JPH09172209A - 積層型圧電素子及びその製造方法 - Google Patents

積層型圧電素子及びその製造方法

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JPH09172209A
JPH09172209A JP34960495A JP34960495A JPH09172209A JP H09172209 A JPH09172209 A JP H09172209A JP 34960495 A JP34960495 A JP 34960495A JP 34960495 A JP34960495 A JP 34960495A JP H09172209 A JPH09172209 A JP H09172209A
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electrode layer
layer
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piezoelectric element
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JP34960495A
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Yasuo Okawa
康夫 大川
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電材料膜層同士の密着強度が高く、圧電材
料膜層と内部電極層との間の層間剥離を防止し、機械的
強度の高い積層型圧電素子を提供する。 【解決手段】 積層型圧電素子1は、圧電セラミックス
材料からなる圧電材料膜層2と、導電性材料からなる内
部電極層3とを交互に積層してなる。内部電極層3は、
圧電材料膜層2上に導電性材料ペーストを印刷により塗
布して形成する。内部電極層3は、内部電極をその面上
で連続的に構成する電極部分3a(印刷部分)と、その
面上の間隙となる非電極部分3b(非印刷部分)とを有
し、該非電極部分3b(非印刷部分]を通じて内部電極
層3を挟持する圧電材料膜層2,2同士を相互に連係す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電材料膜層と内
部電極層とを交互に積み重ねてなる積層型圧電素子、特
に電圧の印加により圧電厚さすべり効果により厚さ方向
の変位を得ることができる積層型圧電素子及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電圧を印加することにより圧
電厚みすべり効果により変位を発生する圧電素子とし
て、圧電セラミック材料(例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛PZTを主成分とする材料)からなる圧電材料膜層上
に、内部電極層(例えば、パラジウム)を印刷したもの
が知られている。かかる圧電素子において、より大きな
変位を得るために、圧電材料膜層と内部電極層とを交互
に積み重ねて、積層型に形成したものも知られている。
【0003】そして、そのように、圧電材料膜層と内部
電極層とを交互に積み重ねて形成した積層型圧電素子に
おいては、厚さ方向において大きな変位量が得られる
が、素子全体としての厚さが厚くなる傾向にある。その
ため、そのような積層型圧電素子を製造する場合には、
圧電材料膜層をできるだけ薄く形成するために、一般に
シート成形法が応用されており、その方法は、以下の通
りである。
【0004】チタン酸ジルコン酸鉛PZTを主成分とす
る圧電セラミックス材料を所定の組成に混合し、約90
0℃の温度で仮焼成した粉末とバインダー、可塑剤等の
添加剤とを混合したスラリーを、シリコン処理されたP
ETフィルムとドクターブレードとの隙間に流し込み、
乾燥させて、約100μm程度の厚さのグリーンシート
を得る。
【0005】次いで、このグリーンシートを所定の寸法
形状に打ち抜いて、PETフィルムから剥がした後、そ
の表面に内部電極となるパラジウムペーストをスクリー
ン印刷法により数μm程度の厚さでもって薄く塗布し、
乾燥させて、内部電極層を形成する。これを必要な枚数
だけ積み重ね、熱プレスにより圧着させて一体化した
後、約500℃の温度でバインダー成分を除去し、さら
に1200℃で2時間焼結して、所望の積層型圧電素子
