JPH09150143A - し尿系汚水の処理方法 - Google Patents

し尿系汚水の処理方法

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JPH09150143A
JPH09150143A JP7331189A JP33118995A JPH09150143A JP H09150143 A JPH09150143 A JP H09150143A JP 7331189 A JP7331189 A JP 7331189A JP 33118995 A JP33118995 A JP 33118995A JP H09150143 A JPH09150143 A JP H09150143A
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human waste
sewage
gas
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treatment step
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JP7331189A
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Hiroyuki Fujimura
宏幸 藤村
Takayuki Suzuki
隆幸 鈴木
Norio Yamada
紀夫 山田
Yoshiyuki Ichiki
嘉之 一木
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Ebara Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度の固形物分を有用なエネルギーに転換
して汚水処理工程に利用することができるし尿系汚水の
処理方法を提供する。 【解決手段】 し尿系汚水処理工程で発生する固形物1
7を、ガス化又はガス化燃焼19し、得られたガス24
によって電力及び/又は熱エネルギーを生産25し、生
産された電力及び/又は熱エネルギーを前記し尿系汚水
処理工程に供給することを特徴とするし尿系汚水の処理
方法としたものであり、前記エネルギーは、得られたガ
スを燃焼して回収される水蒸気によって生産するか、得
られたガスをガスタービン、ガスエンジン又はディゼル
エンジンの少なくとも一つに供給して生産でき、また前
記し尿系汚水処理工程は、活性汚泥処理工程、生物学的
硝化脱窒素工程又は嫌気性消化工程10及びアンモニア
ストリッピング工程12を適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、し尿系汚水の処理
方法に係り、特に従来では利用が困難であったし尿、浄
化槽汚泥等のし尿系汚水処理工程で発生する固形物を有
効利用するし尿系汚水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】し尿、浄化槽汚泥等のし尿系汚水は、表
1に示したように、高濃度の浮遊固形物(以下単に固形
物と略記する)、溶解性有機物、窒素、燐を含有する濃
厚廃水である。
【表1】 (注)浮遊物質は、2mmメッシュ篩を通過した試料を分析した値 〔日本環境衛生センター資料〕
【0003】し尿系汚水の処理方法としては、生物処理
が中心技術であり、硝化脱窒法を含めた好気的処理法と
嫌気性消化法とに大別される。嫌気性消化槽法は、汚水
中の有機物を嫌気性微生物の作用を利用して、主にメタ
ンと炭酸ガスに分解するものであるが、好気的処理法に
比較して、処理費用が安価なため広く利用されていた。
一方、閉鎖系水域の富栄養化防止のため、し尿系汚水の
窒素の除去が要望されているが、嫌気性消化法に窒素除
去を適用する場合は、処理費用が高額になるため、窒素
除去施設は、窒素処理費用が安価な好気的処理法が採用
されている。現在、新設あるいは改造されるし尿系汚水
処理施設では、全て窒素除去が要求されるため、嫌気性
消化法が新設されることはない。一方、最近省エネルギ
