JPH09157569A - インクジェット用記録液およびその製造方法 - Google Patents

インクジェット用記録液およびその製造方法

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JPH09157569A
JPH09157569A JP31495895A JP31495895A JPH09157569A JP H09157569 A JPH09157569 A JP H09157569A JP 31495895 A JP31495895 A JP 31495895A JP 31495895 A JP31495895 A JP 31495895A JP H09157569 A JPH09157569 A JP H09157569A
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重行 江橋
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裕次 平澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐水性に優れ、インクジェットプリンターの吐
出ノズルの目詰まりを起こさず、かつ記録物の色相が鮮
明なインクジェット用記録液を提供する。 【解決手段】2種類以上の芳香族アミンを混合してジア
ゾ化反応を行い、次いで5−アセトアセチルアミノベン
ズイミダゾロンとカップリング反応させることによって
得られるベンズイミダゾロン系顔料を分散した水系媒体
の記録液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,耐水性の優れたインク
ジェット用の記録液およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット用記録液として
は、酸性染料、直接染料、塩基性染料等の水溶性染料を
グリコール系溶剤と水に溶解したものがよく用いられて
いる。(特開昭53─61412、特開昭54─898
11、特開昭55─65269)水溶性染料としては、
記録液の安定性を得るために、水に対する溶解性の高い
ものが一般的に用いられる。したがって、インクジェッ
ト記録物は、一般的に耐水性が悪く、水をこぼしたりす
ると容易に記録部分の染料のにじみを生じるという大き
な問題があった。
【0003】このような耐水性の不良を改良するため、
染料の構造を変えたり、塩基性の強い記録液を調製する
ことが試みられている。(特開昭56─57862)ま
た、記録紙と記録液との反応をうまく利用して耐水性の
向上を図ることも行われている。(特開昭50─490
04、特開昭57─36692、特開昭59─2069
6、特開昭59─146889)これらの方法は、ある
種の記録紙については著しい効果をあげているが、イン
クジェット方式による記録においては種々の記録紙を用
いるため、水溶性染料を使用する記録液では記録物の充
分な耐水性が得られないことが多い。
【0004】また、耐水性の良好な記録液としては、油
溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶
性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、溶剤の
臭気や溶剤の排出に対して環境上嫌われることがあり、
大量の記録を行う場合や装置の設置場所によっては、溶
剤回収等の必要性が問題となることがある。したがっ
て、記録物の耐水性を向上するために、水系媒体に顔料
を分散した記録液の開発が行われている。しかしなが
ら、インクジェット用の記録液においては、インクジェ
ットプリンターの高解像度化が進むにつれて吐出ノズル
の径が細くなってきており、これに伴い吐出ノズルでの
目詰まりを防止するために、着色剤として使われる顔料
の粒子径も微細化する必要が生じている。また、これま
でに開発されている顔料を用いた記録液では、鮮明な色
相の記録物が得られないことが多く、オーバーヘッドプ
ロジェクター等の透明基材への画像形成では、染料並の
鮮明な色相が得られる記録液の強い要求があり、そのた
めにも極めて微細な粒子径で鮮明な色相の顔料が必要と
なっている。
【0005】通常のインキは、サンドミル、3本ロ−ル
ミル、ボ−ルミルなどの分散機を用いて、溶剤や樹脂と
共に分散して製造するが、一般的にはこれらの通常の分
散機での分散工程は、主に顔料の一次粒子の凝集体であ
る二次粒子をほぐして一次粒子の状態に近い分散体を得
る工程であり、一次粒子自体を更に微細な顔料にするこ
とは困難である。高速のサンドミルは、顔料の微粒子化
に優れており、顔料によっては一次粒子を更に微細な粒
子にすることも可能ではあるが、この場合には非常に多
大なエネルギーを要する。
【0006】また、一次粒子を微細にする手段として、
顔料を濃硫酸、ポリりん酸などの強酸に溶解して冷水に
注入して、顔料の微細粒子を析出させる方法が知られて
いるが、この方法で得られる微細化した顔料は、強い二
次凝集を起こし易く、インクジェット用記録液を製造す
る際の分散工程で多大なエネルギーが必要となってしま
うことが多い。また、強く二次凝集した顔料によって記
録液の吐出安定性にも問題を生じることが多い。
【0007】さらに顔料の一次粒子を微細にする方法と
して、顔料と食塩や芒硝などの水溶性無機塩の混合物を
少量のポリエチレングリコ−ルなどの溶剤で湿らせて、
ニーダーなどの強い力で摩砕した後、無機塩と溶剤を水
洗除去、乾燥して一次粒子の微細な顔料を得る方法があ
る。この方法も摩砕のために多大なエネルギーを必要と
し、かつ大量の水洗排水の処理に多大なコストがかかる
ために、生産コストが高くなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭
意検討した結果、本発明で得られるベンズイミダゾロン
系エロー顔料を着色剤として用いることにより、極めて
鮮明な色相を有し、かつノズルでの吐出安定性の優れた
インクジェット用記録液となることを見出し、本発明に
至った。
【0010】
【課題を解決する手段】
【0011】すなわち、本発明は、水性の液体中に着色
剤を分散してなるインクジェット用記録液において、該
着色剤に下記一般式(1)で示される芳香族アミンのジ
アゾ化反応物と、下記の化学式(2)で示される5−ア
セトアセチルアミノベンズイミダゾロンとをカップリン
グ反応させることにより得られるベンズイミダゾロン系
エロー顔料を用いることを特徴とするインクジェット用
記録液に関する。
【0012】
【化3】
【0013】(ただし、式中のXとYは互いに独立し
て、−H、−NO2 、−CONHR1 、−COOR2
−CF3 、−CN、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアル
キル基または炭素数1〜18のアルコキシ基を表し、R
1 は−H、炭素数1〜18のアルキル基またはアリール
基を表し、R2 は−Hまたは炭素数1〜6のアルキル基
を表す。)ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子など、アルキル基としては、メチル基、エ
チル基、ブチル基、イソプロピル基、ヘキシル基など、
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブト
キシ基、ステアリルオキシ基、オレイルオキシ基など、
1 としては、上記のアルキル基、フェニル基、トリル
基、エチルフェニル基など、R2 としては、上記のアル
キル基などがそれぞれ挙げられるが、これらの置換基に
限られるものではない。
【0014】
【化4】
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のベンズイミダゾロン系顔
料は、青味エローから赤味エローの極めて鮮明な色相を
有しており、インクジェット用記録液として幅広く使う
ことができる。本発明のベンズイミダゾロン系顔料の製
造方法について詳細に説明すると、表1(アミノ基の置
換位置を1とする)に具体的に示したような芳香族アミ
ンを2種類以上任意の割合で混合、好ましくは使用する
芳香族アミンの全モル数に対して異なる芳香族アミンを
1モル%以上の割合で混合して、常法にしたがってジア
ゾ化反応し、ついで5−アセトアセチルアミノベンズイ
ミダゾロンとカップリング反応させることにより製造す
ることができ、一般式(3)の2種類以上の化合物分子
が顔料の結晶粒子を形成している。
【0016】上記の芳香族アミンは、通常は水中で塩酸
や硫酸などの鉱酸の存在下で亜硝酸ナトリウムを用いて
好ましくは20℃以下でジアゾ化反応を行いジアゾ液を
製造する。ジアゾ化反応は水以外のアルコール、アセト
ン、ジオキサンなどの親水性溶剤を用いて、同様に塩酸
や硫酸などの鉱酸の存在下で亜硝酸ナトリウムを用いる
ことによっても実施できる。一方、5−アセトアセチル
アミノベンズイミダゾロンは、通常は水に当モル量ある
いはそれ以上の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムとと
もに室温下で加えて水溶液として、いわゆるカップラー
液を調製する。また、5−アセトアセチルアミノベンズ
イミダゾロンを水酸化ナトリウムや水酸化カリウムとと
も水に溶解して、酢酸などの酸を加えて微細な5−アセ
トアセチルアミノベンズイミダゾロンを析出させた弱酸
性から中性のスラリー液をカップラー液として使うこと
が多い。また、上記のジアゾ化反応と同様にアルコー
ル、アセトン、ジオキサンなどの親水性溶剤を用いるこ
ともできる。このカップラー液に上記の方法で調製した
ジアゾ液を室温下または加熱下で注入することによって
カップリング反応(混合カップリング)を行い、本発明
のインクジェット用記録液に用いるベンズイミダゾロン
系顔料は製造できる。
【0017】カップリング反応は、酸性でもアルカリ性
のもとでもスムーズに進行するが、好ましくはpH3〜
pH9に塩酸や水酸化ナトリウム水溶液でpH調整しな
がら実施した方が鮮明な顔料が得られる。カップリング
反応後、ろ過して中性まで水洗し、得られる水ケーキを
好ましくは乾燥せずに着色剤として用いる。また、カッ
プリング反応時に非イオン、カチオン、アニオン、両イ
オンなどの各種の界面活性剤、ロジンなどの各種の水溶
性樹脂、酢酸ブチル、キシレン、イソブチルアルコール
などの各種の有機溶剤などを加えて顔料の表面処理を行
うと凝集を防止でき分散が容易になる。ロジンで表面処
理を行う場合は、カップリング反応を終えた後に反応液
をアルカリ性とし各種のロジンのナトリウム水溶液を加
え、さらに塩化カルシウムや塩化バリウムなどを加えて
不溶性のロジン塩とし顔料表面を被覆する。塩化カルシ
ウムや塩化バリウムなどを加えずに、鉱酸などで酸性と
して顔料表面をロジンで被覆してもよい。ロジンとして
は、ガムロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジ
ン、マレイン化ロジン、フマール化ロジン、ウッドロジ
ンなどを使うことができる。
【0018】
【化5】
【0019】
【表1】
【0020】上記の製造方法の特徴は、芳香族アミンを
2種類以上任意の割合で混合してジアゾ化反応してカッ
プリング反応を行うことであり、この方法によって得ら
れるベンズイミダゾロン系顔料は、化学構造の異なる2
種類以上の化合物の混合物であるが、混合した芳香族ア
ミンを個別にジアゾ化反応して得られるそれぞれの純粋
な顔料の単純な混合物とは粒子の大きさ、形、表面積、
