JPH09140386A - 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体 - Google Patents

甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体

Info

Publication number
JPH09140386A
JPH09140386A JP7328235A JP32823595A JPH09140386A JP H09140386 A JPH09140386 A JP H09140386A JP 7328235 A JP7328235 A JP 7328235A JP 32823595 A JP32823595 A JP 32823595A JP H09140386 A JPH09140386 A JP H09140386A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
variable region
antibody
amino acid
sequence
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7328235A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisafumi Akamizu
尚史 赤水
Hidetoshi Kanda
秀俊 神田
Toru Mori
徹 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eiken Chemical Co Ltd
Original Assignee
Eiken Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eiken Chemical Co Ltd filed Critical Eiken Chemical Co Ltd
Priority to JP7328235A priority Critical patent/JPH09140386A/ja
Publication of JPH09140386A publication Critical patent/JPH09140386A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、サイロトロピン(甲状腺刺激
ホルモン;TSH)受容体(TR)に結合して甲状腺を
刺激する活性を持つ自己抗体(TSAB)の可変領域を
コードする遺伝子、ならびにその用途の提供である。 【構成】本発明はTSABをコードするDNA、このD
NAによってコードされる抗体可変領域、そしてこの抗
体可変領域の標準などへの応用である。 【効果】本発明によって、TSABを安定して供給する
ことが可能となる。また遺伝子を単離したことによっ
て、自己免疫に起因する甲状腺機能障害の遺伝子レベル
での研究に貢献する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自己免疫疾患の患者が
持つ自己抗体の可変領域遺伝子のクローニングに関する
ものである。具体的には、サイロトロピン受容体に結合
して甲状腺刺激活性を示す自己抗体の可変領域遺伝子に
関するものである。自己免疫によって発症する甲状腺機
能障害の存在が知られている。このような患者の血中に
はサイロトロピン(甲状腺刺激ホルモン、以下TSHと
省略する)の受容体(以下TRと省略する)に結合する
抗体(自己抗体)が存在する。更にこの自己抗体には、
TRに結合してTSHが結合したときと同じ甲状腺刺激
活性を示す抗体と、この抗体とは逆にTRに結合してT
SHのTRに対する刺激活性を妨げる抗体の、少なくと
も2種類の異なった活性を持つ抗体が存在していること
が報告されている。同じTRに対する自己免疫でありな
がら、その症状は前者では甲状腺機能の亢進として現
れ、後者では甲状腺機能の低下につながる。このような
背景から、前者の抗体を甲状腺刺激抗体(以下TSAB
と省略する)、後者の抗体を甲状腺刺激阻害抗体(以下
TSBABと省略する)と呼んでいる。TSAB活性
は、TRを備えた生細胞のcAMP産生量を指標として
確認することができる
【0002】甲状腺の代表的な疾患であるバセドウ病
は、TRに対する自己免疫が原因となって発症するとさ
れている。特にTSABはTSHよりも長い時間にわた
って甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンを過剰分泌させる
[1]。
【0003】
【従来技術の問題点】自己抗体の一般的な検出方法は、
検出すべき自己抗体が認識する組織や抗原決定基のアミ
ノ酸配列を再現した合成ペプチドを抗原として用い、こ
れに対して結合性の抗体を検出することによって行われ
ている。甲状腺機能障害においても同じようなアプロー
チに基づいて自己抗体の検出が行われている。たとえ
ば、ブタのTRへのTSHの結合を阻害する抗体を検出
することによって自己免疫症状を診断する技術が知られ
ている。なお、このような活性を持つ抗体は、TSH結
合阻害抗体(以下TBIIと省略する)と呼ばれてい
る。この方法では、単にTRに対する結合活性を見てい
るだけなのでTSABとTSBABを区別して検出する
事はできない。TSABにしろ、TSBABにしろ、い
ずれもTRへの結合活性を持つ抗体であることには変わ
りは無いためである。
【0004】一方、TSABを特異的に測定する方法と
して、スティミュレーションアッセイが知られている
[2]。この方法ではラットの甲状腺細胞株FRTL−5
を用いている。FRTL−5は、TRを細胞膜上に発現
したラット甲状腺培養株で、その生育にはTSHを要求
する。TSABがFRTL−5のTSH受容体と結合す
ることによって細胞中ではアデニレートシクラーゼが活
性化され、培養系にcAMPが産生される。したがって
培養物中のcAMP濃度を比較すれば、TSAB活性を
特異的に測定することができる。この方法は確かにTS
AB活性の特異的な測定を可能とする。しかし単純な免
疫反応だけで構成される方法に比べて、細胞の培養操作
を要求されるため操作が複雑で、しかも結果を得るまで
に時間がかかるという特徴が有る。また細胞の培養条件
を常に一定に保たなければ必要な精度は期待できないの
で、高度な培養技術が要求される分析方法といえる。
【0005】また標準とすべき抗体も、TSABの測定
にあたって問題となる。自己免疫疾患の患者の血液を標
準としたのでは、均一な品質を維持することが難しい
し、量的にも安定供給は期待できない。ヒトや動物のT
Rを免疫原としてTRを認識する動物抗体を得る方法が
考えられる。ヒトのTRをコードする遺伝子は既にクロ
ーニングされている[3]ので、そのポリクローナル抗体
やモノクローナル抗体を得ることが可能である。しかし
このような方法で得た抗体は、あくまでもヒト以外の動
物の免疫システムが認識した抗原決定基に対する反応性
を持っている。したがってその抗体が、ヒトの自己抗体
と同じ反応性を示しているのかどうかが問題となる。ま
してTSABという特殊な活性を持つ抗体を安定して得
ることは困難といえよう。特に標準として用いるには、
できるだけヒトの自己抗体に近い反応性を持つものを使
うべきであるから、たとえ刺激活性を指標にモノクロー
ナル抗体を確立するとしてもヒトの自己抗体と親和性や
エピトープの面で等価な抗体を得られるとは限らない。
【0006】このような問題点を解消するためには、実
際の自己免疫疾患を持つ患者の抗体産生細胞を形質転換
して株化する方法が有効である。実際に本発明者らをは
じめとしてTSABについてもこの方法を試み、エプス
タインバールウイルス(以下EBVと省略する)によっ
て形質転換したTSAB産生細胞株を樹立している
[4]。しかしこの細胞株は、大量培養が困難で標準や試
薬原料としての抗体を産生させるには好ましい材料とは
言えなかった。この他にも患者から誘導された抗体産生
細胞についての報告は有る。しかしこの報告はヒト−マ
ウスヘテロハイブリドーマを利用したものである[5]。
ヘテロハイブリドーマでは染色体の脱落が生じやすく、
結果としてハイブリドーマの抗体産生能が消失する現象
がしばしば観察される。
【0007】更に、TSABを得るためのこれまでのア
プローチは抗体をコードする遺伝子のクローニングを目
的としているわけではない。自己免疫疾患の研究を遺伝
子レベルで発展させるためには、抗体遺伝子についても
クローニングしておく必要が有る。遺伝子工学的手法に
よる抗体産生、あるいはその活性に変異を加えた抗体の
開発において、遺伝子のクローニングとアミノ酸配列を
含めた構造の解明が必要である。例えば抗体の親和性を
改良する目的で抗体可変領域のアミノ酸を置換すること
がヒト化抗体作製等の過程で広く行われている。そのた
めなかでもCDR(相補性決定領域)のDNA塩基配
列、そしてアミノ酸配列の解明は特に重要である。CD
Rは抗体可変領域の中の4つのフレームワーク(FR)
に連結された状態で存在する領域である。FRの構造が
抗体の間でよく保存されているのに対してCDRの変異
性は大きく、抗体の特異性が可変領域の中でもCDRと
いう特定の領域によって決定されることが明らかにされ
ている。
【0008】とはいえ、たとえ自己抗体の産生細胞を得
ることができ、更にそれを株化することが可能であって
も、抗体遺伝子をクローニングすることは必ずしも容易
なことではない。抗体分子は極めて多様性に富んでいる
ため、遺伝子のクローニングに大きな威力を発揮するP
CR法を適用し難い。PCR法は、あくまでも塩基配列
がわかっている遺伝子の増幅に有効な技術である。増幅
すべき遺伝子の末端部分に相補的なプライマーを用意し
なければならないという性格上、この特性は避けること
ができない。具体的な遺伝子の配列を予想できない場合
であっても、クローニングを可能とする技術は知られて
いるが、PCR法に比べて効率が悪く抗体のような多様
性に富む遺伝子のクローニングには不向きである。
【0009】マウスなどの非ヒト動物では、イムノグロ
ブリンの遺伝子に関する研究が進み、その可変領域に対
しても偏りの生じ難いプライマーの配列が報告されてい
る。しかし現段階ではマウスよりもはるかに少ない情報
しか得られていないヒトのイムノグロブリン遺伝子につ
いては、未だに完全にその遺伝子を増幅することは容易
