JPH09161538A - 固体電解質シート - Google Patents

固体電解質シート

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JPH09161538A
JPH09161538A JP7313854A JP31385495A JPH09161538A JP H09161538 A JPH09161538 A JP H09161538A JP 7313854 A JP7313854 A JP 7313854A JP 31385495 A JP31385495 A JP 31385495A JP H09161538 A JPH09161538 A JP H09161538A
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JP
Japan
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sheet
solid electrolyte
fiber
diameter
thickness direction
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Pending
Application number
JP7313854A
Other languages
English (en)
Inventor
Juichi Ino
壽一 猪野
Noriaki Sato
典明 佐藤
Takashi Yamagishi
隆司 山岸
Shigeo Kondo
繁雄 近藤
Kazunori Takada
和典 高田
Kazuya Iwamoto
和也 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Nippon Glass Fiber Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Glass Fiber Co Ltd, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Glass Fiber Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Secondary Cells (AREA)
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  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートの厚み方向に弾力性に富み、電極活物
質との密着性に優れたイオン伝導率が高い、リチウムイ
オン伝導性固体電解質シートを提供する。 【解決手段】 平均繊維長が1.0〜50mm、平均直
径が0.1〜20μmの繊維状固体電解質を集積して形
成させたシートであって、前記繊維状固体電解質には曲
がりが付与され、シートの厚さ方向に100〜500g
/cm2 のヤング率を有することを特徴とする固体電解
質シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解質シート、
特に固体電池、固体電気二重層キャパシタ、固体エレク
トロクロミックディスプレイなどの、固体電気化学素子
に利用されるリチウムイオン伝導性固体電解質シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR、CDプレー
ヤー、ラップトップ型コンピューター、携帯用電話など
のポータブル電子機器が広く一般ユーザーに普及してお
り、これらの電子機器の小型・軽量化が進められてい
る。その中で電池に対する性能向上の要求も高まり、ま
た経済性の観点からも二次電池の期待は大きい。
【0003】リチウム二次電池は、この要求を満たす電
池システムとして注目され、盛んに研究が行なわれてい
る。しかしながらこれらの電池においては、従来電解質
として六フッ化リン酸リチウム、ホウフッ化リチウムな
どの腐食性の強い塩を有機溶媒に溶解したものが使用さ
れているため、電解質の液漏れや腐食等の問題がある。
【0004】これに対して、電解質として固体を使用し
た固体電気化学素子では、その構成部材がすべて固体物
質であるため液漏れや腐食の心配がなく、小型化及び薄
型化が容易であるという利点を有している。このような
リチウムイオン伝導性固体電解質のひとつとして、硫化
