JP4201313B2 - 有害物質結合アルブミン除去システム - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本願発明は、慢性或いは急性の肝炎、肝不全等の肝疾患患者血液中より、体外循灌によって連続的且つ効率的に血中有害物質を除去するための有害物質結合アルブミン除去システムと、有害物質結合アルブミン除去システムによって有害物質結合アルブミンを除去する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
慢性或いは急性の肝炎、肝不全等の肝疾患の治療を目的に、中低分子量の血中有害物質の除去、水、電解質バランスの補正、サイトカインなどのメディエーターの除去、アルブミンに結合したビリルビンなど有害物質結合アルブミンの除去、或いは血液凝固因子やアルブミンの補給などの蛋白合成機能補助などが行われている。
即ち血漿交換療法、持続的血液濾過療法(CHF)、持続的血液濾過透析療法(CHDF)、或いは吸着療法等の体外循灌治療法が実施されており、各種体外循灌システムが実用化されている。
【0003】
持続的血液濾過療法(CHF)や持続的血液濾過透析療法(CHDF)は、分子量1〜2万ダルトン以下の中低分子量物質の除去能力に優れ、これら物質の除去を目的に利用されている。また最近、サイトカインなどのメディエーターの除去を目的に、分子量およそ3万ダルトンの物質の除去が可能な膜を用いたCHFやCHDFも行われている。しかし、これら治療法で用いられる膜はアルブミンを通過させず、よってCHFやCHDFでは有害物質結合アルブミンはほとんど除去されない。
【0004】
血漿交換療法は、血漿分離膜で患者の血漿を分離・廃棄した後、新鮮な血漿を投与することによって、サイトカインなどのメディエーターの除去、有害物質結合アルブミンの除去や、血液凝固因子やアルブミンの補給などの蛋白合成など肝機能補助を目的としている。血漿交換療法は、有害物質結合アルブミンの除去には優れているもののそのために多量の新鮮な血漿が必要であること、肝機能補助のためにも多くの血漿を置換するためやはり多量の新鮮な血漿が必要であり、高価な血漿を大量に必要とする課題があった。更に分子量1万以下の物質の除去は不十分であるとの欠点を有していた。
【0005】
更に中低分子量物質の除去やサイトカインなどのメディエーターの除去を目的に、例えばスチレン・ジビニルベンゼン共重合体からなる吸着材や、石油ピッチ系活性炭の利用もまた知られている。しかし、吸着材は限られた種類の物質の除去には適するものの幅広く中低分子量物質を除去するには不十分であり、且つ、メディエーターや有害物質結合アルブミンの除去能力も不十分である。更に、水、電解質バランスの補正もできない。
【0006】
アルブミンの有害物質吸着能に着目した技術としてモレキュラー・アドソーベント・リサーキュレーティング・システム(Molecular Adsorbents Recirculating System : MARS、Teraklin社)が報告されている(Artificial Organs. 23(4):319-330,1999)。MARSの作用機序は、以下のように説明されている。即ち、ダイアライザー(人工腎臓)のような、膜を介して血液と透析液とが接するデバイスにおいて、透析液側に多量のアルブミンを存在させ、膜を介して接する血液中の有害物質吸着アルブミンから、遊離した有害物質だけを吸着平衡と濃度勾配の原理で、膜を移動させ、透析液側のアルブミンに再吸着させ、結果として血液中の有害物質量を下げる。この方法では、血液中のアルブミンに吸着した有害物質のうち、吸着平衡で遊離し、膜を透過し、かつ、透析液中のアルブミンに吸着する分だけが除去されることになるので、解毒効率は良くない。
【0007】
特表平9-507414には、中空糸膜と吸着剤を用いて蛋白−結合及び中分子量毒素を除去することが記載されている。即ち血漿濾過(膜を通して血漿が濾過される)若しくは血液濾過(中程度の分子量の分子(約300〜約10,000の分子量)を濾過)によって得た体液を中空糸外の吸着剤の接触させることで、蛋白−結合及び中分子量毒素を吸着除去しようとするものである。ここで用いられる中空糸膜は、血漿若しくは中程度の分子量の分子(約300〜約10,000の分子量)を濾過できるものであって、血漿分離膜や透析膜がいずれも使用できるとしている。例えばPlasmaflo AP-05H(カットオフ分子量約1,000,000)や銅アンモニウムセルロース透析膜が例示されている。