結晶性などの物理的な性質が全く異なることを見い出し
た。この性質の違いは、化学構造の異なる分子が結晶構
造中でランダムに配列することによってもたらされる。
特に、混合しないで1種類の芳香族アミンをジアゾ化反
応し、カップリング反応させて得られる純粋なベンズイ
ミダゾロン系顔料に比べると、顔料の一次粒子が著しく
小さく、したがって表面積が著しく大きな顔料となる。
【0021】インクジェット用着色剤としては、用いる
顔料の一次粒子が微細であるほど好ましく、本発明のベ
ンズイミダゾロン系顔料は、インクジェット用着色剤と
して最適であることを見い出した。本発明のベンズイミ
ダゾロン系顔料を記録液に用いた場合には、記録液がイ
ンクジェットプリンターの細いノズルに詰まることが無
く、吐出安定性が極めて良好であり、その記録物は鮮明
な色相と優れた耐水性、耐光性を有する。また、本発明
のベンズイミダゾロン系顔料は均一で微細な顔料粒子で
あるために、着色組成物を用いて皮膜を形成した場合に
は、その皮膜表面の光沢値は高くなる。また、極めて微
細な粒子で製造できるため、多大なエネルギーを使って
さらに微細化する必要がなく、工業的により有利であ
る。本発明で得られるベンズイミダゾロン系顔料は、一
次粒子の凝集も極めて弱くこれらの顔料を用いた着色組
成物を製造する際の分散工程でも多大なエネルギーを使
う必要がなく容易に分散でき、より安価に着色組成物を
製造することができる。
【0022】上記のような方法で得られるベンズイミダ
ゾロン系顔料は、ろ過して得られる水ケーキを好ましく
は乾燥せずに着色剤として用いる。また、水ケーキ中の
水をイオン交換水や蒸留水で置換して得られる水ケーキ
を着色剤として使用した方が好ましい場合もある。顔料
の水ケーキをサンドミル等の通常の分散機で分散するこ
とにより、微細な顔料の一次粒子が均一に分散されたイ
ンクジェット用記録液が容易に得られる。
【0023】本発明にて前記着色剤として用いるベンズ
イミダゾロン系顔料を良好に定着させるために樹脂を用
いる。この樹脂は、水にて溶解する水溶解性の樹脂ない
し水に分散した水分散性の樹脂がそれぞれ単独ないし混
合して用いられる。このような樹脂としては、アクリル
系、スチレン─アクリル系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリウレタン系等の水に溶解する水溶解性の樹脂
および水に分散性の樹脂が用いられる。これらの樹脂
は,記録液中に0.5〜10重量%、好ましくは、1〜
5重量%用いる。この量よりも少ないと十分な着色剤の
定着ができない。また、この量よりも多くなると、記録
液の吐出安定性を低下させることがある。
【0024】なお、水溶解性の樹脂では記録液の粘度を
高くする傾向があるが、水分散性の樹脂では粘度を低く
抑えることができ、また、記録物の耐水性において強固
な耐水性が得られる。これらの樹脂は、必要に応じ、ア
ンモニウム、アミン、無機アルカリ等の中和剤を適宜調
整して加えることができる。本発明にて水性溶剤として
は、記録液のノズル部分での乾燥、記録液の固化を防止
し、安定な記録液の噴射およびノズルの経時での乾燥を
防止するものである。このような水性溶剤としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ケトンアルコール、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、1,2─ヘキサンジオール、N−メチル─2─ピ
ロリドン、置換ピロリドン、2,4,6─ヘキサントリ
オール、テトラフルフリルアルコール、4─メトキシ─
4メチルペンタノン等を例示できる。
【0025】また、記録液の紙での乾燥を速める目的に
おいては、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール類も用いることができる。これら
の水性溶剤は、単独ないし混合して記録液の1〜50%
の範囲にて用いる。記録液の媒体である水は、好ましく
は金属イオン等を除去したイオン交換水ないし蒸留水を
用いる。記録液の被印刷体が紙のようなときには、紙へ
の記録液の浸透をはやめ見掛けの乾燥性を早くするため
浸透剤を加えることができる。このような浸透剤として
は、水性溶剤として記述したジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のグリコールエーテル、アルキレング
リコール、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテ
ル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウム等を用いることができる。これ
らは、記録液の5%以下の使用量で十分な効果があり、
これよりも多いと印字の滲み、紙抜け(プリントスル
ー)を起こし好ましくなくなる。
【0026】防黴剤は、記録液への黴の発生を防止する
ものであり、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリ
ウム、ソジウムピリジンチオン─1─オキサイド、ジン
クピリジンチオン─1─オキサイド、1,2─ベンズイ
ソチアゾリン─3─オン、1─ベンズイソチアゾリン─
3─オンのアミン塩等が用いられる。これらは、記録液
の0.05〜1.0%程度もちいる。キレート剤は,記
録液中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出
や記録液中で不溶解性物の析出等を防止するものであ
り、エチレンジアミンテトラアセティックアシド、エチ
レンジアミンテトラアセティックアシドのナトリウム
塩,エチレンジアミンテトラアセティックアシドのジア
