JPH09156923A - カルシウム系填剤およびその製造方法 - Google Patents

カルシウム系填剤およびその製造方法

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JPH09156923A
JPH09156923A JP7345799A JP34579995A JPH09156923A JP H09156923 A JPH09156923 A JP H09156923A JP 7345799 A JP7345799 A JP 7345799A JP 34579995 A JP34579995 A JP 34579995A JP H09156923 A JPH09156923 A JP H09156923A
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glucose
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Takashi Inaga
孝 伊永
Satoshi Kondo
▲聰▼ 近藤
Hisaaki Morita
央朗 森田
Yoshichika Sawanoi
喜愛 澤ノ井
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SHIRAISHI CHUO KENKYUSHO KK
Shiraishi Central Laboratories Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
SHIRAISHI CHUO KENKYUSHO KK
Shiraishi Central Laboratories Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散性および再分散性に優れたカルシウム系
填剤およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 還元末端にグルコースをもつβ−2,1
結合のフルクトースポリマーを含有する糖類で表面処理
されたカルシウム化合物を有効成分とするカルシウム系
填剤。水酸化カルシウムの水懸濁液と、炭酸ガスまたは
鉱酸もしくはその塩を還元末端にグルコースをもつβ−
2,1結合のフルクトースポリマーを含有する糖類の存
在下で反応させることにより、上記カルシウム系填剤が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なカルシウム
系填剤およびその製造方法に関し、詳細には分散性およ
び再分散性に優れたカルシウム系填剤並びにその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】各種
のカルシウム系填剤は、古くから極めて多岐にわたる分
野で利用されてきた。例えば、炭酸カルシウムは、ゴム
およびプラスチックの充填剤、製紙用填料および塗被
料、体質顔料、歯磨き剤、合成紙、合成木材填料等に利
用され、リン酸カルシウムは、パンおよびケーキミック
ス用の膨張剤、こね粉の粘弾性改善剤、pH緩衝剤、粉
末ドリンクの酸剤、歯磨き基材、動物用飼料の添加剤、
樹脂安定剤、蛍光体の添加剤、ガラスの添加剤、医薬製
剤の補助担体、研磨剤等に利用され、スルホアルミン酸
カルシウムは、セメント膨張材、製紙用塗被顔料等に利
用されている。
【0003】製法としては、炭酸カルシウムは、水酸化
カルシウムの水懸濁液である石灰乳に、炭酸ガスを吹き
込み製造する方法(特公昭37−519号公報、特公昭
47−22944号公報、特公昭56−40118号公
報)が知られている。リン酸カルシウムは、α型のリン
酸三カルシウムを生成させた後、寒天あるいはドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加した系でリン酸塩
化合物の水中転化反応を行い、微細結晶凝集粒子を生成
させる方法(金沢孝文編著,無機リン化学,168〜1
70)または、石灰乳とリン酸水溶液を摩砕しつつ反応
させる方法、もしくは混合後摩砕反応させることにより
