JPH09169014A - 石膏ボードの製造方法 - Google Patents

石膏ボードの製造方法

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JPH09169014A
JPH09169014A JP34924795A JP34924795A JPH09169014A JP H09169014 A JPH09169014 A JP H09169014A JP 34924795 A JP34924795 A JP 34924795A JP 34924795 A JP34924795 A JP 34924795A JP H09169014 A JPH09169014 A JP H09169014A
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JP
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gypsum
amount
water
slurry
gypsum board
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JP34924795A
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Shinkichi Tanabe
進吉 田辺
Kenta Masuda
賢太 増田
Norifumi Nagata
憲史 永田
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Taiheiyo Cement Corp
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Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高比重の石膏ボードを経済的に製造する。 【構成】 二水石膏を仮焼して得られる結合水量6.9
〜13.4%の仮焼石膏のスラリーを、石膏ボード用原
紙の間に流し込み成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石膏ボードの製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、原料の水系
石膏スラリーの流動性を改善し、高比重の石膏ボードを
より経済的に製造する手段を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】石膏ボードは安価かつ防火性の高い無機
質内装建材として多用されているが、昨今の集合住宅の
増加あるいはプライバシーの保護に対する意識の高まり
から、遮音性を改善することが強く望まれている。こう
した要求に対応するためには、石膏ボードの原紙の間に
充填された芯材、すなわち石膏を主成分とする石膏硬化
体の比重を高め、高比重の石膏ボードを用いることが有
効である。石膏硬化体の比重は、スラリーに配合する水
の量によって決定され、水を増量するに従って確実に比
重は低下する傾向にある。従って、石膏硬化体の比重を
高めるには、水の添加量を削減し、比重の高い石膏スラ
リー組成物を形成させることが肝心である。
【0003】ところで、石膏ボードは、通常、ミキサー
中に焼き石膏(主にβ型半水石膏)と水を投入し、他の
配合物とともに攪拌混合して得た焼き石膏を主成分とす
るスラリーを、2枚の石膏ボード用原紙の間に流し込み
成型することで製造するため、流し込み成型時の作業性
を確保するには、スラリーに適当な流動性を与える必要
がある。この流動性が十分でない場合、ミキサーの内部
やミキサーからの流出部分に石膏の硬化物が堆積し、閉
塞するなどのトラブルが生ずる。
【0004】また、二水石膏からの焼き石膏の製造にお
いて、製造条件と得られる焼き石膏の性質との関係には
不明な点が多いが、一般には、 III型無水石膏を製造
し、これを養生してβ型半水石膏に戻すか、あるいはβ
型半水石膏の生成が出来るだけ多くなるように微妙に焼
成条件を調節して製造している。しかしながら、 III型
無水石膏を製造する場合、その生成温度はβ型半水石膏
の生成温度より高いため、製造には多くのエネルギーを
消費し、しかも、 III型無水石膏は水和活性が極めて高
