JPH09153142A - レンダリング装置およびその方法 - Google Patents

レンダリング装置およびその方法

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JPH09153142A
JPH09153142A JP7313898A JP31389895A JPH09153142A JP H09153142 A JPH09153142 A JP H09153142A JP 7313898 A JP7313898 A JP 7313898A JP 31389895 A JP31389895 A JP 31389895A JP H09153142 A JPH09153142 A JP H09153142A
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polygon
value
color difference
pixels
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JP7313898A
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English (en)
Inventor
Masao Ishiguro
正雄 石黒
Keiji Kojima
啓二 小島
Kiyokazu Nishioka
清和 西岡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】グラフィックスのレンダリング処理を効率よく
実行し、フレームバッファ、Zバッファの容量を小さく
することができるレンダリング装置を提供する。 【解決手段】画素のR、G、Bの各強度を輝度情報と色
差情報に変換する変換手段と、ポリゴンの各頂点の輝度
情報と色差情報から、ポリゴンを構成する画素の輝度情
報、色差情報を計算する演算手段と、輝度情報と色差情
報を記憶する記憶手段を備える。変換手段は、ポリゴン
の各頂点の色情報として与えられたR、G、Bの各強度
を、輝度情報と色差情報に変換し、演算手段は、変換手
段から獲得したポリゴンの各頂点の輝度情報と色差情報
を基に、ポリゴンを構成する画素の輝度情報と色差情報
を計算し、輝度情報と色差情報を記憶手段に格納する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータグラフ
ィックスシステムの分野におけるレンダリング処理を高
速に行なう手段に係り、各種のグラフィックス演算等を
行うのに好適なレンダリング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ワークステーションやPC等のカラーグラ
フィックスを表示する装置では三次元形状の表示を行う
ために、その形状をポリゴンと呼ばれる三角形や四角形
の形状を持つ面に分割して、次に、ポリゴンを構成する
すべての画素のR、G、Bの各強度の計算を行い、最後
に、算出されたRGBの強度を、画像を記憶する装置す
なわちフレームバッファに格納している。また、描画す
るオブジェクトを透明、半透明にする効果を生成するた
めに、透明度を表すA(アルファ)値も、R、G、B値
と同様に計算して、フレームバッファに格納することも
ある。
【0003】ここで、画像を構成する画素の色を示す
R,G,B,Aの各値が8ビットで表現され、表示画面
が640×480画素で構成されていると仮定すると、
フレームバッファの容量は640×480×8×4ビッ
ト=約1ギガバイトとなり、非常に膨大な量となる。フ
レームバッファの容量が大きくなるにつれて、フレーム
バッファ用のメモリのコスト、基盤面積、消費電力の増
大という問題が生じ、また、描画性能を向上させるため
にはフレームバッファへの書き込みのさらなる高速化が
要求されてくる。
【0004】この問題を解決するために、特開昭61−
233781号公報に記載されたものによれば、ポリゴ
ンを構成するすべての画素のR、G、Bの各強度を算出
した後に、各画素のRGB値を輝度情報と色差情報に変
換し、輝度情報と色差情報をフレームバッファに格納す
る。その際、ある1画素の色差情報を複数個の画素の色
差情報の代表としてフレームバッファに格納することに
より、フレームバッファに格納される色差情報の量を削
減して、フレームバッファ全体の容量を抑えている。よ
って、メモリのコスト、基盤面積、消費電力の増加を防
ぐことができ、また、フレームバッファへの書き込み処
理による描画性能の低下を緩和している。
【0005】色差情報を削減する手法は“人間の視覚
で、輝度を一定にした状態で色を変化させた場合の分解
能は色を一定にして輝度を変化させた場合の分解能に比
べて劣っている”という事実に基づいており、NTSC
方式のカラーテレビや、動画像圧縮技術の一つであるM
PEGなどでも使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フレームバッ
ファの容量を削減して、フレームバッファへの書き込み
処理による描画性能の低下を抑えても、ポリゴンを構成
する画素のRGBAの各強度を計算するために実行され
るシェーディング、テクスチャマッピング、フォグなど
のレンダリング処理の計算量が膨大なので、これらのレ
ンダリング処理を効率よく実行しない限り、描画性能の
低下を免れることはできない。
【0007】レンダリング処理について簡単に説明する
と、シェーディングは滑らかな陰影付けをする処理であ
り、テクスチャマッピングは2次元パターン(テクスチ
ャ)を用意しておき、ポリゴンに貼りつけてイメージの
リアリティを向上させる手法である。また、フォグは画
面全体をかすませた状態を表現でき、霧、霞、大気汚染
などを再現できる。レンダリング処理の内容に関する詳
細は「”OpenGLProgramming Guide(日本語版)"
(アジソンウエスレイ、星雲社発行)」等に述べられて
いる。
【0008】これらのレンダリング処理を効率よく実行
するか否かが、描画性能に大きく影響を及ぼし、特に、
曲面を含むような複雑な形状を表示する場合、その形状
を数千から数十万個のポリゴンに分割してRGBの各強
度を計算することになるので、レンダリング処理の占め
る影響力は増大する。また、コンピュータ内に定義され
