JPH09165094A - 充填バルブと充填バルブの洗浄装置及び洗浄方法 - Google Patents

充填バルブと充填バルブの洗浄装置及び洗浄方法

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JPH09165094A
JPH09165094A JP32584195A JP32584195A JPH09165094A JP H09165094 A JPH09165094 A JP H09165094A JP 32584195 A JP32584195 A JP 32584195A JP 32584195 A JP32584195 A JP 32584195A JP H09165094 A JPH09165094 A JP H09165094A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サニテーション処理を容易に行い、サニ
テーションや取替え時のための取外しを簡単、容易に行
い、糖分等の有機物を主液ノズル外面の気液の境界に
付着させ難くすると同時に作業終了後の洗浄を容易に行
い、製作コストを低減し、アルカリ性等の洗剤液を
使用し、主液ノズル外周面とリティナとの間の隙間を
揺動洗浄し、最も固形物の堆積し易いシール材とノズ
ル外周面との間の隙間を十分に洗浄し、洗浄効果を向
上する。 【解決手段】 容器30によりリティナ36がばね37
に抗して押し上げられたときには、リティナ36のシー
ル部52を主液ノズル32の上部外周面に流体密に接触
させ、それとは逆にばね37によりリティナ36が押し
下げられたときには、シール部52を主液ノズル32の
下部の浅い台形断面溝部に到達させ、主液ノズル32の
外周面から離して、シール部52の内周面と主液ノズル
32の外周面との間に気体または液体の流通可能な隙間
を生じさせるように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器を上昇させ、
容器口部をシール部材に当接させて、充填液貯溜タンク
内の液を容器へ充填する液体の充填バルブと、充填バル
ブの洗浄装置及び洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、充填液タンクの底面にタンク内に
通じるように固定した筒状のバルブボディと、同バルブ
ボディの内周面に摺動可能に嵌挿してスリーブの内部に
液通路を形成したスリーブと、バルブボディ及びスリー
ブと同じ中心線を持つようにバルブに固定、配置してベ
ントチューブの内部に排気通路を形成したベントチュー
ブと、スリーブの上昇により開くスリーブの下端部とベ
ントチューブの下端円錐面とにより構成した液バルブと
よりなる充填バルブは、公知である。
【0003】この充填バルブでは、液を充填するとき、
上昇する容器の口部によりスリーブを押し上げて、液バ
ルブを開き、充填液タンク内の充填液を自重により液通
路を経て容器内に流下させると同時に容器内の空気をベ
ントチューブを経て充填液タンク内へ排出して、容器内
に液を満たし、容器内の液面がベントチューブの下端に
達し、液がベントチューブ内を上昇して、充填液タンク
の液面と同一レベルになったときに、充填を停止する一
方、容器の下降により液バルブを閉じるようになってい
る。
【0004】上記充填バルブは、充填作業が終了したと
きや、充填する液種を替える場合等に、液通路、充填液
タンク、液バルブの内外その他、充填液が触れた部分を
洗浄しなければならない。洗浄は、通常、充填バルブの
下部に下方から洗浄カップを装着し、充填液の代わりに
洗浄液を供給し、充填バルブを開いた状態で洗浄液を充
填バルブ内部や液通路を通過させるようにしている。
【0005】固定のバルブボディと昇降するスリーブと
の摺動部には、シール材を設け、充填バルブの内外を液
体密にしているが、このような洗浄方法では、充填液の
代わりに洗浄液を充填バルブに供給しても、このシール
材がスリーブの外周面に密着したままであるため、シー
ル材やスリーブの外周面の摺動部を充分に洗浄すること
ができない。
【0006】この問題を解決するため、スリーブとシー
ル材との摺動部よりも下方に、スリーブの摺動面よりも
小径の逃げ部を形成し、洗浄時には、スリーブを充填時
のストロークよりも大きく上昇させて、バルブボディの
シール部とスリーブの逃げ部との位置を合致させること
により、スリーブの外面とシール材の内部との間に洗浄
液の通過可能な間隙を形成して、スリーブの摺動部とシ
ール材とを洗浄し、同時に充填バルブの外側に洗浄液を
回流させて、洗浄を可能にした充填バルブ洗浄装置が既
に提案されている(特開平6−263192号公報)。
【0007】この充填バルブ洗浄装置の概略を図9によ
り説明すると、充填バルブは、充填液タンク2の底面に
固定した筒状のバルブボディ4と、このバルブボディ4
の内面に取付けたシール部材10を介してバルブボディ
4の内部を昇降するスリーブ8と、これらバルブボディ
4及びスリーブ8の内部に嵌挿するとともにバルブボデ
ィ4に固定した排気管6と、スリーブ8と排気管6との
下端部8d,6aに設けてスリーブ8の昇降(ストロー
クをSで示す)により開閉する液バルブ26と、充填液
タンク2の下面に固定してバルブボディ4とスリーブ8
との周りに位置して同スリーブ8の昇降を案内する外筒
12とにより構成されている。
【0008】そして上記スリーブ8のうち、シール部材
10に対する摺動部8aよりも下方の部分に同摺動部8
aよりも小径の小径部8fを形成し、同小径部18fよ
りも下方の大径部にブッシュ18、20を取付け、同ブ
ッシュ18、20に図10に示すように洗浄液の通過を
許容する連通路18a、20aを設け、洗浄時には、ス
リーブ8をストロークSよりさらに上昇させて、小径部
8fをシール部材10の内周側に位置させ、両者間に間
隙Cを形成するようにしている。
【0009】上記充填バルブでは、スリーブ8を通常の
充填時よりも上昇させて、小径部8fをシール部材10
の内周側に位置させると、バルブボディ4とスリーブ8
との間に通路Dが形成され、シール部材10とこのシー
ル部材10に対して摺動するスリーブ8との間に間隙C
が形成されて、洗浄液の流通が可能になる。またスリー
ブ8の外面と外筒12の内面との摺動部にも連通路18
a、20aが形成されて、洗浄液の通過か可能にになっ
ているので、充填バルブ内の各摺動部の全体が洗浄され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記図9、図10に示
す従来の充填バルブでは、バルブボディ4に設けたシー
ル部材10とスリーブ8とが摺動するとき、充填液が微
量ずつ漏れ出てくることが経験的に知られており、この
ため、充填バルブの外面が汚れたりする。特に糖分を有
する高温の充填液を充填する場合は、充填液の上昇境界
面付近において、この充填液中の糖分が飴状になるか、
固化して、シュガセメント状態になるので、充填バルブ
に作動不良を生じる上に、微生物対策上も好ましくな
い。
【0011】このため、製造運転中でも充填状態を止め
ることなく、外部から容易に洗浄水(水または湯)がか
けられ且つ充填バルブの洗浄時にバルブボディ4とスリ
ーブ8との摺動部を洗浄する必要があるが、この充填バ
ルブでは、スリーブ8の摺動部分が外筒12で完全に覆
われているので、運転中の洗浄が不可能で、分解掃除を
しなければ、こびりついた糖分を完全に除去するのが困
難である。
【0012】またOリング及びOリング溝部が最も汚染
しやすいが、この充填バルブでは、隙間部の後にOリン
