JPH09157852A - 減圧気相反応装置及びその排ガス処理方法 - Google Patents

減圧気相反応装置及びその排ガス処理方法

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JPH09157852A
JPH09157852A JP7311829A JP31182995A JPH09157852A JP H09157852 A JPH09157852 A JP H09157852A JP 7311829 A JP7311829 A JP 7311829A JP 31182995 A JP31182995 A JP 31182995A JP H09157852 A JPH09157852 A JP H09157852A
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gas
pump
clf
water
reaction chamber
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JP7311829A
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Katsuyoshi Matsuura
克好 松浦
Naoki Sakamoto
直樹 坂元
Toru Tsurumi
徹 鶴見
Hirokazu Yamanishi
宏和 山西
Hiroyuki Kamata
博之 鎌田
Yoshiyasu Sato
善康 佐藤
Kazuhide Abe
和英 阿部
Hiroshi Omatsu
啓 尾松
Hideo Yamamoto
英雄 山本
Nobuhiro Nishimura
伸弘 西村
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Fujitsu Ltd
Shinko Seiki Co Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Shinko Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減圧気相反応装置及びその排ガス処理方法に
関し、水封ポンプを用いた減圧気相反応装置に於いて、
乾式除害装置を用いることなく、ClF3 ガスなどのク
リーニング用ガスの除害を可能とし、反応室のクリーニ
ングを容易にしようとする。 【解決手段】 反応室1内に付着した反応生成物を除去
する為にClF3 ガスを送入してクリーニングする機構
をもった減圧気相反応装置に於いて、メカニカル・ブー
スター・ポンプ7及び油回転ポンプ8以降のガス排気管
6に少なくともインペラ及び側板及び中間壁板がステン
レス鋼或いはNi系金属から選択された耐食性金属材料
で構成された水封ポンプ10を介挿して排気を行うと共
に前記ClF3 ガス及びガス化した反応生成物の除害を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置或いは
太陽電池を製造するのに必要な薄膜を化学気相堆積(c
hemical vapor deposition:
CVD)法を適用して形成する為の減圧気相反応装置及
びその排ガス処理方法に関する。
【0002】現在、前記のような薄膜を形成する場合、
反応室内を減圧状態とし、ガス分子の平均自由行程を大
きくして表面反応に依って薄膜を形成し、膜厚均一性を
向上する減圧気相反応装置が多用されているが、連続し
て薄膜形成を行っていると、基板上の他に反応室内にも
薄膜が堆積するので、これをクリーニングすることが必
要である。
【0003】この場合、ウエット洗浄でクリーニングを
行うには、CVD炉の降温、装置の分解、ウエット洗
浄、装置の組み立て、CVD炉の昇温の過程を経ること
になって大変煩雑である。
【0004】この煩雑さを回避する為、クリーニング・
ガスとしてNF3 ガスやClF3 ガスを用いたドライ洗
浄が採用され、特に、ClF3 ガスを用いたドライ洗浄
は、プラズマ発生器が不要である為、簡単に実施できる
とされている。
【0005】ところが、ClF3 ガスを用いるドライ洗
浄では、水素系の成膜ガスとの混合が危険である為、絶
対に回避しなければならない旨の問題があり、また、そ
の排ガス処理に於いても、希釈して大気中に排出するこ
とはできず、専用の高価な除害装置を必要とする問題が
あるので、これらの問題を解消しなければならず、本発
明に依れば、これに応えることができる。
【0006】
【従来の技術】図9は従来の技術を説明する為の減圧気
相反応装置を表す要部説明図である。
【0007】図に於いて、1は反応室、2は薄膜形成用
ガス供給管、3は炉内クリーニング用ガス供給管、4は
SiH4 ボンベ、5はClF3 ボンベ、6はガス排気
管、7はメカニカル・ブースター・ポンプ(真空ポン
プ)、8は油回転ポンプ(真空ポンプ)、9はエゼクタ
・ポンプ、10は水封ポンプ、11はガス排気管、12
A並びに12Bは切り替えバルブ、13はClF3 ガス
専用の乾式除害装置をそれぞれ示している。尚、図示さ
れていないが、供給管2には、所要数のバルブ、マスフ
ロー・コントローラなどが取り付けられ、また、パージ
や希釈の為のN2 ガス供給系が接続されている。
【0008】図9に見られる装置に依って、 (1) SiH4 ガスをソース・ガスとする多結晶シリ
コン薄膜の形成 (2) ClF3 ガスをクリーニング・ガスとする炉内
