JPH09164196A - 体液処理方法およびその装置 - Google Patents

体液処理方法およびその装置

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JPH09164196A
JPH09164196A JP7328551A JP32855195A JPH09164196A JP H09164196 A JPH09164196 A JP H09164196A JP 7328551 A JP7328551 A JP 7328551A JP 32855195 A JP32855195 A JP 32855195A JP H09164196 A JPH09164196 A JP H09164196A
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JP
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protein
substance
binding
body fluid
membrane
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JP7328551A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Hosoya
範行 細矢
Satoru Kanuka
悟 鹿糠
Masatomi Sasaki
正富 佐々木
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血清アルブミン等の結合タンパク質に結合し
たタンパク質結合物質を、結合タンパク質を漏出させる
ことなく効率的にかつ実用的に血液や血漿などの体液か
ら除去する体液処理方法および装置を提供する。 【解決手段】 タンパク質と結合した物質を含む血液お
よび血漿等の体液に、選択透過膜を隔ててタンパク質と
結合した物質と溶解度パラメーターの近い液体を接触さ
せること、またはタンパク質と結合した物質と溶解度パ
ラメーターの近い物質を膜の血液および血漿等の体液に
接触する面に固定することにより、化学ポテンシャルを
利用して蛋白と結合した物質を除去することを可能にし
た体液処理方法および体液処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清アルブミンな
どのタンパク質に結合した内因性代謝産物や薬物などの
化学物質を、体外において血液あるいは血漿より取り除
く体液浄化方法および血液あるいは血漿の浄化に用いら
れる体液浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】血清アルブミンは、多くの薬物などの化
学物質と結合して、その体内での運搬および体内からの
除去等の一役を担っている。しかし、Engl.J.M
ed.,Vol.285:246−267,1971,
Am.J.Med.,Vol.62:466−47
0,1977, J.Dial.,Vol.4:91−
100,1980等で報告されているように、慢性腎不
全患者においては化学物質の血清アルブミンに対する結
合率が低下していることが知られている。この薬物のタ
ンパク質結合率の低下の原因は、腎不全患者においては
内因性代謝物質が血中に蓄積されてしまうため、薬物の
血清アルブミンとの結合を競合的に阻害してしまうこと
による。慢性腎不全患者に対する従来の透析治療あるい
は透析濾過治療では、血清アルブミンはほとんど除去さ
れないため、この血清アルブミンに結合した内因性代謝
物質は除去されることがない。しかも、血清アルブミン
に結合する内因性代謝物質は、雑誌「腎不全」Vol.
5:97−101,1993により、腎不全進行因子で
あることが報告され、また、Nephron Vol.
56:241−245,1990、日腎誌Vol.3
1:1151−1161,1989により、造血阻害因
子等として作用するともいわれていた。
【0003】従って、上記の内因性代謝物質を血清アル
ブミンなどの結合タンパク質より解離させ血液中より除
去することが望まれていた。
【0004】タンパク質に結合する内因性代謝産物は、
馬尿酸、インドキシル硫酸、2−ヒドロキシ馬尿酸、3
