JPH09143322A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物

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JPH09143322A
JPH09143322A JP30926295A JP30926295A JPH09143322A JP H09143322 A JPH09143322 A JP H09143322A JP 30926295 A JP30926295 A JP 30926295A JP 30926295 A JP30926295 A JP 30926295A JP H09143322 A JPH09143322 A JP H09143322A
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JP
Japan
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molecular weight
styrene
styrene polymer
chemical resistance
resin composition
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Withdrawn
Application number
JP30926295A
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English (en)
Inventor
Hisami Tanda
久美 反田
Teruo Arai
輝夫 新井
Atsushi Shichizawa
淳 七澤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性と機械的強度及び成形性のバランス
に優れたスチレン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 成形体において、分子量が200万以上
のスチレン重合体の含有量(x/wt%)と分子量が3
00万以上のスチレン重合体の含有量(y/wt%)
が、0.8≦x≦3.0かつ0≦y≦0.54xの範囲
にあり、分子量が5万以下のスチレン重合体が3.0〜
12.0wt%、かつGPCにより求めた分子量分布曲
線において、ピークトップの分子量が20万〜35万で
あり、重量平均分子量が20万〜50万であるスチレン
系樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系樹脂組
成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、成
形性と機械的強度及び耐薬品性のバランスに優れたスチ
レン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は安価で、透明性、成形
性、剛性に優れた樹脂であることから、家庭用品、電気
製品、包材等の成形材料として広く用いられてきた。近
年、射出成形用途分野において、AS樹脂の代替として
注目されている。AS樹脂は耐薬品性に優れる特徴を生
かし、冷蔵庫庫内部品等に利用されてきた。スチレン系
樹脂の耐薬品性をAS樹脂に並ぶべく向上させる目的
で、スチレン系樹脂の平均分子量を高くすると、耐薬品
性を向上することができる。しかし、平均分子量が高く
なるにつれて成形性が低下する。また成形性を改良する
ためミネラルオイル等の可塑剤を添加すると、剛性が低
下し、しかも、射出成型時に金型内に可塑剤に起因する
付着物が発生し、成形体表面の外観を著しく低下させ、
また耐薬品性を低下させる場合もあった。このように耐
薬品性と成形性を同時に満足することは極めて困難であ
った。
【0003】ところで、耐薬品性という観点とは別に、
機械的強度と成形性のバランスを改良する方法として、
特開昭55−164207号公報に示されるように、低
分子量成分と高分子量成分の含有量をそれぞれ高め、分
子量分布を調整する方法や、特開昭58−107912
号公報に示されるように、極少量の超高分子量成分を含
有させる方法が知られている。これら技術に基づけば、
機械的強度と成形性のバランスは改善されるものの、耐
薬品性についてはなんら開示されていない。むしろ耐薬
品性は、低分子量成分の影響を大きく受けるため、低分
子量成分の比率を高めることは耐薬品性を低下させる。
一方、耐薬品性を向上するに十分な量の超高分子量を含
有させると、低分子量をある程度含有しないと、成形性
は著しく低下する。
【0004】一方、ラジカル重合によって得られたスチ
