JPH09156001A - ハニカム用基材及びその製造方法 - Google Patents

ハニカム用基材及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09156001A
JPH09156001A JP7345786A JP34578695A JPH09156001A JP H09156001 A JPH09156001 A JP H09156001A JP 7345786 A JP7345786 A JP 7345786A JP 34578695 A JP34578695 A JP 34578695A JP H09156001 A JPH09156001 A JP H09156001A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
paper
sea
island
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7345786A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Katayama
隆 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP7345786A priority Critical patent/JPH09156001A/ja
Publication of JPH09156001A publication Critical patent/JPH09156001A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低吸湿性で高強度を有するハニカム用基材及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】溶融液晶性ポリエステルからなり、かつ実
質的に枝分かれを有しないパルプ状物を含む紙からなる
ハニカム用基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハニカム用基材及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハニカムコアは軽量でかつ高強力
の構造体として有用であり、その基材としてアルミニウ
ム箔、クラフト紙等が使用されている。例えば、クラフ
ト紙を基材とするハニカムコアは軽量かつ安価であるも
のの、機械的強度の不足や湿度による収縮が大きい等の
問題があり、また、アルミニウム箔からなるハニカムコ
アは強度的に高い水準にあるが、航空機の部材等の用途
に使用する場合にはさらに高度な軽量化、並びに強度的
信頼性が求められている。
【0003】これに対して、軽量である有機繊維を用い
た紙基材が提案されており、たとえばメタ系アラミド繊
維とメタ系アラミドフィブリッド(パルプ状物)からな
る合成紙をハニカムコアの基材として用いられ始められ
ている。しかしながら、かかるアラミド紙は吸湿性が高
く、厳密な寸法安定性が要求される用途には不適当な場
合があり、さらに、バインダ−としての機能を示すメタ
系アラミドのフィブリッドが非晶性であるために紙の強
度が不十分となる場合があった。以上のことから、溶融
液晶性ポリエステルからなる繊維およびパルプ状物から
なる紙基材をハニカム基材とすることが特開平7−48
7178号公報に開示されている。かかる紙は、軽量で
低吸湿性であるため優れた性能を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
溶融液晶性ポリエステル短繊維を叩解して得られるパル
プ状物が知られているが、かかるパルプ状物を用いた場
合には以下のような問題が生じていた。すなわち、溶融
液晶性ポリエステル繊維は高度に分子配向しているた
め、剪断力を加えると比較的容易にフィブリル(パル
プ)が得られるが、抄造に適したパルプ状物と同時に粉
状物や塊状物が必然的に生じることとなる。かかる塊状
物が含まれているパルプ状物群は抄紙性が極めて低く、
しかも繊維同志の絡み合いが小さくなるため強度が不十
分となる場合があった。本発明の目的は、上記のような
問題を解決し、低吸湿性で強度が高いハニカム用基材及
びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融液晶性ポ
リエステルからなり、かつ実質的に枝分かれを有しない
パルプ状物を含む紙からなるハニカム用基材、および溶
融液晶性ポリエステルを島成分、その他のポリマ−を海
成分とする海島繊維をカットする前又はカットした後
に、海成分を減量除去して得られるパルプ状物を含む紙
料を湿式抄紙するハニカム用基材の製造方法を提供する
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明にいう溶融液晶性とは、液
晶相において光学異方性(液晶性)を示すものである。
このような特性は、公知の方法、たとえばホットステ−
ジにのせた試料を窒素雰囲気下で昇温加熱し、その透過
光を観察することにより容易に認定することができる。
本発明に用いられる溶融異方性芳香族ポリエステルは、
例えば芳香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸等より得られるポリマ−であり、好
適には化1〜化3に示される反復構成単位の組み合わせ
からなるポリマ−が挙げられる。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】
【化3】
【0010】溶融液晶性ポリエステルの融点(MP)は、
260〜380℃、特に270〜350℃が好ましい。
