JPH09173410A - 一般浴入浴用リフター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入浴者や操作者の安全が図れて扱いが容易な
一般浴入浴用リフターを提供すること。 【構成】 浴槽（３）に入退する昇降台（５）と、昇降
台（５）を支持するアーム（６）と、アーム（６）を昇
降可能に支持し浴槽（３）外に立設される支柱（７）
と、アーム（６）を昇降させる駆動部（１６）とからな
るリフター（１）と、昇降台（５）と同高面となり得、
浴槽（３）外に設置される移乗台（４）と、入浴者を乗
せる座席部（８）を分離可能に台車（９）に載置してな
る分離式車椅子（２）とからなり、前記昇降台（５）及
び移乗台（４）は上面は平坦板でなり、前記座席部
（８）は昇降台（５）及び移乗台（４）上面を自在に移
動できる一般浴入浴用リフター。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、身体障害者や養護老人
等の入浴に供される一般浴入浴用リフターに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術の特開平６−２３００６号公
報には、台車と、座体と、浴槽と、装置本体と、第１の
連結部と、車輪と、第１の案内レールと、第２の連結部
と、支持体と、第２の案内レールと、支柱と、一対の案
内部とからなる入浴装置が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記した従来装置に
は、第１に、従来装置における支柱は浴槽の中に設けら
れるから、支柱の掃除や浴槽の掃除を行ないにくいとい
う難点がある。第２に、座体を移乗させる際には、従来
装置における一対の案内部と支持体を一直線に接合し
て、これらの上を座体を移乗させるものであるから、一
対の案内部と支持体の接合は容易ではなく、入浴介助操
作は面倒であるという難点がある。

【０００４】第３に、座体を台車から支持体へ移乗する
時、台車が支持体の下方に潜らず支持体の横に残るか
ら、この台車が邪魔になって移乗操作が行ないにくく、
操作に係る安全性を低下させている。

【０００５】第４に、座体は支持体を離れて浴槽底面上
へ移乗できるというものではないから、一装置で順次入
浴者を浴槽内に多人数入れる浴槽出入口の昇降機として
使用できず、１人ずつの入浴となり、老人ホーム等で一
定時間に多人数を入浴するには時間が掛り過ぎるという
欠点がある。

【０００６】本発明の目的は、上記欠点を解決したもの
であり、入浴者や操作者の安全が図れて扱いが容易な一
般浴入浴用リフターを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】即ち本発明は、昇降台
（５）を有し浴槽（３）外に立設されるリフター（１）
と、昇降台（５）と同高面となり得、浴槽（３）外に設
置される移乗台（４）と、入浴者を乗せる座席部（８）
を分離可能に台車（９）に載置してなる分離式車椅子
（２）とからなり、前記昇降台（５）及び移乗台（４）
は上面は平坦板でなり、前記座席部（８）は昇降台
（５）及び移乗台（４）に移乗されその上面を自在に移
動できることを特徴とする一般浴入浴用リフターであ
る。又、前記移乗台（４）に分離式車椅子（２）が接合
すると、台車（９）は移乗台（４）の下方に進入し、座
席部（８）は移乗台（４）の平坦な面上を移動する。更
に、前記座席部（８）を浴槽（３）と底面（１０）間に
移乗容易にする為に、浴槽（３）の底面（１０）には、
昇降台（５）が埋没できる昇降台用凹部（１１）が形成
され、昇降台（５）の上面と底面（１０）が略同高とな
る。或いは、前記座席部（８）を浴槽（３）と底面（１
０）間に移乗容易にする為に、昇降台（５）の一端部に
傾斜部（２０）が形成される。又、前記座席部（８）を
浴槽（３）と底面（１０）間に移乗容易にする為に、浴
槽（３）の底面（１０）に傾斜板（２１）が載設され
る。

【０００８】

【作用】本発明を用いて入浴を介助するが、その際、本
発明におけるリフター１の昇降台５は、昇降し浴槽３に
入退する。浴槽３外に設置される支柱７は、アーム６を
昇降可能に支持する。アーム６は昇降台５を支持し、昇
降台５は昇降し、浴槽３外に設置される移乗台４に対し
て同高面にすることができる。

【０００９】台車９は移動自在であり、入浴者を乗せた
座席部８を分離可能に載せる。座席部８は、昇降台５及
び移乗台４の平坦面上を自在に移動する。

【００１０】前記移乗台４に分離式車椅子２を接合させ
ると、台車９は移乗台４の下方に進入し、座席部８は移
乗台４の平坦面上を移動する。昇降台５が埋没できるよ
うに浴槽３の底面１０に形成された昇降台用凹部１１
に、昇降台５が進入し、該昇降台５上面と底面１０は略
同高又は略面一となる。座席部８は浴槽３と底面１０の
間を容易に移乗する。

