JPH09137284A - 金属板の化成処理方法 - Google Patents

金属板の化成処理方法

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JPH09137284A
JPH09137284A JP29125095A JP29125095A JPH09137284A JP H09137284 A JPH09137284 A JP H09137284A JP 29125095 A JP29125095 A JP 29125095A JP 29125095 A JP29125095 A JP 29125095A JP H09137284 A JPH09137284 A JP H09137284A
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metal plate
conversion treatment
pressure
line speed
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JP29125095A
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Kentaro Ikejiri
健太郎 池尻
Yasunobu Maekawa
泰伸 前川
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価な設備でありながら、ライン速度が変化
しても、クロム付着量の変化の少ない化成処理方法を提
供する。 【解決手段】 金属板表面に化成処理を施すにあたり、
ライン速度に応じて化成処理液の吹きつけ圧力を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板に施す化成
処理方法、特に反応型処理による化成処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、薄鋼板、めっき鋼板等の金属
板の表面に、耐食性や塗装性の改善を目的として化成処
理が施されている。化成処理の中に、金属板表面と化成
処理液との反応により化成処理皮膜を形成する反応型化
成処理、例えば、亜鉛めっき鋼板に施されるクロメート
処理やリン酸塩処理がある。
【0003】反応型化成処理の場合、反応時間が変化す
ると、形成される化成処理皮膜量が変化する。化成処理
皮膜量の変化は、金属板の耐食性、塗装性等の諸品質に
影響するのみならず、外観的にも色調が変化し、商品価
値を損なうので、化成処理皮膜量のばらつきはできるだ
け小さい方が好ましい。ところが、金属板の連続処理設
備で化成処理を施す場合、ライン速度は常に一定とは限
らない。
【0004】例えば、亜鉛めっき鋼板に化成処理を施す
場合、亜鉛めっき処理部に後続して設けられた化成処理
設備で化成処理を施すことが多い。ところが、連続式亜
鉛めっき設備で亜鉛めっきを施す場合、ライン速度は一
定でなく、鋼板の厚さ、幅、めっき付着量等に応じて異
なる速度でめっきされる場合が多い。また、めっきライ
ンの入側でのコイル接続あるいはめっきラインの出側で
のコイル分割に際し、一時的にライン速度が低下する場
合もある。これらのライン速度の変化に伴い、めっき処
理に引き続いて施される化成処理で形成される化成処理
皮膜量が変化する。
【0005】反応型化成処理方式としては、処理する金
属板を化成処理液中に浸漬する浸漬方式、処理する金属
板に化成処理液をスプレーするスプレー方式あるいはこ
れらを併用する方式が多用されている。ライン速度が変
化する場合のように反応時間が変化する場合に形成され
る化成処理皮膜量の変化を低減するための検討、あるい
は、その際の外観ムラの発生を防止するための工夫がな
されている。
【0006】(1)浸漬方式によるもの 特開昭57−207180号公報:複数の浸漬槽を有
する化成処理設備において、ストリップの通板速度が所
定値より変動した場合、所定の浸漬槽の処理液を抜き取
ることにより、処理槽毎の処理のオン/オフによる浸漬
時間制御を行う(先行技術1)。
【0007】特公昭59−5667号公報:互いに長
さの異なる複数の処理槽と各処理槽の前部と後部に昇降
可能に支持され、上昇時には金属板が処理液に非浸漬位
置になり、下降時には金属板が処理液に浸漬位置になる
ような浸漬用ロールを配設している。金属板の搬送速度
の変化に対応して、所定の処理槽の浸漬用ロールを昇降
し、あるいは所定の処理槽の処理液を空にして、処理液
との接触時間を調整する(先行技術2)。
【0008】特開昭61−243183号公報:竪型
の浸漬処理槽において、金属ストリップの通板速度に応
じて、浸漬処理槽と連通した液面調整タンクを上下方向
の任意位置に移動することにより、金属ストリップの処
理液への浸漬深さを増減制御する(先行技術3)。
【0009】特開昭61−69979号公報:ステン