でないと考えられている。しかも実験動物であるマウス
の遺伝子は、系統が管理されているので均一性が高く比
較的取り扱いやすいといえる。一方遺伝的な制御を受け
ていないヒトの遺伝子は、遺伝的には多様性に富み実験
は容易ではない。すなわち、プライマーが全ての遺伝子
に対してアニールするとは限らないため、たとえスター
トマテリアルがEBVでトランスフォームしたクローン
であったとしても、そのクローンが産生する抗体遺伝子
の情報が未知である以上その抗体遺伝子をクローニング
する作業は、困難をきわめるといわざるを得ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、TSABの
可変領域をコードする遺伝子の提供を課題としている。
本発明はまた、このTSABをコードする遺伝子の発現
産物の試薬や標準物質としての応用についての提案を行
う。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、新たに
クローニングされ配列決定した以下の抗体可変領域遺伝
子、あるいはその変異体によって解決される。すなわち
本発明は、TRに結合して甲状腺機能を刺激する活性を
持ち、かつ配列1または配列3に示す遺伝子によってコ
ードされるアミノ酸配列、あるいはその部分配列から選
択したアミノ酸配列を含むイムノグロブリン重鎖可変領
域、またはアミノ酸の置換、欠失、あるいは挿入によっ
て得られる変異体である。
【0012】本発明はまた、TRに結合して甲状腺機能
を刺激する活性を持ち、かつ配列2または配列4に示す
遺伝子によってコードされるアミノ酸配列、あるいはそ
の部分配列から選択したアミノ酸配列を含むイムノグロ
ブリン軽鎖可変領域、またはアミノ酸の置換、欠失、あ
るいは挿入によって得られる変異体である。
【0013】本発明は、これらアミノ酸配列の中からC
DRのアミノ酸配列を与える。
【0014】更に本発明は、これらイムノグロブリン可
変領域(またはその変異体)を構成するアミノ酸配列
(配列17−配列20)をコードするDNA、そのクロ
ーニング方法、そしてこれらのDNAによって得られる
イムノグロブリン可変領域の組み換え体の応用を提案す
るものである。なお本明細書において、アミノ酸は次の
ように省略した。 アラニン A or Ala アルギニン R or Arg アスパラギン N or Asn アスパラギン酸 D or Asp システイン C or Cys グルタミン Q or Gln グルタミン酸 E or Glu グリシン G or Gly ヒスチジン H or His イソロイシン I or Ile ロイシン L or Leu リジン K or Lys メチオニン M or Met フェニルアラニン F or Phe プロリン P or Pro セリン S or Ser トレオニン T or Thr トリプトファン W or Trp チロシン Y or Tyr バリン V or Val
【0015】配列1−4で示したDNAは、バセドウ病
患者の末梢血リンパ球からEBVトランスフォームによ
って樹立した抗体産生細胞株[4]に由来するものであ
る。すなわち、配列1と配列2がTSAB活性を持つI
gGクラスのヒト・モノクローナル抗体を産生するB6
B7に、そして配列3と配列4が同じくTSAB活性を
持つIgMクラスのヒト・モノクローナル抗体を産生す
る101−2に由来している。
【0016】
【発明の実施の形態】配列1〜配列4に示すDNAは、
これらの抗体産生細胞株のmRNAからcDNAライブ
ラリーを合成し、更にこのcDNAライブラリーを鋳型
としてPCR法によりイムノグロブリンの可変領域をコ
ードする遺伝子のライブラリーを得、これをクローニン
グすることによって単離されたものである。cDNAの
合成にはヒトイムノグロブリン遺伝子をできるだけ漏れ
無く拾うために、イムノグロブリン遺伝子の間で高度に
保存されている領域を逆転写酵素のためのプライマーと
して用いた。
【0017】またイムノグロブリンの可変領域をコード
するDNAのPCR法による増幅にあたっては、多様性
に富む可変領域をできるだけ偏りなく増幅するためにア
ダプターと、可変領域をコードするDNAの中でも高度
に保存されている領域を組み合わせてプライマーとし
た。アダプターとは、人工的に合成したオリゴヌクレオ
チドで配列中にはクローニングサイトに組み込むための
制限酵素の認識配列を含むものである。つまりクローニ
ング用のベクターのサイトに合わせた配列を備えた任意
のオリゴヌクレオチドを用いることができる。アダプタ
ーは、cDNAライブラリーの5’側にライゲーション
することによって導入される。こうして得られたアダプ
ター付加cDNAを鋳型として、可変領域遺伝子の上流
側については重鎖、軽鎖ともに前記アダプター配列をプ
ライマーとし、一方下流側は公知のJH領域(重鎖)
[9]、あるいはJκ領域(軽鎖)[10]の配列から保存性
の高い配列を選んでプライマーとすることで、イムノグ
ロブリンの可変領域をコードするDNAを増幅する。
【0018】PCR法による増幅産物を制限酵素で消化
し、本出願人によるイムノグロブリン遺伝子クローニン
グベクターpSRH(重鎖用)、ならびにpSRL−n
eo(軽鎖用)の対応するサイトに組み込んでクローニ
ング後、配列決定したのが配列1−配列4の塩基配列で
ある。またこの塩基配列をアミノ酸配列に翻訳したのが
配列17−配列20に示すアミノ酸配列である。イムノ
グロブリン重鎖のアミノ酸配列を示す配列17と配列1
9においては、N末端に19merからなるリーダー配
列(「−;マイナス」表示した)が存在し、実際のイム
ノグロブリン可変領域を構成するのは1番からはじまる
アミノ酸配列である。同じく軽鎖(配列18と配列2
0)においては20merからなるリーダー配列が存在
し、やはり1番からはじまるアミノ酸配列で実際のイム
ノグロブリン可変領域が構成される。配列17−配列2
0のアミノ酸配列を持つイムノグロブリンの可変領域
は、配列1−配列4に示した塩基配列を備えたDNA
を、公知の発現系を利用して翻訳することで得ることが
できる。イムノグロブリン可変領域の発現については多
くの報告が有るが、たとえば本出願人の報告したベクタ
ー[6]を利用すれば簡単に可変領域遺伝子を発現ベクタ
ーに組み込むことができる。このベクターを用いれば、
重鎖と軽鎖とをそれぞれが定常領域と可変領域とを備え
た完全なイムノグロブリン遺伝子として1本のベクター
に連結することができる。マウスミエローマ細胞株等の
適当な動物細胞をこのベクターで形質転換すれば、定常
領域と可変領域とを備え、しかもSS結合によって2量
体構造を取った完全なイムノグロブリン分子として再構
成することができるのである。宿主に動物細胞を利用し
ているので、糖鎖構造についても天然のイムノグロブリ
ンに近い状態にあることが期待できる。
【0019】本発明のイムノグロブリン重鎖は、ヒト定
常領域をコードする遺伝子と融合させた完全な重鎖分子
であってもよい。更に軽鎖の可変領域や、更に軽鎖の定
常領域をも備えた完全なイムノグロブリン分子として構
成することも可能である。クローニングされた可変領域
遺伝子をもとに、完全な重鎖分子やイムノグロブリンを
再構成する技術は既に公知である。なお軽鎖の可変領域
遺伝子としては、イムノグロブリンの抗原結合活性の大
部分を重鎖可変領域が決定していることから、任意の抗
原結合活性を備えたものを利用することができる。しか
しより完全な特異性を得るためには、軽鎖可変領域もT
SAB活性を備えたものを用いるのが好ましい。このよ
うな軽鎖可変領域として、前記配列2または配列4のD
NAによってコードされる配列18、または配列20の
アミノ酸配列を持つ軽鎖可変領域を示すことができる。
【0020】配列1および配列2は、IgGクラスのイ
ムノグロブリンに由来するものであり、病原性に強く関
与しているものと思われる。一方配列3および配列4は
IgMクラスに由来している。しかしイムノグロブリン
のクラスを決定しているのは定常領域であるから、本発
明による可変領域遺伝子はその由来にかかわらず融合さ
せる定常領域の遺伝子を選択することによって任意のク
ラスのイムノグロブリンとして構成することが可能であ
る。このようなイムノグロブリンのクラスの変更はクラ
ススイッチと呼ばれ、たとえば本出願人らの開示した技
術[6]によって実施できる。
【0021】また本発明におけるイムノグロブリン可変
領域の変異体とは、次のように定義することができる。
すなわち、前記配列1−配列4に示したDNAによって
コードされるアミノ酸配列をもとに、そのTSAB活性
を持つという条件のもとで任意のアミノ酸の置換、欠
失、あるいは挿入によって得られる変異体である。なお
本発明においてTSAB活性を持つ範囲とは、必ずしも
もとの活性を維持しているという場合のみならず、もと
の生理活性よりも低下したものをも含むものであること
は言うまでもない。本発明者らの得た知見によればTS
ABとTBIIは限られた範囲のVHセグメントで構成
されており[7]、TRに対する自己免疫によって生じる
自己抗体のアミノ酸配列は相同性が高いものと推測でき
る。したがって、本発明によって明らかにされたアミノ
酸配列に基づいて類似の活性を持ちながらアミノ酸配列
の相違する変異体を得ることは可能である。あるいは、
本発明が明らかにしたDNAの塩基配列をプローブとし
て、類似の構造を持つ可変領域遺伝子を発現している抗
体産生細胞の遺伝子を単離することも可能である。更に
は、いったんクローニングした遺伝子に対して、その一
部の塩基配列を人為的に変異させ、翻訳産物である蛋白
質のアミノ酸配列を変化させ結果としてその生理活性を
コントロールする技術も既に公知である[8]。
【0022】本発明において可変領域が持つべきTSA
B活性は、公知の技術によって確認すれば良い。すなわ
ち、アミノ酸の変異を導入した遺伝子の発現産物につい
て、たとえば先に紹介したスティミュレーションアッセ
イ[2]によってTSAB活性を確認し本発明による変異
体をスクリーニングすることが可能である。本発明に含
まれるTSABは、TSAB活性を持つことによっての
み特徴づけられるものであって、TBII活性の有無は
問わない。
【0023】本発明はTSABの可変領域におけるCD
Rを構成するアミノ酸配列を提供する。すなわち配列5
−配列16に示したのが、本発明によって明らかにされ