物ガラスやこれら硫化物ガラスにヨウ化リチウム(Li
I)のようなリチウムハライド、あるいはリン酸リチウ
ム(Li3PO4)のようなリチウム酸素酸塩などを加え
たガラスが存在する。
【0005】これらは高いイオン伝導率を示す電解質で
あるが、通常は固体粉末の形に製造されるため、電気化
学素子(例えば電池)へ応用する際に、粉末を高圧プレ
スによりペレット化することが必要となり、硬くて脆
く、取り扱いの困難なものとなっている。また、適当な
バインダーを用いてシート状にする方法や熱可塑性高分
子樹脂を混合し、加熱圧延してリチウムイオン伝導性固
体電解質シートを得る方法もあるが、バインダーおよび
熱可塑性樹脂がリチウムイオン伝導性固体電解質の粒子
間に存在し、固体電解質同士の接合を妨げ、結果として
イオン伝導性が低下してしまう。
【0006】そこで、リチウムイオン伝導性固体電解質
を、遠心法、吹き付け法などにより短繊維状に成形し、
これを加圧成形して不織布としたり、ロッド法、ポット
法などにより長繊維状に成形し、これを織布にすること
により、高い可撓性を有し加工性に優れている繊維状固
体電解質シートが提案されている(特開平6−2753
11号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】繊維を加圧成形して不
織布シートに加工した固体電解質は、加圧により繊維が
不織布表面に平行な面方向に配列するため、シートの厚
み方向に対して弾力性がなくなり、その結果負極または
正極とのコンタクトがうまく行なわれず、充分なイオン
伝導性が得られないといった問題点がある。
【0008】また、長繊維を使用した織布シートの固体
電解質である場合、シートの厚み方向の弾力性は小さ
く、織布シートの表面は、繊維の集束体である糸の波打
ちによって比較的大きな凹凸を有するので、固体電解質
の繊維と電極との接触面積が大きくすることができな
い。さらには織る・編むなどの工程が必要なため、コス
トが高くなってしまうという問題点がある。
【0009】本発明は、前記従来技術の問題点を解決
し、シートの厚み方向に弾力性に富み、電極活物質との
密着性に優れた、イオン伝導率が高いリチウムイオン伝
導性固体電解質シートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、平均繊維長が
1.0〜50mm、平均直径が0.1〜20μmの繊維
状固体電解質を集積して形成させたシートであって、前
記繊維状固体電解質には曲がりが付与され、シートの厚
さ方向に100〜500g/cm2 のヤング率を有する
ことを特徴とする固体電解質シートである。
【0011】本発明において使用される繊維状固体電解
質は、平均繊維長が1.0〜50mm、平均繊維直径が
0.1〜20μmのものが用いられる。繊維状固体電解
質をシート状に形成するためには、あまり繊維が長いと
繊維同士が絡み合って分散等が困難になったり、繊維が
面方向に配列して弾力性を失ってしまう。逆に繊維長さ
が短すぎる場合には、繊維同士の絡みが難しくなりシー
ト強度が弱くなるかシート形状を形成し得なくなる。よ
り好ましい繊維状固体電解質の平均繊維長は5〜30m
mである。
【0012】また、平均繊維径が20μmを越えると、
繊維長さが短い場合と同様、繊維同士の絡みが難しくな
りシート強度が弱くなるか、シートの作製が難しくな
り、さらに繊維に柔軟性が失われ弾力性のあるシートを
形成することが困難となる。小さな平均繊維直径の繊維
状固体電解質は、製造コストが高くなりまた製造が困難
となるので、0.1μm以上の平均繊維直径のものが使
用される。より好ましい繊維状固体電解質の平均繊維直
径は、0.5〜10μmである。
【0013】本発明における、繊維状固体電解質の平均
繊維長および平均繊維直径は、次のように定義する。ラ
ンダムに採取した100本の繊維状固体電解質を、一本
づつ100倍の光学顕微鏡で繊維の曲がりに沿う長さP
i(真っ直ぐに伸ばしたときの長さ)および直径Diを
測定し、その値から各繊維状固体電解質の重量Wiを計
算して、平均繊維長はPi × Wiの合計値(PiとW
iの積を100本の繊維について合計した値)をWiの
合計値で除した値を、平均繊維直径はDi ×Wiの合
計値をWiの合計値で除した値でそれぞれ定義する。
【0014】短繊維の作製方法としては、吹き付け法や
遠心法、または旋回ガスジェット法(特公昭58−57
374号)などを使用することができる。
