JPH09141807A - 制電性フイルム - Google Patents

制電性フイルム

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JPH09141807A
JPH09141807A JP7308849A JP30884995A JPH09141807A JP H09141807 A JPH09141807 A JP H09141807A JP 7308849 A JP7308849 A JP 7308849A JP 30884995 A JP30884995 A JP 30884995A JP H09141807 A JPH09141807 A JP H09141807A
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JP
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film
antistatic
polyester
coating
weight
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JP7308849A
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Sadami Miura
定美 三浦
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Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低湿度下での制電性に優れ、インキ接着性、
耐熱性に優れたテレホンカード、プリペイドカード等の
磁気カードに有用な制電性フイルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、ナ
フタレン環に少なくとも1個のスルホン酸塩基が結合し
た不飽和単量体を重合して得られる重合体(C)および
界面活性剤(D)を含む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸
してつくられた制電性塗膜が設けられている制電性フイ
ルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制電性フイルムに関
し、更に詳しくは低湿度下での制電性に優れ、インキ接
着性、フイルム回収性に優れた、テレホンカード、プリ
ペイドカード等の磁気カードに有用な制電性フイルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルム、特にポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを用いた
ポリエステルフイルムは磁気カード等の磁気記録材料用
として、また包装材、写真フイルム、グラフィック材料
等の一般工業材料用として広く使用されている。
【0003】しかしながら、かかるポリエステルフイル
ムは帯電し易い欠点を有しており、フイルムが帯電する
とその表面にゴミやほこりが付着し、品質上のトラブル
が生じる問題がある。また、フイルムの加工工程で有機
溶剤を用いる場合は、帯電したフイルムからの放電によ
り引火の危険が生じる等の問題がある。
【0004】このような帯電による問題に対し、ポリエ
ステルフイルムの表面に低分子帯電防止剤や高分子帯電
防止剤等を含む制電性塗膜を塗設してフイルムの表面固
有抵抗値を低減する方法が提案され実用化されている。
【0005】この低分子型の帯電防止剤としては、例え
ばスルホン酸塩基を有する長鎖アルキル化合物(特開平
4―28728号公報)等のような界面活性剤型のアニ
オン系帯電防止剤が知られており、また高分子型の帯電
防止剤としては、主鎖にイオン化された窒素元素を有す
るポリマー(特開平3−255139号公報、特開平4
−288127号公報、特開平6−172562号公
報)や、スルホン酸塩変性ポリスチレン(特開平5−3
20390号公報)等が知られている。
【0006】しかし、このような低分子型の帯電防止剤
を用いた制電性塗膜では、帯電防止剤が塗膜中を移動し
て界面に集積し隣接するフイルムの表面等に移行するこ
と(いわゆる『背面転写』)によりフイルム表面に磁性
層、離型層、易接着層等のトップコート層を積層する際
の接着特性に悪影響を及ぼす等の問題や、制電性が経時
的に悪化するという問題がある。
【0007】一方、高分子型の帯電防止剤を用いた制電
性塗膜では、高分子帯電防止剤がイオン性成分として塩
素や不安定なアミノ基等を有する場合には、製品となら
ない屑フイルム(例えば製品から切断除去したフイルム
端部等)を回収し、フイルム製造用の再生材料として使
用すると、溶融製膜の際に再生材料中に含まれる塗膜成
分が熱劣化し、有害ガスが発生したり、得られたフイル
ムが著しく着色し実用性に欠ける(回収性が劣る)もの
となる等の問題がある。また、アニオン型の高分子帯電
防止剤を用いた制電性塗膜では、相対湿度が50%以下
のような低湿度の条件では目的とする制電性が発現しな