たTSABの可変領域を構成するアミノ酸配列をもと
に、kabat E.A.らによって既に知られている抗体のアミ
ノ酸配列データと照合して決定したCDRのアミノ酸配
列である。各CDRはそれをコードするDNAを与える
が、特に好ましいDNAの塩基配列は配列1−配列4の
塩基配列の中からこれらCDRに対応する部分を切り出
した塩基配列である。本発明が明らかにしたTSABの
可変領域における3つのCDRの位置について、以下に
まとめる。各位置は、アミノ酸配列については配列17
−配列20に示したアミノ酸配列に付した番号に、また
塩基配列については配列1−配列4に示した塩基配列に
付した番号に基づいて特定した。
【0024】rB6B7重鎖(アミノ酸配列:配列1
7、塩基配列:配列1) CDR1;31−35番アミノ酸/148−162番塩
基 CDR2;50−65番アミノ酸/205−252番塩
基 CDR3;98−112番アミノ酸/349−393番
塩基 rB6B7軽鎖(アミノ酸配列:配列18、塩基配列:
配列2) CDR1;24−34番アミノ酸/130−162番塩
基 CDR2;50−56番アミノ酸/208−228番塩
基 CDR3;89−96番アミノ酸/325−345番塩
【0025】r101−2重鎖(アミノ酸配列:配列1
9、塩基配列:配列3) CDR1;31−35番アミノ酸/148−162番塩
基 CDR2;50−66番アミノ酸/205−255番塩
基 CDR3;99−106番アミノ酸/352−375番
塩基 r101−2軽鎖(アミノ酸配列:配列20、塩基配
列:配列4) CDR1;24−35番アミノ酸/130−165番塩
基 CDR2;51−57番アミノ酸/201−231番塩
基 CDR3;90−98番アミノ酸/328−354番塩
【0026】本発明が提供するCDRはTSABの結合
活性を決定する重要な領域であり、本発明における変異
体の製造には、この領域およびこの領域の立体構造の保
持に重要であるFRの改変が有効である。CDRのアミ
ノ酸配列およびCDRの立体構造の保持に重要なFRの
アミノ酸に対して変異を導入することによって、TSA
B活性はなんらかの影響を受ける可能性が有り、得られ
た変異体の活性をスクリーニングすれば希望する活性を
持つ変異体を導くことができる。この他、ヒトに由来す
る本発明のCDRを他種のFRに導入することによっ
て、他種の抗体にヒトTSAB活性を与えることが可能
となる。
【0027】本発明によって提供されるTSAB活性を
持つイムノグロブリンの可変領域、あるいはその変異
体、または更にこれらを定常領域と融合させることによ
って得られるイムノグロブリンの完全な分子は、たとえ
ば次のような利用分野において有用である。
【0028】利用分野1:免疫分析 本発明のイムノグロブリン可変領域は、実際の患者組織
に由来するものであるので病原性に深く関与する抗体に
近い反応性を備えているものと推測できる。このような
抗体は、競合法やインヒビションアッセイによる免疫分
析に有用である。臨床的に分析意義の大きいと思われる
病原性に関連する抗体に反応性が近いので、これらの抗
体を高い精度で分析することが可能となるためである。
実施例に示したように、抗体のTSAB活性はクラスス
イッチによって変化する場合がある。すなわち抗原との
結合特異性を決定するのが可変領域だとしても、抗体全
体の生理活性に及ぼす定常領域の役割は決して無視する
ことはできないと考えられる。したがってイムノグロブ
リンを可変領域のみならず定常領域を備えた完全な分子
として供給できるということは、TSABという特殊な
活性を持つ抗体の免疫分析において重要である。可変領
域のみでは実際の試料中に存在する抗体と等価な活性を
示すとは限らないためである。
【0029】アッセイフォーマットにかかわらず、本発
明による免疫分析の反応原理は次のようにまとめられ
る。すなわち、TRに対する本発明のTSABの結合が
試料中の検出すべきTSABによって阻害される程度を
測定すれば良いのである。競合法であれば試薬として供
給したTSABが検出すべきTSABとともにTRに結
合し、その結合部位に対して競合することによって定量
反応が成立する。一方インヒビションアッセイでは、検
出すべきTSABがTRに対して先に結合することで、
試薬として供給したTSABが結合すべき部位をブロッ
クしてしまうことによって定量系が成立する。配列17
〜配列20で示したアミノ酸配列で特徴づけられる可変
領域を備えたイムノグロブリンはTSAB活性を持つの
で、このような単純な反応系によって特異的にTSAB
の定量を行うことができるのである。
【0030】TRに結合したTSABは、試薬として用
いる本発明のTSABを公知の標識技術によってあらか
じめ標識しておけば容易に決定することが可能である。
標識には、放射性同位元素、酵素、発光物質、あるいは
蛍光物質等を用いることができる。TRに結合したTS
ABと、結合を阻害されたTSABは、TRを固相上に
固定しておけば洗浄によって簡単に分離できる。あるい
はまた、遠心操作によって分離しても良い。TRのTS
ABの認識部位以外に結合する第二抗体によって、第二
抗体(固相)−TR−TSABというサンドイッチ構造
を形成させることによって分離することもできる。
【0031】本発明による免疫分析において必要となる
試薬成分、すなわち標識TSABとTR抗原は、TSA
Bの免疫分析用試薬として商業的に供給することができ
る。本発明による試薬の具体的な形態の例として、ポリ
スチレンビーズに固定したTR抗原と、酵素やラジオア
イソトープ等で標識したTSABの組み合わせを示すこ
とができる。ポリスチレンビーズへのTRのような蛋白
質の固定は、物理吸着や化学結合によって行われる。ま
たTSABの認識する部位とは異なる位置の抗原決定基
を認識する抗体や、TRの糖蛋白部分と結合するレクチ
ンを結合したポリスチレンビーズでTRを捕捉すること
によって固相化することもできる。このような間接的な
捕捉方法を採用するのであれば、TRは液状で供給し、
TSABとの反応後にこれらの固相化試薬で捕捉すると
いう形態の試薬も実現できる。このような試薬ではTR
とTSABとがいずれも液状なので反応を早く進められ
る。一方酵素やラジオアイソトープによってイムノグロ
ブリンを標識する技術も公知である。イムノグロブリン
は直接標識されていても良いし、アビジン−ビオチンシ
ステムを利用して間接的に標識することもできる。
【0032】本発明が提供するTSABの免疫学的な分
析方法、あるいは分析用試薬に用いるTRは、動物組織
や株化した培養細胞等から抽出したもの、あるいはTR
をコードする遺伝子の発現産物等を利用することができ
る。動物組織としてはラットやブタの甲状腺、TRを備
えた脂肪組織等を用いることができる。他方培養細胞に
は、先に説明したFRTL−5細胞(ATCC CRL
−8305)が有用である。ただ本発明に用いるTRは
単に抗原として用いているので、たとえばスティミュレ
ーションアッセイに用いる場合のように生物学的な活性
は必ずしも要求されない。また一般的にいって配列17
−配列20のように一定のアミノ酸配列で特徴づけられ
るイムノグロブリンの可変領域は、抗原分子の中でもご
く限られた範囲の構造を認識しているだけなので、この
抗原構造を人為的に模倣した合成化合物によってTRと
することも可能である。更に後に述べる抗イディオタイ
プ抗体もTSABの抗原として利用できる。
【0033】利用分野2:標準物質 本発明のイムノグロブリン可変領域は、遺伝子操作によ
って高度に安定な品質を実現するので標準物質として有
用である。利用分野1に説明した免疫分析において、正
確な定量を行うためには安定した標準物質が不可欠であ
る。本発明はこのような要求を満足する。あるいはま
た、前述のスティミュレーションアッセイのような生物
学的な検定方法において、標準物質として用いるにはヒ
トの自己抗体と共通の活性を持つことが求められる。本
発明のイムノグロブリン可変領域はこのような生物学的
な検定用の標準物質としても利用することが可能であ
る。今後TSABの臨床的な研究を進めるためには、ヒ
トの自己抗体の標準物質として利用できる均質なイムノ
グロブリンの安定供給が求められる。遺伝子操作によっ
て量的にも、質的にも安定したイムノグロブリンの供給
を可能にした本発明のイムノグロブリンは、このような
要求を満たすものである。本発明が提供するTSABを
含む各種分析のための標準物質は、それ単独で流通させ
ても良いし、あるいは他の試薬類と組み合わせてキット
化することもできる。
【0034】利用分野3:甲状腺機能低下症状の改善 本発明のTSABは、甲状腺機能低下症状を改善するた
めに用いることができる。ヒトのリンパ球に由来する本
発明のイムノグロブリン可変領域は、ヒトに投与した場
合でも異物として認識されにくいため免疫システムで排
除されることなく確実にTRへ到達できる。また本発明
において決定されたDNA配列をもとにさまざまな変異
体を構成し、更にTSAB活性の高い変異体を得るため
の出発材料として利用することができる。
【0035】利用分野4:TSHのシグナル伝達モデル 本発明のTSABは、TRに対してTSHと同じ甲状腺
刺激活性を持っている。したがってTRにおけるシグナ
ル伝達のモデル系の構成に有用である。TSH分子と、
本発明によるTSABの分子構造を比較する事により、
シグナル伝達に必要な構造の解析が期待できる。
【0036】利用分野5:TSABに起因する自己免疫
疾患治療用の拮抗剤スクリーニング 本発明のTSABは、患者の体内に存在する病原性の自
己抗体と同様の反応性を持っているものと推定される。
したがって、生体外(in vitro)におけるTSAB阻害剤
のスクリーニングに有用である。TR発現細胞を利用し
てTSAB活性を決定する技術は知られているので、ス
クリーニングすべき候補化合物と本発明のTSABの存
在下でTR発現細胞を培養し、TSABのみの存在下で
培養したものと比較すれば、TSAB阻害活性を指標と
するスクリーニングを容易に行う事が可能である。
【0037】利用分野6:TSABの抗イディオタイプ
抗体 本発明によって得られるTSABの可変領域は、抗イデ
ィオタイプ抗体を得るための免疫原として有用である。
抗体の可変領域を認識する抗体は、免疫原として作用さ
せた抗体のリガンドの立体構造を模倣していると言われ