いため、養生して安定化させる必要がある。また、β型
半水石膏の生成量がほぼ100%となるように焼成条件
を調整するには、極めて高等な制御技術を要し、しか
も、このようにして製造した焼き石膏はJIS R 91
12で示される混水量が多い傾向にあり、十分な流動性
を有するスラリーを得るには、多量の水が必要であっ
た。
【0005】一方で、少量の混練水量で良好な成型体を
確保するための方策として、たとえば鋳型用石膏ではα
型半水石膏が使用されている。このα型半水石膏は、二
水石膏を水熱処理することによって得られるものであ
り、単に二水石膏を大気中で仮焼した焼き石膏に比較し
て、少量の混練水量で流動性に優れたスラリーが得られ
る。しかしながら、α型半水石膏は、製造が面倒である
ために、その価格は焼き石膏の4倍〜10倍と高価であ
り、低価格が要求される石膏ボードには使用できない。
【0006】従来、石膏スラリーの流動性を調整するに
は、混練水量を加減したり、減水剤あるいは分散剤と称
される界面活性剤を添加するなどの方策が採用されてき
た。この内、界面活性剤によるスラリー流動性の調整
は、その種類によっても効果を異にするが、流動性が調
整できる範囲は比較的狭い。すなわち、界面活性剤の添
加量とスラリーの流動性は、一般に明快な相関性を有す
るが、ある程度の添加量でその効果は飽和に達してしま
うことが多い。また、大量に添加した場合には、焼き石
膏の水和反応を阻害したりスラリー中に気泡を発生させ
てしまうため、硬化速度が遅緩されたり硬化体の比重を
低下させてしまうなどの問題も有している。これに対
し、混練水量の増減は、幅広い範囲で流動性が調節出来
る点では、極めて有効な手段といえるが、成型作業性を
高めるために混練水量を増加させると、石膏硬化体中
に、水和反応にあずからない大量の水が取り込まれるこ
とになり、石膏硬化体の比重は大幅に低下し、しかも、
硬化体の乾燥に多量の熱が必要になる。すなわち、この
ように、混練水量を増大させて石膏スラリーの流動性を
確保する方法は、遮音性に優れた高比重の石膏ボードの
生産には不向きで、しかも、エネルギーコストの点でも
好ましくない。
【0007】こうしたことから、遮音性に優れた高比重
の石膏ボードを得るためには、焼き石膏に配合する水量
を大幅に減らす技術が必要であるが、今のところ、工業
的に採択し得る有効な方策は見いだされていない。すな
わち、前述したように、減水剤や分散剤の添加では、自
ずとその減水効果に限界があり、混練水量の大幅な削減
は困難である。また、α型半水石膏の使用は、混練水量
を低減できるが、かなり高価であり、石膏ボードの製造
コストを著しく高めてしまうことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな点に鑑みなされたもので、高比重の石膏ボードを得
るために、石膏スラリーの水添加量を低減しながら流動
性を確保することを、経済的に行えるようにすることを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の石膏
ボードの製造方法は、石膏を主成分とする芯材の両面を
石膏ボード用原紙で被覆した石膏ボードの製造方法にお
いて、二水石膏を仮焼して得られる結合水量6.9〜1
3.4%の仮焼石膏を主成分とするスラリーを、石膏ボ
ード用原紙の間に流し込み成形するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、焼き石膏の製造方
法と石膏スラリーの流動性の関係、さらに、これから得
られる石膏ボードの高比重化について様々な検討を重ね
た結果、二水石膏を乾式焼成する際の焼成度を調節する
ことで、少ない水量で流動性に優れた石膏スラリーが得
られることを見いだした。本発明では、高比重の石膏ボ
ードを製造する上で不可欠な石膏スラリーの流動性の改
善を目的に、仮焼石膏の結合水量を調整する。
【0011】乾式焼成とは、ケトル型焼成炉などの開放
系の焼成装置を用い、二水石膏を大気圧近辺で加熱脱水
するもので、従来からβ型半水石膏を主成分とする焼き
石膏の製造に採用されていたものであり、α型半水石膏
の製造のような、水溶液中での加圧を行わない方法であ
る。ケトル型焼成炉などによる二水石膏の乾式焼成の
際、釜内部に二水石膏を投入して加熱し続けると、二水