グがあり、Oリング部に摺動部から取り除かれた汚れが
溜まり易いが、容器口パッキンがスリーブ8の深い溝の
奥に嵌め込まれているので、取外しが困難である。また
液バルブ26を経由する流れとバルブボディ4のシール
部材を経由する流れとが外筒12の出口までの間で合流
するが、バルブボディ4内は流れ易く、シール部材10
側は狭くて流れ難いので、シール部材10側は洗浄液の
流れが弱くなって、洗浄効果が低下する。
【0013】さらに洗浄水にエアバブリングをすると、
洗浄効果が増大するが、この充填バルブでは、スリーブ
8の摺動部が排気管6のエア通路から離れた場所にある
ので、エアバブリングが不適当な構造になっている。本
発明は前記の問題点に鑑み提案するものであり、その目
的とする処は、サニテーション処理を容易に行うこと
ができ、サニテーションや取替え時のための取外しを
簡単、容易に行うことができ、糖分等の有機物を主液
ノズル外面の気液の境界に付着させ難くすることができ
ると同時に作業終了後の洗浄を容易に行うことができ、
製作コストを低減でき、アルカリ性等の洗剤液を使
用でき、主液ノズル外周面とリティナとの間の隙間を
揺動洗浄することができ、最も固形物の堆積し易いシ
ール材とノズル外周面との間の隙間を十分に洗浄するこ
とができ、洗浄効果を向上できる充填バルブと充填バ
ルブの洗浄装置及び洗浄方法を提供しようとする点にあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、容器を上昇させ、容器口部をシール部
材へ当接させて、液貯溜タンク内の液を容器へ充填する
充填バルブにおいて、前記液貯溜タンクの底面に固定し
てバルブ本体の内部に同液貯溜タンクに連通する液通路
を形成した筒状のバルブ本体と、同バルブ本体の下部に
同芯にバルブ本体に一体に組付けて下方に向かい拡開し
た液通路開口部を形成した主液ノズルと、同主液ノズル
の外周面に摺動可能に嵌挿するとともに上部には外部に
連通する円環状内溝を設け下部には上昇してくる容器の
開口部に当接して前記主液ノズルを液体密にシールする
シール部を設けたリティナと、前記バルブ本体と前記リ
ティナとの間に介装して同リティナを下方に付勢するば
ねと、中心軸を貫通するベント孔を有し下部が末広がり
円錐状弁を形成し前記バルブ本体及び前記主液ノズルの
内部を昇降して前記液通路を前記主液ノズルの下部位置
で開閉するベントチューブと、前記液貯溜タンク内で同
ベントチューブの外周に固定したストッパリングと前記
バルブ本体の肩部との間に介装して同ベントチューブを
押し上げ方向に付勢するばねと、前記ベントチューブの
昇降機構とよりなり、容器により前記リティナが前記ば
ねに抗して押し上げられたときには、前記リティナのシ
ール部を前記主液ノズルの上部外周面に流体密に接触さ
せ、それとは逆に前記ばねにより前記リティナが押し下
げられたときには、前記シール部を主液ノズルの下部の
浅い台形断面溝部に到達させ、同主液ノズルの外周面か
ら離して、前記シール部の内周面と同主液ノズルの外周
面との間に気体または液体の流通可能な隙間を生じさせ
るように構成している(請求項1)。
【0015】前記請求項1記載の充填バルブにおいて、
主液ノズルをテフロン等の撥水性材料により構成する
か、撥水性材料を同主液ノズルにコートして、製品液充
填時に液中の糖分等の有機物を気液の境界に付着させ難
くすると同時に作業終了後の洗浄を容易にするようにし
てもよい(請求項2)。前記請求項1、2記載の充填バ
ルブの洗浄装置において、バルブ本体の外側下部及び前
記リティナの外周部を洗浄用キャップにより液体密に鞘
封し、前記ベントチューブの開閉機構により前記ベント
チューブの円錐状弁を押し下げて前記主液ノズルを開い
たときに、洗浄液を満水した前記液貯溜タンクから洗浄
液を前記ノズル本体と前記ベントチューブとの間の液通
路とベントチューブのベント孔とを経て洗浄用キャップ
へ送り、さらに前記リティナのシール部とノズル外周面
との間の隙間を経て前記バルブ本体に連絡した排出配管
へ送って排出することにより、洗浄液を充填バルブ内外
の全ての部品に接触、流通させるようにしている(請求
項3)。
【0016】前記請求項1、2記載の充填バルブの洗浄
方法において、液貯溜タンクを上蓋により密封し、液貯
溜タンクに洗浄液レベルセンサを設け、洗浄液供給配管
に同洗浄液レベルセンサに接続した流量調整弁を設け
て、洗浄液水位を前記ベントチューブの上部開口部より
も下の位置に保ち、前記液貯溜タンクに圧縮エアを送
り、または前記液貯溜タンクを大気圧にして、前記排出
配管をポンプに連結して、洗浄液を吸出し、この洗浄液
が前記ノズル本体と前記ベントチューブとの間の液通路
を通るときの水流れ抵抗による洗浄キャップ位置の洗浄
液側の圧力降下を利用して液貯溜タンクのエアを前記ベ
ントチューブから洗浄キャップ位置の洗浄液内へ供給し
て互いを混合させることよりエアバブル洗浄液とし、こ
のエアバブル洗浄液により前記リティナ溝のシール部と
ノズル外周面との間の隙間を洗浄するようにしている
(請求項4)。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)本発明の充填バルブの第1実施形態を
図1〜図3により説明する。図1は本発明の第1実施形
態である無圧充填飲料缶用充填バルブの縦断側面図、図
2は図2は図1の矢視A−A線に沿う横断平面図、図3
は図1の矢視B−B線に沿う横断平面図である。
【0018】図1の30は缶、29は缶30を昇降させ
る缶リフタ、29aは缶リフタ29に取付けられて缶3
0を充填機の直下に位置決めする缶ホルダ、27は液貯
溜タンク、28は液貯溜タンクの蓋である。35は筒状
のバルブ本体で、同バルブ本体35は、固定部材54に
より液貯溜タンク27の底面に固定され、同バルブ本体
35のリング溝には、中リング50が嵌挿されている。
【0019】このバルブ本体35の内部には、図2に示
すように液貯溜タンク27に連通する液通路35a、3
5bが形成されている。32は撥水性材料(例えばテフ
ロン等)により構成された主液ノズルで、この主液ノズ
ル32の内部には、液通路35aに続く液通路32aが
形成され、この主液ノズル32は、バルブ本体35の下
端筒部に同芯に螺合され、バルブ本体35と主液ノズル
32との間には、Oリング49、51が介装されて、主
液ノズル35がバルブ本体35に液体密に組付けられ、
主液ノズル32の下端部内側に弁座32bが形成され、
主液ノズル32の下端筒部の外周には、浅い台形断面の
円環状溝32cが形成されている。
【0020】36はリティナで、このリティナ36は、
主液ノズル32の外側に隙間を設けて摺動可能に嵌挿さ
れ、このリティナ36の上部には、外部に連通する窓3
6bを有する円環状内溝が設けられ、このリティナ36
の下部には、主液ノズル32を液体密にシールするテフ
ロン製Oリング(シール部)52を嵌挿する溝が設けら
れ、下端分には、缶30口のシールパッキン39が嵌入
するリング溝が設けられている。
【0021】37は圧縮ばねで、この圧縮ばね37は、
バルブ本体35とリティナ36との間に介装されて、リ
ティナ36を下方に付勢している。31はベントチュー
ブで、同ベントチューブ31は、中心軸線に沿って貫通
するエア通路31aを有し、このベントチューブ31の
下部には、末広がり円錐状の茸弁31cが形成され、こ
のベントチューブ31は、図1、図3に示すようにガイ
ド羽31bを介してバルブ本体35及び主液ノズル32
によりガイドされ、その内部を昇降して、液通路35