ている。こうして得られた抗体に対する抗体は、抗イデ
ィオタイプ抗体と呼ばれている。本発明においては抗イ
ディオタイプ抗体の可変領域はTSABのリガンドであ
るTRの構造を模倣するものと考えられるから、様々な
利用用途が考えられる。まずTSABの検出のための抗
原として有用である。このような用途に用いるときに
は、抗イディオタイプ抗体を生体外でしか利用しないた
め、その由来はヒトに限定されない。
【0038】抗イディオタイプ抗体は、抗原としての構
造のみならず細胞障害活性等の抗体としての特徴も備え
ていることから、治療目的にも有用である。すなわち、
TSAB産生細胞を攻撃してその抗体産生を抑制するた
めの医薬品としての用途が期待できる。このような用途
に用いるときには、生体内に抗イディオタイプ抗体を導
入しなければならないので、少なくともその定常領域は
ヒト由来のものとすべきである。あるいは抗イディオタ
イプ抗体のCDRのみをヒト型の抗体のCDRと置換し
た、いわゆるヒト化抗体を用いれば、更に安全性の高い
治療薬とすることができる。生体内に導入されたTSA
Bの抗イディオタイプ抗体は、血液中のTSABを中和
するばかりでなくTSABを産生する抗体産生細胞の表
面に露出したTSABの可変領域に結合することによっ
て細胞障害作用を発揮し、結果として病原性のTSAB
産生を抑制する。
【0039】利用分野7:TRの画像化 本発明によって提供されるTSAB活性を持つイムノグ
ロブリンは、TRに対する結合活性を持っているため生
体内におけるTRの分布を画像化するためのプローブと
して利用できる。画像化に利用する抗体は、放射性同位
元素、磁性金属等の公知の標識技術により標識してお
く。具体的には、たとえば放射性同位元素であれば111
Inを抗体に結合したキレート剤に配位させる方法、あ
るいはイムノグロブリン分子を還元して99mTcを直接
配位させる方法等が知られている。放射性同位元素によ
る抗体の標識は、専用のキットが市販されているのでこ
れを利用すれば便利である。放射性同位元素は、放射活
性により生体外から追跡することができる。一方、磁性
金属ではDOTAのようなキレート剤を用い、これにG
dやFeを配位させることにより抗体を標識する。磁性
金属は核磁気共鳴画像診断(MR−I)により生体外か
ら追跡することができる。この方法によれば、放射線に
よる被爆の危険を避けることが可能である。標識の種類
によらず、抗体の標識には直接標識と間接標識が知られ
ている。直接標識とは、なんらかの手段で標識した抗体
を生体に導入する方法である。これに対して間接標識と
は、いったん生体に導入した抗体に対してこの抗体に結
合する成分に標識を与えてこれを投与することにより、
生体内において標識を完成させる技術で、アビチン−ビ
オチンシステムを用いた方法等が報告されている。本発
明による画像化方法において用いる標識抗体は、いずれ
の標識方法で得られたものであっても良い。
【0040】
【発明の効果】本発明によって、TSABの可変領域を
コードする遺伝子配列が提供される。この遺伝子配列を
もとに、遺伝子操作によって標準や試薬に必要な抗体を
安定して供給することが可能となる。遺伝子操作によっ
て得られる抗体を生産する形質転換細胞は、EB−Vト
ランスフォーマントやヘテロハイブリドーマのような公
知の抗体産生細胞に比べて形質がきわめて安定してい
る。
【0041】本発明によって提供されるクローニングし
た遺伝子は、同じ形質転換体を高い再現性で容易に得る
事を可能とする。このような本発明の特徴は、TSAB
を試薬や標準に用いるために商業的な供給を考えるとき
にたいへん有利な条件となる。これに対して公知の抗体
産生細胞は、きわめて規模の大きい細胞集団の中から必
要な抗体を産生する細胞をクローン化することによって
得られたものなので、同じ抗体産生細胞を再び得る事は
容易ではない。
【0042】本発明が提供するTSABの可変領域をコ
ードする遺伝子は、自己免疫による甲状腺機能障害の遺
伝子レベルでの研究に貢献する。本発明で明らかにされ
たイムノグロブリンの可変領域遺伝子の配列を基に、患
者のイムノグロブリン遺伝子の解析を進めることが容易
となり、結果として自己免疫症状を遺伝子レベルでとら
えることが可能となる。このような遺伝子レベルでの解
析は、イムノグロブリンの可変領域遺伝子の配列を明ら
かにすることによって初めて可能となる。
【0043】
【実施例】
1.cDNAの合成とPCR バセドウ病患者の末梢血リンパ球から樹立したTSAB
産生B6B7株および101−2株[4]から、PCR法
によって抗体の可変領域をコードする遺伝子ライブラリ
ーを調製した。B6B7はIgGタイプの抗体を、10
1−2はIgMタイプの抗体を産生するクローンで、い
ずれの抗体もTSAB活性を備えている。また101−
2株は、TBII活性を持つことが明らかな患者に由来
するものであるが、産生する抗体はTSABとなってい
る。これらのトランスフォーマントが産生するモノクロ
ーナル抗体の特性を表1にまとめた。表中のTSAB活
性は、後に述べる方法によって決定したものである。な
お一連の操作は公知の抗体可変領域遺伝子のクローニン
グ技術[6]を応用し、その概要を図1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】5×106の細胞から市販のmRNA分離
用キット(Micro-FastTrack mRNA isoration kit、Invi
trongen Corp.製)を用い、指示書にしたがってcDN
Aを合成した。Cγ、Cμ、およびCκに対して、それ
ぞれ次の配列を持つ合成ヌクレオチドをプライマーに用
いた。cDNAの合成には市販のcDNA合成キット
(cDNA synthesis kit、Pharmacia Inc.製)を用いた。
得られたcDNAに対し以下に示すアダプター配列をラ
イゲーションし、更にEcoRIで消化してPCR法による
増幅のためのテンプレートとした。
【0046】 プライマーの配列 Cγ:5'- GAGAGAGAGAGAGAGAGCGCCTGAATTCCACGACACCGTCACCG -3' Cμ:5'-AACGGCCACGCTGCTCGTATC-3' Cκ:5'- GAGAGAGAGAGAGAGAGAATTCTGTAGGTGCTGTCCTTGCTGTCCTG -3' アダプター:5'-CGATAAGCTTGGATCCTCGAG-3' アダプター:5'-CTCGAGGATCCAAG-3'
【0047】PCR反応は、上流側は重鎖、軽鎖ともに
前記アダプター配列をプライマーとし、下流側は公知の
JH領域(重鎖)[9]、あるいはJκ領域(軽鎖)[10]の
配列から保存性の高い配列を選んでプライマーとした。
具体的な配列は以下に示した。変性:95℃/1分、ア
ニール:52℃/2分、伸長:72℃/2分(最初のサ
イクルの時のみ7分)というサイクルを、重鎖、軽鎖の
遺伝子に対してそれぞれ30サイクル行った。このPC
R反応によってイムノグロブリンの可変領域をコードす
る遺伝子のライブラリーを得ることができる。
【0048】 JHプライマー:5'-GGCGAATTCTTACCTGAGGAGACGGTGACC-3' Jκプライマー:5'-GGCGAATTCTTACGTTTGATCTCCACCTTGGTCCC-3'
【0049】イムノグロブリン重鎖遺伝子と軽鎖遺伝子
のPCR産物のEcoRI/XhoI断片(重鎖遺伝子約500b
p、軽鎖遺伝子約450bp)を、公知のヒトイムノグロ
ブリンの定常領域Cγ1(重鎖)を含むベクターpSR
H、およびCκ(軽鎖)を含むベクターpSRL−ne
oの対応するサイトに挿入した。この操作によって、得
られたいくつかのクローンのうち、重鎖、軽鎖それぞれ
について少なくとも3つの異なるクローンを次のプライ
マーを使いジデオキシシークエンシングキットPRISM re
ady reaction (アプライド社製)によって配列決定し
た。なお5’側のプライマーはSRαのプライマーサイ
トであり、3’側のプライマーにはJ−Cイントロン部
分の配列を利用した。
【0050】 5’配列決定用プライマー:5'-CATGAATTCTGTTCTGCGCCGTTACAG-3' 3’配列決定用プライマー:5'-TCAGAATGGAATGTGCAG-3'
【0051】更にそれぞれのベクターをHindIII/BamHI
サイトのサイトでライゲーションして、最終的に重鎖と
軽鎖を備えた完全なイムノグロブリン分子を発現する1
本のベクターとした。このベクターをSV40のLarge
T抗原を産生しているCos7細胞へエレクトロポーレ
ーションにより導入すると、形質転換からおよそ48時
間後にはアッセイ可能な量のイムノグロブリンを分泌す
る。この培養上清のIgG濃度を指標としてスクリーニ
ングし、IgGクラスのイムノグロブリンを分泌するク
ローンrB6B7、およびr101−2を樹立した。
【0052】2.イムノグロブリン遺伝子の再構築 再構築したイムノグロブリン全分子をコードするDNA
を含むベクターpSRIG−neo(20μg)でマウ
ス・ミエローマP3X63−Ag8.653を形質転換
し、10%のウシ胎児血清および1mg/mlのG418(G
IBCO−BRL製)を含むRPMI1640培地で培
養した。G418耐性細胞をサブクローニングしIgG
の産生を指標としてスクリーニングして、高い濃度でI
gGを分泌するものについてTRAB活性を測定した。
【0053】3.TRAB組み換え体の精製とTSAB
検定 2.で得たTRに結合する抗体TRAB(rB6B7お
よびr101−2)を精製し、更にその甲状腺刺激活性
を分析(TSAB検定)した。イムノグロブリン発現ベ
クターで形質転換した細胞を無血清培地S−Clone
SF−B(三光純薬工業製、商品名)で培養し上清を集
めた。150mlの培養上清を2mlのプロテインAセファ
ロース4Fast Flow(ファルマシア製)で精製し、ポリ
エチレングリコールで濃縮した。これを改変ハンクス培
地に対して透析し、得られた精製抗体についてTSAB
活性、TBII活性を分析した。
【0054】TSAB活性は公知の方法[4][11]によっ
て分析した。45μlのバセドウ病患者血清、あるいは
精製抗体を、FRTL−5細胞(ATCC CRL−8
305)とインキュベートした。培養上清のcAMPレ
ベルを市販のRIAキットで測定し、改変ハンクス培地