クリーニング を行う場合について説明する。
【0009】(A) 半導体ウエハ(図示せず)を反応
室1内の所定位置にセットし、また、切り替えバルブ1
2Aは開放、切り替えバルブ12Bは閉止とする。
【0010】(B) メカニカル・ブースター・ポンプ
7及び油回転ポンプ8からなる真空ポンプ系を作動さ
せ、反応室1内を到達真空度まで真空引きを行って減圧
状態にする。
【0011】(C) 薄膜形成用ガス供給管2を利用し
て、N2 ガスに依るパージを充分に行う。
【0012】(D) 反応室内温度を620〔℃〕、反
応室内圧力を0.3〔Torr〕、SiH4 流量を90
〔sccm〕として半導体ウエハ上に多結晶シリコン薄
膜を形成する。
【0013】この際、集合スクラバーと結ばれている排
気ダクト(図示せず)に至るまでには、エゼクタ・ポン
プ9及び水封ポンプ10が介在し、これらに依って排ガ
ス処理系が構成され、SiH4 ガスの簡易且つ安価な除
害装置として、また、保守が容易な最終段真空ポンプと
して機能している。
【0014】(E) 約36〔分〕が経過すると、厚さ
が例えば400〔nm〕の多結晶シリコン薄膜が成長さ
れるので、再び、真空引き及びN2 ガスに依るパージを
充分に行って、表面が多結晶シリコン薄膜で覆われた半
導体ウエハを反応室1内から取り出す。
【0015】前記(A)乃至(E)の作業を20回乃至
30回繰り返し、反応室1内の壁面に付着した多結晶シ
リコン膜の通算膜厚が10〔μm〕になった時点で、前
記の(2)に記述したClF3 ガスに依る炉内クリーニ
ングを行う。
【0016】(a) 切り替えバルブ12Aは閉止、切
り替えバルブ12Bは開放とし、メカニカル・ブースタ
ー・ポンプ7及び油回転ポンプ8からなる真空ポンプ系
を作動させ、反応室1内を到達真空度まで真空引きを行
って減圧状態にする。勿論、この場合には、反応室1内
に半導体ウエハをセットしない。
【0017】(b) 炉内クリーニング用ガス供給管3
を利用して、N2 ガスに依るパージを充分に行う。
【0018】(c) 反応室内温度を620〔℃〕、反
応室内圧力を1.7〔Torr〕、ClF3 ガス流量を
200〔sccm〕、N2 ガス流量を5〔slm〕とし
て反応室1の内壁及び治具類に付着した不要な多結晶シ
リコン膜をエッチングして除去する。
【0019】前記条件に依るエッチングで、反応室1の
内壁に付着した厚さ10〔μm〕の多結晶シリコン膜
は、2〔時間〕で完全に除去することができる。
【0020】前記クリーニングを行う際、ClF3 ガス
を減圧下で導入したり、或いは、不活性ガスで希釈する
のは、ClF3 ガスの分圧の如何、或いは、雰囲気温度
の如何に依って、フランジ材のステンレス鋼やシール材
のバイトンリングの腐食が著しく進行することがあるの
で、それを抑える為である。
【0021】ところで、クリーニングに用いたClF3
ガスをそのまま大気中に排出した場合、水分と反応して
HF、HCl、Cl2 などの化合物が生成されるので、
これを防ぐ為、図9に見られる減圧気相反応装置では、
ClF3 ガス専用の乾式除害装置13を用いて除害を行
っているものである。
【0022】図10は他の従来の技術を説明する為の減
圧気相反応装置に於ける一部を表す要部説明図であり、
図9に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或い
は同じ意味を持つものとする。
【0023】図10に見られる装置では、薄膜形成用の
ソース・ガスであるSiH4 ガスの除害を、ClF3
スの除害と同様、乾式除害装置14を用いて行うように
している。
【0024】薄膜形成用のSiH4 ガスの除害について
は、図10について説明した乾式除害装置14を用いる
他、図9に見られるエゼクタ・ポンプ9及び水封ポンプ
10を用いて実施することも知られている(要すれば、
「特開昭55−34158号公報」、を参照)。
【0025】その従来の技術に依れば、Si系の成膜ガ
スの排ガスは、水封ポンプ10直前のエゼクタ・ポンプ
9から吸入された空気と燃焼反応を起こし、SiH4
2O2 →SiO2 +2H2 Oなる反応に依って、殆どS
iO2 とH2 Oとに変化する、即ち、爆発性をもったS
iH4 が安全且つ微小な石英ガラス粒及び水分になって
しまう。
【0026】これら生成物は、エゼクタ・ポンプ9から
水封ポンプ10に送入され、そこでは、水封ポンプ10
が100〔m3 /時間〕の排気速度をもつ真空ポンプと
して機能し、石英ガラス粒と共に反応室1内で生成され
たSiダストなどの反応物を水封を利用して安全に処理
する。
【0027】このエゼクタ・ポンプ9及び水封ポンプ1
0を用い、ソース・ガスの除害を行う技術には、例え
ば、 (1) 反応室1内に供給するSiH4 濃度を、場合に
依っては、100〔%〕まで上げることができる。
【0028】(2) 従来の油回転式ポンプに比較し、
導入できるSiH4 濃度を100倍程度まで上げること
が可能である。
【0029】(3) 保守の頻度を1/100にするこ
とができ、しかも、危険性を皆無にすることができる。
【0030】(4) 到達圧力は従来の装置と同等、或
いは、それ以下にすることが可能である。
【0031】(5) 爆発性ガスや有毒性ガスに対して
単能型スクラバーとなるので、工場的施設の省力化を図
ることができる。
【0032】(6) 通常の化学プラントに比較し、装
置として小型化することができ、スペース利得が大き