となる積層体を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、圧電材料膜層と内部電極層とが交互に積み重
ねられてなる方式の積層型圧電素子では、圧電材料膜層
と内部電極層との密着強度に一定の限界があるため、焼
結した後に、機械加工を加えたり電圧を印加して変形さ
せたりする等の行為により、圧電素子に応力が作用する
と、密着強度の低い部分から圧電材料膜層と内部電極層
との層間剥離が生じ、ついには機械的に破壊してしまう
という課題がある。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、圧電材料膜層同士の密着強度が高く、圧電材料膜層
と内部電極層との間の層間剥離を防止し、機械的強度の
高い積層型圧電素子及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、圧電
セラミックス材料からなる圧電材料膜層と、導電性材料
からなる内部電極層とが交互に積層されてなる積層型圧
電素子において、前記内部電極層は、内部電極をその面
上で連続的に構成する電極部分と、該面上の間隙となる
非電極部分とを有し、前記内部電極層を挟持する圧電材
料膜層同士が該非電極部分を通じて相互に連結されてい
る構成とする。
【0009】請求項1の発明によれば、内部電極層の非
電極部分を通じて、該内部電極層を挟持する圧電材料膜
層同士が相互に連結され、圧電材料膜層間の密着強度が
飛躍的に向上し、圧電材料膜層と内部電極層との間の層
間剥離が防止され、機械的強度が高まる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の積層型圧電
素子において、前記内部電極層は、前記圧電材料膜層上
に導電性材料ペーストを印刷により塗布形成させたもの
であり、内部電極を構成する印刷部分と、該印刷を行わ
ない間隙となる非印刷部分とを有するパターンをなし、
前記内部電極層を挟持する圧電材料膜層同士が非印刷部
分を通じて相互に連結されている。
【0011】請求項2の発明によれば、内部電極層は、
導電材料膜上に導電性材料ペーストが印刷により塗布形
成され、印刷により簡単に形成され、また、内部電極層
の非電極部分を通じて、該内部電極層を挟持する圧電材
料膜層同士が相互に連結される。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は2の積層
型圧電素子において、前記内部電極層の各非電極部分の
幅、及び隣接する非電極部分のピッチが、前記圧電材料
膜層に現れる電界がその層全体で略一様になる所定寸法
に設定されている。
【0013】請求項3の発明によれば、内部電極層の各
非電極部分の幅、及び隣接する非電極部分のピッチが、
圧電材料膜層に現れる電界をその層全体で略一様とする
所定寸法に設定され、変形を阻害する部分が偏らない。
【0014】請求項4の発明は、請求項3の積層型圧電
素子において、前記内部電極層は、その各非電極部分の
幅が2〜100μmでかつ前記圧電材料膜層の厚さ以下
であり、隣接する非電極部分のピッチが前記非電極部分
の幅の2倍以上である。
【0015】請求項4の発明によれば、非電極部分の幅
が圧電材料膜層の厚さ以下であるので、電界の斜め方向
の成分による効果により、遜色のない圧電変位が得られ
易くなる。また、各非電極部分の幅を2〜100μmと
小さくし、隣接する非電極部分のピッチを前記非電極部
分(間隙幅)の2倍以上とすることで、非電極部分によ
り電界がかけられなくなる領域が小さくされる。
【0016】請求項5の発明は、請求項3又は4の積層
型圧電素子において、前記内部電極層が、一様なディン
プル状の非電極部分を有する。
【0017】請求項5の発明によれば、内部電極層相互
の位置合わせをすることなく、内部電極層の電極部分と
非電極部分とが無作為に配置され、変形を阻害する部分
が偏らない。
【0018】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かの積層型圧電素子において、インクを吐出させるため
の圧力を発生させるアクチュエータとして、インクジェ
ット式印字装置のヘッドにおいて用いられるものであ
る。
【0019】請求項6の発明によれば、インクジェット
式印字装置のヘッドにおいて用いられ、積層型圧電素子
が、圧電厚さすべり効果によりインクを吐出させるため