−(3−ヒドロキシ)−3−ヒドロキシプロパン酸、4
−ヒドロキシフェニル酢酸、インドール−3−酢酸、3
−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フラン
プロピオン酸(CMPF)、3−カルボキシ−4−メチ
ル−5−ペンチル−2−フランプロピオン酸、3−カル
ボキシ−4−メチル−5−エチル−2−フランプロピオ
ン酸、3−カルボキシ−5−プロピル−2−フランプロ
ピオン酸、ビリルビン等が挙げられる。これらのタンパ
ク質結合物質のタンパク質との結合状態は、タンパク質
の疎水性領域と結合物質との疎水的な相互作用を主な結
合力とする疎水結合を主体としており、場合により荷電
状態によってはイオン性の結合を示す。
【0005】これらのタンパク質結合物質の除去は、血
液から血清アルブミンや免疫グロブリンなどの血漿タン
パク質を分離し、ヒト血清アルブミン製剤や新鮮凍結血
漿などと交換する血漿交換療法によっても可能である。
しかし、血漿交換療法は、高脂血症やリウマチなどに適
用されているが、ヒト血清アルブミン製剤や新鮮凍結血
漿は大変貴重であり高価であるので、適用が制限されて
いる。
【0006】欧州公開特許第615780号には、ヒト
血清アルブミン等の結合性タンパク質を透析液に溶解し
循環することにより、タンパク質結合物質を透析で除去
する方法が、開示されている。しかし、血漿交換療法と
同様に、ヒト血清アルブミン、その他の結合性タンパク
質は、貴重なヒト血液から精製されるか、あるいは遺伝
子組み替え技術を用いた微生物や培養細胞により合成さ
れるものであるので、非常に貴重であり高価である。従
って、大量に使用する透析液中に溶解させ使用すること
は、実用的でない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血清
アルブミン等の結合タンパク質に結合したタンパク質結
合物質を、結合タンパク質を漏出させることなく効率的
にかつ実用的に血液や血漿などの体液から除去する体液
処理方法を提供することにある。
【0008】また、本発明のもう一つの目的は、血清ア
ルブミン等の結合タンパク質に結合したタンパク質結合
物質を、血清アルブミン等の結合タンパク質を漏出させ
ることなく、効率的にかつ実用的に血液や血漿などの体
液から除去する膜型体液処理装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の方法に
より達成される。
【0010】すなわち、結合タンパク質と結合したタン
パク質結合物質を含む体液に、選択透過膜を介して、該
タンパク質結合物質と溶解度パラメーターの差の絶対値
が10(cal/cm1/2以内の浄化物質を接触
させ、該結合タンパク質と該タンパク質結合物質との解
離を促進し、該タンパク質結合物質を該選択透過膜を通
して体液から除去することによる。
【0011】また、結合タンパク質と結合したタンパク
質結合物質を含む体液に、選択透過膜を介して、該タン
パク質結合物質と溶解度パラメーターの差の絶対値が1
0(cal/cm1/2以内の浄化物質を含む液体
を接触させ、該結合タンパク質と該タンパク質結合物質
との解離を促進し、該タンパク質結合物質を該選択透過
膜を通して体液から除去することによる。また、結合タ
ンパク質と結合したタンパク質結合物質を含む体液と、
該タンパク質結合物質との溶解度パラメーターの差の絶
対値が10(cal/cm1/2以内の浄化物質を
固定化した選択透過膜とを接触させることによる。
【0012】また、該浄化物質が医学的に許容される非
タンパク質であるものであることによる。
【0013】また、該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは
界面活性剤であることによる。
【0014】また、上記選択透過膜が結合タンパク質を
実質的に透過させない体液処理方法である。
【0015】さらには、上記選択透過膜の結合タンパク
質の篩係数について、抗凝固された牛血液を用いて、雑
誌「血液透析スタッフのためのハイパフォーマンスメン
ブレン」(東京医学社,1990,p209−212)
に準じて測定したとき、0.05以下、より好ましくは
0.005である体液処理方法である。
