JPH09164141A - 超音波ドプラ診断装置 - Google Patents

超音波ドプラ診断装置

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JPH09164141A
JPH09164141A JP32417995A JP32417995A JPH09164141A JP H09164141 A JPH09164141 A JP H09164141A JP 32417995 A JP32417995 A JP 32417995A JP 32417995 A JP32417995 A JP 32417995A JP H09164141 A JPH09164141 A JP H09164141A
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transmission
doppler
ultrasonic
transmission frequency
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Masao Kobayashi
正夫 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波の送信周波数を変化させてもドプラ画
像の表示内容を維持させる。また超音波の送信周波数の
変化に連動させて低域除去フィルタの遮断周波数を可変
させる。 【解決手段】 分周器16は送信周波数f0 をnで分周
して送信繰り返し周波数fprを生成する。これにより探
触子11にて送信繰り返し周波数fprの周期で送信周波
数f0 の超音波が生体内に放射される。受信信号はフィ
ルタA24を通過した後、量子化回路26に送られ、送
信繰り返し周波数fprと同一の周波数で標本化が行われ
る。低域遮断デジタルフィルタB28のカットオフ周波
数は標本化周波数に比例するものである。送信繰り返し
周波数fprが送信周波数f0 に比例しているので、速度
表示レンジを送信周波数f0 に関わらず維持できる。ま
た、フィルタBのカットオフ周波数を送信周波数f0
比例させて設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波ドプラ診断装
置、特に超音波の送信周波数(送受信周波数)を可変で
きるパルスドプラ方式又は連続波ドプラ方式の超音波ド
プラ診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波ドプラ診断装置は、超音波を生体
内へ送波し、生体内の運動反射体(血流など)にて反射
された反射波を受波し、これにより運動反射体の運動情
報を表したドプラ画像を表示するものである。
【0003】パルスドプラ法におけるドプラ画像として
は、パワースペクトラム画像やカラーの二次元ドプラ画
像などが知られている。このパワースペクトラム画像
は、横軸を時間軸とし、縦軸をドプラシフト周波数すな
わち速度とし、各ドプラシフト周波数でのパワーを輝度
の大きさに対応させた画像であり、特定方向かつ特定深
度に設定されたサンプル点からの受信信号を周波数解析
して形成される。二次元ドプラ画像は、生体内二次元領
域の各点のドプラシフト周波数すなわち速度を色相の変
化で表した画像である。
【0004】以上のようなパワースペクトラム画像や二
次元ドプラ画像において、計測可能な最大のドプラシフ
ト周波数fd max は正方向及び負方向のそれぞれについ
て送信繰り返し周波数fprの1/2で規定される。すな
わち、計測可能な最大のドプラシフト周波数f
d max は、 fd max =fpr/2 …(1) である。これに関し、次の公知の関係式 fd =(2v・cosθ・f0 )/c …(2) において、cosθ=1、fd として(1)式を代入す
れば、解析できる速度の最大vmax が次のとおり求ま
る。
【0005】 vmax =(c・fpr)/(4・f0 ) …(3) ただし、fd はドプラシフト周波数であり、f0 は超音
波パルスの中心周波数であり、cは超音波の生体内の音
速である。
【0006】一方、連続波ドプラ法におけるドプラ画像
としては、スペクトル表示や時間軸上での平均流速の波
形表示などが挙げられる。この連続波ドプラ法におい
て、計測可能な最大のドプラシフト周波数fd max は、 fd max =fq /2 …(4) であることが知られている。よって、解析できる最大の