ー、省資源の気運が高まっているなかで、処理に要する
エネルギーの少ない嫌気性消化法が見直されている。
【0004】嫌気性消化法は、比較的高分子の有機物を
酸生成菌によって低分子の有機酸等に分解し、そののち
更にメタン菌によってメタン化(ガス化)して、水中か
ら放散せしめるものである。嫌気性消化法の最大の問題
点は、し尿系汚水中に高濃度に含有される固形物の大部
分が、難生物分解性のトイレットペーパー系セルロー
ス、菌体であるため、その分解率が極めて低く、エネル
ギー源として利用が容易なガスに転換できないことにあ
る。し尿系汚水は、表1に示されるように、高濃度の窒
素を含有するが、廃水中の窒素は、閉鎖系水域において
多大な被害を発生する富栄養化現象(赤潮、青潮)の原
因であるため、そのような地域では廃水からの窒素除去
が要求されており、一部では窒素類除去機能を有する廃
水処理施設が建設されている。
【0005】窒素除去法として、日本では生物学的硝化
脱窒法が広く採用されている。一方、他の有力な窒素処
理方法であるアンモニアストリッピング法は、生物学的
硝化脱窒法に比較して装置が簡単で、しかも、極めて短
時間でアンモニアを水中から分離除去できるという特長
を有するが、実際にはほとんど実用化されていない。こ
れは、生物学的硝化脱窒法は、アンモニアを最終的に無
害な窒素と水に分解するのに対し、アンモニアストリッ
ピング法は水中から放散したアンモニアをさらに分解し
なければならず、また、アンモニアをストリッピングす
るための水温の保持(水温は高温100℃に近いほど容
易にストリッピングできる)に多大な費用を要するから
である。一方、現在アンモニアストリッピングに比較し
て経済的に優位な生物学的硝化脱窒法においても、有価
の工業薬品であるメタノールが大量に必要であり、ま
た、処理が比較的難しい余剰汚泥の発生量が、嫌気性消
化法に比べて多いことが問題である。
【0006】人間のし尿、家畜の***物は、高濃度の有
機物と窒素が含有されている。このような廃水は嫌気性
消化法で処理する方が、好気的処理法(例えば活性汚泥
処理法)よりもエネルギー的に経済的である。しかしな
がら、嫌気性消化法では脱窒に必要な有機物(BOD
源)の大部分がメタン化するため、消化脱離液(消化後
の液から固形分を除去した液)は、脱窒に必要な有機物
が不足し、生物学的硝化脱窒法は経済的に無理である。
消化脱離液の脱窒方法としては、その性状からアンモニ
アストリッピング法が適しているが、前記したような経
済的な問題点によりほとんど実用化されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、高濃度の固形物分を有用なエネルギーに転
換して汚水処理工程に利用することができるし尿系汚水
の処理方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、し尿系汚水処理工程で発生する固形物
を、ガス化又はガス化燃焼し、得られたガスによって電
力及び/又は熱エネルギーを生産し、生産された電力及
び/又は熱エネルギーを前記し尿系汚水処理工程に供給
することを特徴とするし尿系汚水の処理方法としたもの
である。前記方法において、エネルギーは、得られたガ
スを燃焼して回収される水蒸気によって生産するか、得
られたガスをガスタービン、ガスエンジン又はディゼル
エンジンの少なくとも一つに供給して生産することがで
きる。また、前記し尿系汚水処理工程は、活性汚泥処理
工程、生物学的硝化脱窒素工程、又は嫌気性消化工程及
びアンモニアストリッピング工程のいずれかを適用する
ことができる。前記生産された電力は、オゾン発生機に
供給して発生するオゾンを前記し尿系汚水処理工程に用
いることができる。
【0009】また、本発明では、し尿系汚水処理工程で
発生する固形物を、ガス化又はガス化燃焼し、得られた
ガスをメタノール等の還元剤に変換して脱窒に利用する
ことを特徴とするし尿系汚水の処理方法とすることもで
きる。前記し尿系汚水処理工程で発生する固形物は、他
の有機性廃棄物を添加して混合して、ガス化又はガス化
燃焼に供給することができる。さらに、本発明では、し