石膏の温度は脱水による吸熱により二段階に上昇し、い
かなる焼成装置においても基本的には図1で示されるよ
うな昇温曲線が得られる。一般的に、二水が半水になる
低温度側の平衡(t1〜t2)を一次脱水期間、半水が
無水になる高温度側の平衡(t3〜t4)を二次脱水期
間と呼び、その温度をそれぞれ一次脱水温度(T1)、
二次脱水温度(T3)と呼ぶ。この温度や時間は、原料
の二水石膏の粉末度や不純物の量でそれぞれ変化し、そ
して、焼成装置の構造や焼成時の投入エネルギーによっ
ても変化するため、通常、焼き石膏の連続生産では、そ
れぞれの生産現場において、極めて高度なノウハウを駆
使し、焼成装置の特性に応じて釜に与える焼成エネルギ
ーと原料の二水石膏の投入量を加減して平衡させてい
る。
【0012】しかしながら、ここでβ型半水石膏の生成
量を高めることを前提に焼成を行うと、十分な流動性を
有する石膏スラリーを得るには多量の水を必要となるこ
とが種々の検討の中で明らかとなってきた。本発明者ら
は、この事実に着目し、より水添加量が削減できる焼き
石膏を経済的に安定して得るために、生成する石膏の結
晶相を制御し、結果的に石膏スラリーの流動性を改善す
るに至った。
【0013】本発明では、焼成度を加減して結合水量を
制御するが、高密度石膏ボードの生産に適した流動性に
優れた石膏スラリーを得るには、少なくとも焼成物中の
石膏の結合水量を6.9%以上にする必要がある。結合
水量が6.9%より少ないと、焼成物中に含まれる二水
石膏が少なくなる(例えば5%程度より少なくなる)た
め、流動性の改善効果が得られない。また、このように
二水石膏の残存量が少なくなるような焼成を行うと、J
IS R 9112で示される混水量が著しく多くなるた
め、結果的に石膏ボードの高比重化は達成されない。一
方で、焼成した石膏の結合水量が13.4%を越える場
合、二水石膏が多くなる(例えば50%程度より多くな
る)ことになる。この場合、石膏ボードの硬化強度が低
下し、芯材と原紙の接着性が著しく悪くなるため避けな
くてはならない。
【0014】石膏スラリーの流動性は、添加する水量に
よっても変化するが、通常、半水石膏と水から石膏スラ
リーを製造する場合、JIS R 9112で示される混
水量程度の水が用いられる。しかしながら、本発明の適
用では、石膏スラリーの流動性が大幅に改善されるた
め、必要とする流し込み作業性が得られる最低限度の流
動性が得られるまで、水添加量を削減することができ
る。これにより、より比重の高い石膏効果体が得られる
ことはもちろん、反応余剰水の乾燥熱量は大幅に節約出
来る。
【0015】上記のごとく、本発明では、仮焼された石
膏の結合水量を6.9〜13.4%に制御することによ
りその目的を達するが、上記の仮焼石膏を得るために
は、以下に示す焼成条件が推賞される。先に述べたよう
に、二水石膏の脱水に関わる温度−時間曲線は、図1の
ように示される。一般に、石膏の仮焼は、原料の二水石
膏が残存しないようにT2からT4の間まで行われる
が、本発明ではT1からT2、すなわち一次脱水期間ま
でにとどめる。ここで、温度がT1からT3に至るまで
の時間t1〜t3は、それぞれの焼成装置に投入される
エネルギー量および二水石膏量に依存して変化するた
め、実際にはその装置に好ましいエネルギー投入量のも
とで焼成物の時間−温度曲線を描いた上で、次のように
焼成を行う。
【0016】先の時間−温度曲線上にて0.4(t1〜
t3)から0.9(t1〜t3)の焼成度となる温度で
石膏温度を平衡させる。なお、先の時間−温度曲線上で
0.9(t1〜t3)を越えた焼成度を与える温度で平
衡させると、流動性を改善する二水石膏の量が少なくな
る。すなわち、仮焼石膏の結合水量が6.9%を下回る
可能性が大きくなり、十分な流動性を有する石膏スラリ
ーが得られなくなる傾向にある。また、0.4(t1〜
t3)未満の焼成度では、硬化反応に寄与する半水石膏
の生成量が少なくなる。すなわち仮焼石膏の結合水量が
13.4%を上回る可能性が大きくなり、板の強度発現
が得られなくなる傾向にある。以上のように、実際の焼
き石膏の生産では、仮焼温度を一定値に制御する必要が
あるが、いずれにしても、焼成装置から回収された焼成
物中にある石膏の結合水量が6.9〜13.4%となる
ように仮焼条件を制御することで本発明の効果は達成で
きる。