a、32aを主液ノズル32の下部で開閉するようにな
っている。53は中リングである。
【0022】ベントチューブ31の上部は、バルブ本体
35の上端部に固定したガイド41により案内される。
38は圧縮ばねで、この圧縮ばね38は、ベントチュー
ブ31に止輪42を介して位置決めされるストッパリン
グ40とバルブ本体35の肩部との間に介装されて、ベ
ントチューブ31を押し上げる方向に付勢している。
【0023】55はエアシリンダで、このエアシリンダ
55は、液貯溜タンク27の蓋28に固定している。こ
のエアシリンダ55は、キャップ33を介してベントチ
ューブ31を昇降させるアクチュエータである。製品液
充填時(液貯溜タンク27内の液圧は大気圧)には、缶
リフタ29により上昇した缶30を介して充填バルブの
リティナ36に嵌合した容器口シールパッキン39によ
り缶口を液体密に密閉し、缶30によりリティナ36を
押し上げるときには、リティナ36の溝に嵌挿している
Oリング(シール部)52を主液ノズる32の上部外周
面に接触させて流体密にし、次いでベントチューブ31
の昇降エアシリンダ55を作動し、ベントチューブ31
を圧縮ばね38の付勢力に抗して押し下げて、ベントチ
ューブ31の下端部の茸弁31cを主液ノズル32の下
端部の弁座32bから離して、液バルブを開き、缶30
内のエアをベントチューブ31から排出して、製品液の
充填を開始する。
【0024】前述のようにリティナ36と主液ノズル3
2と缶30口とを流体密にしているので、缶30に製品
液を充填する。そして缶30内の液面レベルが主液ノズ
ル32の下面に達して、ベントチューブ31内の液面高
さが液貯溜タンク27の液面高さと同じレベルになった
ときに、充填は止まる。この状態になったら、ベントチ
ューブ31の昇降エアシリンダ55を逆方向に作動し、
液バルブを閉じて、製品液の充填を完了する。
【0025】次いで缶30は下降を始めるので、缶55
口の液封を解いて、ベントチューブ31内の液を缶30
内へ入れて、缶30内の製品液を規定容量にする。この
ように製品液充填時には、リティナ36と主液ノズル3
2とが流体密になっているので、リティナ36と主液ノ
ズル32との摺動部が直接充填液に接触することがな
く、また製品液充填中でも、清浄な洗浄水を外部から充
填バルブへ注いで洗浄することが可能になる。
【0026】充填を終わり、缶30が降下し、圧縮ばね
37の付勢力によりリティナ36が押し下げられたとき
には、Oリング(シール部)52が主液ノズル32の下
部の浅い台形断面の円環状溝部32cに到達して、同主
液ノズル32の外周面から離れ、Oリング(シール部)
52の内周面と同主液ノズル32の外周面との間に気体
または液体の流れる隙間が生じて、主液ノズル32の外
面に付着した製品液が下方に流れ易くなる。
【0027】以上の充填機は、液通路や接液部に巻ブッ
シュ、リティナシール等を使用していないため、液通路
に摺動による製品液の滲み出しの心配がなく、微生物の
発生が少ない。また缶30口のシールパッキン39がリ
ティナ36の下面に取付けられているので、サニテーシ
ョンや取替え時のための取外しが簡単、容易に行われ
る。
【0028】上記のようにリティナ36と主液ノズル3
2との摺動部が直接製品液に接触しないが、製品液の飛
沫は、主液ノズル32の下部外面に付着し、製品液が糖
分等の有機物を含んでいれば、これが主液ノズル32の
外面に堆積する可能性があるが、主液ノズル32は、撥
水性材料(例えばテフロン等)製であるので、液充填
時、糖分等の有機物が主液ノズル32の気液の境界に付
着し難くなると同時に作業終了後の洗浄が容易に行われ
る。
【0029】(第2実施形態)図4は洗浄キャップを図
1の充填バルブに装着したときの充填バルブ中の洗浄水
の流れを示す縦断側面図、図5は図4の矢印C部分の拡
大縦断側面図、図6は図4の矢印D部分の側面図、図7
は図4の洗浄キャップ装着時における充填バルブの洗浄
作用説明図である。
【0030】61は洗浄用キャップで、この洗浄用キャ
ップ61は、充填バルブの下部露出部に下から被せ、図
6に示すようにバルブ本体35の円周方向の同一高さ位
置に等間隔に設けた複数のピン57に対してキャップ6
1の鍵形切り欠き孔61aを押し込んで係合し、回し
て、洗浄用キャップ61をバルブ本体35に固定し、バ
ルブ本体35の下部外側及びリティナ36の外周をUパ
ッキン62、Oリング63により液体密に密閉する。6
8、69は排出配管である。
【0031】この状態では、液貯溜タンク27内の洗浄
液が充填バルブの内部を経て洗浄用キャップ61に集め
られて、外部に排出される。その際、充填バルブの通路
が洗浄用キャップ61により完全に覆われているので、
アリカリ性等の洗浄液や熱水による充填バルブの定置洗
浄(CIP)が可能になる。図5に示すようにリティナ
36が最下部に置かれているときは、Oリング(シール
部)52は、主液ノズル32の下部の浅い台形断面の円
環状溝32cの位置にあって、主液ノズル32の外周面
から離れ、Oリング(シール部)52の内側と同ノズル
32の外周面との間に気体または液体の流通可能な隙間
が生じ、矢印で示すように液がこの隙間と、主液ノズル
32とリティナ36との嵌合隙間を経て上部の洗浄用キ
ャップ61の空間61bへ抜け出し、バルブ本体35に
穿設した液通路35cを経て排出配管68から排出され
る。
【0032】洗浄用キャップ61を被せた充填バルブの
洗浄作用を図7により説明する。制御盤(図示せず)の
指示により、電磁弁58を作動して、エアシリンダ55
のピストンロッドを突き出し、ベントチューブ茸弁31
cを押し下げ、主液ノズルから離して、液バルブを開
き、タンク蓋28を被せて密封した液貯溜タンク27に
洗浄液を洗浄液供給タンク(図示せず)からポンプによ
り送り込んで満水状態にし、オーバーフローした洗浄液
を液配管66により上記洗浄液供給タンクへ戻し、オー
バーフローする以外の洗浄液をノズル本体35とベント
チューブ31との間の液通路35aとベントチューブ3
1のエア通路31aとを経て洗浄用キャップ61の底部
61aへ送り、リティナ36の内周溝に嵌挿しているO
リング(シール部)52と主液ノズル溝36a外周面と
の間の隙間を経て洗浄用キャップ61の液室61bへ入
れ、液室61bからバルブ本体内部通路35cを経てバ
ルブ本体35に繋いだ排出配管68から排出して、洗浄
液を充填バルブ内外の全ての部品に接触させて、洗浄す
る。
【0033】この洗浄工程の場合、リティナ36は、圧
縮ばね37により押されて最下端に位置しているが、同
リティナ36は、洗浄用キャップ61の内周の溝に取付
けているOリング63を介して洗浄用キャップ61の内
周面に接触して、流体密に密閉する一方、上下方向への
摺動を可能に保持されているので、液貯溜タンク27中
の洗浄液の圧力を上げ、狭い液通路を通って低下するリ
ティナ36上側の液室61bの洗浄液圧との圧力差を大
きくすることにより、リティナ36の下面側圧力がリテ
ィナ36を押している圧縮ばね37の付勢力を超えるよ
うにすると、リティナ36は、その下面側圧力と圧縮ば
ね37の力とがバランスする位置まで上方へ移動する。
【0034】この作用を利用して、液貯溜タンク中の洗
浄液の圧力を増減させて(例えば液配管66に絞り弁を
設けて、液貯溜タンク内にある程度の液圧を保持させ、
液配管66に設置した操作弁72を開閉して)、リティ
ナ36を上下方向に繰り返し移動させることにより、主
液ノズル32外周面とリティナ36の隙間を揺動洗浄す
る。
【0035】(第3実施形態)図8は洗浄キャップを図