【0016】上記結合タンパク質が血清アルブミンであ
る体液処理方法である。
【0017】もう一つの本発明は以下の装置により達成
される。
【0018】すなわち、タンパク質結合物質を結合する
結合タンパク質を実質的に透過させない選択透過膜を有
し、該選択透過膜で隔てられた第一区画および第二区画
とを有し、該第1区画は該タンパク質結合物質を結合し
た該結合タンパク質を含む体液の入り口および出口を有
し、該第二区画に該タンパク質結合物質との溶解度パラ
メーターの差の絶対値が10(cal/cm1/2
以内の浄化物質を有してなる体液処理装置による。
【0019】また、タンパク質結合物質を結合する結合
タンパク質を実質的に透過させない選択透過膜を有し、
該選択透過膜で隔てられた第一区画および第二区画とを
有し、該第1区画はタンパク質結合物質を含む体液の入
り口および出口を有し、少なくとも該選択透過膜の該第
一区画側面に該タンパク質結合物質との溶解度パラメー
ターの差の絶対値が10(cal/cm1/2以内
の浄化物質が固定化されている体液処理装置による。
【0020】さらに、該浄化物質が医学的に許容される
非タンパク質である上記体液処理装置である。
【0021】また、該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは
界面活性剤であるものによる。
【0022】また、上記選択透過膜の結合タンパク質の
篩係数について、抗凝固された牛血液を用いて、雑誌
「血液透析スタッフのためのハイパフォーマンスメンブ
レン」(東京医学社,1990,p209−212)に
準じて測定したとき、0.05以下、より好ましくは
0.005以下である体液処理装置である。
【0023】上記結合タンパク質が血清アルブミンであ
る体液処理装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の体液処理方法およ
び体液処理装置を説明する。
【0025】本発明の除去対象物質は、血清アルブミン
などの疎水性領域を有するタンパク質に結合する内因性
代謝産物である馬尿酸、インドキシル硫酸、2−ヒドロ
キシ馬尿酸、3−(3−ヒドロキシ)−3−ヒドロキシ
プロパン酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、インドール
−3−酢酸、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピ
ル−2−フランプロピオン酸(CMPF)、3−カルボ
キシ−4−メチル−5−ペンチル−2−フランプロピオ
ン酸、3−カルボキシ−4−メチル−5−エチル−2−
フランプロピオン酸、3−カルボキシ−5−プロピル−
2−フランプロピオン酸、ビリルビンなどのタンパク質
結合物質であるが、ベンゼン環やフラン環などを有する
化学物質、疎水性の脂質なども対象となり得る。アルブ
ミンやその他の疎水性領域を有する結合タンパク質はこ
れらのタンパク結合物質を、結合タンパク質の疎水性領
域と結合物質との疎水性相互作用をおもな結合力とする
結合を主体として結合しており、荷電状態によってはイ
オン結合の場合もある。
【0026】血液や血漿などの体液に含まれるこれらの
結合タンパク質に結合したタンパク質結合物質は、その
物質の溶解度パラメーターとの差の絶対値が10(ca
l/cm1/2以内の溶解度パラメーターを有する
浄化物質と、選択透過膜を介して接触させることによ
り、体液から浄化物質層へ移行することを見いだした。
タンパク質結合物質の除去機構は、正確には解っていな
いが、浄化物質が選択透過膜の孔部分において、結合タ
ンパク質に結合したタンパク質結合物質と接触すること
により、化学ポテンシャルの差により血清アルブミンな
どの結合タンパク質から解離し、浄化物質により体液か
ら除去される。あるいはまた、タンパク質結合物質の浄
化物質を含む液体への移行が進み、体液中の遊離のタン
パク質結合物質濃度が低下し、タンパク質結合物質の吸
着平衡により結合タンパク質へ結合したタンパク質結合
物質の量が減少するものと考えられる。
【0027】この時、浄化物質は、浄化物質のみでも浄
化物質が懸濁あるいは溶解している液体でもよい。
【0028】また、上記浄化物質を固定化した上記選択