【0015】吹き付け法や遠心法で短繊維を作製した場
合には、その繊維に曲がりを付与し、さらにシートの厚
み方向に配向した繊維を多くし、シートの厚み方向に弾
力性を持たせるために、吹き付けまたは遠心力によって
吹き飛ばされたガラス短繊維を、直接にその吹き付けま
たは吹き飛ばされる方向に対して、ほぼ垂直な表面の捕
集面を有する集綿装置上に捕集する乾式方法で集積し
て、シートとするのが好ましい。有機溶媒を用いる湿式
抄造法は、抄造の工程で繊維がシートの表面に平行な方
向に配向しやすく、シートの厚み方向の弾力性を損な
い、イオン伝導率の低下をもたらすのであまり適当では
ない。
【0016】旋回ガスジェット法は、融液の円柱状流外
周の接線方向に旋回ガスジェットを吹き付け、ガラス融
液を高速で旋回させ、細い糸状物質とし、それを遠心力
によって引き出す方法である。この旋回流により付与さ
れる曲がりは、上記吹き付け法や遠心法によって得られ
るものよりも非常に大きくなるので、繊維の絡みを持た
せるために好適である。したがって、この方法で短繊維
を作製した場合は、そのままネットなど集綿装置上に捕
集する乾式方法で集積して、シートを形成しても良い
し、有機溶媒を用いる湿式抄造法を用いて集積しても良
い。この方法で作製された短繊維を用いシートは特に弾
力性があり、さらにその絡みによって引っ張り強度の高
いシートを形成することができる。
【0017】本発明における繊維状固体電解質の曲がり
の程度は、形成されたシートの内部での曲がりではな
く、シートに成形される前の、またはシートから引き出
された繊維状固体電解質の曲がりを指す。この曲がりの
値は、その繊維を直線に引き伸ばしたときの長さと、曲
げられた状態の繊維の両端間の距離との比率Bが少なく
とも1.1であることが好ましい。この曲げられた状態
の繊維の両端間の距離は、重力を除くいかなる外力も作
用させない状態で測定するものとする。より好ましい曲
がりは上記比率が少なくとも1.5であり、更に好まし
い曲がりは上記比率が少なくとも2.0である。
【0018】これらの曲がりの値は、ランダムに採取し
た100本の繊維状固体電解質を一本づつ100倍の光
学顕微鏡で繊維の曲がりに沿う長さPi(真っ直ぐに伸
ばしたときの長さ)、繊維の直径Diおよび繊維の両端
間の距離Qiを測定し、PiとDiの値から各繊維状固
体電解質の重量Wiを計算して、曲がりの比率Bは(P
i/Qi)Wiの合計値をWiの合計値で除した値で定
義する。
【0019】形成されたシートの厚みは電解質としての
特性を考えると、できるだけ薄い方がよく、30〜10
00μmであることが好ましい。30μm未満の厚みで
はシートの強度が不十分で、また均一な厚みのものを製
造することは困難である。厚みが1mmを越えると、電
気抵抗が高くなって電解質としての特性が悪くなる。よ
り好ましい厚みは50〜300μmである。本発明での
シートの厚みは、表面が平滑な2枚の板の間にシートを
挟み、シートの厚み方向に0.5g/cm2 の荷重をか
けたときの2枚の板の間隙の値で定義する。
【0020】これらの作製工程はすべて不活性雰囲気下
で行なわれ、不活性雰囲気を維持するためのグローブボ
ックスは、通常市販されているようなもので良く、不活
性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが用い
られるが、雰囲気の不活性、還元性を有する限り、これ
らに限定されるものではない。
【0021】本発明によれば、厚み方向に弾力性がある
シートを作製することで、正極・負極材料に挟み込んだ
とき、その反発力によって極材料との密着性が向上し、
イオン伝導率が上がる。特に旋回ガスジェット法で作製
された短繊維は、旋回流による曲がりが付与されるた
め、その絡みによって引っ張り強度の高いシートを形成
することができる。
【0022】本発明のシートは、その厚み方向に100
〜500g/cm2 のヤング率を有することが好まし
い。このヤング率が低すぎると、電池に組み込んだとき
にシートが電極を押しつける力が小さくて、充分なイオ
ン伝導性が得られない。逆にヤング率が大きすぎると、
電池に組み込んだときに両電極間の距離のばらつきを吸
収できずに、電極とのコンタクトがうまく行なわれず、
充分なイオン伝導性が得られなくなる。
【0023】本発明のシートは、通常は、85〜97%
の空隙率と0.07〜0.36g/cm3 のみかけ密度