リン酸カルシウムである微細なヒドロキシアパタイトを
生成させる方法(特公昭62−4324号公報等)が知
られている。スルホアルミン酸カルシウムは、石灰乳と
硫酸アルミニウムの水溶液を、40℃付近で連続的に高
速、高剪断力の混合撹拌機で瞬間的に混合反応させる方
法(特開昭53−14692号公報)が知られている。
【0004】これらの方法は、粉末填剤がゴム、プラス
チック、塗料、インキ等のどの程度の粒度まで分散する
かを示す分散性や、溶媒中のスラリー状の填剤を乾燥し
て得る粉末填剤を再び溶媒中に分散させたとき、どの程
度分散するかを示す再分散性などの性質を向上させるた
めに、反応系の厳密な温度管理、有機物質や無機物質等
の第三物質の添加、摩砕や高剪断力によるメカノケミカ
ル反応等により、結晶粒子径、結晶粒子形状等を調節し
ている。しかし、このため製造工程数が多くなり、コス
トが高くなる等の問題を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、これらのカルシ
ウム化合物を還元末端にグルコースをもつβ−2,1結
合のフルクトースポリマーを含有する糖類との複合カル
シウム化合物とすることにより、結晶粒子径、結晶粒子
形状が制御され、優れた分散性および再分散性を持つカ
ルシウム系填剤が得られ、インキ、塗料、ゴム、プラス
チック、紙、化粧品、食品、医薬品等の填剤として有用
であることを見出した。さらに当該カルシウム化合物
が、水酸化カルシウムの水懸濁液を原料とする諸反応に
還元末端にグルコースをもつβ−2,1結合のフルクト
ースポリマーを含有する糖類を加えることにより容易に
合成できることを初めて見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、還元末端にグルコ
ースをもつβ−2,1結合のフルクトースポリマーを含
有する糖類で処理されたカルシウム化合物を有効成分と
するカルシウム系填剤、および水酸化カルシウムの水懸
濁液と、炭酸ガスまたは鉱酸もしくはその塩を還元末端
にグルコースをもつβ−2,1結合のフルクトースポリ
マーを含有する糖類の存在下で反応させ得られるカルシ
ウム化合物の製造方法に存する。
【0007】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明におけるカルシウム化合物とは、水酸化カルシウム
水懸濁液である石灰乳を原料として合成される炭酸カル
シウム,リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウ
ム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ
素アパタイト等のリン酸カルシウム,スルホアルミン酸
カルシウム等が挙げられる。
【0008】本発明で使用される還元末端にグルコース
をもつβ−2,1結合のフルクトースポリマーを含有す
る糖類としては、特に限定されないが、例えばイヌリン
が挙げられる。イヌリンは、キクイモ、チコリ、ダリア
等の根茎から得られる分子量約5000の還元末端にグ
ルコースを有するβ−2,1結合のフルクタンであり、
市販されている。
【0009】本発明の複合カルシウム化合物は、前記カ
ルシウム化合物と還元末端にグルコースをもつβ−2,
1結合のフルクトースポリマーを含有する糖類からなる
複合粒子であり、好ましくはカルシウム化合物の粒子表
面に還元末端にグルコースをもつβ−2,1結合のフル
クトースポリマーを含有する糖類が付着した複合粒子で
ある。
【0010】本発明の複合カルシウム化合物は、前記カ
ルシウム化合物の製造時に還元末端にグルコースをもつ
β−2,1結合のフルクトースポリマーを含有する糖類
を存在させることにより得られるものであり、好ましく
は前記カルシウム化合物のカルシウム原料となる水酸化
カルシウムの水懸濁液からカルシウム化合物を析出反応
により製造する際に、前記析出反応系に還元末端にグル
コースをもつβ−2,1結合のフルクトースポリマーを
含有する糖類を存在させてカルシウム化合物を析出させ
ることにより得られる。
【0011】具体的には、前記カルシウム化合物のカル