透過膜に、結合タンパク質と結合したタンパク質結合物
質を含む体液を接触させることによっても、体液中の上
記結合物質の濃度が減少することを見いだした。
【0029】溶解度パラメーターとは、(△E/V)
1/2で定義される量であり、ここで、△Eは溶媒の
モル蒸発エネルギー、Vは溶媒のモル体積である。−△
Eは気体が液体に凝集する際のエネルギー変化であ
り、−△E/Vは溶媒(液体)の単位体積あたりの凝
集エネルギーに相当するため、凝集エネルギー密度とよ
ばれる。
【0030】血液および血漿等の体液と選択透過膜を隔
てて、接触させる浄化物質は、タンパク質結合物質と溶
解度パラメーターの近い液体あるいは、該タンパク質結
合物質と溶解度パラメーターの近い物質を含む液体であ
ることが必要である。また、選択透過膜の体液接触面に
固定化される物質も結合タンパク質に結合した物質と溶
解度パラメーターの近い物質である必要がある。例え
ば、CMPF(溶解度パラメーター推算値7.9(ca
l/cm1/2)の除去には、ビタミンE(溶解度
パラメーター推算値7.9(cal/c
1/2)、プルロニックP84(溶解度パラメー
ター推算値8.3〜9.2(cal/c
1/2)、プルロニックP103(溶解度パラメ
ーター推算値9.0(cal/cm1/2)が望ま
しい。これらの浄化物質の溶解度パラメーターとの差の
絶対値が10(cal/cm1/2以内の溶解度パ
ラメーターを有することが好ましい。
【0031】また、上記の浄化物質は医学的に許容され
る非タンパク質である場合には、浄化物質の調製のため
に、ヒトの血液を利用することがなく、また、細胞培養
技術や遺伝子工学などを利用することない。ヒト血液の
利用は、工業的に大量生産をすることが困難である。ま
た、細胞培養技術や遺伝子工学などを利用した生産は、
大量生産する工程や、不純物を除去する工程に高価な設
備が必要である。従って、非タンパク質により、タンパ
ク質結合物質を効率的に行うことができる本発明は、実
用的である。
【0032】さらに、上記浄化物質が脂溶性ビタミンや
界面活性剤であることにより、効果的にタンパク質結合
物質を除去することができる。
【0033】選択透過膜の体液接触面に浄化物質を固定
化する場合の方法は、共有結合、疎水性相互作用による
結合などによる方法があるが、体液と接触しても浄化物
質が実質的に遊離しなければよい。ビタミンEを疎水性
高分子を主体とした選択透過膜へ固定化する場合は、ビ
タミンEのヘキサン溶液を中空糸膜の体液接触面へ流通
させたのち、溶媒を乾燥させれば良い。
【0034】上記の本発明の体液処理方法は、腎不全患
者などから採血容器に採血された血液からタンパク質結
合物質を除去し、血清アルブミンなどの結合タンパク質
の結合能を高め浄化することができる。また、一般の献
血された血液についても同様の効果を得ることができ
る。
【0035】本発明に使用する選択透過膜は、再生セル
ロース、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリアクリロニ
トリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルナイロ
ン、シリコーン、ポリエステル系ポリマーアロイ等で蛋
白に結合した物質が透過すれば特に限定する必要はな
い。
【0036】本発明の体液処理装置は、選択透過膜を隔
てた第1区画と第2区画を有し、第1区画にはタンパク
質結合物質と結合した結合タンパク質を含む体液の入り
口と出口を有する。第2区画に浄化物質を有し、この時
第2区画に浄化物質を流通させるための浄化物質の入り
口と出口を有してもよい。浄化物質を流通させることに
より、タンパク質結合物質の除去量、および効率を向上
させることができる。本発明の体液処理装置の形態とし
ては、従来の中空糸膜型の血液透析器の形態が採用でき
る。
【0037】また、本発明の別の実施形態は、選択透過
膜を隔てて第1区画と第2区画を有し、第1区画にはタ
ンパク質結合物質を含む体液の入り口と出口を有する。
さらに選択透過膜の第1区画側の面に浄化物質が固定さ
れている。この時第2区画に透析液等の液体の入り口と
出口を設けることにより、タンパク質結合物質の除去と
共に低分子量の毒性物質を拡散及び/または濾過により