1の充填バルブに装着したときの充填バルブ中の洗浄水
の流れを示す洗浄作用説明図である。前記第2実施形態
と同様に充填バルブのバルブ本体35の外側下部及びリ
ティナ36の外周を、洗浄用キャップ61により液体密
に鞘封して洗浄するとき、液貯溜タンク27にタンク蓋
28を被せて密閉し、洗浄液供給タンク(図示せず)へ
の戻し液配管66を操作弁75により閉じ、液レベルセ
ンサ56と流量調整弁74とにより、洗浄液水位をベン
トチューブ31の上部開口部より下げた位置に保ち、エ
ア配管67に設けた3方向操作弁76により清浄圧縮エ
ア回路を開いて、液貯溜タンク27に圧縮エアを送るか
(図8の場合)、または液貯溜タンク27を大気圧と、
排出配管68に吸出ポンプを連結して負圧にするか、ど
ちらでもよいが、洗浄液がノズル本体32とベントチュ
ーブ31との間の液通路32aを通るときの水流れ抵抗
による洗浄用キャップ61の下部室61a側の洗浄液の
圧力降下を利用して、洗浄液を液貯溜タンク27上部の
エアのベントチューブ31のエア通路31aを経て洗浄
用キャップ61の底部61aへ吹き込んで、この洗浄液
をエアバブル洗浄液とする。
【0036】このエアバブル洗浄液をリティナ36と、
その内周溝に嵌挿しているOリング(シール部)52の
内周面と主液ノズル32の外周面との間の隙間を通し
て、この部分を洗浄する。このエア混入で軽くなり、増
量して、流速を増したエアバブル洗浄液は、洗浄効果が
著しく向上する。エアバブル洗浄液は、一旦、リティナ
36の上方の洗浄用キャップ61に囲まれた液室61b
に溜められ、その後、バルブ本体35に繋いだ排出配管
68より排出される。
【0037】操作弁77は、洗浄工程が終わり、洗浄液
を抜き、水洗したのち、洗浄用キャップ51を取外す直
前に閉じて、洗浄用キャップ61内に残った洗浄液また
は洗浄水を除くために設けられている。本実施形態の充
填バルブをロータリ充填機に利用する場合、液貯溜タン
ク27は、縦軸周りに回転する水平の矩形断面円環形状
になり、充填バルブが同一円周上の等間隔位置に配置さ
れ、ベントチューブ31の駆動用エアシリンダ55と電
磁弁58とが充填バルブと同数回転側に配置される。図
示を省略したが、液配管とエア配管とは、固定側からロ
ータリジョイント、マニホールド配管を介して液貯溜タ
ンク27に連結される。
【0038】充填時、充填バルブは、回転移動し、外側
の固定部の定角度位置において充填の各工程が行われ、
洗浄時には、充填バルブ及び液貯溜タンク27は、回転
を停止した状態で洗浄液或いは圧縮エアが送られて、洗
浄作業が行われる。
【0039】
【発明の効果】本発明の充填バルブは前記のように液通
路や接液部に巻ブッシュ、リティナシール等を使用して
いないため、液通路において摺動により液の滲み出る心
配がなく、製品液充填時は、リティナと主液ノズルとが
流体密になるが、リティナと主液ノズルとの摺動部は直
接製品液に接触することなく、製品液充填時、固形不純
物や製品液の糖分等の有機物の堆積を少なくできて(微
生物の発生を少なくできて)、サニテーション処理を容
易に行うことができる。
【0040】またバルブ本体及びスリーブの外部を取り
囲む部材を有していないので、充填中でも外洗ノズル等
により清浄な洗浄水を注いで洗浄することができる。ま
た容器口のシールパッキンはリティナの下面に取付けて
あるので、サニテーションや取替え時のための取外しを
簡単、容易に行うことができる。また主液ノズルをテフ
ロン等の撥水性材料により構成するか、撥水性材料を主
液ノズルにコートするので、液充填時(コーヒー等の甘
味飲料の液充填時)、糖分等の有機物を主液ノズル外面
の気液の境界に付着させ難くすることができると同時に
作業終了後の洗浄を容易に行うことができる。
【0041】また充填バルブの構成が簡単である上に、
バルブ本体及びリティナ外径が小さく、前記従来の充填
バルブよりもバルブ全体の外径を小さくできて、製作コ
ストを低減できる。また充填バルブの洗浄時には、バル
ブ本体下部以下の露出部の全体を洗浄用キャップにより
液体密に鞘封し、洗浄液がバルブ内外の全ての部品に接
触して流通する一方、その排液を集めることができるの
で、アルカリ性等の洗剤液を使用できる。
【0042】また液貯溜タンク中の洗浄液の圧力を増減
させることにより、主液ノズル外周面とリティナとの間
の隙間を揺動洗浄することができる。また液貯溜タンク
のエアをベントチューブを経て液バルブ周りの洗浄液へ
吹き込んで、エアバブル洗浄液とし、このエアバブル洗
浄液をリティナ溝内に嵌挿したシール材とノズル外周面
との間の隙間へ送るので、最も固形物の堆積し易いこの
部分を十分に洗浄することができる。このエアバブル洗
浄液は、エア混入により軽くなり、増量して、流速を増
すので、洗浄効果を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る充填バルブ
の縦断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A断面図である。
【図3】図3は、図1のB−B断面図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施例に係る洗浄キャッ
プを装着した図1の充填バルブと、同充填バルブ中の洗
浄水の流れを表す断面図である。
【図5】図5は、図4のC部拡大図である。
【図6】図6は、図4のD矢視した側面図である。
【図7】図7は、図4の洗浄キャップを装着した充填バ
ルブの洗浄作用を示す配管系統図である。
【図8】図8は、本発明の第3実施例に係る図4の洗浄
キャップを装着した充填バルブの洗浄作用を示す配管系
統図である。
【図9】図9は、従来の充填バルブを示す縦断面図であ
る。
【図10】図10は、図5の充填バルブを構成するスリ
ーブに嵌合するブッシュの斜視図である。
【符号の説明】
27 液貯溜タンク 28 タンク蓋 30 容器 31 ベントチューブ 31a 液通路 32 主液ノズル 32a 液通路 35 バルブ本体 36 リティナ 36a 液通路 37、38 圧縮ばね 39 シールパッキン 40 ストッパリング 52 シール部(Oリング) 55 エアシリンダ 61 洗浄キャップ
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 充填バルブと充填バルブの洗浄装置及
び洗浄方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器を上昇させ、
容器口部をシール部材に当接させて、充填液貯溜タンク
内の液を容器へ充填する液体の充填バルブと、充填バル
ブの洗浄装置及び洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、充填液タンクの底面にタンク内に
通じるように固定した筒状のバルブボディと、同バルブ
ボディの内周面に摺動可能に嵌挿してスリーブの内部に
液通路を形成したスリーブと、バルブボディ及びスリー
ブと同じ中心線を持つようにバルブに固定、配置してベ
ントチューブの内部に排気通路を形成したベントチュー
ブと、スリーブの上昇により開くスリーブの下端部とベ
ントチューブの下端円錐面とにより構成した液バルブと
よりなる充填バルブは、公知である。
【0003】この充填バルブでは、液を充填するとき、
上昇する容器の口部によりスリーブを押し上げて、液バ
ルブを開き、充填液タンク内の充填液を自重により液通
路を経て容器内に流下させると同時に容器内の空気をベ
ントチューブを経て充填液タンク内へ排出して、容器内