い。 など多くの利点があり、大変魅力的な手段と言える。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】図9について説明した
従来の減圧気相反応装置に於いては、水封ポンプ10と
乾式除害装置13とは切り替えバルブ12A及び12B
を作動して切り替えるようになっている為、クリーニン
グ・ガスの除害を行う際、水封ポンプ10に関連するガ
ス排気管6は減圧系となり、乾式除害装置13に関連す
るガス排気管11は大気圧系となる。
【0034】従って、危険を回避する為には、切り替え
バルブ12A及び12Bの切り替えタイミングやシーケ
ンスが大変煩雑になっている。また、乾式除害装置13
を設置するスペースが必要であり、更に、吸着用薬剤を
交換する為の費用が必要であり、そのランニング・コス
トは無視できない。
【0035】図10について説明した従来の減圧気相反
応装置に於いては、クリーニング用ガス及び薄膜形成用
ガスの何れについても乾式除害装置を用いるので、ガス
排気ライン6或いは11の何れも大気圧系となる為、図
9に見られる従来の減圧気相反応装置と比較し、切り替
えバルブ12A及び12Bの切り替えタイミングやシー
ケンスは簡単になる。
【0036】然しながら、薄膜形成用ガスの除害を行う
為の乾式除害装置14を追加しなければならないから、
占有スペースが更に大きくなり、また、ランニング・コ
ストも上昇する。
【0037】特開昭55−34158号公報に開示され
た発明では、薄膜形成用ガスの除害をエゼクタ・ポンプ
及び水封ポンプを利用して行うものであるから、切り替
えバルブの切り替えタイミングやシーケンスの問題、占
有スペースの問題、ランニング・コストの問題などは全
て解消できるのであるが、唯一つ、ClF3 ガスなどの
クリーニング用ガスを用いて反応室などのクリーニング
を行うことは不可能である。
【0038】その理由は、勿論、ClF3 ガスが腐食性
をもつガスであることから、水封ポンプで排気した場
合、水封ポンプ内の封水と反応してフッ酸や塩酸を生成
し、金属部分を腐食して損傷させることにある。
【0039】本発明は、水封ポンプを用いた減圧気相反
応装置に於いて、乾式除害装置を用いることなく、Cl
3 ガスなどのクリーニング用ガスの除害を可能とし、
反応室のクリーニングを容易にしようとする。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明では、減圧気相反
応装置に水封ポンプを用い、それを利用して排ガスの除
害を行うのであるが、反応室のクリーニング用ガスとし
てClF3 ガスを用いた場合、そのままで除害をすると
水封ポンプが損傷されるので、水封ポンプを耐腐食性材
料で構成したり、或いは、ClF3 ガスは充分に希釈し
て流すことが基本になっている。
【0041】前記したところから、本発明に依る減圧気
相反応装置及びその排ガス処理方法に於いては、(1)
反応室(例えば反応室1)内に付着した反応生成物を除
去する為にClF3 ガスを送入してクリーニングする機
構をもった減圧気相反応装置に於いて、真空ポンプ(例
えばメカニカル・ブースター・ポンプ7並びに油回転ポ
ンプ8)以降のガス排気ライン(例えばガス排気管6)
に介挿されて排気を行うと共に前記ClF3 ガス及びガ
ス化した反応生成物の除害を行う少なくともインペラ及
び側板及び中間壁板がステンレス鋼或いはNi系金属か
ら選択された耐食性金属材料で構成された水封ポンプ
(例えば水封ポンプ10)を備えてなることを特徴とす
るか、或いは、
【0042】(2)前記(1)に於いて、水封ポンプの
直前に接続され吸入した気体でClF3 ガス及びガス化
した反応生成物を希釈するエゼクタ・ポンプ(例えばエ
ゼクタ・ポンプ9)を備えてなることを特徴とするか、
或いは、
【0043】(3)前記(1)又は(2)に於いて、真
空ポンプのうち少なくとも粗引き或いは補助の真空ポン
プがドライ・ポンプ或いは油回転ポンプ(例えば油回転
ポンプ8:図7参照)の何れかであることを特徴とする
か、或いは、
【0044】(4)反応室(例えば反応室1)内に付着
した反応生成物を除去する為にClF3 ガスを送入して
クリーニングを行う工程と、前記反応室から排出される
ClF3 ガス及びガス化した反応生成物を真空ポンプ
(例えばメカニカル・ブースター・ポンプ7及び油回転
ポンプ8)以降のガス排気ライン(例えばガス排気管
6)に介挿された水封ポンプ(例えば水封ポンプ10)
の入口で金属を腐食しない程度の濃度になるよう充分に
希釈する工程と、前記希釈されたClF3 ガス及びガス
化した反応生成物を前記水封ポンプに於ける封水中に取
り込んで除害する工程とが含まれてなることを特徴とす
るか、或いは、
【0045】(5)反応室(例えば反応室1)内に付着
した反応生成物を除去する為にClF3 ガスを送入して
クリーニングを行う工程と、前記反応室から排出される
ClF3 ガス及びガス化した反応生成物を真空ポンプ
(例えばメカニカル・ブースター・ポンプ7及び油回転
ポンプ8)以降のガス排気ライン(例えばガス排気管
6)に介挿され封液槽(例えば封液槽16:図8参照)
及び熱交換機構(例えば熱交換機17:図8参照)をも
つ封液循環方式の水封ポンプ(例えば水封ポンプ18:
図8参照)に導いて封液中にアルカリ性物質(例えば苛
性ソーダ)を混入し酸排水を中和させて除害する工程と
が含まれてなることを特徴とするか、或いは、
【0046】(6)前記(4)又は(5)に於いて、水