【0017】原料である二水石膏は、排脱石膏、天然石
膏や燐酸石膏などの副産化学石膏が使用できる。これら
の石膏の粉末度は様々であるが、粉体の粉末度は石膏ス
ラリーの流動性に影響を与えるため、望まれる流動性が
確保できるように粉砕あるいは分級して使用することが
望ましい。たとえば、排脱石膏や燐酸石膏は、通常、粉
末状態で供給されるため、粉砕、分級する工程を省略で
きるが、天然石膏などは塊状に産出されるため、粉砕し
て粉末度を調節することが望ましい。また、石膏ボード
の強度は、使用する原料石膏の純度によっても変化する
が、本発明では、望まれる強度発現が得られる純度の原
料石膏を使用すればよい。なお、焼成物中の石膏の結合
水量を把握するには、各種化学分析を行い、原料の二水
石膏の純度を求め、焼成物中の石膏純度を規定する必要
がある。すなわち、熱分析で求められる結合水量に石膏
の純度を乗じたものが実際の石膏の結合水量として算出
される。
【0018】石膏硬化体には、各種特性を付与するた
め、様々な添加物が使用されている。たとえば、強度を
高める目的では繊維や接着剤が使用されるが、これらを
添加した水系石膏スラリーでは、石膏スラリーの流動性
が低下することが知られている。この現象に対しても本
発明の適用は有効であり、添加物の適用により石膏スラ
リーの流動性が低下する場合には、望まれる流動性が得
られるまで焼成条件を制御し、焼成物中の石膏の結合水
量を6.9〜13.4%の範囲内で加減することで本発
明の効果は達成できる。
【0019】本発明では、焼成度を調節することで石膏
の結合水量を調節し、仮焼石膏中の二水石膏含有率を調
節している。二水石膏の仮焼物である半水石膏は、結晶
水が飛散した後に形成される微細な空孔を多数有する。
さらに、脱水時に生ずる結晶内のひずみも大きいとさ
れ、水中に投入することにより速やかに崩壊し、微粉末
になる性質を有する。この特性は、過剰な焼成度、すな
わち0.9(t1〜t3)を越えた焼成度を二水石膏に
与え、石膏の結合水量が6.9%より小さくなるように
焼成した場合に特に顕著に現れるようである。一般的
に、空孔を多く含む粉体や微粉体は比表面積が大きいの
で親水性が高く、混練時に多量の水を保持する。これは
半水石膏においても同様で、特に先の微粉末化現象もあ
り、セメントなどに比較して同じ流動性を確保するには
大量の水添加が必要となる。このため、工業的な半水石
膏の生産では、十分な流し込み作業性を得るために、J
IS R 9112で決定される混水量程度の水を添加し
て流動性を確保している。一方で、二水石膏は、先の半
水石膏の原料でもあり、半水石膏に比較して密実で水中
でも微粉末になる性質はない。従って、半水石膏に二水
石膏を残存させることで、半水石膏の粉体特性を改善す
ることができる。すなわち、セメントペーストに対する
砂の添加のように、骨材としての効果が得られ、スラリ
ーの流動性を改善するものと考えられる。
【0020】このように、本発明では、焼き石膏の原料
である二水石膏を有効に利用して石膏ボード原料の石膏
スラリーの流動性を改善する。従って、石膏スラリーに
対する水の添加量を削減した場合でも十分なスラリー流
動性が得られ、比重の高い石膏硬化体が製造できること
から、高比重の石膏ボードを経済的に製造できるように
なった。
【0021】
【実施例】続いて本発明に基づく実施例を示す。なお、
本発明は以下の実施例によってなんら限定されるもので
はない。まず、使用した原材料と仮焼石膏の製造方法に
ついて説明する。原料の二水石膏には、天然石膏A(タ
イ国南部産、ブレーン比表面積910cm2/g、二水石膏
純度93.5%)、排脱石膏B(福島県銅製錬所産、ブ
レーン比表面積1090cm2/g、二水石膏純度94.6
%)を使用した。それぞれの石膏は、自由粉砕機(奈良
機械社製)を1パスさせ粉砕したものを用いた。焼成に
は、乾式焼成装置としてラボレベルのケトル(容量70
00cc)を使用した。この加熱源にはニクロム線を用
い、1mm厚ステンレス製ケトル外部から加熱を行い、ケ
トル内部の石膏を間接加熱した。また焼成条件の調節
は、ニクロム線に与える入力電圧を調整することで行っ
た。焼成により得られた仮焼石膏は、20℃、RH.6
0%の雰囲気中で1日放置したものを使用した。
【0022】次に、得られた仮焼石膏の評価方法につい