に液を満たし、容器内の液面がベントチューブの下端に
達し、液がベントチューブ内を上昇して、充填液タンク
の液面と同一レベルになったときに、充填を停止する一
方、容器の下降により液バルブを閉じるようになってい
る。
【0004】上記充填バルブは、充填作業が終了したと
きや、充填する液種を替える場合等に、液通路、充填液
タンク、液バルブの内外その他、充填液が触れた部分を
洗浄しなければならない。洗浄は、通常、充填バルブの
下部に下方から洗浄カップを装着し、充填液の代わりに
洗浄液を供給し、充填バルブを開いた状態で洗浄液を充
填バルブ内部や液通路を通過させるようにしている。
【0005】固定のバルブボディと昇降するスリーブと
の摺動部には、シール材を設け、充填バルブの内外を液
体密にしているが、このような洗浄方法では、充填液の
代わりに洗浄液を充填バルブに供給しても、このシール
材がスリーブの外周面に密着したままであるため、シー
ル材やスリーブの外周面の摺動部を充分に洗浄すること
ができない。
【0006】この問題を解決するため、スリーブとシー
ル材との摺動部よりも下方に、スリーブの摺動面よりも
小径の逃げ部を形成し、洗浄時には、スリーブを充填時
のストロークよりも大きく上昇させて、バルブボディの
シール部とスリーブの逃げ部との位置を合致させること
により、スリーブの外面とシール材の内部との間に洗浄
液の通過可能な間隙を形成して、スリーブの摺動部とシ
ール材とを洗浄し、同時に充填バルブの外側に洗浄液を
回流させて、洗浄を可能にした充填バルブ洗浄装置が既
に提案されている(特開平6−263192号公報)。
【0007】この充填バルブ洗浄装置の概略を図9によ
り説明すると、充填バルブは、充填液タンク2の底面に
固定した筒状のバルブボディ4と、このバルブボディ4
の内面に取付けたシール部材10を介してバルブボディ
4の内部を昇降するスリーブ8と、これらバルブボディ
4及びスリーブ8の内部に嵌挿するとともにバルブボデ
ィ4に固定した排気管6と、スリーブ8と排気管6との
下端部8d,6aに設けてスリーブ8の昇降(ストロー
クをSで示す)により開閉する液バルブ26と、充填液
タンク2の下面に固定してバルブボディ4とスリーブ8
との周りに位置して同スリーブ8の昇降を案内する外筒
12とにより構成されている。
【0008】そして上記スリーブ8のうち、シール部材
10に対する摺動部8aよりも下方の部分に同摺動部8
aよりも小径の小径部8fを形成し、同小径部18fよ
りも下方の大径部にブッシュ18、20を取付け、同ブ
ッシュ18、20に図10に示すように洗浄液の通過を
許容する連通路18a、20aを設け、洗浄時には、ス
リーブ8をストロークSよりさらに上昇させて、小径部
8fをシール部材10の内周側に位置させ、両者間に間
隙Cを形成するようにしている。
【0009】上記充填バルブでは、スリーブ8を通常の
充填時よりも上昇させて、小径部8fをシール部材10
の内周側に位置させると、バルブボディ4とスリーブ8
との間に通路Dが形成され、シール部材10とこのシー
ル部材10に対して摺動するスリーブ8との間に間隙C
が形成されて、洗浄液の流通が可能になる。またスリー
ブ8の外面と外筒12の内面との摺動部にも連通路18
a、20aが形成されて、洗浄液の通過が可能にになっ
ているので、充填バルブ内の各摺動部の全体が洗浄され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記図9、図10に示
す従来の充填バルブでは、バルブボディ4に設けたシー
ル部材10とスリーブ8とが摺動するとき、充填液が微
量ずつ漏れ出てくることが経験的に知られており、この
ため、充填バルブの外面が汚れたりする。特に糖分を有
する高温の充填液を充填する場合は、充填液の上昇境界
面付近において、この充填液中の糖分が飴状になるか、
固化して、シュガセメント状態になるので、充填バルブ
に作動不良を生じる上に、微生物対策上も好ましくな
い。
【0011】このため、製造運転中でも充填状態を止め
ることなく、外部から容易に洗浄水(水または湯)がか
けられ且つ充填バルブの洗浄時にバルブボディ4とスリ
ーブ8との摺動部を洗浄する必要があるが、この充填バ
ルブでは、スリーブ8の摺動部分が外筒12で完全に覆
われているので、運転中の洗浄が不可能で、分解掃除を
しなければ、こびりついた糖分を完全に除去するのが困
難である。
【0012】またOリング及びOリング溝部が最も汚染
しやすいが、この充填バルブでは、隙間部の後にOリン
グがあり、Oリング部に摺動部から取り除かれた汚れが
溜まり易いが、容器口パッキンがスリーブ8の深い溝の
奥に嵌め込まれているので、取外しが困難である。また
液バルブ26を経由する流れとバルブボディ4のシール
部材を経由する流れとが外筒12の出口までの間で合流
するが、バルブボディ4内は流れ易く、シール部材10
側は狭くて流れ難いので、シール部材10側は洗浄液の
流れが弱くなって、洗浄効果が低下する。
【0013】さらに洗浄水にエアバブリングをすると、
洗浄効果が増大するが、この充填バルブでは、スリーブ
8の摺動部が排気管6のエア通路から離れた場所にある
ので、エアバブリングが不適当な構造になっている。本
発明は前記の問題点に鑑み提案するものであり、その目
的とする処は、サニテーション処理を容易に行うこと
ができ、サニテーションや取替え時のための取外しを
簡単、容易に行うことができ、糖分等の有機物を主液
ノズル外面の気液の境界に付着させ難くすることができ
ると同時に作業終了後の洗浄を容易に行うことができ、
製作コストを低減でき、アルカリ性等の洗剤液を使
用でき、主液ノズル外周面とリティナとの間の隙間を
揺動洗浄することができ、最も固形物の堆積し易いシ
ール材とノズル外周面との間の隙間を十分に洗浄するこ
とができ、洗浄効果を向上できる充填バルブと充填バ
ルブの洗浄装置及び洗浄方法を提供しようとする点にあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、容器を上昇させ、容器口部をシール部
材へ当接させて、液貯溜タンク内の液を容器へ充填する
充填バルブにおいて、前記液貯溜タンクの底面に固定し
てバルブ本体の内部に同液貯溜タンクに連通する液通路
を形成した筒状のバルブ本体と、同バルブ本体の下部に
同芯にバルブ本体に一体に組付けて下方に向かい拡開し
た弁座部を形成した主液ノズルと、同主液ノズルの外周
面に摺動可能に嵌挿するとともに上部には外部に連通す
る円環状溝を設け下部には上昇してくる容器の開口部に
当接して前記主液ノズルを液体密にシールするシール部
を設けたリティナと、前記バルブ本体と前記リティナと
の間に介装して同リティナを下方に付勢するばねと、中
心軸を貫通するベント孔を有し下部が末広がり円錐状弁
を形成し前記バルブ本体及び前記主液ノズルの内部を昇
降して前記液通路を前記主液ノズルの下部位置で開閉す
るベントチューブと、前記液貯溜タンク内で同ベントチ
ューブの外周に固定したストッパリングと前記バルブ本
体の肩部との間に介装して同ベントチューブを押し上げ
方向に付勢するばねと、前記ベントチューブの昇降機構
とよりなり、容器により前記リティナが前記ばねに抗し
て押し上げられたときには、前記リティナのシール部を
前記主液ノズルの上部外周面に流体密に接触させ、それ
とは逆に前記ばねにより前記リティナが押し下げられた
ときには、前記シール部を主液ノズルの下部の円環状溝
部に到達させ、同主液ノズルの外周面から離して、前記
シール部の内周面と同主液ノズルの外周面との間に気体
または液体の流通可能な隙間を生じさせるように構成し
