JPH09165461A - 水性インク印刷用シート - Google Patents

水性インク印刷用シート

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JPH09165461A
JPH09165461A JP35321895A JP35321895A JPH09165461A JP H09165461 A JPH09165461 A JP H09165461A JP 35321895 A JP35321895 A JP 35321895A JP 35321895 A JP35321895 A JP 35321895A JP H09165461 A JPH09165461 A JP H09165461A
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JP
Japan
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water
sheet
printing
polydioxolane
based ink
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JP35321895A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Kume
義正 粂
Kuniaki Sasaki
邦晃 佐々木
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Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高温、高湿下でも物性の変化、粘
着性(ベタツキ等)の発現及び潮解現象等の発生しない
傾向があり保存性が優れた水性インク印刷用基材を提供
することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、熱可塑性樹脂からなる基材層
(A)の少なくとも一方面に、1.3−ジオキソランを
重合させて得られる高分子量ポリジオキソランからなる
水性インク吸水層(B)を積層もしくはコーティングし
てなる水性インク印刷用シートに係る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、インクジ
ェットプリンター等を用いて水性インクを印刷する際、
印刷用基材として使用できる水性インク印刷用シートに
関する。更に詳細には、熱可塑性樹脂からなる基材層
(A)の少なくとも一方面に、グラビア印刷機、インク
ジェットプリンター等を用いて水性インクを印刷するの
に好適な高分子量ポリジオキソランからなる水性インク
吸水性層(B)を施してなる水性インク印刷用シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷業界では、環境汚染、衛生性
等の観点から、例えば、プラスチックフイルム等の表面
及び/又は裏面に溶剤系インクを用いてグラビア印刷を
行なった後、該印刷面に透明性フィルム等を被覆せしめ
優れた光沢性を付与させるプリントラミネ−ト印刷分
野、或は、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)用
シート等にインクジェットプリンター等を用いて溶剤系
インクで印字する分野等では、溶剤系インクに替えて水
性インクを使用する傾向になってきている。
【0003】従来より、水性インキを印刷するのに使用
される印刷用シ−ト等としては、例えば透明プラスチッ
クからなるシ−ト等の表面及び/又は裏面に水性インク
吸水性を有する親水性樹脂、例えばポリエチレンオキシ
ド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ
ビニルピロリドン(PVP)及びカルボキシメチルセル
ローズ(CMC)等をコーティングしてなる水性インク
印刷用シートが使用されている。
【0004】然しながら、このような親水性樹脂を熱可
塑性樹脂からなるシート表面に積層もしくはコートして
なる水性インク印刷用シート等は、高温、高湿下で粘着
性(ベタツキ等)が発生しブロッキングし易く保存性が
低下する傾向や、吸湿により物性等が変化する傾向があ
る。更に、上記親水性樹脂からなる水性インク吸水層
は、水等が表面に付着すると、耐水性が劣る傾向がある
ために、溶け易く、例えば、OHP用シートとして、水
性インクを用いてインクジエットプリンターなどで印刷
されたる印字、画像等が溶け易く、滲む等の傾向があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な状況に鑑みなされたものである。本発明の目的は、高
い親水性、特に温水溶解性を有しているにもかかわら
ず、高温、高湿下での安定性、高耐湿性、耐水性が優れ
る水性インク印刷用シートを提供することにある。更
に、吸湿した場合でも、物性(例えば透明性、光沢性
等)の変化、粘着性(ベタツキ、ブロッキング等)の発
現及び潮解現象、印刷された水性インクの滲み等の発生
がなく保存性に優れた水性インク印刷用シートを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の特徴とす
る処は、熱可塑性樹脂からなる基材層(A)の少なくと