ンモニウム塩、エチレンジアミンテトラアセティックア
シドのテトラアンモニウム塩等を0.005〜0.5%
用いる。
【0027】また、記録液のPHを所望のPHに調整
し、記録液の安定ないし、記録装置中の記録液配管との
安定性を得るため、アミン、無機塩、アンモニア等の調
整剤、リン酸等の緩衝液を用いることができる。また、
記録液の循環、あるいは、移動、また、記録液の製造時
の泡の発生を防止するため消泡剤を添加することもでき
る。顔料の分散を良くするため、下記のような界面活性
剤を加えて用いることもできる。このような界面活性剤
としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イ
オン性活性剤を用いることができる。
【0028】アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、ア
ルキル硫酸エステル塩,アルキルアリールスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスル
ホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジア
リールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレン
スルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンア
ルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エス
テル等を例示できる。
【0029】非イオン性活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン
系等の非イオン性活性剤が例示できる。カチオン性活性
剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム
塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム
塩等を例示できる。
【0030】両イオン性活性剤としては、アルキルベタ
イン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン
等が例示できる。その他の添加剤として、尿素、ジメチ
ル尿素等を加えることもできる。更には、顔料の誘導体
などの分散助剤を添加できる。顔料の誘導体としては、
有機色素に末端置換基としてジアルキルアミノ基などを
導入した塩基性化合物、例えば次の一般式(4)、
(5)などを使うことができるが、これらの顔料の誘導
体に限られるものではない。
【0031】
【化6】
【0032】(ただし式中、Aは、CO、SO2 、CH
2 NHCOCH2 などの連結基、Bはアルキル基、nは
整数を表す。)顔料の誘導体などの分散助剤は顔料の分
散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大き
いので、本発明の極めて微細な粒子のベンズイミダゾロ
ン系顔料の特性を最大限に引出し、経時増粘を起こさな
い経時安定性の良好なインクジェット用記録液が製造で
きる。また、これらの誘導体は、本発明のベンズイミダ
ゾロン系顔料を分散する時に添加しても良いが、本発明
のベンズイミダゾロン系顔料を製造する際に、表1の芳
香族アミンと下記の一般式(6)、(7)などの芳香族
アミンを混合して同時にジアゾ化反応、次いでカップリ
ング反応を行ってもよい。
【0033】
【化7】
【0034】(ただし、式中A、Bおよびnは、一般式
(4)、(5)と同じ意味を表す。)
【0035】記録液の製造については、顔料水ケーキ、
分散剤、水ないし水性樹脂、水性溶剤を混合し、サンド
ミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェーカ
ー、超音波分散機等にて分散する。あるいは,二本ロー
ルミルにてあらかじめ良く混練したのち,上記サンドミ
ル等にてさらに分散し、適宜水にて希釈、他の添加剤を
混合して記録液を製造する。混合攪拌は、通常の羽を用
いた攪拌機による攪拌のほか、高速の分散機、乳化機等
により行うことができる。混合された記録液は、希釈の
前あるいは、後で孔径1μ以下のフィルターにて十分ろ
過する。好ましくは、0.65μ以下のフィルターにて
ろ過する。
【0036】フィルターのろ過に先立って、遠心分離に
よるろ過を用いることもでき、これは、フィルターによ
るろ過における目詰まりを少なくし、フィルター交換が
容易となる。記録液は、記録装置の方式にもよるが、粘
度0.8〜15cps(25℃)の液体として調整す
る。表面張力は、25〜60dyn/cmである。PH
は、特に制約されないが4〜12の範囲であり、7〜1
0の弱アルカリ性が好ましい。
【0037】本発明により製造されるベンズイミダゾロ
ン系顔料を用いた記録液は、水性でありながら耐水性が
著しく良好であり、オフィスにおける書類の作成、ダン
ボールのマーキング、ナンバリング、バーコード等の記
録に用いることができる。また、本発明で得られるベン
ズイミダゾロン系顔料は、C.I.ピグメンエロー1
2、13、14、83などのアゾ系エロー顔料などと比
べて極めて優れた耐光性、耐熱性、耐水性を有してお
り、屋外のアウトボード用のインクジェット記録液の着
色剤として極めて優れている。
【0038】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例において「部」は全て重量部を示し、「%」
は全て重量%を示す。
【0039】(実施例1)1−アミノ−2−メトキシベ
ンゼン6.2部(表1の芳香族アミン25)、1−アミ
ノ−4−ニトロベンゼン(表1の芳香族アミン3)6.