【００１１】昇降台５の一端部に形成された傾斜部２０
は、浴槽３と底面１０間を座席部８が移乗することを容
易にする。

【００１２】浴槽３の底面１０に載設される傾斜板２１
は、浴槽３と底面１０間を座席部８が移乗することを容
易にする。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例は、リフター１と、分離式車
椅子２と、浴槽３外に設置される移乗台４とからなる。
リフター１は、浴槽３に入退する昇降台５と、昇降台５
を支持するアーム６と、アーム６を昇降可能に支持し浴
槽３外に設置される支柱７と、アーム６を昇降させる駆
動部１６とからなる。前記昇降台５は移乗台４と同高面
となり得る。

【００１４】分離式車椅子２は、入浴者を乗せる座席部
８と、座席部８を分離可能に載置してなる移動自在な台
車９とからなる。座席部８は、台車９に連結支持具１７
で分離可能に連結支持される。

【００１５】分離式車椅子２を移乗台４に向けて押し込
むと、移乗台４の前縁に押圧されて連結支持具１７が押
し倒され座席部８が台車９から分離され、該台車９は移
乗台４の下方に進入し、座席部８は移乗台４の平坦面上
を移動するものである。座席部８の裏面には、移動を容
易にするローラー１８が設けられる。尚、分離式車椅子
２については本件出願人が既に出願した特願平６−３３
９８４２号に記載している。

【００１６】前記移乗台４は、平坦な板で作られてお
り、昇降台５も同様に平坦な板でつくられる。前記座席
部８はローラー１８の転動により前記移乗・昇降台４・
５上面を自在に移動するものである。

【００１７】前記浴槽３の底面１０には、座席部８と底
面１０間に座席部８の移乗を容易とする為に、昇降台５
が埋没できる昇降台用凹部１１が形成され、下降時の昇
降台５上面は底面１０に略面一となる。

【００１８】座席部８と底面１０間に座席部８の移乗を
容易とする為の他の実施例としては、図３に示す様に、
昇降台５の前部に傾斜部２０を形成する。又、別の実施
例としては、図４に示す様に、底面１０において、下降
した昇降台５に接近する位置に前記傾斜板２１を設け
る。

【００１９】図１中、１２は浴槽３内に設けられた浴槽
手摺り、１３は昇降台５に設けられた昇降手摺り、１４
は座席部８の通行を滑らかにする渡し板、１５は排水
口、１９は駆動部１６を操作する操作器である。

【００２０】実施例を使用する際は、介助者は、入浴姿
勢にある第１番目の入浴者を分離式車椅子２の座席部８
に乗せ、移乗台４に該車椅子２を接合する。前記分離式
車椅子２を移乗台４に向かって押し込むと、台車９は移
乗台４の下方へ潜り、座席部８は台車９から分離しなが
ら移乗台４上面を移動する。

【００２１】分離式車椅子２の押し込み操作を終了する
時点で座席部８は台車９から分離し、移乗台４上を自在
に移動できる状態になる。続いて、移動自在な座席部８
を平坦な昇降台５へ移乗させる。

【００２２】次に、駆動部１６を駆動させて、アーム６
を下降させる。昇降台５と共に座席部８を下降させ、第
１番目の入浴者を浴槽３の湯中へ入れる。昇降台５を昇
降台用凹部１１に進入させ、昇降台５上面を浴槽３の底
面１０に面一にする。

【００２３】続いて、座席部８を昇降台５から底面１０
へ移乗させ、入浴する。支柱７は浴槽３外にあって湯に
進入せず、アーム６と昇降台５が湯に進入する。引き続
いて、空荷状態の昇降台５を上昇させる。

【００２４】移乗台４の下に入っている台車９を抜き出
した後、次の第２番目の入浴者を別の分離式車椅子２で
運んで来て、移乗台４へ接合させ、座席部８を移乗台４
を経由させて昇降台５へ移乗させる。

【００２５】次に駆動部１６を駆動させて、アーム６と
共に昇降台５を下降させ、座席部８上の第２番目の入浴
者を浴槽１１の湯中へ入れる。分離式車椅子２を各個人
に準備すれば、浴槽３に収容できる人数分だけ、上述の
入浴手順で入浴者を該浴槽３に入れ、同時に入浴でき
る。

【００２６】所定の入浴時間後の退浴時には、第１番目
の入浴者が乗った座席部８を底面１０から昇降台５へ移
乗し、駆動部１６を駆動させて、昇降台５を上昇させ
る。上昇した昇降台５から座席部８を、移乗台４を経由
させて台車９へ移し、第１番目の入浴者の入浴を終る。

【００２７】続いて、昇降台５を下降し、昇降台用凹部
１１に位置した昇降台５に第２番目の入浴者を座席部８
と共に移乗させる。次に、移乗台４の下に台車９を差し
込んだ後、昇降台５を上昇させ、上限に位置した昇降台
５から、座席部８を、移乗台４を経由して台車９へ移乗
し、第２番目の入浴者の入浴を終る。この様な脱浴手順
で複数人を浴槽３から出す。