ている(請求項1)。
【0015】前記請求項1記載の充填バルブにおいて、
主液ノズルをテフロン等の撥水性材料により構成する
か、撥水性材料を同主液ノズルにコートして、製品液充
填時に液中の糖分等の有機物を気液の境界に付着させ難
くすると同時に作業終了後の洗浄を容易にするようにし
てもよい(請求項2)。前記請求項1、2記載の充填バ
ルブの洗浄装置において、バルブ本体の外側下部及び前
記リティナの外周部を洗浄用キャップにより液体密に鞘
封し、前記ベントチューブの昇降機構により前記ベント
チューブの円錐状弁を押し下げて前記主液ノズルを開い
たときに、洗浄液を満水した前記液貯溜タンクから洗浄
液を前記ノズル本体と前記ベントチューブとの間の液通
路とベントチューブのベント孔とを経て洗浄用キャップ
へ送り、さらに前記リティナのシール部とノズル外周面
との間の隙間を経て前記バルブ本体に連絡した排出配管
へ送って排出することにより、洗浄液を充填バルブ内外
の全ての部品に接触、流通させるようにしている(請求
項3)。
【0016】前記請求項1、2記載の充填バルブの洗浄
方法において、液貯溜タンクを上蓋により密封し、液貯
溜タンクに洗浄液レベルセンサを設け、洗浄液供給配管
に同洗浄液レベルセンサに接続した流量調整弁を設け
て、洗浄液水位を前記ベントチューブの上部開口部より
も下の位置に保ち、前記液貯溜タンクに圧縮エアを送
り、または前記液貯溜タンクを大気圧にして、前記排出
配管をポンプに連結して、洗浄液を吸出し、この洗浄液
が前記ノズル本体と前記ベントチューブとの間の液通路
を通るときの水流れ抵抗による洗浄キャップ位置の洗浄
液側の圧力降下を利用して液貯溜タンクのエアを前記ベ
ントチューブから洗浄キャップ位置の洗浄液内へ供給し
て互いを混合させることよりエアバブル洗浄液とし、こ
のエアバブル洗浄液により前記リティナ溝のシール部と
ノズル外周面との間の隙間を洗浄するようにしている
(請求項4)。
【0017】
【発明の実施の形態】 (第1実施形態)本発明の充填バルブの第1実施形態を
図1〜図3により説明する。図1は本発明の第1実施形
態である無圧充填飲料缶用充填バルブの縦断側面図、図
2は図1の矢視A−A線に沿う横断平面図、図3は図1
の矢視B−B線に沿う横断平面図である。
【0018】図1の30は缶、29は缶30を昇降させ
る缶リフタ、29aは缶リフタ29に取付けられて缶3
0を充填機の直下に位置決めする缶ホルダ、27は液貯
溜タンク、28は液貯溜タンクの蓋である。35は筒状
のバルブ本体で、同バルブ本体35は、固定部材54に
より液貯溜タンク27の底面に固定され、同バルブ本体
35のリング溝には、中リング50が嵌挿されている。
【0019】このバルブ本体35の内部には、図2に示
すように液貯溜タンク27に連通する液通路35a、3
5bが形成されている。32は撥水性材料(例えばテフ
ロン等)により構成された主液ノズルで、この主液ノズ
ル32の内部には、液通路35aに続く液通路32aが
形成され、この主液ノズル32は、バルブ本体35の下
端筒部に同芯に螺合され、バルブ本体35と主液ノズル
32との間には、Oリング49、51が介装されて、主
液ノズル32がバルブ本体35に液体密に組付けられ、
主液ノズル32の下端部内側に弁座部32bが形成さ
れ、主液ノズル32の下端筒部の外周には、円環状の円
環状溝32cが形成されている。
【0020】36はリティナで、このリティナ36は、
主液ノズル32の外側に隙間を設けて摺動可能に嵌挿さ
れ、このリティナ36の上部には、外部に連通する窓3
6bを有する円環状溝が設けられ、このリティナ36の
下部には、主液ノズル32を液体密にシールするテフロ
ン製Oリング(シール部)52を嵌挿する溝が設けら
れ、下端分には、缶30口のシールパッキン39が嵌入
するリング溝が設けられている。
【0021】37は圧縮ばねで、この圧縮ばね37は、
バルブ本体35とリティナ36との間に介装されて、リ
ティナ36を下方に付勢している。31はベントチュー
ブで、同ベントチューブ31は、中心軸線に沿って貫通
するエア通路31aを有し、このベントチューブ31の
下部には、末広がり円錐状の茸弁31cが形成され、こ
のベントチューブ31は、図1、図3に示すようにガイ
ド羽31bを介してバルブ本体35及び主液ノズル32
によりガイドされ、その内部を昇降して、液通路35
a、32aを主液ノズル32の下部で開閉するようにな
っている。53は中リングである。
【0022】ベントチューブ31の上部は、バルブ本体
35の上端部に固定したガイド41により案内される。
38は圧縮ばねで、この圧縮ばね38は、ベントチュー
ブ31に止輪42を介して位置決めされるストッパリン
グ40とバルブ本体35の肩部との間に介装されて、ベ
ントチューブ31を押し上げる方向に付勢している。
【0023】55はエアシリンダで、このエアシリンダ
55は、液貯溜タンク27の蓋28に固定している。こ
のエアシリンダ55は、キャップ33を介してベントチ
ューブ31を昇降させるアクチュエータである。製品液
充填時(液貯溜タンク27内の液圧は大気圧)には、缶
リフタ29により上昇した缶30を介して充填バルブの
リティナ36に嵌合した容器口シールパッキン39によ
り缶口を液体密に密閉し、缶30によりリティナ36を
押し上げるときには、リティナ36の溝に嵌挿している
Oリング(シール部)52を主液ノズる32の上部外周
面に接触させて流体密にし、次いでベントチューブ31
の昇降エアシリンダ55を作動し、ベントチューブ31
を圧縮ばね38の付勢力に抗して押し下げて、ベントチ
ューブ31の下端部の茸弁31cを主液ノズル32の下
端部の弁座部32bから離して、液バルブを開き、缶3
0内のエアをベントチューブ31から排出して、製品液
の充填を開始する。
【0024】前述のようにリティナ36と主液ノズル3
2と缶30口とを流体密にしているので、缶30に製品
液を充填する。そして缶30内の液面レベルが主液ノズ
ル32の下面に達して、ベントチューブ31内の液面高
さが液貯溜タンク27の液面高さと同じレベルになった
ときに、充填は止まる。この状態になったら、ベントチ
ューブ31の昇降エアシリンダ55を逆方向に作動し、
液バルブを閉じて、製品液の充填を完了する。
【0025】次いで缶30は下降を始めるので、缶55
口の液封を解いて、ベントチューブ31内の液を缶30
内へ入れて、缶30内の製品液を規定容量にする。この
ように製品液充填時には、リティナ36と主液ノズル3
2とが流体密になっているので、リティナ36と主液ノ
ズル32との摺動部が直接充填液に接触することがな
く、また製品液充填中でも、清浄な洗浄水を外部から充
填バルブへ注いで洗浄することが可能になる。
【0026】充填を終わり、缶30が降下し、圧縮ばね
37の付勢力によりリティナ36が押し下げられたとき
には、Oリング(シール部)52が主液ノズル32の下
部の円環状の円環状溝部32cに到達して、同主液ノズ
ル32の外周面から離れ、Oリング(シール部)52の
内周面と同主液ノズル32の外周面との間に気体または
液体の流れる隙間が生じて、主液ノズル32の外面に付
着した製品液が下方に流れ易くなる。
【0027】以上の充填機は、液通路や接液部に巻ブッ
シュ、リティナシール等を使用していないため、液通路
に摺動による製品液の滲み出しの心配がなく、微生物の
発生が少ない。また缶30口のシールパッキン39がリ
ティナ36の下面に取付けられているので、サニテーシ
ョンや取替え時のための取外しが簡単、容易に行われ
る。
【0028】上記のようにリティナ36と主液ノズル3
