JPH09150305A - 型の高速切削加工方法とこの方法を用いた超高速ミーリング装置 - Google Patents

型の高速切削加工方法とこの方法を用いた超高速ミーリング装置

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JPH09150305A
JPH09150305A JP25141096A JP25141096A JPH09150305A JP H09150305 A JPH09150305 A JP H09150305A JP 25141096 A JP25141096 A JP 25141096A JP 25141096 A JP25141096 A JP 25141096A JP H09150305 A JPH09150305 A JP H09150305A
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speed
end mill
ball end
axis
cutting
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JP25141096A
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Takeo Nakagawa
威雄 中川
Masahiro Anzai
正博 安斎
Ichiro Takahashi
一郎 高橋
Suketaka Matsuoka
甫篁 松岡
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削工具の回転速度と送り速度を大幅に高め
ると共に、工具の送りプログラムを往復動とすることに
より、従来の種々の問題点を解決し、これにより型加工
時間を大幅に短縮することができる型の高速加工方法と
この方法を用いた超高速ミーリング装置を提供する。 【解決手段】 耐熱性工具、例えばcBNからなる単一
の小径ボールエンドミル12を5〜20万rpmの高速
で回転させ、ボールエンドミルを水平に10〜100m
/minの高速で往復動させ、かつ往復動の両端部で往
復方向に直交する方向に水平面内で所定の切込み量で横
移動させて、同一面内を同一の切込み深さで切削し、次
いで鉛直方向にボールエンドミルを所定の切込み深さで
縦送りし、これにより、単一の小径ボールエンドミルの
高速回転と高速往復動により型形状を加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型の高速切削加工
方法とこの方法を用いた超高速ミーリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多くの機械部品は、金型を使って成形さ
れており、高品質の機械部品を大量かつ安価に製造する
ためには金型は不可欠なものとなっている。一方、金型
自体の製作は、従来、長期間を要しかつ費用がかかるも
のとされていた。しかし、少量生産が一般化し、商品サ
イクルが短期化するにつれ、金型製作期間の短縮とコス
ト低減が強く要望されている。
【0003】従来、型製作は、設計,型加工,組付・仕
上げ,トライ・修正,等の順で行われる。このうち、設
計自体は、CADや成形シミュレーション等の発達によ
り、比較的短期間にできるようになっているが、現在は
型加工のためのNCプログラミングと、型加工に最も多
くの時間が費やされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】型加工の大部分はエン
ドミルによるフライス加工であるが、複雑な形状の多い
型加工では、荒加工を除いては工具径を大きくできず、
小径工具による軽切削が中心となる。そのため、送りが
小さく切削時間が長くなる問題点がある。従って、この
切削時間を短縮するには、切削工具の回転速度を高め
て、送り速度を早くすればよいが、この場合に、従来の
加工方法では、工具寿命、高速回転駆動、軸受の
耐久性、ツールホルダ、高速送り機構、NCテー
プの作成、工作機械の熱変形、工具交換による被切
削面の段差の発生、予期せぬ切込量増大による工具破
損、等の問題点があった。
【0005】すなわち、高速回転・高速送りを行う
と、工具寿命が短くなり、工具の交換頻度が増し、結果