レス帯鋼の着色処理に際して、色調測定値と色調設定値
との差に基づいて、着色液通過時間を修正する。具体的
には、帯鋼が浸漬して通過する着色槽中のシンクロール
を上下することによって処理液中の帯鋼経路長を変化さ
せることによって、着色液通過時間を修正する(先行技
術4)。
【0010】特開昭62−297474号公報:竪型
の浸漬処理槽中に、複数のスプレーノズルを配設し、各
スプレーノズルへの処理液の供給を金属ストリップに適
合するように調節する。処理液中で、金属ストリップに
直角にノズルから噴流により処理液を吹き付けることに
より、拡散層の厚さが薄くなり反応速度が上がり、処理
時間−皮膜重量の関係を一次式で表わせるようにして、
皮膜処理時間を確実に調整できるようにする(先行技術
5)。
【0011】(2)スプレー方式によるもの 特公平5−34430号公報:前段、中段、後段のスプ
レーゾーンからなる多段式スプレー装置を用いた連続式
反応クロメート処理方法において、ラインスピード減速
時に前段スプレーゾーンを停止することにより、減速に
伴うクロム付着量の変化およびスプレー停止に伴う外観
ムラの発生を防止する(先行技術6)。
【0012】(3)浸漬方式とスプレー方式とを併用す
るもの 特開昭59−166676号公報:はじめに浸漬方式に
より処理を施し、その後スプレー方式による複数のスプ
レー区分によって、ライン速度が速くなれば使用するス
プレー区分の数を増加し、遅くなれば使用するスプレー
区分を減少して処理することにより、ライン速度の変化
に迅速に対応して処理時間を一定にするととともに、ス
トリップの上側のスプレーノズルをストリップ幅の外側
に配置したサイドスプレーとすることにより外観ムラの
発生を防止している(先行技術7)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した公報
に記載される方法による場合、以下の問題点がある。
【0014】(1)先行技術1、先行技術2に記載され
る方法による場合、処理槽の迅速な切替えが困難である
ことに加えて処理槽の切替え前後でクロム付着量が大き
く変化する。さらに、切替の際に不均一な処理皮膜が形
成されることによるめっき面の処理ムラが発生する。ま
た、装置が複雑になる。
【0015】(2)先行技術3に記載される方法による
場合、浸漬深さの迅速な変更が困難である。また、浸漬
深さが浅い場合、処理後のアップパスで金属ストリップ
が生乾きとなることによる処理ムラが発生する。
【0016】(3)先行技術4に記載される方法による
場合、迅速な応答が困難であり、また装置が複雑にな
る。
【0017】(4)先行技術5に記載される方法には、
ライン速度の変化に応じて付着量を一定にするというこ
とが記載されておらず、ライン速度の変動に対する応答
性が劣る。また、選択したノズルの使用前後における付
着量の変化が大きい。さらに、拡散層を薄くするための
噴流を得るためには大規模な処理液供給設備が必要にな
る。
【0018】(5)先行技術6に記載される方法による
場合、スプレー使用段数が変化した前後におけるクロム
付着量の変化が大きく、スプレーの段数が少ないので、
クロム付着量の調整可能範囲が狭い。また、スプレー装
置の停止、吹き付けの繰り返しによりスプレーノズル詰
まりが発生しやすくなり、その点検、手入れのための工
数が増加し、生産性が低下する。
【0019】(6)先行技術7に記載される方法による
場合、スプレー使用段数が変化した前後におけるクロム
付着量の変化が大きい。また、スプレー装置の停止、吹
き付けの繰り返しによりスプレーノズル詰まりが発生し
やすくなり、その点検、手入れのための工数が増加し、
生産性が低下する。サイドスプレーとしない場合には、
ノズル停止箇所からの処理液のボタ落ちによる外観ムラ
が発生し、またサイドスプレーとした場合には、スプレ
ーノズルの詰まり等があった場合、付着量のムラあるい
はこれに起因する外観ムラがより顕著になりやすいとい
う弊害がある。
【0020】本発明は、前記した問題点を改善し、安価
な設備でありながら、ライン速度が変化しても、クロム
付着量の変化の少ない化成処理方法を提供することを目
的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の手段は以下のとおりである。
【0022】(1)金属板表面に化成処理を施すにあた
り、ライン速度に応じて化成処理液の吹きつけ圧力を制
御する金属板の化成処理方法。
【0023】(2)上記の(1)において、金属板が亜
鉛めっき鋼板であり、化成処理がクロメート処理である
化成処理方法。
【0024】(3)上記の(1)乃至(2)において、
ライン速度が速い場合には、化成処理液の吹きつけ圧力
を高くし、ライン速度が遅い場合には、化成処理液の吹
きつけ圧力を低くする化成処理方法。
【0025】(4)上記の(1)乃至(3)において、