除去することができる。本発明の体液処理装置の形態と
しては、従来の中空糸膜型の血液透析器の形態が採用で
きる。また、上記選択透過膜の結合タンパク質の篩係数
について、抗凝固された牛血液を用いて、雑誌「血液透
析スタッフのためのハイパフォーマンスメンブレン」
(東京医学社,1990,p209−212)に準じて
測定したとき、0.05以下、より好ましくは0.00
5以下である体液処理装置であることにより、結合タン
パク質を実質的に漏出させないので安全性が高い。
【0038】また、血清アルブミンはタンパク質結合物
質を結合する主要なタンパク質であるので、血清アルブ
ミンの篩係数が0.05以下、より好ましくは0.00
5以下の選択透過膜を使用することにより、体液の重要
な成分である血清アルブミンを実質的に漏出することが
ない。
【0039】上記の本発明の体液処理装置は、腎不全患
者などの血液からタンパク質結合物質を除去し、血清ア
ルブミンなどの結合タンパク質の結合能を高め浄化する
ことに使用できる。また、一般の献血された血液を浄化
することに使用し、同様の効果を得ることができる。
【0040】
【作用】血液中で蛋白質と結合した有害物質を除去する
ために、本発明によれば有害物質と溶解度パラメーター
が近い液体を、膜を介して配置することにより、化学ポ
テンシャルを利用して有害物質が除去される。さらに、
膜の血液接触面側に有害物質と溶解度パラメーターの近
い物質を固定化することにより、化学ポテンシャルを利
用して有害物質の除去を促進する。
【0041】
【実施例1】ポリスルホン膜(内径200μm、膜厚4
0μm)約350本を用いて膜面積100cmのミニ
モジュールを作製した。このミニモジュールの牛血清ア
ルブミンの篩係数は、牛血液を用いて雑誌「血液透析ス
タッフのためのハイパフォーマンスメンブレン」(東京
医学社,1990,p209−212)に準じて測定し
たとき0.001以下であった。ミニモジュールを生理
的食塩水でプライミング後、中空糸内をヒト血漿で置換
し、血液側ポートの両端を封止した。プルロニックP8
4溶液(10g/dl生理的食塩水)、プルロニックP1
03溶液(10g/dl生理的食塩水)およびビタミン
E(原液)の液中にミニモジュールを60分間浸漬し、
CMPFの除去について検討した。血漿回収後、HPL
C(カラム:Develosil PT C8−5、移
動相:H0/CHCN/TFA=70/30/0.
08、流速:1ml/min、UV270nm)でCM
PFの定量を行った。
【0042】
【比較例1】実施例1と同様のミニモジュールを生理的
食塩水でプライミング後、中空糸内をヒト血漿で置換
し、血液側ポートの両端を封止した。生理的食塩水およ
びヒト血清アルブミン溶液(3g/dl生理的食塩水)
の液中にミニモジュールを60分間浸漬し、血漿を回収
し、HPLC(カラム:Develosil PT C
8−5、移動相:H0/CHCN/TFA=70/
30/0.08、流速:1ml/min、UV270n
m)でCMPFの定量を行った。
【0043】
【試験例1】実施例1と比較例1の結果を表1に示す。
【0044】濃度減少率は、浸漬前の血漿中CMPF濃
度Cpreおよび浸漬後の血漿中のCMPF濃度Cpo
stを用いて(1)式から求めた。
【0045】
【数1】
【0046】
【表1】
【0047】実施例1および比較例1では、蛋白濃度の
減少はほとんど見られなかった。実施例1に見るように
本発明により、CMPFの濃度減少率が比較例1のヒト
血清アルブミンより約4〜12%上昇し、CMPF除去
性能の著しい向上がみられた。また、比較例1の生理的
食塩水では全くCMPFが抜けていないことから、本発
明により血液中からCMPFを効率的に除去することが
できた。
【0048】
【実施例2】ポリスルホン膜(内径200μm、膜厚4
0μm)約1000本を用いて膜面積590cmのミ
ニ透析器を作製した。このミニモジュールの牛血清アル
ブミンの篩係数は、牛血液を用いて雑誌「血液透析スタ
ッフのためのハイパフォーマンスメンブレン」(東京医
学社,1990,p209−212)に準じて測定した
とき0.001以下であった。ミニ透析器を生理的食塩
水でプライミング後、中空糸バンドルの外側にプルロニ
ックP84溶液(10g/dl生理的食塩水)およびビ