封ポンプの直前に接続されたエゼクタ・ポンプが吸入し
た気体でClF3 ガス及びガス化した反応生成物を希釈
することを特徴とするか、或いは、
【0047】(7)前記(4)又は(5)又は(6)に
於いて、反応室と水封ポンプとの間に介在して真空引き
を行う真空ポンプを構成するドライ・ポンプ或いは油回
転ポンプ(例えば油回転ポンプ8:図7参照)で粗引き
などを行うことを特徴とする。
【0048】前記手段を採ることに依り、減圧気相反応
装置に乾式除害装置などを付設することなく、クリーニ
ング・ガスであるClF3 ガスやガス化した反応生成物
の除害、及び、薄膜形成の為の反応性ガスの除害を水封
ポンプで実施することができるので、除害コストを低下
させることができると共に減圧気相反応装置の占有面積
を縮小することが可能であり、また、ClF3 ガスと水
素系の成膜ガスとが混合される危険を容易に回避するこ
とができる。
【0049】
【発明の実施の形態】前記したように、減圧気相反応装
置に於ける水封ポンプを利用してClF3 ガスの除害を
行う場合、水封ポンプの腐食が問題になるので、本発明
者等は、それについての実験を行った。
【0050】図1は実験に用いた減圧気相反応装置を表
す要部説明図であり、図9に於いて用いた記号と同記号
は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとし、図1
に見られる減圧気相反応装置と図9に見られる減圧気相
反応装置との相違は、図1に見られる減圧気相反応装置
が乾式除害装置をもたない点である。
【0051】実験では、反応室1をClF3 ガスに依っ
てクリーニング可能な減圧気相反応装置に於ける2台の
メカニカル・ブースター・ポンプ7及び15、エゼクタ
・ポンプ9、水封ポンプ10からなる真空ポンプ・ユニ
ットにClF3 ガスを導入し、水封ポンプ10の耐久性
を調べた。
【0052】ClF3 ガスを流す条件は、ClF3 ガス
流量200〔sccm〕、N2 ガス流量28〔リットル
/分〕、空気50〔リットル/分〕、であって、水封ポ
ンプ10の入口に於けるClF3 ガス濃度は0.24
〔%〕である。尚、空気はエゼクタ・ポンプ9に依って
導入され、また、水封ポンプに於ける封水の量は、15
〔リットル/分〕とした。
【0053】ここでは、加速試験を行う為、反応室1の
内壁に付着物がない状態、即ち、クリーニングを行わな
い状態で連続運転を行った。
【0054】図2は実験で得られた結果を表にまとめた
図であり、図2に挙げられている水封ポンプの形式、即
ち、従来型、要部BC型、全ステンレス型の具体的な内
容については、図3を参照すると良い。尚、各図に於い
て、BCなる表記は、JIS規格に見られるようにC
u、Sn、Zn合金のことであり、また、図3に於ける
SUS、SCS、FCは、同じくJIS規格に見られる
通り、ステンレス鋼、ステンレス鋳物、鋳鉄をそれぞれ
表し、そして、略号に続く数値は、それ等材料の種類を
示し、数値が異なるものは、合金の化学成分が微妙に異
なり、その成分に対応した性質をもつことになる。
【0055】さて、従来の水封ポンプは、インペラ(羽
根車)がステンレス鋼であるが、中間壁板及び側板が鋳
鉄製である。
【0056】図2に見られるように、減圧気相反応装置
に於ける反応室1の到達圧力が、当初は0.03〔To
rr〕であり、ClF3 ガスを277〔リットル〕導入
した後は0.18〔Torr〕に悪化し、また、表には
示されていないが、この際、エゼクタ・ポンプ9の吸入
口圧力は6〔Torr〕から8〔Torr〕に上昇し
た。
【0057】この結果からすると、水封ポンプ10の性
能は明らかに低下しているので、解体して表面観察した
ところ、シリンダ内に腐食が見られ、特に、排気性能を
左右する要部であるインペラ、中間壁板、側板のうち、
中間壁板と側板に於いて、最大0.4〔mm〕の腐食が
見られ、クリアランスの増加に依って排気速度が低下し
ていることが判った。
【0058】これは、ClF3 ガスと水封ポンプ10に
於ける封水とが反応して生成されたフッ酸や塩酸で鋳鉄
が腐食されたものである。
【0059】次に、要部BC型の水封ポンプを用いた場
合について説明するが、これは、フッ酸に対する耐食性
が高いとされているBC2合金、即ち、Cu、Sn、Z
nの合金をインペラ、中間壁板、側板の材料として用い
たものである。
【0060】図2に見られるように、減圧気相反応装置
に於ける反応室1の到達圧力が、当初は0.02〔To
rr〕であり、ClF3 ガスを178〔リットル〕導入
した後は0.10〔Torr〕に悪化し、また、同じく
表には示されていないが、この際、エゼクタ・ポンプ9
の吸入口圧力は4〔Torr〕から15〔Torr〕に
上昇した。
【0061】この結果は、水封ポンプ10の性能が明ら
かに低下したことを示している為、解体して表面観察し
たところ、インペラ、中間壁板、側板の全てについて、
最大0.1〔mm〕の腐食が見られた。
【0062】次に、全ステンレス型の水封ポンプを用い
た場合について説明するが、この水封ポンプは、インペ
ラ、中間壁板、側板の全てをステンレス鋼の一種である
SCS14で構成したものである。
【0063】図2に見られるように、減圧気相反応装置
に於ける反応室1の到達圧力が、当初は0.02〔To
rr〕であり、約26〔時間〕に亙ってClF3 ガスを
313〔リットル〕導入したが、到達圧力は0.012
〔Torr〕であって、所謂、ポンプ・ダウンは見られ
なかった。
【0064】解体して表面観察したところ、インペラ、