ここでいう融点とは、示差走査熱量測定装置(DSC:
例えばmettler 社製、TA3000)で観察される主吸熱ピ−
クのピ−ク温度である。特に好ましくは、パラヒドロキ
シ安息香酸(A)と2−ヒドロキシ6−ナフトエ酸
(B)の構成単位からなる部分が80モル%以上である溶
融異方性芳香族ポリエステルであり、特にAとBの合計
量に対するB成分が5〜45モル%である芳香族ポリエス
テルが好ましい。なお、本発明で使用する溶融液晶性ポ
リエステルには、適宜、酸化チタン、カオリン、シリ
カ、硫酸バリウム、カ−ボンブラック、顔料、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含んでいても良い。
【0011】本発明で使用するパルプ状物の形状は、実
質的に枝分かれを有しないものであり(図1参照)、従
来のように成形物を叩解して得られるパルプ状物(図2
参照)とは明らかに異なったものである。本発明で使用
するパルプ状物は枝分かれを有しないことに特徴を有し
ており、塊状物や粉末状物を実質的に含まないものであ
る。かかるパルプ状物は、水への分散性に優れているこ
とから抄紙性が高く、耐熱性、低吸湿性、紙力及び地合
等の優れた紙を供し得るものである。従来のように成型
物を叩解して得られたパルプ状物は、塊状物が生じるた
めに抄紙性が低く、しかも繊維の絡み合いが不十分とな
るため強力の高い紙を得ることは難しく、特に薄い紙と
した場合には地合が不均一になりやすい。従って、強度
むらがなく、かつ強度の高いハニカム用基材を製造する
ことは困難である。
【0012】本発明の紙基材を構成するパルプ状物は、
抄紙性、紙の性能(強力、地合の均一性等)の点から、
パルプ直径0.1μm以上5μm未満、パルプ長0.2
〜5mmとするのが好ましく、特にパルプ直径0.5〜
3μm、パルプ長0.5〜3mmとするのが好ましい。
パルプ状物のアスペクト比は、抄紙時の分散性及び弾性
率等の点から500〜1500、特に800〜1200
が好ましい。本発明でいうアスペクト比とはパルプ状物
の繊維長Aを該パルプ状物の横断面面積と同じ面積を有
する円の直径Bで徐したものである。
【0013】かかるパルプ状物を好ましくは5〜100
重量%、特に40〜80重量%含んだ紙料を用いて湿式
抄紙することにより優れたハニカムコア基材を得ること
ができる。溶融液晶性ポリエステル又は他のポリマ−か
らなる本発明で規定したパルプ状物以外の繊維状物が存
在していてもよい。具体的には木材パルプ、ガラス繊
維、炭素繊維、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレ
フタレ−ト等)、アクリル系繊維等が挙げられ、本発明
で規定した以外の溶融液晶性ポリエステルからなるパル
プ成分、繊維成分が含まれていてもよい。強度、低吸湿
性等の点からは、溶融液晶性ポリエステルのみから構成
された紙とするのが好ましく、溶融液晶性ポリエステル
以外の成分は30重量%以下、特に10重量%以下配合
するのが好ましい。
【0014】かかるパルプ状物の製造方法としては、溶
融液晶性ポリエステルを島成分とする海島繊維を製造
し、海成分を除去して島成分を分割する方法が挙げられ
る。かかる方法によれば、溶融成形体に剪断力を加える
ことなく、直径のばらつきが少なくかつほぼ均一なパル
プ長を有するパルプ状物を製造することができる。海成
分の具体的な除去方法としては浸漬法、デイップニップ
法、ロ−ラ−パット法等が挙げられる。なお、溶融液晶
性ポリエステルの場合、通常の溶融紡糸で直径5μm未
満のような抄紙性に優れたパルプ状物を製造することは
極めて困難である。また、溶融液晶性ポリエステルを芯
成分とする芯鞘型複合繊維の鞘成分を除去する方法等に
よっても比較的細い繊維を製造することは可能である
が、かかる方法により抄紙性に優れたパルプ状物を製造
することはることは困難である。従って、溶融液晶性ポ
リエステルを島成分とする海島繊維を製造し、海成分を
除去して島成分を分割する方法を採用するのが好まし
い。
【0015】本発明にいう海島構造とは、繊維の横断面
においてマトリックスとなる海成分中に1から数十万の
島(溶融液晶性ポリエステル)が存在している状態をい
う。該海島繊維は、押出により成形され、かつ島成分が
繊維軸方向にある程度連続しているものであればよく、
海島繊維の直径や断面形状は特に限定されない。具体的
には繊維状、ストランド状、ペレット状、チップ状等の
ものが挙げられる。溶融液晶性ポリエステルは、繊維軸
方向に配向しやすいため島成分が連続したものになりや
すく、カットを行わなければ比較的長いパルプ成分が得
られる。
【0016】海島繊維の島数は数十〜数十万個程度が好
ましい。かかる島数は、両ポリマ−の混練割合、紡糸温
度、射出剪断速度、ドラフト、溶融粘度などを調節する
ことにより変えることができる。例えば、両成分の溶融
粘度差を大きくすることにより、島数を減少させること
ができる。溶融液晶性ポリエステルは、ノズル通過時に
著しい分子配向を生じるため、海島繊維を良好に紡糸す
るためにはドラフトを1.1〜40倍にする必要がある。
また、剪断速度を100〜100,000sec-1とすることによ
り、島成分の直径を好適なものとすることができる。
【0017】かかる海島繊維は、海成分と島成分をチッ
プブレンドする、または両成分の溶融物をスタチックミ
キサ−等で混合する方法などにより得ることができる。
海成分と島成分の重量割合は、30:70〜80:2
0、特に40:60〜60:40とするのが好ましい。
溶融液晶性ポリエステルの混合割合が高いほど経済的か
つ効率的であるが、70重量%を越えると溶融液晶性ポリ
エステルが海成分となり本発明のパルプ状物は得られな
い。