を対照とするcAMPレベルのパーセンテージでTSA
B活性を決定した。IgG非産生クローンやIgG産生
環境に無い培地をコントロールとした時、正常範囲は1
50%以下である。一方TBII活性には市販のTSH
レセプターアッセイキット(コスミック製、商品名)を
利用した。このキットは、125I標識TSHの可溶化ブ
タ甲状腺組織に対する結合の抗体による阻害活性を測定
するためのものである。正常範囲は、同じく陰性コント
ロールに対して10%以内である。測定は3回行った。
結果は表2および図2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】rB6B7、r101−2いずれのクロー
ンから得た遺伝子産物も高いTSAB活性を示した。な
お図1中に示した196−14は、異なるcDNAライ
ブラリーをもとに、同じ操作で得られた形質転換体によ
る発現産物である。このクローンはrB6B7と同じ軽
鎖遺伝子を持つが重鎖の遺伝子はTRABとは無関係な
マウス由来の可変領域からなっている。rB6B7とr
101−2のTSAB活性は、それぞれ最大で186−
302%、あるいは181−239%にも及んだ。rB6
B7のTSAB活性は、スタートマテリアルであるトラ
ンスフォーマントが産生していたモノクローナル抗体の
みならず、このトランスフォーマントを得た患者血清の
TSAB活性とも近い値を示した。これらのことから、
rB6B7は実際の患者血液中に存在する自己抗体の反
応性を忠実に反映しているものと推測された。一方Ig
Mクラスのイムノグロブリンを産生していたトランスフ
ォーマントからクローニングした遺伝子の産物であるr
101−2は、遺伝子の再構築に伴うIgGクラスへの
クラススイッチによってTSAB活性が334%から1
81−239%に下がった。また図1や表2に示したよ
うにTSAB活性はIgG濃度にともなって上昇する傾
向を示すが、一定の濃度を越えると値が低下している。
またいずれの濃度でも明らかなTSAB活性を示すのに
対して、有意なTBII活性は観察されなかった。
【0057】参考文献: [1] BIOmedica Vol.1,3,pp239-243;1986 [2] Endoclin.Vol.125,No.1,pp410-,1985 [3] 公表平5−503849 [4] Biochem.Biophys.Res.Commun.Vol.207,No.3,pp985-
993,1995 [5] Proc.Natl.Acad.Sci.USA.Vol.79,pp6680-6684,1982 [6] 特開平7−135978 [7] J.Immunol.152,pp1485-1492, 1994 [8] Methods Enzymol. 203,99-121, 1991 [9] Cell 27:583-591,1981 [10] J.Biol.Chem.257:1516-1522,1982 [11] J.Clin.Endocrinol.Metab. 79;1600-1604, 1994
【0058】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:408 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域をコードするDNA配列 配列: ATGAAACATC TGTGGTTCTT CCTTCTCCTG GTGGAAGCTC CCAGATGGGT CCTGTCCCAG 60 GTGCAGCTGC AGGAGTCGGG CCCAGGACTG GTGAAGCCTT CGGAGACCCT GTCCCTCACC 120 TGCACTGTCT CTGGTGACTC CATCAGTAGT TACTACTGGA GCTGGATCCG GCAGCCCCCA 180 GGGAAGGGAC TGGAGTGGAT TGGGTATATC CATTACAGTG GGAGCACCAA CTACAACTCC 240 TCCCTCAAGA GTCGAGTCAC CATATCAGTA GACACGTCCA AGAACCAGTT CTCCCTAAAG 300 CTGAGCTCTG TGACCGCTGC GGACACGGCC GTGTATTACT GTGCGAGAGA GGAAAGAGGG 360 GGATTACGAG ATTTTGCCTA CGGTATGGAC GTCTGGGGCC AAGGGACC 408
【0059】配列番号:2 配列の長さ:366 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域をコードするDNA配列 配列: ATGAGGGTCC CCGCTCAGCT CCTGGGGCTC CTGCTACTCT GGCTCCGAGG TGCCAGATGT 60 GACATCCAGA TGACCCAGTC TCCATCCTTC CTGTCTGCAT CTGTAGGAGA CAGAGTCACC 120 ATCACTTGCC GGGCAAGTCA GAGCATTAGT AACTATTTAA ATTGGTATCA CCAGAAACCA 180 GGGAAAGCCC CTAAGCTCCT GATCTATGCT GCATCCAGTT TGCAAAGTGG GGTCCCATCA 240 AGGTTCAGTG GCAGTGTATC TGGGACAGAT TTCACTCTCA CCATCAGCAG TCTGCAACCT 300 GAAGATTTTG CAACTTACTA CTGTCAACAG ACTTACAGTA GCTACACTTT TGGCCAGGGG 360 ACCAAG 366
【0060】配列番号:3 配列の長さ:390 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域をコードするDNA配列 配列: ATGGAGTGGG GGCTGAGCTG GGTTTTCCTT GTTGCTATTT TAGAAGGTGT CCAGTGTGAG 60 GTGCTACTGG TGGAGTCGGG GGGAGGCTTG GTCCAGCCGG GGGGGTCCCT GAGACTCTCC 120 TGTGGAGCCT CTGGATTCAC CTTTAGTACC TATTGGATGA GGTGGATCCG CCAGGCTCCA 180 GGGAAGGGAC TGGAGTGGGT GGCCGACATA AAACCAGATG GAAGTGAGAA ATACTATGTG 240 GACTCTGTGA AGGGCCGATT CACGATCTCT AGAGACAACA CCAAGAACTC GCTGTATCTG 300 CAAATGAACA GCCTGAGAGC CGAGGACACG ACCGTGTATT ATTGTGCGAG ATCTTATAAC 360 TGGGCCTTTG ACTACTGGGG CCCGGGAACC 390
【0061】配列番号:4 配列の長さ:372 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域をコードするDNA配列 配列: ATGGAAACCC CAGCGCAGCT TCTCTTCCTC CTGCTACTCT GGCTCCCAGA TACCACCGGA 60 GAAATTGTGT TGACGCAGTC TCCAGGCACC CTGTCTTTGT CTCCAGGGGA AAGAGCCACC 120 CTCTCCTGCA GGGCCAGTCA GAGTGTTAGC AACAGCTACT TAGCCTGGCA CCAGCAGAGA 180 CCTGGCCAGG CTCCCAGGCT CCTCATCTAT GGTGCATCCA ACAGGGCCAC TGGCATCCCA 240 GACAGGTTCA GTGGCAGTGG GTCTGGGACA GACTTCACTC TCACCATCAG CAGACTGGAG 300 CCTGGAGATT TTGCAGTGTA TTACTGTCAG CAGTATGGTA CCTCACCGTA CACTTTTGGC 360 CAGGGGACCA AG 372
【0062】配列番号:5 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域CDR1のアミノ酸配列
【0063】配列番号:6 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域CDR2のアミノ酸配列 配列: Tyr Ile His Tyr Ser Gly Ser Thr Asn Tyr Asn Ser Ser Leu Lys 1 5 10 15 Ser
【0064】配列番号:7 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域CDR3のアミノ酸配列 配列: Glu Glu Arg Gly Gly Leu Arg Asp Phe Ala Tyr Gly Met Asp Val 1 5 10 15
【0065】配列番号:8 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域CDR1のアミノ酸配列
【0066】配列番号:9 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域CDR2のアミノ酸配列
【0067】配列番号:10 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域CDR3のアミノ酸配列
【0068】配列番号:11 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域CDR1のアミノ酸配列
【0069】配列番号:12 配列の長さ:17 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域CDR2のアミノ酸配列 配列: Asp Ile Lys Pro Asp Gly Ser Glu Lys Tyr Tyr Val Asp Ser Val 1 5 10 15 Lys Gly
【0070】配列番号:13 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域CDR3のアミノ酸配列
【0071】配列番号:14 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域CDR1のアミノ酸配列