尿系汚水処理工程で発生する固形物を、ガス化又はガス
化燃焼し、得られたガスによって電力及び/又は熱エネ
ルギーを生産すると共に、該工程から排出する排ガス
を、し尿系汚水から分離したアンモニアを用いて脱硝、
脱硫処理することを特徴とするし尿系汚水の処理方法と
したものである。本発明の処理方法において、生産した
電力エネルギーは、例えば、ブロア、モータ等の付帯す
る電動装置の稼動エネルギーとして、また、熱エネルギ
ーはし尿系汚水処理工程の加熱、保温に用いることがで
きる。例えば熱ストリッピング用の水蒸気等としてフィ
ードすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明を図面を用いて詳細に
説明する。図1は、本発明の処理方法の一例を示す工程
図である。図1において、し尿系汚水1は、前処理工程
(スクリーン等)2で夾雑物(紙片、ビニール片等の粗
大な固形物)3が除去されたのちに、燐の凝集剤として
塩化第2鉄のような無機凝集剤4、さらに微細な固形物
を除去するためのポリマー(有機性高分子凝集剤)5が
添加されて凝集処理され、凝集処理が行われたのちに濃
縮工程6で濃縮分離され、分離汚泥16はベルトプレ
ス、フィルタープレス、遠心脱水機等の脱水機7で脱水
分離される。
【0011】無機凝集剤4の添加量は、し尿系汚水1の
濃度によって異なり、例えば、塩化第2鉄を利用する場
合は1500〜7000ppm程度となるが、実施に当
たっては、予め使用する無機凝集剤及びポリマーを用い
て凝集試験を行い必要添加量を確認しておくとよい。無
機凝集剤として塩化第2鉄の他消石灰、ポリ硫酸鉄又は
硫酸バンドのようなアルミニウム系凝集剤が効果的であ
り、また、ポリマーはカチオン系、ノニオン系が有効で
ある。し尿系汚水1中の燐を除去しない場合には、無機
凝集剤4の注入を省略することもできる。し尿系汚水1
にポリマー5を添加して、微細な固形物まで除去するこ
とによって、ガス化炉19への固形物供給量を増加して
ガス発生量を増加する他、し尿系汚水1の処理における
固形物によるトラブルを回避することができる。
【0012】分離水8は、貯留槽9を経由して、嫌気性
消化工程10に導入され、主に易分解性の溶解性有機物
がメタン、炭酸ガス等のバイオガス11に分解されたの
ちにアンモニア分離工程12に導入され、アンモニアス
トリッピング法によって液中からアンモニア13が分離
され、さらに、残留有機物、残留窒素等を処理するため
に、必要度に応じて活性汚泥処理、生物学的硝化脱窒処
理、凝集処理、オゾン処理、膜処理、さらには、活性炭
処理等の公知の処理技術を単独あるいは組み合わせた処
理工程14によって処理され、処理水15が放流され
る。前処理工程2で発生した夾雑物3は、スクリュープ
レス脱水機等の脱水機15で脱水され、また、凝集汚泥
16はベルトプレス脱水機等の脱水機7で脱水されたの
ち、一緒になった脱水ケーキ17はホッパー18経由し
て、ガス化炉19に導入される。後処理工程14で凝集
汚泥等の汚泥が発生する場合には、図示しないが濃縮工
程6に導入すれば容易に処理することができる。脱水ケ
ーキは、必要に応じて乾燥してからガス化炉19に供給
してもよい。
【0013】ガス化炉19のガス製造法として次の二法
が選択される。 (1)ガス化 ガス化炉温度700〜1100℃で加熱する方法であ
り、低カロリー(1000〜1500kcal/N
3 )あるいは中カロリー(2500〜4500kca
l/Nm3 )のガスが生産できる。空気、酸素、水蒸気
等のガス化剤20の少なくとも一つを選択して炉底から
注入する。 (2)ガス化燃焼 ガス化炉温度400〜850℃でガスを生産する方法で
あり、ガス化(1)と同様のカロリーのガスが得られる
が、低温のため比較的タール、炭化物が多くなる。本法
も空気、酸素、水蒸気等のガス化剤20の少なくとも一
つを選択して炉底から注入する。
【0014】ガス化炉19で生産された水素、一酸化炭
素、水蒸気、タール、炭化物等を含有する混合ガス21
は、溶融炉22に導入され、酸素(空気)供給条件下で
1300℃程度の高温で高速酸化され、混合ガス21中