い問題があり、カチオン型の高分子帯電防止剤を用いた
制電性塗膜では、フイルムの回収性が劣る問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し低湿度下での制電性、イン
キ接着性、フイルム回収性に優れた制電性塗膜を有する
制電性フイルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ポリエ
ステルフイルムの少なくとも片面に、ポリエステル樹脂
(A)、アクリル樹脂(B)、ナフタレン環に少なくと
も1個のスルホン酸塩基が結合した不飽和単量体を重合
して得られる重合体(C)および界面活性剤(D)を含
む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸してつくられた制電性
塗膜が設けられている制電性フイルムにより達成され
る。以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】[ベースフイルム]本発明においてベース
フイルムにはポリエステルフイルムを用いるが、ベース
フイルムを構成するポリエステルは、ジカルボン酸成分
とグリコール成分からなる線状ポリエステルである。
【0011】このジカルボン酸成分としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸等を挙げることができ、特にテレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0012】また、グリコール成分としては、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレ
ングリコール等を挙げることができ、特にエチレングリ
コールが好ましい。
【0013】かかるポリエステルのうち、ポリエチレン
テレフタレート或いはポリエチレン―2,6―ナフタレ
ートの単独重合体が、高ヤング率である等の機械的特性
に優れ、耐熱寸法安定性がよい等の熱的特性等に優れた
フイルムが得られるため好ましい。
【0014】上述のポリエステルは、ポリエステルフイ
ルムと制電性塗膜との接着性をより良好なものとする等
のため、上記ジカルボン酸成分或いはグリコール成分等
を共重合したポリエステルであってもよく、更に三官能
以上の多価化合物をポリエステルが実質的に線状となる
範囲(例えば5モル%以下)で少量共重合したポリエス
テルであってもよい。
【0015】かかるポリエステルは常法によりつくるこ
とができる。また、ポリエステルの固有粘度が0.50
以上であるとフイルムの剛性が大きい等の機械的特性が
良好となるため好ましい。
【0016】上記のポリエステルには、フイルムの滑り
性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.
005〜2μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば
0.001〜15重量%の配合割合で含有させることが
好ましい。かかる微粒子の具体例として、シリカ、アル
ミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、カ
オリン、カーボンブラック等の無機微粒子や、架橋シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架
橋アクリル樹脂等の有機微粒子等を好ましく挙げること
ができる。
【0017】ポリエステルには前記微粒子以外に酸化防
止剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、架橋
剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて添加することができ
る。
【0018】尚、本発明の制電性フイルムを磁気カード
の用途に用いる場合は、ベースフイルムに延伸後のフイ
ルムの光線透過率が30%以下、特に10%以下の白色
ポリエステルフイルムを用いることが好ましい。この白
色ポリエステルフイルムは、例えば酸化チタン、硫酸バ
リウム、酸化珪素等を5〜30重量%配合することによ
り得ることができる。
【0019】本発明に用いるポリエステルフイルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、前記ポリエステルを押出機にて加熱溶融し、回転
冷却ドラム上にキャストして未延伸フイルムとし、次い
で該未延伸フイルムを縦方向に2〜7倍延伸して一軸延
伸フイルムとし、好ましくはこの一軸延伸フイルムに本
発明における水性塗液を塗布した後、70〜150℃で
乾燥しつつ、或いは乾燥した後横方向に1.1〜8倍延
伸することで製造できる。必要なら縦方向及び/又は横
方向に更に延伸することもできる。また、延伸後に13
0〜260℃で熱処理して配向結晶化を完結させること
もできる。延伸温度はポリエステルの二次転移点(T
g)より高い温度とすることが好ましい。尚、延伸後の
ポリエステルフイルムの厚さは50〜300μmである