として高速加工ができなくなる、従来の工具回転速度
は、数千rpm以下であり、これを数万rpm以上に高
める必要がある、従来のボールベアリングで、1〜5
万rpm程度までは使用できるが、それ以上の高速で
は、寿命が短く実用的には使用できない、従来のツー
ルホルダは数万rpm以上の高速回転では、遠心力によ
るツール挟持部のゆるみ(内径の拡大)や動バランスが
問題となる、高能率加工には高速送りが不可欠である
が、従来のボールスクリューでは20〜60m/min
が限界である。また、高速送りを行うと加速・減速特性
が重要となり、短時間で加速・減速させるために駆動装
置や制動装置が大型化する、現在でもNCテープの作
成には相当の時間を要しており、特に、従来の3軸制御
において、工具の送りピッチを細かくして切削するため
にNCテープの作成時間がますます増大する、高速回
転・高速送りを行うと、高速駆動軸からの発熱、加工熱
等により、特に寸法精度を重要視する金型加工の場合に
は、工作機械の熱変形が無視できなくなる、工具を交
換すると取付け誤差、工具の弾性変形、及び工具寸法の
バラツキにより、切断面に段差が生じ表面精度誤差が発
生する、従来、一般に粗加工と仕上加工に分けて加工
効率の向上を図るが、粗加工後の仕上加工時にしばしば
工具の切込量が大きくなりやすく、工具破損等を引き起
こすおそれがある、等の問題点があった。
【0006】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、切
削工具の回転速度と送り速度を大幅に高めることによ
り、上述した種々の問題点を解決し、これにより型の加
工時間を大幅に短縮することができる型の高速切削加工
方法とこの方法を用いた超高速ミーリング装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、cBN
(立方晶窒化ボロン)からなる高密度焼結切削工具が、
金型用鉄系金属材の超高速ミーリングに適しており、特
に高速域ほど工具寿命が延びる、という特異な特性を実
験から見い出した。本発明は、かかる新規の特性を積極
的に利用し、高耐熱性を有する工具材からなる1本の小
径工具を使用し、この工具を高速回転・高速送りするこ
とにより、上述した種々の問題点を解決するものであ
る。
【0008】すなわち、本発明によれば、高耐熱性を有
する工具材からなる単一の小径ボールエンドミルを5〜
20万rpmの高速で回転させ、該ボールエンドミルを
水平に10〜100m/minの高速で往復動させ、か
つ往復動の両端部で往復方向に直交する方向に水平面内
で所定の切込み量で横移動させて、同一面内を同一の切
込み深さで切削し、次いで鉛直方向にボールエンドミル
を所定の切込み深さで縦送りし、これにより、単一の小
径ボールエンドミルの高速回転と高速往復動により3次
元型形状を加工する、ことを特徴とする型の高速切削加
工方法が提供される。
【0009】上記本発明の方法によれば、高耐熱性を有
する工具材からなる単一の小径ボールエンドミルを5〜
20万rpmの高速で回転させるので、複雑形状や小さ
なR部を持つ金型を加工することができる。また、この
小径ボールエンドミルを水平に10〜100m/min
の高速で往復動させることにより、ワーク表面を高速か
つ高能率に切削することができる。更に、高速の往復動
により同一面内を同一の切込み深さで切削し、次いで鉛
直方向にボールエンドミルを所定の切込み深さで鉛直方
向に送るので、ボールエンドミルによる切込み深さを常
にほぼ一定に保持して切削するので、切削条件を最適領
域に保持することが容易であり、工具の寿命を延ばすこ
とができる。また、高速軸は往復動だけなので、NCプ
ログラムの作成が単純化され、コンピュータによりデー
タを作成しながらのリアルタイムのNC制御が可能とな
る。現在、NCプログラム作成にはかなりの長時間を要
しているので、NCプログラム作成時間の大幅な短縮は
全体として金型製作時間の削減に貢献する。更に、単一
の小径ボールエンドミルで加工することから、工具交換
による取付け誤差や工具寸法のバラツキの問題がなくな
る。また粗加工と仕上加工の区別なく、単一工具で同一
平面毎に高速で加工するので、粗加工による過大な削り
残しによる工具の切込量の急変がなく、切込み深さを一