【0018】このとき、海島繊維を構成する海成分は、
溶融異方性ポリエステルとの親和性及び粘度等を考慮し
て、適宜海成分を構成するポリマ−を選択することが必
要である。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
メチルスチレン、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロ
ン6−10、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリ
塩化ビニル、ポリエステル等の可撓性の熱可塑性ポリマ
−が挙げられる。かかるポリマ−を海成分とする海島繊
維を製造し、カットする前又はカットした後に該ポリマ
−の良溶媒を適宜用いて海成分を減量除去(溶解除去及
び/又は分解除去)することにより達成できる。
【0019】特に、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイ
ロン6−6等を用いた場合には、溶融液晶性ポリエステ
ルに対して貧溶媒でかつ熱可塑性ポリマ−に対して良溶
媒の「溶媒」を選択しやすいので好ましい。例えばポリ
エチレンを用いた場合には、溶媒としてシクロヘキサ
ン、クロロホルムを用いて70℃以上で処理を行うこと
が好ましく、ポリプロピレンを用いる場合には、溶媒と
してベンゼン、クロロホルム、トルエン等を用いて80
℃以上で処理することが好ましい。最も好ましいのはポ
リスチレンであり、トルエン、キシレン等を溶媒に選択
することにより海成分のポリスチレンを室温でかつ短時
間に溶解除去することができる。また、ポリスチレンを
用いた場合には、島成分の分布及び直径が均一になりや
すいので好ましい。
【0020】これらの溶媒は、単独で用いても良いが、
混合溶媒にして用いても良い。本発明は溶媒により熱可
塑性ポリマ−の抽出を行うため、溶媒の回収、再利用が
可能であり、経済的かつ効率的にパルプ状物を製造する
ことができる。なお、溶媒処理により繊維を分割後、水
洗乾燥処理を行うのが好ましい。海島繊維の製造しやす
さの点では、易アルカリ減量性ポリエステルを海成分、
溶融液晶性ポリエステルを島成分とする海島繊維をカッ
トする前又はカットした後に、易アルカリ減量性ポリエ
ステルを減量除去(溶解及び/又は分解除去)する方法
を採用するのが好ましい。
【0021】該易アルカリ減量性ポリエステルとは、ジ
カルボン酸、ジオ−ル、ヒドロキシカルボン酸等からな
るポリエステルであり、アルカリ分解性及び/又はアル
カリ溶解性を有するものであれば特に限定されるもので
はない。用いる溶融液晶性ポリエステルとのアルカリ分
解速度比が好ましくは1000倍以上、より好ましくは
3000倍以上の易アルカリ減量性ポリエステルを用い
る。この場合、溶融液晶性ポリエステルがアルカリによ
る劣化や浸食を受けにくく、次の熱処理工程等で融着等
のトラブルが起こらない。
【0022】なお、本発明でいうアルカリ溶解速度と
は、試料を、98℃、20g/l の水酸化ナトリウム水溶液中
に各測定サンプルを浴比1:500の条件で浸漬し、撹
拌しながらサンプルを溶解させて下記式によりアルカリ
溶解速度定数Kにより表される。なお、サンプルとして
は、同一条件で紡糸した直径1mmのストランドを用い
るのが好ましい。
【0023】
【数1】
【0024】かかる易アルカリ減量性ポリエステルに
は、市販の酸化分解防止剤(例えばチバ・ガイキ−社製
イルガノックス1010、アメリカンサイアナミッド社製サ
イアノックス1790)を添加することにより耐熱性を向上
させることも可能である。好適な易アルカリ減量性ポリ
エステルの具体例としては、下記の構成単位I〜III を
含む共重合ポリエステルが挙げられる。
【0025】
【化4】
【0026】特に好ましくは、構成単位I〜III を含む
ポリエステルであり、かつ構成単位Iをポリエステルを
構成する全酸成分の0.5 〜10モル%、構成単位II及び
IIIをそれぞれ1重量%以上含み、かつ構成単位II及びI
II の合計含有率が全ポリエステルの2〜50重量%であ
る共重合ポリエステルを用いる。該ポリエステルのアル
カリ分解速度は、芳香族ポリエステルに比して1000
倍以上大きく、従って、アルカリ溶液による処理を短時
間に行うことが可能である。より好ましくは、構成単位
Iをポリエステルを構成する全酸成分の1〜7モル%、
構成単位II及びIII の合計含有率が全ポリエステルの5
〜30重量%である共重合ポリエステルを用いる。
【0027】ジカルボン酸単位I中の3価の芳香族基
(Ar)としては、ベンゼントリイル基、ナフタレント
リイル基等が挙げられ、金属原子Mは、ナトリウム、カ
リウム、リチウムなどのアルカリ金属原子が好ましい。
共重合ポリエステルには、ジカルボン酸成分Iを複数種
有していてもよい。共重合ポリエステルを構成する他の
カルボン酸単位としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン
酸、ジフェニルエ−テルジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキ
シ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、さらに
脂肪族ジカルボン酸、脂環族カルボン酸、トリカルボン
酸等を挙げることができ、これらのカルボン酸単位を複
数種用いてもよい。共重合ポリエステルを構成する全酸
成分単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸単位、特
にテレフタル酸単位であるのが好ましい。
【0028】また、ジオ−ル単位II中のR1 は、炭素数