ことが、フイルムの剛性が良好となるので好ましい。
【0020】[ポリエステル樹脂(A)]本発明に用い
るポリエステル樹脂(A)は、多価カルボン酸成分とポ
リオール成分からなる線状ポリエステルである。
【0021】この多価カルボン酸成分としては、例えば
テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4.4´−ジフ
ェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、トリ
メリット酸等を挙げることができ、スルホン酸塩基を有
する共重合成分としては、例えば5−Naスルホイソフ
タル酸、5−Kスルホイソフタル酸、5−Naスルホテ
レフタル酸、5−Kスルホテレフタル酸を挙げることが
できる。
【0022】また、ポリオール成分としては、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサ
ンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレ
ングリコール、ビスフェノールA・アルキレンオキシド
付加物等挙げることができる。
【0023】ポリエステル樹脂(A)は、上記の多価カ
ルボン酸成分およびポリオール成分からなる共重合状ポ
リエステルであることが好ましい。
【0024】[アクリル樹脂(B)]本発明におけるア
クリル樹脂(B)は、アクリル酸エステル系モノマーを
主成分とする不飽和モノマーの共重合体である。主成分
に用いるアクリル酸エステル系モノマーとしては、例え
ばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、クロトン酸エチル、メタクリル酸グリ
シジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ソーダ、メ
タクリル酸カリ、アクリル酸アンモニウム、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド等を挙げることができる。
【0025】また、共重合成分として用いる不飽和モノ
マーとしては、例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレ
ン、ビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン、ビニル
スルホン酸ソーダ等を共重合用に挙げうる。
【0026】アクリル樹脂(B)は、水性塗液における
溶解性や分散性を良好なものとするためアクリル酸塩、
メタクリル酸塩、アクリル酸、アクリルアミド、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、N−メチロールアクリルア
ミド等の親水性モノマーを共重合成分として含むことが
好ましい。尚、アクリル樹脂(B)の二次転移点は20
〜120℃の範囲であることが好ましく、平均分子量が
6,000〜500、000であることが好ましい。
【0027】[重合体(C)]本発明におけるナフタレ
ン環に少なくとも1個のスルホン酸塩基が結合した不飽
和単量体を重合して得られる重合体(C)(以下『重合
体(C)』と略記する)は、主成分としてナフタレン環
に少なくとも1個のスルホン酸塩基が結合した不飽和単
量体を用いて得られる重合体であり、共重合成分として
共重合用不飽和単量体を用いて得られる共重合体であっ
てもよい。この主成分として用いるナフタレン環に少な
くとも1個のスルホン酸塩基が結合した不飽和単量体と
しては、ナフタレン−1−ビニル−2−スルホン酸ソー
ダ、ナフタレン−1−ビニル−3−スルホン酸カリ、ナ
フタレン−1−ビニル−6−スルホン酸ソーダ、ナフタ
レン−2−ビニル−6−スルホン酸カリ、ナフタレン−
1−ビニル−5−スルホン酸ソーダ、ナフタレン−1−
ビニル−2,6−ジスルホン酸ソーダ等を挙げることが
できる。
【0028】また、共重合成分として用いることができ
る不飽和単量体としてはメタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、クロトン酸エチ
ル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸ソーダ、メタクリル酸カリ、アクリル酸アン
モニウム、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキ
シメチルアクリルアミド等を挙げることができる。ま
た、この他に共重合成分として、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、スチレン、スチレンスルホン酸ソーダ、ビニルナフ
タレン、ビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン、ビ
ニルスルホン酸ソーダ等の不飽和単量体を共重合成分と
して用いることもできる。
【0029】重合体(C)におけるナフタレン環に少な
くとも1個のスルホン酸塩基が結合した不飽和単量体成
分の比率は、10〜100モル%であることが好まし