速度vmax は、上記の(3)式同様に、 vmax =(c・fq )/(4・f0 ) …(5) と求まる。
【0007】従来、パルスドプラ方式及び連続波ドプラ
方式の超音波ドプラ診断装置においては、周波数解析部
の処理に先立って、生体内の低速かつ強反射体(例え
ば、心臓壁)からの不要なエコー(クラッタ)を除去す
るために、低域除去フィルタ(クラッタ除去フィルタ)
が設けられている。従来の低域除去フィルタはアナログ
フィルタで構成され、そのカットオフ周波数fhpは固定
的に設定されている。なお、そのカットオフ周波数fhp
に相当する速度vhpは、次のように求められる。
【0008】 vhp=(c・fhp)/(2・f0 ) …(6)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波診断
装置においては、診断部位に応じて各種の超音波探触子
を接続でき、その際に各超音波探触子に合わせて超音波
の送信周波数f0 を可変設定できる。また、近年、同じ
超音波探触子であっても、操作者がドプラ画像を見なが
ら最適な超音波の送信周波数f0 を自在に可変設定でき
る超音波ドプラ診断装置も提案されている。
【0010】しかしながら、超音波の送信周波数f0
可変すると、上記(2)式から明らかなように、ドプラ
シフト周波数fd もそれに比例して変化し、これに起因
してドプラ画像の表示内容が変化してしまうという問題
があった。
【0011】つまり、超音波パルスの送信周波数f0
上げると、ドプラシフト周波数fdは比例して上がる
が、その一方において、ドプラ画像における速度表示レ
ンジは上記(3)式から明らかなように逆に減少してし
まう。また、これとは逆に、超音波パルスの送信周波数
0 を下げると、ドプラシフト周波数fd は比例して下
がるが、その一方において、ドプラ画像における速度表
示レンジは上記(3)式から明らかなように逆に増加し
てしまう。
【0012】このように、送信周波数f0 が変動する
と、血流速度は本来一定であるにもかかわらず、ドプラ
シフト周波数fd とドプラ画像における速度表示レンジ
は互いに反比例して変動する。これに関し、表示波形に
着目してみると、表示領域の大きさは固定されているた
め、超音波パルスの送信周波数f0 の増減が波形の拡大
又は縮小として現れる。この問題は、連続波ドプラ法が
適用された場合にも同様に指摘される。
【0013】また、以上の問題は、低域除去フィルタに
関しても指摘されており、ドプラシフト周波数fd が変
動するにもかかわらず、従来の装置ではカットオフ周波
数が固定されており、換言すれば、上記(6)式から明
らかなように、送信周波数f0 を増減させた場合には、
血流速度が変動しなくても、カットオフ周波数に相当す
る速度はそれに反比例して変動してしまい、目的とする
クラッタのみを適切に遮断することが困難であった。
【0014】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、超音波の送信周波数を可変し
ても、ドプラ画像の表示内容が変化しない、換言すれば
速度表示レンジが変化しない超音波ドプラ診断装置を提
供することにある。
【0015】また、本発明の目的は、可変設定される送
信周波数に連動させて、表示可能な最大のドプラシフト
周波数及び低域除去フィルタの遮断周波数を適応的に可
変できる超音波ドプラ診断装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
[パルスドプラ法]上記目的を達成するために、本発明
は、可変設定された超音波パルスの送信周波数f0 を生
成する送信周波数生成手段と、前記生成された送信周波
数f0 と比例関係をもって、超音波パルスの送信繰り返
し周波数fprを生成する繰り返し周波数生成手段と、前
記送信周波数f0 の超音波パルスを前記送信繰り返し周
波数fprで生体内へ繰り返し送波し、生体内の運度反射
体にて反射された反射波を受波して受信信号を出力する
超音波探触子と、前記受信信号から前記運動反射体のド
プラシフト周波数fd を抽出する周波数解析手段と、速
度表示レンジが前記送信周波数f0 に依存しないドプラ
画像を形成する手段であって、前記抽出されたドプラシ
フト周波数fd に基づいて前記ドプラ画像を形成するド
プラ画像形成手段と、を含むことを特徴とする。
【0017】上記構成によれば、超音波パルスの送信周
波数f0 を変化させると、超音波パルスの送信繰り返し