2〜4のアルキレン基であるのが好ましく、エチレン基
および/またはプロピレン基、特に、アルカリ溶解性の
点からエチレン基が好ましい。また平均重合度mは10
〜100であることが必要であるが、20〜80がさらに好
ましい。ポリオキシエチレングリコ−ル、ポリオキシプ
ロピレングリコ−ル、ポリオキシエチレン/ポリオキシ
プロピレングリコ−ル等から誘導された単位が好まし
く、共重合ポリエステルにこれらジオ−ル単位IIが複数
含まれていてもよい。また、共重合ポリエステルには他
のジオ−ル単位を更に有しているのが好ましく、脂肪族
ジオ−ル、脂環族ジオ−ル等が挙げられる。繊維形成性
の点から炭素数2〜6の直鎖状アルキレングリコ−ルか
ら誘導された単位が好ましい。
【0029】側鎖単位III 中のR2 は炭素数2〜4のア
ルキレン基であるのが好ましく、エチレン基および/ま
たはプロピレン基、特にエチレン基が好ましい。R3
しては炭素数1〜15の直鎖または分岐状アルキル基、
炭素数3〜18のシクロアルキル基,炭素数6〜18の
アリ−ル基を挙げることができる。重合度nは10〜1
00の範囲であるが、20〜80であるのがより好まし
い。nが10よりも小さいとアルカリ溶解性が低下し、
一方100を超えてもアルカリ溶解性はそれほど向上せ
ず、着色の原因となる。具体的には、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−アルキル−グリシジルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル−アルキル−2、3−ジヒドロ
キシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル
−フェニル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル−フェニル−2、3−ジヒドロキシプロピル
エ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−シクロヘキ
シル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ
−ル−シクロヘキシル−2、3−ジヒドロキシプロピル
エ−テル等が挙げられ、共重合ポリエステル(Aポリマ
−)中にこれら単位が複数含まれていてもよい。
【0030】本発明の島成分は耐アルカリ性に優れた溶
融液晶性ポリエステルであるため、アルカリ処理により
実質的に直径が変化することなく、所望の直径を有する
パルプ状物を得ることができる。減量処理に用いるアル
カリ性溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、
リン酸三ナトリウム等の強アルカリ溶液が好ましく、2
〜60g/l程度の処理液中でアルカリ処理を行うのが
好ましい。炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸
二水素ナトリウム等の弱アルカリ性物質を使用する場合
は、処理液中のアルカリ物質濃度5〜200g/lとするのが
好ましい。強アルカリ物質及び弱アルカリ物質を併用す
ることも可能であり、処理液中に分解促進剤などを含ん
でいてもよい。また、アルカリ界面活性剤を添加するこ
とにより、繊維のアルカリ浸透等が促進されて好まし
い。アルカリ処理温度は70〜100 ℃が好ましく、アル
カリ処理により繊維を分割後、中和、水洗乾燥処理を行
うのが好ましい。アルカリの微量の残留が問題となる場
合には、熱可塑性ポリマ−を海成分とする海島繊維を溶
媒で処理する前述の方法を採用するのが好ましい。
【0031】パルプ状物のカットは海成分除去処理前又
は処理後のいずれで行ってもよいが、直径の太い方がカ
ットしやすいので海成分除去前にカットするのが好まし
い。カット方法としては、カッタ−、ペレッタイザ−、
粉砕機等いずれの方法で行ってもよい。得られたパルプ
状物に分散剤を添加することも可能であり、サイズ剤や
定着剤を用いても良い。添加量は10重量%以下、特に
5重量%以下とするのが好ましい。また、パルプ状物の
分散性を高めるために、ドライ、ウエットあるいは分散
剤を添加したウエットの状態で、パルパ−、リファイナ
−、ビ−タ−等にかけてパルプ状物間の絡まりを低下さ
せることも可能である。
【0032】本発明においては、海島繊維の海成分を除
去して得られる溶融液晶性ポリエステルパルプ状物を抄
紙することに特徴があり、海島繊維を用いて抄紙した後
に海成分を除去した場合には、本発明の目的を達成する
ことはできない。すなわち、海島繊維は繊維径が大きい
ために抄紙性が極めて悪く、さらに得られる紙の地合、
強度等も劣ったものとなる。
【0033】該パルプ状物のみを抄紙した場合には強
度、低吸湿性、地合に優れた紙が得られるが、さらに高
い弾性率、強力が要求される場合は、パルプ状物を構成
するポリマ−と同組成又は異なった組成のポリマ−から
なる短繊維を混抄することが好ましい。特に溶融液晶性
ポリエステルからなる短繊維を混抄するのが好ましい。
短繊維の直径は、抄紙性及び紙の諸性能(弾性率、地合
の均一性等)の点から繊維直径5μm以上25μm未
満、繊維長2〜30mmとするのが好ましく、特に繊維
直径8μm以上20μm未満、繊維長3〜8mmとする
のが好ましい。短繊維のアスペクト比は130〜500
とするのが好ましい。
【0034】本発明により得られた紙基材はそのままハ
ニカムコアとして使用してもよいが、強力等の点から樹
脂等を含浸して使用するのが好ましい。一般に、ハニカ
ムコア基材の強度を高めるために、フェノ−ル樹脂等の
樹脂を含浸することが行われているが、紙力及び樹脂含
浸性をともに満足する紙を製造することは困難であっ
