JPH09155959A - 樹脂の分子配向ブロー成形方法及び樹脂製品 - Google Patents

樹脂の分子配向ブロー成形方法及び樹脂製品

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JPH09155959A
JPH09155959A JP32336395A JP32336395A JPH09155959A JP H09155959 A JPH09155959 A JP H09155959A JP 32336395 A JP32336395 A JP 32336395A JP 32336395 A JP32336395 A JP 32336395A JP H09155959 A JPH09155959 A JP H09155959A
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JP
Japan
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resin
preform
blow molding
molecular orientation
electron beam
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JP32336395A
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English (en)
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Shinobu Kinoshita
忍 木下
Taro Takei
太郎 武井
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Iwasaki Denki KK
Original Assignee
Iwasaki Denki KK
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0207Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用樹脂で形成されたプリフォームを用いて
酸素バリア性に優れた樹脂製品を作製することができる
樹脂の分子配向ブロー成形方法及び当該方法により作製
された樹脂製品を提供する。 【解決手段】 放射線の照射により架橋反応を生じる樹
脂によって形成されたプリフォーム1の表面に酸素バリ
ア性を有する樹脂2を塗布する。次に、樹脂2を乾燥さ
せた後、プリフォーム1の外表面に電子線を均一に照射
して架橋反応を生じさる。その後、プリフォーム1を軟
化点以上溶融点以下に加熱して分子配向ブロー成形を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線の照射によ
り架橋反応を生じる樹脂で形成されたプリフォームの分
子配向ブロー成形方法及び当該分子配向ブロー成形方法
によって形成された樹脂製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ジュース、ミネラルウォータ等
の飲料容器には、PETボトルが用いられている。PE
Tボトルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)で
形成したプリフォーム(パリソン)を軟化点以上溶融点
以下に加熱して分子配向ブロー成形することにより作製
される。
【0003】ところで、PETは、樹脂単価(単位重量
当たり)がポリプロピレンやポリエチレン等の汎用樹脂
に比べて高い。また、比重が大きく(約1.3)、上記
の汎用樹脂に比べて重い。このため、PETのプリフォ
ームは、上記の汎用樹脂を用いてプリフォームを形成し
た場合に比べ、高価である。また、一般に、飲料容器に
は、商品名や会社名等を表すラベルが貼付されている
が、このラベルはポリエチレンやポリプロピレンをシュ
リンク(収縮)させたものも多い。このため、PETボ
トルをリサイクルする場合、ラベルを剥がして行わなけ
ればならず、作業が煩雑なものとなっている。更に、P
ETは解重合が起こり劣化して品質が悪くなるので、再
生しにくい。このため、日欧米のボトル関連業界は、法
規制や消費者の圧力で再利用の対応に迫られているのが
現状である。
【0004】上記の理由により、近年、プリフォームに
PET以外の例えば高密度ポリエチレン(HDPE)等
の汎用樹脂を用いることが要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
プリフォームに高密度ポリエチレンを用いた場合、高密