側板に油膜と思われる黒い被膜が付着していたが、SC
S14自体に腐食は見られなかったので、この水封ポン
プはClF3 ガスの除害装置兼真空ポンプとして使用可
能であることが確認された。
【0065】この全ステンレス型水封ポンプの約26時
間に及ぶ連続運転は、実際の反応室1のクリーニング頻
度及びクリーニング時間を考慮すると、約3か月間の装
置稼働期間に相当し、水封ポンプの本質的な流体磨耗に
依る定期的なオーバーホールの必要性を併せ考えた場
合、約3カ月以上に亙って水封ポンプを使用可能である
ことが示され、コスト的に充分見合うことが明らかであ
る。
【0066】また、コスト上昇に結び付くが、フッ酸及
び塩酸の何れにも耐食性があるNi系合金、換言すると
Ni基耐食合金、例えば市販Ni、Ni−Cu合金であ
るモネル(Monel:商品名)、Ni−Cr合金であ
るインコネル(Inconel:商品名)、Ni−Mo
合金であるハステロイ(Hastelloy:商品名)
のうち、少なくとも一種を主要動作部分に採用すれば、
強酸に依る腐食は殆ど無視することができ、流体磨耗に
依る損傷の程度で決まるオーバーホール周期で、ClF
3 ガスに依る反応室1のクリーニングを行う際の除害装
置兼真空ポンプとして充分に使用に耐える。
【0067】前記実験結果を踏まえ、本発明では、Cl
3 ガスを導入して反応室クリーニングを実施できる機
能を備えた減圧気相反応装置に於いて、真空ポンプ、即
ち、図1では、メカニカル・ブースター・ポンプ7及び
油回転ポンプ8から以降のガス排気ラインにインペラ、
中間壁板、側板などの主要動作部分をステンレス鋼或い
はNi合金を適用した水封ポンプ10を介挿することに
依って、現実的な期間に亙ってClF3 ガスを除害する
ことができた。
【0068】前記実験では、真空ポンプ・ユニットの構
成がメカニカル・ブースター・ポンプ2台と空気エゼク
タ付き水封ポンプ1台であった為、従来型と要部BC型
の水封ポンプの実験で、メカニカル・ブースター・ポン
プは背圧の影響を強く受け、排気速度が連動して悪化
し、結果として反応室1の到達圧悪化が即座に現れた。
【0069】これを回避するには、水封ポンプ10の前
段ポンプとして、粗引きポンプ或いは補助ポンプにドラ
イ・ポンプか油回転ポンプを使用することに依り、水封
ポンプ10の排気速度が劣化しても前記真空ポンプは背
圧の影響を受けることがなくなり、反応室1の到達圧に
変化はなく、成膜への支障は起こらず、従って、定期的
なパーツ交換を前提にすれば、従来型の水封ポンプに依
る現実的な期間の除害が可能である。
【0070】従来型の水封ポンプを用いて現実的な期間
の除害を可能にする他の手段としては、ClF3 ガスを
希釈する不活性ガスの流量、エゼクタからの空気導入
量、水封ポンプに於ける循環水の水量のうち、少なくと
も一つ以上を増加させることに依り、ClF3 ガスを更
に希釈することで金属腐食の進行を遅延させれば良い。
【0071】ところで、ClF3 ガスを不活性ガスで充
分に希釈しようとすると、莫大な量の不活性ガスが必要
となるので、これを回避する手段としては、封液循環方
式の水封ポンプを使用し、封液槽内に苛性ソーダなどの
アルカリ性物質を混入することで、ClF3 ガスが封水
と反応して生成されたフッ酸や塩酸を中和させ、金属の
腐食を抑えることも可能である。
【0072】前記したように、水封ポンプは、Si系の
成膜ガスであるSiH4 ガスなどと共にクリーニング・
ガスであるClF3 ガスも充分に希釈してあれば除害す
ることができ、その除害を行う場合、目的物製造の為の
ソース・ガスのガス排気ラインと分岐したラインを設け
ることは不要になる。
【0073】その場合、反応室と水封ポンプとを1:1
で対応させておけば、成膜用ガスとClF3 ガスとが同
時に流さないようにする為のインターロック機構、例え
ばノーマリ・オープンとノーマリ・オンの空圧弁を連動
させた機構を付設するのみで安全性は極めて高くなる。
【0074】成膜とクリーニングとの切り替えタイミン
グは、反応室1を大気圧に戻して開放するのに必要なパ
ージ時間の後であれば良く、また、反応室1を幾つかま
とめて一つの水封ポンプ10で処理するような場合であ
っても、各反応室1に於ける同時成膜、同時クリーニン
グを励行すれば問題はない。
【0075】前記諸実験とは別に、ClF3 ガスを導入
した場合の水封ポンプ材の腐食進行の程度を知得する
為、試験片をフッ酸+塩酸(HF+HCl)溶液中に浸
漬し、その耐食性について調査した。
【0076】ここで、試験片としては、BC2、SCS
14及びSUS316、モネルの四種類を採用した。
【0077】フッ酸+塩酸溶液の混合比は、実際に生じ
ていると思われる値の近傍に設定することが必要であ
り、水封ポンプ出口側で実施したHFガス及びHClガ
スの濃度測定値を基にして定めた。
【0078】図4は水封ポンプにClF3 ガスを250
〔sccm〕(条件A)、並びに、50〔sccm〕
(条件B)の二つの条件を適用して導入した時の出口側
でサンプリングしたHFガス及びHClガスの実測結果
を表にまとめた図である。
【0079】ClF3 ガスを希釈する為、空気とN2
スを併せて270〔リットル/分〕導入しているので、
入口側のClF3 ガスの予想濃度は、925〔ppm〕
(条件A)及び185〔ppm〕(条件B)となる。
【0080】実測した結果から、ClF3 ガスに対する
比を求め、HClガスは0.054で、HFガスは0.