て示す。混水量は、JIS R 9112に準拠して測定
した。また、焼成物中の石膏の結合水量は次のようにし
て測定した。まず、焼成して得られた石膏を45℃で1
日間乾燥して重量を測定した後、450℃で強熱し結合
水を失わせた状態で再度重量を測定した。結合水量は、
各処理試料の重量変化量に石膏の純度を乗じ、45℃で
の重量で除したものを百分率とした。 結合水量=〔(乾燥重量−強熱重量)×純度〕÷乾燥重
【0023】石膏ボードは、次のようにして製造した。
まず、石膏ボードの芯材を形成する石膏スラリーは、上
記の方法でそれぞれ調製した仮焼石膏1500gをJI
S R 9112 で示される混水量の水に投入し、さら
に接着助剤として合成澱粉系糊を5g加えて60秒間ハ
ンドミキサーで混合した。このスラリーを直ちに2枚の
石膏ボード用原紙(十條板紙社製、坪量220g/m2)の
間に流展し、10mmの厚さに成型した。る石膏ボード
は、この成型物を2時間室内で養生し、45℃で2日間
乾燥した後20cm角で切断して得た。
【0024】なお、得られた石膏スラリーの流動性は、
先のスラリーの製造において、ハンドミキサーで30秒
間混合したスラリーを、モルタルフロー試験機上におい
たφ4cm×h4cmのアクリルパイプに充填し、このパイ
プを静かに引き上げた後に10回振動を与え、スラリー
の広がりからフロー値として評価した。石膏ボードの比
重は、板の重量測定値と寸法測定値から算出した。ま
た、原紙の接着性は、得られた石膏ボードの隅から原紙
を静かに引きはがして、原紙がはがれた部分と芯材に付
着した部分とに分かれた場合を接着良好(○)、原紙が
芯材に残らず芯材部分から剥離が生じた場合を接着不良
(×)とした。
【0025】
【表1】
【0026】まず表1には、天然石膏Aを用い、焼成度
を調節して石膏の結合水量を加減した本発明による実施
例1から4と、これらに対する比較例1から3を示す。
ここでの焼成は、t1〜t3が50.4分となるように
投入電力を調節して予備焼成し、これと同じ焼成条件の
もとで取り出し時間を適宜それぞれ加減することで、そ
れぞれの石膏の結合水量を調節した。表1からわかるよ
うに、本発明の実施例では、焼成条件を加減して結合水
量を増やすに従って、JIS R 9112で決定される
混水量が激減し、得られる石膏ボードの比重を著しく高
められることが確認できる。これにより、遮音性の改善
に不可欠なボードの高比重化が可能となった。また、石
膏ボードの製造に不可欠なスラリー流動性が、低水添加
量のもとで十分確保されていることが確認できた。一方
で、結合水量が少ない比較例1から3では、石膏ボード
の原紙の接着性は良好であるものの、混水量が多いた
め、実施例に比較してボードの比重が小さい。また、結
合水量が多い(17.8%)比較例4では、混水量は低
いものの、原紙の接着性が悪いものであった。
【0027】
【表2】
【0028】表2には、排脱石膏Bを用い、焼成度を調
節して結合水量を加減した本発明による実施例5から8
と、これらに対する比較例5から8を示す。ここでの焼
成は、t1〜t3が38分となるように投入電力を調節
して予備焼成し、そのほかの条件は表1に記載した実施
例と同様に行った。表2からも、焼成条件を加減して結
合水量を増やすに従って、実施例ではJIS R 911
2で決定される混水量が激減し、原料石膏の種類に関わ
らず、十分な流動性を確保しつつ高比重の石膏ボードを
製造できることが確認される。
【0029】
【発明の効果】本発明では、石膏スラリーを調製する際
に、水添加量を低減しても流動性を確保できるため、高
比重の石膏ボードを経済的にかつ容易に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二水石膏の焼成時の昇温曲線を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石膏を主成分とする芯材の両面を石膏ボ
    ード用原紙で被覆した石膏ボードの製造方法において、 二水石膏を仮焼して得られる結合水量6.9〜13.4
    %の仮焼石膏を主成分とするスラリーを、石膏ボード用
    原紙の間に流し込み成形することを特徴とする石膏ボー
    ドの製造方法。
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