シウム原料となる水酸化カルシウムの水懸濁液と、炭酸
ガスまたは鉱酸もしくはその塩を還元末端にグルコース
をもつβ−2,1結合のフルクトースポリマーを含有す
る糖類の存在下で反応させることにより得られる。本発
明で使用される鉱酸もしくはその塩としては、製造され
るカルシウム化合物により選択され、リン酸、リン酸二
水素アンモニウム、リン酸三アンモニウム、硫酸アルミ
ニウム等が挙げられる。
【0012】本発明で得られるカルシウム系填剤は、反
応終了後の反応溶液をそのままあるいは、反応溶液を脱
水してペースト状態で使用してもよい。また、反応溶液
を乾燥、粉砕、分級して粉末状製品としても良い。以下
に、複合カルシウム化合物の製造方法の具体的実施態様
について説明する。 (1)炭酸カルシウムの合成 石灰乳に炭酸ガスを吹き込んで炭酸カルシウムを製造す
る方法は、炭酸化の条件により2つの種類に分類するこ
とができる。通常の条件としては、1つは平均粒子径
0.1μm以下のコロイド性炭酸カルシウムと言われる
立方体粒子で、通常、水酸化カルシウム濃度が15%以
下の石灰乳に、化合開始温度25℃以下で、炭酸ガスを
水酸化カルシウム1Kg当たり100%炭酸ガス換算で
2.0L/min以上の吹き込み速度で反応させ得られ
る。また、他方は平均粒子径0.5μm以上の軽質炭酸
カルシウムと言われる紡錘形粒子で、水酸化カルシウム
濃度が濃度15%以上の石灰乳に、化合開始温度25℃
以上で、炭酸ガスを水酸化カルシウム1Kg当たり10
0%炭酸ガス換算で2.0L/min以下の吹き込み速
度で反応させ得られる。本発明では、化合温度、炭酸ガ
スの吹き込み速度等を特に制御することなく、石灰乳、
好ましくは水酸化カルシウム濃度が4〜20重量%の石
灰乳に、還元末端にグルコースをもつβ−2,1結合の
フルクトースポリマーを含有する糖類を、前記水酸化カ
ルシウム100重量部に対し0.1〜30重量部加え、
よく撹拌して均一のスラリーとした後に炭酸化すること
により所望の複合炭酸カルシウム粒子が得られる。 (2)リン酸カルシウムの合成 リン酸カルシウムの一種であるヒドロキシアパタイト
は、通常水酸化カルシウム濃度が4〜20重量%の石灰
乳を撹拌しながらCa/Pモル比が1.6〜1.7程度
(化学量論的なモル比は、1.67)になるまでリン酸
もしくはその塩の水溶液を徐々に加える湿式化合方法で
得られる。還元末端にグルコースをもつβ−2,1結合
のフルクトースポリマーを含有する糖類は、石灰乳中に
水酸化カルシウム100重量部に対し0.1〜30重量
部添加される。添加方法は、石灰乳に還元末端にグルコ
ースをもつβ−2,1結合のフルクトースポリマーを含
有する糖類を加え、よく撹拌して均一のスラリーとした
後にリン酸化するのが好ましい。かかる方法により、微
細針状の複合ヒドロキシアパタイト粒子が得られる。 (3)スルホアルミン酸カルシウムの合成 スルホアルミン酸カルシウムは、通常水酸化カルシウム
濃度が4〜20重量%程度の石灰乳に、硫酸アルミニウ
ム濃度が5〜30重量%程度の硫酸アルミニウム水溶液
を、CaO/Al23のモル比が6〜8となるように添
加し反応させ得られる。還元末端にグルコースをもつβ
−2,1結合のフルクトースポリマーを含有する糖類
は、石灰乳中に水酸化カルシウム100重量部に対し
0.1〜30重量部添加される。添加方法は、石灰乳に
還元末端にグルコースをもつβ−2,1結合のフルクト
ースポリマーを含有する糖類を加え、よく撹拌して均一
のスラリーとした後に硫酸アルミニウム添加するのが好
ましい。かかる方法により、微細針状の複合スルホアル
ミン酸カルシウム粒子が得られる。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
より限定されるものではない。 〈実施例1〉2Lのステンレスビーカー中で、6重量%
濃度の石灰乳1000gに10重量%のイヌリン(テー
ネンシュガー社製、イヌリンLS)4.1gを撹拌しな
がら添加し、10分間撹拌混合した後、化合開始温度1
7℃で30%濃度の炭酸ガスを0.3L/minの速度
で吹き込み、懸濁液の電導度が二次降下して安定になる