周波数fprも比例変化するため、ドプラ画像における速
度表示レンジは維持される。換言すれば、超音波パルス
の送信周波数f0 を変化させると、ドプラシフト周波数
d が比例変化するが、それに連動して計測可能な最大
のドプラシフト周波数fd max も比例変化するので、結
局、表示内容は送信周波数f0 によらず不変となる。
【0018】ちなみに、パルスドプラ法では、送信繰り
返し周波数fprを上げると、測定可能な最大深度も浅く
なってしまい、観測したい計測ポイントの深度によって
は計測困難となるが、公知の手法を適用すれば、そのよ
うな最大深度より深い部位の計測を行うことも可能であ
る。例えば、1回の送受波を1フレームと定義した場合
において、n番目のフレームでの送波に対する反射波を
n+1番目のフレームで受波すれば最大深度の制約を打
開できる。また、送信繰り返し周波数fprを下げると、
いわゆる折り返し現象が起こりやすくなるが、そのよう
な折り返し現象に対しては、それを解消する公知の手法
を適用できる。例えば、ベースラインのシフトなどの手
法を適用してもよい。
【0019】本発明の好適な態様では、前記繰り返し周
波数生成手段は、前記送信周波数f0 を1/nに分周し
て前記送信繰り返し周波数fprを生成する分周器を含
む。
【0020】上記構成では、送信繰り返し周波数f
prは、送信周波数f0 を1/n分周することにより同期
して生成され、その際にnとしては整数のみならず非整
数も選択できる。
【0021】すなわち、本発明では、送信繰り返し周波
数fprが送信周波数f0 に対し、 fpr=f0 /n …(7) のように対応付けられているので、f0 が変化してもそ
れに比例してfprが変化することになり、ドプラ表示に
おける速度表示レンジを維持でき、従来の波形変動や色
相変化といった問題を解消できる。これは、上記の
(3)式において、仮にf0 が2倍になってもfprが2
倍になれば、vmax を維持できることからも理解でき
る。
【0022】本発明の好適な態様では、前記周波数解析
に先立って、前記送信繰り返し周波数fprを標本化周波
数としつつ前記受信信号の量子化を行う量子化手段と、
前記量子化手段と前記周波数解析手段との間に設けら
れ、前記受信信号に対し低域遮断を行うデジタルフィル
タと、を含む。
【0023】上記構成において、量子化手段の後段に設
けられたデジタルフィルタのカットオフ周波数は標本化
周波数に比例するものである。この前提の下で、送信繰
り返し周波数fprが送信周波数f0 に連動して変化する
と、標本化周波数もそれに連動して変化し、すなわち、
デジタルフィルタのカットオフ周波数も連動変化するこ
とになる。それを速度の面から見ると、送信周波数f0
が変化しても、カットオフ周波数に相当するカットオフ
ポイントでの速度は維持されることになる。
【0024】[連続波ドプラ法]以上の原理は、送信繰
り返し周波数fprを標本化周波数fq に置き換えて考え
れば、連続波ドプラ法にもそのまま適用できる。
【0025】すなわち、上記目的を達成するために、本
発明は、可変設定された超音波の送信周波数f0 を生成
する送信周波数生成手段と、前記生成された送信周波数
0と比例関係をもって、標本化周波数fq を生成する
標本化周波数生成手段と、前記送信周波数f0 の超音波
パルスを生体内へ連続送波し、生体内の運度反射体にて
反射された反射波を受波して受信信号を出力する超音波
探触子と、前記標本化周波数fq で前記受信信号の量子
化を行う量子化手段と、前記量子化された受信信号から
前記運動反射体のドプラシフト周波数fd を抽出する周
波数解析手段と、速度表示レンジが前記送信周波数f0
に依存しないドプラ画像を形成する手段であって、前記
抽出されたドプラシフト周波数fd に基づいて前記ドプ
ラ画像を形成するドプラ画像形成手段と、を含むことを
特徴とする。
【0026】また、本発明の好適な態様では、前記標本
化周波数生成手段は、前記送信周波数f0 を1/nに分
周して前記標本化周波数fq を生成する分周器を含む。
【0027】また、本発明の好適な態様では、前記量子
化手段と前記周波数解析手段との間に設けられ、前記受
信信号に対し低域遮断を行うデジタルフィルタを含む。
【0028】なお、パルスドプラ法及び連続波ドプラ法
のいずれにおいても、量子化に先立って、前記受信信号
に対し低域遮断を行うアナログフィルタを設けるのが望
ましい。そのアナログフィルタのカットオフ周波数は、