しかしながら特表平9-507414は、蛋白に結合した毒素を、蛋白と吸着剤との競争反応によって吸着剤に結合させようとするものである。蛋白に強固に結合して解離が極めて困難な毒素は、吸着剤には実質的に結合せず除去されない。よって、血漿を分離した後に、分離血漿を吸着剤を充填した容器に灌流する従来の方法と比べて、血漿を分離した後に吸着剤と接触させる点で何ら変わるものではない。また、吸着剤を灌流するため、ポンプによって吸着剤が破損する可能性も有している。
【0008】
本発明ではアルブミンに強固に結合した有害物質を、アルブミンごと除去しようとするものであり、且つアルブミンに結合した有害物質の除去に際してアルブミン以外の蛋白質の損失を極少とするため、至適な極限られたアルブミン透過性を有する膜を利用しようとするものである。
以上のように肝炎、肝不全等の肝疾患の治療を目的に、血漿交換療法、CHF、CHDF、或いは吸着療法等の体外循灌治療法が実用化されている。が、いずれの方法においても中低分子量物質の除去、水、電解質バランスの補正、サイトカインなどのメディエーターの除去、有害物質結合アルブミンの除去のいずれにも優れた治療システムは未だ無く、治療法も実用化されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、慢性或いは急性の肝炎、肝不全等の肝疾患の治療を目的に、中低分子量物質の除去、水、電解質バランスの補正、サイトカインなどのメディエーターの除去、アルブミンに結合したビリルビンなど有害物質結合アルブミンの除去に優れ、かつ高価な血漿を多量に費消しない体外循灌治療システムを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
次の手段から成ることを特徴とする肝疾患治療のために血中有害物質を除去するための体外循灌治療用の有害物質結合アルブミン除去システムである。
1)有害物質結合アルブミンを含む体液を、有害物質結合アルブミン除去器に供給する手段
2)有害物質結合アルブミンを透過し、且つアルブミンより高分子の蛋白質を残存させるアルブミン篩い係数が0.1以上0.4以下かつフィブリノーゲンの篩い係数が0.1以下の膜を主たる構成要素とする有害物質結合アルブミン除去器によって、該体液から有害物質結合アルブミンを除去する手段
3)有害物質結合アルブミンを除去した体液にアルブミンを供給する手段
【0011】
【発明の実施の形態】
【0012】
(有害物質結合アルブミン)
本発明で言う中低分子量の有害物質とは、急性或いは慢性の肝炎や、肝不全等の血液中に認められる、肝臓等に対して悪影響を与え得る、分子量およそ2万ないし3万ダルトン以下の化合物をいう。中低分子量の有害物質には、アンモニア、尿酸、クレアチニン、尿素、尿毒素、疎水性アミノ酸、ビリルビン、胆汁酸、パラコート等の農薬或いは除草薬、バルビタール系や非バルビタール系の睡眠薬、昏睡物質等が例示できる。
本発明で言う有害物質結合アルブミンとは、該中低分子量の有害物質が結合したアルブミンを言い、疎水性アミノ酸結合アルブミン、ビリルビン結合アルブミン、パラコート結合アルブミン等が例示できる。
【0013】
(有害物質結合アルブミン除去システム)
有害物質結合アルブミンシステムは、慢性或いは急性の肝炎、肝不全等の肝疾患患者から得た有害物質結合アルブミンを含む血液や血漿等の体液に抗凝固剤を供給し混合する手段、有害物質結合アルブミンを含む体液を有害物質結合アルブミン除去器に供給する手段、有害物質結合アルブミンを除去し且つ高分子量蛋白質を残存させる、有害物質結合アルブミンの除去手段、有害物質結合アルブミンを除去した体液にアルブミンを供給する手段を、この順に有するものである。
【0014】