9部および35%塩酸31部を氷水200部に加え、つ
いで水50部に亜硝酸ナトリウム7.0部を溶解した溶
液を5℃以下で加えて1時間攪拌してジアゾ化反応を行
いジアゾ液を調製した。一方、氷水1000部に5−ア
セトアセチルアミノベンズイミダゾロン23.3部、水
酸化ナトリウム16部を10℃以下で攪拌して溶解し、
この溶液に12%酢酸水溶液220部を10℃以下で攪
拌しながら加えて5−アセトアセチルアミノベンズイミ
ダゾロンの微細な結晶を析出させ、およそpH5の弱酸
性のカップラー液を調製した。このカップラー液を攪拌
しながら、上記のジアゾ液を20℃以下で加えて3時間
攪拌し、さらに70℃まで加熱して1時間攪拌した後、
濾過水洗し目的とするベンズイミダゾロン系エロー顔料
aの水ケーキ123部(固形分30%)を得た。
【0040】上記の顔料水ケーキを着色剤として、下記
の処方にしたがって、インクジェット用濃縮記録液を調
製した。 顔料aの水ケーキ(固形分 30%品) 47.0部 アクリル樹脂(ジョンソンポリマー製ジョンクリル62固形分34.6%) 2.7部 界面活性剤(花王製 エマルゲン420) 2.0部 イオン交換水 50.0部 グリセリン 5.0部 分散後、下記のものと混合した。混合後、0.65μの
メンブランフィルターにて濾過し、記録液を製造した。
【0041】 上記分散物 13.3部 界面活性剤(花王製 エマルゲン420) 0.2部 アクリル樹脂(岐阜シェラック製造製エマポリーTYN−40固形分44. 8%) 3.0部 エチレングリコール 30.0部 ソジウムオマジン(オーリン製) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 イオン交換水 63.5部 この記録液(記録液の粘度:2.5cps)をエプソン
社製700VC2のカートリッジに入れて記録を行った
ところ、吐出ノズルが目詰まりを起こすことのない良好
な吐出安定性で鮮明な記録物が得られた。記録面に水を
垂らして記録液のにじみを調べたが、記録液のにじみ、
流れ出しはなく充分な耐水性を有していた。
【0042】得られた記録液の粒度分布をレーザー回折
方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−110
0」)で測定した結果、平均粒径は80nmであった。 (比較例1)上記の顔料aの合成方法で1−アミノ−4
−ニトロベンゼンを混ぜないで、1−アミノ−2−メト
キシベンゼン12.3部だけを用いて、上記実施例1と
同様にして純粋なベンズイミダゾロン系エロー顔料bの
水ケーキ129部(固形分28%)を得た。また、1−
アミノ−2−メトキシベンゼンを混ぜないで、1−アミ
ノ−4−ニトロベンゼン13.8部だけを用いて、上記
実施例1と同様にして純粋なベンズイミダゾロン系エロ
ー顔料cの水ケーキ123部(固形分31%)を得た。
顔料aの水ケーキの代わりに、顔料bの水ケーキ25部
と顔料cの水ケーキ23部とを混合した合計48部(顔
料aの水ケーキとほぼ同じ組成)を用いて、実施例1と
同様にして黄色の記録液(記録液の粘度:3.1cp
s)を調製し、エプソン社製700VC2のカートリッ
ジ入れて記録を行ったところ、吐出ノズルで著しい目詰
まりを起こし、充分な吐出安定性を得ることができなか
った。
【0043】得られた記録液の粒度分布をレーザー回折
方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−110
0」)で測定した結果、平均粒径は230nmであっ
た。
【0044】(実施例2)実施例1の1−アミノ−2−
メトキシベンゼン6.2部の代わりに1−アミノ−2、
5−ジクロロベンゼン(表1の芳香族アミン15)4.
9部、1−アミノ−4−ニトロベンゼン6.9部の代わ
りに1−アミノ−2−トリフルオロメチルベンゼン(表
1の芳香族アミン12)11.3部を用いて、同様にジ
アゾ化反応および5−アセトアセチルアミノベンズイミ
ダゾロン23.3部とのカップリング反応を行って、ベ
ンズイミダゾロン系エロー顔料dの水ケーキ160部
(固形分25%)を得た。
【0045】実施例1の顔料aの水ケーキの代わりに、
顔料dの水ケーキ56部を用い、実施例1と同様にして
処理してインクジェット用記録液(記録液の粘度:2.