前記デジタルフィルタのカットオフ周波数が取り得る最
低値よりも低く設定される。すなわち、量子化に先立っ
て、アナログフィルタにより大振幅の低速運動体(主
に、心臓壁)などの信号をできる限り低減すれば、量子
化のダイナミックレンジを有効に活用できる。仮に、デ
ジタルフィルタのカットオフ周波数よりも、アナログフ
ィルタのカットオフ周波数が高いと、送信周波数f0
設定値如何によっては有効な血流データがカットされて
しまうことが危惧されるので、デジタルフィルタのクラ
ッタ除去を作用を妨げない範囲内でアナログフィルタを
機能させる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1には、本発明に係る超音波ド
プラ診断装置の好適な実施形態が示されている。図1に
示す超音波ドプラ診断装置はいわゆるパルスドプラ法が
適用された装置である。
【0030】図1において、送信周波数発生器10は、
後述する探触子11にて生体内へ送波する超音波パルス
の送信周波数(中心周波数)f0 を発生するものであ
る。この送信周波数発生器10には周波数設定器12が
接続されており、ユーザーは、この周波数設定器12を
利用して送信周波数f0 として所望の周波数を可変設定
することができる。発生された送信周波数f0 を示す信
号は送信器14に供給されている。
【0031】分周器16は、発生した送信周波数f0
分周して送信繰り返し周波数fprを発生するものであ
る。具体的には、f0 をnで割ることにより周波数fpr
を生成している。分周器16にはn設定器18が接続さ
れており、ユーザ−はnとして所望の値を入力設定でき
る。このnとしては整数には限られず非整数であっても
よい。本発明では、送信繰り返し周波数fprが送信周波
数f0 に比例していればよく、nが整数であることは条
件とされない。発生された送信繰り返し周波数fprを示
す信号は、送信器14に供給されている。
【0032】送信器14は、探触子11に接続されてお
り、探触子11へ送信信号を供給している。その送信信
号はパルス信号でありその中心周波数は送信周波数f0
であり、その送信信号の繰り返し周期は送信繰り返し周
波数fprで設定されている。すなわち、探触子11から
送信繰り返し周波数fprで送信周波数f0 の超音波パル
スが生体内に繰り返し送波される。生体内の運動反射体
にて反射されたエコーは再び探触子11にて受波され、
この探触子から受信信号が出力される。
【0033】この受信信号は、受信器20において所定
の受信信号処理、例えば増幅などがなされた後、直交検
波器22に送られ、送信周波数f0 により直交検波が行
われる。直交検波後の受信信号が、低域遮断アナログフ
ィルタA(以下、フィルタA)24に送られ、低域周波
数成分が除去される。ここで、このフィルタAはアナロ
グのフィルタであって、そのカットオフ周波数は固定さ
れている。
【0034】フィルタAを通過した受信信号は量子化回
路26において量子化される。すなわち、時間軸方向と
振幅軸方向の双方に対して量子化が行われる。この量子
化回路26は例えばA/D変換器により構成される。こ
の量子化回路26には、分周器16にて発生された送信
繰り返し周波数fprが標本化周波数として供給されてお
り、量子化回路26はその標本化周波数に基づく周期で
標本化を行っている。すなわち、標本化周波数は送信周
波数f0 に比例している。
【0035】量子化後の受信信号は、次に低域遮断デジ
タルフィルタB(以下、フィルタB)28に送られ、そ
こで更に低域成分の除去が行われる。フィルタB28
は、デジタルのフィルタ回路で構成され、そのカットオ
フ周波数は標本化周波数に比例している。すなわち、標
本化周波数が増加すれば、フィルタBにおけるカットオ
フ周波数も増加し、一方、標本化周波数が減少すればフ
ィルタBにおけるカットオフ周波数も減少する。ここ
で、フィルタAのカットオフ周波数は、このフィルタB
が取り得る最も低いカットオフ周波数よりも低い値に設
定されている。すなわち、心臓壁などの低速の強反射体
によるクラッタを除去するためには、本来的にはこのフ
ィルタBのみを設ければよいが、量子化回路26におけ
るダイナミックレンジを有効に活用するためには、それ
に入力される信号の振幅を一定以下におさえる必要があ
るため、フィルタA24が設けられている。しかしなが
ら、そのフィルタA24のカットオフ周波数がフィルタ
B28のカットオフ周波数よりも高くなると、フィルタ