レン重合体と、アニオン重合によって得られたスチレン
重合体を混合して得られる成形材料については、特開平
4−226142号公報に開示されている。この技術に
基づけば、ラジカル重合で得られたスチレン重合体に分
子量分布の狭い低分子量成分を混合させることにより、
機械的強度を低下させることなく、流動性を改良するこ
とができる。しかし耐薬品性についてはなんら開示され
ておらず、また耐薬品性は低分子量成分の影響を大きく
受けるため、低分子量成分を混合することは耐薬品性を
低下させる。
【0005】このように、耐薬品性と成形性のバランス
を満足するには至っていない。更に、上記技術では、分
子量の大きく異なる重合体を混合する方法については、
特に開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形性と機
械的強度及び耐薬品性のバランスに優れたスチレン系樹
脂組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形体におい
て、分子量が200万以上のスチレン重合体の含有量
(x/wt%)と分子量が300万以上のスチレン重合
体の含有量(y/wt%)が、0.8≦x≦3.0かつ
0≦y≦0.54x(式1)の範囲にあり、分子量が5
万以下のスチレン重合体が3.0〜12.0wt%、か
つGPCにより求めた分子量分布曲線において、ピーク
トップの分子量が20万〜35万であり、重量平均分子
量が20万〜50万である樹脂組成物である。更にスチ
レン系樹脂組成物中の残存オリゴマーを5000ppm
以下にすることにより、耐薬品性が改善されるので好ま
しい。
【0008】更に、低分子量を適当量含有したスチレン
重合体と超高分子量スチレン重合体を混合する場合に、
溶液または融液状態での粘度比を特定の範囲内にするこ
とによって、均一な組成物が容易に得られるので好まし
い。以下本発明を詳細に説明する。超高分子量スチレン
重合体の存在自体は公知である。分子量分布(MWD)
の狭い超高分子量スチレン重合体はアニオン重合法によ
り、ある程度広いMWDを許容する場合は乳化重合法に
より、重量平均分子量(Mw)100万〜300万のス
チレン重合体を合成できる。
【0009】しかしながら、工業的に有用な材料として
考えた場合、成形加工しやすいか否かが、極めて重要で
ある。かかる観点から、特定のMWDを有するスチレン
重合体のみが耐薬品性と成形性を共に満足することを見
出した。本発明では、成形後の樹脂のピークトップ分子
量及び特定分子量含有量を定めている。これは超高分子
量成分は、熱履歴や機械的剪断力により分子量が低下す
る場合があり、耐薬品性及び機械的強度は成形後の超高
分子量含有量に大きく依存するためである。一方、成形
性は成形前の分子量に依存するが、成形性に有利となる
低分子量の含有量は成形の前後で大きく変わらない。従
って、成形後の分子量を規定することにより、成形性と
耐薬品性及び機械的強度のバランスに優れた樹脂を表す
ことができる。
【0010】本発明のスチレン系樹脂組成物のピークト
ップ分子量は、20万〜35万である。ピークトップ分
子量が20万より低いと、超高分子量を適当量含有して
いても耐薬品性及び機械的強度はほとんど向上しない。
また35万を越える場合は、超高分子量を適量含有した
場合、著しく成形性が低下し、実用的でない。本発明の
スチレン系樹脂組成物の分子量200万以上及び分子量
300万以上の超高分子量成分の含有量は、(式1)の
範囲であることが必要である。分子量200万以上の成
分が0.8wt%未満の場合は、耐薬品性は低分子量含
有量の影響を大きく受け、超高分子量による向上効果が
発現しにくい。また分子量200万以上の成分が3wt
%を越えると流動性が著しく低下する。分子量300万
以上の成分含有量(y/wt%)は、分子量200万以
上の成分含有量(x/wt%)とのバランスを考慮し
て、0≦y≦0.54xの範囲にある。y>0.54x
の場合は、メイン成分と超高分子量成分の流動性の差が
大きいためか、期待されるほどの耐薬品性及び機械的強
度の向上効果が得られない。より好ましくは、0≦y≦
0.32x+0.016の範囲である。
【0011】もとより成形性の観点からは、分子量20
0万以上300万以下の成分が多い程、同時に分子量3
00万以上の成分が少ないほどバランスがとりやすい。
しかしながら、かかる組成物を得るにはアニオン重合に
よって得られたMwが高く、かつMWDの狭いスチレン
重合体を多く用いなければならず、経済的に不利であ
る。言い換えるならば、ラジカル重合によって得られる
メイン成分となるスチレン重合体側に、ある程度分子量
の大きい成分が予め含有されていると好ましい。分子量