本発明でいう体液に抗凝固剤を供給し混合する手段とは、バッグやシリンジ等に貯留した抗凝固剤溶液を、ペリスタリックポンプやシリンジポンプを用いて供給回路から体液の循環回路へ一定流速で供給する手段である。供給方法は連続的、断続的のいずれでもよい。有害物質結合アルブミンを含む体液を有害物質結合アルブミン除去器に供給する手段としては、体液を一定流速で除去器に供給し、体外循環をおこなう手段であり、ローラーポンプに代表される血液ポンプが好ましく用いられる。また、有害物質結合アルブミンを除去し且つ高分子量蛋白質を残存させる、有害物質結合アルブミンの除去手段としては、除去すべき物質に選択分離性を有する手段であり、例えば吸着剤や分離膜を内蔵した除去器が用いられる。さらに、有害物質結合アルブミンを除去した体液にアルブミンを供給する手段としては、バッグ等に貯留した所定濃度のアルブミン溶液を、ペリスタリックポンプやシリンジポンプを用いて供給回路から体液の循環回路へ一定流速で供給する手段である。
ここで、有害物質結合アルブミンを含む体液へのクエン酸及びまたはエチレンジアミンテトラ酢酸、ヘパリン、ナファモスタットメシレート等の抗凝固剤をペリスタティックポンプやシリンジポンプ等によって一定量混合する手段を、有害物質結合アルブミン除去器に供給する手段の前、或いは有害物質結合アルブミン除去器に供給する手段の後で且つ有害物質結合アルブミン除去器の前に有していることが望ましい。
本発明における有害物質結合アルブミン除去システムとしては、血液から濾過により害物質結合アルブミンを分離する形態でも、濾過透析の形態でも用いることができる。
【0015】
まず血漿分離法について述べる。本発明の性能を満たす膜を用いて、全血を処理すると、ファイブリノジェンなどの高分子量蛋白のかなりの部分は血液中に留まり、体内に戻される。しかしアンモニアなどの中低分子量有害物質と、アルブミンに吸着された有害物質は、本発明にかかる膜を透過し、血液外へ排出される。ファイブリノジェンの阻止率が100%ではないことが多いので、高分子量蛋白もわずかに血液外へ排出される。即ち、本発明にかかる血漿分離形態のシステムでは、体内の血液に比べ、廃棄される血漿中には、有害物質を結合したアルブミン及びそれ以下の中低分子量物質が多く、ファイブリノジェンなどの高分子量物質が少ない。血液中からわずかに失われる高分子量蛋白は、凍結新鮮血漿やアルブミン等の血液製剤を注入することで補充することができる。本発明で必要とする凍結新鮮血漿等は極少量でよく、血漿交換治療法のように高価な血漿を多量に必要としない。更に有害物質結合アルブミンはもとより、高分子量の中にも除去すべき有害物質が存在する場合があるため、CHFやCHDFより優れた治療システムを提供できる。
ついで、濾過透析の使用形態について述べる。8時間から24時間程度かけてゆっくり行う持続緩徐濾過透析(CHDF)でも、数時間で行う濾過透析(HDF)でもよい。透析液としては、通常の人工透析に用いる透析液などを用いることが可能である。中低分子量物質は透析によって効率よく除去することができるため、有害物質結合アルブミンと共に中低分子量物質を同時に効率よく除去できる点で血漿分離法に比べて濾過透析の使用形態がより望ましい。
【0016】
(有害物質結合アルブミン除去器)
有害物質結合アルブミン除去器で有害物質結合アルブミンを除去する手段は、有害物質結合アルブミン及び中低分子量物質を除去し、且つ高分子量蛋白質を残存させることが必要である。併せて有害物質結合アルブミンを除去するに際して、水、電解質の供給が同時に行われることがより望ましい。
有害物質結合アルブミン除去器には、アルブミンを通過させる膜や、有害物質結合アルブミンに対する吸着材と中低分子量物質に対する吸着材とを組み合わせたもの等が利用できる。が、有害物質結合アルブミンと中低分子量物質とを簡便なシステムで容易に除去できる点より、膜による濾過或いは透析により行うことが望ましい。更に、水・電解質の調節が容易に行えること、蛋白質の除去量を増大させずに優れた中低分子量物質の除去能力が得られる点より、中空糸膜を用いた透析による方法がもっとも望ましい。
もっとも好ましい有害物質結合アルブミン除去器を例示すると、少なくとも体液の入口と出口、及び有害物質結合アルブミンの出口とを有し、且つ体液の入口と出口と連通した空間と、有害物質結合アルブミンの出口と連通した空間とが多孔質の膜によって区分されているものである。
有害物質結合アルブミン除去器は、γ線、電子線等の放射線滅菌、オートクレーブ滅菌、ガス滅菌などの方法で滅菌処理が成されていることが望ましい。
【0017】
(有害物質結合アルブミン除去器用の膜)
有害物質結合アルブミン除去器に用いられる膜は、平膜、中空糸膜のいずれも利用可能であるが、限られた容積の中でより大きな表面積を確保できる点より、中空糸膜が望ましい。