た仮想空間に存在する仮想物体をあたかも現実であるか
のように操作することを可能にするVR(Virtual R
eality)技術を使用する場合も、リアルタイムに近い描
画性能が要求されので、画質の劣化を抑えつつ、三次元
形状を構成するポリゴン内部の画素の色を高速に計算す
る手段が必要となってくる。
【0009】本発明の解決しようとする課題はカラーの
グラフィックスを表示する場合において、グラフィック
スの物体形状を表示するためのレンダリング処理を実行
する際に必要な処理量を削減して、レンダリング処理を
効率よく実行することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決する本発
明のレンダリング装置は描画する形状を構成する、ポリ
ゴンと呼ばれる多角形の、内部の画素の色情報を計算す
るグラフィックスのレンダリング装置であって、画素の
R、G、Bの各強度を輝度情報と色差情報に変換する変
換手段と、ポリゴンの各頂点の輝度情報と色差情報か
ら、ポリゴンの内部の画素の輝度情報と色差情報を計算
する演算手段と、前記輝度情報と色差情報を記憶する記
憶手段を備え、変換手段はポリゴンの頂点の色情報とし
て与えられたRGBの各強度を、輝度情報と色差情報に
変換し、演算手段は前記変換手段からポリゴンの頂点の
色情報として獲得した輝度情報と色差情報を基に、ポリ
ゴンの内部の画素の輝度情報と色差情報を計算し、前記
輝度情報と色差情報を前記記憶手段に記憶する処理を行
なうことを特徴とする。
【0011】また、前記演算手段は複数個の画素に対し
て1画素の前記色差情報、前記透明度情報を前記複数個
の色差情報の代表として、ポリゴン内部の画素の色差情
報を計算し、前記記憶手段は複数個の画素に対して、1
画素の前記色差情報を前記複数個の色差情報の代表とし
て記憶するレンダリング装置が好ましい。
【0012】さらに、演算手段が、ポリゴンの各頂点の
透明度情報を基に、複数個の画素に対して、1画素の前
記透明度情報を前記複数個の透明度情報の代表として、
ポリゴンを構成する画素の透明度情報を計算し、前記透
明度情報を前記複数個の透明度情報の代表として前記記
憶手段に記憶する処理を行なうレンダリング装置、また
は、演算手段が、ポリゴンの各頂点の奥行き情報を基
に、複数個の画素に対して、1画素の前記奥行き情報を
前記複数個の奥行き情報の代表として、ポリゴンを構成
する画素の奥行き情報を計算し、前記奥行き情報を前記
複数個の奥行き情報の代表として前記記憶手段に記憶す
る処理を行なうレンダリング装置、または、演算手段
が、ポリゴンの各頂点のフォグ情報を基に、複数個の画
素に対して、1画素の前記フォグ情報を前記複数個のフ
ォグ情報の代表として、ポリゴンを構成する画素のフォ
グ情報を計算し、前記奥行き情報を前記複数個のフォグ
情報の代表として前記記憶手段に記憶する処理を行なう
レンダリング装置も好ましい。
【0013】変換手段にはまず、表示する形状を構成す
るポリゴンの頂点のR、G、Bの各強度が与えられる。
【0014】そして、変換手段は与えられたRGB値を
輝度情報と色差情報に変換して、輝度情報と色差情報を
演算手段に出力する。
【0015】演算手段はポリゴンを構成する画素の輝度
情報と色差情報を計算する。すなわち、変換手段から受
け取ったポリゴンの各頂点の輝度情報と色差情報を基
に、ポリゴン内部の各画素に対して、シェーディング、
テクスチャマッピング、フォグ等のレンダリング処理を
実行して、画素の輝度情報と色差情報を計算し、記憶手
段に輝度情報と色差情報を記憶する。
【0016】また、透明、半透明なポリゴンを描画する
ために、輝度情報と色差情報と同様に、レンダリング処
理で透明度情報を計算し、透明度情報を記憶手段に記憶
する場合や、3次元グラフィックスにおける陰面処理を
実行するために、奥行き情報を計算して、奥行き情報を
記憶手段に記憶する場合がある。また、レンダリング処
理の中で、フォグ処理を実行するために、フォグ情報を
計算することもある。
【0017】ここで、レンダリング処理を実行する前
に、RGB値の強度を輝度情報と色差情報に変換し、1
画素の色差情報を複数個の色差情報の代表として、レン
ダリング処理を実行することにより、1画素あたりの計
算すべき色要素の数が減少し、レンダリング処理全体の
効率を向上させることができる。また、色差情報の場合
と同様に、1画素の透明度情報、奥行き情報、フォグ情
報を、複数個の画素の透明度情報、奥行き情報、フォグ
情報の代表として、レンダリング処理を実行すれば、そ
の効果はより高まる。
【0018】また、レンダリング処理によって計算され
た各画素の輝度情報と、複数個の画素の代表となる色差
情報、透明度情報をフレームバッファに、複数個の画素
の代表となる奥行き情報をZバッファに記憶することに
より、フレームバッファおよびZバッファの容量を削減
することができる。
【0019】さらに、レンダリング処理をYUV値を使
って実行することにより、付加的な効果として、MPE
Gデータをポリゴンに貼りつけるテクスチャマッピング
の実行が容易となる。つまり、MPEGデータはYUV
値からなる映像データを圧縮したものなので、YUV値
をRGB値に変換する特別な処理を必要とせずに、動画
像をポリゴンに貼りつけることができる。よって、MP
EGデータには主に実写の映像が圧縮されているので、
CGと実写の融合がより容易に実現できるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照しつつ説明する。
【0021】図1は本発明の一実施例であるグラフィッ
クスのレンダリングシステムのブロック図である。
【0022】図1に示すレンダリングシステムはポリゴ
ンの頂点座標等の図形情報と、ポリゴンの頂点のR、
G、Bの強度を示す色情報とからなる図形データ12を所
有するコンピュータ11と、ポリゴンを構成する画素の色
を計算するレンダリング装置20と、YUV値をRGB値
に変換するデコーダ16と、ディジタル信号をアナログ信
号に変換するD/Aコンバータ17と、レンダリング結果
を表示するCRT18とを有して構成される。
【0023】また、レンダリング装置20はRGB値を1
つの輝度値Yと二つの色差値U,Vに変換するエンコー
ダ13と、ポリゴンの各頂点のYUV値から、ポリゴンを
構成する画素すべてのYUV値を計算するグラフィック
スプロセッサ14と、YUV値を記憶するフレームバッフ
ァ15を備えている。
【0024】次に、このようなシステム構成を有するレ
ンダリングシステムの動作について説明する。
【0025】まず、コンピュータ11は図形を表示するた
めに、与えられた図形データ12のRGB値をエンコーダ
13に、頂点座標を含む図形情報をグラフィックスプロセ
ッサ14に出力する。RGB値を獲得したエンコーダ13は
RGB値を一つの輝度値Yと二つの色差値U,Vに変換
し、その結果をグラフィックスプロセッサ14に出力す
る。RGB値からYUV値への変換は一般に「CCIR
推奨601」の定義に従って行われ、R、G、B、Y、
U、Vそれぞれが8ビットの256段階で表現される場
合、RGBからYUVへの変換式は以下のとおりとな
る。
【0026】
【数1】 Y=0.299R+0.587G+0.114B U=−0.1687R−0.3313G+0.5B+128 V=0.5R−0.4187G−0.0813G+128 …(数1) 実際には処理速度を考慮して、実数型演算を用いず、各
係数を整数型に変換しておき、整数の加減乗算を実行し
て、RGB値からYUV値へ変換することが多い。
【0027】次に、YUV値と図形情報を受け取ったグ
ラフィックスプロセッサ14はその情報を基にレンダリン
グ処理を実行して、ポリゴンを構成するすべての画素の
YUV値と座標値を計算する。レンダリング処理にはシ
ェーディング、テクスチャマッピング、アルファ・ブレ
ンディング等がある。その際、画素の色成分はRGB値
ではなく、YUV値で表現されているので、画素に施さ
れるレンダリング手法もY、U、Vのそれぞれの成分に
対して実行される。例えば、シェージング処理では、y
座標を一定の値に保って、x座標を1ずつ増加させなが
ら画素の色を決定していくが、従来、R,G,Bの各成
分に対して、
【0028】
【数2】 R=R+dR/dx G=G+dG/dx B=B+dB/dx …(数2) を実行していた代わりに、
【0029】
【数3】 Y=Y+dY/dx U=U+dU/dx V=V+dV/dx …(数3) を実行することになる。そして、グラフィックスプロセ
ッサ14によって計算されたYUV値は図形情報から導き
出される画素の座標(x,y)を基に決定される、フレ
ームバッファ15内の当箇所に格納される。
【0030】デコーダ16はCRT18の走査と同期して、
フレームバッファ15に記憶されているYUV値をCRT
18に表示するためにRGB値に復元する。YUV値から
RGB値への変換式は数1より、数4のように導かれ
る。
【0031】
【数4】 R=Y+1.402(V−128) G=Y−0.34414(U−128)−0.71414(V−128) B=Y+1.772(U−128) …(数4) この場合も数1の場合と同様に、処理速度を考慮して、
実数型演算を用いず、各係数を整数型に変換して、整数
の加減乗算を実行することが多い。
【0032】そして、数4から計算されたRGB値はD
/Aコンバータ17によってアナログ情報に変換され、C
RT18に送られる。CRT18はD/Aコンバータ17から
受け取ったアナログ情報をディスプレイ上に表示する。
【0033】なお、説明するレンダリングシステムでは
ポリゴンを構成する画素の輝度情報、色差情報の計算を
グラフィックスプロセッサ14が実行しているが、コンピ
ュータ11が実行しても問題はない。
【0034】図2は従来のグラフィックスのレンダリン
グシステムのブロック図である。
【0035】図2に示すレンダリングシステムの構成要
素は、図1に示すレンダリングシステムの場合と同じで
あり、違いは、グラフィックスプロセッサ14とエンコー
ド13の位置が異なる点である。
【0036】次に、このようなシステム構成を有するレ
ンダリングシステムの動作について説明する。
【0037】まず、コンピュータ11は、与えられた図形
データ12のRGB値と図形情報をグラフィックスプロセ
ッサ13に出力する。グラフィックスプロセッサ14aは、
受け取ったポリゴンの頂点のRGB値と図形情報を基に
レンダリング処理を実行して、ポリゴンを構成するすべ
ての画素のRGB値と座標値を計算する。
【0038】次に、エンコーダ13は、数1を使って、ポ
リゴンを構成する画素のRGB値をYUV値に変換し、
その結果をフレームバッファ15に書き込む。デコーダ16
によって数4を使って計算されたRGB値はD/Aコン
バータ17によってアナログ情報に変換され、CRT18に
送られる。CRT18はD/Aコンバータ17から受け取っ
たアナログ情報をディスプレイ上に表示する。
【0039】ここで、従来の手法と、本発明との比較を
行うために、従来の手法よるレンダリング処理のフロー
チャートを図3に、図1で示されているエンコーダ及び
グラフィックスプロセッサで実行するレンダリング処理
をソフトウェアで実行した場合のプログラムのフローチ
ャートを図4に示す。
【0040】従来の手法では、図3で示されるように、
まず、描画の対象となるポリゴンの頂点のRGB値を獲
得した(ステップ30)後に、シェーディングなどのレン
ダリング処理を実行して、ポリゴン内部の画素のRGB
値を計算する(ステップ31)。次に、計算されたポリゴ
ン内部のすべての画素のRGB値をYUV値に変換する
(ステップ32)。最後に変換により導き出されたYUV
値をフレームバッファに格納する(ステップ33)。この
手法では、RGB値からYUV値への変換処理をポリゴ
ンを構成する画素の個数だけ、実行する必要がある。
【0041】本発明によると、図4で示されるように、
まず、描画の対象となるポリゴンの頂点のRGB値を獲
得した(ステップ40)後に、頂点のRGB値をYUV値
に変換する(ステップ41)。次に、ポリゴンの頂点のY
UV値を基に、ポリゴンを構成するすべての画素のYU
V値を計算する(ステップ42)。最後にそのYUV値を
フレームバッファに格納する(ステップ43)。この場
合、RGB値をYUV値に変換する処理をポリゴンの頂
点数だけ、実行すればよい。ポリゴンの頂点数は、ポリ
ゴンを構成する画素の個数より少なく、ポリゴンのサイ
ズが大きくなればなるほど、その差は顕著になるので、
RGB値からYUV値への変換処理を大幅に減らすこと
ができる。
【0042】また、本発明では、レンダリング処理の一
つであるテクスチャ・マッピング処理を実行した場合、
テクスチャと呼ばれる、ポリゴンに貼りつける画像デー
タがYUV値で与えられていれば、ポリゴンの画素に対
応するテクスチャのYUV値を抽出するだけでよく、R
GB値への変換処理を削除することができる。よって、
YUV値の形式で圧縮されている動画像データ、例えば
標準の動画像圧縮フォーマットとなりつつあるMPEG
のデータを動画像データとすれば、MPEGデータを伸
張するだけで、ポリゴンに動画像を貼りつけることがで
きる。つまり、動画像データが実写をとりこんで作製さ
れた動画像データを使えば、コンピュータ・グラフィッ
クス(CG)と実写との融合が容易となる。
【0043】ここで、図1で示された装置で、CRTの
画面を縦及び横方向に定められた画素数毎、例えば縦、
横2画素毎に分割し、分割した矩形毎にUとV値を2×
2画素の代表値として、レンダリング処理を実行し、そ
の結果をフレームバッファに格納する場合を考える。つ
まり、図4に示されるディスプレイ・イメージに対し
て、Y値は図5で示されているように、画素p0(100)
には輝度値Y0(200)が、画素p1(101)には輝度値Y1
(201)が、画素p2(102)には輝度値Y2(202)が、画素
p3(103)には輝度値Y3(203)が対応し、1画素に1個
の輝度値が割り当てられる。それに対して、U値の場合
は、図4に示されるディスプレイ・イメージに対して、
図6に示されるように対応する。つまり、画素p0(10
0)、p1(101)、p2(102)、p3(103)には色差値U0
(300)が、画素p4(104)、p5(105)、p6(106)、p7
(107)には色差値U4(304)が対応し、4画素に1個のU
値が割り当てられる。V値についても同様に4画素に1
個のV値が割り当てられる。U、V値それぞれをフレー
ムバッファに格納する場合には、画素の座標値X、Yの
最下位ビットを0にして格納先のアドレスを求めること
により、容易に書き込みを実行することができる。
【0044】結果として、UとVの空間解像度を1/4
に減らすことにより、フレームバッファの容量が従来の
1/2となるので、メモリのコスト、基盤面積、消費電
力の増加を抑えることができる。また、フレームバッフ
ァへ書き込むデータ量も1/2となるので、描画性能も
向上する。
【0045】ここで、グラフィックスにおけるシェーデ
ィング処理を実行した場合を例にとり、色差値の空間解
像度を全く落とさない場合と、1/4に落とした場合と
の比較を行う。
【0046】シェーディング処理には多くのアルゴリズ
ムが存在するが、まず、ここでは代表的なアルゴリズム
を簡単に説明する。
【0047】図8に示すように、三角形のシェーディン
グ処理にはエッジ処理25とスパン処理26から構成されて
おり、エッジ処理25では、三角形の一辺であるA-B上の
座標(x,y,z)と色(R,G,B)または(Y,
U,V)を順次求めていき、同時に、スパン処理26で、
ライン毎に座標および色を順次計算していく。
【0048】次に、色差値の空間解像度を落とさない場
合と落とす場合との比較を行うために、1画素に対して
Y,U,Vをそれぞれ1個ずつ割り当てた場合の、グラ
フィックスでのシェーディング処理のフローチャートを
図9に示し、U,Vに対しては4画素に1個割り当てた
場合の、グラフィックスでのシェーディング処理を図1
0に示す。
【0049】まず、図9を参照して、1画素にY、U、
V値をそれぞれ1個割り当てた場合のグラフィックスで
のシェーディング処理について説明する。
【0050】最初に、描画するポリゴンの頂点の座標お
よびYUV値を獲得する(ステップ50)。次に、ポリゴ
ンを構成する画素のYUV値の計算をすべて完了したか
を判断し、もし完了した場合には終了する(ステップ5
1)。そうでない場合には、エッジ処理中のx座標とY
UV値を待避しておき(ステップ52)、1ラインの計算
を終える毎に、y座標に1を、x座標およびYUV値に
増分値を加算して(ステップ56)、次のラインの処理に
移る。以上がエッジ処理である。もし、1ラインの計算
を完了していなければ(ステップ53)、計算中のYUV
値をメモリに格納して(ステップ54)、x座標に1を、
YUV値に増分値を加算する(ステップ55)処理を、1
ライン分の計算が終了するまで繰り返す。以上がスパン
処理である。
【0051】次に、図10を参照して、U,V値を4画
素に1個割り当てた場合のグラフィックスでのシェーデ
ィング処理について説明する。
【0052】4画素同時にレンダリング処理を実行する
ので、輝度値を記憶するための変数が四つ(Y0,Y1,Y2,Y
3)用意されている。また、4画素は縦2画素、横2画素
の矩形なので、スパン処理は2ライン同時に実行され
る。
【0053】まず最初に、描画するポリゴンの頂点の座
標およびYUV値を獲得する(ステップ60)。次に、ポ
リゴンを構成する画素のYUV値をすべて計算したかを
判断し、もし計算を完了した場合には終了する(ステッ
プ61)。そうでない場合には、エッジ処理で計算中のx
座標とYUV値を待避しておき(ステップ62)、2ライ
ン分の画素のYUV値の計算を終える毎に、y座標に2
を加算し、x座標およびYUV値に増分値を加算する
(ステップ66)。もし、2ライン分の画素のYUV値の
計算を完了していなければ(ステップ63)、計算中のY
UV値をメモリに格納して(ステップ64)、x座標に2
を、YUV値に増分値を加算する(ステップ65)処理
を、2ライン分の計算が終了するまで繰り返す。
【0054】この結果、シェーディング処理の場合、1
画素毎にY,U,Vの各成分に対して、数3の計算を1
回実行する必要があったのが、U,Vの空間解像度を落
とすことにより、4画素のシェーディング処理におい
て、Yについては数3の第一式を4回、U、Vの各色成
分については数3の第二、第三式の計算を1回行えば十
分となる。よって、シェーディング処理の計算量は約1
/2に減少し、描画性能が向上する。
【0055】図11は、本発明にかかる他の実施例の構
成図であり、本実施例の特徴は、画素の色成分に、透明
度を示すパラメータのA(アルファ)値が加わったこと
である。
【0056】本構成はポリゴンの頂点座標などの図形情
報と、RGBA値の強度を示す色情報とからなる図形デ
ータ12を所有するコンピュータ11cと、ポリゴンを構成
する画素のYUVA値を計算するレンダリング装置20
と、 YUV値をRGB値に変換するデコーダ16、D/
Aコンバータ17、CRT18を有している。
【0057】また、レンダリング装置20は、RGB値を
YUV値に変換するエンコーダ13、ポリゴンの各頂点の
YUVA値から、ポリゴンを構成する画素すべてのYU
VA値を計算するグラフィックスプロセッサ14c、YU
VA値を記憶するフレームバッファ15cを備えている。
【0058】まず、A値を使用するレンダリング処理の
一つで、透明、半透明なポリゴンの描画を実現するアル
ファ・ブレンディングについて説明する。
【0059】一般に、アルファ・ブレンディングで使わ
れるA(アルファ)値は、フレームバッファに記憶され
ているRGBA値と、レンダリング処理中のRGBA値
とを混合するために使用される。混合する方法は複数存
在するが、最もよく実行される式を下に示す。
【0060】
【数5】 R=R*A+Rb*(1−A) G=G*A+Gb*(1−A) B=B*A+Bb*(1−A) A=A*A+Ab*(1−A) …(数5) Rb、Gb、Bb、Abはフレームバッファに記憶され
ているRGBA値、R、G、B、Aはレンダリング処理
中のRGBA値を示し、Aは0から1までの範囲の値で
ある。
【0061】この場合、ある物体を描画し、その後にA
値が0.3であるポリゴンを描画すれば、30%のポリ
ゴンの色と、70%の物体の色が混合されて、半透明な
ポリゴンを表示することができる。
【0062】R、G、Bに対してではなく、変換された
Y、U、Vの各成分に対して、アルファ・ブレンディン
グを施す場合は、
【0063】
【数6】 Y=Y*A+Yb*(1−A) U=U*A+Ub*(1−A) V=V*A+Vb*(1−A) A=A*A+Ab*(1−A) …(数6) を実行することになる。 Yb、Ub、Vb、Abはフ
レームバッファに記憶されているYUVA値、Y、U、
V、Aはレンダリング処理中のYUVA値を示す。アル
ファ・ブレンディングの処理を実行する際には、A値も
Y、U、V値と一緒にフレームバッファに記憶する必要
がある。
【0064】次に、上で示したシステム構成を有するレ
ンダリングシステムの動作について説明する。
【0065】透明、半透明な物体を描画するために、ま
ず、コンピュータ11cは、与えられた図形データ12のR
GB値をエンコーダ13に、A値と、頂点座標を含む図形
情報をグラフィックスプロセッサ14cに出力する。RG
B値を獲得したエンコーダ13はRGB値をYUV値に変
換し、その結果をグラフィックスプロセッサ14cに出力
する。YUVA値と頂点座標を受け取ったグラフィック
スプロセッサ14cは、その情報を基にポリゴンを構成す
るすべての画素のYUVA値と座標値を計算する。その
際、R、G、B、Aではなく、Y、U、V、Aの各成分
を基に、数6を使って、アルファ・ブレンディング等の
レンダリング処理を施す。グラフィックスプロセッサ14
cによって計算されたYUVA値は、画素の座標値から
決定されるフレームバッファ15c内の該当箇所に格納さ
れる。デコーダ16は、CRT18の走査と同期して、フレ
ームバッファ15cに記憶されているYUV値をCRT18
に表示するためにRGB値に復元する。そして、この値
はD/Aコンバータ17によってアナログ情報に変換さ
れ、CRT18に送られる。CRT18はD/Aコンバータ
から受け取ったアナログ情報をディスプレイ上に表示す
る。
【0066】ここで、 U、V値を4画素に1個割り当
てた場合と同様に、A値も4画素に1個割り当てるとす
る。つまり、図8で示すように、図4のディスプレイ・
イメージに対して、画素p0(100),p1(101),p2(1
02),p3(103)には透明度A0(400)が、画素p4(10
4),p5(105),p6(106),p7(107)には透明度A4
(404)が割り当てられる。
【0067】図13はA値を4画素に1個もたせた場合
の、グラフィックスによるアルファ・ブレンディングの
フローチャートを示しており、以下に、その流れを説明
する。
【0068】まず最初に、描画するポリゴンの頂点の座
標およびYUVA値を獲得する(ステップ70)。次に、
ポリゴンを構成する画素のYUV値をすべて計算したか
を判断し、もし計算を完了した場合には終了する(ステ
ップ71)。そうでない場合には、画素のx座標とYUV
A値を待避しておき(ステップ72)、2ライン分の計算
を終える毎に、y座標に2を加算し、x座標およびYU
VA値に増分値を加算する(ステップ76)。もし、2ラ
イン分の画素のYUVA値の計算を完了していなければ
(ステップ73)、数6を使ったアルファ・ブレンディン
グ等のレンダリング処理を実行して(ステップ74)、x
座標に2を、YUVA値に増分値を加算する(ステップ
75)処理を、2ライン分の計算が終了するまで繰り返
す。レンダリング処理の中には計算中のYUVA値をメ
モリに格納する処理を含む。
【0069】この結果、例えば、アルファ・ブレンディ
ングを実行する場合、従来の手法では、数5の式を1画
素毎にR,G,B,Aの各成分に対して1回実行してい
たのが、本発明により、4画素に対してYについては4
回、U、V、Aの各成分については1回実行すればよい
ので、計算量が約7/16に減少する。また、メモリの
容量、フレームバッファへの転送量も7/16に減少す
る。
【0070】図14は本発明にかかる他の実施例のブロ
ック図であり、本実施例の特徴は、画素の輝度値、色差
値、アルファ値とは別に、3次元物体を表示する際の陰
面処理に使われる、画素の奥行きを表すパラメータのZ
値が加わったことである。
【0071】本構成は、ポリゴンの頂点座標などの図形
情報と、RGBA値の強度を示す色情報とからなる図形
データ12を所有するコンピュータ11dと、 ポリゴンを構
成する画素の色を計算するレンダリング装置20と、YU
V値をRGB値に変換するデコータ16、D/Aコンバー
タ17、CRT18を有している。
【0072】また、レンダリング装置20は、RGB値を
YUV値に変換するエンコーダ13、ポリゴンの各頂点の
YUVA値から、ポリゴンを構成する画素すべてのYU
VA値を計算するグラフィックスプロセッサ14d、各画
素のYUVA値を記憶するフレームバッファ15d、各画
素のZ値を記憶するZバッファ19を備えている。
【0073】まず、3次元グラフィックス技術の一つで
あるZバッファテストについて説明する。
【0074】Zバッファテストは主に陰面処理のために
使用され、各画素毎の、視点と、画素を含むオブジェク
トとの距離(Z値)を記憶するZバッファを必要とす
る。具体的な動作を説明すると、画素毎に、レンダリン
グ処理で計算されたZ値と、Zバッファに記憶されてい
る値とを比較して、レンダリング処理中のZ値がZバッ
ファに記憶されている値より小さい(Zバッファテスト
が成立する)場合には、画素のYUVA値をフレームバ
ッファに、レンダリング処理中のZ値をZバッファに書
き込む。
【0075】次に、上で示したシステム構成を有するレ
ンダリングシステムの動作について説明する。
【0076】まず、コンピュータ11dは、3次元図形を
表示するために、与えられた図形データ12のRGB値を
エンコーダ13に、A値と、3次元座標を含む図形情報を
グラフィックスプロセッサ14dに出力する。RGB値を
獲得したエンコーダ13はRGB値をYUV値に変換し、
その結果をグラフィックスプロセッサ14dに出力する。
YUVA値と3次元の座標値を受け取ったグラフィック
スプロセッサ14dは、その情報を基にポリゴンを構成す
るすべての画素のYUVA値と座標値を計算する。その
際、R、G、B、Aではなく、Y、U、V、Aの各成分
を基に、レンダリング手法を施す。Zバッファテストが
有効の場合、グラフィックスプロセッサ14dでレンダリ
ング処理中のZ値と、画素の座標値から決定されるZバ
ッファ19内の該当箇所に記憶されている値とを比較す
る。そして、比較演算が成立した場合にのみ、グラフィ
ックスプロセッサ14dによって計算されたYUVA値
を、画素の座標値から決定されるフレームバッファ15c
内の該当箇所に格納し、Z値をZバッファの該当箇所に
格納する。デコーダ16は、CRT18の走査と同期して、
フレームバッファ15dに記憶されているYUV値をCR
T18に表示するためにRGB値に復元する。そして、こ
の値はD/Aコンバータ17によってアナログ情報に変換
され、CRT18に送られる。CRT18はD/Aコンバー
タから受け取ったアナログ情報をディスプレイ上に表示
する。
【0077】ここで、 U、V、A値を4画素に1個割
り当てた場合と同様に、4画素に1個のZ値を割り当て
る。つまり、図4のディスプレイ・イメージに対して、
図15で示すように、画素p0(100),p1(101),p2
(102),p3(103)にはZ0(500)が、画素p4(104),p
5(105),p6(106),p7(107)にはZ4(504)が対応す
る。
【0078】図16はZ値を4画素に1個もたせた場合
の、グラフィックスによるシェーディング、アルファ・
ブレンディング、Zバッファテストのフローチャートを
示しており、以下に、その流れを説明する。
【0079】最初に、描画するポリゴンの頂点の座標お
よびYUVA値を獲得する(ステップ80)。次に、ポリ
ゴンを構成する画素のYUV値をすべて計算したかを判
断し、もし計算を完了した場合には終了する(ステップ
81)。そうでない場合には、画素のx座標とz座標、Y
UVA値を待避しておき(ステップ82)、2ライン分の
画素のYUVA値の計算を終える毎に、y座標に2を加
算し、x座標、z座標およびYUVA値に増分値を加算
する(ステップ86)。もし、2ライン分の画素のYUV
A値の計算を完了していなければ(ステップ83)、アル
ファ・ブレンディング、Zバッファテスト等のレンダリ
ング処理を実行する(ステップ84)。Zバッファテスト
は、4画素に対して1度実行される。そして、x座標に
2を、z座標とYUV値にその増分値を加算する(ステ
ップ85)。ステップ84とステップ85は、2ライン分の計
算が終了するまで繰り返し実行される。
【0080】この結果、例えば、Zバッファテストを実
行する場合、従来の手法では、レンダリング処理中のZ
値と、Zバッファに格納されている値との比較を1画素
毎に1回実行する必要があったのが、本発明により、4
画素毎に1回実行すればよいので、Zバッファテストの
計算量が約1/4に減少する。また、仮に、Z値を32
ビットで表現し、表示する画面のサイズが640×32
0画素であるとすると、従来では、Zバッファ用のメモ
リを640×320×32ビット=約800キロバイト
必要としていたのが、本発明によって、約200キロバ
イトで十分となる。さらに、Zバッファへのデータの転
送量も1/4に減少し、描画性能が向上する。
【0081】図17は本発明によって、3次元グラフィ
ックス技術の一つであるフォグ処理を実行した場合の、
各画素に割り当てられるフォグ混合係数を示している。
【0082】フォグ処理は、フライトシミュレータなど
の視界がはっきりしないようなシミュレーションを実現
するのに不可欠であり、表示する物体が視点から離れる
ほど、霧(フォグ)のかかる度合いが大きくなる。フォ
グの色をYf、Uf、Vf、Afとすると、フォグのか
かる度合いを示すフォグ混合係数fによって、画素の色
は次のように計算される。
【0083】
【数7】 Y=Y*f+Yf*(1ーf) U=U*f+Uf*(1ーf) V=V*f+Vf*(1ーf) A=A*f+Af*(1ーf) …(数7) フォグ処理で、図4のディスプレイ・イメージに対し
て、図17で示すように、画素p0(100)、p1(101)、
p2(102)、p3(103)には、フォグ混合係数f0(60
0)、画素p4(104)、p5(105)、p6(106)、p7(107)
には、フォグ混合係数f4(604)が対応し、4画素に1
つのフォグ混合係数が割り当てられる。
【0084】図18はフォグ混合係数f値を4画素に1
個もたせた場合の、グラフィックスによるシェーディン
グ、アルファ・ブレンディング、Zバッファテスト、フ
ォグを含むレンダリング処理のフローチャートを示して
おり、以下に、その流れを説明する。
【0085】まず最初に、描画するポリゴンの頂点の座
標およびYUV値を獲得する(ステップ90)。次に、ポ
リゴンを構成する画素のYUV値をすべて計算したかを
判断し、もし計算を完了した場合には終了する(ステッ
プ91)。そうでない場合には、画素のx座標とz座標、
YUVA値、f値を待避しておき(ステップ92)、2ラ
イン分の画素のYUVA値の計算を終える毎に、y座標
に2を加算し、x座標、z座標およびYUVA値、f値
にその増分値を加算する(ステップ96)。もし、2ライ
ン分の画素のYUVA値の計算を完了していなければ
(ステップ93)、アルファ・ブレンディング、Zバッフ
ァテスト、フォグ等のレンダリング処理を実行する(ス
テップ94)。フォグ処理では、まず4画素毎にフォグ混
合係数fを計算し、そのfを基に数7を使って、YUV
A値を求める。フォグ混合係数fの計算は、4画素に対
して1度だけ実行される。そして、x座標に2を、z座
標、f値とYUV値にその増分値を加算する(ステップ
95)。ステップ94とステップ95は、2ライン分の計算が
終了するまで繰り返し実行される。
【0086】この結果、フォグ処理を実行する場合、従
来の手法では、フォグ混合係数fを求めるために、1画
素毎に数7の計算式を実行する必要があったが、本手法
により、4画素毎に1回実行すればよいので、フォグ混
合係数を求めるための計算量が1/4に減少する。
【0087】図19は本発明の他の実施例のブロック図
であり、本実施例の特徴はフレームバッファに記憶され
ているYUV値がデコーダを介さず、CRTに出力され
ている点である。
【0088】本構成はポリゴンの座標などの図形情報
と、RGBA値の強度を示す色情報とからなる図形デー
タ12を所有するコンピュータ11dと、ポリゴンを構成す
る画素の色を計算するレンダリング装置20dと、D/A
コンバータ17、NTSC方式のCRT18dを有してい
る。
【0089】また、レンダリング装置20dは、RGB値
をYUV値に変換するエンコーダ13、ポリゴンの各頂点
のYUVA値から、ポリゴンを構成する画素すべてのY
UVA値を計算するグラフィックスプロセッサ14d、各
画素のYUVA値を記憶するフレームバッファ15d、各
画素のZ値を記憶するZバッファ19を備えている。
【0090】次に、このような装置構成を有するレンダ
リング装置の動作について説明する。
【0091】まず、コンピュータ11dは、3次元図形を
表示するために、与えられた図形データ12のRGB値を
エンコーダ13に、A値と、3次元座標を含む図形情報を
グラフィックスプロセッサ14cに出力する。RGB値を
獲得したエンコーダ13はRGB値をYUV値に変換し、
その結果をグラフィックスプロセッサ14cに出力する。
YUVA値と3次元座標を受け取ったグラフィックスプ
ロセッサ14cは、その情報を基にポリゴンを構成するす
べての画素のYUVA値と座標値を計算する。Zバッフ
ァテストが有効の場合、グラフィックスプロセッサ14c
で計算されたZ値と、画素の座標値から決定されるZバ
ッファ19内の該当箇所に格納されている値とを比較す
る。そして、比較演算が成立した場合にのみ、グラフィ
ックスプロセッサ14cによって計算されたYUVA値
を、画素の座標値から決定されるフレームバッファ15c
内の該当箇所に格納し、計算されたZ値をZバッファの
該当箇所に格納する。D/Aコンバータ16は、CRT18
の走査と同期して、フレームバッファ15cに記憶されて
いるYUV値をアナログ情報に変換してCRT18に出力
する。CRT18はD/Aコンバータから受け取ったYU
V値のアナログ情報をディスプレイ上に表示する。
【0092】NTSC方式のCRTに画像を出力する場
合、YUV値を入力すればよいので、デコーダを取り除
いて、全体のハードウェア量が減らすことができる。ま
た、フレームバッファの情報をデコーダを介さず直接C
RTに出力できるので、画面に画像を出力するまでの描
画性能が向上する。
【0093】
【発明の効果】従来のレンダリング処理と本発明による
レンダリング処理の比較すると、画素の色成分がR、
G、Bの場合には、従来、各画素に対してR、G、Bの
各成分の計算を必要としていたが、本発明によれば、
R、G、BをY、U、Vに変換することにより、1画素
毎にYの成分を、4画素毎にU、Vの各成分の計算を行
うため、計算量が約1/2に、フレームバッファの容量
も1/2に減少する。
【0094】また、画素の色成分がR、G、B、Aの場
合には、本発明によれば、1画素毎にYの成分を、4画
素毎にU、V、Aの各成分の計算を行うため、計算量が
約7/12に、フレームバッファの容量も7/12に減
少する。
【0095】また、画素の奥行きを示すZ値を計算する
場合も、4画素毎に一つの代表値を計算することによ
り、Zバッファテストの計算量が1/4に減少し、Zバ
ッファの容量も1/4に減少する。
【0096】また、フォグ混合係数を4画素に1個もつ
ことにより、フォグ混合係数を計算するための処理が約
1/4となる。
【0097】また、グラフィックス技法の一つであるテ
クスチャ・マッピングで、YUV値からなるデータを圧
縮したMPEG等の動画像データをポリゴンに貼りつけ
る処理を、特別な変換を必要とせず、効率よく実行する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるシステムのブロック図。
【図2】従来のシステムのブロック図。
【図3】従来のレンダリング処理の処理内容を示すフロ
ーチャート。
【図4】本発明を適用したレンダリング処理の処理内容
を示すフローチャート。
【図5】ディスプレイのイメージに対応する画素の説明
図。
【図6】各画素に割り当てられる輝度値の説明図。
【図7】各画素に割り当てられる色差値の説明図。
【図8】三角形のシェーディング処理の説明図。
【図9】色差値の空間解像度を落とさない実施例にかか
るレンダリング処理の処理内容を示すフローチャート。
【図10】色差値の空間解像度を落とした実施例にかか
るレンダリング処理の処理内容を示すフローチャート。
【図11】透明度を加えた実施例にかかるシステムのブ
ロック図。
【図12】各画素に割り当てられるアルファ値の説明
図。
【図13】透明度の空間解像度を落とした実施例にかか
るレンダリング処理の処理内容を示すフローチャート。
【図14】奥行き情報を加えた実施例にかかるシステム
のブロック図。
【図15】各画素に割り当てられるZ値の説明図。
【図16】Z値の空間解像度を落とした実施例にかかる
レンダリング処理の処理内容を示すフローチャート。
【図17】各画素に割り当てられるフォグ混合係数の説
明図。
【図18】フォグ混合係数の空間解像度を落とした実施
例にかかるレンダリング処理の処理内容を示すフローチ
ャート。
【図19】他の実施例にかかるシステムのブロック図。
【符号の説明】
11…コンピュータ、 12…図形データ、 13…エンコーダ、 14…グラフィックスプロセッサ、 15…フレームバッファ、 16…デコーダ、 17…D/Aコンバータ、 18…CRT、 20…レンダリング装置。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】描画の対象となる物体を構成するポリゴン
    と呼ばれる多角形の、内部の画素の色情報を計算するグ
    ラフィックスのレンダリング装置において、 画素のR、G、Bの各強度を輝度情報と色差情報に変換
    する変換手段と、前記ポリゴンの各頂点の輝度情報と色
    差情報から、前記ポリゴンを構成する画素の輝度情報、
    色差情報を計算する演算手段と、前記輝度情報と前記色
    差情報を記憶する記憶手段を備え、 前記変換手段は、前記ポリゴンの各頂点の色情報として
    与えられたR、G、Bの各強度を、輝度情報と色差情報
    に変換し、前記演算手段は、前記変換手段から獲得した
    ポリゴンの各頂点の輝度情報と色差情報を基に、前記ポ
    リゴンを構成する画素の輝度情報と色差情報を計算し、
    前記輝度情報と色差情報を前記記憶手段に格納する処理
    を行なうことを特徴とするレンダリング装置。
  2. 【請求項2】画素のR、G、Bの各強度を輝度情報と色差
    情報に変換する変換装置と、ポリゴンと呼ばれる多角形
    の各頂点の色情報から、前記ポリゴンの内部の画素の色
    情報を計算する演算装置と、前記色情報を記憶する記憶
    装置とを有するレンダリング装置におけるポリゴンを構
    成する画素の色情報を計算するグラフィックスのレンダ
    リング方法において、 前記ポリゴンの各頂点に色情報として与えられたR、
    G、Bの各強度を、前記変換手段を用いて輝度情報と色
    差情報に変換し、前記ポリゴンの各頂点の前記輝度情報
    と色差情報を基に、ポリゴンの内部の画素の輝度情報と
    色差情報を前記演算装置を用いて計算して、前記輝度情
    報と色差情報を前記記憶装置に格納することを特徴とす
    るグラフィックスのレンダリング方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記演算手段は、複数
    個の画素に対して、1画素の前記色差情報を前記複数個
    の色差情報の代表として、前記ポリゴンを構成する画素
    の色差情報を計算し、前記記憶手段に、前記色差情報を
    前記複数個の色差情報の代表として記憶するレンダリン
    グ装置。
  4. 【請求項4】請求項1または3において、描画する画素
    の透明度を示す透明度情報を計算するために、前記演算
    手段は、複数個の画素に対して、1画素の透明度情報を
    前記複数個の透明度情報の代表として、ポリゴンの各頂
    点の透明度情報を基に、ポリゴンを構成する画素の前記
    透明度情報を計算し、前記透明度情報を前記複数個の透
    明度情報の代表として前記記憶手段に記憶するグラフィ
    ックスのレンダリング装置。
  5. 【請求項5】請求項1、3または4において、3次元グ
    ラフィックスの描画のため、前記演算手段は、複数個の
    画素に対して、1画素の奥行き情報を前記複数個の画素
    の代表として、前記ポリゴンの各頂点の奥行き情報を基
    に、前記ポリゴンを構成する画素の前記奥行き情報を計
    算し、前記奥行き情報を前記複数個の奥行き情報の代表
    として前記記憶手段に記憶するグラフィックスのレンダ
    リング装置。
  6. 【請求項6】請求項1、3、4または5において、画面
    全体に霧効果を生成するために使われる、視点と物体と
    の距離から導き出される霧の度合いを表すフォグ情報を
    計算するために、前記演算手段は、複数個の画素に対し
    て、1画素のフォグ情報を前記複数個のフォグ情報の代
    表として、前記ポリゴンの各頂点のフォグ情報を基に、
    前記ポリゴンを構成する画素の前記フォグ情報を計算す
    るグラフィックスのレンダリング装置。
  7. 【請求項7】請求項1、3、4、5または6に記載のレ
    ンダリング装置を含み、表示する形状の幾何学情報と色
    情報をもつ制御装置と、前記輝度情報と前記色差情報を
    R、G、Bの各強度に変換する第2変換器と、レンダリ
    ング処理結果を表示する表示装置とを備え、前記レンダ
    リング装置は、制御装置から、表示する形状の幾何学情
    報と色情報を獲得して、表示する形状の内部の画素の輝
    度情報、色差情報、透明度情報、奥行き情報を記憶手段
    に記憶し、前記第2変換器が、記憶手段に記憶されてい
    る輝度情報、色差情報をR、G、Bの強度に変換して、
    前記表示手段に表示する処理を行なうレンダリングシス
    テム。
  8. 【請求項8】請求項1、3、4、5または6のいずれか
    に記載のレンダリング装置を含み、表示する形状の幾何
    学情報と色情報をもつ制御装置と、レンダリング処理結
    果を表示する表示装置とを備え、前記レンダリング装置
    は、制御装置から、表示する形状の幾何学情報と色情報
    を獲得して、表示する形状の内部の画素の輝度情報、色
    差情報、透明度情報、奥行き情報を記憶手段に記憶し、
    前記表示手段が記憶手段に記憶されている輝度情報、色
    差情報を基に形状を表示する処理を行なうレンダリング
    システム。
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JP2012014714A (ja) * 1999-09-16 2012-01-19 Qualcomm Inc 透光性3dグラフィックをレンダリングする方法及び装置
CN111882631A (zh) * 2020-07-24 2020-11-03 上海米哈游天命科技有限公司 一种模型渲染方法、装置、设备及存储介质

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