定に保持しやすく、工具破損のおそれが少ない。また、
NCプログラムのミスによる工具切込量のバラツキによ
る工具破損も防ぐことができる。
【0010】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
同一面内での高速往復動切削の前に、該同一面内を同一
の切込み深さで外周輪郭の等高線に沿って相対的に低速
送りで切削する。この方法により、相対的に低速送りで
切削するため、NCデータに追随でき、かつプログラム
も簡単に自動でリアルタイムに生成することができる。
また、往復加工のみでは最初のパス時に溝加工となるた
め工具負荷が大きくなり高速送りが困難になるが、高速
送り前に、先ず等高線輪郭による外周加工を相対的に低
速の送りで行うことにより、その後の高速送り時の負荷
を大幅に低減できる。更に、外周輪郭の等高線に沿って
送るため、外周壁面の少なくとも周方向の表面粗さが大
幅に向上する。また、高速送り時の急速停止による行き
過ぎを回避し、工具停止位置誤差の影響をなくすことが
できる。
【0011】また、本発明によれば、高耐熱性を有する
工具材からなる単一の小径ボールエンドミルと、該ボー
ルエンドミルを5〜20万rpmの高速で回転させる高
周波モータと、高速回転するボールエンドミルを支持す
る高速軸受と、ボールエンドミルを水平面内で直交する
X軸及びY軸と鉛直なZ軸の3軸方向に移動させる3軸
駆動装置と、該3軸駆動装置を数値制御するNC制御装
置と、を備え、前記3軸駆動装置は、X軸のみが10〜
100m/minの高速で往復動できるようになってお
り、前記NC制御装置により、小径ボールエンドミルを
X軸方向に高速で往復動させ、かつ往復動の両端部でY
軸方向に所定の切込み量で横移動させて、同一面内を同
一の切込み深さで切削し、次いでZ軸方向にボールエン
ドミルを所定の切込み深さで縦送りし、これにより、単
一の小径ボールエンドミルの高速回転と高速往復動によ
り3次元型形状を加工する、ことを特徴とする超高速ミ
ーリング装置が提供される。本発明の前記X軸の高速往
復動は、通常はボールスクリューによるが、より好まし
い実施形態によれば、リニアモータ駆動による。
【0012】上記本発明の構成によれば、小径ボールエ
ンドミルの高速回転により、切込み深さを一定に保持し
て加工するので、切込み深さを小さくしても高速加工が
可能であり、負荷を小さくできることから高速軸受によ
る支持と高周波モータによる高速回転が可能となる。ま
た、単一の小径ボールエンドミルを交換せずに使用する
ため、軽量・小型のツールホルダが使用でき、遠心力に
よるツール挟持部のゆるみや動バランスの問題を回避で
きる。更に、X軸方向の往復動のみを高速にするので、
ボールエンドミルを回転駆動するヘッド部のみを軽量に
することにより、高速送りと加速・減速特性を高め、比
較的小型の駆動装置により短時間で加速・減速すること
ができる。更に、高速軸は往復動だけなので、工具の送
りピッチを細かくしても、NCプログラムの作成が単純
化され、コンピュータによりデータを作成しながらのリ
アルタイムのNC制御が可能となる。また、単一の小径
ボールエンドミルを交換せずに高速回転・高速送りを長
時間連続させるため、運転中の発熱量がほぼ一定とな
り、熱バランスが飽和してかえって安定した切削ができ
る。また、単一の小径ボールエンドミルで加工すること
から、工具交換による取付け誤差や工具寸法のバラツキ
の問題がなく、かつ粗加工と仕上加工の区別なく同一平
面毎に高速で加工するので、工具の切込量の急変がな
く、切込み深さを一定に保持しやすく、工具破損のおそ
れが少ない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の基本原理と本発明
の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1及
び図2は、本願発明者等による実験結果であり、cBN
(立方晶窒化ボロン)からなる高密度焼結切削工具によ
り金型用鉄系金属材(ワーク)を超高速でミーリング加
工した結果である。
【0014】図1は、切削速度を変化させた場合の切削
長と磨耗量との関係を示している。ミーリング加工にお
ける従来の切削速度は200〜500m/minであ