た。たとえば、原料溶液を固化浴で強く撹拌して得られ
るアラミドフィブリッドを用いた紙は、必然的に透気性
の低いものとなりやすい。従って、樹脂をハニカムに均
一に含浸させるのは極めて困難であり、稀薄な樹脂溶液
に繰り返し浸漬する必要があった。このため、製造時間
の遅延、製造コストの増加が余儀なくされており、強度
が高くかつ樹脂含浸性が高い基材を用いれば工程性が著
しく改善されることとなる。本発明に用いられるパルプ
状物は強力が高く抄紙性にも優れており、しかもパルプ
状物がフィルム状形態でなく、実質的に枝分かれを有し
ないパルプ状物であるので、必要以上に透気性が小さく
ならず、強度及び樹脂含浸性の両性能を満たした紙を得
ることができる。
【0035】一方、成型物を叩解した溶融液晶性ポリエ
ステルパルプ状物を用いた場合には、塊状物が存在する
ために空隙が生じて透気度の高いものが得られるが、パ
ルプ状物の絡み合いが小さく、高強度で強度ムラの小さ
い紙を得ることは困難である。本発明で用いるパルプ状
物は抄紙性に優れているので、パルプ配合割合を低くし
た場合においても優れた紙力が得られる。従って、パル
プ状物より太径を有する短繊維を混抄すれば透気度が高
くなり、一層樹脂含浸性を高めることができる。
【0036】短繊維の割合が高いほど樹脂含浸性は向上
するが、割合が高くなりすぎると紙の均質性が悪くなる
のみでなく、パルプ状物による絡み合いが不十分となっ
て裂断長(紙力)が低下する場合があり、さらに接着剤
塗布の際に紙の中を接着剤が通過して滲出したり、精度
良く塗布できない場合が生じる。以上のことから、紙基
材に樹脂を含浸させる場合には、短繊維を1〜95重量
%、特に30〜70重量%配合するのが好ましい。短繊
維の配合割合は紙の坪量(好適には20〜200g/m
2 程度)により設定するのが好ましく、特に薄手の紙の
場合(坪量が50g/m2 以下)の場合には短繊維の配
合率が0〜30重量%、厚手の紙の場合(100g/m
2 以上)には40〜90重量%とすることが望ましい。
【0037】樹脂含浸性の点からは、単位坪量あたりの
透気度が10秒/100cc以下、特に5秒/100c
c以下、さらに1秒/100cc以下とするのが好まし
い。この単位坪量あたりの透気度が小さいほど、透気性
が高く樹脂含浸性に優れたシ−トであるといえる。抄紙
後のシ−トの単位坪量あたりの透気度が10秒/100
ccをこえると透気性が低く樹脂含浸性が不十分となる
場合がある。紙基材を樹脂で含浸せずにハニカムコアと
する場合には、透気性が低く緻密で強力の高い紙を使用
するのが好ましい。なお、透気度の増加は坪量の増加に
ほぼ比例するので、JIS P8117に準じて求めた
透気度(sec/100cc)を坪量で除した値で評価
するのが望ましい。
【0038】本発明のパルプ状物を用いることにより、
好ましくは裂断長4km以上、特に7km以上の紙を得
ることはできるが、さらに高い強度が要求される場合に
は、パルプ状物、短繊維、紙等に熱処理を施すことが好
ましい。この場合、裂断長8km、特に10km以上の
紙を得ることができる。パルプ状物を熱処理する場合、
熱処理は海成分除去前または除去後のどちらで行っても
良い。その際の熱の供給は、加熱板、赤外線ヒ−タ−等
により熱輻射を利用する方法、熱ロ−ラ−、プレ−ト等
に接触させて行う方法、高周波等を利用した内部加熱方
法等がある。加熱媒体として用いる気体は、窒素等の不
活性ガスあるいは窒素と酸素、炭酸ガスなどの混合気体
および空気などが用いられる。熱処理雰囲気は露点が−
10℃以下、好ましくは−40℃以下の気体中がよい、
好ましい熱処理条件は、熱ロ−ルのように圧力を加えて
処理する場合には融点Tmに対して、Tm−60℃〜T
m+20℃の温度範囲で、Tm−60℃から順次昇温し
ていく温度パタ−ンである。
【0039】熱処理は、目的により緊張下あるいは無緊
張下のどちらで行ってもよい。また、形状は、カセ状、
チ−ズ状、トウ状(金網に乗せて処理する)、ペレット
状、ストランド状およびシ−ト状、パルプ状、ステ−プ
ル状等で行われる。本発明の紙基材の製造は、特にその
製造方法を限定されるものではないが、天然パルプと同
様の抄紙機、例えば長網式、円網式製紙機を用い、パル
プのみあるいは短繊維との混合水分散スラリ−から抄紙
すればよい。
【0040】本発明により得られる紙は、目的によりそ
のまま用いることも可能であるが、抄紙乾燥後に熱カレ
ンダ−処理または熱プレス等により、紙の熱圧着を行う
のが好ましい。特に熱処理されていないパルプ状物から
得られた紙を熱カレンダ−処理すると良好な艶が得られ
ると共に強度を向上させることができる。カレンダ−条
件は、温度、線圧および速度の3つの条件でほぼ決まる
が、高い透気度を得るためにはカレンダ−温度は200
℃から300℃程度、特に210〜270℃程度とする
のが好ましい。カレンダ−温度を高めると裂断長等を向
上させることができるが、高い透気性を保つという点か
らはカレンダ−温度を低くするのが好ましい。線圧は1
0〜200kg/cm程度が好ましく、カレンダ−ロ−
ルとしては、弾性ロ−ル(ペ−パ−ロ−ル、コットンロ
−ル、ゴムロ−ル等、スチ−ルロ−ル)を用いることが
できる。
【0041】かかる紙基材をハニカムコアとする方法は
特に限定されないが、常法によりハニカムコアを製造す
ることができる。たとえば、一般的な方法としては、紙
基材上に所定のセルサイズとなるようにストライプ状に
接着剤を塗工し、その塗工した紙基材を半ピッチずるず
らしながら重ね合わせた後、熱プレスを行って未展張物
を製造し、次いで所定のコア厚みにカットして展張して
ハニカム状構造体を製造し(展張方式)、かかる紙に樹
脂を付与後に固定化してハニカムコアを得る方法が挙げ