も一方面に、1.3−ジオキソランを重合させて得られ
る高分子量ポリジオキソランからなる水性インク吸水層
(B)が積層もしくはコーティングされてなる水性イン
ク印刷用シートの提供にある。
【0007】上記、本発明に係る水性インク印刷用シー
トは、数平均分子量が1,000〜250,000であ
るポリジオキソランを用いることを特徴とし、基材層を
形成する熱可塑性樹脂にポリエステル系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂からなる
群より選ばれる少なくとも一種を用いることを特徴と
し、熱可塑性樹脂からなる基材層の厚さが5〜300μ
m、高分子量ポリジオキソランからなる水性インク吸水
層の厚さが1.0〜50μmであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る基材層(A)を形成
する熱可塑性樹脂として用いられるポリエステル系樹脂
としては、例えばジカルボン酸成分とジオール成分とか
らなるポリエステル系樹脂が例示できる。ジカルボン酸
成分としては、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン
酸、脂環式ジカルボン酸等やこれらジカルボン酸の誘導
体及び混合物を挙げることができる。具体的には、例え
ば脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数2〜20のアジ
ピン酸、セバシン酸、ドデカンカルボン酸等が、芳香族
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸等が、脂環式ジカルボン酸とし
ては、シクロへキサンジカルボン酸等がそれぞれ例示で
き特に制限はない。
【0009】また、ジオール成分としては、例えば脂肪
族グリコール、脂環式グリコール等やこれ等グリコール
の誘導体、混合物が挙げられ、具体的には脂肪族グリコ
ールとしてエチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,10−デカンジオール等が、脂環式グリコー
ルとして1,4−シクロヘキサンジオール等がそれぞれ
例示でき、特に制限はない。
【0010】更に、ポリカーボネート系樹脂としては、
例えばビスフェノールA(4,4−ジヒドロキシジフェ
ノール−2,2−プロパン)からホスゲン法及びエステ
ル交換法によって製造されるものを例示できる。
【0011】具体的には、ホスゲン法では、ビスフェノ
ールAを、例えば、ピリジンあるいは苛性アルカリ等の
酸結合剤及び溶剤(例えば、塩化メチレン、クロルベン
ゼン、キシレン)の存在下でホスゲンと反応させて製造
されるポリカーボネ−トが、エステル交換法では、ビス
フェノールAとジフェニールカボネートとの反応によっ
てフェノールを分離して製造されるポリカ−ボネ−ト等
が例示でき特に制限はない。
【0012】また、環状ポリオレフィン系樹脂として
は、エチレン、プロピレン、ブテン、1,4−メチルペ
ンテン−1等のα−オレフインの少なくとも1種と、ビ
シクロ[2.2.1]ヘプトジエン誘導体、テトラシク
ロ−3−ドデセン誘導体、ヘキサシクロ−4−ヘプタデ
セン誘導体、オクタシクロ−5−ドコセン誘導体、ペン
タシクロ−4−ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ−3
−ペンタデセン誘導体、ヘプタシクロ−4−エコイセン
誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセン誘導体等から選
ばれる少なくとも1種の環状オレフィンとの共重合体を
挙げることができる。
【0013】上記のポリエステル系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂からなる基材
層は、透明度が、ヘーズで10%以下のものが好まし
い。10%を越えると、例えば、OHP印刷用シートま
たはプリントラミネート用シート等として使用された場
合、優れた光沢性、透明性、鮮明性を有する画像、印字
等が得られない傾向がある。
【0014】本発明に係る高分子量ポリジオキソランと
は、化学式1で示される温水可溶性樹脂である。斯かる
高分子量ポリジオキソランは、適宜な触媒、例えばヘテ
ロポリ酸とカルボニル化合物とからなる複合重合触媒な
どを用いて、化学式2で示される1.3−ジオキソラン
単量体を重合させて製造されるものである。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】高分子量ポリジオキソランは、一般的に
は、温水可溶性、冷水崩壊性を有する親水性樹脂であ
り、しかも、該樹脂は、高温、高湿度下であっても安定
性が優れている。従って、該樹脂が積層またコートされ
てなるシート等は、吸湿された場合でも、表面の物性の
変化、粘着性(ベタツキ、ブロッキング等)の発現及び
潮解現象等の発生がなく、保存性を向上できるる傾向が
ある。
【0018】更に、該樹脂は熱可塑性であるために、押
出機等で溶融押出して、フィルム等に成膜できる。従っ
て、単層フィルム、熱可塑性樹脂からなる基材層(A)
の表面に押出してなる押出ラミネートフィルム、或は高
分子量ポリジオキソランからなる単層フィルムと熱可塑
性樹脂からなる基材層とが接着剤を介してドライラミネ