Bのカットオフ周波数を適応的に設定する意義がなくな
るので、フィルタAのカットオフ周波数はフィルタBが
取り得る最も低いカットオフ周波数よりも低く設定され
ている。
【0036】周波数解析器30は例えばFFT回路ある
いは自己相関回路などで構成され、フィルタBを通過し
た受信信号から生体内運動体である血流の速度を抽出す
るものである。具体的には受信信号からドプラシフト周
波数fd を抽出し、それを最終的に速度の値に変換して
いる。
【0037】DSC(デジタルスキャンコンバータ)3
2は、ドプラ画像の形成を行う回路であり、例えばパワ
ースペクトル画像や二次元のカラーフロー画像などが形
成される。それらのドプラ画像は表示器34に送られ画
像表示がなされる。
【0038】図2には、フィルタA及びフィルタBの遮
断特性が示されている。上述の構成から明らかなよう
に、フィルタBの遮断特性は量子化回路26における標
本化周波数、換言すれば送信繰り返し周波数fprに依存
している。これに対しフィルタAの遮断特性は固定され
ており、しかもフィルタBが取り得る最も低い遮断特性
よりも低速度側に設定されている。図2に示されるよう
に、受信信号の周波数分布(スペクトル)は送信周波数
0 が可変すると、それに追従して変化することにな
り、つまりクラッタの周波数分布も変化することになる
が、本実施形態では送信周波数f0 の可変に連動させて
フィルタBの遮断特性を変動させているためクラッタの
みを効果的に除去することが可能である。
【0039】図3には、表示器34に表示されるパワー
スペクトル画像が示されている。上述したように縦軸は
血流速度に相当し、横軸は時間軸に相当している。各点
の輝度は血流のパワーに相当している。従来において
は、このようなパワースペクトル表示において送信周波
数f0 を可変させると、ドプラシフト周波数fd がそれ
に連動して変動し、すなわち図3に示される波形が拡大
したり縮小したりする問題があったが、本実施形態の装
置によれば、送信周波数f0 の変動に比例させて縦軸の
上限及び下限の周波数を変動させることができ、換言す
れば縦軸の上限及び下限の速度の値を送信周波数f0
大きさに関わらず維持できるので、波形の変動を防止し
てその状態を維持できる。すなわち、本発明によれば、
このようなパワースペクトル表示において、縦軸に関
し、表示レンジを速度面では維持でき、周波数面では送
信周波数に比例変化させることができる。
【0040】このような利点は、二次元ドプラ画像にお
いても同様に得られる。すなわち、図4(A)には色相
を速度に対応させた二次元ドプラ画像が示されている。
図4(B)には色相と速度との対応関係が示されてお
り、血流速度の正方向には赤色が設定され、血流速度の
負方向には青色が設定されている。正負の速度の大きさ
は色の濃さによって表されている。もちろん、色相の変
化によりその速度を表す手法を適用することもできる。
【0041】本発明によれば、このようなカラーバーに
おいて、送信周波数f0 を可変させても、速度と色の対
応関係は何ら変わらないため、ユーザーが周波数設定器
を利用して送信周波数f0 を変化させても画像に現れる
二次元ドプラ画像をそのまま維持できる。
【0042】次に図5には、本発明に係る超音波ドプラ
診断装置の他の実施形態が示されている。この図5に示
される超音波診断装置は連続波ドプラ法が適用された装
置である。なお、図1に示す構成と同様の構成には同一
符号を付けその説明を省略する。
【0043】図5に示す構成において、送信周波数発生
器10にて発生した送信周波数f0は、送信器14に送
られ、この送信器14から探触子11に向けて連続的に
送信信号が供給される。これにより探触子11は生体内
へ連続的に超音波を送波する。
【0044】一方、送信周波数f0 は、分周器16にも
供給されており、その分周器16は図1に示した分周器
16同様に送信周波数f0 をnで分周することにより標
本化周波数fq を生成している。そして、量子化回路2
6はその生成された標本化周波数fq で受信信号のサン
プリングを行っている。このような構成においても、表
示器に表示されるドプラ画像における速度表示レンジを
維持でき、またフィルタB28におけるカットオフ周波
数を送信周波数f0 に比例変化させ、クラッタの効率的
な除去を行える。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば超
音波の送信周波数を可変させても、ドプラ画像の表示内