の圧力を発生させるアクチュエータとして機能する。
【0020】請求項7の発明は、圧電セラミックス材料
からなる圧電材料膜層上に、導電性材料からなり、内部
電極層をその面上で連続的に構成する電極部分と該電極
部分の間の間隙となる非電極部分とを有する内部電極層
を形成する第1の工程と、前記内部電極層が形成された
前記圧電材料膜層を積層し、それらを加熱圧着させて一
体化させる第2の工程とを備える構成とする。
【0021】請求項7の発明によれば、第1の工程にお
いて、圧電セラミックス材料からなる圧電材料膜層上
に、導電性材料からなり、内部電極層をその面上で連続
的に構成する電極部分と該電極部分の間の間隙となる非
電極部分とを有する内部電極層が形成され、第2の工程
において、前記内部電極層が形成された前記圧電材料膜
層が積層され、それらが加熱圧着されて一体化される。
【0022】請求項8の発明は、請求項7の積層型圧電
素子の製造方法において、さらに、前記一体化された積
層物を焼結させる第3の工程を備える。
【0023】請求項8の発明によれば、第3の工程にお
いて、一体化された積層物が焼結され、密着性が高めら
れる。
【0024】請求項9の発明は、請求項7又は8の積層
型圧電素子の製造方法において、前記第1の工程は、前
記電極部分をスクリーン印刷により印刷することで内部
電極層を形成する。
【0025】請求項9の発明によれば、第1の工程にお
いて、電極部分がスクリーン印刷により印刷され、内部
電極層が形成される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0027】図1は積層型圧電素子の概略構成を示す断
面図である。図1において、積層型圧電素子1は、圧電
セラミックス材料(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛PZ
Tを主成分とする材料)からなる圧電材料膜層2と、内
部電極材料である導電性材料(例えば銀−パラジウム)
からなる内部電極層3とが交互に積層されてなる。
【0028】前記内部電極層3は、内部電極をその面上
で連続的に構成する電極部分3aと、その面上の間隙と
なる非電極部分3bとを有する。そして、前記内部電極
層3を挟持する圧電材料膜層2,2同士が、前記非電極
部分3bを通じて相互に連結される。
【0029】具体的には、前記内部電極層3は、圧電材
料膜層2上に導電性材料ペーストをスクリーン印刷法に
よる印刷により塗布形成されたものであり、導電性材料
ペーストが印刷により塗布され内部電極を構成する印刷
部分(電極部分3a)と、導電性材料ペーストによる印
刷を行わない間隙となる非印刷部分(非電極部分3b)
とを有するパターンをなし、該非印刷部分を通じて圧電
材料膜層2,2同士が相互に連結されている。尚、前記
内部電極層3は、このように印刷により圧電材料膜層2
上に形成されるものに限らず、単独で板状若しくはフィ
ルム状に形成されたものでもよい。また、内部電極層3
は、途中で分断されない連続的なパターンでないと、通
電できないのは勿論である。
【0030】また、前記内部電極層3の各非電極部分3
bの幅、及び隣接する非電極部分3b,3bのピッチ
は、前記圧電材料膜層2に現れる電界がその層全体で略
一様になる所定寸法に設定されている。即ち、前記内部
電極層3は、その各非電極部分3bの幅が2μm〜10
0μmで、かつ、前記圧電材料膜層2の厚さ以下であ
り、隣接する非電極部分3b,3bのピッチが、前記非
電極部分3b(間隙となる非印刷部分)の幅の2倍以上
とされている。
【0031】従って、前記非電極部分3bの幅が圧電材
料膜層2の厚さ以下であるので、電界の斜め方向の成分
による効果により、遜色のない圧電変位が得られ易くな
り、また、各非電極部分3bの幅を2μm〜100μm
と小さくし、隣接する非電極部分3b,3bのピッチを
前記間隙幅の2倍以上とすることで、非電極部分3bに
より電界がかけられなくなる領域を小さくしている。そ
して、電界は、電極部分3aに挟持された垂直方向にの
み発生する成分だけでなく、近接する電極部分3aと斜
め方向に発生する成分や、電極部分3aに挟持された領
域からはみ出した漏れ電界成分等も存在するので、前記
寸法であれば、圧電材料膜層2全域に略一様な電界がか
けられることになる。
【0032】さらに詳述すれば、前記内部電極層2は、
一様なディンプル状の非電極部分3bを有し、前記内部
