た場合に注出路開口が上方を向くように構成している。

【００１４】また、上記操作室Ａ内にはノズル３を押圧
傾倒させるための押圧杆23を設けている。この押圧杆23
は、上記操作室Ａ内に水平回動可能に一端を軸支させる
とともに、ノズル側へ回動する如く弾性部材33により付
勢させ、また、この付勢状態で、係止ピン24により係止
させている。

【００１５】本実施例では、操作室Ａ内のノズル右側方
に突設した支軸25に一端の回動リング部26を嵌合させて
水平回動可能に軸支させてノズル３後方離間位置に直線
状に延設し、また、後面先端部に突設した係止リング27
に、上記透孔17上方より挿入した係止ピン24の下端部を
嵌合させて係止させている。また、上記支軸25後方及び
係止ピン24の係止位置後方所定位置にそれぞれ突設した
係止軸28，29に基端リング部30及び一方の先端リング部
31を嵌合固定し、他方の先端リング部31を押圧杆23上面
に突設した支軸32に回動可能に嵌合させた圧縮状態のト
ーションバネ33により押圧杆23を常時ノズル方向へ回動
する如く付勢させている。そして、係止ピン24を外すこ
とにより、トーションバネ33が広がる如く弾性復元して
押圧杆23がノズル方向へ回動し、ノズル３の前方への押
圧傾倒を可能に構成している。

【００１６】尚、弾性部材33は上記トーションバネ33に
限らず、他のバネ、例えば、板バネ、コイルバネ等を使
用しても良いが、トーションバネが好ましく使用でき
る。また、本発明では、上記操作室Ａ内に横設したシリ
ンダ34の一端を開口して他端に排出用孔35を穿設すると
ともに、シリンダ34に高粘度材36を充填し、シリンダ開
口部に配置したピストン37と押圧杆23先端部とを連結杆
38により連動させて上記押圧杆23の回動をゆっくり行う
如く構成している。即ち、係止ピン24を外した時点から
所定時間を経過した後にノズルを傾倒して収納液の噴出
を行える如く構成している。

【００１７】本実施例では、ノズル３左側に後面を開口
したシリンダ34を横設し、その前面中央上部には排出用
孔35を穿設している。また、シリンダ内に充填される高
粘度材36は、保形性を有し、且つピストン37の押圧力に
より排出用孔35より押し出し可能な半固体状の粘稠な物
質を使用することができ、例えばグリース等が好ましく
使用される。

【００１８】ピストン37はシリンダ内後端部に押し込み
可能に嵌合された円板状をなし、後面中央より後方へ、
上面に支軸39を立設した連結板40を突設している。そし
て、この支軸39に一端の回動リング部41を回動可能に嵌
合させ、他端の回動リング部42を押圧杆23先端上面に突
設した支軸43に回動可能に嵌合させてピストン37と押圧
杆23を連結杆38により連結している。

【００１９】上記の如く構成した容器１を使用する場合
は、図１の状態から（図１では図示の便宜上係止ピン24
を想像線で描いているが、押圧杆23がこの状態で係止ピ
ン24により係止される状態を示している。）、係止ピン
24を引き抜くと、トーションバネ33の弾性復元力により
押圧杆23が支軸25を中心にノズル３方向へ回動してノズ
ル３を前方へ押圧傾倒し、収納殺虫剤をノズル先端より
噴出孔16を介して噴出させる。この際、押圧杆23の回動
力が連結杆38を介してピストン37に伝達され、ピストン
37が前方へ押し込まれて高粘度材36が排出用孔35より押
し出されつつ押圧杆23が回動し、押圧杆23の回動速度は
遅くなる。

【００２０】尚、係止ピン24を抜いた後、高粘度材36を
押し出しつつ押圧杆23が回動してノズル３が傾倒される
までの時間は、係止ピン24を抜いた後セット者が密閉室
から出るまでに要する程度には充分な時間である。例え
ば、部屋の大きさ等により若干異なるが、５〜30秒程度
の中から必要に応じてその時間を選択し、高粘度材36の
量，軟らかさ，弾性部材１の強さ等により調整される。
但し、この時間は上記範囲に限定されるものではない。