まで反応させた。反応液をヌッチェで吸引濾過し、母液
を分離後、乾燥粉砕して、炭酸カルシウム粒子を得た。
この炭酸カルシウム粒子は、BET比表面積が25m2
/gのコロイド粒子であった。BET比表面積は、N2
ガス吸着法(使用機器;マイクロメリティクス社製、フ
ローソープII2300)により測定した。
【0014】またイヌリンの完全熱分解温度500℃ま
での加熱減量を測定したところ、3.1%であった。
尚、加熱減量は、セイコー電子工業社製高温型示差熱・
熱質量測定装置TG/DTA320型を使用し、室温か
ら500℃までの加熱減量を求めた。 〈実施例2、3および比較例1〉表1に示す条件で、実
施例2は実施例1のイヌリン(テーネンシュガー社製、
イヌリンLS)をイヌリン(コスクラ社製、イヌリンL
T)に変更し、実施例3は実施例1と同様にイヌリン
(テーネンシュガー社製、イヌリンLS)を添加し、比
較例1はイヌリンを添加せずに、実施例1と同様な製造
方法にて炭酸カルシウム粒子を得た。
【0015】炭酸カルシウムの分解温度以下でイヌリン
が完全分解する温度である500℃まで加熱したときの
上記実施例1〜2に示した加熱減量と比較例1の加熱減
量との差は、上記実施例等で乾燥粉砕して得られた複合
炭酸カルシウム粒子に付着(物理的または化学的吸着)
しているイヌリンの量を示している。 本発明の炭酸カルシウム粒子は、BET比表面積より粒
子径が改善されていること、また加熱減量によりイヌリ
ンが含まれていることがわかる。
【0016】
【表1】
【0017】〈実施例4〉2Lのステンレスビーカー中
で、10重量%濃度の石灰乳710gに10重量%のイ
ヌリン(コスクラ社製、イヌリンST)水溶液5gを撹
拌しながら添加して、10分間撹拌混合した後、42.
5%濃度のリン酸水溶液133gを約30分かけて徐々
に添加した。その後反応液80℃まで昇温し、撹拌を続
けながら24時間加熱保持し、熟成を行った。反応液を
ヌッチェで吸引濾過し、母液を分離後、乾燥粉砕して、
ヒドロキシアパタイト粒子を得た。このヒドロキシアパ
タイト粒子は、BET比表面積が92m2/gの針状粒
子で、粒子1%濃度の1時間静置後の沈降体積は32m
lであった。
【0018】沈降体積とは、100mlの有栓沈降管
に、得られた粒子1gおよびイオン交換水99gを入
れ、20秒間激しく振り混ぜて内容物を均一に混合した
後静置し、1時間後の沈降体積(ml)目盛りを読み取
ったものである。 〈実施例5、6および比較例2〉表2に示す条件で、実
施例4は実施例3のイヌリン(コスクラ社製、イヌリン
ST)をイヌリン(コスクラー社製、イヌリンLT)に
変更し、実施例5は実施例3のイヌリン(コスクラ社
製、イヌリンST)をイヌリン(テーネンシュガー社
製、イヌリンLS)に変更し、比較例2はイヌリンを添
加せずに、実施例3と同様な製造方法にてヒドロキシア
パタイト粒子を得た。図1に実施例6で得られた粒子形
状(透過形電子顕微鏡写真(×5000))を、図2に
比較例2で得られた粒子形状(透過形電子顕微鏡写真
(×5000))を示す。
【0019】本発明のヒドロキシアパタイト粒子は、沈
降体積より、分散性が改善されていることがわかる。
【0020】
【表2】
【0021】〈実施例7〉500mlのステンレスビー
カーの中で、13重量%濃度の石灰乳68gに、10重
量%のイヌリン(コスクラー社製、イヌリンLT)水溶
液1.9gを撹拌しながら添加して10分間の撹拌混合
後、温度50℃で8%濃度の硫酸アルミニウム水溶液6
4gを添加した。その後更に撹拌を続けながら50℃で
1時間加温し熟成を行った。反応液をヌッチェで吸引濾
過し、母液を分離後、乾燥粉砕して、スルホアルミン酸
カルシウム粒子を得た。この時生成したスルホアルミン
酸カルシウム粒子は、BET比表面積が20m2/g、
透過形電子顕微鏡観察で長径1.0μm、短径0.05
μm平均の針状粒子であった。 〈実施例8および比較例3〉表3に示す条件で、実施例
8は実施例4と同様な製造方法にて、比較例3はイヌリ
ンを添加せずに、実施例4と同様な製造方法にてスルホ
アルミン酸カルシウム粒子を得た。
【0022】
【表3】