られる。また、紙基材を樹脂を含む液に浸漬し、次いで
紙基材を引き上げて樹脂等を硬化させ、該合成紙を波形
に成型して凸部を突き合わせて接着してハニカムコアと
する方法(コルゲ−ト方式)や、パイプ状の紙筒を束ね
て接着する等の方法でハニカムコア状の成型物を得て、
これに樹脂を含浸する方法も採用できる。セルの大き
さ、形状は特に限定されるものではなく、目的により適
宜設定すればよい。
【0042】場合によってはハニカム状とした紙基材に
樹脂を含浸することなく使用することもできるが、強度
の点からは樹脂を含浸して使用するのが好ましい。ハニ
カム用基材に付着・含浸させる樹脂としては、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでもよいが、耐熱性の点か
らは熱硬化性樹脂がより好ましい。このような樹脂とし
ては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂、フェノ−ル樹脂、シクロオレフィン(例
えばメトン)樹脂や、ポリアミド、フェノキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアリレ−ト樹脂等が挙げられる。
また、透気度の異なる複数の層よりなる紙でハニカムを
製造することもできる。この場合、すべての層を本発明
の紙基材とする必要はなく、他の紙基材を本発明の紙基
材に積層することもできる。
【0043】また、ハニカムコア基材に付与する樹脂又
はその前駆体に、必要に応じて、有機繊維また無機物の
充填材を混入し、ハニカムコアの表面に付着した樹脂層
の補強を行うこともできる。かかる充填材としては、高
強度高弾性率のものが好ましく、例えばガラス繊維、炭
素繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、
アラミド繊維、ポリアリレ−ト繊維、高強度ポリオレフ
ィン繊維(たとえば高重合度ポリエチレンと呼ばれる高
強度繊維)等の有機繊維が使用される。勿論、本発明で
製造された紙に使用された溶融液晶性ポリエステルパル
プ状物や短繊維を使用してもかまわない。また、無機物
の充填剤としては、球状のガラスやセラミックス、ウイ
スカ−等を用いてもよい。
【0044】本発明のハニカムコア基材を用いて得られ
るハニカムは、軽量で高強度、耐熱性に優れるので産業
上の様々な分野において種々の用途に使用できる。たと
えば、建築、自動車、飛行機、スポ−ツ用具などで特に
軽量化が望まれている部分に好適に使用できる。
【0045】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】
[対数粘度の測定]試料をペンタフルオロフェノ−ルに
0.1 重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中で、ウ
ベロ−デ型粘度計で相対粘度(ηrel )を測定し、次式
によって計算した。 ηinh =ln(ηrel )/c ここで、cはポリマ−濃度(g/dl)である。 [固有粘度の測定]フェノ−ルとテトラクロロエタンの
等量混合溶媒を用い、30℃の恒温層中で測定した。
【0046】[融点の測定]DSC(例えばMettler 社
製TA3000)装置にサンプルを5〜15mgとり、アルミ製パ
ンへ封入した後、窒素を20cc/min流し、昇温速度20℃/m
inで測定したとき、吸熱ピ−ク温度の頂点を表す温度を
融点(Tm)として測定する。1st-run で明確な吸熱ピ
−クが現れない場合は、50℃/minの昇温温度で、予想さ
れる吸熱ピ−ク温度より50℃以上高い温度で3分程度加
熱し完全に溶融した後、80℃/minで50℃まで冷却し、し
かるのち20℃/minの昇温速度で測定した値を用いる。
【0047】[パルプ状物の直径・長さ]パルプ状物の
電子顕微鏡写真を撮影し、その任意の10点について直
径及び長さを測定し平均値を求め、他の任意の4か所に
ついても同様に測定して平均値を求め、得られた平均値
の相加平均を直径とした。紙状物とした後のパルプ状物
及び短繊維の直径・長さも同様の方法で求めることがで
きる。 [坪量 g/m2 ]JIS P8124に準じて得られ
た紙を10cm角に切り取り、その重量Wを電子天秤
(メトラAE160)で測定し、W/0.01により求
めた。 [透気度 sec/100cc]JIS 8117に準
じてガレ−式で3つの試験片(紙基材)の通気度を測定
し、その平均で示した。 [裂断長]JIS P8113に準じて、幅15mm、
長さ250mmの試験片(紙基材)を用いて測定し、た
て方向及びヨコ方向の裂断長の平均値で示した。
【0048】[吸湿率 %]得られた紙を3cm各に切
り取り、真空状態にて乾燥(120℃×6時間)した
後、20℃×95%RHに調湿されたデシケ−タ−内に
1週間放置した。調湿前後の重量変化を電子天秤で測定
し、下記式から吸湿率を求めた。W0は乾燥後の重量で
あり、Wは調湿後の重量である。 吸湿率(%)=(W−W0)÷W0×100
【0049】[地合]紙の表面の顕微鏡写真を観察し、
ピンホ−ルや塊状物が実質的に存在せず、緻密な構造を
有しているものを○、ピンホ−ルや塊状物が多数存在し
て緻密な構造を有していないものを×として評価した。 [樹脂付着量 %]紙基材に対する樹脂付着重量の割合
で示した。 [圧縮強さ kg/cm2 ]樹脂付着後のハニカムコア
の圧縮強さを測定した。
【0050】[実施例1]溶融異方性ポリエステルは、
パラヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ6−ナフトエ
酸が73/27 モル%比、融点(Tm)280 ℃、対数粘度5.