【００２１】また、上記各部材は主として合成樹脂によ
り形成し、必要に応じて金属或いはエラストマー等を併
用等して形成すると良い。

【００２２】

【発明の効果】以上説明した如く本発明容器は、傾倒開
弁式のステムを突設したエアゾール容器体を備え、その
上方に画成した操作室内に、容器体のステム上端に嵌着
した注出ノズルを傾倒可能に突出させるとともに、その
上端を操作室頂板中央の噴出孔に噴出可能に臨ませ、ま
た、操作室内に水平回動可能に一端を軸支させた押圧杆
を弾性部材によりノズル側へ回動する如く付勢させると
ともに、該付勢状態に於いて操作室頂板を貫通して上端
を突出させた係止ピンによりノズルとの回動離間位置に
押圧杆を係止させ、更に、操作室内に押圧したシリンダ
の一端を開口して他端に排出用孔を穿設するとともに、
シリンダ内に高粘度材を収納し、シリンダ開口部に配置
したピストンと押圧杆先端部とを連結杆により連動さ
せ、係止ピンを抜くことにより、弾性部材の付勢力でピ
ストンが高粘度材を排出用孔より押し出しつつ押圧杆が
回動して注出ノズルを押圧傾倒する如く構成したので、
ピンを抜いた時点から殺虫剤噴射までの時間を充分設け
ることが出来、したがってセット者が殺虫剤を吸い込む
虞がなく、しかも、セットする際には、ピンを抜くだけ
であり、その操作が極めて簡単で且つ安全であるという
効果を発揮できるものである。

【００２３】また、上記連結杆により連動させているた
め、必要に応じて注出ノズルと押圧杆との間を充分な離
間距離をとることができ、例えば、連結杆の長さや押圧
杆との連結部の位置を変更可能に構成する等すれば、係
止ピンの係止解除からノズルを傾倒して殺虫剤を噴出す
るまでの時間調整をより容易に行うことができる。

【００２４】また、高粘度材としてグリースを使用した
ものは、その取り扱いが便利で、噴出時間の調整にも便
利であるという利点を兼ね備えている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明容器の一実施例を示し、操作室頂板を
切り欠いた状態の平面図である。

【図２】 同実施例の中央部に於ける縦断面図である。

【図３】 同実施例のシリンダ部分に於ける縦断面図で
ある。

【符号の説明】

２…エアゾール容器体，３…注出ノズル，15…頂板，16
…噴出孔，19…ステム，23…押圧杆，24…係止ピン，34
…シリンダ，35…高粘度材，37…ピストン，38…連結
杆，Ａ…操作室

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上端中央より傾倒可能に突設したステム
   19を傾倒させることにより内蔵吐出弁が開弁して収納殺
   虫剤が噴出する如く構成したエアゾール容器体２を備
   え、上記ステム19に嵌着させた注出ノズル３を容器体上
   方に画成した操作室Ａ内に傾倒可能に突出させるととも
   に、その上端を操作室頂板15に穿設した噴出孔16に噴出
   可能に臨ませ、上記操作室Ａ内に水平回動可能に一端を
   軸支させた押圧杆23を弾性部材33によりノズル側へ回動
   する如く付勢させるとともに、該付勢状態に於いて上記
   操作室頂板15を貫通して上端を突出させた係止ピン24に
   よりノズルとの回動離間位置に押圧杆23を係止させ、上
   記操作室Ａ内に横設したシリンダ34の一端を開口して他
   端に排出用孔35を穿設するとともに、該シリンダ34に高
   粘度材36を収納し、上記シリンダ開口部に配置したピス
   トン37と上記押圧杆23先端部とを連結杆38により連動さ
   せ、上記係止ピン24を抜くことにより、弾性部材33の付
   勢力でピストン37が高粘度材36を排出用孔35より押し出
   しつつ押圧杆23が回動してノズル３を押圧傾倒する如く
   構成してなることを特徴とする時限噴射式殺虫剤容器。
2. 【請求項２】 上記高粘度材36がグリースである請求項
   １記載の時限噴射式殺虫材容器。