り、この試験では従来の5倍から10倍以上の速度で試
験している。この図から、1000〜3000m/mi
nの速度範囲では、切削速度が高速になるほど磨耗量が
少ない、すなわち高速域ほど工具寿命が延びる、という
特異な特性を示している。
【0015】図2は、工具(小径ボールエンドミル)の
回転速度を変化させた場合の図1と同様の図である。ミ
ーリング加工における工具回転速度は、従来、3〜40
00rpmであり、この試験では従来の5倍から20倍
の速度で試験している。この図から、3万5000rp
m以上の回転速度では図1と同様に切削速度が高速にな
るほど磨耗量が少なくなる特性を示している。
【0016】図1及び図2の結果から、上記新規の特性
を積極的に利用し、cBNからなる1本の小径工具を使
用し、この工具を高速回転・高速送りすることにより、
上述した種々の問題点を解決し、超高速ミーリングが可
能となる。cBN以外にも耐熱性コーティングを施した
工具材でも同様の特性を持たすことができる。
【0017】図3は、ミーリング加工の将来展望を示す
模式図である。金型加工におけるミーリング加工は、そ
の重要性から日々進歩しており、過去における30〜5
0m/minの切削速度から現在では約200m/mi
n前後にまで高速化されている。一方、送り(切削深
さ)は、高速化に伴いわずかに増加している。今後の技
術革新により、切削速度は近い将来には4〜500m/
min、更に将来には約1000m/min前後の超高
速ミーリングが達成される見通しである。なお、切込
(切削深さ)は精密加工の必要性からむしろ小さくなる
と考えられる。本発明は、かかる展望の基に超高速ミー
リングを達成するための1手段を提供するものである。
【0018】図4は、本発明による方法を用いた超高速
ミーリング装置の全体構成図である。この図において、
本発明の超高速ミーリング装置10は、高耐熱性を有す
る工具材からなる単一の小径ボールエンドミル12と、
ボールエンドミル12を5〜20万rpmの高速で回転
させる高周波モータ14と、高速回転するボールエンド
ミル12を支持する高速軸受16と、ボールエンドミル
12を水平面内で直交するX軸及びY軸と鉛直なZ軸の
3軸方向に移動させる3軸駆動装置18と、3軸駆動装
置18を数値制御するNC制御装置20と、を備えてい
る。鉛直なZ軸はこの図のようにテーブル面を動かす方
式と、X軸のスライド部21を上下方向に動かす方式と
がある。なおこの図で1は、ワーク(被切削材)であ
る。
【0019】ボールエンドミル12には、高密度焼結c
BNを使用する。新しい切削工具材料として登場したc
BN(立方晶窒化ボロン)は、耐熱性があり靱性が高
く、チッピング発生が少なくなっている。この高密度c
BN工具を用いた上述の試験により、ダイス鋼で100
0〜1500m/min、鋳鉄で2000〜3000m
/minの超高速ミーリングが可能である。なお、ボー
ルエンドミル12は、cBN以外の高耐熱性を有する工
具材であってもよい。例えば、通常の超硬合金母地に多
層のセラミックコーティングを施した工具、又はセラミ
ック工具を改良したものであってもよい。
【0020】ボールエンドミル12は、この図ではZ軸
を中心に回転し、高速軸受16を介して支持台に取り付
けられ、この支持台がX軸方向に高速に往復動するよう
になっている。金型の表面仕上げでは先端が2〜10m
m程度の小径のボールエンドミルが最も適している。ま
た、この小径ボールエンドミル12で上述した高速の切
削速度を実現するには、主軸の回転数は5〜20万rp
mを必要とする。この高速回転を実現するために、本発
明の装置は、高周波モータ14と高速軸受として空気軸
受16を用いている。この構成によれば、小径ボールエ
ンドミル12を高速回転させるので、一刃当たりの切込
み量は微小であり、切削抵抗が小さいことから、空気軸
受16による支持と高周波モータ14による高速回転が
可能となる。なお、高速軸受16は、空気軸受、磁気軸
受、或いはセラミックを用いた高速玉軸受であってもよ
い。
【0021】3軸駆動装置18は、X軸のみが10〜1
00m/minの高速で往復動できるようになってい
る。主軸の高速送りで急加速と急減速を実現し、しかも
正確な位置決めを実現するには、主軸の可動部の軽量化