5万以下の成分の含有量は、3.0〜12.0の範囲で
ある。より好ましくは、5.0〜8.0wt%である。
【0012】分子量5万以下の成分は成形性にはよい影
響を与えるが、耐薬品性を低下させる。分子量5万以下
の成分が12wt%を越えると、超高分子量成分による
耐薬品性の向上効果を相殺してしまうことがあり、好ま
しくない。一方、3.0wt%未満の場合は、耐薬品性
及び機械的強度を向上させるに十分な超高分子量成分を
含有させた場合、成形性が不十分となる。全体のMwは
20万〜50万の範囲である。Mwが20万未満の場合
は、超高分子量を含有していても耐薬品性はほとんど向
上しない。また50万を越える場合は、著しく成形性が
低下する。
【0013】本発明のスチレン系樹脂組成物は、残留オ
リゴマーの濃度が5000ppm以下であることが望ま
しい。残留オリゴマー量が5000ppmを越えると、
成形性には有利であるが、耐薬品性が低下する。本発明
のスチレン系樹脂組成物は、アニオン重合もしくはラジ
カル重合によって得られた超高分子量スチレン重合体と
ラジカル重合によって得られたMwが20万〜35万に
あるスチレン重合体を混合することにより得られるもの
である。ラジカル重合単独で0.8≦x≦3.0かつ0
≦y≦0.54xの範囲を満足することも可能である
が、その場合、一般にラジカル重合により得られる高分
子のMWDを考慮すると、ピークトップ分子量が本発明
の範囲を逸脱する。混合する超高分子量は成形性の観点
から、200万以上の成分が多ければ、300万以上の
成分が少ない程バランスがとりやすい。即ち、ラジカル
重合によって得られたMwが20万〜35万にあるスチ
レン重合体(RPS)とアニオン重合によって得られた
Mwが100万〜300万にあり、分子量分布が1.0
〜2.0であるスチレン重合体(APS)をRPS/A
PS=99/1〜70/30の範囲で混合することによ
って得られるものである。
【0014】本発明におけるRPSの重量平均分子量
(Mw)は成形方法、成形体の使用目的等を考慮して、
20万〜35万であることが必要である。Mwが20万
未満の場合には、超高分子量を適当量含有していても耐
薬品性はほとんど向上しない。また35万を越える場合
は、APSを適当量含有した場合、著しく成形性が低下
し、実用的でない。また本発明におけるAPSは、耐薬
品性及び機械的強度を向上させる観点から、Mwが10
0万〜300万、MWDが1.0〜2.0の範囲にある
ことが必要である。Mwが100万未満の場合は、耐薬
品性及び機械的強度の向上効果が発現しにくい。一方、
300万を越える場合は、RPSとAPSの流動性の差
が大きいためか、期待されるほどの耐薬品性及び機械的
強度の向上効果が得られない。APSの全体に占める割
合は耐薬品性と機械的強度及び成形性のバランスを考慮
して、1〜30wt%の間に設定される。APSが1w
t%未満の場合は、耐薬品性は低分子量含有量の影響を
大きく受け、超高分子量による向上効果が発現しにく
い。また30wt%を越えると、流動性が著しく低下す
る。もとより成形性の観点からは、Mwが高く、かつM
WDの狭いAPSを多く用いると有利であるが、これは
経済的に不利である。言い換えるならば、RPS側に、
ある程度分子量の大きい成分が予め含有されていると好
ましい。
【0015】本発明におけるRPSには、スチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の単独または
混合物を重合したもの、あるいはスチレンと共重合可能
なアクリロニトリル、アクリル酸エステルなどを少量共
重合したものが含まれる。また、本発明におけるRPS
のラジカル重合方法としては、通常のスチレン重合体の
製造に用いられる塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化
重合等を用いることができる。また、熱重合法または開
始剤による重合法のいずれをも使用できるが、好ましく
は開始剤による重合法がよい。熱重合法では得られたス
チレン重合体に多量のオリゴマーが含まれる場合があ
り、耐薬品性が損なわれることがある。重合開始剤とし
ては種々のラジカル重合開始剤を使用することができ
る。原料スチレン単量体に所望に応じ開始剤及び溶媒そ
の他必要な添加剤を加えた混合物を、反応容器に導入
し、必要に応じて加圧しながら加熱することによって行
うことができる。分子量及びMWDの制御に関しては、
当業者公知の方法を適宜用いることで可能であり、特に
高分子量成分の付与の目的では多官能開始剤、例えば、
2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキ
シシクロヘキシル)プロパンあるいは下式の構造を有す
る開始剤等を用いることが好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】(ただし、nは5〜20である。) 最終転化率については、特に限定されるものではない
が、工業的な見地から、50%以上であることが望まし
い。このようにして得られた重合溶液は、次いで未反応
単量体や溶媒を除去することにより、目的とするスチレ
ン重合体を分離することができる。
【0019】本発明におけるAPSのアニオン重合方法
としては、回分式、連続式のいずれを用いることもでき
る。重合開始剤としては、スチレン単量体をアニオン重
合させることができるものであるならば、特に制限はな
い。例えば、アルキルリチウム、アルキルナトリウム、
クミルカリウム、クミルセシウム等である。使用される
溶媒としては、開始剤を失活させない有機溶媒ならば、
特に制限はない。例えば、ノルマルヘキサン、シクロヘ
キサン、ジエチルエーテル、メチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。また
これら2種以上の混合溶媒でも良い。ただし、溶媒はア
ニオン重合に有害な水分や、酸素や二酸化炭素等の活性
気体を、十分に精製して取り除いた後に使用されること
が望ましい。APSの分子量は、単量体と開始剤のモル
比を適切に選択することで、容易に調整可能である。A
PSの分子量は、配合する相手であるRPSの分子量に
応じて適宜設定することが可能である。
【0020】RPSとAPSの混合方法には、溶液状態
またはペレット同士等公知の混合方法により、適正な割
合で混合する方法を用いることができる。好ましくは、
溶液状態または溶融状態において、粘度比がRPS/A
PS=1/10〜10/1の範囲内で混合する方法を用
いる。RPSとAPSの混合比率は耐薬品性及び機械的
強度と成形性のバランスを考慮して、99/1〜70/
30の範囲内で設定される。尚、RPSとAPSを混合
する過程においては、超高分子量成分が熱、または機械
的剪断力によって切断され、分子量低下を起こす場合が
ある。かかる観点から、RPSとAPSの配合比率は本
発明の規定から計算される混合比率に比べて、APSの
割合を高く設定することが望ましい。
【0021】本発明のスチレン系樹脂組成物は、スチレ
ン系樹脂組成物に慣用されている添加剤、例えば酸化防
止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、充填剤、離型剤、帯電防
止剤、難燃剤等や、他の樹脂、例えばポリフェニレンエ
ーテルやポリカーボネート等を耐薬品性及び機械的強度
を損なわない範囲内で添加できる。本発明のスチレン樹
脂組成物は、一般に熱可塑性樹脂の成形に用いられる。
例えば、射出成形、真空成形、押し出し成形、圧縮成形
等の成形方法によって、各種成形体に成形したり、発泡
シート、発泡ボード等各種発泡体にすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】物性評価法を以下に記す。 メルトフローレート(MFR)は、ISO1133の
No.8に準ずる。 耐薬品性評価は、圧縮成型法で厚さ1.3mmの平板
を作成し、130mm×12.8mmに切り出して試験
片を作成する。端から90mmのところを金具で固定
し、そこにサラダ油を塗布し、他端に200g分銅を下
げて破断するまでの時間を測定する。
【0023】耐薬品性と流動性のバランス指標(α) 従来の分子量分布2.0〜2.2のスチレン重合体にお
いてMFRから予想される破断時間と、本発明の破断時
間の実測値との比をαとして、次式で定義した。分母は
スチレン重合体のMFRと破断時間の関係から求めた実
験式で、log(予想破断時間)(min)を表してい
る。従ってα=1が超高分子量成分を含まない従来のポ
リスチレン重合体の場合であり、αが大きいほど耐薬品
性と流動性のバランスに優れる。ただしMFR<0.5
では、成形性が著しく低下するため、次式の適用外とす
る。
【0024】α=log(破断時間)/(1.58×l
og(1/MFR)+1.37) クリープ特性は、圧縮成型法で厚さ4.0mmの平板
を作成し、80mm×10mmに切り出して試験片を作
成する。支点間距離を64mmに調節し、中央に1kg
の荷重を加え、480時間後のひずみ増加量を測定す
る。 分子量及び重量分率測定は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフとして東ソー(株)製(HLC−802
0、示差屈折率検出器内蔵)、同社製分離カラム(TS