432であると仮定すると、この値分だけが水封ポンプ
内の封水中に溶解することなく、排ガスとして排気され
ていることになる。
【0081】水封ポンプ内の封水中にClF3 ガスが全
て溶解したとすると、HCl溶液はClF3 ガスと同じ
濃度となり、HF溶液はClF3 ガスの濃度の3倍生成
される筈である。然しながら、実際には、HClガス及
びHFガスとなって、前記したように排気されているの
で、実際の水封ポンプ内の封水中に於けるHCl濃度及
びHF濃度は、 ClF3 :HCl:HF=1:(1−0.054):(3−0.432) =1:0.946:2.568 ≒1:1:2.7 と推定される。
【0082】従って、塩酸(HCl溶液)とフッ酸(H
F溶液)との混合比は1:2.7とするのが妥当であ
る。但し、前記式のうちのClF3 濃度に対するHCl
及びHFの濃度は局所的なものであって、実際には、絶
えず入れ替わっている流水で直ちに希釈され、更に低濃
度になって排水されていると考えられる。
【0083】実験は、混合比1:2.7とした塩酸+フ
ッ酸の混合液に於ける濃度を0.2〔%〕〜1〔%〕の
間で0.2〔%〕ずつ変化させたもの、そして、2
〔%〕〜10〔%〕の間で2〔%〕ずつ変化させたもの
を作成し、20〔mm〕角の試験片を2〔時間〕に亙っ
て浸漬した。
【0084】耐食性の評価は、塩酸+フッ酸混合液に浸
漬する前後での重量変化の測定、及び、SEM(sca
nning electron microscop
y)を用いた表面観察に依って行った。
【0085】前記の実験に於いては、実際の状態に出来
る限り近づける為、空気を5〔リットル/分〕程度、混
合液中にバブリングし、試験片を空気に時々接触させる
ようにしたものもある。尚、試験片は、油脂を除去する
為、予め、酢酸ブチルで超音波洗浄したものを用いた。
【0086】図5は塩酸+フッ酸混合液の濃度を0.2
〔%〕〜1〔%〕とした場合に於ける各試験片の重量変
化の関係を表す線図であり、また、図6は塩酸+フッ酸
混合液の濃度を0.2〔%〕〜10〔%〕とした場合に
於ける各試験片の重量変化の関係を表す線図である。
【0087】金属の腐食が進行する度合いは、酸性溶液
の濃度に比例し、且つ、浸漬させた時間にも略比例す
る。従って、塩酸+フッ酸混合液の濃度を高めること
で、長時間に亙って浸漬した場合と同じ結果を期待でき
る。
【0088】図5及び図6から看取される結果について
は、バブリング方法が適切でない為のバラツキが現れて
いるものの、全体的な傾向は把握することができる。
【0089】実際の水封ポンプで行った耐久性実験では
好結果が得られたステンレス鋼のSCS14は、濃度が
0.4〔%〕以上になると重量変化が現れ、また、SE
Mに依って観察するとホールの発生及び表面荒れが見ら
れた。
【0090】これに対し、同じステンレス鋼のSUS3
16は、濃度が2〔%〕以上になってから重量変化が現
れ、SCS14よりも耐食性は優れていることが判っ
た。
【0091】また、Ni合金であるモネル・メタルは、
濃度が10〔%〕になっても重量変化は現れず、SEM
に依る観察でも表面に少し荒れが見られる程度であっ
た。
【0092】また、BC2は、浸漬のみで腐食がさほど
進行することはないが、空気をバブリングすることで腐
食は激しくなり、濃度が0.2〔%〕で既に重量変化が
現れる。
【0093】前記したところから、インペラ、中間壁
板、側板にステンレス鋼であるSCS14を採用した水
封ポンプであっても、長期間稼働させた場合、腐食に依
ってポンプ・ダウンを生ずる可能性があることが判る。
【0094】そのポンプ・ダウンの可能性は、コスト・
アップに結び付くことではあるが、SUS316の方が
より少なく、更には、Ni合金、例えばモネル・メタル
は殆ど腐食されないことが確認された。
【0095】
【実施例】
第一実施例 図1に示された減圧気相反応装置に於いて、水封ポンプ
10は、インペラ、中間壁板、側板をステンレス鋼の一
種であるSCS14を材料として構成した通常の構造の
ものを採用した。
【0096】エゼクタ・ポンプ9からは、50〔リット
ル/分〕の流量で空気が導入され、また、反応室1を通
過させずに希釈用N2 ガスを23〔リットル/分〕の流
量で導入し、水封ポンプ10の入口に於けるClF3
度を前記実験時と同様に0.24〔%〕にした。また、
封水の水量は15〔リットル/分〕である。
【0097】本実施例に依れば、SiH4 ガスの除害、
及び、ClF3 ガスの除害は、乾式除害装置を用いた場
合と同程度に実現することができ、また、水封ポンプ1
0などの腐食については、さきの実験の通りであって、
全く問題は生じない。
【0098】第二実施例 図7は本発明に於ける他の実施例を説明する為の減圧気
相反応装置を表す要部説明図であり、図1に於いて用い
た記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つ
ものとする。
【0099】第二実施例が第一実施例と相違するところ
は、水封ポンプ10が鋳鉄製であって従来のものと同様
であること、また、真空ポンプの構成が、メカニカル・
ブースター・ポンプ7及び油回転ポンプ8で構成されて
いる点であり、そして、水封ポンプ10の腐食を防ぐ
為、大量の希釈用ガスを流してクリーニング・ガスの希
釈を行っている。
【0100】この減圧気相反応装置を用いて多結晶シリ
コン薄膜の形成及び反応室のクリーニングを行った。
【0101】(1) 多結晶シリコン薄膜の形成につい
て 反応室1内温度:620〔℃〕 反応室1内圧力:0.2〔Torr〕 ソース・ガス:SiH4 SiH4 ガス流量:50〔sccm〕
【0102】(2) クリーニングについて 開始時点:反応室1内壁への付着物膜厚が10〔μm〕