を有する。空隙率およびみかけ密度の値は、シートの厚
み、シートの寸法、シートの重量およびシートを構成す
る上記繊維状固体電解質の比重から計算される。
【0024】本発明によれば長繊維と異なり、織る・編
むなどの工程を必要としないため、低コストで厚み方向
に弾力性を有する固体電解質シートを作製することがで
きる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に実施例について説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。なお、以下に示す実施例は全
て、グローブボックスを用いて窒素雰囲気中にて行なわ
れた。
【0026】
【実施例1】Li2S-SiS2 系ガラスを原料として用
い、これを熔融用カーボン製坩堝の中に入れ、その周り
を白金ヒーターで包み、約1000℃にて間接加熱、ガ
ラスを熔融状態とした。カーボン製坩堝の先端部(熔融
ガラス流出部)には、流出する熔融ガラスを繊維化する
ための窒素吹出ノズルを取り付けた。カーボン製坩堝の
先端部からは、熔融ガラスを流下させながら高圧窒素を
吹き付け、短繊維状硫化物系リチウムイオン伝導性固体
電解質を得た。さらに短繊維の飛び出し方向に直角に集
綿装置を設け、作製された短繊維を捕集し、シートとし
た。
【0027】得られたシートは、長さ数mm〜数cm
(平均長さ約10mm)、直径1〜10μm(平均直径
約3μm)、曲がり比率約1.5の短繊維から構成され
る厚さ約200μmのシートであった。このシートは、
92%の空隙率と0.14g/cm3 のみかけ密度を有
していた。この硫化物系リチウムイオン伝導性固体電解
質シートは引張り強度も強く、かつ充分な可撓性を有
し、シートの厚み方向に1190g/cm2 の荷重を掛
けると、厚さ100μm程度に収縮し、荷重を解除する
と、もとの厚さ(約200μm)に戻る弾力性を有する
ものであった。そして、シート厚み方向のヤング率を測
定すると、220g/cm2 であった。
【0028】作製された固体電解質シートのイオン伝導
率を、以下に述べる交流インピーダンス法により測定し
た。まず、作製された固体電解質シートを直径10mm
の円盤状に切り抜いた。この円盤の両面に同じく直径1
0mmのPt板を、シートの厚み方向に0.9kgの荷
重を掛けて、固体電解質シートの厚みが100μmにな
るように、圧接してインピーダンス測定用の電極とし、
イオン伝導率測定用セルを構成した。交流インピーダン
スは、ベクトルインピーダンスアナライザにより、10
mVの交流(周波数値は10mHz〜1MHz)を入力
して測定した。その結果、得られた固体電解質シートの
イオン伝導率は、3.0×10-4S/cmであった。
【0029】
【比較例1】実施例1と同様に、Li2S-SiS2 系ガ
ラスを原料として用い、これを熔融用カーボン製坩堝の
中に入れ、その周りを白金ヒーターで包み、約1000
℃にて間接加熱、ガラスを熔融状態とした。カーボン製
坩堝の先端部(熔融ガラス流出部)には、流出する熔融
ガラスを繊維化するための窒素吹出ノズルを取り付け
た。カーボン製坩堝の先端部からは、熔融ガラスを流下
させながら高圧窒素を吹き付け、短繊維状硫化物系リチ
ウムイオン伝導性固体電解質を得た。得られた短繊維を
加圧成形により厚さ150μmとした。
【0030】得られたシートは、長さ数mm〜数cm
(平均長さ約10mm)、直径1〜10μm(平均直径
約3μm)、曲がり比率約1.5の短繊維から構成され
ていた。このシートは、77%の空隙率と0.41g/
cm3 のみかけ密度を有していた。また、シートの厚み
方向の断面を顕微鏡で観察したところ、繊維の大部分が
シート表面に平行に配列していた。シートの厚み方向に
2300g/cm2 の荷重を掛けると厚さ約100μm
に収縮し、荷重を解除しても、もとの厚さ(150μ
m)には戻らず、120μmに戻るだけであった。そし
てシート厚み方向のヤング率を測定すると、570g/
cm2 であった。
【0031】作製された固体電解質シートのイオン伝導
率を、実施例1と同様に交流インピーダンス法により測
定した。なおPt板を圧接して、シートの厚み方向に1
810gの荷重を掛けたとき、固体電解質シートの厚み
は約100μmに変化した。測定の結果、得られた固体
電解質シートのイオン伝導率は、2.1×10-4S/c
mであった。
【0032】
【実施例2】吹き付け法に代えて、熔融ガラスを回転す