Kgel−GMHXLを3本使用)を用いて、温度38
℃、溶媒テトラヒドロフラン、サンプル濃度0.1wt
/v% 、サンプリングピッチ1/0.4(回/秒)で
行う。分離成分の分子量は、同社製TSK標準ポリスチ
レンの分子量と溶出時間の関係を3次回帰曲線として検
量線を作成し、算出する。特定分子量含有量は、面積比
により計算される。ピークトップ分子量は、ピーク高さ
が最大となる溶出時間に相当する分子量である。 残留オリゴマーはスチレンの2量体及び3量体であ
り、定量はガスクロマトグラフィーとして島津GC14
B、カラムにSilicon DC410(φ3mm*
1m)を用いて行う。窒素をキャリヤーガスとし、流量
は50ml/min、インジェクション及びディテクタ
ー(FID)温度は250℃、カラム温度は140から
240℃まで12℃/minで昇温する。溶媒として2
−ブタノン(MEK)を用い、サンプル濃度10wt/
v%で溶解後、MEKの約20〜25%のメタノールを
加え、再沈後、約12時間静置して上澄み液を分析す
る。残留オリゴマー量が既知のポリマーを用いて検量線
を作成し、定量を行う。
【0025】
【実施例1】撹拌機を備えた3リットルの反応容器にシ
クロヘキサン溶液0.77kgを仕込み、反応器内温度
を60℃にした後、15%ノルマルブチルリチウム/ノ
ルマルヘキサン溶液を0.64ml、続いて33%スチ
レン/シクロヘキサン混合溶液を1.25kg加えて、
重合させた。30分後、イソプロピルアルコール/シク
ロヘキサン溶液中に回収した。これを再沈精製し、スチ
レンに溶解して10wt%溶液とした。回収したスチレ
ン重合体のMwは170.0万であった。次にスチレン
85重量部、エチルベンゼン15重量部、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.0075
重量部からなる重合液を7.4リットルの3槽の直列管
型反応器に0.7リットル/hで連続的に供給する。3
槽の管型反応器の温度をそれぞれ110/125/14
0に調節した。このとき上記10%スチレン重合体/ス
チレンモノマー溶液を0.3リットル/hで2槽目と3
槽目の間で、重合液に添加した。重合液の粘度は15ポ
イズ、添加したスチレン重合体溶液の粘度は22ポイズ
であった。反応器より連続して排出される重合体溶液
を、脱気装置を備えた押出機に導入し、ペレットとし
た。スチレン単量体の転化率は70%であった。
【0026】
【比較例1】スチレン90重量部、エチルベンゼン10
重量部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン0.0075重量部からなる重合液を7.4リ
ットルの3槽の管型反応器に0.7リットル/hで連続
的に供給する。3槽の管型反応器の温度をそれぞれ11
0/125/140に調節する。反応器より連続して排
出される重合体溶液を、脱気装置を備えた押出機に導入
し、ペレットとした。スチレン単量体の転化率は68%
であった。
【0027】
【比較例2】撹拌羽根を備えた7.2リットル反応器に
スチレン94重量部、エチルベンゼン6重量部、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.0
1重量部からなる重合液を0.8l/hで連続的に供給
する。反応器の温度を105℃に調節する。反応器より
連続して排出される重合体溶液を実施例1と同様にペレ
ットとした。スチレン単量体の転化率は45%であっ
た。
【0028】これらの特定分子量含有量、MFR、耐薬
品性評価結果及び機械的強度を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【実施例2、3、比較例3〜7】 (A)撹拌羽根を備えた5リットル反応器にスチレン9
0重量部、エチルベンゼン10重量部、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン0.045重
量部からなる重合液を3kg仕込み、反応器内を窒素置
換した後、110℃で10時間重合した。その後反応溶
液を取り出し、200℃、15mmHgの減圧下で未反
応モノマーを除去し、スチレン重合体を得た。スチレン
単量体の転化率は70%であった。
【0031】表2に示すスチレン/エチルベンゼン/
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
の(B)、(C)、(D)組成からなる重合液を7.4
リットルの3槽の管型反応器に1.0リットル/hで連
続的に供給する。3槽の管型反応器の温度をそれぞれ表
2に示すように調節する。反応器より連続して排出され