度ポリエチレンは分子が一方向に結合しているので、結
合方向には伸びるが、結合方向以外の方向には伸びな
い。このため、分子配向ブロー成形する際にプリフォー
ムが破裂してしまうという問題がある。また、高密度ポ
リエチレンは酸素バリア性が悪いため、高密度ポリエチ
レン製の容器では、内容物の化学的品質劣化の進行を抑
制することができないという問題がある。
【0006】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
のであり、汎用樹脂で形成されたプリフォームを用いて
酸素バリア性に優れた樹脂製品を作製することができる
樹脂の分子配向ブロー成形方法及び当該方法により作製
された樹脂製品を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る樹脂の分子配向ブロー成形
方法は、放射線の照射により架橋反応を生じる樹脂で形
成されたプリフォームの表面に酸素バリア性を有する樹
脂を塗布し、乾燥させた後、前記プリフォームの外表面
に放射線を均一に照射して架橋反応を生じさせ、その
後、前記プリフォームを軟化点以上溶融点以下に加熱し
て分子配向ブロー成形を行うことを特徴とするものであ
る。
【0008】上記目的を達成するために請求項2記載の
発明に係る樹脂の分子配向ブロー成形方法は、放射線の
照射により架橋反応を生じる樹脂で形成されたものであ
って共押出法によって酸素バリア性を有する樹脂を中間
層として含むプリフォームについて、前記プリフォーム
の外表面に放射線を均一に照射して架橋反応を生じさ
せ、その後、前記プリフォームを軟化点以上溶融点以下
に加熱して分子配向ブロー成形を行うことを特徴とする
ものである。
【0009】請求項3記載の発明に係る樹脂の分子配向
ブロー成形方法は、請求項1又は2記載の発明におい
て、前記放射線は線量が100kGy以上600kGy
以下の電子線であって、そのエネルギーが100keV
以上1000keV以下のものであり、前記架橋反応を
生じる樹脂はエチレンを主モノマーに含む合成樹脂とそ
の共重合体であることを特徴とするものである。
【0010】請求項4記載の発明に係る樹脂の分子配向
ブロー成形方法は、請求項3記載の発明において、不活
性ガス雰囲気中で前記電子線を前記プリフォームに照射
することを特徴とするものである。請求項5記載の発明
に係る樹脂の分子配向ブロー成形方法は、請求項3又は
4記載の発明において、前記プリフォームを回転しなが
ら、前記電子線を前記プリフォームに照射することを特
徴とするものである。
【0011】上記の目的を達成するために請求項6記載
の発明に係る樹脂製品は、放射線の照射により架橋反応
を生じる樹脂で形成されたプリフォームの表面に酸素バ
リア性を有する樹脂を塗布し、乾燥させた後、前記プリ
フォームの外表面に放射線を均一に照射して架橋反応を
生じさせ、その後、前記プリフォームを軟化点以上溶融
点以下に加熱して分子配向ブロー成形を行うことにより
作製したことを特徴とするものである。
【0012】上記の目的を達成するために請求項7記載
の発明に係る樹脂製品は、放射線の照射により架橋反応
を生じる樹脂で形成されたものであって共押出法によっ
て酸素バリア性を有する樹脂を中間層として含むプリフ
ォームについて、前記プリフォームの外表面に放射線を
均一に照射して架橋反応を生じさせ、その後、前記プリ
フォームを軟化点以上溶融点以下に加熱して分子配向ブ
ロー成形を行うことにより作製したことを特徴とするも
のである。
【0013】
【作用】放射線を照射することにより架橋反応を生じる
樹脂には、エチレンを主モノマーに含む合成樹脂とその
共重合体がある。例えば、高密度ポリエチレン(HDP
E)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン共重
合体等である。また、酸素バリア性を有する樹脂には、
例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−
ビニルアルコール(EVOH)、塩化ビニリデン(PV
DC)等がある。
【0014】プリフォームとしては、放射線の照射によ
り架橋反応を生じる樹脂で形成された単層のものや、そ
の中間に酸素バリア性を有する樹脂を中間層として含む
多層化したものが用いられる。単層のプリフォームを用
いる場合には、酸素バリア性を有する樹脂をプリフォー
ムの表面に塗布する。例えば、プリフォームを酸素バリ
ア性を有する樹脂の溶液に浸す(ディップ)ことにより
行うことができる。また、多層化したプリフォームは、
例えば共押出法により作製することができる。
【0015】放射線とは、電子線やガンマ線等をいう。
特に、電子線を用いる場合、プリフォームに十分な架橋
を形成するには、電子線の線量が100kGy以上60
0kGy以下、特に200kGy以上400kGy以下
であることが好ましい。また、電子線のエネルギーを1
00keV以上1000keV以下、特に200keV
以上500keV以下とすることが好ましい。
【0016】電子線のプリフォームの外表面への均一な
照射は、均一な割合で架橋を形成するために、プリフォ
ームを回転させながら行うことが好ましい。また、電子
線を不活性ガス雰囲気中で照射することにより、プリフ
ォームを分子配向ブロー成形すると、高い透明性を有す
る樹脂製品を得ることができる。尚、電子線はプリフォ
ームの最内面に達しないように照射することがことが好
ましい。
【0017】本発明では、放射線、特に電子線をプリフ
ォームに照射することにより、たとえ高密度ポリエチレ
ン(HDPE)を用いたプリフォームであっても、分子
配向ブロー成形ができるようになる。また、プリフォー
ムの表面に酸素バリア性を有する樹脂を塗布した場合、
酸素バリア性に優れた樹脂製品を得ることができ、しか
も、架橋反応を生じる樹脂と酸素バリア性を有する樹脂
との接着性が向上すると共に、酸素バリア性を有する樹
脂の結晶化度を上げることができるので、強度の点でも
優れた樹脂製品を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形
態である樹脂の分子配向ブロー成形方法の各工程を示し
た図、図2は本実施形態に用いる電子線照射装置の概略
構成図、図3は図2に示す電子線照射装置の電子線発生
部の概略回路図である。
【0019】本実施形態では、図1(a)に示すプリフ
ォーム(preform ;パリソンとも称する。)1を用いて
ジュース等の樹脂容器を作製する場合について説明す
る。プリフォーム1は、放射線の照射により架橋反応を
生じる樹脂で形成されている。放射線の照射により架橋
反応が生じる樹脂としては、結晶性のポリエチレンで、
密度が0.935g/cc以上好ましくは0.950g
/cc以上で、メルトフローインデックスが0.05以
上、好ましくは0.5〜20のもの、またはこれらを主
成分とし、低密度ポリエチレンや他のポリオレフィンと
の混合物及びエチレン共重合体などが挙げられる。
【0020】先ず、図1(b)に示すように、プリフォ
ーム1の表面に酸素バリア性を有する樹脂2を塗布す
る。酸素バリア性を有する樹脂2としては、ポリビニル
アルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール
(EVOH)、塩化ビニリデン(PVDC)等がある。
ここでは、プリフォーム1を酸素バリア性を有する樹脂
2が溶解している水系溶剤に浸す(ディップ)ことによ
り、プリフォーム1の表面に酸素バリア性を有する樹脂
2を塗布する。その後、プリフォーム1を乾燥機中に放
置して乾燥させ、プリフォーム1の表面に酸素バリア性
を有する樹脂2の膜を形成する。
【0021】次に、図1(c)に示すように、プリフォ
ーム1を回転させながら、電子線照射装置により電子線
をプリフォーム1に照射する。これにより、プリフォー
ム1の外表面に電子線を均一に照射する。プリフォーム
1は、放射線により架橋反応を生じる樹脂で形成されて
いるので、プリフォーム1の外表面に電子線を均一に照
射することにより、プリフォーム1に架橋(結合)が多
方向に向かって形成される。このため、プリフォーム1
を多方向に延伸することができるようになる。ところ
で、高密度ポリエチレン(HDPE)について、架橋度
を表すゲル分率と電子線の線量との関係は図6に示すよ
うになる。図6において横軸は線量を表し、縦軸はゲル
分率を表す。また、電子線は室温で照射した。この図か
ら線量が100kGyより小さいと、ゲル分率が低く、
架橋が十分促進されないことがわかる。また、線量を7
00kGyとかなり大きくすると、線量−ゲル分率の曲
線は飽和し、ゲル分率は大幅には変化しないことがわか
る。このため、プリフォーム1の外表面に照射する電子
線の線量は、100kGy〜600kGyの範囲とする
ことが好ましく、特に200kGy〜400kGyの範
囲とすることが望ましい。また、電子線のエネルギー
は、100keV〜1000keVの範囲とするのが好
ましく、特に200keV〜500keVの範囲とする
ことが望ましい。これにより、以下に説明する電子線照
射装置としてX線の自己遮蔽を採用したコンパクトなも
のを使用することができる。
【0022】次に、図1(c)に示す工程で用いる電子
線照射装置について説明する。この電子線照射装置6
は、図2に示すように、電子線発生部10と、照射室2
0と、照射窓部30とを備えている。電子線発生部10
は、電子線を発生するターミナル12と、ターミナル1
2から発せられた電子線を真空空間(加速空間)で加速
する加速管14とを備えている。
【0023】ターミナル12は、熱電子を放出する線状
のフィラメント12aと、フィラメント12aを支持す
るガン構造体12bと、フィラメント12から放出され
た熱電子を制御するグリッド12cとを有する。照射室
20は、被処理物であるプリフォーム1に電子線を照射
する照射空間22を含むものである。本実施形態では、
電子線を照射することにより生じたプリフォーム1の反
応部位に、酸素が付着して目的の反応(ここでは、架橋
反応)が鈍るのを防ぐために、照射室20の内部を窒素
雰囲気としている。具体的には照射室20内の酸素濃度
を10〜300ppmとするのが好ましい。また、照射
室20は、プリフォーム1を移動するコンベア等の搬送
手段44と、図示していないが、照射空間22において
プリフォーム1を回転させる回転駆動手段とを有する。
尚、電子線発生部10及び照射室20の周囲には、電子
線照射時に二次的に発生するX線が外部へ漏出するのを
防ぐため、鉛遮蔽が施されている。
【0024】照射窓部30は、金属箔からなる窓箔32
と、窓箔32を支持すると共に窓箔32を冷却する窓枠
構造体34とを有する。窓箔32は、電子線発生部10
内の真空雰囲気と照射室20内の窒素雰囲気とを仕切る
ものであり、また電子線発生部10から発せられた電子
線を照射室20内へ取り出すものである。窓箔32に
は、機械的な扱い易さから、一般に、厚さ約13μmの
Ti箔が最も良く用いられる。
【0025】また、電子線照射装置6は、図3に示すよ
うに、フィラメント12aに接続された加熱用電源16
aと、フィラメント12aとグリッド12cとの間に接
続された制御用直流電源16bと、グリッド12cと窓
箔32との間に接続された加速用直流電源16cとを有
する。加熱用電源16aは、フィラメント12aを加熱
してフィラメント12aから熱電子を発生させる。制御
用直流電源16bは、フィラメント12aとグリッド1
2bとの間に電圧を印加して熱電子を制御する。加速用
直流電源16cは熱電子に加速電圧を印加する。尚、電
子線照射装置6のビーム電流の調節は、図3に示すよう
に、加熱用電源16a及び加速用直流電源16cを所定
の値に固定し、制御用直流電源16bを可変することに
より行っている。一般に、電子線照射装置6では、被処
理物が吸収する線量はビーム電流に比例する。このた
め、ビーム電流を変えることにより、電子線の吸収線量
を調整することができる。
【0026】次に、この電子線照射装置6の動作につい
て説明する。加熱用電源16aによりフィラメント12
aを加熱すると、フィラメント12aは熱電子を放出す
る。この熱電子は、制御用直流電源16bの制御電圧に
より四方八方に引き寄せられ、このうち、グリッド12
cを通過したものだけが電子線として有効にターミナル
12から取り出される。次に、ターミナル12から取り
出された電子線は、加速用直流電源16cの加速電圧に
より、加速管14内の加速空間で加速された後、窓箔3
2を突き抜け、照射空間22に照射される。一方、搬送
手段44により照射室20内に運び込まれたプリフォー
ム1は、照射空間22において回転駆動手段(不図示)
により回される。これにより、プリフォーム1の外表面
に電子線が均一に照射される。尚、プリフォーム1は、
電子線が均一に照射された後、搬送手段44により外部
に搬出されて、次の工程での処理が施される。
【0027】次に、図1(d)に示すように、プリフォ
ーム1を回転させながら軟化点以上溶融点以下に加熱す
る。これにより、プリフォーム1を均一に軟らかくした
後、図1(e)に示すように、プリフォーム1をブロー
口4に取り付け、さらにブロー成形用の型3に入れる。
そして、ブロー口4を介してプリフォーム1を分子配向
ブローする。これにより、分子配向ブロー成形を行う。
上述したように、プリフォーム1には、図1(c)に示
す処理により、架橋(結合)が多方向に向かって形成さ
れているので、分子配向ブロー成形の際にプリフォーム
1が破裂するのを防止することができる。分子配向ブロ
ー成形終了後、ブロー口4及びブロー成形用の型3を取
り外す。これにより、図1(f)に示す樹脂容器5が作
製される。
【0028】本実施形態によれば、放射線の照射により
架橋反応を生じる樹脂でプリフォーム1を形成し、この
プリフォーム1に電子線を照射して架橋反応を生じさせ
た後に、分子配向ブロー成形を行うことにより、プリフ
ォーム1には、架橋(結合)が多方向に向かって形成さ
れているので、分子配向ブロー成形の際にプリフォーム
1が破裂するのを防止することができる。これにより、
ポリエチレン、エチレン共重合体等のPETに比べて安
価な樹脂を用いて分子配向ブロー成形を行うことができ
る。
【0029】また、これ等の樹脂で形成されたプリフォ
ームを用いて分子配向ブロー成形を行うことによって樹
脂製品を作製することにより、様々な利点がある。たと
えば、ポリエチレンを用いて樹脂容器を作製した場合、
一般に、飲料容器には、商品名や会社名等を表すラベル
が貼付されているが、このラベルはポリエチレンやポリ
プロピレンをシュリンク(収縮)させたものも多い。し
たがって、飲料容器をリサイクルする際にラベルを剥が
す必要がなくなるという利点がある。また、たとえば、
脂肪族ポリエステルを用いて樹脂容器を作製した場合、
脂肪族ポリエステルは生分解性に優れているので、廃棄
処理が容易であるという利点がある。
【0030】また、本実施形態によれば、プリフォーム
1の表面に酸素バリア性を有する樹脂2を塗布したこと
により、例えばプリフォーム1にポリエチレン等の酸素
バリア性の悪い樹脂を用いた場合でも、十分な酸素バリ
ア性を確保することができ、これにより、内容物の化学
的品質劣化の進行を抑制することができる樹脂容器を作
製することができる。更に、電子線をプリフォーム1に
照射することにより、架橋反応を生じる樹脂と酸素バリ
ア性を有する樹脂との接着性が向上すると共に、酸素バ
リア性を有する樹脂の結晶化度を上げることができるの
で、強度の点で優れた樹脂容器を作製することができ
る。
【0031】また、電子線を不活性ガス雰囲気中で照射
することにより、プリフォーム1を分子配向ブロー成形
すると、高い透明性を有する樹脂製品を得ることができ
る。尚、本実施形態において、電子線をプリフォーム1
に照射する際には、電子線がプリフォーム1の最内面に
達しないように照射することがことが好ましい。全部を
架橋してしまうと、ブロー時の圧を高くする必要がある
からである。ゴム風船で強いゴムは膨らます時に、強力
に息を吹きこまなければいけないことと同様の事情であ
る。また、それを低くするにはプリフォームへ高い温度
をかける必要があるなどエネルギーの無駄があるからあ
る。
【0032】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能であ
る。たとえば、上記の実施形態では、プリフォーム1の
表面に放射線として電子線を照射するものについて説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発
明は、プリフォームの表面に放射線を照射することによ
り、架橋反応を生じさせるものであればよく、例えば電
子線の代わりにガンマ線を照射してもよい。
【0033】また、上記の実施形態では、プリフォーム
として放射線の照射により架橋反応を生じる樹脂で形成
された単層のものを用いた場合について説明したが、た
とえば、放射線の照射により架橋反応を生じる樹脂で形
成されたものであって酸素バリア性を有する樹脂を中間
層として含む、いわゆる多層化したプリフォームを用い
てもよい。図7に多層化したプリフォームの一例を示
す。この多層化したプリフォーム1aは、内側と外側に
高密度ポリエチレン(HDPE)を、その中間にエチレ
ン−ビニルアルコール(EVOH)を用いている。そし
て、内側及び外側の高密度ポリエチレン(HDPE)と
エチレン−ビニルアルコール(EVOH)とは接着剤に
より接着されている。このような3種5層の多層化した
プリフォームは、たとえば共押出法により作製すること
ができる。この場合でも、多層化したプリフォームの外
表面に放射線を均一に照射して架橋反応を生じさせた
後、多層化したプリフォームを軟化点以上溶融点以下に
加熱して分子配向ブロー成形を行うことにより、上記の
実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
【実施例】
実施例1 本実施例では、プリフォーム1として高密度ポリエチレ
ン(HDPE)で形成された肉厚が5mmのものを用い
た。また、酸素バリア性を有する樹脂2としてエチレン
−ビニルアルコール(EVOH)を用いた。エチレン−
ビニルアルコール(EVOH)のプリフォーム1への塗
布は、プリフォーム1をエチレン−ビニルアルコール
(EVOH)が溶解した水系溶剤にディップした後、約
80℃に保たれた乾燥機中に約30分間放置することに
より、塗布厚が約50μmとなるように行った。また、
本実施例では、電子線照射装置6として岩崎電気(株)
製のCB250/15/180Lを用いた。そして、消
費電力等を考慮して、線量が300kGyとなるように
電子線照射装置6のビーム電流を設定した。こうして、
プリフォーム1の外表面に電子線を均一に照射した後、
プリフォームを軟化点以上溶融点以下に加熱して分子配
向ブロー成形を行うことにより、樹脂容器を作製した。
ここで、作製した樹脂容器の肉厚は約500μmであっ
た。
【0035】本実施例により作製した樹脂容器の特性を
図4及び図5に示す。図4はバリア性に関する測定結果
を示すものであり、本実施例により作製した樹脂容器に
ついてのデータは最下段に示す。図4の最上段には高密
度ポリエチレン(HDPE)で形成されたプリフォーム
に、分子配向ブロー成形ではなく、一般の成形を行うこ
とにより作製した樹脂容器についてのデータを示し、ま
た、中段には高密度ポリエチレン(HDPE)で形成さ
れたプリフォームに、エチレン−ビニルアルコール(E
VOH)を塗布することなく、電子線を照射した後、分
子配向ブロー成形を行うことにより作製した樹脂容器に
ついてのデータを示す。図4に示すように、本実施例に
より作製した樹脂容器については、酸素透過度が3cc
・mm/m2 /24時間/1atm 、炭酸ガス透過度が1
0cc・mm/m2 /24時間/1atm 、窒素透過度が
0.5cc・mm/m2 /24時間/1atm であった。
この結果は、最上段及び中段に示す樹脂容器についての
透過度と比べて非常に低いものである。したがって、本
実施例により作製した樹脂容器は、ガスバリア性、特に
酸素バリア性に優れていることが確認された。また、本
実施例により作製した樹脂容器は、水分バリア性の点で
も優れている。
【0036】また、図5は本実施例により作製した樹脂
容器の強度特性に関する測定結果を示すものである。こ
こでは、樹脂容器を多数作製して、強度特性を測定し
た。図5に示すように、本実施例により作製した樹脂容
器については、モジュラスが1.41×102 〜3.1
6×102 MPa、引張強度が4.5〜17.6MP
a、衝撃強度が17.6〜33.9N・mであった。こ
こで、モジュラスとは、弾性率やヤング率などのことで
あり、この値の大きい材料ほど、一定荷重に対する変形
が小さい。したがって、本実施例により作製した樹脂容
器は、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いて作製さ
れた一般成形品に比べて強度特性が向上することが確認
された。
【0037】実施例2 本実施例では、生分解性を考慮してプリフォーム1に脂
肪族エステルを用いた。その他については、実施例1と
同様の要領で樹脂容器を作製した。この結果、図4及び
図5に示す実施例1の特性に加え、生分解性に優れた樹
脂容器を作製することができた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放射線の照射により架橋反応を生じる樹脂で形成された
プリフォームに電子線を照射して架橋反応を生じさせた
後に、分子配向ブロー成形を行うことにより、分子配向
ブロー成形の際にプリフォームが破裂するのを防止する
ことができ、これにより、ポリエチレン、エチレン共重
合体等のPETに比べて安価な樹脂を用いて分子配向ブ
ロー成形を行うことができる樹脂の分子配向ブロー成形
方法及び樹脂製品を提供することができる。
【0039】また、本発明によれば、プリフォームの表
面に酸素バリア性を有する樹脂を塗布したことにより、
例えばプリフォームにポリエチレン等の酸素バリア性の
悪い樹脂を用いた場合でも、十分な酸素バリア性を確保
することができ、これにより、内容物の品質劣化の進行
を抑制することができる樹脂の分子配向ブロー成形方法
及び樹脂製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である樹脂の分子配向ブロ
ー成形方法の各工程を示した図である。
【図2】本実施形態に用いる電子線照射装置の概略構成
図である。
【図3】図2に示す電子線照射装置の電子線発生部の概
略回路図である。
【図4】実施例1により作製された樹脂容器の特性を示
す図である。
【図5】実施例1により作製された樹脂容器の特性を示
す図である。
【図6】高密度ポリエチレン(HDPE)について電子
線の線量とゲル分率との関係を示す図である。
【図7】多層化したプリフォームの概略断面図である。
【符号の説明】