金属板表裏の化成処理液の吹きつけ圧力を異なる圧力と
する化成処理方法。
【0026】(5)上記の(1)乃至(4)において、
さらに金属板の両縁部の外側に延在して設けた遮蔽部材
により、金属板の反対面への処理液の回り込みを防止す
る化成処理方法。
【0027】以下に、本発明について、亜鉛めっき鋼板
にクロメート処理を行った場合を例にあげて説明する。
【0028】本発明者等は、図2に示す水平型のクロメ
ート処理装置により、クロメート処理条件とクロム付着
量との関係について調査した。クロメート処理は以下の
ように行う。
【0029】処理液14を処理液循環タンク13から処
理液供給ポンプ15より加圧し、スプレー装置5a、5
b、6a、6b、7a、7b、8a、8b、9a、9b
から亜鉛めっき鋼板10に吹きつけて、亜鉛めっき鋼板
10の表面にクロメート処理皮膜を形成する。亜鉛めっ
き鋼板10は、絞りロール3、4により処理液が絞り取
られた後、図示しない乾燥装置により乾燥される。吹き
つけられた処理液は、その後、処理槽1の下部から処理
液循環タンク13に戻る。
【0030】この装置で、付着量20g/m2 の電気亜
鉛めっき鋼板について日本パーカライジング(株)製の
反応型クロメート処理液、ジンクロム #3368(ZM
#3368)を表1の条件で用いて、鋼板上面のスプレ
ー装置のスプレー圧力を0.8kg/cm2 で一定にし
て、スプレー装置の使用段数を変えた場合のライン速度
とクロム付着量の関係を調査した。調査結果を図4に示
す。但し、図4で、スプレー段数の1段はスプレー装置
9a、2段はスプレー装置8a、9a、3段はスプレー
装置7a、8a、9a、4段はスプレー装置6a、7
a、8a、9a、5段はスプレー装置5a、6a、7
a、8a、9aを使用している。
【0031】
【表1】
【0032】スプレー装置の使用段数が一定の場合、ラ
イン速度が変わると、クロム付着量が変わり、ライン速
度の増加に従いクロム付着量が減少する。また、使用段
数を増加するとクロム付着量が増加する。
【0033】先行技術6や先行技術7による場合は、ラ
イン速度の変化によるクロム付着量の変化を少なくする
ために、ライン速度が高い場合には、スプレー装置の使
用段数を増加し、ライン速度が低い場合には使用するス
プレー装置の使用段数を減少する。例えば、図4で15
0mg/m2 の目標クロム付着量で、ライン速度が23
m/分で3 段から4 段、ライン速度が46m/分で4段
から5段への切変えを行う場合、ライン速度が20m/
分から70m/分に変化すると、クロム付着量は図4の
A→B→C→D→E→Fへと変化する。クロム付着量は
スプレー装置の使用段数の変化の際、図4のB→C、D
→Eの変化に認められるように急激に増大する。また、
クロム付着量の最大のばらつきは図中のに示される量
となり、そのばらつきが大きい。
【0034】さらに、前記した処理液を用いて、5段の
スプレー装置を使用して、鋼板上面のスプレー装置のス
プレー圧力を変えた場合のスプレー圧力とクロム付着量
との関係をライン速度を変えて調査した。調査結果を図
5に示す。スプレー圧力の上昇、低下に対応して、クロ
ム付着量がそれぞれ増加、減少している。従って、ライ
ン速度を変更する場合、変更するライン速度に応じて目
標とするクロム付着量に対応するスプレー圧力を選ぶこ
とにより、ライン速度を変更しても、クロム付着量を一
定にすることができる。例えば、目標クロム付着量が1
50mg/m2の場合、ライン速度に応じてスプレー圧
力を図6の線図(a)に示されるように、ライン速度が
速い場合には処理液のスプレー圧力を高くし、ライン速
度が低い場合には処理液のスプレー圧力を低くするよう
に調整することにより、ライン速度が変わってもクロム
付着量を一定にすることができる。
【0035】また、反応型化成処理の場合、処理液と処
理される金属板との接液時間が異なると形成される化成
処理皮膜量が異なる。水平型化成処理や竪型化成処理に
おいて、金属板の表裏面で接液時間が異なることによ
り、表裏面の化成処理皮膜量が異なる場合がある。例え
ば、水平型化成処理の場合、金属板上面の処理液は絞り
ロールで絞り取られるまで、鋼板上に滞留するが、金属
板下面の処理液は絞りロールに到達前に金属板から下方
に落下する。従って、金属板下面の接液時間が金属板上
面の接液時間より短くなり、金属板下面の化成処理皮膜
量は上面より少なくなる傾向がある。この場合、下面側
のスプレー装置の吹きつけ圧力を上面側の吹きつけ圧力
より高くすることにより、金属板の表裏面の化成処理皮
膜量のバラツキを少なくすることができる。
【0036】本発明は、この知見に基づくものであり、
前記したクロメート処理に係わらず、反応型の化成処理
液について広く適用することができる。使用する化成処
理液について、予め処理液の吹きつけ圧力と形成される
化成処理皮膜量との関係を求めておき、ライン速度が変