い。
【0030】[界面活性剤(D)]本発明における界面
活性剤(D)としては、ノニオン系、アニオン系、カチ
オン系及び/又はベタイン系界面活性剤を用いることが
でき、例えばアルキレンオキシド重合体、アルキレンオ
キシド共重合体、脂肪族アルコールアルキレンオキシド
付加物、長鎖脂肪族置換フェノール・アルキレンオキシ
ド付加重合物、多価アルコール脂肪酸エステル、長鎖脂
肪族アミドアルコール、4級アンモニウム塩、アルキル
ピリジニウム塩、スルホン酸塩等を例示することができ
る。
【0031】[水性塗液]本発明においては、前記組成
物を含む水性塗液を用いて制電性塗膜を塗設するが、水
性塗液に含まれる成分の量比は、固形分としてポリエス
テル樹脂(A)が10〜70重量%、アクリル樹脂が
(B)10〜70重量%、重合体(C)が5〜50重量
%および界面活性剤(D)が0〜30重量%(特に1〜
30重量%)であることが好ましい。
【0032】ポリエステル樹脂(A)が10重量%未満
であると制電性塗膜のベースフイルムとの接着性が不足
することがあり70重量%を超えると塗膜のインキ接着
性が不足することがある。アクリル樹脂が(B)10重
量%未満であると塗膜のインキ接着性が不足することが
あり70重量%を超えると制電性塗膜のベースフイルム
との接着性が不足することがある。重合体(C)が5重
量%未満であると制電性塗膜の制電性が不足することが
あり50重量%を超えると塗膜のインキ接着性や塗膜の
耐削れ性が不足することがある。また、界面活性剤
(D)が0重量%(特に1重量%未満)であると塗膜厚
さが不均一になることがあり30重量%を超えると塗膜
のインキ接着性や耐ブロッキング性が不足することがあ
る。
【0033】水性塗液の固形分濃度は1〜30重量%が
好ましく、特に2〜20重量%が好ましい。固形分濃度
がこの範囲にあると水性塗液の粘度が塗布に適したもの
になる。本発明に用いる水性塗液は、水溶液、水分散
液、乳化液等任意の形態で用いることができる。また、
水性塗液には少量の溶剤が含まれていてもよい。
【0034】[塗膜の塗設]本発明においては、ポリエ
ステルフイルムの少なくとも片面に、前記水性塗液を塗
布し、加熱乾燥し、延伸することにより制電性塗膜を塗
設するが、水性塗液の塗布方法としては、公知の任意の
塗工法が適用でき、例えばグラビアコート法、リバース
ロールコート法、ダイコート法、キスコート法、リバー
スキスコート法、オフセットグラビアコート法、マイヤ
ーバーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート
法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法
等を単独または組み合わせて適用することができる。水
性塗液のWET塗布量は走行しているフイルム1m2
り1〜40g、特に2〜25gが好ましい。塗布量がこ
の範囲であると乾燥が容易になり、かつ塗布斑が生じ難
いので好ましい。
【0035】本発明で水性塗液を塗布するフイルムは、
延伸可能なポリエステルフイルムである。この延伸可能
なポリエステルフイルムとしては、例えばポリエステル
を加熱溶融せしめ、そのままフイルム状とした未延伸フ
イルム;未延伸フイルムを縦方向(長手方向)または横
方向(幅方向)の何れか一方に例えば70〜140℃で
延伸せしめた一軸延伸フイルム;縦方向或いは横方向の
一軸延伸フイルムを横方向或いは縦方向に例えば150
〜200℃で逐次延伸せしめた(更に延伸可能な)二軸
延伸フイルム、または未延伸フイルムを縦方向および横
方向の二方向に例えば70〜150℃で同時延伸せしめ
た(更に延伸可能な)二軸延伸フイルムを挙げることが
できる。ポリエステルフイルムの延伸後のフイルム厚さ
は50〜300μm、特に150〜260μmであるこ
とが好ましい。
【0036】[制電性塗膜]本発明における制電性塗膜
は、表面固有抵抗率が1×105 〜1×1012Ωの塗膜
であることが好ましい。この表面固有抵抗率が1×10
5 Ω未満であると塗膜が脆くなり、1×1012Ωを超え
ると制電性が不足することがある。
【0037】制電性塗膜の成分としては、前記成分以外
に制電性塗膜の接着性、耐溶剤性、耐水性を調整する等
の目的でエポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリエーテル樹
脂、水溶性樹脂(例えばセルロース系樹脂)等を少量配
合することができる。
【0038】制電性塗膜の成分として、この他に塗膜の
滑り性や耐ブロッキング性を良好なものとするため、滑
剤として平均粒径が0.01〜20μm程度の無機や有
機の微粒子を、例えば0.001〜5重量%の配合割合
で含有させることができる。かかる微粒子の具体例とし
て、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラッ
ク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機微粒子、ポリス