7dl/g のものを用いた。易アルカリ減量性ポリエステル
は、共重合ポリエステルを構成する全酸性分の2.5モ
ル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
(I')、分子量2000のポリエチレングリコ−ル(II
´)及び化5で表されるポリオキシエチレングリシジル
エ−テル(III ´)から得られる構成単位I〜III が全
共重合ポリエステルのそれぞれ10重量%を占め、残りが
テレフタル酸、エチレングリコ−ルである共重合ポリエ
ステル(固有粘度0.58dl/g)を用いた。両ポリマ−のア
ルカリ溶解速度比は5800であった。
【0051】
【化5】
【0052】なお該共重合ポリエステルは、該ポリエチ
レングリコ−ルとポリオキシエチレングリシジルエ−テ
ルの合計量に対して5重量%の酸化分解防止剤(アメリ
カンサイアミッド社製 サイアノックス1790)を含
むものである。なお、後述する以下の実施例においても
同様の共重合成分、酸化分解防止剤を用いた。
【0053】上記の易アルカリ減量性ポリエステル(A
ポリマ−)と溶融異方性ポリエステル(Bポリマ−)を
50:50の重量比で押し出し機より溶融混練し、ギヤポン
プから紡糸ヘッドに導き、ヘッド温度320 ℃、巻取速度
300 m/min 、ドラフト11の条件で紡糸し、1500d/100
f、島数約500 個の海島繊維を得た。これをカッタ−を
用いて繊維長約1.5 mmに切断した後、沸騰している40g/
l の水酸化ナトリウム溶液に10分間浸漬した。次にこ
れをガ−ゼ上に移し取り酢酸で中和した後、30分間水
で洗浄した。得られたパルプ状物を走査型電子顕微鏡
(SEM)で観察したところ、パルプ状物は実質的に枝
分かれを有しておらず、平均直径は約1μm(0.2 〜5
μ)、パルプ長は1.5mm 前後であり、粉末状物や繊維径
の極めて大きなものは実質的に存在していなかった(図
1参照)。
【0054】短繊維としては、上記Aポリマ−と同様の
溶融液晶性ポリエステルを用いて、ヘッド温度320
℃、巻取速度1000m/min及びドラフト22の条
件で溶融紡糸して得られた300d/100f(平均繊
維径17μm)のヤ−ンを5mmにギロチンカッタ−で
切断したものを用いた。アルカリ減量処理して得られた
パルプ状物60重量%と、短繊維40重量%を含む配合
物を水中に投じ撹拌分散させて80メッシュの抄網で抄
紙し、ついで熱プレス(110℃、1kg/cm2 、1
分間)して乾燥後、200℃、線圧50kg/cm,速
度5mの条件下、ペ−パ−ロ−ルとスチ−ルロ−ルの間
を通して熱カレンダ−処理してハニカム用基材を得た。
【0055】得られたハニカム用基材に、エポキシ樹脂
として、「エピコ−ト828」を40重量部、「エピコ
−ト871」を60重量部、「エピキュアZ]を20重
量部混合したものを、28mmピッチ、幅7mmで紙基
材表面に塗布した。これを140℃、80kg/mm2
でプレスし、接着後、取り出して7mm幅に切断し、展
張してハニカムコア(セルサイズ7mm、厚み7mm)
を得た。展張したハニカムコアにフェノ−ル樹脂「セメ
ンダイン#110」をメチルエチルケトンに溶かした2
0%溶液に浸漬して引上げて乾燥した。かかるハニカム
コアは樹脂含浸性が高く1度の含浸工程で十分に含浸さ
せることができ、圧縮強さも優れたものが得られた。結
果を表1に示す。
【0056】[実施例2〜4]パルプ成分の配合率を変
更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。 [実施例5]実施例1で用いた溶融液晶性ポリエステル
と易アルカリ減量性ポリエステルとを押出機で溶融混合
したものをノズル径1mmの口金より引き取り、ペレッ
タイザ−を用いてペレット化した。得られたペレットは
平均直径0.8mm、長さ2.0mmであった。このペ
レットを沸騰している40g/lの水酸化ナトリウム溶
液に20分間浸漬した後に実施例1と同様に中和、洗浄
してパルプ状物を得た。得られたパルプ状物をSEM観
察したところ、粉末状物や塊状物は実質的に存在してお
らず、さらにパルプ状物は実施的に枝分かれを有してい
なかった。平均直径は約1.5μm(0,5〜4μ)で
あり、パルプの長さは2mm前後であった。このパルプ
を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表
1に示す。
【0057】[実施例6]Bポリマ−として、化3で示
された構成単位C〜Fのモル比がC:D:E:F=6
0:20:15:5であるポリマ−(融点330℃、対
数粘度6.1dl/g)を用い、ヘッド温度350℃、
捲取速度600m/min、ドラフト20とした以外は
実施例1と同様に行い、平均直径0.7μm(0.1〜
4μm)、繊維長1.5mm前後のパルプ状物を得た。
かかるパルプ状物を用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0058】[実施例7]海成分として、溶融異方性を
示さない熱可塑性ポリマ−(ポリスチレン:旭化成株式
会社製「シュタイロン679」)を用いた以外は実施例
1と同様に、1500d/100f、島数約300個の
海島繊維を製造した。得られた海島繊維をカッタ−を用
いて繊維長約1.5mmにカットした後、室温でトルエ
ン中に1時間浸漬した。トルエンは、溶融異方性ポリエ
ステルに対して貧溶媒であり、ポリスチレンに対して良
溶媒である。次にこれをガ−ゼ上に移し取った後に30
分間水で洗浄し、平均直径約1μ亜m(0.2〜5μ
m)、カット長1.5mm前後のパルプ状物を得た。か
かるパルプ状物には、粉末状物や塊状物は実質的に含ま
れていなかった。該パルプ状物を用いて実施例1と同様
に行った結果を表1に示す。
【0059】[実施例8]実施例1で用いた短繊維を、
予め窒素雰囲気下で220℃から280℃まで10時間
で昇温しながら熱処理し、該熱処理糸を短繊維として用
いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。 [実施例9]実施例1で得られたハニカム用基材を窒素
雰囲気下で220℃から280℃まで10時間で昇温し
ながら熱処理した以外は実施例1と同様に行った。結果
を表1に示す。 [実施例10〜12]パルプ配合割合と坪量を変更した
以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0060】[比較例1]実施例1で用いた溶融液晶性
ポリエステル短繊維をリファイナ−を用いて叩解し、強
い剪断力を加えることによりフィブリル化してパルプ状
物を得た。かかるパルプ状物を走査型電子顕微鏡で観察
すると、部分的には直径1μm程度のパルプ状物もある
が、直径及び断面形状が不均一であり塊状物や粉末状物