7cps)を得た。この記録液をエプソン社製700V
C2のカートリッジに入れて記録を行ったところ、吐出
ノズルが目詰まりを起こすことのない良好な吐出安定性
で鮮明な記録物が得られた。記録面に水を垂らして記録
液のにじみを調べたが、記録液のにじみ、流れ出しはな
く充分な耐水性を有していた。得られた記録液の粒度分
布をレーザー回折方式の粒度分布計(島津製作所社製
「SALD−1100」)で測定した結果、平均粒径は
70nmであった。 (比較例2)上記実施例2において、1−アミノ−2−
トリフルオロメチルベンゼンを混ぜないで、1−アミノ
−2,5−ジクロロベンゼン16.2部だけを用いて、
実施例1と同様にして純粋なベンズイミダゾロン系エロ
ー顔料eの水ケーキを148部(固形分27%)を得
た。また、1−アミノ−2,5−ジクロロベンゼンを混
ぜないで、1−アミノ−2−トリフルオロメチルベンゼ
ン16.1部だけを用いて、同様にして純粋なベンズイ
ミダゾン系エロー顔料fの水ケーキを160部(固形分
25%)を得た。顔料aの水ケーキの代わりに、顔料e
の水ケーキを16部と顔料fの水ケーキを39部とを合
計55部混合(顔料dとほぼ同じ組成)して、実施例1
と同様に黄色の記録液(記録液の粘度:3.2cps)
を調製し、エプソン社製700VC2のカートリッジに
入れて記録を行ったところ、吐出ノズルで著しい目詰ま
りを起こし、充分な吐出安定性を得ることができなかっ
た。
【0046】得られた記録液の粒度分布をレーザー回折
方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−110
0」)で測定した結果、平均粒径は280nmであっ
た。
【0047】(実施例3)アンスラニル酸(表1の芳香
族アミン9)1.4部、1−アミノ−2−トリフルオロ
メチルベンゼン(表1の芳香族アミン12)14.5部
および35%塩酸31部を氷水300部に加え、ついで
水50部に亜硝酸ナトリウム7.0部を溶解した溶液を
5℃以下で加えて1時間攪拌してジアゾ化反応を行いジ
アゾ液を調製した。一方、氷水1500部に5−アセト
アセチルアミノベンズイミダゾロン23.3部、水酸化
ナトリウム16部を10℃以下で攪拌して溶解し、この
溶液に12%酢酸水溶液220部を10℃以下で攪拌し
ながら一気に加えて5−アセトアセチルアミノベンズイ
ミダゾロンの微細な結晶を析出させ、およそpH5の弱
酸性のカップラー液を調製した。このカップラー液を攪
拌しながら、上記のジアゾ液を20℃以下で加えて3時
間攪拌し、さらに80℃まで加熱して1時間攪拌した
後、濾過水洗し80℃で乾燥して目的とするベンズイミ
ダゾロン系エロー顔料gの水ケーキ133部(固形分3
0%)を得た。
【0048】サンドミルに下記の原料を入れ分散し、イ
ンクジェット用濃縮記録液を調製した。 顔料gの水ケーキ(固形分 30%) 50部 アクリル樹脂(日本ポリマー製 F−157) 1.3部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース27000) 0.5部 イオン交換水 74部 グリセリン 5.8部 ジメチルエタノールアミン 0.1部 分散後、下記のものと混合した。混合後、3μのメンブ
ランフィルターにてろ過し、続いて1μのメンブランフ
ィルターにてろ過して記録液を製造した。
【0049】 上記分散物 25部 グリセリン 20部 防黴剤(オーリンケミカル製 ソジウムオマジン) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 シリコンエマルジョン型水系消泡剤 0.8部 (花王社製「アンチホームB20」) この記録液(記録液の粘度:2.5cps)をエプソン
社製HG5130のカートリッジに入れて記録を行った
ところ、吐出ノズルが目詰まりを起こすことのない良好
な吐出安定性で鮮明な記録物が得られた。記録面に水を
垂らして記録液のにじみを調べたが、記録液のにじみ、
流れ出しはなく充分な耐水性を有していた。
【0050】得られた記録液の粒度分布をレーザー回折
方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−110
0」)で測定した結果、平均粒径は80nmであった。 (比較例3)上記の顔料gの合成方法で1−アミノ−2
−トリフルオロメチルベンゼンを混ぜないで、アンスラ
ニル酸13.7部だけを用いて、上記実施例3と同様に
して純粋なベンズイミダゾロン系エロー顔料hの水ケー
キ127部(固形分30%)を得た。顔料gの水ケーキ
の代わりに、顔料hの水ケーキ4.8部と比較例2の顔
料fの水ケーキ54.3部とを混合した合計59.1部
(顔料gとほぼ同じ組成)を用いて、実施例3と同様に
黄色の記録液(記録液の粘度:3.4cps)を調製
し、エプソン社製HG5130のカートリッジに入れて
記録を行ったところ、吐出ノズルで著しい目詰まりを起
こし、充分な吐出安定性を得ることができなかった。
【0051】得られた記録液の粒度分布をレーザー回折
方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−110
0」)で測定した結果、平均粒径は310nmであっ
た。
【0052】(実施例4)実施例3のアンスラニル酸
1.4部の代わりに、1−アミノ−ベンゼン−3,5−
ジカルボン酸エチル(表1の芳香族アミン11)11.