電極層2のスクリーン印刷法による印刷パターン11
は、例えば図2に示すように、特に位置合わせを必要と
しない印刷パターンであり、黒く塗り潰された円形状部
分11a(ディンプル部分)が非印刷部分であり、非電
極部分となる。
【0033】従って、積層作業をする際において、内部
電極層3,3同士の相対的位置関係について特に注意す
る必要がなく、積層構造とすれば各内部電極層3の電極
パターンがランダムに配置されることとなり、圧電厚さ
すべり効果による変形を阻害する非電極部分3bが特定
部位に偏らない。
【0034】ところで、一般的には積層型圧電素子1の
用途によって内部電極層3における電極部分3aの割合
(面積)を決定すればよいが、電界に乱れが生じて圧電
厚さすべり効果による変形を阻害することがないよう
に、内部電極層3の電極部分3a同士の重複部分をでき
るだけ増加させることが望ましいので、例えば応力が殆
ど作用しない用途に使用するような場合には、内部電極
層3の殆どが電極部分3aとなり非電極部分3bが殆ど
ないような印刷パターンを用いて内部電極層をスクリー
ン印刷法により形成すればよい。
【0035】上記のように構成すれば、内部電極層3
が、内部電極をその面上で連続的に構成する電極部分3
a(印刷部分)と、その面上の間隙となる非電極部分3
b(非印刷部分)とを有し、該非電極部分3bを通じ
て、内部電極層3を上下において挟持する圧電材料膜層
2,2同士が相互に連結されているので、相互に連結さ
れている圧電材料膜層2,2間の密着強度が飛躍的に向
上し、それによって圧電材料膜層2,2とそれらに挟持
される内部電極層3との間の密着強度も向上し、圧電材
料膜層2と内部電極層3との間の層間剥離を防止するこ
とが可能となる。従って、積層型圧電素子1の、変形に
対する機械的強度も高まる。
【0036】また、前記積層型圧電素子1を製造する際
に、スクリーン印刷により印刷される内部電極層3は、
一様なディンプル状の非電極部分を有し、位置合わせを
特に必要としないパターンであるので、積層する際内部
電極層3相互についてパターンの位置合わせを考慮する
必要がなくなり、内部電極層3を印刷により簡単に形成
することができる。換言すれば、位置合わせを必要とし
ないということは、内部電極層3の電極部分3aと非電
極部分3bとが無作為に配置されるということであり、
それによって圧電厚さすべり効果による変形を阻害する
おそれのある非電極部分3bが内部電極層3の特定の部
分に偏らないことになり、圧電厚さすべり効果による変
形を阻害することなく、圧電材料膜層2と内部電極層3
との間の層間剥離を防止することが可能となる。
【0037】続いて、前記積層型圧電素子1を製造する
方法について説明する。 −第1の工程− 圧電セラミックス材料からなる圧電材料膜層上に、導電
性材料からなり内部電極層をその面上で連続的に構成す
る電極部分と該電極部分の間の間隙となる非電極部分と
を有する内部電極層を形成する。
【0038】具体的には、まず、チタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)を主成分とする圧電セラミックス材料を所定
の組成でもって混合した後、850℃の温度で仮焼成し
た粉末に、5重量部のバインダー、微量の可塑剤及び消
泡材を添加し、それから、有機溶媒中に分散させて、ス
ラリー状とする。このスラリーを、ドクターブレード法
により所定の厚さに成形し、グリーンシートを得る。次
いで、このグリーンシート上に、内部電極材料となる銀
ーパラジウムペーストを、図2に示すような印刷パター
ン11を持つ版を用いてスクリーン印刷法により印刷す
る。 −第2の工程− 前記内部電極層が形成された前記圧電材料膜層を積層
し、それらを加熱圧着させて一体化させる。
【0039】具体的には、第1の工程における印刷後、
内部電極材料の印刷が施されたグリーンシートを所定の
寸法形状に打ち抜き、そして所定の寸法形状に打ち抜い
たものを必要な枚数だけ積み重ね、それらを熱プレスに
より加熱圧着させて一体化する。 −第3の工程− 第2の工程において、加熱圧着により一体化された積層
物を焼結させる。
【0040】具体的には、第2の工程において熱プレス
による加熱圧着により一体化された積層物を、まず、5
00℃の温度でもって脱脂し、その後、約1200℃で
焼結を行う。 −第4の工程− 第3の工程において焼結して得られた積層焼結体に対し
て、用途に応じて必要な仕上げ加工を施す。