が重要である。そのために本発明では、高速送り軸は、
3軸のうち1軸のみ(X軸のみ)にしてその他の2軸
(Y軸とZ軸)は低速送りとする。なお、図4におい
て、3軸駆動装置18はガントリー型であるが、本発明
はこれに限定されず、その他の形式の縦型或いは横型で
あってもよい。またX軸の高速往復動は、ボールスクリ
ューを使うのが一般的であるが、リニアモータ駆動によ
る、ことが好ましい。
【0022】上述した構成により、高速送りと加速・減
速特性を高め、比較的小型の駆動装置により短時間で加
速・減速することができる。また、切削抵抗が小さいこ
とから、高速送り軸(X軸)は軽量化し多少の剛性低下
があってもよい。これにより、高速加工ができるにもか
かわらず、装置を比較的軽量化し、コストを低減するこ
とができる。
【0023】図5は、本発明による型の高速切削加工方
法を模式的に示す図である。この図において、(A)は
側面断面図であり、ワーク1に対する小径ボールエンド
ミル12のX軸及びZ軸の動きを示している。また、
(B)は平面図であり、ワーク1に対する小径ボールエ
ンドミル12のX軸及びY軸の動きを示している。更に
(C)は同一平面内における小径ボールエンドミル12
の軌跡を模式的に示している。
【0024】図5に示すように、本発明の方法によれ
ば、高耐熱性を有する工具材からなる単一の小径ボール
エンドミル12を5〜20万rpmの高速で回転させ、
ボールエンドミル12を水平に10〜100m/min
の高速で往復動させ、かつ往復動の両端部で往復方向に
直交する方向に水平面内で所定の切込み量で横移動させ
て、同一面内を同一の切込み深さで切削し、次いで鉛直
方向にボールエンドミル12を所定の切込み深さで縦送
りし、これにより、単一の小径ボールエンドミルの高速
回転と高速往復動により3次元型形状を加工する。
【0025】すなわち、NC制御装置20により、単一
の小径ボールエンドミル12をX軸方向に高速で往復動
させ、かつ往復動の両端部でY軸方向に所定の切込み量
で横移動させて、同一面内を同一の切込み深さで切削
し、次いでZ軸方向にボールエンドミルを所定の切込み
深さで縦送りするようになっている。なお、切削加工に
より発生する切削屑は、粉末状となるため、真空吸引或
いはエアーブロアで容易に処理することができる。
【0026】この構成により、切削のNCデータが1軸
の往復送りで被削面を塗り潰す方式となる。これは丁
度、光造形(Laser Stereo Lithography)における光ビー
ムの走査プログラムと一致し、そのソフトウエアをその
まま活用できる。更に、金型表面の3次元CADデータ
から直ちに切削のNCデータをリアルタイムで直接得る
こともできる。従って、本発明によりNCデータを得る
時間を大幅に短縮すると共に、NCデータが増大する問
題点も克服することができる。
【0027】更に、1本の工具のみで金型全ての面を切
削するため、工具交換による誤差は生ぜず、更に工作機
械の熱変形による精度不良の問題も、ほとんど解決でき
る。また、工具は1本しか使用しなくても、金型加工に
付随する数々の穴開け加工もボールエンドミルのヘリカ
ル送りにより任意の穴加工が可能である。
【0028】図6は、本発明による型の高速切削加工方
法の別の実施形態を示す模式図である。この実施形態で
は、ワーク1の同一面内での高速往復動切削の前に、同
一面内を同一の切込み深さで外周輪郭2の等高線に沿っ
て相対的に低速送りで切削し、次いで高速で往復動切削
3を行う。その他の点では、図5と同様である。この方
法により、外周輪郭2の切削を、相対的に低速送りで切
削するため、NCデータに追随でき、かつプログラムも
簡単に自動でリアルタイムに生成することができる。ま
た、往復加工3のみでは最初のパス時に図7(A)に示
すように溝加工となるため工具負荷が大きくなり高速送
りが困難になるが、高速送り3の前に、先ず等高線輪郭
による外周加工2を相対的に低速の送りで行うことによ
り、その後の高速送り時の加工が図7(B)に示すよう
に溝加工ではなくなるため、切削負荷を大幅に低減でき
る。更に、外周輪郭2の等高線に沿って送るため、外周
壁面の少なくとも周方向の表面粗さが大幅に向上する。
また、高速送り時の急速停止による行き過ぎを回避し、
工具停止位置誤差の影響をなくすことができる。