8部、1−アミノ−2−トリフルオロメチルベンゼン1
4.5部の代わりに1−アミノ−4−クロロベンゼン
(表−1の芳香族アミン14)6.4部を用いて、同様
にジアゾ化反応および5−アセトアセチルアミノベンズ
イミダゾロン23.3部とのカップリング反応を行っ
て、ベンズイミダゾロン系エロー顔料iの水ケーキ12
8部(固形分32%)を得た。
【0053】ペイントシェーカーに下記の原料を入れ分
散し、インクジェット用濃縮記録液を調製した。 顔料iの水ケーキ(固形分 32%) 47部 アクリル樹脂(ジョンソンポリマー製ジョンクリル62 固形分31%) 3.0部 分散剤(花王製 エマルゲンA−90) 1.0部 イオン交換水 50部 グリセリン 6.0部 分散後、下記のものと混合した。混合後、3μのメンブ
ランフィルターにてろ過し、続いて1μのメンブランフ
ィルターにてろ過して記録液を製造した。
【0054】 上記分散物 13.5部 分散剤(花王製 エマルゲンA−90) 0.2部 アクリル樹脂(日本ポリマー製 W−215) 1.0部 エチレングリコール 10.0部 防黴剤(オーリンケミカル製 ソジウムオマジン) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 イオン交換水 63.5部 この記録液(記録液の粘度:1.6cps)をエプソン
社製700VC2のカートリッジに入れて記録を行った
ところ、吐出ノズルが目詰まりを起こすことのない良好
な吐出安定性で鮮明な記録物が得られた。記録面に水を
垂らして記録液のにじみを調べたが、記録液のにじみ、
流れ出しはなく充分な耐水性を有していた。
【0055】また、このインキをヒューレットパッカー
ド社製「thinkjet」のカートリッジに入れて記録を行っ
たところ、吐出ノズルが目詰まりを起こすことのない良
好な吐出安定性で鮮明な記録物が得られた。記録面に水
を垂らして記録液のにじみを調べたが、記録液のにじ
み、流れ出しはなく充分な耐水性を有していた。更に、
OHPシートにベタ印字を行ったところ、透明製の優れ
た鮮明な画像が得られた。得られた記録液の粒度分布を
レーザー回折方式の粒度分布計(島津製作所社製「SA
LD−1100」)で測定した結果、平均粒径は65n
mであった。 (比較例4)上記実施例3において、1−アミノ−ベン
ゼン−3,5−ジカルボン酸エチルを混ぜないで、1−
アミノ−4−クロロベンゼン12.8部だけを用いて、
実施例3と同様にして純粋なベンズイミダゾロン系エロ
ー顔料jの水ケーキ123部(固形分30%)を得た。
また、1−アミノ−4−クロロベンゼンを混ぜないで、
1−アミノ−ベンゼン−3,5−ジカルボン酸エチルエ
ステル23.7部だけを用いて、同様にして純粋なベン
ズイミダゾン系エロー顔料kの水ケーキ155部(固形
分29%)を得た。顔料iの水ケーキの代わりに、顔料
jの水ケーキ22.5部と顔料kの水ケーキ28.5部
を混合した合計51部(顔料iとほぼ同じ組成)を用い
て、実施例4と同様に黄色の記録液(記録液の粘度:
4.2cps)を調製し、エプソン社製700VC2の
カートリッジに入れて記録を行ったところ、吐出ノズル
で著しい目詰まりを起こし、充分な吐出安定性を得るこ
とができなかった。更に、OHPシートにベタ印字を行
ったところ、極めて不透明で不鮮明な画像しか得られな
かった。
【0056】得られた記録液の粒度分布をレーザー回折
方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−110
0」)で測定した結果、平均粒径は320nmであっ
た。
【0057】(実施例5)アンスラニル酸(表1の芳香
族アミン9)8.8部、1−アミノ−2−トリフルオロ
メチルベンゼン(表1の芳香族アミン12)4.8部、
1−アミノ−2−メトキシベンゼン(表1の芳香族アミ
ン25)2.5部および35%塩酸31部を氷水200
部に加え、ついで水50部に亜硝酸ナトリウム7.0部
を溶解した溶液を5℃以下で加えて1時間攪拌してジア
ゾ化反応を行いジアゾ液を調製した。一方、氷水150
0部に5−アセトアセチルアミノベンズイミダゾロン2
3.3部、水酸化ナトリウム16部を10℃以下で攪拌
して溶解し、この溶液に12%酢酸水溶液220部を1
0℃以下で攪拌しながら一気に加えて5−アセトアセチ
ルアミノベンズイミダゾロンの微細な結晶を析出させ、
およそpH5の弱酸性のカップラー液を調製した。この
カップラー液を攪拌しながら、上記のジアゾ液を20℃
以下で加えて3時間攪拌し、さらに80℃まで加熱して
1時間攪拌した後、濾過水洗し目的とするベンズイミダ
ゾロン系エロー顔料lの水ケーキを123部(固形分3
0%)を得た。
【0058】サンドミルに下記の原料を入れ分散し、イ
ンクジェット用濃縮記録液を調製した。 顔料lの水ケーキ(固形分30%) 80部 アクリル樹脂(ジョンソンポリマー製 61J) 7部 分散剤(花王製 エマルゲンA−90) 4.0部 一般式(5)でnが2、Bがメチル基の顔料誘導体 1.2部 イオン交換水 56部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 3部 N−メチル─2─ピロリドン 3部 2,4,7,9─テトラメチル─5─デシン─4,7─ジオ─ル1部 エチレングリコール 1部 サンドミルにて1時間分散したのち下記のものと混合し
た。混合後,1μのメンブランフィルターにて濾過,続
いて0.45μのメンブランフィルターにて濾過し,記
録液を製造した(粘度2.1cps 平均粒径80n
m)。
【0059】 上記分散物 13.0部 分散剤(ゼネカ製 ソルスパース27000) 0.2部 アクリル樹脂(岐阜シェラック製造製 エマポリーTYN−40 固形分44.8%) 3.0部 ジエチルアミノエタノール 0.2部 ジエチレングリコール 22.5部 プロクセルGXL(ゼネカ 製) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシド 0.02部 イオン交換水 63.53部 2,4,7,9─テトラメチル─5─デシン─4,7─ジオ─ル 0.1部 このインキをエプソン社製HG5130のカートリッジ
に入れて記録を行ったところ,良好な記録物が得られ
た。記録面に水を垂らしてインキのにじみを調べたが,
インキのにじみ,流れ出しはなく充分な耐水性を有して
いた。
【0060】(比較例5)顔料lの水ケーキの代わりに
比較例1のベンズイミダゾロン系顔料bの水ケーキ1
6.4部、比較例2のベンズイミダゾロン系顔料fの水
ケーキ30.2部及び比較例3のベンズイミダゾロン系
顔料hの水ケーキ39.5部を混合して合計86.1部
(顔料lとほぼ同じ組成)を用いて、実施例5と同様に
黄色の記録液(記録液の粘度:4.2cps)を調製
し、エプソン社製HG5130のカートリッジに入れて
記録を行ったところ、吐出ノズルで著しい目詰まりを起
こし、充分な吐出安定性を得ることができなかった。更
に、OHPシートにベタ印字を行ったところ、極めて不
透明で不鮮明な画像しか得られなかった。
【0061】得られた記録液の粒度分布をレーザー回折
方式の粒度分布計(島津製作所社製「SALD−110
0」)で測定した結果、平均粒径は350nmであっ
た。
【0062】
【発明の効果】2種類以上の芳香族アミンを混合してジ
アゾ化反応を行い、次いで5−アセトアセチルアミノベ
ンズイミダゾロンとカップリング反応させることによっ
て得られるベンズイミダゾロン系顔料を用いることによ
って、水を媒体としながら耐水性が良好で鮮明な色相の
記録物を与え、かつインクジェットプリンターの吐出ノ
ズルの目詰まりのない記録液が得られるようになった。
これにより、被記録体の制約が非常に少なくなり、従来
は被記録体の影響により耐水性の不足を生じることの多
かった水性記録液の用途の拡大が期待できた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性の液体中に着色剤を分散してなるイ
    ンクジェット用記録液において、該着色剤として、下記
    一般式(1)で示される芳香族アミンの2種類以上のジ
    アゾ化反応物と、下記の化学式(2)で示される5−ア
    セトアセチルアミノベンズイミダゾロンとをカップリン
    グ反応させることにより得られるベンズイミダゾロン系
    顔料を用いることを特徴とするインクジェット用記録
    液。 【化1】 (ただし、式中のXとYは互いに独立して、−H、−N
    2 、−CONHR1 、−COOR2 、−CF3 、−C
    N、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭
    素数1〜18のアルコキシ基を表し、R1 は−H、炭素
    数1〜18のアルキル基またはアリール基を表し、R2
    は−Hまたは炭素数1〜6のアルキル基を表す。) 【化2】
  2. 【請求項2】 水性樹脂を含むことを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット用記録液。
  3. 【請求項3】 孔径1μm以下のフィルターにて濾過し
    たことを特徴とする請求項1または2記載のインクジェ
    ット用記録液。
  4. 【請求項4】 着色剤を0.1〜10重量%含むことを
    特徴とする請求項1ないし3記載のインクジェット用記
    録液。
  5. 【請求項5】 粘度が0.8〜15センチポイズ(25
    ℃)である請求項1ないし4記載のインクジェット用記
    録液。
  6. 【請求項6】 着色剤および水性樹脂を含む濃縮状態の
    水分散液をあらかじめ調製し、水および添加剤を加えて
    希釈し、孔径1μm以下のフィルターにて濾過すること
    を特徴とするインクジェット用記録液の製造法。
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