になった時点 クリーニング・ガス:ClF3 反応室1内温度:620〔℃〕 反応室1内圧力:2.0〔Torr〕 クリーニング・ガス:ClF3 ClF2 ガス流量:250〔sccm〕 希釈用ガス:N22 ガス流量:5〔slm〕
【0103】前記(2)のクリーニングを行うと、厚さ
10〔μm〕の多結晶シリコン膜は約1〔時間〕で完全
に除去することができる。
【0104】本実施例では、水封ポンプ10が鋳鉄製で
あることから、ClF3 ガスに依る腐食を防ぐ為、クリ
ーニング時には、流量を100〔リットル/分〕として
空気を導入し、更に、反応室1を通さずに希釈用N2
スを160〔リットル/分〕の流量で導入し、水封ポン
プ10の入口に於けるClF3 濃度を0.09〔%〕に
している。
【0105】本実施例では、水封ポンプ10の前段であ
る真空ポンプに油回転ポンプ8を用いているので、水封
ポンプ10がポンプ・ダウンを起こした場合でも、背圧
の影響を受け難いことから、反応室1内の圧力が変動す
るなどのおそれを少なくすることができる。
【0106】第三実施例 図8は本発明に於ける他の実施例を説明する為の減圧気
相反応装置を表す要部説明図であり、図1及び図7に於
いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意
味を持つものとする。尚、簡明にする為、図8では、排
ガス処理系のみを表してある。
【0107】図に於いて、16は封液槽、17は封液を
冷却する熱交換機、18は水封ポンプ本体、19は封液
循環ライン、20はpHセンサをそれぞれ示している。
【0108】この減圧気相反応装置を用いて窒化チタン
薄膜の形成及び反応室のクリーニングを行った。
【0109】窒化チタン薄膜を形成するには、ソース・
ガスとしてTiCl4 ガスを用いるのであるが、この場
合、クリーニング・ガスとして用いるClF3 ガスのみ
ならず、TiCl4 ガスも腐食性をもっている。
【0110】従って、通常の水封ポンプで排気した場合
には、水封ポンプに於ける封水と反応して塩酸を生じて
金属に対する反応性が著しく高くなり、短期間のうちに
水封ポンプの金属部分が腐食に依って損傷されてしまう
ので、このような場合、図に見られるような封液循環方
式の水封ポンプを用いることが好ましい。
【0111】一般に、水封ポンプの性能は、封液の温度
が大きく影響する為、封液循環方式の水封ポンプでは、
循環する封液の温度上昇を抑える目的で冷却機構を封液
槽或いは封液循環ラインに設置する必要があり、第三実
施例では、封液槽16中に冷却機構として熱交換機17
を設けてある。
【0112】図示していないが、一定温度に維持された
封液中には、アルカリ性物質として苛性ソーダを投入量
を調整しながら混入し、封液中で生じた塩酸排水を酸・
アルカリ反応に依って中和している。苛性ソーダの投入
量を調整する為には、pHセンサ20で検知されるpH
値を利用する。このようにすると、水封ポンプ18が鋳
鉄製であっても、腐食のダメージは軽減されるので、耐
食性の材料を使用したものと遜色ない実用性を維持する
ことができる。
【0113】TiCl4 ガスを用いて窒化チタン膜を成
長させる際の反応式は、 2TiCl4 +N2 +4H2 →2TiN+8HCl であって、水素ガスを使用することから、ClF3 ガス
との混合を回避することが必要である。
【0114】本実施例では、反応室1と水封ポンプ本体
18とを1対1に対応させてあるから、水素ガスとCl
3 ガスとが同時に流れないようにインターロック化す
ることは容易である。
【0115】前記したところから明らかなように、本実
施例では、封液循環方式の水封ポンプを用い、アルカリ
性物資に依って酸排水を中和し、薄膜形成の為の反応性
ガスの除害もクリーニングの為のガスも除害することが
できるので、水封ポンプとしては、鋳鉄製の通常のもの
を用いることができる。
【0116】
【発明の効果】本発明に依る減圧気相反応装置及びその
排ガス処理方法に於いては、減圧反応室内に付着した反
応生成物を除去する為にClF3 ガスを送入してクリー
ニングする機構をもった減圧気相反応装置に於いて、耐
食性金属材料で構成された水封ポンプでClF3 ガスや
ガス化した反応生成物を除害したり、或いは、大量の希
釈用ガスを流して水封ポンプの入口でClF3 ガスなど
の濃度を著しく低下させたり、或いは、水封ポンプの封
液槽にアルカリ性物質を投入して酸排水を中和すること
で除害する。
【0117】前記構成を採ることに依り、減圧気相反応
装置に乾式除害装置などを付設することなく、クリーニ
ング・ガスであるClF3 ガスやガス化した反応生成物
の除害、及び、薄膜形成の為の反応性ガスの除害を水封
ポンプで実施することができるので、除害コストを低下
させることができると共に減圧気相反応装置の占有面積
を縮小することが可能であり、また、ClF3 ガスと水
素系の成膜ガスとが混合される危険を容易に回避するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験に用いた減圧気相反応装置を表す要部説明
図である。
【図2】実験で得られた結果を表にまとめた図である。
【図3】図2に挙げられている水封ポンプの形式、即
ち、従来型、要部BC型、全ステンレス型の具体的な内
容を表にまとめた図である。
【図4】水封ポンプにClF3 ガスを導入して出口側で
サンプリングしたHFガス及びHClガスの実測結果を
表にまとめた図である。
【図5】塩酸+フッ酸混合液の濃度を0.2〔%〕〜1
〔%〕とした場合に於ける各試験片の重量変化の関係を
表す線図である。
【図6】塩酸+フッ酸混合液の濃度を0.2〔%〕〜1
0〔%〕とした場合に於ける各試験片の重量変化の関係
