JPH0915795A - レンズ付フィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】撮影レンズ固定用の部品を使用しないで、露光
部に撮影レンズを取付けること。 【構成】前記露光部の撮影レンズを組み込む貫通孔を有
する合成樹脂で成形してある枠体と合成樹脂製の撮影レ
ンズとを一体成形、もしくは撮影レンズと枠体を直接係
合されるようにした構成である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、撮影用露光機能を予
め付与した感光性フィルム包装ユニット（以下「レンズ
付フィルム」と称する）等に用いられるカメラのレンズ
固定機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】装填されている感光性フィルムを全部露
光撮影終了したとき、この撮影済フィルムを取り出し、
カメラ本体を廃棄処分にする簡易型カメラが最近多く市
販されている。このような簡易型カメラは、部品点数を
少なくし、機構を簡単にして製造コストを低減するため
にいろいろ工夫されている。例えば、実公平３−３９７
８４号公報に記載されている考案は、撮影レンズを組み
込んである光学部品の前面に嵌合する前面カバーの裏面
にレンズ押さえ環状突起を設け、組立に際して前面カバ
ーを嵌合したとき、この突起によって撮影レンズ前面周
辺を押圧してレンズを固定する保持機構に関するもので
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記実用新案
の考案では前面カバーでレンズ周辺を押圧してレンズを
固定しているから、この前面カバーが成形時に反り変形
や歪みを生じていたときには光学部の撮影レンズの固定
が不充分になり、ガタを生じて固定できなかったり、前
面カバーが嵌合出来ないという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明の前記目的は、
感光性フィルムを内蔵し、この感光性フィルムの装填
室、巻取室および巻取機構を備えた合成樹脂で形成して
ある写真撮影機本体の前面に、撮影レンズやシャッタ機
構を組み込んだ露光部およびファインダ部を備えた前面
カバー等を嵌合して形成してなるレンズ付フィルムにお
いて、前記撮影レンズを組み込む貫通孔を有する合成樹
脂で成形してある枠体と合成樹脂製の撮影レンズとを一
体成形、もしくは、前記枠体へ撮影レンズをレンズ押さ
え無しでレンズを取付けることによって達成できる。

【０００５】また、前記合成樹脂製の枠体に設けた貫通
孔の周辺に、この貫通孔と同心円にして環状突起を突設
し、この突起の内周面に接触して合成樹脂製の撮影レン
ズを一体的に成形するか、前記合成樹脂製の枠体の環状
突起内に合成樹脂製の撮影レンズを圧入して撮影レンズ
を固定したり、前記写真撮影機本体の一部に撮影レンズ
の取付け用部材を設けるとともにこの取付け用部材に係
合する係合部を備えた撮影レンズのレンズ保持部材とか
らなり、前記取付け用部材とレンズ保持部材とを一体成
形、もしくは、前記枠体へ撮影レンズをレンズ押さえ無
しでレンズを取付けることによって達成することができ
る。

【０００６】

【作用】この発明のレンズ付フィルムは写真撮影機本体
の撮影レンズを嵌合する貫通孔を備えた露光部のレンズ
取付け部において、このレンズ取付け部と合成樹脂製の
撮影レンズとを一体的に成形するように係合部を形成し
てあるから、撮影レンズを写真撮影機本体に固定するた
めの部品を必要としないばかりでなく、撮影レンズの周
辺部を前面カバーの突起等で固定することもないから、
露光部に嵌合した撮影レンズを確実に固定することがで
き、固定保持に際して前面カバー等の歪みの影響も受け
ることなく、撮影レンズの周縁の押圧に際してのガタ等
を生じることもなく、撮影レンズが確実に所定位置に固
定保持することができる。撮影レンズとして合成樹脂で
成形するからガラス製品に比較して成形の自由度が大き
いから多くの製品に適応する撮影レンズを一体的に成形
することができる。

【０００７】

【実施例】図１はこの発明のレンズ付フィルムの一実施
例の分解斜視図である。図２はこの発明の第２の実施例
のレンズ固定方法の要部断面図である。１は巻装した感
光性フィルムを装填室３に配設し、他方側に巻取室２を
設けた写真撮影機本体で、この装填室３と巻取室２とは
感光性フィルムを搬送するための平面性のガイド部分に
よって連結してある。巻取室２には巻取ノブ１０が設け
られている。４は装填室３から繰り出された感光性フィ
ルムに露光するため、撮影レンズ６や露光シャッタ機構
等を備えた露光部である。この両側縁に撮影レンズ６を
固定する係合突起５，５が設けられている。前記露光部
４の貫通孔４ａに嵌合する撮影レンズ６の両端側に前記
係合突起５，５に係合する係合部７，７を形成してあ
る。

【０００８】８は前記写真撮影機本体１の裏側から嵌合
する後面カバーで、上記装填室３と巻取室２とを収容で
きるように形成してある。９は上記露光部４の撮影レン
ズ６の前面に嵌合する前面カバーである。これら写真撮
影機本体１、前面カバー９、露光部４および後面カバー
８等は合成樹脂製となっている。この露光部４の貫通孔
部分に撮影レンズ６を嵌合し、露光部４の枠体４ｂの両
側に設けた係合突起５，５に撮影レンズ６の係合部７，
７を一体的に係合して組立る。係合部７を露光部４の枠
体に形成し、係合突起５を撮影レンズ６側に形成しても
よい。

【０００９】また、図２に示されるように露光部４の貫
通孔４ａの外周側に、この貫通孔４ａと同心円に環状突
起５ａを前面に突出させて、撮影レンズ６を圧入成形
し、この撮影レンズ６の外周縁を環状突起５ａ内周面に
固着して撮影レンズ６を固定保持することがきる。この
場合露光部４を軟質性樹脂で成形し、一方硬質性樹脂か
ら成形された撮影レンズ６を圧入して一体成形すること
により簡単に製造することができる。

【００１０】図１ではシャッタ機構を備えた露光部４は
撮影レンズ６の後側に配置されているが、撮影レンズ４
の前面側にシャッタ機構を配置してもよい。この発明の
撮影レンズ６は透明性に優れるアクリル樹脂系やジグリ
コールジアリルポリカーボネート等のポリカーボネート
樹脂系等の硬質性のものが用いられる。また、写真撮影
機本体やカバー等は耐衝撃に強い軟質性の樹脂が使用す
ることができる。

【００１１】このように形成されるレンズ付フィルム
は、撮影レンズ６は露光部４の貫通孔４ａ内に嵌合する
に際して、係合部７によって一体的に組立られるから安
定して確実に撮影レンズ６を固定することができる。ま
た撮影レンズ６を貫通孔４の外周に突出した環状突起５
ａ内に圧入して固定して一体的に成形することもできる
し、また、圧入でなく撮影レンズと写真撮影機本体１を
一体成形することなも可能である。

【００１２】

【発明の効果】この発明のレンズ付フィルムは露光部の
撮影レンズが枠体と一体的に成形することができるので
部品点数が少なく、安価に製造することができるばかり
でなく、確実に所定位置に撮影レンズを固定保持するこ
とができる。また、写真撮影機本体とレンズを別個に成
形した場合においてレンズ押さえ無しで組立られるので
安価に製造できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のレンズ付フィルムの分解斜視図であ
る。

【図２】この発明のレンズ固定方法の他の実施例の要部
断面図である。

【符号の説明】

１ …写真撮影機本体 ２ …巻取室 ３ …装填室 ４ …露光部 ５ …係合部 ５ａ …環状突起 ６ …撮影レンズ ７ …両端係合部 ８ …後面カバー ９ …前面カバー １０ …巻取ノブ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】感光性フィルムを内蔵し、この感光性フィ
   ルムの装填室、巻取室および巻取機構を備えた合成樹脂
   で形成してある写真撮影機本体の前面に、撮影レンズや
   シャッタ機構を組み込んだ露光部およびファインダ部を
   備えた前面カバー等を嵌合するとともに後面カバーで感
   光性フィルム側を被覆して形成してなるレンズ付フィル
   ムにおいて、 前記露光部の撮影レンズを組み込む貫通孔を有する合成
   樹脂で成形してある枠体と合成樹脂製の撮影レンズとを
   一体成形したことを特徴とするレンズ付フィルム。
2. 【請求項２】前記合成樹脂製の枠体に設けた貫通孔の外
   周辺に、この貫通孔と同心円にして環状突起を突設し、
   この突起の内周面に接触して合成樹脂製の撮影レンズを
   一体的に成形したことを特徴とする請求項１記載のレン
   ズ付フィルム。
3. 【請求項３】前記合成樹脂製の枠体の環状突起内に合成
   樹脂製の撮影レンズを圧入して撮影レンズを固定したこ
   とを特徴とする請求項１，２記載のレンズ付フィルム。
4. 【請求項４】前記写真撮影機本体の一部に撮影レンズの
   取付け用部材を設けるとともにこの取付け用部材に係合
   する係合部を備えた撮影レンズからなることを特徴とす
   る請求項１記載のレンズ付フィルム。