の灰分は、高温下で溶融してスラグ23として排出され
る。バイオガス11は、混合ガス21とともに溶融炉2
2のエネルギー源とすることができる。高温の排ガス2
4中の熱エネルギーは、エネルギー回収工程25の廃熱
ボイラーによって蒸気として回収する他、ガスエンジ
ン、ディゼルエンジン、ガスタービン等の各種のエネル
ギー回収装置が単独あるいは組み合わせて利用すること
ができる。
【0015】エネルギー回収工程25からの排ガス26
は、ガス処理工程27において、電気集塵機、バグフィ
ルター、スクラバー、脱硫、脱硝装置等のガス処理装置
を、ガス性状、排出規制値に応じて単独あるいは組み合
わせて適宜利用することができる。ガス処理工程27に
おいて、触媒、無触媒脱硝あるいは電子線を利用した脱
硫・脱硝等のアンモニアを必要とする処理技術を適用す
る場合は、アンモニア分離工程12からのアンモニア1
3を利用すると経済的である。このような脱硫、脱硝に
アンモニア13を利用しても、さらに量的な余裕がある
場合には、例えば、硫酸にアンモニア13を吸収させ
て、硫安等の肥料を製造することができる。処理ガス2
8は大気中に放散される。
【0016】本発明の嫌気性消化工程10は、二相消化
(2槽利用)の他、単一槽消化、UASB(上向流嫌気
性汚泥床)法等の公知の方法を利用することができる。
嫌気性消化工程10の水温は、38〜40℃の中温発酵
が望ましいが、高温(60℃)及び低温発酵でもバイオ
ガス11を生産することができる。処理日数は二相消化
で15日〜30日が目安となる。嫌気性消化工程10で
沈殿した消化汚泥は図示しないが適宜濃縮工程6に導入
すればよい。溶存アンモニアは、嫌気性条件下では変化
を受けずに、アンモニア分離工程12に導入される。ア
ンモニア分離法の従来の代表的方法は、アンモニアスト
リッピング法(スチームストリッピング法、エアストリ
ッピング法、減圧蒸留法等)であり、アンモニアは水蒸
気とともに気相中に移動せしめられる。気相中のアンモ
ニア13は、直接ガス処理工程27に導入してもよい
が、蒸気とともに低温で凝縮してアンモニア水として利
用してもよい。
【0017】ガス処理工程27に注入するアンモニアの
濃度、量は、排ガスのSOx、NOx濃度、量によって
異なるので、それらの濃度を検出して自動的に注入量を
調節可能なようにしておくことが望ましい。高濃度のア
ンモニア水が必要な場合には、アンモニア分離工程12
に、溶剤等の精製に利用される従来の還流機能が配備さ
れた、精留塔あるいはアンモニアストリッピングと凝縮
を繰り返して行う(2段あるいは3段濃縮)濃縮装置を
利用して、高濃度アンモニア水を得ればよい。本発明
は、し尿系汚水1を主体とする処理方法であるが、農村
集落排水処理施設等の小規模下水処理施設の汚泥、食品
廃水、畜産廃水等の他廃水30の処理も、し尿系汚水1
と併せて処理することもできる。また、脱水ケーキ17
とともに他の有機性廃棄物31、例えば、一般廃棄物
(紙、プラスチック、厨芥等を含有)及びその固形化し
たもの、他施設の脱水ケーキ、木材などの建設廃棄物、
廃タイヤ等もガス化の対象とすることができる。また、
混合ガス21量を増加するため石炭等の有価の有機物を
供給することもできる。
【0018】本発明では、表1に示したように、し尿系
汚水中に豊富に含まれる窒素を肥料として、あるいはア
ンモニアを脱硫、脱硝剤として有効利用することができ
る。また、ガス化炉19の未ガス化物及びガス化炉19
以降で補足、排出される灰分には燐が含有されているの
で、これを捕集して燐肥料とすることができる。エネル
ギー回収工程25においては、溶融炉22の排ガス24
のエネルギー回収方法として、廃熱ボイラーによる蒸気
回収が推奨される。回収蒸気をアンモニア分離工程12
の加温、ガス化剤20、発電機(スチームタービン式)
等多目的に利用することができる。また、廃熱ボイラー
を経由したガスには、まだ十分のエネルギー(熱、可燃
分)が保有されている場合には、エネルギー回収工程2
5において、次に列記するような方法を実施することが
できる。
【0019】(1)廃熱ボイラー経由したガスを、セラ