【0023】〈応用例1〉水への再分散性 100mlの有栓沈降管に、実施例3で得られた炭酸カ
ルシウム粒子2gおよびイオン交換水98gを入れ、2
0秒間激しく振り混ぜて内容物を均一に混合した後静置
し、1、3および24時間後の沈降体積(ml)目盛り
を読み取り、粒子の再分散性および分散安定性を調べ
た。比較試料として、市販のコロイド炭酸カルシウム
(白石工業社製)についても同様に物性を測定した。結
果を表4に示す。
【0024】再分散性の評価基準は、以下に示す。 ◎:再分散後3時間静置して上澄みができないもの ○:再分散後1時間静置して上澄みができないもの △:再分散後1時間静置して沈降体積が5mlのもの ×:再分散後1時間静置して沈降体積が2ml以下のも
の 分散安定性の評価基準は、以下に示す。
【0025】 ○:再分散後24時間静置して上澄みができないもの △:再分散後24時間静置して沈降体積が5mlを保持
したもの ×:再分散後24時間静置して沈降体積が2ml以下の
もの
【0026】
【表4】
【0027】〈応用例2〉食品中への再分散性(カルシ
ウム強化牛乳への応用) 1000mlのステンレスビーカー中に、実施例2で得
られた炭酸カルシウム粒子175gおよび滅菌水326
gを採り、ディスパ(羽根径50mm、5000rpm
×30分)で撹拌して、水中に炭酸カルシウム粒子を再
分散させて、炭酸カルシウムスラリーを得た。別のステ
ンレスビーカー中に、原料生乳496.4mlを採り、
先の再分散して得られた35重量%の炭酸カルシウムス
ラリーを3.6g添加した後,高圧型ホモジナイザー
(150Kg/cm2)で撹拌、分散して、均質なカル
シウム強化牛乳500mlを得た。このカルシウム強化
牛乳について、炭酸カルシウムの分散安定性を調べた。
比較試料として、市販の食添用炭酸カルシウムについて
も同様にして炭酸カルシウムの分散安定性を調べた。分
散安定性の評価基準としては、以下の遠心沈降物試験に
より分散安定度を求めた。
【0028】遠心管に試作牛乳50mlを採り、350
G×15分の遠心力をかけた後、上層分を捨て、よく液
を切って、遠心管の底に残った沈降物を95℃で恒量に
達するまで乾燥して重量を測定し、下記の式により分散
安定度を求める。
【0029】
【表5】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、カルシウム化合物を製
造する際に、還元末端にグルコースをもつβ−2,1結
合のフルクトースポリマーを含有する糖類を添加するこ
とにより、得られる化合物の粒子径、結晶形を制御する
ことができ、分散性および再分散性の優れた填剤に利用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例6で得られたヒドロキシアパタ
イト粒子の形状を表す、図面に代わる写真(透過形電子
顕微鏡写真(×5000))である。
【図2】図2は、比較例2で得られたヒドロキシアパタ
イト粒子の形状を表す、図面に代わる写真(透過形電子
顕微鏡写真(×5000))である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤ノ井 喜愛 兵庫県西宮市名次町6−26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム化合物と還元末端にグルコー
    スをもつβ−2,1結合のフルクトースポリマーを含有
    する糖類とからなる複合カルシウム化合物を有効成分と
    するカルシウム系填剤。
  2. 【請求項2】 カルシウム化合物の表面に還元末端にグ
    ルコースをもつβ−2,1結合のフルクトースポリマー
    を含有する糖類が付着した複合カルシウム化合物を有効
    成分とする請求項1記載のカルシウム系填剤。
  3. 【請求項3】 還元末端にグルコースをもつβ−2,1
    結合のフルクトースポリマーを含有する糖類がイヌリン
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のカル
    シウム系填剤。
  4. 【請求項4】 カルシウム化合物が、炭酸カルシウム、