が混在していた(図2参照)。このパルプ状物を用いた
以外は、実施例1と同様に行ったが、塊状物が混在する
ため抄紙性に劣り、また樹脂含浸性は高いものの強度の
低いものであった。結果を表1に示す。
【0061】[比較例2]市販のアラミドフィブリッド
(ユニチカ社製造 アピエ−ルパルプ)60重量%に市
販のメタ系アラミド短繊維(ユニチカ社製造 アピエ−
ル繊維 長さ5mm)40重量%を配合して抄紙した以
外は実施例1と同様に行った。得られたものは吸湿性が
高く、しかも透気性が低いために樹脂含浸性が低く、強
度も不十分であった。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明により、高強度で低吸湿性である
と同時に透気度の高いハニカム用基材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる実質的に枝分かれを有しな
いパルプ状物の走査電子顕微鏡写真。
【図2】成形物を叩解して得られるパルプ状物の走査電
子顕微鏡写真。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融液晶性ポリエステルからなり、かつ
    実質的に枝分かれを有しないパルプ状物を含む紙からな
    るハニカム用基材。
  2. 【請求項2】 溶融液晶性ポリエステルを島成分、その
    他のポリマ−を海成分とする海島繊維の海成分を除去し
    て得られるパルプ状物を含む紙からなるハニカム用基
    材。
  3. 【請求項3】 溶融液晶性ポリエステルを島成分、その
    他のポリマ−を海成分とする海島繊維をカットする前又
    はカットした後に、海成分を減量除去して得られるパル
    プ状物を含む紙料を湿式抄紙するハニカム用基材の製造
    方法。
JP7345786A 1995-12-08 1995-12-08 ハニカム用基材及びその製造方法 Pending JPH09156001A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7345786A JPH09156001A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 ハニカム用基材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7345786A JPH09156001A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 ハニカム用基材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09156001A true JPH09156001A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18378972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7345786A Pending JPH09156001A (ja) 1995-12-08 1995-12-08 ハニカム用基材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09156001A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114351286A (zh) * 2021-12-07 2022-04-15 广东金发科技有限公司 一种高强聚乳酸熔喷纤维及其制备方法和应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114351286A (zh) * 2021-12-07 2022-04-15 广东金发科技有限公司 一种高强聚乳酸熔喷纤维及其制备方法和应用
CN114351286B (zh) * 2021-12-07 2023-12-22 广东金发科技有限公司 一种高强聚乳酸熔喷纤维及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1320180C (zh) 聚酯型常产纤维及其含有该纤维的无纺布
US4273825A (en) Electric insulating sheet
KR20140000244A (ko) 고효율 필터
JP4342065B2 (ja) フィブリル状物及びその製造方法
JP4017769B2 (ja) プリント配線基板基材およびその製造方法
US5954920A (en) Paper comprising aromatic polyester and process for producing the same
JP2006152533A (ja) ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維複合体およびその用途
JP3793341B2 (ja) ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維複合体の製造方法
KR100522480B1 (ko) 인쇄배선기판용부직보강재및그의제조방법
JPH09156001A (ja) ハニカム用基材及びその製造方法
US6517676B1 (en) Recyclable thermoplastic moldable nonwoven liner for office partition and method for its manufacture
JP2000239925A (ja) 樹脂補強材及び複合体
JPH08209583A (ja) 芳香族ポリエステルからなる紙及びその製造方法
JPH0923047A (ja) プリント配線板用積層板及びその製造方法
JPS62223398A (ja) 合成紙
JPH09163489A (ja) 電気音響変換器用振動板及びその製造方法
JPH10325065A (ja) 不織布及びその製造方法とプリント配線基板
JPH05106191A (ja) 耐熱シートおよびその製造法
JPH07331581A (ja) 芳香族ポリエステルパルプ状物およびその製造方法
JP2002138385A (ja) ポリイミド短繊維不織布及びその製造方法並びにその不織布を用いてなるプリプレグ
JPH08246242A (ja) 紙料原料繊維ならびに紙料及び紙の製造方法
WO2023243396A1 (ja) 短繊維、繊維分散液および不織布
JP2007168284A (ja) 紙−繊維構造物積層体およびその製造方法
JP3449847B2 (ja) 樹脂組成物及び成型物とその製造方法
JP3043507B2 (ja) 積層シートおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees