JPH09151162A - ナフタレンジカルボン酸の精製法 - Google Patents

ナフタレンジカルボン酸の精製法

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JPH09151162A
JPH09151162A JP7312381A JP31238195A JPH09151162A JP H09151162 A JPH09151162 A JP H09151162A JP 7312381 A JP7312381 A JP 7312381A JP 31238195 A JP31238195 A JP 31238195A JP H09151162 A JPH09151162 A JP H09151162A
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JP
Japan
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naphthalenedicarboxylic acid
acid
reaction
crude
temperature
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Application number
JP7312381A
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English (en)
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Ken Fujita
研 藤田
Hiroaki Otsuka
宏明 大塚
Mamoru Donomae
守 堂野前
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SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Cosmo Oil Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Cosmo Oil Co Ltd
Petroleum Energy Center PEC
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗製ナフタレンジカルボン酸の精製におい
て、簡単な工程で高純度の精製品を得る。 【解決手段】 粗製ナフタレンジカルボン酸を、高温高
圧の水に溶解し、白金のような貴金属触媒の存在下、水
素を作用させて接触還元処理する。 次に、この接触還
元処理を受けたナフタレンジカルボン酸を晶出させ、結
晶を、低級脂肪族カルボン酸、代表的には酢酸を温めた
もので洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキル置換基ま
たは一部酸化されたアルキル置換基を有するナフタレン
化合物の置換基を酸化することにより得た、粗製のナフ
タレンジカルボン酸を精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフタレンジカルボン酸、とくに2,6
−ナフタレンジカルボン酸は、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)などの高機能性樹脂の原料として有用な化
合物である。
【0003】2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方
法として、従来、2,6−ジメチルナフタレンの液相酸
化法(たとえば特開平6−172260)が知られてい
る。しかし、このような方法で製造したナフタレンジカ
ルボン酸の中には、6−ホルミル−2−ナフトエ酸
(「6−F−2−NA」と略記する)をはじめとする不
純物が含まれている。 こうした不純物は、微量であっ
ても、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリ
コールとの重縮合によって製造されるポリエステルを着
色したり、重合度を低下させたりして、品質上の障害を
もたらす。
【0004】そのため、上記のような不純物を含む2,
6−ナフタレンジカルボン酸の精製は重要な課題であっ
て、その解決策がこれまで多数提案されてきた。 たと
えば、液相酸化により得た低純度の2,6−ナフタレン
ジカルボン酸をメタノールとエステル化した(特開昭5
0−95253)後、蒸留(特公昭50−29291)す
るか、または再結晶(特開昭50−111056)する
かして、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエス
テルの形で高純度化する方法がある。 粗製2,6−ナ
フタレンジカルボン酸をアルカリ水溶液に溶解後、脱色
処理する(特公昭52−20993、同52−2099
4、特開昭49−133359、同50−10563
9、同62−212341、同62−212342)、
酸化処理する(特開昭48−68554、同48−68
555、特開平2−250849)、あるいは水素化処
理する(特公昭57−36901)精製方法もある。
また、高純度テレフタル酸の製造法として確立されてい
る水添精製法を、ナフタレンジカルボン酸に適用した方
法(アメリカ特許5256817)もある。
【0005】上記の精製技術のうち、メチルエステルの
形で精製を進める方法は、精製に先立ってカルボン酸と
メタノールとのエステル化反応を行なわなければならな
いため、工程が複雑となり、当然にコストも高くなる。
その他の精製法もアルカリや酸を用いるため、酸析や
中和の工程を必要とし、やはり経済的に不利である。水
添精製法は、溶媒として低級脂肪族カルボン酸と水との
混合溶媒を用いるため、反応後にそれら溶媒を分離回収
する工程が必要である。 また、溶媒である低級脂肪族
カルボン酸水溶液へのナフタレンジカルボン酸の溶解度
が低いため、大量の溶媒が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のナフタレンジカルボン酸の精製方法に伴っていた、上
記の欠点を解消し、工程が簡単であって経済的に高純度
のナフタレンジカルボン酸を得ることのできる精製法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明のナフ
タレンジカルボン酸の精製方法は、アルキル置換基また
は一部酸化されたアルキル置換基を有するナフタレン化
合物の置換基を酸化することにより得た粗製のナフタレ
ンジカルボン酸を精製する方法において、粗製のナフタ
レンジカルボン酸を高温高圧の下で水に溶解し、水素化
触媒の存在下に水素を作用させる還元処理を行ない、続
いて低級脂肪族カルボン酸で洗浄することを特徴とす
る。
【0008】本発明の精製方法を適用できる粗製のナフ
タレンジカルボン酸は、上記のように、アルキル置換基
または一部酸化されたアルキル置換基を有するナフタレ
ン化合物の置換基を酸化することにより得たものであ
り、このアルキル置換基の代表的なものは、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピルなどの炭素数1〜3の低
級アルキル基である。 一部酸化したアルキル置換基と
しては、アルデヒド基やヒドロキシアルキル基など、カ
ルボキシル基以外の酸素含有炭化水素基が挙げられる。
【0009】このような粗製のナフタレンジカルボン酸
は、ジアルキルナフタレンまたはその置換アルキル基の
一部を完全に(カルボキシル基まで)または不完全に酸
化したものを出発原料として、これを気相または液相で
酸化して得たものであればよい。 出発原料の具体例と
しては、2,6−ジメチルナフタレン、2,7−ジメチ
ルナフタレン、1,2−ジメチルナフタレン、1,3−
ジメチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン、
1,5−ジメチルナフタレン、1,6−ジメチルナフタ
レン、1,7−ジメチルナフタレン、1,8−ジメチル
ナフタレン、2,3−ジメチルナフタレン、2,6−ジ
エチルナフタレン、2,7−ジエチルナフタレン、2,
6−ジイソプロピルナフタレン、2,7−ジイソプロピ
ルナフタレン、6−アセチル−2−メチルナフタレン、
6−ホルミル−2−メチルナフタレン、4−ヒドロキシ
メチル−1−メチルナフタレン、6−メチル−2−ナフ
トエ酸などが挙げられる。
【0010】これら出発原料の酸化反応の生成物であっ
て本発明による精製の対象として好適なものは、低級脂
肪族カルボン酸を反応媒体とし、コバルト、マンガン、
臭素などの触媒を用いて、分子状酸素により液相酸化し
て得たナフタレンジカルボン酸の粗製物である。 この
ような粗製物の例としては、特開平6−172260に
記載の製造法による粗製ナフタレンジカルボン酸を挙げ
ることができる。 特開平6−172260のナフタレ
ンジカルボン酸の製造法は、メチルナフタレンを5〜3
8倍量の低級脂肪族カルボン酸に溶解し、触媒として、
Co,MnおよびBrを低級脂肪族カルボン酸に対して
それぞれ特定量使用し、分子状酸素でメチルナフタレン
(メチル基1〜4個を有するもの)を酸化することから
なる。
【0011】本発明で使用する反応媒体は、前記したよ
うに水である。 たとえば、蒸留水、イオン交換水など
の水の使用で十分である。 反応媒体である水の使用量
は、反応温度において粗製のナフタレンジカルボン酸を
少なくとも部分的に、好ましくは完全に溶解する量とす
る。 通常は、粗製物に対して重量で2〜20倍量を使
用する。 とくに、3〜10倍量が好ましい。 反応媒
体の量が少なすぎれば、いうまでもなく粗製ナフタレン
ジカルボン酸の溶解量が小さく、水素化還元による精製
が十分に行なわれない。 多すぎる場合、反応上は差し
支えないが、大型の反応器を必要とし、ナフタレンジカ
ルボン酸の回収に要するエネルギー消費が増すなど、経
済的に不利になる。
【0012】反応温度は、粗製のナフタレンジカルボン
酸が反応媒体に十分に溶解する温度をえらぶ。 低い温
度では溶解度が低く、多量の溶媒が必要になる。 温度
が高すぎては、ナフタレン環の開裂やカルボキシル基の
脱離など、望ましくない分解反応が生じる。 好ましい
温度は250〜330℃であり、とくに好ましい温度は
280〜310℃である。
【0013】本発明の水素還元処理は、水素ガスおよび
水素化触媒を用いて実施する。 水素の分圧は0.01
〜6MPaが適当であり、0.5〜2MPaが好ましい。 反
応系内全体の圧力は、反応媒体の少なくとも一部が液体
で存在し得る状態にする。50質量%以上が液相部に存
在することが好ましく、75質量%程度存在することが
とくに好ましい。 圧力は、系の温度、水素分圧、なら
びに反応媒体の種類および量に影響されるため一概にい
えないが、通常3〜13MPa であり、好ましい範囲は5
〜10MPaである。
【0014】水素化触媒として使用する金属触媒は、前
記のように周期率表第VIII族の貴金属すなわちパラジウ
ム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、
および白金の1種類または2種類以上である。 この触
媒は、粗製のナフタレンジカルボン酸中の不純物である
ホルミルナフトエ酸や臭素化ナフタレンジカルボン酸等
を水素化し、ナフタレンジカルボン酸と容易に分離でき
る化合物へ変換し、また着色成分を無色の化合物へ変換
する。 効果が高い触媒は、白金、パラジウム、ロジウ
ムおよびルテニウムである。 触媒は粉末状、顆粒状で
使用してもよいし、担体に担持させて使用してもよい。
担体としては、活性炭、黒鉛、アルミナ、ゼオライ
ト、シリカなどが使用できるが、とくに活性炭が好まし
い。 担持量は、全触媒量を基準にして0.1〜5質量
%が適当である。 触媒の使用量は、反応温度、粗製ナ
フタレンジカルボン酸中の不純物の濃度、反応器内の滞
留時間等の条件によって決定されるが、一般に、水素化
触媒中の貴金属成分に対する粗製ナフタレンジカルボン
酸が、質量比で約200:1〜約30,000:1、好
ましくは約2,000:1〜約20,000:1となる
ようにえらんで使用すればよい。 貴金属触媒が少ない
と不純物の水素化反応率が低い値に止まるし、一方で過
大な量の触媒の存在は、ナフタレンジカルボン酸の脱カ
ルボニル反応やナフタレン環の核水素化反応を進行させ
て好ましくない。
【0015】反応時間は、粗製ナフタレンジカルボン酸
と水素化触媒の量比、水素濃度および反応温度によって
異なる。 実操業のめやすとして、反応混合物が水素化
触媒と接触している滞留時間あるいは供給重量速度(W
HSV)で示せば、約200〜200,000g(反応
溶液)/g(水素化触媒中の貴金属成分)・hr、好まし
くは、1,000〜100,000g/g・hrである。
反応の方式に限定はなく、連続式でもバッチ式でも任
意に選択できる。
【0016】触媒還元処理の終了後、反応媒体中に固体
として存在している水素化触媒と、水溶媒体中に溶解し
ている状態のナフタレンジカルボン酸とを分離する。
【0017】ナフタレンジカルボン酸は一般に、常温常
圧下では水に難溶ないしほとんど不溶であるが、高温高
圧下では反応媒体への溶解度が高まるから、溶解させた
状態で濾過・遠心分離などの手段で水素化触媒と反応生
成液とを固液分離することによって、とり出すことがで
きる。 ナフタレンジカルボン酸が水性反応媒体に溶解
しやすい高温高圧の条件とは、温度が250℃以上、圧
力が3MPa 以上であって、この条件下ではナフタレンジ
カルボン酸の水に対する溶解度が、少なくとも10質量
%程度ある。 実用上の限界は、温度330℃、圧力1
0MPaである。好適範囲は、温度280〜310℃、圧
力7〜10MPaである。
【0018】反応は、連続的に行なってもよいしバッチ
操作で行なってもよい。 反応を、触媒を固定床として
そこへ反応液を通過させる連続法により行なえば、触媒
と反応液との固液分離ができる。
【0019】固液分離に続いて、得られた反応生成液を
冷却し、ナフタレンジカルボン酸を晶出させる。 晶出
温度は、250℃以下30℃程度までの間とする。 好
ましいのは、100〜35℃である。 このとき、冷却
速度は25℃/min以下が好ましく、さらに好ましくは1
0℃/min以下とする。 冷却速度が速すぎると、析出す
るナフタレンジカルボン酸の粒子が極端に細かくなり、
母液との分離が困難になる。 析出した精製ナフタレン
ジカルボン酸は、濾過・遠心分離などの手段により回収
する。
【0020】上記の操作により得られたナフタレンジカ
ルボン酸には、接触還元処理により生成したメチルナフ
トエ酸、およびナフトエ酸が混入している。 メチルナ
フトエ酸およびナフトエ酸は、粗製ナフタレンジカルボ
ン酸中に含まれていたホルミルナフトエ酸等の酸化中間
体が水素により還元されて生成したものであって、これ
らの化合物の水溶媒に対する溶解度は、ナフタレンジカ
ルボン酸と同じ程度で極めて低い。 そのため、接触還
元処理の後、水素化触媒との固液分離を行なって、反応
液を室温付近まで冷却し、ナフタレンジカルボン酸を析
出させる際に、これらのメチルナフトエ酸およびナフト
エ酸が、ナフタレンジカルボン酸中に混入する。 そこ
で、前記接触還元処理に続いてナフタレンジカルボン酸
を低級脂肪族カルボン酸を用いて洗浄することにより、
メチルナフトエ酸およびナフトエ酸を除去することがで
きる。
【0021】低級脂肪族カルボン酸により洗浄は、固体
層の上から加熱した低級脂肪族カルボン酸を注ぎ、濾過
洗浄する方法(リンス)、および固体と低級脂肪族カルボ
ン酸とを均一なスラリーとしてから濾過する方法(リス
ラリー)の両方が含まれる。簡便なのは前者の方法であ
るが、効果的なのは後者の方法である。 不純物の含有
量に応じて、適宜使い分けることができる。 ここで、
用いる低級脂肪族カルボン酸は、C2〜C6の脂肪族カル
ボン酸であり、特に酢酸が好ましい。 低級脂肪族カル
ボン酸の使用量は、ナフタレンジカルボン酸中に含有す
るメチルナフトエ酸およびナフトエ酸の濃度、洗浄時
間、洗浄する際の低級脂肪族カルボン酸の温度等の条件
によって決定され、洗浄温度で混在するメチルナフトエ
酸およびナフトエ酸が完全に溶解するのに十分な量であ
ればよい。 一般に、ナフタレンジカルボン酸に対して
使用する低級脂肪族カルボン酸は、重量にして約2〜1
00倍が好ましく、とくに3〜50倍、さらに好ましく
は5〜20倍である。
【0022】洗浄温度は、使用した量の低級脂肪族カル
ボン酸に不純物であるメチルナフトエ酸およびナフトエ
酸が完全に溶解する温度以上であればよい。 一般に、
前記した洗浄方法のうちリンスの場合は25〜90℃、
好ましくは40〜80℃であり、リスラリーの場合は2
5〜115℃、好ましくは40〜100℃である。洗浄
温度が低いとメチルナフトエ酸およびナフトエ酸の溶解
性が十分得られず、ナフタレンジカルボン酸の純度が向
上しない。 また、温度が高すぎるとナフタレンジカル
ボン酸の洗浄溶媒である低級脂肪族カルボン酸への溶解
量が増し、洗浄によるナフタレンジカルボン酸の損失が
多くなるので好ましくない。
【0023】洗浄時間は、洗浄方法によって異なるが、
一般に、洗浄方法としてリンスを行なった場合、濾過速
度によるが、一般的に5〜30分間、好ましくは10〜
30分間であり、リスラリーの場合は5〜60分間、好
ましくは10〜30分間である。
【0024】このようにして得られたナフタレンジカル
ボン酸は、不純物の抱き込みが極めて少なく高純度であ
り、ポリエステル系樹脂の原料などとして利用できる。
【0025】
【実施例】以下の実施例において、純度の測定は、高速
液体クロマトグラフィ−(HPLC)により、分析カラ
ム:Asahipak ODP−50(Shodex)、溶媒:10mM
−NaH2PO4+5mM−テトラブチルアンモニウムブロ
マイド(pH7.5)水溶液/アセトニトリルを用いて
行なった。 色相は、粉体試料を用意して円筒状のガラ
スセルに詰めたものについて、L値(明度)、a値〔赤
(+)〜緑(−)〕、b値〔黄(+)〜青(−)〕を求
めた。 L値が100に近く、a値およびb値が0に近
いほど、白色に近いものとなる。
【0026】〔実施例1〕特開平6−172260に記
載の方法に従って、2,6−ジメチルナフタレンを酸化
して、粗製ナフタレンジカルボン酸を製造した。 得ら
れた粗製2,6−ナフタレンジカルボン酸は、純度9
8.8質量%で、不純物として6−F−2−NAを1
2,000ppm 含み、色相は〔L90,a −4,b 1
2〕である。
【0027】図1に示す実験装置を用いて、上記粗製ナ
フタレンジカルボン酸の精製を行なった。 この装置
は、図示してないヒーターと保温材を設けてあり、温度
コントローラーにより温度を正確に制御されている。
【0028】まず、上部にコンデンサー(11)および
ガス吹き込み管(12)を有し、撹拌機(13)をそな
えたチタン製反応槽(1)に、上記粗製2,6−ナフタ
レンジカルボン酸120g、0.5%パラジウム活性炭
触媒25.2gおよび水600gを装入した。 バルブ
(3)を開いてガス吹き込み管(12)から水素0.9
Nlを注入した。 撹拌機(13)で撹拌しながら、加熱
器(2)で反応槽を加熱し、昇温させた。 反応槽内の
温度が310℃、圧力9.0MPaに達した後、30分間反
応を続けた。
【0029】反応終了後、温度を保ったままバルブ
(5)を開き、反応混合物を焼結金属フィルター(4)
を通して触媒と反応生成液とに固液分離し、液を導入管
(62)を通して、コンデンサー(61)が設けてある
冷却槽(6)に移送した。
【0030】40℃に至るまで、20℃/minの冷却速度
で冷却し、精製2,6−ナフタレンジカルボン酸を晶出
させた。 冷却槽(6)の内圧を常圧まで下げた後、バ
ルブ(7)を開いて精製2,6−ナフタレンジカルボン酸
を含むスラリーを採取した。
【0031】このスラリーを減圧濾過して固体と母液と
を分離した。 続いて、その濾過ケースの上から、80
℃に加熱した酢酸600gを注ぎ、洗浄しつつ濾過し
た。最後に水120gを注ぎ、洗浄して濾過した。
【0032】固体を乾燥させてから純度を測定したとこ
ろ、99.98質量%以上であり、6−F−2−NA含
有量は100ppm以下,2−ナフトエ酸(以下、「2−
NA」と略記する)含有量は100ppm以下であった。
色相も〔L 95,a −1.7,b 0.5〕と改善され
た。
【0033】〔実施例2〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様に製造した粗製2,6−ナフタレン
ジカルボン酸を実施例1と同じ条件で接触還元した。
反応終了後、減圧濾過により回収した2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を2リットルのナスフラスコに移し、そ
こに酢酸800gを入れ、コンデンサーを取り付けて、
マグネチックスターラーで撹拌しながら110℃まで昇
温し、この温度で30分間保持した。その後、60℃ま
で冷却して濾過した。 最後に、水120gを注いで洗
浄し濾過した。 固体を乾燥させてから純度を測定した
ところ99.98質量%以上であった。 6−F−2−
NA含有量100ppm 以下。 6−メチル−2−2ナフ
トエ酸(以下、「6−M−2−NA」と略記する)およ
び2−NA含有量100ppm以下。 色相も〔L 96,
a −1.5,b 0.7〕と改善されていた。
【0034】〔実施例3〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様に製造した粗製2,6−ナフタレン
ジカルボン酸を、実施例1と同じ条件で接触還元した。
反応終了後、減圧濾過を行なって回収した2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を1.5リットルのチタン製オー
トクレーブに装入した。 そこに酢酸500gを装入
し、系内の空気を窒素で置換した。 撹拌機により撹拌
しながら、加熱器で反応槽を加熱して昇温させた。 反
応槽内の温度が300℃、圧力43MPa に達した後、3
0分間保持した。 その後、40℃まで冷却してからオ
ートクレーブを開け、スラリーを取り出し減圧濾過し、
固体の2,6−ナフタレンジカルボン酸と酢酸溶媒を分
離した。 最後に、その固体層に水120gを注いで濾
過した。 固体を乾燥させてから純度を測定したとこ
ろ、99.98質量%以上(6−F−2−NA含有量1
00ppm 以下、6−M−2−NAおよび2−NA含有量
100ppm 以下)で、色相も〔L 95,a −1.2,
b 0.9〕と改善されていた。
【0035】〔実施例4〕特開平6−172260に記
載の方法に従って2,7−ジメチルナフタレンを酸化し
て、粗製2,7−ナフタレンジカルボン酸を製造した。
得られた粗製2,7−ナフタレンジカルボン酸は、純
度98.8質量%で、不純物として7−F−2−NAを
12,000ppm 含み、色相は〔L 90,a −3.