    リン酸カルシウムまたはスルホアルミン酸カルシウムで
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    カルシウム系填剤。
  5. 【請求項5】 水酸化カルシウムの水懸濁液からカルシ
    ウム化合物を析出反応により製造する方法において、前
    記析出反応系に還元末端にグルコースをもつβ−2,1
    結合のフルクトースポリマーを含有する糖類を存在させ
    る、複合カルシウム化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 水酸化カルシウムの水懸濁液と、炭酸ガ
    スまたは鉱酸もしくはその塩とを還元末端にグルコース
    をもつβ−2,1結合のフルクトースポリマーを含有す
    る糖類の存在下で反応させる工程を含む、複合カルシウ
    ム化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 還元末端にグルコースをもつβ−2,1
    結合のフルクトースポリマーを含有する糖類の添加量
    が、水酸化カルシウム100重量部に対して0.1〜3
    0重量部であることを特徴とする請求項5または6に記
    載の製造方法。
  8. 【請求項8】 還元末端にグルコースをもつβ−2,1
    結合のフルクトースポリマーを含有する糖類がイヌリン
    であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 水酸化カルシウム濃度が4〜20重量%
    の石灰乳に、還元末端にグルコースをもつβ−2,1結
    合のフルクトースポリマーを含有する糖類を、水酸化カ
    ルシウム100重量部に対し0.1〜30重量部添加
    し、均一なスラリーとした後,該スラリーに炭酸ガスま
    たは炭酸塩を加える工程を含む、複合炭酸カルシウム粒
    子の製造方法。
  10. 【請求項10】 還元末端にグルコースをもつβ−2,
    1結合のフルクトースポリマーを含有する糖類がイヌリ
    ンであることを特徴とする請求項9に記載の複合炭酸カ
    ルシウム粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】 水酸化カルシウム濃度が4〜20重量
    %の石灰乳に、還元末端にグルコースをもつβ−2,1
    結合のフルクトースポリマーを含有する糖類を、水酸化
    カルシウム100重量部に対し0.1〜30重量部添加
    し、均一なスラリーとした後、該スラリーを撹拌しなが
    らリン酸もしくはその塩の水溶液を徐々に加え反応させ
    る工程を含む、複合ヒドロキシアパタイト粒子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 還元末端にグルコースをもつβ−2,
    1結合のフルクトースポリマーを含有する糖類がイヌリ
    ンであることを特徴とする請求項11に記載のヒドロキ
    シアパタイト粒子の製造方法。
  13. 【請求項13】 水酸化カルシウム濃度が4〜20重量
    %程度の石灰乳に、還元末端にグルコースをもつβ−
    2,1結合のフルクトースポリマーを含有する糖類を、
    水酸化カルシウム100重量部に対し0.1〜30重量
    部添加し、均一なスラリーとした後、該スラリーを撹拌
    しながら硫酸アルミニウム濃度が5〜30重量%程度の
    硫酸アルミニウム水溶液を、CaO/Al23のモル比
    が6〜8となるように添加し反応させる工程を含む、複
    合スルホアルミン酸カルシウム粒子の製造方法。
  14. 【請求項14】 還元末端にグルコースをもつβ−2,
    1結合のフルクトースポリマーを含有する糖類がイヌリ
    ンであることを特徴とする請求項13に記載の複合スル
    ホアルミン酸カルシウム粒子の製造方法。
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