【0041】具体的には、仕上げ加工としては、例えば
切断研磨、ショットブラスト等が施される。
【0042】このようにして必要な仕上げ加工が施され
た積層焼結体は、例えばインクジェット式印字装置の印
字ヘッドにおいて、圧電厚さすべり効果によりインクを
吐出させるための圧力を発生させるアクチュエータとし
て用いることができるほか、ドット式印字ヘッドにおけ
る同様なアクチュエータ等の各種の広範囲の用途に利用
することができる。
【0043】前記実施の形態においては、内部電極層3
は、一様なディンプル状の非電極部分を有するようにし
ているが、本発明はそれに限定されるものではなく、位
置合わせを特に必要としないものであれば、ディンプル
状に代えて、例えばメッシュ状、ストライプ状とするこ
ともできる。
【0044】また、前記実施の形態において、内部電極
層を、スクリーン印刷法による印刷により圧電材料膜層
上に形成するようにしているが、内部電極層の形成はス
クリーン印刷法によるものに限定されるものではなく、
内部電極層として、内部電極をその面上で連続的に構成
する電極部分と、その面上の間隙となる非電極部分とを
有するものであれば、前記非電極部分を通じて、内部電
極層を挟持する圧電材料膜層同士を相互に連結させるこ
とが可能であるので、例えば焼付法、スパッタ法、蒸着
法等の周知の方法により内部電極層を形成することもで
きる。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明は、前記のように、内部
電極層の非電極部分を通じて、該内部電極層を挟持する
圧電材料膜層同士を相互に連結するようにしているの
で、圧電材料膜層間の密着強度が飛躍的に向上し、圧電
材料膜層と内部電極層との間の層間剥離を防止すること
ができ、機械的強度が高まる。
【0046】請求項2の発明は、内部電極層を、導電材
料膜上に導電性材料ペーストを印刷により塗布形成する
ようにしているので、内部電極層を印刷により簡単に形
成することができ、また、内部電極層の非電極部分を通
じて、該内部電極層を挟持する圧電材料膜層同士を相互
に連結することができる。
【0047】請求項3の発明は、内部電極層の各非電極
部分の幅、及び隣接する非電極部分のピッチを、圧電材
料膜層に現れる電界がその層全体で略一様になる所定寸
法に設定しているので、変形を阻害する部分が偏らな
い。
【0048】請求項4の発明は、非電極部分の幅を圧電
材料膜層の厚さ以下としているので、電界の斜め方向の
成分による効果により、遜色のない圧電変位が得られ易
くなる。また、各非電極部分の幅を2〜100μmと
し、隣接する非電極部分のピッチを前記非電極部分の幅
の2倍以上としているので、非電極部分により電界がか
けられなくなる領域を小さくすることが可能となる。
【0049】請求項5の発明は、内部電極層が一様なデ
ィンプル状の非電極部分を有するようにしているので、
内部電極層相互の位置合わせを考慮することなく、内部
電極層を簡単に製造することができ、また、電極部分と
非電極部分とが無作為に配置され、圧電厚さすべり効果
による変形を阻害する部分が偏らない。
【0050】請求項6の発明は、インクジェット式印字
装置のヘッドにおいて用い、インクを吐出させるための
圧力を発生させるアクチュエータとして機能させるよう
にしているので、簡単にインクを吐出させることができ
る。
【0051】請求項7の発明は、第1の工程において、
圧電セラミックス材料からなる圧電材料膜層上に、導電
性材料からなり、内部電極層をその面上で連続的に構成
する電極部分と該電極部分の間の間隙となる非電極部分
とを有する内部電極層を形成し、第2の工程において、
前記内部電極層が形成された前記圧電材料膜層を積層
し、それらを加熱圧着して一体化するようにしているの
で、請求項1〜6の積層型圧電素子を簡単に製造するこ
とができる。
【0052】請求項8の発明は、さらに、第3の工程に
おいて、一体化された積層物を焼結するようにしている
ので、密着性が高められる。
【0053】請求項9の発明は、第1の工程において、
電極部分をスクリーン印刷により印刷して内部電極層を
形成するようにしているので、内部電極層の形成を簡単
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型圧電素子の概略構成を示す
断面図である。
【図2】内部電極層の印刷パターンの平面図である。