【0029】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変更できることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】上述したように、本発明の型の高速切削
加工方法とこの方法を用いた超高速ミーリング装置は、
従来の金型加工における種々の問題点を解決し、切削工
具の回転速度と送り速度を大幅に高めることができ、こ
れにより金型加工時間を大幅に短縮して金型製作や新商
品開発のリードタイムを短縮するばかりでなく、金型コ
ストの削減と金型精度の向上に大きく貢献することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削速度を変化させた場合の切削長と磨耗量と
の関係図である。
【図2】工具の回転速度を変化させた場合の切削長と磨
耗量との関係図である。
【図3】ミーリング加工の将来展望を示す模式図であ
る。
【図4】本発明による方法を用いた超高速ミーリング装
置の全体構成図である。
【図5】本発明による型の高速切削加工方法を模式的に
示す図である。
【図6】本発明による型の高速切削加工方法の別の実施
形態を示す模式図である。
【図7】ボールエンドミルによる切削領域を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ワーク 2 外周輪郭切削 3 往復動切削 10 超高速ミーリング装置 12 小径ボールエンドミル 14 高周波モータ 16 高速軸受(空気軸受) 18 3軸駆動装置 20 NC制御装置
フロントページの続き (72)発明者 松岡 甫篁 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高耐熱性を有する工具材からなる単一の
    小径ボールエンドミルを5〜20万rpmの高速で回転
    させ、該ボールエンドミルを水平に10〜100m/m
    inの高速で往復動させ、かつ往復動の両端部で往復方
    向に直交する方向に水平面内で所定の切込み量で横移動
    させて、同一面内を同一の切込み深さで切削し、次いで
    鉛直方向にボールエンドミルを所定の切込み深さで縦送
    りし、これにより、単一の小径ボールエンドミルの高速
    回転と高速往復動により3次元型形状を加工する、こと
    を特徴とする型の高速切削加工方法。
  2. 【請求項2】 前記同一面内での高速往復動切削の前
    に、該同一面内を同一の切込み深さで外周輪郭の等高線
    に沿って相対的に低速送りで切削する、ことを特徴とす
    る請求項1に記載の型の高速切削加工方法。
  3. 【請求項3】 高耐熱性を有する工具材からなる単一の
    小径ボールエンドミルと、該ボールエンドミルを5〜2
    0万rpmの高速で回転させる高周波モータと、高速回
    転するボールエンドミルを支持する高速軸受と、ボール
    エンドミルを水平面内で直交するX軸及びY軸と鉛直な
    Z軸の3軸方向に移動させる3軸駆動装置と、該3軸駆
    動装置を数値制御するNC制御装置と、を備え、 前記3軸駆動装置は、X軸のみが10〜100m/mi
    nの高速で往復動できるようになっており、前記NC制
    御装置により、ボールエンドミルをX軸方向に高速で往
    復動させ、かつ往復動の両端部でY軸方向に所定の切込
    み量で横移動させて、同一面内を同一の切込み深さで切
    削し、次いでZ軸方向にボールエンドミルを所定の切込
    み深さで縦送りし、これにより、単一の小径ボールエン
    ドミルの高速回転と高速往復動により3次元型形状を加
    工する、ことを特徴とする超高速ミーリング装置。
  4. 【請求項4】 前記X軸の高速往復動は、リニアモータ
    駆動による、ことを特徴とする請求項3に記載の超高速
    ミーリング装置。
JP25141096A 1995-09-28 1996-09-24 型の高速切削加工方法とこの方法を用いた超高速ミーリング装置 Pending JPH09150305A (ja)

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