チレン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、架
橋アクリル樹脂、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂、
フッ素樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機
微粒子等を好ましく挙げることができる。この有機微粒
子は、塗膜内で微粒子の状態を保つことができる樹脂で
あれば、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であって
もよく、また目的に応じた架橋度で架橋された樹脂であ
ってもよい。
【0039】前記微粒子以外にも界面活性剤、酸化防止
剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、可塑剤、架橋剤、有機
滑剤(滑り剤)、紫外線吸収剤、他の帯電防止剤等を必
要に応じて添加することができる。
【0040】尚、制電性塗膜の厚さは0.01〜3μ
m、特に0.02〜2μmであることが好ましい。制電
性塗膜の厚さが0.01μm未満であると制電性が不足
することがあり、3μmを超えると塗膜表面が粗れたり
塗膜が削れ易くなることがある。
【0041】また、本発明における制電性塗膜は表面エ
ネルギーが37〜73dyne/cm、水接触角が40
〜110度であることが好ましい。塗膜の表面エネルギ
ーや水接触角が上記の範囲であると、塗膜の制電性或い
は紫外線硬化インキに対する接着性が特に良好なものと
なる。塗膜の表面エネルギーを上記の範囲とするには、
例えばポリエステル樹脂(A)成分およびアクリル樹脂
(B)成分により表面エネルギーが上記の範囲よりも低
くなるのを界面活性剤(D)成分の配合割合を多くする
ことにより調整することができる。また、水接触角を上
記の範囲にするには、例えばポリエステル樹脂(A)成
分或いはアクリル樹脂(B)成分中の親水性官能基の濃
度を高くすること及び界面活性剤(D)成分の配合割合
を多くすることにより調整することができる。制電性塗
膜の表面エネルギーが37〜73dyne/cmであ
り、かつ水接触角が40〜110度であると、制電性塗
膜の紫外線硬化インキに対する接着性が極めて良好なも
のとなる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。尚、フイルムの特性は下記に示す方法で測定し
た。また、平均分子量は、数平均分子量を示す。
【0043】1.制電性(表面固有抵抗値) 25℃、35%RHの条件にて保持したフイルムサンプ
ルの塗膜塗設面の表面固有抵抗値を振動容量型電位差測
定器TR−84M型(タケダ理研製)で測定した。
【0044】2.接着性(インキ接着性) フイルムの塗膜塗布面に、末端ビスアクリルポリウレタ
ンオリゴマー、光重合開始剤、光増感剤および紅着色剤
を配合したインキ紫外線硬化インキを5μm塗布し、紫
外線を照射して硬化させインキ被膜をつくった。次いで
この被膜面にセロテープを貼付してから剥離し、剥離状
況から接着性を下記のとおり評価した。 A:セロテープとインキ被膜の間で剥離した。(接着性
良好) B:インキ被膜が部分的に凝集破壊した状態で剥離し
た。(接着性やや良好) C:フイルムとインキ被膜の間で剥離した。(接着性不
良)
【0045】3.耐熱性(フイルム回収性) 塗膜を塗設していないポリエステルフイルムサンプル1
5gを、窒素気流下で300℃にて15分間溶融加熱し
た後、金属板上に移し急冷して板状サンプルをつくり、
このサンプルを基準サンプルとした。次いで、塗膜を塗
設したフイルムサンプル15gを、窒素気流下で300
℃にて15分間溶融加熱した後、金属板上に移し急冷し
て板状サンプルをつくり、このサンプルの着色度と基準
サンプルの着色度とを比較して下記の基準で評価した。 A:基準サンプルとほぼ同等の極淡黄色(耐熱性良好) B:基準サンプルよりも強い淡黄色(耐熱性やや良好) C:基準サンプルよりも極めて強い黄色(耐熱性不良)
【0046】4.表面エネルギー フイルムの塗膜塗布面に綿棒で濡れ指数標準液を塗り、
はじきをおこさない限界の表面エネルギー(dyne/
cm)を求めた。
【0047】5.水接触角 フイルムの塗膜塗布面に20℃で水滴を落とし、1分後
に写真撮影して接触角を測定した。
【0048】[実施例1]固有粘度0.65のポリエチ
レンテレフタレート(平均粒径0.2μmの酸化チタン
を10重量%含有)を溶融して冷却ドラム上にキャスト
して未延伸フイルムとし、この未延伸フイルムを92℃
に加熱し縦方向に3.6倍延伸して一軸延伸フイルムと
した。次いでこの一軸延伸フイルムの片面に、多価カル
ボン酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸(65m
ol%)、テレフタル酸(4mol%)、イソフタル酸
(28mol%)および5−Naスルホイソフタル酸
(3mol%)、ポリオール成分がエチレングリコール
(76mol%)、ビスフェノールA・4molエチレ
ンオキシド付加物(22mol%)および1,4−ブタ