を表す線図である。
【図7】本発明に於ける他の実施例を説明する為の減圧
気相反応装置を表す要部説明図である。
【図8】本発明に於ける他の実施例を説明する為の減圧
気相反応装置を表す要部説明図である。
【図9】従来の技術を説明する為の減圧気相反応装置を
表す要部説明図である。
【図10】他の従来の技術を説明する為の減圧気相反応
装置に於ける一部を表す要部説明図である。
【符号の説明】
1 反応室 2 薄膜形成用ガス供給管 3 炉内クリーニング用ガス供給管 4 SiH4 ボンベ 5 ClF3 ボンベ 6 ガス排気管 7 第1のメカニカル・ブースター・ポンプ(真空ポン
プ) 8 油回転ポンプ 9 エゼクタ・ポンプ 10 水封ポンプ 11 ガス排気管 12A 切り替えバルブ 12B 切り替えバルブ 13 ClF3 ガス専用の乾式除害装置 14 乾式除害装置 15 第2のメカニカル・ブースター・ポンプ 16 封液槽 17 封液を冷却する熱交換機 18 水封ポンプ本体 19 封液循環ライン 20 pHセンサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/304 341 B01D 53/34 134A (72)発明者 坂元 直樹 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 鶴見 徹 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 山西 宏和 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 鎌田 博之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 佐藤 善康 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 阿部 和英 福島県会津若松市門田町工業団地4番地 株式会社富士通東北エレクトロニクス内 (72)発明者 尾松 啓 滋賀県守山市三宅町30番地 神港精機株式 会社内 (72)発明者 山本 英雄 滋賀県守山市三宅町30番地 神港精機株式 会社内 (72)発明者 西村 伸弘 滋賀県守山市三宅町30番地 神港精機株式 会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応室内に付着した反応生成物を除去する
    為にClF3 ガスを送入してクリーニングする機構をも
    った減圧気相反応装置に於いて、 真空ポンプ以降のガス排気ラインに介挿されて排気を行
    うと共に前記ClF3ガス及びガス化した反応生成物の
    除害を行う少なくともインペラ及び側板及び中間壁板が
    ステンレス鋼或いはNi系金属から選択された耐食性金
    属材料で構成された水封ポンプを備えてなることを特徴
    とする減圧気相反応装置。
  2. 【請求項2】水封ポンプの直前に接続され吸入した気体
    でClF3 ガス及びガス化した反応生成物を希釈するエ
    ゼクタ・ポンプを備えてなることを特徴とする請求項1
    記載の減圧気相反応装置。
  3. 【請求項3】真空ポンプのうち少なくとも粗引き或いは
    補助の真空ポンプがドライ・ポンプ或いは油回転ポンプ
    の何れかであることを特徴とする請求項1又は2記載の
    減圧気相反応装置。
  4. 【請求項4】反応室内に付着した反応生成物を除去する
    為にClF3 ガスを送入してクリーニングを行う工程
    と、 前記反応室から排出されるClF3 ガス及びガス化した
    反応生成物を真空ポンプ以降のガス排気ラインに介挿さ
    れた水封ポンプの入口で金属を腐食しない程度の濃度に
    なるよう充分に希釈する工程と、 前記希釈されたClF3 ガス及びガス化した反応生成物
    を前記水封ポンプに於ける封水中に取り込んで除害する
    工程とが含まれてなることを特徴とする減圧気相反応装
    置に於ける排ガス処理方法。
  5. 【請求項5】反応室内に付着した反応生成物を除去する
    為にClF3 ガスを送入してクリーニングを行う工程
    と、 前記反応室から排出されるClF3 ガス及びガス化した
    反応生成物を真空ポンプ以降のガス排気ラインに介挿さ
    れ封液槽及び熱交換機構をもつ封液循環方式の水封ポン
    プに導いて封液中にアルカリ性物質を混入し酸排水を中
    和させて除害する工程とが含まれてなることを特徴とす
    る減圧気相反応装置に於ける排ガス処理方法。
  6. 【請求項6】水封ポンプの直前に接続されたエゼクタ・
    ポンプが吸入した気体でClF3 ガス及びガス化した反
    応生成物を希釈することを特徴とする請求項4又は5記
    載の減圧気相反応装置に於ける排ガス処理方法。
  7. 【請求項7】反応室と水封ポンプとの間に介在して真空
    引きを行う真空ポンプを構成するドライ・ポンプ或いは
    油回転ポンプで粗引きなどを行うことを特徴とする請求
    項4又は5又は6記載の減圧気相反応装置に於ける排ガ
    ス処理方法。
JP7311829A 1995-11-30 1995-11-30 減圧気相反応装置及びその排ガス処理方法 Withdrawn JPH09157852A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8647580B2 (en) 2004-07-22 2014-02-11 Edwards Limited Gas abatement

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