タミンE(原液)を充填した。血漿が貯留された血漿貯
留槽からミニ透析器に血漿を導入し、循環回路内を血漿
に置換した後に50mlの血漿を流量18ml/min
で循環した。循環前、循環後経時的にプールした血漿か
らサンプルした。サンプルした血漿を用いてHPLC
(カラム:Develosil PT C8−5、移動
相:H0/CHCN/TFA=70/30/0.0
8、流速:1ml/min、UV270nm)で分析す
ることにより、CMPFの除去について検討した。
【0049】
【比較例2】実施例2と同様にミニ透析器を生理的食塩水
でプライミング後、中空糸バンドルの外側に生理的食塩
水およびヒト血清アルブミン溶液(3g/dl生理的食
塩水)を充填した。血漿が貯留された血漿貯留槽からミ
ニ透析器に血漿を導入し、循環回路内を血漿に置換した
後に50mlの血漿を流量18ml/minで循環し
た。循環前、循環後経時的にプールした血漿からサンプ
ルした。採取した血漿を用いてHPLC(カラム:De
velosil PT C8−5、移動相:H0/C
CN/TFA=70/30/0.08、流速:1m
l/min、UV270nm)で分析を行い、CMPF
の除去の検討を行った。
【0050】
【試験例2】実施例2と比較例2の結果を表2に示す。
【0051】クリアランスCは、(2)式のように時間
tにおける血漿中CMPF濃度C(t)と循環前の血漿
中のCMPF濃度C(0)の比の対数と循環時間tの傾
きから最小二乗法により求めた。
【0052】
【数2】
【0053】
【表2】
【0054】実施例2に見るように本発明により、CM
PFクリアランスが比較例2のヒト血清アルブミンより
約2倍以上上昇し、CMPF除去性能の著しい向上がみ
られた。また生理的食塩水の系では、全くCMPFが除
去されなかった。実際の臨床では、血液流量が200m
l/minと大きくなり、また膜面積も増えるため、ク
リアランスは40ml/min以上となることから、非
常に実用的である。
【0055】
【実施例3】実施例2と同様のミニ透析器を作製し、1
%ビタミンE/ヘキサン溶液をミニ透析器の中空糸膜内
に流した後乾燥し、中空糸膜内面へビタミンEを固定化
した。このミニ透析器を生理的食塩水でプライミング
後、中空糸内をヒト血漿で置換し、血液側ポートの両端
を封止した。中空糸バンドルの外側にミリスチン酸イソ
プロピル(IPM)、ヒト血清アルブミン(HSA)溶
液(3g/dl生理的食塩水)およびビタミンE(Vi
E)(原液)を充填した。60分後に血漿を回収し、H
PLC(カラム:Develosil PT C8−
5、移動相:H0/CHCN/TFA=70/30
/0.08、流速:1ml/min、UV270nm)
で分析し、CMPFの除去について検討した。
【0056】
【比較例3】実施例2と同様のミニ透析器を作製した。
このミニ透析器を生理的食塩水でプライミング後、中空
糸内をヒト血漿で置換し、血液側ポートの両端を封止し
た。中空糸バンドルの外側にミリスチン酸イソプロピル
(IPM)、ヒト血清アルブミン(HSA)溶液(3g
/dl生理的食塩水)およびビタミンE(ViE)(原
液)を充填した。60分後に血漿を回収し、HPLC
(カラム:Develosil PT C8−5、移動
相:H0/CHCN/TFA=70/30/0.0
8、流速:1ml/min、UV270nm)で分析
し、CMPFの除去について検討した。
【0057】
【試験例3】実施例3と比較例3の結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】実施例1および比較例1では、蛋白濃度の
減少はほとんど見られなかった。実施例3に見るように
本発明により、比較例3の未処理膜に比べてCMPF濃
度減少率が約1.5〜9倍上昇し、CMPF除去性能の
著しい向上がみられた。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、タンパ
ク質結合物質を結合した結合タンパク質を含む体液に、
選択透過膜を介して、該タンパク質結合物質と溶解度パ
ラメーターの差の絶対値が10(cal/cm
1/2以内の浄化物質を接触させ、該結合タンパク質と
該タンパク質結合物質との解離を促進し、該タンパク質