膜の分画能力は、有害物質結合アルブミンの除去ができる点より、アルブミンの篩い係数が0.05以上であることが必要である。また、アルブミンの篩い係数が高すぎると蛋白質のロスが大きくなり、より多量のアルブミン製剤を供給する必要性が生じるため、好ましくない。好ましいアルブミン篩い係数は0.8以下であり、より好ましくは0.6以下である。
もっとも好ましくは、中低分子量物質の除去能力と水・電解質の調整能力を維持し、且つ総蛋白質のロスを少なく保ちつつ、一定量の有害物質結合アルブミンを体外循灌中に安定して除去ができる点より、アルブミン篩い係数が0.1以上0.4以下である。
【0018】
アルブミンより大きな分子量の蛋白質、例えばフィブリノーゲンが濾過されることは治療上望ましくない。好ましい膜は、フィブリノーゲンの篩い係数で表すとき0.6以下であることが必要であり、小さければ小さいほど望ましい。もっとも好ましくは0.1以下である。ここに挙げたファイブリノゲン(分子量340kDa)は、従来の大量血漿交換法では必要以上に失われていたと考えられる蛋白群中で膜性能の指標になり得ると考えられる。ファイブリノジェン以外にも、von Willebrand factor (1,000kDa)、ファクターVIII (1,200kDa)、高分子量キニノーゲン(110kDa)、ファクターXI(160kDa)、ファクターXIIIフィブリン安定化因子(320kDa)なども指標とすることができる。ただし、阻止率の数字は、どの指標を用いるかによって若干変化する。
膜材質としてはポリスルフォン、エチレンビニルアルコール、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリアクリロニトリルなどが例示できるが、好ましいアルブミン篩い係数を有しており且つ滅菌に対して安定であればいずれの材質であってもよく、これらに限定されるものではない。
【0019】
(アルブミンの供給方法)
有害物質結合アルブミンの除去に伴い、アルブミンを新たに補充することが必要である。補充するアルブミンとしては、製剤アルブミンが入手が容易なため好ましい。アルブミンは、溶液状態でも凍結乾燥状態でも入手できるが、体内に補充するときは溶液状態にする。免疫原性などを考慮して、ヒトアルブミンが望ましい。製剤アルブミンは、血漿からアルブミン以外の成分の分離と合わせて得られるため、凍結新鮮血漿に比べて相当安価である。さらに、近年、遺伝子工学でヒトアルブミンを大量生産する方法が開発され実用化の途上にあるので、この製剤が商品化されるころにはアルブミンはもっと安価になる可能性がある。
もちろん、ヒト血液から治療現場でアルブミンを採りだして使用することも可能である。
アルブミンの供給は、除去された有害物質結合アルブミン量に対して、治療上必要な量を供給できればよく、連続的或いは断続的に供給すればよい。供給方法を例示すると、有害物質結合アルブミン除去器を通過した体液に、補給回路からアルブミン溶液を連続的或いは断続的に添加・混合する方法、有害物質結合アルブミン除去器での有害物質結合アルブミンの除去に際して、透析液などの生理的電解質液にアルブミンを溶解した液を用いて透析する方法等があげられる。あるいは、別途、連続的、または断続的に体内に補注しても構わない。
【0020】
(作用)
慢性或いは急性の肝炎、肝不全等の肝疾患の体液中より、有害物質結合アルブミンと、中低分子量物質、及びサイトカインなどのメディエーターを簡便且つ効率よく除去でき、しかも、水、電解質バランスの補正も可能な優れた体外循灌治療システムを提供できる。
【0021】
【実施例1】
有害物質結合アルブミン除去器6としてカスケードフローEC20W(旭メディカル社製)を用いて、図1のようにCHDFの血液循環系を構成した。本除去器は、内径175μm、膜厚40μmのエチレン・ビニルアルコール共重合体からなる中空糸膜を内蔵するもので、有効膜面積は2.0m2である。
【0022】
有害物質結合アルブミンを含むモデル血液として、ビリルビン結合アルブミンを含む牛血液を調整した。すなわち、あらかじめ高pHで牛アルブミン溶液にビリルビンを溶解した後、中性pHとした溶液を、ヘパリン(ノボ・ヘパリン、本ヘパリン1ml中にヘパリン1000単位を含む。ノボ・ノルディスクA/S社製)を5単位/ml含む牛全血に添加して総ビリルビン濃度が15.7mg/dLの牛全血をモデル血液とした。
血液溜1に、前記モデル血液を4Lプールし、血液ポンプ2によって流速100ml/分で12時間循環した。同時に、シリンジポンプ3を用いて除去器入側回路7からヘパリン(同前記)の生理食塩水溶液を500単位/時の割合で連続的に供給した。透析液9はサブラッド−B(扶桑薬品社製)を用い、透析液供給ポンプ4を流速500ml/時、透析液排液ポンプ5を流速を800ml/時に設定した。即ち、除去器からの徐水量を300ml/時とした。アルブミンの供給は、20%ヒトアルブミン製剤(日本赤十字社製)をサブラッド−Bに溶解して1.38mg/dLの濃度としたものをアルブミン補液10として、除去器出側回路8へ流速300ml/時で供給した。
有害物質である総ビリルビン濃度、およびアルブミン濃度は、血液溜1から経時的に全血を採取し、遠心分離して得られた血漿について測定した。総ビリルビン濃度はビリルビンBIIテストワコー(和光純薬社製)を用いてアルカリアゾビリルビン法によって測定し、アルブミン濃度は、アルブミンBテストワコー(和光純薬社製)を用いてBCG法によって測定した。サンプリング時間は、循環開始前(0時間)、循環後6時間目、12時間目とした。
【0023】
循環開始前(0時間)の、血液中の総ビリルビン濃度は15.7mg/dLであり、アルブミン濃度は4.6mg/dLであった。循環6時間目の血液中の総ビリルビン濃度は9.99mg/dLまで低下したが、アルブミン濃度は4.5mg/dLであり、元の濃度を維持した。さらに、循環12時間目では血液中の総ビリルビン濃度は8.96mg/dLまで低下し、開始前のほぼ半分となったが、アルブミン濃度は4.6mg/dLであり、元の濃度を維持していた。
【0024】
【発明の効果】
本発明の体外循灌システムは、、中低分子量物質の除去、水、電解質バランスの補正、サイトカインなどのメディエーターの除去、アルブミンに結合したビリルビンなど有害物質結合アルブミンの除去に優れ、かつ高価な血漿を多量に費消しない体外循灌治療システムであり、慢性或いは急性の肝炎、肝不全等の肝疾患の治療に有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の説明図。
【符号の説明】
1.血液溜
2.血液ポンプ
3.シリンジポンプ
4.透析液供給ポンプ
5.透析液排液ポンプ
6.有害物質結合アルブミン除去器
7.除去器入側回路
8.除去器出側回路
9.透析液
10.アルブミン液

Claims (4)

  1. 次の手段から成ることを特徴とする肝疾患治療のために血中有害物質を除去するための体外循灌治療用の有害物質結合アルブミン除去システム。
    1)有害物質結合アルブミンを含む体液を、有害物質結合アルブミン除去器に供給する手段
    2)有害物質結合アルブミンを透過し、且つアルブミンより高分子の蛋白質を残存させるアルブミン篩い係数が0.1以上0.4以下かつフィブリノーゲンの篩い係数が0.1以下の膜を主たる構成要素とする有害物質結合アルブミン除去器によって、該体液から有害物質結合アルブミンを除去する手段
    3)有害物質結合アルブミンを除去した体液にアルブミンを供給する手段
  2. 有害物質結合アルブミン除去器に対して水及び電解質を供給する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の肝疾患治療のために血中有害物質を除去するための有害物質結合アルブミン除去システム。
  3. 有害物質結合アルブミン除去器が、有害物質結合アルブミンと共に中低分子量物質を同時に除去することを特徴とする請求項1または2に記載の肝疾患治療のために血中有害物質を除去するための有害物質結合アルブミン除去システム。
  4. 有害物質結合アルブミン除去器が、少なくとも体液の入口と出口、及び有害物質結合アルブミンの出口とを有し、且つ体液の入口と出口と、有害物質結合アルブミンの出口とが多孔質の膜によって区分されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の肝疾患治療のために血中有害物質を除去するための有害物質結合アルブミン除去システム。
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