る放射盤上に流下させ、その際に作用する遠心力で熔融
ガラスを吹き飛ばす遠心法により、短繊維状硫化物系リ
チウムイオン伝導性固体電解質を得た。さらに、短繊維
の飛び出し方向に直角に集綿装置を設け、作製された短
繊維を捕集し、シートとした。
【0033】得られたシートは、長さ数mm〜数cm
(平均長さ約10mm)、直径1〜10μm(平均直径
約3μm)、曲がり比率約1.5の短繊維から構成され
る厚さ約200μmのシートであった。このシートは、
96%の空隙率と0.08g/cm3 のみかけ密度を有
していた。この硫化物系リチウムイオン伝導性固体電解
質シートは引張り強度も強く、かつ充分な可撓性を有し
ていた。シートの厚み方向に700g/cm2 の荷重を
掛けると、厚さ120μm程度に収縮し、荷重を解除す
ると、もとの厚さに戻る弾力性を有するものであった。
そしてシート厚み方向のヤング率を測定すると、160
g/cm2 であった。
【0034】作製された固体電解質シートのイオン伝導
率を、実施例1と同様に交流インピーダンス法により測
定した。その結果、得られた固体電解質シートのイオン
伝導率は、2.8×10-4S/cmであった。
【0035】
【実施例3】図1に示すような装置を用いて、Li2S-
SiS2 系ガラスの繊維化を行なった。この組成のガラ
スは金属に対する腐食性が強いため、熔融用の坩堝とし
てカーボン製坩堝1を用いた。その周りを白金ヒーター
2で包み、約1000℃にて間接加熱した。カーボン製
坩堝1の先端部(熔融ガラス流出部)には、流出する熔
融ガラスを繊維化するための旋回ガスジェットノズル3
を取り付けた。旋回ガスジェットノズルの一例を図2に
示す。
【0036】旋回ガスジェットノズルは図に示されるよ
うに、噴出口10を有する旋回ガスジェット噴出用ノズ
ル4が、固体電解質流出ノズル11の周囲に均等に6個
配置され、ジェットガス入り口12から送りこまれた加
圧された不活性ガスを噴出口10から噴出させ、固体電
解質流出ノズル11近辺で、ガラスの熔融物を連続的に
流出させながら流出した熔融物の進行に沿う領域におい
て、熔融物に対して横断面外周の接線方向成分と熔融物
の進行方向に向かってガス流を作製する。このガス流に
よって、熔融物を限定された位置に閉じ込めながら進行
方向の中心軸の周りに回転させ、固体電解質の繊維5を
連続的に作製する。ガスジェットノズルの温度上昇を防
ぐために、カーボン製坩堝とガスジェットノズルとの間
に、図3に示すように断熱材12を用いた。使用した断
熱材はアルミナ−シリカ系シートである。図1における
吹き出し口4下部には、作製されたガラス短繊維5を捕
集する繊維収集容器6を設けた。
【0037】また、不活性雰囲気を維持する為に、これ
ら装置を図1のグローブボックス9で覆い、ボックスの
一ヶ所または数ヶ所の不活性ガス流入口7から、不活性
ガスを流入しておく。旋回ガスジェットノズル3から
は、大量の不活性ガスが吹き出されるため、不活性ガス
吹き出し口8から余剰のガスを排出する。流入口7から
流入させる不活性ガスおよび旋回ガスジェット用の不活
性ガスとして窒素ガスを用い、旋回ガスジェットノズル
3から吹き出された窒素ガスの温度は約10℃であっ
た。
【0038】以上の方法によって、平均長さ約10m
m、平均直径約1μm、曲がり比率約2.5のLi2S-
SiS2系ガラスの短繊維を連続的に得ることができ
た。
【0039】得られた短繊維状硫化物系リチウムイオン
伝導性固体電解質を、脱水トルエン中に撹拌機を用いて
分散、抄紙用溶液とした。上記抄紙用溶液を湿式抄紙器
にて抄紙、その後窒素雰囲気中にて乾燥させた。得られ
たシートは、平均長さ約10mm、平均直径約1μmの
短繊維から構成される厚さ200μm程度のシートであ
った。このシートは、92%の空隙率と0.14g/c
3 のみかけ密度を有していた。この硫化物系リチウム
イオン伝導性固体電解質シートは引張り強度も強く、か
つ充分な可撓性を有していた。シートの厚み方向に12
70g/cm2の荷重を掛けると、厚さ100μm程度
に収縮し、荷重を解除すると、もとの厚さに戻る弾力性
を有するものであった。そしてシート厚み方向のヤング
率を測定すると、233g/cm2 であった。
【0040】作製された固体電解質シートのイオン伝導
率を、実施例1と同様に交流インピーダンス法により測
定した。その結果、得られた固体電解質シートのイオン
伝導率は、3.0×10-4S/cmであった。