【００２８】

【発明の効果】請求項１に記載した本発明におけるリフ
ター１の支柱７は浴槽３外に設置され、分離式車椅子１
の座席部８は平坦な移乗台４及び昇降台５の上面を自在
に移動できるので、支柱７が湯に浸からず、よって湯垢
が付着して支柱７に係り合って昇降するアーム６が作動
不良を起こすということはなく、好都合である。

【００２９】又、浴槽３内の掃除に際して、浴槽３内に
支柱７等の邪魔物が設置されていないので、掃除を行な
い易く、好都合である。更に、座席部８は平坦面を自在
に移動できるので、従来装置の台車レールを移乗台レー
ルに接合するといった手数は不要となり、分離式車椅子
２と移乗台４のドッキング操作が容易であり、好都合で
ある。

【００３０】請求項２に記載した本発明における台車９
は移乗台４の下方に進入し、座席部８は移乗台４の平坦
面上を移動するので、分離式車椅子２を移乗台４へ接合
させる際に介助者は移乗台４へ接近でき、接合操作が容
易となり安全に行なえ、従来の車椅子が横側に残って接
合操作の邪魔になるといったことはなく、好都合であ
る。

【００３１】請求項３に記載した本発明は、浴槽３の底
面１０の昇降台用凹部１１に昇降台５が進入し昇降台５
と底面１０とが面一となり、座席部８が底面１０上に移
乗できるので、１台の装置で、複数の入浴者を浴槽３へ
入出させ、同時に多人数の入浴を実施できる。従って、
限られた時間内に多人数を入浴する施設等では、能率よ
く入浴でき、好都合である。又、昇降台５と底面１０と
が面一であるから、座席部８は安全に容易に移乗でき、
好都合である。

【００３２】請求項４に記載した本発明は、昇降台５の
一端部に傾斜部２０が形成されるものであるから、座席
部８を浴槽３と底面１０間に座席部８が移乗容易とな
り、好都合である。又、傾斜部２０を形成したものの場
合は、底面１０に特別な段差加工の工事が不要であって
コストが安価となり、既設の一般浴槽を使用できるとい
う点も長所である。

【００３３】請求項５に記載した本発明は、浴槽３の底
面１０に傾斜板２１が載設されるものであるから、座席
部８を浴槽３と底面１０間に座席部８が移乗容易とな
り、好都合である。又、傾斜板２１を形成したものの場
合は、底面１０に特別な段差加工の工事が不要であって
コストが安価となり、既設の一般浴槽を使用できるとい
う点も長所である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の左側面図である。

【図２】本発明実施例の平面図である。

【図３】本発明の他の実施例における昇降台の傾斜部を
示す左側面図である。

【図４】本発明の別の実施例における傾斜板を示す左側
面図である。

【符号の説明】

１ リフター ２ 分離式車椅子 ３ 浴槽 ４ 移乗台 ５ 昇降台 ６ アーム ７ 支柱 ８ 座席部 ９ 台車 １０ 底面 １１ 昇降台用凹部 １６ 駆動部 ２０ 傾斜部 ２１ 傾斜板

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降台（５）を有し浴槽（３）外に立設
   されるリフター（１）と、昇降台（５）と同高面となり
   得、浴槽（３）外に設置される移乗台（４）と、入浴者
   を乗せる座席部（８）を分離可能に台車（９）に載置し
   てなる分離式車椅子（２）とからなり、 前記昇降台（５）及び移乗台（４）は上面は平坦板でな
   り、前記座席部（８）は昇降台（５）及び移乗台（４）
   に移乗されその上面を自在に移動できることを特徴とす
   る一般浴入浴用リフター。
2. 【請求項２】 前記移乗台（４）に分離式車椅子（２）
   が接合すると、台車（９）は移乗台（４）の下方に進入
   し、座席部（８）は移乗台（４）の平坦な面上を移動す
   ることを特徴とする請求項１記載の一般浴入浴用リフタ
   ー。
3. 【請求項３】 座席部（８）を浴槽（３）と底面（１
   ０）間に移乗容易にする為に、浴槽（３）の底面（１
   ０）には、昇降台（５）が埋没できる昇降台用凹部（１
   １）が形成され、昇降台（５）の上面と底面（１０）が
   略同高となることを特徴とする請求項１記載の一般浴入
   浴用リフター。
4. 【請求項４】 座席部（８）を浴槽（３）と底面（１
   ０）間に移乗容易にする為に、昇降台（５）の一端部に
   傾斜部（２０）が形成されたことを特徴とする請求項１
   記載の一般浴入浴用リフター。
5. 【請求項５】 座席部（８）を浴槽（３）と底面（１
   ０）間に移乗容易にする為に、浴槽（３）の底面（１
   ０）に傾斜板（２１）が載設されることを特徴とする請
   求項１記載の一般浴入浴用リフター。