【0072】配列番号:15 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域CDR2のアミノ酸配列
【0073】配列番号:16 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域CDR3のアミノ酸配列
【0074】配列番号:17 配列の長さ:136 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域のアミノ酸配列 配列: Met Lys His Leu Trp Phe Phe Leu Leu Leu Val Glu Ala Pro Arg Trp Val Leu Ser -15 -10 - 5 Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser 1 5 10 15 Glu Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Asp Ser Ile Ser 20 25 30 Ser Tyr Tyr Trp Ser Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu 35 40 45 Glu Trp Ile Gly Tyr Ile His Tyr Ser Gly Ser Thr Asn Tyr Asn 50 55 60 Ser Ser Leu Lys Ser Arg Val Thr Ile Ser Val Asp Thr Ser Lys 65 70 75 Asn Gln Phe Ser Leu Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr 80 85 90 Ala Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Glu Glu Arg Gly Gly Leu Arg Asp 95 100 105 Phe Ala Tyr Gly Met Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr 110 115
【0075】配列番号:18 配列の長さ:122 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域のアミノ酸配列 配列: Met Arg Val Pro Ala -20 Gln Leu Leu Gly Leu Leu Leu Leu Trp Leu Arg Gly Ala Arg Cys -15 -10 - 5 Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Phe Leu Ser Ala Ser Val 1 5 10 15 Gly Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Ala Ser Gln Ser Ile Ser 20 25 30 Asn Tyr Leu Asn Trp Tyr His Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys 35 40 45 Leu Leu Ile Tyr Ala Ala Ser Ser Leu Gln Ser Gly Val Pro Ser 50 55 60 Arg Phe Ser Gly Ser Val Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile 65 70 75 Ser Ser Leu Gln Pro Glu Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln 80 85 90 Thr Tyr Ser Ser Tyr Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys 95 100
【0076】配列番号:19 配列の長さ:130 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の重鎖可変領
域のアミノ酸配列 配列: Met Glu Trp Gly Leu Ser Trp Val Phe Leu Val Ala Ile Leu Glu Gly Val Gln Cys -15 -10 - 5 Glu Val Leu Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly 1 5 10 15 Gly Ser Leu Arg Leu Ser Cys Gly Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser 20 25 30 Thr Tyr Trp Met Arg Trp Ile Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu 35 40 45 Glu Trp Val Ala Asp Ile Lys Pro Asp Gly Ser Glu Lys Tyr Tyr 50 55 60 Val Asp Ser Val Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Thr 65 70 75 Lys Asn Ser Leu Tyr Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp 80 85 90 Thr Thr Val Tyr Tyr Cys Ala Arg Ser Tyr Asn Trp Ala Phe Asp 95 100 105 Tyr Trp Gly Pro Gly Thr 110
【0077】配列番号:20 配列の長さ:124 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:ヒト 他の情報:甲状腺刺激活性を持つ自己抗体の軽鎖可変領
域のアミノ酸配列 配列: Met Glu Thr Pro Ala -20 Gln Leu Leu Phe Leu Leu Leu Leu Trp Leu Pro Asp Thr Thr Gly -15 -10 - 5 Glu Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Gly Thr Leu Ser Leu Ser Pro 1 5 10 15 Gly Glu Arg Ala Thr Leu Ser Cys Arg Ala Ser Gln Ser Val Ser 20 25 30 Asn Ser Tyr Leu Ala Trp His Gln Gln Arg Pro Gly Gln Ala Pro 35 40 45 Arg Leu Leu Ile Tyr Gly Ala Ser Asn Arg Ala Thr Gly Ile Pro 50 55 60 Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr 65 70 75 Ile Ser Arg Leu Glu Pro Gly Asp Phe Ala Val Tyr Tyr Cys Gln 80 85 90 Gln Tyr Gly Thr Ser Pro Tyr Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys 95 100
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可変領域遺伝子の単離とイムノグ
ロブリン遺伝子の構築のアウトラインを示す。図中、U
Tは非翻訳領域、Lはリーダー、Vはvariable、Dはdi
verse、Jはjunctional、Cはconstant、AAAAはポ
リAテール、SRαはSRαプロモーター、太線はエク
ソン、EはEcoRI、BはBamHI、HはHindIII、XはXhoI
である。
【図2】遺伝子組み換えによって得られたTSABのT
SAB活性を示すグラフ。縦軸はTSAB活性(%)、
横軸はIgG濃度(μg/ml)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 C12P 21/08 G01N 33/53 G01N 33/53 E N 33/531 33/531 A 33/564 33/564 Z 33/566 33/566 33/577 33/577 B 33/78 33/78 //(C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺機
    能を刺激する活性を持ち、かつ配列1または配列3に示
    す塩基配列によってコードされるアミノ酸配列、あるい
    はその部分配列から選択したアミノ酸配列を含むイムノ
    グロブリン重鎖可変領域、またはアミノ酸の置換、欠
    失、あるいは挿入によって得られる変異体
  2. 【請求項2】重鎖可変領域がヒト・イムノグロブリンの
    定常領域をそなえたものである請求項1のイムノグロブ
    リン重鎖可変領域、またはアミノ酸の置換、欠失、ある
    いは挿入によって得られる変異体
  3. 【請求項3】重鎖可変領域が更にヒト・イムノグロブリ
    ンの軽鎖をそなえている請求項1または2のイムノグロ
    ブリン重鎖可変領域、またはアミノ酸の置換、欠失、あ
    るいは挿入によって得られる変異体
  4. 【請求項4】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺機
    能を刺激する活性を持ち、かつ配列2または配列4に示
    す遺伝子によってコードされるアミノ酸配列、あるいは
    その部分配列から選択したアミノ酸配列を含むイムノグ
    ロブリン軽鎖可変領域、またはアミノ酸の置換、欠失、
    あるいは挿入によって得られる変異体
  5. 【請求項5】配列5に示すアミノ酸配列を含む、サイロ
    トロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活性を
    持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  6. 【請求項6】配列6に示すアミノ酸配列を含む、サイロ
    トロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活性を
    持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  7. 【請求項7】配列7に示すアミノ酸配列を含む、サイロ
    トロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活性を
    持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  8. 【請求項8】配列8に示すアミノ酸配列を含む、サイロ
    トロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活性を
    持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  9. 【請求項9】配列9に示すアミノ酸配列を含む、サイロ
    トロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活性を
    持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  10. 【請求項10】配列10に示すアミノ酸配列を含む、サ
    イロトロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活
    性を持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  11. 【請求項11】配列11に示すアミノ酸配列を含む、サ
    イロトロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活
    性を持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  12. 【請求項12】配列12に示すアミノ酸配列を含む、サ
    イロトロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活
    性を持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  13. 【請求項13】配列13に示すアミノ酸配列を含む、サ
    イロトロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活
    性を持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  14. 【請求項14】配列14に示すアミノ酸配列を含む、サ
    イロトロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活
    性を持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  15. 【請求項15】配列15に示すアミノ酸配列を含む、サ
    イロトロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活
    性を持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  16. 【請求項16】配列16に示すアミノ酸配列を含む、サ
    イロトロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活
    性を持つ抗体の可変領域を構成するCDR
  17. 【請求項17】次の工程1)-4)で構成されるサイロトロ
    ピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活性を持つ
    自己抗体を免疫学的に検出する方法であって、サイロト
    ロピン受容体と結合する標識抗体として甲状腺機能を刺
    激する活性を持つイムノグロブリンの可変領域をコード
    する遺伝子を発現させることによって得られる組み換え
    体を用いる検出方法 1)サイロトロピン受容体抗原を用意する工程 2)自己抗体を検出すべき試料を1)の抗原と接触させる工
    程 3)更にサイロトロピン受容体と結合する標識抗体を接触
    させる工程 4)抗原と結合した標識抗体、または結合しなかった標識
    抗体に由来する標識を測定し、自己抗体を検出する工程
  18. 【請求項18】次の工程1)-3)で構成されるサイロトロ
    ピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活性を持つ
    自己抗体を免疫学的に検出する方法であって、サイロト
    ロピン受容体と結合する標識抗体として甲状腺機能を刺
    激する活性を持つイムノグロブリンの可変領域をコード
    する遺伝子を発現させることによって得られる組み換え
    体を用いる検出方法 1)サイロトロピン受容体抗原を用意する工程 2)自己抗体を検出すべき試料と、サイロトロピン受容体
    と結合する標識抗体を同時に1)の抗原と接触させる工程 3)抗原と結合した標識抗体、または結合しなかった標識
    抗体に由来する標識を測定し、自己抗体を検出する工程
  19. 【請求項19】標識抗体として、配列1または配列3で
    示される遺伝子によってコードされるアミノ酸配列、あ
    るいはその部分配列から選択したアミノ酸配列を含むイ
    ムノグロブリン重鎖可変領域、またはアミノ酸の置換、
    欠失、あるいは挿入によって得られる変異体を用いる請
    求項17または18の検出方法
  20. 【請求項20】標識抗体が軽鎖を備えており、この軽鎖
    が配列2または配列4に示す遺伝子によってコードされ
    るイムノグロブリン軽鎖可変領域、またはアミノ酸の置
    換、欠失、あるいは挿入によって得られる変異体である
    請求項17または18の検出方法
  21. 【請求項21】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺
    機能を刺激する活性を持つ自己抗体の標準物質であっ
    て、サイロトロピン受容体と結合する標識抗体として甲
    状腺機能を刺激する活性を持つイムノグロブリンの可変
    領域をコードする遺伝子を発現させることによって得ら
    れる組み換え体を含む標準物質
  22. 【請求項22】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺
    機能を刺激する化合物によって甲状腺機能低下症状を改
    善する方法であって、前記化合物として甲状腺機能を刺
    激する活性を持つイムノグロブリンの可変領域をコード
    する遺伝子を発現させることによって得られる組み換え
    体を用いる方法
  23. 【請求項23】サイロトロピン受容体に結合する化合物
    をサイロトロピン受容体と接触させるサイロトロピン受
    容体におけるシグナル伝達のモデルであって、前記化合
    物として甲状腺機能を刺激する活性を持つイムノグロブ
    リンの可変領域をコードする遺伝子を発現させることに
    よって得られる組み換え体を用いるモデル
  24. 【請求項24】次の工程1)-3)で構成されるサイロトロ
    ピン受容体を刺激する自己抗体の拮抗物質をスクリーニ
    ングする方法であって、サイロトロピン受容体と結合す
    る抗体として甲状腺機能を刺激する活性を持つイムノグ
    ロブリンの可変領域をコードする遺伝子を発現させるこ
    とによって得られる組み換え体を用いるスクリーニング
    方法 1)サイロトロピン受容体を用意する工程 2)サイロトロピン受容体と結合する抗体と、拮抗剤とし
    ての活性を試験すべき化合物をこのサイロトロピン受容
    体に反応させる工程 3)サイロトロピン受容体の刺激の程度を測定し拮抗剤と
    しての活性を決定する工程
  25. 【請求項25】次の工程1)-3)によって得ることができ
    る、サイロトロピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激
    する活性を持つ自己抗体に対する抗イディオタイプ抗体 1)当該自己抗体のイムノグロブリンの可変領域をコード
    する遺伝子を得る工程 2)得られた遺伝子を発現させ組み換え体を得る工程 3)組み換え体で動物を免疫し抗イディオタイプ抗体を得
    る工程
  26. 【請求項26】抗イディオタイプ抗体がモノクローナル
    抗体である請求項25の抗イディオタイプ抗体
  27. 【請求項27】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺
    機能を刺激する活性を持つ自己抗体の検出方法であっ
    て、抗原として請求項25に記載の抗イディオタイプ抗
    体の可変領域を用いる検出方法
  28. 【請求項28】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺
    機能を刺激する活性を持つ自己抗体に対する抗イディオ
    タイプ抗体を含む医薬品
  29. 【請求項29】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺
    機能を刺激する活性を持つ自己抗体に対する抗イディオ
    タイプ抗体を患者の抗体産生細胞に結合させ、当該自己
    抗体の産生を抑制する方法
  30. 【請求項30】次の工程1)−3)で構成されるサイロトロ
    ピン受容体の分布を画像化する方法であって、サイロト
    ロピン受容体に結合する抗体として甲状腺機能を刺激す
    る活性を持つイムノグロブリンの可変領域をコードする
    遺伝子を発現させることによって得られる組み換え体を
    用いる方法 1)サイロトロピン受容体と結合する抗体を標識する工程 2)画像化すべき対象の生体内に1)の標識抗体を導入する
    工程 3)抗体に付した標識を追跡することによってサイロトロ
    ピン受容体を画像化する工程