【0041】
【実施例4】実施例3と同様に、旋回ガスジェット法を
用いて、短繊維状硫化物系リチウムイオン伝導性固体電
解質を作製した。この際繊維収集容器に代えて、走行ベ
ルト方式の集綿装置を設置した。この集綿装置により、
旋回ガスジェット法で短繊維を作製しながら、シートを
形成した。得られたシートは、長さ数mm〜数cm(平
均長さ約10mm)、直径1〜10μm(平均直径約3
μm)、曲がり比率約2.5の短繊維から構成される厚
さ200μm程度のシートであった。このシートは、8
8%の空隙率と0.22g/cm3のみかけ密度を有し
ていた。
【0042】この硫化物系リチウムイオン伝導性固体電
解質シートは引張り強度も強く、かつ充分な可撓性を有
し、シートの厚み方向に1440g/cm2 の荷重を掛
けると、厚さ100μm程度に収縮し、荷重を解除する
と、もとの厚さに戻る弾力性を有するものであった。そ
して、シート厚み方向のヤング率を測定すると、360
g/cm2であった。
【0043】作製された固体電解質シートのイオン伝導
率を、実施例1と同様に交流インピーダンス法により測
定した。その結果、得られた固体電解質シートのイオン
伝導率は、3.5×10-4S/cmであった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、厚み方向に弾力性があ
る固体電解質シートが得られ、これを正極・負極材料に
挟み込んだとき、その反発力によって電極材料との密着
性が向上して高いイオン伝導率が得られ、したがってこ
れを用いた電池の特性が向上する。また、フレキシブル
で内部抵抗の低いリチウム電池や、固体電気化学センサ
ーを低コストで作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3および実施例4で使用した装
置の概念を示す側面図。
【図2】図1の一部分を拡大した平面図。
【図3】図1の一部分を拡大した側面図。
【符号の説明】
1・・・カーボン製坩堝 2・・・白金ヒーター 3・・・旋回ガスジェットノズル 4・・・旋回ガスジェット噴出用ノズル 5・・・短繊維状硫化物系リチウムイオン伝導性固体電
解質 6・・・繊維収集容器 7・・・不活性ガス流入口 8・・・不活性ガス吹き出し口 9・・・グローブボックス 10・・噴出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D04H 1/42 G02F 1/15 507 G02F 1/15 507 H01G 9/00 301G (72)発明者 山岸 隆司 三重県津市高茶屋小森町4902番地 日本硝 子繊維株式会社内 (72)発明者 近藤 繁雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 高田 和典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岩本 和也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均繊維長が1.0〜50mm、平均直
    径が0.1〜20μmの繊維状固体電解質を集積して形
    成させたシートであって、前記繊維状固体電解質には曲
    がりが付与され、シートの厚さ方向に100〜500g
    /cm2 のヤング率を有することを特徴とする固体電解
    質シート。
  2. 【請求項2】 前記固体電解質の曲がりは、その繊維を
    直線に引き伸ばしたときの長さが、曲げられた状態の繊
    維の両端間の距離に比して少なくとも1.1倍である請
    求項1記載の固体電解質シート。
  3. 【請求項3】 前記シートは、85〜97%の空隙率を
    有する請求項1記載の固体電解質シート。
  4. 【請求項4】 前記シートは、30〜1000μmの厚
    みを有する請求項1記載の固体電解質シート。
  5. 【請求項5】 前記シートは、0.07〜0.36g/
    cm3 のみかけ密度を有する請求項1記載の固体電解質
    シート。
  6. 【請求項6】 前記固体電解質は、少なくとも硫化物系
    リチウムを含む複数の化合物より合成されるリチウムイ
    オン伝導性固体電解質である請求項1記載の固体電解質
    シート。
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