ートしてなるドライラミネートフィルム等の複合フイル
ム及び高分子量ポリジオキソランと、これ以外の熱可塑
性樹脂とを共押出して成る積層フィルム等に成膜加工し
て、高分子量ポリジオキソランが少なくとも一方表面に
なるようにして水性インク印刷用基材として使用でき
る。
【0019】また、温水、有機溶媒、例えばトルエン、
クロロホルム等での溶解性を利用し、溶液を作成して、
例えば、前記した熱可塑性プラスチックフィルム等から
なる基材層の少なくとも一方面にコーティングして、水
性インク印刷用フィルムとして使用してもよい。この
際、コーティング溶液としては、特に制限ないが、40
℃温水で2〜5重量%、有機溶媒、例えばクロロホルム
等で溶解せしめてなる5〜10重量%の溶液を例示でき
る。
【0020】本発明に係る高分子量ポリジオキソランと
しては、数平均分子量が、ポリスチレンを標準物質とし
てゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した
場合、約250,000〜1,000のポリジオキソラ
ンが使用できる。斯かるポリジオキソランが水性インク
吸水層として好適に使用できる。
【0021】数平均分子量が1,000未満になると、
ポリジオキソランはワックス状になり易い性質があり、
溶融成形加工等で、例えば成膜しても強靱なフィルム等
ができない傾向がある。また、該ポリジオキソランが有
機溶媒、例えばトルエン、クロロホルム等の有機溶媒、
温水等で溶解された溶液を、例えば、前記の透明性熱可
塑性プラスチックフイルムの表面にコーティングして成
るコーティングシート等の塗膜は、粘着性が発現する傾
向や、潮解現象が発生する傾向がある。更に、該コ−テ
ィングシ−トにインクジェットプリンターを用いて水性
インクを印刷すると、インクの定着性が劣り印刷性が低
下する傾向や、水性インクの滲みが発生する傾向があ
る。
【0022】一方、数平均分子量が250,000を越
えると、該ポリジオキソランの溶融粘度が高く溶融成形
が困難になり、例えば溶融押出法等でフィルム、シート
等を成膜でき難い傾向がある。また、有機溶媒(トルエ
ン、クロロホルム等)や温水等での溶解性が低下し、例
えば、前記の熱可塑性樹脂からなる基材層にコーティン
グすること等が難しい傾向がある。
【0023】更に、本発明に係る高分子量ポリジオキソ
ランは、必要に応じて、その特性を阻害しない範囲内
で、その他の親水性を有する熱可塑性親水性樹脂などを
配合することができる。親水性樹脂としては、特に制限
はなく、ポリビニルアルコール単独重合体、共重合体、
カチオン化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸とその金属塩、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、セルローズ系誘導体
及びアルキレンオキシド単独重合体もしくは少なくとも
2種以上のアルキレンオキシド共重合体等を例示でき
る。就中、ジオキソランの成膜性、塗膜性を向上させる
傾向があるアルキレンオキシド単独重合体、共重合体が
好ましい。
【0024】斯かる、アルキレンオキシド単独重合体も
しくは少なくとも2種以上のアルキレンオキシド共重合
体としては、具体的には、エチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシ
ド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキ
レンオキシドの単独重合体、あるいは上記アルキレンオ
キシドの群から選ばれる少なくとも2種以上からなる共
重合体を挙げることができるが、特に制限はない。
【0025】この際、アルキレンオキシド単独重合体も
しくは共重合体の配合量は、49重量%以下を例示でき
る。49重量%を越えると水性インク吸水層の耐湿性、
耐水性が低下し粘着性等が発生する傾向があり、透明性
も低下する傾向がある。
【0026】また、本発明に係る高分子量ポリジオキソ
ランは、所望に応じて各種添加剤、充填材、例えば、耐
熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、滑
剤、核剤、抗菌剤、難燃剤、顔料、または炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウ
ム、シリカ、マイカ、タルク、有機系フィラー等を添加
することができるが、特に制限はなく添加しなくてもよ
い。
【0027】この際、上記添加剤の内、帯電防止剤とし
ては、トリメチルアンモニウムクロライド、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド等のカチオン系第4級アンモニウム塩が例示
できる。斯かる添加剤は、水性インクの定着性の向上、
印刷された水性インクの滲みを防止する傾向がある。
【0028】本発明に係る水性インク印刷用シートの製
造方法は、高分子量ポリジオキソランと熱可塑性樹脂と
を共押出し法で積層する方法、熱可塑性樹脂からなる基
材層の少なくとも一方面に高分子量ポリジオキソランを
溶融ラミネートする押出ラミネート法、高分子量ポリジ
オキソランからなるフィルムと熱可塑性樹脂からなるフ
ィルムを接着剤等を介して接着するドライラミネート法
を例示できるが、特に制限はない。