ミックフィルター等で除塵装置で除去したのちにガスタ
ービンに供給し、電力を発生したのちに、さらに後続す
る廃熱ボイラーでスチームを回収して、大気放出する。
二つの廃熱ボイラーからのスチームをスチームタービン
に供給して電力を発生する。この方法は高圧(20〜4
0atm)で低カロリーのガスに適している。 (2)廃熱ボイラー経由したガスを、スクラバー等のガ
ス洗浄装置で処理したのちに、ガスエンジンあるいはデ
ィゼルエンジンに供給し、電力を発生したのちに、さら
に、後段に設置した廃熱ボイラーで蒸気を回収したの
ち、大気放出する。二つの廃熱ボイラー経由した蒸気
は、スチームタービンに供給されて電力を発生する。 この方法は、常圧で可燃ガスが残留している低カロリー
あるいは中カロリーのガスに適している。
【0020】次に、分離水8の処理に、活性汚泥による
硝化脱窒法を適用した場合の本発明の他の処理方法につ
いて、図2に基づいて説明する。分離水8は、返送汚泥
40、循環硝化液41とともに、嫌気的条件下にある第
一脱窒槽42に流入し、循環硝化液41中の硝酸は活性
汚泥中の脱窒菌によって窒素ガスに還元分解(脱窒)さ
れる。第一脱窒槽42では、分離水8中のBOD物質が
脱窒の還元剤として作用するが、不足の場合には外部か
らメタノール46などの有機工業薬品添加して、還元剤
となる物質の量を補えばよい。第一脱窒槽42の活性汚
泥混合液は、次に好気的条件下にある硝化槽43に導入
され、液中のアンモニアは活性汚泥中の硝化菌によって
硝酸に酸化されたのちに、大部分は第一脱窒槽42に循
環され、残部は嫌気的条件下にある第二脱窒槽44流入
し、硝酸が脱窒されたのちに、好気的条件下にある再曝
気槽45に導入される。
【0021】好気的条件の硝化槽43では、液中の還元
物質が酸化分解され、第二脱窒槽44には流入しないた
め、脱窒用の還元剤としてメタノール46等の添加が必
要となる。次に、活性汚泥混合液は再曝気槽45で残留
するメタノールが酸化分解されたのち、沈殿槽47に導
入され、固液分離される。分離水48は図1に示した後
処理工程14に導入される。活性汚泥混合液の固液分離
は沈殿槽47の他、膜分離装置、遠心分離機などの公知
の固液分離装置が利用できる。固液分離された活性汚泥
の一部40は、第一脱窒槽42返送され、残部は余剰汚
泥49として図1の濃縮工程6に移送される。
【0022】なお、添加したメタノール46は、混合ガ
ス21中の一酸化炭素、水素から合成工程50で合成し
たものを利用したが、従来使用していた市販工業用メタ
ノールと同等の効果が得られ、脱窒処理費用を大幅に削
減することができた。また、本実施例のような硝化脱窒
法では、硝化槽43のブロワー(アンモニアの酸化に要
する酸素を供給する)、分離水8の供給ポンプ、硝化液
循環ポンプ、返送汚泥40のポンプなどの電動機械を稼
動するために多量の電力が必要であったが、ガス化炉の
ガスで発電した電力によって、それらの電動機械を駆動
することができた。
【0023】次に、分離水8の処理に図2の装置の返送
汚泥40の一部をバイパスして、オゾン処理した他の処
理方法を、図3に基づいて説明する。図3は、返送汚泥
40の一部をバイパスしてオゾン接触塔51に導入して
いる点、市販のメタノール46を利用している点が図2
と異なる。図3において、分離水8の量は50m2
日、分離水8の水質はBOD1550mg/リットル、
NH3 −N800mg/リットル、硝化槽43の水温は
28℃、活性汚泥濃度は2550mg/リットル、返送
汚泥40の濃度は5900mg/リットルである。沈殿
槽47からの返送汚泥40の約20%を、バイパスライ
ン55を経由してオゾン接触塔51に導入し、オゾン5
2を100ppm注入してオゾン処理したのち、中継槽
52で残留オゾンが消失するまで滞留せしめてから、返
送汚泥40と混合した。この結果、メタノール46の注
入量を10%、余剰汚泥49の発生量を約15%減少す
ることができた。
【0024】オゾン53は殺菌作用が強いので、バイパ
ス量を多くする場合、あるいは返送汚泥40に直接オゾ
ン53を添加する場合は、活性汚泥に悪影響を及ぼさな