結合物質を該選択透過膜を通して体液から除去する体液
処理方法、またはタンパク質結合物質を結合した結合タ
ンパク質を含む体液に、選択透過膜を介して、該タンパ
ク質結合物質と溶解度パラメーターの差の絶対値が10
(cal/cm1/2以内の浄化物質を含む液体を
接触させ、該結合タンパク質と該タンパク質結合物質と
の解離を促進し、該タンパク質結合物質を該選択透過膜
を通して体液から除去する体液処理方法、またはタンパ
ク質結合物質を結合した結合タンパク質を含む体液と、
該タンパク質結合物質との溶解度パラメーターの差の絶
対値が10(cal/cm1/2以内の浄化物質を
固定化した選択透過膜とを接触させる体液処理方法であ
るので、従来の透析方法では除去することができなかっ
たタンパク質結合物質を血液中から除去できるので、腎
不全患者から採血容器に採血された血液からタンパク質
結合物質を除去し、血清アルブミンなどの結合タンパク
質の結合能を高め浄化することができる。また、一般の
献血された血液についても同様の効果を得ることができ
る。
【0061】また、該浄化物質が医学的に許容される非
タンパク質であるので、大量生産することが容易で、タ
ンパク質結合物質を効率的に実用的に行うことができ
る。
【0062】また、該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは
界面活性剤であるので効果が高く、実用的である。
【0063】もう一つの本発明は、タンパク質結合物質
を結合する結合タンパク質を実質的に透過させない選択
透過膜を有し、該選択透過膜で隔てられた第一区画およ
び第二区画とを有し、該第1区画はタンパク質結合物質
と結合した結合タンパク質を含む体液の入り口および出
口を有し、該第二区画に該タンパク質結合物質との溶解
度パラメーターの差の絶対値が10(cal/cm
1/2以内の浄化物質を有する体液処理装置、または、
タンパク質結合物質を結合する結合タンパク質を実質的
に透過させない選択透過膜を有し、該選択透過膜で隔て
られた第一区画および第二区画とを有し、該第1区画は
タンパク質結合物質と結合した結合タンパク質を含む体
液の入り口および出口を有し、少なくとも該選択透過膜
の該第一区画側面に該タンパク質結合物質との溶解度パ
ラメーターの差の絶対値が10(cal/cm
1/2以内の浄化物質が固定化されている体液処理装置
であるので、従来の透析方法では除去することができな
かったタンパク質結合物質を血液中から除去できるの
で、腎不全患者から採血容器に採血された血液からタン
パク質結合物質を除去し、血清アルブミンなどの結合タ
ンパク質の結合能を高め浄化することに利用できるだけ
でなく、腎不全患者の血液を体外循環により浄化する方
法に使用することができる。
【0064】また、該浄化物質が医学的に許容される非
タンパク質であるので、大量生産することが容易で、タ
ンパク質結合物質を効率的に実用的に行うことができ
る。
【0065】また、該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは
界面活性剤であるので効果が高く、実用的であるによ
る。
【0066】

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合タンパク質と結合したタンパク質結
    合物質を含む体液に、選択透過膜を介して、該タンパク
    質結合物質と溶解度パラメーターの差の絶対値が10
    (cal/cm1/2以内の浄化物質を接触させ、
    該結合タンパク質と該タンパク質結合物質との解離を促
    進し、該タンパク質結合物質を該選択透過膜を通して体
    液から除去することを特徴とする体液処理方法。
  2. 【請求項2】 該浄化物質が医学的に許容される非タン
    パク質であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の体液処理方法。
  3. 【請求項3】 該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは界面
    活性剤であることを特徴とする特許請求の範囲第2項記
    載の体液処理方法。
  4. 【請求項4】 結合タンパク質と結合したタンパク質結