1,1a プリフォーム 2 酸素バリア性を有する樹脂 3 ブロー成形用の型 4 ブロー口 5 樹脂容器 6 電子線照射装置 10 電子線発生部 12 ターミナル 12a フィラメント 12b ガン構造体 12c グリッド 14 加速管 16a 加熱用電源 16b 制御用直流電源 16c 加速用直流電源 20 照射室 22 照射空間 30 照射窓部 32 窓箔 34 窓枠構造体 44 搬送手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/28 102 B32B 27/28 102 27/32 27/32 C B65D 1/09 B65D 1/02 Z 1/02 B65D 1/00 C // B29K 23:00 B 86:00 105:24 B29L 9:00 22:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線の照射により架橋反応を生じる樹
    脂で形成されたプリフォームの表面に酸素バリア性を有
    する樹脂を塗布し、乾燥させた後、前記プリフォームの
    外表面に放射線を均一に照射して架橋反応を生じさせ、
    その後、前記プリフォームを軟化点以上溶融点以下に加
    熱して分子配向ブロー成形を行うことを特徴とする樹脂
    の分子配向ブロー成形方法。
  2. 【請求項2】 放射線の照射により架橋反応を生じる樹
    脂で形成されたものであって共押出法によって酸素バリ
    ア性を有する樹脂を中間層として含むプリフォームにつ
    いて、前記プリフォームの外表面に放射線を均一に照射
    して架橋反応を生じさせ、その後、前記プリフォームを
    軟化点以上溶融点以下に加熱して分子配向ブロー成形を
    行うことを特徴とする樹脂の分子配向ブロー成形方法。
  3. 【請求項3】 前記放射線は線量が100kGy以上6
    00kGy以下の電子線であって、そのエネルギーが1
    00keV以上1000keV以下のものであり、前記
    架橋反応を生じる樹脂はエチレンを主モノマーに含む合
    成樹脂とその共重合体であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の樹脂の分子配向ブロー成形方法。
  4. 【請求項4】 不活性ガス雰囲気中で前記電子線を前記
    プリフォームに照射することを特徴とする請求項3記載
    の樹脂の分子配向ブロー成形方法。
  5. 【請求項5】 前記プリフォームを回転しながら、前記
    電子線を前記プリフォームに照射することを特徴とする
    請求項3又は4記載の樹脂の分子配向ブロー成形方法。
  6. 【請求項6】 放射線の照射により架橋反応を生じる樹
    脂で形成されたプリフォームの表面に酸素バリア性を有
    する樹脂を塗布し、乾燥させた後、前記プリフォームの
    外表面に放射線を均一に照射して架橋反応を生じさせ、
    その後、前記プリフォームを軟化点以上溶融点以下に加
    熱して分子配向ブロー成形を行うことにより作製したこ
    とを特徴とする樹脂製品。
  7. 【請求項7】 放射線の照射により架橋反応を生じる樹
    脂で形成されたものであって共押出法によって酸素バリ
    ア性を有する樹脂を中間層として含むプリフォームにつ
    いて、前記プリフォームの外表面に放射線を均一に照射
    して架橋反応を生じさせ、その後、前記プリフォームを
    軟化点以上溶融点以下に加熱して分子配向ブロー成形を
    行うことにより作製したことを特徴とする樹脂製品。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002345548A (ja) * 2001-05-25 2002-12-03 Kao Corp 酸化染料用容器
JP2009509799A (ja) * 2005-09-30 2009-03-12 ライプニッツ−インスティチュート フュア ポリマーフォルシュング ドレスデン エーファウ ポリマを流動性の状態で電子放射線によって連続的に改質するための装置
JP2017052556A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 大日本印刷株式会社 複合プリフォーム、複合容器、プラスチック製部材およびその製造方法
JP2017052242A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 大日本印刷株式会社 プラスチック製部材の製造方法および複合容器の製造方法
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JP2021075062A (ja) * 2021-02-18 2021-05-20 大日本印刷株式会社 プラスチック製部材の製造方法および複合容器の製造方法

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