  31. 【請求項31】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺
    機能を刺激する活性を持ち、かつ配列17または配列1
    9に示すアミノ酸配列、あるいはその部分配列から選択
    したアミノ酸配列を含むイムノグロブリン重鎖可変領
    域、またはアミノ酸の置換、欠失、あるいは挿入によっ
    て得られる変異体をコードするDNA
  32. 【請求項32】配列17に示すアミノ酸配列を持つイム
    ノグロブリン重鎖可変領域をコードするDNAが、配列
    1に示す塩基配列からなる請求項31のDNA
  33. 【請求項33】配列19に示すアミノ酸配列を持つイム
    ノグロブリン重鎖可変領域をコードするDNAが、配列
    3に示す塩基配列からなる請求項31のDNA
  34. 【請求項34】サイロトロピン受容体に結合して甲状腺
    機能を刺激する活性を持ち、かつ配列18または配列2
    0に示すアミノ酸配列を持つイムノグロブリン軽鎖可変
    領域、またはアミノ酸の置換、欠失、あるいは挿入によ
    って得られる変異体をコードするDNA
  35. 【請求項35】配列18に示すアミノ酸配列を持つイム
    ノグロブリン軽鎖可変領域をコードするDNAが、配列
    2に示す塩基配列からなる請求項34のDNA
  36. 【請求項36】配列20に示すアミノ酸配列を持つイム
    ノグロブリン軽鎖可変領域をコードするDNAが、配列
    4に示す塩基配列からなる請求項34のDNA
  37. 【請求項37】次の工程1)-7)で構成されるサイロトロ
    ピン受容体に結合して甲状腺機能を刺激する活性を持つ
    ヒト・イムノグロブリンをコードする遺伝子をクローニ
    ングする方法 1)自己免疫による甲状腺機能亢進症の患者から抗体産生
    細胞を得る工程 2)1)で得た細胞からmRNAを得る工程 3)イムノグロブリン遺伝子の間で保存性の高い領域をプ
    ライマーとして逆転写酵素によりcDNAを得る工程 4)cDNAの5’側に2型制限酵素の認識部位を含むア
    ダプターを結合する工程 5)イムノグロブリン遺伝子のJ領域の間で高度に保存さ
    れている遺伝子配列に相補的で、かつ2型制限酵素の認
    識部位を含む3’側プライマーと、4)で結合したアダプ
    ターに相補的な5’側プライマーを用い、PCR法によ
    ってイムノグロブリンの可変領域遺伝子を増幅する工程 6)5)の増幅産物を2型制限酵素で消化し、発現ベクター
    の対応するサイトに組み込む工程 7)6)の発現産物をサイロトロピン受容体に対する刺激活
    性を指標にスクリーニングする工程
JP7328235A 1995-11-22 1995-11-22 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体 Pending JPH09140386A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7328235A JPH09140386A (ja) 1995-11-22 1995-11-22 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7328235A JPH09140386A (ja) 1995-11-22 1995-11-22 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006257126A Division JP4059404B2 (ja) 2006-09-22 2006-09-22 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09140386A true JPH09140386A (ja) 1997-06-03

Family

ID=18207958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7328235A Pending JPH09140386A (ja) 1995-11-22 1995-11-22 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09140386A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000029584A1 (en) * 1998-11-18 2000-05-25 Genentech, Inc. Antibody variants with higher binding affinity compared to parent antibodies
JP2010536934A (ja) * 2007-08-31 2010-12-02 ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン Tsh受容体拮抗性のテトラヒドロキノリン化合物
EP1950300A3 (en) * 1998-11-18 2011-03-23 Genentech, Inc. Antibody variants with higher binding affinity compared to parent antibodies

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000029584A1 (en) * 1998-11-18 2000-05-25 Genentech, Inc. Antibody variants with higher binding affinity compared to parent antibodies
JP2002530081A (ja) * 1998-11-18 2002-09-17 ジェネンテック・インコーポレーテッド 親抗体より高度な結合親和性を持つ抗体変異体
US6632926B1 (en) 1998-11-18 2003-10-14 Genentech, Inc. Antibody variants
EP1950300A3 (en) * 1998-11-18 2011-03-23 Genentech, Inc. Antibody variants with higher binding affinity compared to parent antibodies
JP2010536934A (ja) * 2007-08-31 2010-12-02 ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン Tsh受容体拮抗性のテトラヒドロキノリン化合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2112037C1 (ru) Гибридное моноклональное антитело, взаимодействующее с cd4-антигеном т-хелперных клеток человека, и способ его получения
JP3238049B2 (ja) マウス抗体可変部ドメインの免疫原性を減弱させた修飾免疫グロブリンの取得方法およびそれらを含有する組成物
JP4012880B2 (ja) 拮抗的抗hTNFSF13bヒト抗体
CA2266332C (en) Antibodies against human parathyroid hormone related protein
CN110082533B (zh) 用于免疫相关疾病的治疗的新组合物和方法
CN102971342B (zh) 亲和力降低的新抗体和制备所述抗体的方法
TWI801862B (zh) 抗tigit的抗體、其製備方法和應用
JP2008195724A (ja) ヒト腫瘍壊死因子に特異的なモノクローナルなキメラ抗体
HUE031725T2 (en) High Human Human Protease Activated Receptor-2 Affinity
MX2013005532A (es) Anticuerpos anti-ligando de quimiocina cc 20 (ccl20) neutralizantes.
KR20060120161A (ko) 항체
JP4984160B2 (ja) 抗体の作製方法
JP2008520204A (ja) 非アシル化グレリン抗体及びその治療への使用
JP2003259887A (ja) カドヘリン物質および方法
CN108948194A (zh) 一种新的ctla-4单克隆抗体
EP3938384A1 (en) Manufacturing methods for producing anti-il12/il23 antibody compositions
JP4980901B2 (ja) 新規なモノクローナル甲状腺刺激または阻害抗体、その可変領域に相当するペプチド配列、ならびに診断用医薬、予防用医薬および治療用医薬におけるそれらの使用
JP2005502610A (ja) フィブリンのd二量体断片に特異的なdd−3b6/22から誘導されるヒト化抗体
JP2015501295A (ja) 疾患を治療するのに有用な抗ヒトsema4A抗体
JP2000080100A (ja) 副甲状腺ホルモン関連タンパクに対するヒトモノクローナル抗体
CN115298216A (zh) 抗体或其抗原结合片段、其制备方法及医药用途
EP2727937A1 (en) Soluble integrin 4 mutant
JP4059404B2 (ja) 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体
JPH09140386A (ja) 甲状腺機能を刺激する活性を持つ抗体
CN113395979A (zh) 用抗il-23特异性抗体治疗银屑病的安全且有效的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060922

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060927

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20061020