【0029】また、熱可塑性樹脂からなる基材層フイル
ムの少なくとも一方表面に、ポリジオキソランを適宜な
溶媒に溶解してなる溶液をコーティングする方法でもよ
い。コ−ティング方式としては、例えば、グラビヤコー
ティング、リバースロールコ−ティング、ディップコ−
ティング、エアーナイフコーティング、バーコーティン
グ等の適宜な方式でコ−ティングすればよく、特に制限
はない。
【0030】コーティング溶液としては、水溶液では、
40℃温水で0.5〜15重量%、有機溶媒、例えばト
ルエン、クロロホルム等では5〜30重量%の溶液を例
示できる。水溶液の場合、0.5重量%未満では、例え
ばコーティングする際に、目的とする膜厚が得られない
傾向があり、15重量%を越えると粘度が高くなり易
く、良好なコ−ティング被膜が得られない傾向がある。
また有機溶媒からなる溶液では、5重量%未満では目的
とする膜厚が得られない傾向があり、30重量%を越え
ると粘度が高くなり良好なコ−ティング被膜が得られな
い傾向がある。
【0031】本発明に係る水性インク印刷用シートは、
更に、必要に応じて、例えば高分子量ポリジオキソラン
と熱可塑性樹脂から成る基材層との接着性等を向上させ
るため、上記で得られるラミネートフィルムもしくはコ
ーティングフィルムを公知の適宜な方法、条件で延伸し
てもよく特に制限はない。更に必要ならば、例えば、寸
法安定性を得るため、またはカール等を防止するため
に、公知の方法、条件で熱固定してもよく特に制限はな
い。
【0032】本発明に係る水性インク印刷用シートの厚
さは、高分子量ポリジオキソランからなる水性インク吸
水層(B)の厚さとしては1.0〜50μmであればよ
い。1.0μm未満では、水性インクの吸水量が少なく
なり易く、印字画像等の印刷性が悪くなる傾向があり、
50μmを越えると透明性が低下する傾向がある。
【0033】熱可塑性樹脂からなる基材層(A)の厚さ
は、水性インク吸水層(B)を支持できる程度であれば
よく、6〜300μmであればよい。従って、水性イン
ク印刷用シートの全体厚さとしては、6〜350μmで
ある。350μmを超えると、印字画像等の鮮明な印刷
ができない傾向があり、6μm未満では、印字画像等の
印刷がし難く作業性が低下する傾向がある。
【0034】本発明に係る水性インク印刷用シートは、
特に制限はないが、印刷性、ラミネ−ト性、粘着剤塗布
性等を向上させるために、表面処理を行なうことができ
る。表面処理の方法としては特に制限はなく、コロナ放
電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等を例示でき
る。水性インク印刷用シート製造過程の巻き取り工程前
に容易に実施でき、しかも簡便さの点からコロナ放電処
理が好ましいが、特に制限はなく、表面処理しなくても
差し支えない。
【0035】本発明に係る水性インク印刷用シートの用
途としては、プリントラミネ−ト水性インク印刷用シー
ト 、水性インクジェットプリンターで印刷して作成さ
れるオ−バ−ヘッドプロジェクター(OHP)印刷用シ
ート等として好適に使用できる。更に、プリントラミネ
−ト印刷用シート、水性インクジェットプリンター印刷
用シート以外に、包装用フィルム、農業用シート等の用
途等にも使用でき、特に制限はなく、各種の産業分野で
使用できる。
【0036】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例によって制限されるもの
でない。なお、本発明の下記実施例において、各検査項
目の測定、評価は下記に方法により行なった。
【0037】[数平均分子量]:ポリスチレンを標準物
質としてゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測
定した。 [印刷性]:市販のインクジェットプリンター[キャノ
ン(株)製:BJ600]で印字し目視評価した。 ◎…非常に優れている。 〇…優れている。 △…使用に差し支えない。 ×…劣る。 [耐水性]:水滴拭き取時のインク定着性、吸水層の変
化を目視評価した。 ◎…全くインクの脱落がない。 〇…殆どインクの脱落がない。 △…インクの1部が脱落するが印字、画像の識別が可
能。 ×…インクが脱落し印字、画像が識別できない。 [耐保存性]:印刷後40℃、90%RHで5日間放置
後のインクの滲み性を目視評価した。 ◎…全く滲みがない。 〇…殆ど滲みがない。 △…滲みが容易に認められる。 ×…滲みが多い。 [耐粘着性]:26℃、65%RH下での粘着性を評価
した。 ◎…粘着性が全く認められない。 〇…粘着性が殆ど認められれない。 △…粘着性が認められるが使用可。 ×…粘着性が強い。
【0038】実施例1 基材層(A)として、一方面をコロナ放電処理した厚さ
100μmのポリエチレンテレフタレートシート(ぬれ
張力54dyne/cm)を用いた。コーティング溶液として、
ポリジオキソラン(数平均分子量20,000)5gを
クロロホルム45gに溶解したポリジオキソラン濃度1
0重量%のポリオキソラン溶液に多孔質シリカ(粒径
1.4μm)をポリオキソランに対して1重量%添加
し、ポリジオキソランからなるコーティング溶液を調製
した。次いで、該溶液を前記ポリエチレンテレフタレー
トシ−トのコロナ放電処理面に、バーコートを用いてコ
ーティング後、100℃で、3分間乾燥し、ポリエチレ