2,b 11〕である。
【0036】図1に示す実験装置を用いて、上記の粗製
2,7−ナフタレンジカルボン酸の精製を行なった。
反応槽に、上記粗製2,7−ナフタレンジカルボン酸1
20g、0.5%パラジウム活性炭25.2gおよび水
600gを装入した。 続いて水素0.9Nlを注入し
た。 撹拌しながら反応槽を加熱し、昇温させた。 反
応槽内の温度が310℃、圧力9.0MPaに達した後、
30分間反応を続けた。
【0037】反応終了後、温度を保ったまま反応混合物
を焼結金属フィルターを通して触媒と反応生成液とに固
液分離し、液を冷却槽に移送した。
【0038】40℃に至るまで20℃/minの冷却速度で
冷却し、粗製2,7−ナフタレンジカルボン酸を晶出さ
せた。 冷却槽の内圧を常圧まで下げた後、精製2,7
−ナフタレンジカルボン酸を含むスラリーを採取した。
【0039】このスラリーを減圧濾過して固体と母液と
を分離した。 続いて、その固体層の上から80℃に加
熱した酢酸600gを注ぎ、濾過した。 最後に水12
0gを注ぎ、洗浄して濾過した。 固体を乾燥させてか
ら純度を測定したところ99.98質量%以上(7−F
−2−NA含有量100ppm 以下、7−M−2−NAお
よび2−NA含有量100ppm以下)で、色相は〔L 9
6,a −1.9,b0.7〕と改善されていた。
【0040】〔比較例1〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様に製造した粗製2,6−ナフタレン
ジカルボン酸を実施例1と同じ条件で接触還元した。
反応終了後、減圧濾過により回収した2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を洗浄しないまま乾燥させてから純度を
測定したところ、99.3質量%(6−F−2−NA含
有量100ppm以下、6−M−2−NAおよび2−NA
含有量7,000ppm)に止まっていた。
【0041】〔比較例2〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様に製造した粗製2,6−ナフタレン
ジカルボン酸を実施例1と同じ条件で接触還元した。
反応終了後、減圧濾過により回収した2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸に対し、その上から80℃に加熱した酢
酸100gを注ぎ、洗浄した上で濾過した。 最後に水
120gを注ぎ、濾過洗浄した。 固体を乾燥させてか
ら純度を測定したところ、99.5質量%(6−F−2
−NA含有量100ppm以下、6−M−2−NAおよび
2−NA含有量5000ppm )であった。 洗浄に使用
した熱酢酸の量が少なかったために、精製の効果が高く
得られなかった。
【0042】〔比較例3〕実施例1と同じ装置を使用
し、実施例1と同様に製造した粗製2,6−ナフタレン
ジカルボン酸を実施例1と同じ条件で接触還元した。
反応終了後、減圧濾過により回収した2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸に対し、その上から25℃に温めた酢酸
600gを注ぎ、洗浄した上で濾過した。 最後に水1
20gを注いで濾過洗浄した。 固体を乾燥させてから
純度を測定したところ、99.3質量%(6−F−2−
NA含有量100ppm 以下、6−M−2−NAおよび2
−NA含有量7,000ppm)であった。 酢酸の加熱温
度が低かったため、精製効果が低かった。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法により、ジアルキルナフタ
レンの酸化により得られる粗製ナフタレンジカルボン酸
を、水素で還元処理し、低級脂肪族カルボン酸で洗浄す
るという簡単な工程で、効果的に精製して高純度品を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 51/487 2115−4H C07C 51/487 (72)発明者 堂野前 守 神奈川県大和市中央5丁目2−26−502

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル置換基または一部酸化されたア
    ルキル置換基を有するナフタレン化合物の置換基を酸化
    することにより得た粗製のナフタレンジカルボン酸を精
    製する方法において、粗製のナフタレンジカルボン酸を
    高温高圧の下で水に溶解し、水素化触媒の存在下に水素
    を作用させる還元処理を行ない、続いて低級脂肪族カル
    ボン酸で洗浄することを特徴とするナフタレンジカルボ
    ン酸の精製法。
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