容をそのまま維持できる。すなわち、本発明によれば超
音波の送信周波数の可変によっても速度表示レンジが変
化しないドプラ画像を形成できる。さらに、本発明によ
れば低域除去フィルタの遮断周波数を送信周波数に比例
させてクラッタの効率的な除去を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波ドプラ診断装置の全体構
成を示すブロック図である。
【図2】 フィルタAとフィルタBの遮断特性を示す図
である。
【図3】 パワースペクトル表示を示す説明図である。
【図4】 二次元ドプラ画像とカラーバーを示す説明図
である。
【図5】 本発明に係る超音波ドプラ診断装置の他の実
施形態を示す全体構成図である。
【符号の説明】
10 送信周波数発生器、12 周波数設定器、16
分周器、18 n設定器、24 低域遮断アナログフィ
ルタA、26 量子化回路、28 低域遮断デジタルフ
ィルタB。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変設定された超音波パルスの送信周波
    数f0 を生成する送信周波数生成手段と、 前記生成された送信周波数f0 と比例関係をもって、超
    音波パルスの送信繰り返し周波数fprを生成する繰り返
    し周波数生成手段と、 前記送信周波数f0 の超音波パルスを前記送信繰り返し
    周波数fprで生体内へ繰り返し送波し、生体内の運度反
    射体にて反射された反射波を受波して受信信号を出力す
    る超音波探触子と、 前記受信信号から前記運動反射体のドプラシフト周波数
    d を抽出する周波数解析手段と、 速度表示レンジが前記送信周波数f0 に依存しないドプ
    ラ画像を形成する手段であって、前記抽出されたドプラ
    シフト周波数fd に基づいて前記ドプラ画像を形成する
    ドプラ画像形成手段と、 を含むことを特徴とする超音波ドプラ診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記繰り返し周波数生成手段は、前記送信周波数f0
    1/nに分周して前記送信繰り返し周波数fprを生成す
    る分周器を含むことを特徴とする超音波ドプラ診断装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の装置において、 前記周波数解析に先立って、前記送信繰り返し周波数f
    prを標本化周波数としつつ前記受信信号の量子化を行う
    量子化手段と、 前記量子化手段と前記周波数解析手段との間に設けら
    れ、前記受信信号に対し低域遮断を行うデジタルフィル
    タと、 を含むことを特徴とする超音波ドプラ診断装置。
  4. 【請求項4】 可変設定された超音波の送信周波数f0
    を生成する送信周波数生成手段と、 前記生成された送信周波数f0 と比例関係をもって、標
    本化周波数fq を生成する標本化周波数生成手段と、 前記送信周波数f0 の超音波パルスを生体内へ連続送波
    し、生体内の運度反射体にて反射された反射波を受波し
    て受信信号を出力する超音波探触子と、 前記標本化周波数fq で前記受信信号の量子化を行う量
    子化手段と、 前記量子化された受信信号から前記運動反射体のドプラ
    シフト周波数fd を抽出する周波数解析手段と、 速度表示レンジが前記送信周波数f0 に依存しないドプ
    ラ画像を形成する手段であって、前記抽出されたドプラ
    シフト周波数fd に基づいて前記ドプラ画像を形成する
    ドプラ画像形成手段と、 を含むことを特徴とする超音波ドプラ診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の装置において、 前記標本化周波数生成手段は、前記送信周波数f0 を1
    /nに分周して前記標本化周波数fq を生成する分周器
    を含むことを特徴とする超音波ドプラ診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の装置において、 前記量子化手段と前記周波数解析手段との間に設けら
    れ、前記受信信号に対し低域遮断を行うデジタルフィル
    タを含むことを特徴とする超音波ドプラ診断装置。
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