2との摺動部が直接製品液に接触しないが、製品液の飛
沫は、主液ノズル32の下部外面に付着し、製品液が糖
分等の有機物を含んでいれば、これが主液ノズル32の
外面に堆積する可能性があるが、主液ノズル32は、撥
水性材料(例えばテフロン等)製であるので、液充填
時、糖分等の有機物が主液ノズル32の気液の境界に付
着し難くなると同時に作業終了後の洗浄が容易に行われ
る。
【0029】(第2実施形態)図4は洗浄キャップを図
1の充填バルブに装着したときの充填バルブ中の洗浄水
の流れを示す縦断側面図、図5は図4の矢印C部分の拡
大縦断側面図、図6は図4の矢印D部分の側面図、図7
は図4の洗浄キャップ装着時における充填バルブの洗浄
作用説明図である。
【0030】61は洗浄用キャップで、この洗浄用キャ
ップ61は、充填バルブの下部露出部に下から被せ、図
6に示すようにバルブ本体35の円周方向の同一高さ位
置に等間隔に設けた複数のピン57に対してキャップ6
1の鍵形切り欠き孔61aを押し込んで係合し、回し
て、洗浄用キャップ61をバルブ本体35に固定し、バ
ルブ本体35の下部外側及びリティナ36の外周をUパ
ッキン62、Oリング63により液体密に密閉する。6
8、69は排出配管である。
【0031】この状態では、液貯溜タンク27内の洗浄
液が充填バルブの内部を経て洗浄用キャップ61に集め
られて、外部に排出される。その際、充填バルブの通路
が洗浄用キャップ61により完全に覆われているので、
アリカリ性等の洗浄液や熱水による充填バルブの定置洗
浄(CIP)が可能になる。図5に示すようにリティナ
36が最下部に置かれているときは、Oリング(シール
部)52は、主液ノズル32の下部の円環状の円環状溝
32cの位置にあって、主液ノズル32の外周面から離
れ、Oリング(シール部)52の内側と同ノズル32の
外周面との間に気体または液体の流通可能な隙間が生
じ、矢印で示すように液がこの隙間と、主液ノズル32
とリティナ36との嵌合隙間を経て上部の洗浄用キャッ
プ61の空間61bへ抜け出し、バルブ本体35に穿設
した液通路35cを経て排出配管68から排出される。
【0032】洗浄用キャップ61を被せた充填バルブの
洗浄作用を図7により説明する。制御盤(図示せず)の
指示により、電磁弁58を作動して、エアシリンダ55
のピストンロッドを突き出し、ベントチューブ茸弁31
cを押し下げ、主液ノズルから離して、液バルブを開
き、タンク蓋28を被せて密封した液貯溜タンク27に
洗浄液を洗浄液供給タンク(図示せず)からポンプによ
り送り込んで満水状態にし、オーバーフローした洗浄液
を液配管66により上記洗浄液供給タンクへ戻し、オー
バーフローする以外の洗浄液をノズル本体35とベント
チューブ31との間の液通路35aとベントチューブ3
1のエア通路31aとを経て洗浄用キャップ61の底部
61aへ送り、リティナ36の内周溝に嵌挿しているO
リング(シール部)52と主液ノズル溝36a外周面と
の間の隙間を経て洗浄用キャップ61の液室61bへ入
れ、液室61bからバルブ本体内部通路35cを経てバ
ルブ本体35に繋いだ排出配管68から排出して、洗浄
液を充填バルブ内外の全ての部品に接触させて、洗浄す
る。
【0033】この洗浄工程の場合、リティナ36は、圧
縮ばね37により押されて最下端に位置しているが、同
リティナ36は、洗浄用キャップ61の内周の溝に取付
けているOリング63を介して洗浄用キャップ61の内
周面に接触して、流体密に密閉する一方、上下方向への
摺動を可能に保持されているので、液貯溜タンク27中
の洗浄液の圧力を上げ、狭い液通路を通って低下するリ
ティナ36上側の液室61bの洗浄液圧との圧力差を大
きくすることにより、リティナ36の下面側圧力がリテ
ィナ36を押している圧縮ばね37の付勢力を超えるよ
うにすると、リティナ36は、その下面側圧力と圧縮ば
ね37の力とがバランスする位置まで上方へ移動する。
【0034】この作用を利用して、液貯溜タンク中の洗
浄液の圧力を増減させて(例えば液配管66に絞り弁を
設けて、液貯溜タンク内にある程度の液圧を保持させ、
液配管66に設置した操作弁72を開閉して)、リティ
ナ36を上下方向に繰り返し移動させることにより、主
液ノズル32外周面とリティナ36の隙間を揺動洗浄す
る。
【0035】(第3実施形態)図8は洗浄キャップを図
1の充填バルブに装着したときの充填バルブ中の洗浄水
の流れを示す洗浄作用説明図である。前記第2実施形態
と同様に充填バルブのバルブ本体35の外側下部及びリ
ティナ36の外周を、洗浄用キャップ61により液体密
に鞘封して洗浄するとき、液貯溜タンク27にタンク蓋
28を被せて密閉し、洗浄液供給タンク(図示せず)へ
の戻し液配管66を操作弁75により閉じ、液レベルセ
ンサ56と流量調整弁74とにより、洗浄液水位をベン
トチューブ31の上部開口部より下げた位置に保ち、エ
ア配管67に設けた3方向操作弁76により清浄圧縮エ
ア回路を開いて、液貯溜タンク27に圧縮エアを送るか
(図8の場合)、または液貯溜タンク27を大気圧と、
排出配管68に吸出ポンプを連結して負圧にするか、ど
ちらでもよいが、洗浄液がノズル本体32とベントチュ
ーブ31との間の液通路32aを通るときの水流れ抵抗
による洗浄用キャップ61の下部室61a側の洗浄液の
圧力降下を利用して、洗浄液を液貯溜タンク27上部の
エアのベントチューブ31のエア通路31aを経て洗浄
用キャップ61の底部61aへ吹き込んで、この洗浄液
をエアバブル洗浄液とする。
【0036】このエアバブル洗浄液をリティナ36と、
その内周溝に嵌挿しているOリング(シール部)52の
内周面と主液ノズル32の外周面との間の隙間を通し
て、この部分を洗浄する。このエア混入で軽くなり、増
量して、流速を増したエアバブル洗浄液は、洗浄効果が
著しく向上する。エアバブル洗浄液は、一旦、リティナ
36の上方の洗浄用キャップ61に囲まれた液室61b
に溜められ、その後、バルブ本体35に繋いだ排出配管
68より排出される。
【0037】操作弁77は、洗浄工程が終わり、洗浄液
を抜き、水洗したのち、洗浄用キャップ51を取外す直
前に閉じて、洗浄用キャップ61内に残った洗浄液また
は洗浄水を除くために設けられている。本実施形態の充
填バルブをロータリ充填機に利用する場合、液貯溜タン
ク27は、縦軸周りに回転する水平の矩形断面円環形状
になり、充填バルブが同一円周上の等間隔位置に配置さ
れ、ベントチューブ31の駆動用エアシリンダ55と電
磁弁58とが充填バルブと同数回転側に配置される。図
示を省略したが、液配管とエア配管とは、固定側からロ
ータリジョイント、マニホールド配管を介して液貯溜タ
ンク27に連結される。
【0038】充填時、充填バルブは、回転移動し、外側
の固定部の定角度位置において充填の各工程が行われ、
洗浄時には、充填バルブ及び液貯溜タンク27は、回転
を停止した状態で洗浄液或いは圧縮エアが送られて、洗
浄作業が行われる。
【0039】
【発明の効果】本発明の充填バルブは前記のように液通
路や接液部に巻ブッシュ、リティナシール等を使用して
いないため、液通路において摺動により液の滲み出る心
配がなく、製品液充填時は、リティナと主液ノズルとが
流体密になるが、リティナと主液ノズルとの摺動部は直
接製品液に接触することなく、製品液充填時、固形不純
物や製品液の糖分等の有機物の堆積を少なくできて(微
生物の発生を少なくできて)、サニテーション処理を容
易に行うことができる。
【0040】またバルブ本体及びスリーブの外部を取り
囲む部材を有していないので、充填中でも外洗ノズル等