る重合体溶液を実施例1と同様にペレットとした。スチ
レン転化率も併せて表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】(E)実施例1に示したアニオン重合のみ
を行い、超高分子量スチレン重合体を得た。 (F)シクロヘキサン混合溶液1.32kg、15%ノ
ルマルブチルリチウム/ノルマルヘキサン溶液を0.5
5ml、33%SM/シクロヘキサン混合溶液を0.7
0kgとした以外は、(E)と同様にアニオン重合を行
い、超高分子量スチレン重合体を得た。
【0034】(G)15%ノルマルブチルリチウム/ノ
ルマルヘキサン溶液を5.75ml、とした以外は、
(E)と同様にアニオン重合を行い、低分子量スチレン
重合体を得た。得られたスチレン重合体の重量平均分子
量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を表3に示
す。
【0035】
【表3】
【0036】次にこれらスチレン重合体を表4に示す割
合で混合した。混合溶媒にはトルエンを用い、スチレン
重合体の濃度は、(A)〜(D)30wt%、(E)1
0wt%、(F)5wt%、(G)50wt%にそれぞ
れ調製し、混合時の粘度比が所定の範囲内となるように
した。これらを所定の割合で撹拌、混合した。均一とな
った後、メタノールを加え、スチレン重合体組成物を析
出させ、分別、乾燥した。これらのMFR、耐薬品性評
価結果及び機械的強度を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】
【比較例8】 (H)スチレン80重量部、エチルベンゼン20重量部
からなる重合液を用い、重合温度を125℃とした以外
は、(A)と同様に重合させ、スチレン重合体を得た。
これと上記(E)を実施例2と同様にブレンドした。評
価結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
【発明の効果】本発明のスチレン系樹脂組成物は、耐薬
品性と機械的強度及び成形性のバランスに優れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形体において、分子量が200万以上
    のスチレン重合体の含有量(x/wt%)と分子量が3
    00万以上のスチレン重合体の含有量(y/wt%)
    が、0.8≦x≦3.0かつ0≦y≦0.54x(式
    1)の範囲にあり、分子量が5万以下のスチレン重合体
    が3.0〜12.0wt%、かつGPCにより求めた分
    子量分布曲線において、ピークトップの分子量が20万
    〜35万であり、重量平均分子量が20万〜50万であ
    るスチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 残存オリゴマーが5000ppm以下で
    ある請求項1に記載するスチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合によって得られた重量平均
    分子量(Mw)が20万〜35万にあるスチレン重合体
    (RPS)とアニオン重合によって得られたMwが10
    0万〜300万にあり、分子量分布が1.0〜2.0で
    あるスチレン重合体(APS)を、RPS/APS=9
    9/1〜70/30の割合で混合することを特徴とする
    請求項1又は2記載のスチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ラジカル重合によって得られた重量平均
    分子量(Mw)が20万〜35万にあるスチレン重合体
    (RPS)とアニオン重合によって得られたMwが10
    0万〜300万にあり、分子量分布が1.0〜2.0で
    あるスチレン重合体(APS)を、RPS/APS=9
    9/1〜70/30の割合になるよう、溶液または溶融
    状態で粘度比がRPS/APS=1/10〜10/1と
    なる範囲で、で混合することを特徴とする請求項1、2
    又は3記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0909782A3 (de) * 1997-10-21 2000-04-26 Basf Aktiengesellschaft Unter Verwendung halogenfreier Treibmittel hergestellte Styrolschaumstoffplatten
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