    合物質を含む体液に、選択透過膜を介して、該タンパク
    質結合物質と溶解度パラメーターの差の絶対値が10
    (cal/cm1/2以内の浄化物質を含む液体を
    接触させ、該結合タンパク質と該タンパク質結合物質と
    の解離を促進し、該タンパク質結合物質を該選択透過膜
    を通して体液から除去することを特徴とする体液処理方
    法。
  5. 【請求項5】 該浄化物質が医学的に許容される非タン
    パク質であることを特徴とする特許請求の範囲第4項記
    載の体液処理方法。
  6. 【請求項6】 該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは界面
    活性剤であることを特徴とする特許請求の範囲第5項記
    載の体液処理方法。
  7. 【請求項7】 結合タンパク質と結合したタンパク質結
    合物質を含む体液と、該タンパク質結合物質との溶解度
    パラメーターの差の絶対値が10(cal/cm
    1/2以内の浄化物質を固定化した選択透過膜とを接触
    させることを特徴とする体液処理方法。
  8. 【請求項8】 該浄化物質が医学的に許容される非タン
    パク質であることを特徴とする特許請求の範囲第7項記
    載の体液処理方法。
  9. 【請求項9】 該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは界面
    活性剤であることを特徴とする特許請求の範囲第8項記
    載の体液処理方法。
  10. 【請求項10】 タンパク質結合物質と結合する結合タ
    ンパク質を実質的に透過させない選択透過膜を有し、該
    選択透過膜で隔てられた第一区画および第二区画とを有
    し、該第1区画は該結合タンパク質と結合した該タンパ
    ク質結合物質を含む体液の入り口および出口を有し、該
    第二区画に該タンパク質結合物質との溶解度パラメータ
    ーの差の絶対値が10(cal/cm1/2以内の
    浄化物質を有することを特徴とする膜型体液処理装置。
  11. 【請求項11】 該浄化物質が医学的に許容される非タ
    ンパク質であることを特徴とする特許請求の範囲第10
    項記載の膜型体液処理装置。
  12. 【請求項12】 該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは界
    面活性剤であることを特徴とする特許請求の範囲第11
    項記載の膜型体液処理装置。
  13. 【請求項13】 タンパク質結合物質を結合する結合タ
    ンパク質を実質的に透過させない選択透過膜を有し、該
    選択透過膜で隔てられた第一区画および第二区画とを有
    し、該第1区画は該結合タンパク質と結合した該タンパ
    ク質結合物質を含む体液の入り口および出口を有し、少
    なくとも該選択透過膜の該第一区画側面に該タンパク質
    結合物質との溶解度パラメーターの差の絶対値が10
    (cal/cm1/2以内の浄化物質が固定化され
    ていることを特徴とする膜型体液処理装置。
  14. 【請求項14】 該浄化物質が医学的に許容される非タ
    ンパク質であることを特徴とする特許請求の範囲第13
    項記載の膜型体液処理装置。
  15. 【請求項15】 該浄化物質が脂溶性ビタミンまたは界
    面活性剤であることを特徴とする特許請求の範囲第14
    項記載の膜型体液処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008018153A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Kitasato Gakuen アルブミンとアルブミンに結合した生体分子の分離方法
JP2015208480A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 学校法人北里研究所 アルブミン結合毒素除去装置

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