により清浄な洗浄水を注いで洗浄することができる。ま
た容器口のシールパッキンはリティナの下面に取付けて
あるので、サニテーションや取替え時のための取外しを
簡単、容易に行うことができる。また主液ノズルをテフ
ロン等の撥水性材料により構成するか、撥水性材料を主
液ノズルにコートするので、液充填時(コーヒー等の甘
味飲料の液充填時)、糖分等の有機物を主液ノズル外面
の気液の境界に付着させ難くすることができると同時に
作業終了後の洗浄を容易に行うことができる。
【0041】また充填バルブの構成が簡単である上に、
バルブ本体及びリティナ外径が小さく、前記従来の充填
バルブよりもバルブ全体の外径を小さくできて、製作コ
ストを低減できる。また充填バルブの洗浄時には、バル
ブ本体下部以下の露出部の全体を洗浄用キャップにより
液体密に鞘封し、洗浄液がバルブ内外の全ての部品に接
触して流通する一方、その排液を集めることができるの
で、アルカリ性等の洗剤液を使用できる。
【0042】また液貯溜タンク中の洗浄液の圧力を増減
させることにより、主液ノズル外周面とリティナとの間
の隙間を揺動洗浄することができる。また液貯溜タンク
のエアをベントチューブを経て液バルブ周りの洗浄液へ
吹き込んで、エアバブル洗浄液とし、このエアバブル洗
浄液をリティナ溝内に嵌挿したシール材とノズル外周面
との間の隙間へ送るので、最も固形物の堆積し易いこの
部分を十分に洗浄することができる。このエアバブル洗
浄液は、エア混入により軽くなり、増量して、流速を増
すので、洗浄効果を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る充填バルブ
の縦断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A断面図である。
【図3】図3は、図1のB−B断面図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施例に係る洗浄キャッ
プを装着した図1の充填バルブと、同充填バルブ中の洗
浄水の流れを表す断面図である。
【図5】図5は、図4のC部拡大図である。
【図6】図6は、図4のD矢視した側面図である。
【図7】図7は、図4の洗浄キャップを装着した充填バ
ルブの洗浄作用を示す配管系統図である。
【図8】図8は、本発明の第3実施例に係る図4の洗浄
キャップを装着した充填バルブの洗浄作用を示す配管系
統図である。
【図9】図9は、従来の充填バルブを示す縦断面図であ
る。
【図10】図10は、図5の充填バルブを構成するスリ
ーブに嵌合するブッシュの斜視図である。
【符号の説明】 27 液貯溜タンク 28 タンク蓋 30 容器 31 ベントチューブ 31a 液通路 32 主液ノズル 32a 液通路 35 バルブ本体 36 リティナ 36a 液通路 37、38 圧縮ばね 39 シールパッキン 40 ストッパリング 52 シール部(Oリング) 55 エアシリンダ 61 洗浄キャップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器を上昇させ、容器口部をシール部材
    へ当接させて、液貯溜タンク内の液を容器へ充填する充
    填バルブにおいて、前記液貯溜タンクの底面に固定して
    バルブ本体の内部に同液貯溜タンクに連通する液通路を
    形成した筒状のバルブ本体と、同バルブ本体の下部に同
    芯にバルブ本体に一体に組付けて下方に向かい拡開した
    液通路開口部を形成した主液ノズルと、同主液ノズルの
    外周面に摺動可能に嵌挿するとともに上部には外部に連
    通する円環状内溝を設け下部には上昇してくる容器の開
    口部に当接して前記主液ノズルを液体密にシールするシ
    ール部を設けたリティナと、前記バルブ本体と前記リテ
    ィナとの間に介装して同リティナを下方に付勢するばね
    と、中心軸を貫通するベント孔を有し下部が末広がり円
    錐状弁を形成し前記バルブ本体及び前記主液ノズルの内
    部を昇降して前記液通路を前記主液ノズルの下部位置で
    開閉するベントチューブと、前記液貯溜タンク内で同ベ
    ントチューブの外周に固定したストッパリングと前記バ
    ルブ本体の肩部との間に介装して同ベントチューブを押
    し上げ方向に付勢するばねと、前記ベントチューブの昇
    降機構とよりなり、容器により前記リティナが前記ばね
    に抗して押し上げられたときには、前記リティナのシー
    ル部を前記主液ノズルの上部外周面に流体密に接触さ
    せ、それとは逆に前記ばねにより前記リティナが押し下
    げられたときには、前記シール部を主液ノズルの下部の
    浅い台形断面溝部に到達させ、同主液ノズルの外周面か
    ら離して、前記シール部の内周面と同主液ノズルの外周
    面との間に気体または液体の流通可能な隙間を生じさせ
    るように構成したことを特徴とする充填バルブ。
  2. 【請求項2】 前記主液ノズルをテフロン等の撥水性材
    料により構成するか、撥水性材料を同主液ノズルにコー
    トして、製品液充填時に液中の糖分等の有機物を気液の
    境界に付着させ難くすると同時に作業終了後の洗浄を容
    易にする請求項1記載の充填バルブ。
  3. 【請求項3】 前記バルブ本体の外側下部及び前記リテ
    ィナの外周部を洗浄用キャップにより液体密に鞘封し、
    前記ベントチューブの開閉機構により前記ベントチュー
    ブの円錐状弁を押し下げて前記主液ノズルを開いたとき
    に、洗浄液を満水した前記液貯溜タンクから洗浄液を前
    記ノズル本体と前記ベントチューブとの間の液通路とベ
    ントチューブのベント孔とを経て洗浄用キャップへ送
    り、さらに前記リティナのシール部とノズル外周面との
    間の隙間を経て前記バルブ本体に連絡した排出配管へ送
    って排出することにより、洗浄液を充填バルブ内外の全
    ての部品に接触、流通させることを特徴とした充填バル
    ブ洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記液貯溜タンクを上蓋により密封し、
    液貯溜タンクに洗浄液レベルセンサを設け、洗浄液供給
    配管に同洗浄液レベルセンサに接続した流量調整弁を設
    けて、洗浄液水位を前記ベントチューブの上部開口部よ
    りも下の位置に保ち、前記液貯溜タンクに圧縮エアを送
    り、または前記液貯溜タンクを大気圧にして、前記排出
    配管をポンプに連結して、洗浄液を吸出し、この洗浄液
    が前記ノズル本体と前記ベントチューブとの間の液通路
    を通るときの水流れ抵抗による洗浄キャップ位置の洗浄
    液側の圧力降下を利用して液貯溜タンクのエアを前記ベ
    ントチューブから洗浄キャップ位置の洗浄液内へ供給し
    て互いを混合させることよりエアバブル洗浄液とし、こ
    のエアバブル洗浄液により前記リティナ溝のシール部と
    ノズル外周面との間の隙間を洗浄することを特徴とした
    充填バルブ洗浄方法。
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JP2009029448A (ja) * 2007-07-25 2009-02-12 Shibuya Machinery Co Ltd 充填装置

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