ンテレフタレートシートとポリジオキソランからなる水
性インク印刷用シートを得た。該水性インク印刷用シー
トは、基材層が100μm、水性インク吸水層が10μ
mであった。該水性インク印刷用シートのポリオキソラ
ン層面にインクジェットプリンターを用いて水性インク
を印字し、印刷性、耐水性、耐保存性、耐粘着性を評価
しその結果を表1に示した。
【0039】実施例2 ポリジオキソラン(数平均分子量20,000)95重
量部と、熱可塑性ポリエチレンオキシド5重量部の混合
物に、シリカ(粒径5μm)5000ppmを添加して
なる組成物を、シリンダ−温度120℃、Tダイス温度
110℃に設定された40φTダイに供給し、溶融混練
し、15℃に設定されたチルロール上に押出し冷却後引
取り、厚さ25μmのポリジオキソランからなる水性イ
ンキ印刷用フィルムを得た。次いで、該フィルムを、コ
ロナ放電処理された、厚さ100μmポリエチレンテレ
フタレートシート(ぬれ張力54dyne/cm)のコロナ放電
処理面に85℃で熱圧着せしめ水性インク印刷用シート
が得られた。該水性インク印刷用シートの高分子量ポリ
ジオキソラン表面にインクジェットプリンターを用いて
水性インクを印字し、印刷性、耐水性、耐保存性、耐粘
着性を評価しその結果を表1に示した。
【0040】比較例1 コーティング溶液が、ポリエチレンオキシド5gをトル
エン95gに溶解したポリエチレンオキシド濃度5重量
%のポリエチレンオキシド溶液に多孔質シリカ(粒径
1.4μm)をポリエチレンオキシドに対して1重量%
添加し、ポリエチレンオキシドからなるコーティング溶
液であること以外は実施例1と同様にして水性インク印
刷用シートを得た。該水性インク印刷用シートのポリエ
チレンオキシド層面にインクジェットプリンターを用い
て水性インクを印字し、印刷性、耐水性、耐保存性、耐
粘着性を評価しその結果を表1に示した。
【0041】比較例2 ポリジオキソランをポリエチレンオキシドにすること以
外は、実施例2と同様にして水性インク印刷用シートを
得た。該ポリエチレンオキシド印刷用シートのポリエチ
レンオキシド表面にインクジェットプリンターを用いて
水性インクを印字し、印刷性、耐水性、耐保存性、耐粘
着性を評価しその結果を表1に示した。
【0042】表1から明らかなように本発明に係る高分
子量ポリジオキソランからなる水性インク印刷用シート
は、極めて優れた印刷性、耐水性、耐保存性、耐粘着性
を有すると共に強靱な被膜を形成することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る水性インク印刷用シート
は、高分子量ポリジオキソランからなる被膜を有するた
めに、高温、高湿下でも、物性の変化、粘着性(ベタツ
キ等)の発現及び潮解現象等の発生しない傾向があり保
存性が優れたものになる。更に、本発明に係る水性イン
ク印刷用シートに、例えばインクジエットプリンターを
用いて水性インクを印刷した場合、インク滲みが発生し
ない印刷物が得られる。従って、該水性インク印刷用シ
ートは、プリント印刷やオーバーヘッドプロジェクター
(OHP)シートとして好適に使用できる。
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる基材層(A)の少
    なくとも一方面に、1.3−ジオキソランを重合させて
    得られる高分子量ポリジオキソランからなる水性インク
    吸水層(B)を積層もしくはコーティングしてなる水性
    インク印刷用シート。
  2. 【請求項2】 ポリジオキソランの数平均分子量が1,
    000〜250,000である請求項1に記載の水性イ
    ンク印刷用シート。
  3. 【請求項3】 基材層を形成する熱可塑性樹脂がポリエ
    ステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂及び環状ポリオ
    レフィン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種
    である請求項1、2に記載の水性インク印刷用シート。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂からなる基材層(A)の厚
    さが5〜300μm、高分子量ポリジオキソランからな
    る水性インク吸水層(B)の厚さが1.0〜50μmで
    ある請求項1に記載の水性インク印刷用シート。
JP35321895A 1995-10-13 1995-12-29 水性インク印刷用シート Pending JPH09165461A (ja)

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JP (1) JPH09165461A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002509967A (ja) * 1998-03-30 2002-04-02 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリエステルフィルムに向けたコーティング樹脂中の多孔性粒子

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