【符号の説明】
1 積層型圧電素子 2 圧電材料膜層 3 内部電極層 3a 電極部分(印刷部分) 3b 非電極部分(非印刷部分) 11 印刷パターン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックス材料からなる圧電材料
    膜層と、導電性材料からなる内部電極層とが交互に積層
    されてなる積層型圧電素子において、 前記内部電極層は、内部電極をその面上で連続的に構成
    する電極部分と、該面上の間隙となる非電極部分とを有
    し、前記内部電極層を挟持する圧電材料膜層同士が該非
    電極部分を通じて相互に連結されていることを特徴とす
    る積層型圧電素子。
  2. 【請求項2】 前記内部電極層は、前記圧電材料膜層上
    に導電性材料ペーストを印刷により塗布形成させたもの
    であり、内部電極を構成する印刷部分と、該印刷を行わ
    ない間隙となる非印刷部分とを有するパターンをなし、
    前記内部電極層を挟持する圧電材料膜層同士が非印刷部
    分を通じて相互に連結されているところの請求項1記載
    の積層型圧電素子。
  3. 【請求項3】 前記内部電極層の各非電極部分の幅、及
    び隣接する非電極部分のピッチは、前記圧電材料膜層に
    現れる電界がその層全体で略一様になる所定寸法に設定
    されているところの請求項1又は2記載の積層型圧電素
    子。
  4. 【請求項4】 前記内部電極層は、その各非電極部分の
    幅が2〜100μmでかつ前記圧電材料膜層の厚さ以下
    であり、隣接する非電極部分のピッチが前記非電極部分
    の幅の2倍以上であるところの請求項3記載の積層型圧
    電素子。
  5. 【請求項5】 前記内部電極層は、一様なディンプル状
    の非電極部分を有するところの請求項3又は4記載の積
    層型圧電素子。
  6. 【請求項6】 インクを吐出させるための圧力を発生さ
    せるアクチュエータとして、インクジェット式印字装置
    のヘッドにおいて用いられるものであるところの請求項
    1〜5のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 【請求項7】 圧電セラミックス材料からなる圧電材料
    膜層上に、導電性材料からなり、内部電極層をその面上
    で連続的に構成する電極部分と該電極部分の間の間隙と
    なる非電極部分とを有する内部電極層を形成する第1の
    工程と、 前記内部電極層が形成された前記圧電材料膜層を積層
    し、それらを加熱圧着させて一体化させる第2の工程と
    を備えることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 さらに、前記一体化された積層物を焼結
    させる第3の工程を備えるところの請求項7記載の積層
    型圧電素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の工程は、前記電極部分をスク
    リーン印刷により印刷することで内部電極層を形成する
    ところの請求項7又は8記載の積層型圧電素子の製造方
    法。
JP34960495A 1995-12-20 1995-12-20 積層型圧電素子及びその製造方法 Pending JPH09172209A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004266154A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Tdk Corp 積層型圧電素子
JP2011134943A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Taiheiyo Cement Corp 電子部品の内部電極の製造方法
CN102723433A (zh) * 2012-06-01 2012-10-10 广州市番禺奥迪威电子有限公司 一种改进的多层压电换能元件
JP2013012657A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Tdk Corp 圧電素子

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