いように極微量のオゾンを添加し、状況を経時的に把握
しながら添加濃度を上昇していく必要がある。メタノー
ル46注入量、余剰汚泥49発生量が減少したのは、オ
ゾン53によって活性汚泥菌体の表面の菌体外ポリマー
が生物資化性の低分子物質に分解されて水中に溶脱した
こと、及び低分子物質が脱窒の還元剤として有効に作用
したためであると予想される。オゾン発生機54に要し
た電力は、図1のエネルギー回収工程25に適用した廃
熱ボイラーのスチームを利用した発電機から供給した。
【0025】次に、し尿系汚水1を従来の活性汚泥処理
法で処理し、ガス化炉にはし尿系汚水1処理で発生する
固形物の他、紙、プラスチック、厨芥を主成分とする一
般廃棄物を供給した。また、し尿系汚水1へは図1の凝
集剤4、5の添加は行わず、し尿系汚水1を1mm目の
ロータリースクリーンでろ過したのち、貯留槽9を経由
して活性汚泥曝気槽に投入した。この処理方法につい
て、図4に基づいて説明する。し尿系汚水1は、ロータ
リースクリーン60で夾雑物3が分離され、分離水61
は貯留槽6を経由して返送汚泥62とともに、好気的条
件下にある曝気槽63に導入される。曝気槽63でBO
D成分が除去されたのちに、沈殿槽64で活性汚泥が分
離され、分離汚泥の一部は返送汚泥62として曝気槽6
3に返送され、残部は余剰汚泥66として脱水工程67
で夾雑物3とともに脱水される。一般廃棄物68ととも
にガス化炉19に供給される。
【0026】沈殿槽64の分離水65は、BOD成分は
処理されているが、窒素、燐は活性汚泥処理では除去で
きないため、高濃度に含有している。従って、分離水6
5は水系には放流せず、液肥として利用することが望ま
しい。ガス化炉19の混合ガスは、図1に示したフロー
で燃焼し、し尿系汚水1処理に要した電力は、全てエネ
ルギー回収工程25に適用した発電機(ガスエンジン
式)から供給した。し尿系汚水1の処理方法として、以
上の4つで実施した方法以外に、開示されている各種の
方法、変法のいずれも本発明のし尿処理工程に適用する
ことができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。 (1)し尿系汚水処理工程から発生する、従来ではエネ
ルギー化が困難とされていた固形物(汚泥)を、ガス化
することによって発電が経済的、かつ容易になったた
め、し尿系汚水処理に必須のエネルギーであった電力を
内部生産できる。 (2)閉鎖系水域の富栄養化の原因物質である窒素を、
水中から分離するアンモニアストリッピング法に必要な
熱源を経済的に得ることができる。このアンモニアをガ
ス燃焼排ガスの処理あるいは窒素肥料の製造に利用でき
る。 (3)従来のし尿系汚水処理施設の汚泥処理・処分機械
である乾燥機、焼却炉が不要になったため、建設費用が
低減する。また、汚泥処理・処分が短時間で行うことが
できるため、建設用地も従来より削減可能となる。
【0028】(4)生物学的硝化脱窒に要求される脱窒
の還元剤を、し尿処理施設内のガス化炉からのガスで合
成、供給できるので、経済的な硝化脱窒処理ができる。 (5)ガス化炉によって有機性固形物(汚泥)をガス化
できるので、その残さは燐含有率が極めて高い高品質の
燐肥料として提供することができる。 (6)し尿系汚水処理施設内でし尿系汚水(液体廃棄
物)以外の有機性廃棄物の処理が可能になり、かつ処理
に伴って生成するガスのエネルギーをし尿系汚水の処理
に利用できるので、し尿系汚水処理費用を著しく低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法の一例を示す全体工程図。
【図2】本発明の処理方法の他の例を示す部分工程図。
【図3】本発明の処理方法の他の例を示す部分工程図。
【図4】本発明の処理方法の他の例を示す部分工程図。
【符号の説明】
1:し尿系汚水、2:前処理工程、3:夾雑物、4:無
機凝集剤、5:高分子凝集剤、6:濃縮工程、7:脱水
機、8:分離水、9:貯留槽、10:嫌気性消化工程、
11:バイオガス、12:アンモニア分離工程、13:
アンモニア、14:後処理工程、15:処理水、16:
凝集汚泥、17:脱水ケーキ、18:ホッパー、19:
ガス化炉、20:ガス化剤、21:混合ガス、22:溶
融炉、23:スラグ、24:排ガス、25:エネルギー
回収工程、27:ガス処理工程、30:他廃水、31:
有機性廃棄物、40:返送汚泥、41:循環硝化液、4
2:第1脱窒槽、43:硝化槽、44:第2脱窒槽、4
5:再曝気槽、46:メタノール、47:沈殿槽、5
1:オゾン接触塔、52:中継槽、54:オゾン発生
機、60:ロータリースクリーン、61:分離水、6
2:返送汚泥、63:曝気槽、64:沈殿槽、66:余
剰汚泥、69:脱水工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一木 嘉之 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 し尿系汚水処理工程で発生する固形物
    を、ガス化又はガス化燃焼し、得られたガスによって電
    力及び/又は熱エネルギーを生産し、生産された電力及
    び/又は熱エネルギーを前記し尿系汚水処理工程に供給
    することを特徴とするし尿系汚水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記エネルギーが、得られたガスを燃焼
    して回収される水蒸気によって生産されることを特徴と
    する請求項1記載のし尿系汚水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記エネルギーが、得られたガスをガス
    タービン、ガスエンジン又はディゼルエンジンの少なく
    とも一つに供給して生産されることを特徴とする請求項
    1記載のし尿系汚水の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記し尿系汚水処理工程が、活性汚泥処
    理工程を含むことを特徴とする請求項1、2又は3記載
    のし尿系汚水の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記し尿系汚水処理工程が、生物学的硝
    化脱窒素工程を含むことを特徴とする請求項1、2又は
    3記載のし尿系汚水の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記し尿系汚水処理工程が、嫌気性消化
    工程及びアンモニアストリッピング工程を適用したもの
    であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のし尿
    系汚水の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記生産された電力は、オゾン発生機に
    供給して発生するオゾンを前記し尿系汚水処理工程に用
    いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載
    のし尿系汚水の処理方法。
  8. 【請求項8】 し尿系汚水処理工程で発生する固形物
    を、ガス化又はガス化燃焼し、得られたガスをメタノー
    ル等の還元剤に変換して脱窒に利用することを特徴とす
    るし尿系汚水の処理方法。
  9. 【請求項9】 前記し尿系汚水処理工程で発生する固形
    物は、他の有機性廃棄物を添加して燃焼に用いることを
    特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のし尿系汚
    水の処理方法。
  10. 【請求項10】 し尿系汚水処理工程で発生する固形物
    を、ガス化又はガス化燃焼し、得られたガスによって電
    力及び/又は熱エネルギーを生産すると共に、該工程か
    ら排出する排ガスを、し尿系汚水から分離したアンモニ
    アを用いて脱硝、脱硫処理することを特徴とするし尿系
    汚水の処理方法。
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