ンジオール(2mol%)の共重合ポリエステル(A−
1,平均分子量:17,440)27重量部、メタクリ
ル酸メチル成分(30mol%)、メタクリル酸エチル
成分(42mol%)、アクリル酸エチル成分(14m
ol%)、アクリル酸成分(1mol%)、メタクリル
酸グリシジル成分(5mol%)、アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル成分(3mol%)、アクリルアミド(2
mol%)およびN−メトキシメチルアクリルアミド成
分(3mol%)の共重合体(B−1、平均分子量:6
5,400)27重量部、ポリ(ナフタレン−1−ビニ
ル−4−スルホン酸ソーダ)(Cー1、平均分子量:4
8,400)38重量部並びにポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル8重量部からなる組成の固形分濃度
6重量%の水性塗液をグラビアコーターで塗布した。次
いで104℃で乾燥後、104℃で横方向に3.9倍延
伸し、更に230℃で熱処理して総厚さ195μm、塗
膜厚さ0.30μmの積層フイルムをつくった。この積
層フイルムは白色を呈し、光線透過率は1%以下であっ
た。この積層フイルムの特性を表1に示す。尚、塗膜の
表面エネルギーは53dyne/cm、水接触角は47
度であった。
【0049】[実施例2〜8および比較例1〜3]塗膜
の組成および塗膜厚さを表1に示すとおり替えた以外は
実施例1と同様にして積層フイルムを得た。この積層フ
イルムの特性を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示した結果から明らかなように、本
発明の制電性フイルムは低湿度下での制電性に優れ、か
つインキ接着性、耐熱性に優れるものであった。
【0052】尚、表1の塗膜組成で[C−2]、[C−
3]および[C−4]は下記の重合体または化合物を示
す。
【0053】[C−2]:ナフタレン−1−ビニル−4
−スルホン酸ソーダ成分(88mol%)およびアクリ
ル酸エチル成分(12mol%)の共重合体(平均分子
量:32,500) [C−3]:ナフタレン−1−ビニル−6−スルホン酸
ソーダ成分(76mol%)およびアクリル酸メチル成
分(24mol%)の共重合体(平均分子量:58,8
00) [C−4]:下記式のポリアリルアミン・4級塩(但
し、n=500)
【0054】
【化1】
【0055】
【発明の効果】本発明においては、制電性塗膜の成分と
して特定の成分を使用するため、低湿度下での制電性に
優れ、インキ接着性、耐熱性に優れた制電性フイルムが
得られる。本発明の制電性フイルムは、特に磁気カード
用に有用であり、例えば、本発明フイルムの塗布面に末
端ビスアクリルポリウレタンオリゴマー、ビスアクリル
ビニルポリマー等に光重合開始剤、光増感剤、着色剤を
配合したインキを印刷して紫外線照射して硬化させ、反
対面に磁性酸化鉄、変性塩化ビニル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリイソシアネート、分散剤からなる磁気塗料を塗
布、乾燥した後、保護層を設ける。このフィルムを裁断
することによって磁気カードを得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、ナ
    フタレン環に少なくとも1個のスルホン酸塩基が結合し
    た不飽和単量体を重合して得られる重合体(C)および
    界面活性剤(D)を含む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸
    してつくられた制電性塗膜が設けられている制電性フイ
    ルム。
  2. 【請求項2】 水性塗液が、固形分としてポリエステル
    樹脂(A)を10〜70重量%、アクリル樹脂を(B)
    10〜70重量%、ナフタレン環に少なくとも1個のス
    ルホン酸塩基が結合した不飽和単量体を重合して得られ
    る重合体(C)を5〜50重量%および界面活性剤
    (D)を1〜30重量%含む請求項1記載の制電性フイ
    ルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフイルムが光線透過率30
    %以下の白色フイルムである磁気カードに用いる請求項
    1記載の制電性フイルム。
JP7308849A 1995-11-28 1995-11-28 制電性フイルム Pending JPH09141807A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8093342B2 (en) 2005-11-11 2012-01-10 Canon Kabushiki Kaisha Polymer, charge control agent, and toner for developing electrostatic latent images

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