化した場合、ライン速度に応じて化成処理液の吹きつけ
圧力を調整することにより、ライン速度が変化しても化
成処理皮膜量を一定にすることができる。また、金属板
の表裏面に形成される化成処理皮膜量に差がある場合、
付着量の少ない面のスプレー装置の吹きつけ圧力を付着
量が多い面のスプレー装置の吹きつけ圧力より高くする
ように、表裏面のスプレー装置の吹きつけ圧力に差をつ
けることにより、金属板の表裏面の化成処理皮膜量のバ
ラツキを少なくできる。また、複数のスプレー装置を使
用する場合、各スプレー装置での圧力損失の差が大きい
場合があるので、圧力調整は各スプレー装置毎に独立し
て行うことがより好ましい。
【0037】また、処理を施す金属板は亜鉛めっき鋼板
に限定されるものではなく、亜鉛系あるはその他の合金
めっき、錫系めっき等のめっき鋼板、ステンレス鋼板、
普通鋼板等の鋼板あるいはチタン板等各種の金属板を対
象とすることができる。
【0038】また、本発明は、浸漬方式において、スプ
レーノズルの吹きつけ圧力を変更する場合においても有
効である。処理液の吹きつけをスリットノズルによって
行う場合であってもよい。
【0039】本発明の方法は、吹きつけ圧力の迅速な変
更が可能であるので、ライン速度が大きく変化した場合
にも、化成処理皮膜付着量のばらつきを小さくできるの
で、良好な化成処理性能、外観を得ることができる。ま
た、処理液の吹きつけ装置の使用・停止の繰り返しがな
いので、これに起因するノズル詰まりを防止できる。
【0040】処理液の吹きつけ圧力を高圧にした場合、
金属板の幅を外れて吹きつけられる処理液が金属板の反
対面に回り込み、処理槽の外壁あるいはスプレー配管等
にぶつかってはねかえり、あるいはぶつかって付着した
後、金属板上に滴下し、外観ムラを発生する場合があ
る。金属板の両縁部の外側に延在して遮蔽部材を設け、
金属板の反対面への処理液の回り込みを防止することに
よって、この外観ムラの発生を防止することができる。
従って、必要があれば前記の遮蔽部材を設けることが望
ましい。特に、水平型の化成処理設備においてこの遮蔽
部材は効果を発揮する。
【0041】
【実施例】図2、図3は本発明例の実施例に用いた化成
処理装置である。図2で、1は処理槽、2〜4は絞りロ
ール、5a、5b、6a、6b、7a、7b、8a、8
b、9a、9bはスプレー装置、10は亜鉛めっき鋼
板、11は処理液供給配管、12は処理液の戻り配管、
13は処理液循環タンク、14は処理液、15は処理液
供給ポンプ、16a、16b、16c、16dは各スプ
レー装置のスプレー圧力を検出する圧力計、17a、1
7b、17c、17dは各スプレー装置のスプレー圧力
を調整するための圧力調整弁、18a、18b、19
a、19b、20、21は各スプレー装置への処理液の
供給、停止を行うための開閉弁、23、25は圧力リリ
ーフ弁である。また、27は処理槽の後にあるブライド
ルロール28の回転数に応じた信号をコントローラ29
に発信するパルス発生器、29はパルス発生器から送ら
れた信号に基づき、ライン速度を演算し、演算した速度
に基づき、前記した各スプレー装置への処理液供給を行
うための開閉弁18a、18b、19a、19b、2
0、21の開閉を行い、または、各スプレー装置のスプ
レー圧力を調整するための圧力調整弁17a、17b、
17c、17dにより各スプレー装置のスプレー圧力を
調整するための圧力調整を行うためコントローラであ
る。
【0042】図3は、図2の装置の断面図であり、亜鉛
めっき鋼板の両側の幅方向に延在して帯状の遮蔽部材3
1a、31bが設けられている。前記遮蔽部材の一端
は、亜鉛めっき鋼板の端部に設けられた案内軌道32
a、32b上を走行する移動台車33a、33bの一端
に接続され、他端は、図示されていない張力付与装置に
より一定の張力が付与された状態で巻取り装置34a、
34bで巻き取られている。また、前記移動台車は、遮
蔽部材の巻取り方向と逆方向に、案内軌道に沿って鋼線
35a、35bを介して遮蔽部材に張力を付与するため
のテンションウエート36a、36bにより張力が付与
されている。前記テンションウエートは、図示されてい
ない亜鉛めっき鋼板の端部を検出する端部検出装置と、
この検出装置によって検出された信号に基ずいて、前記
遮蔽部材の一端が亜鉛めっき鋼板の端部に追従して移動
するようにその高さ位置が制御されている。前記遮蔽部
材の鋼板端部の近接部は、前記巻取り装置および前記テ
ンションウエートにより付与される張力により平坦な状
態に保持される。また、40は化成処理槽の上蓋、41
はスプレー装置のスプレー配管、42はスプレー配管に
設けられたスプレーノズルである。
【0043】この装置を使用して、下記の本発明例およ
び比較例のクロメート処理を施した。
【0044】(本発明例)焼鈍、調質圧延後の冷延鋼板
を、脱脂、酸洗後、硫酸浴でめっき付着量20g/m2
の電気亜鉛めっきを施した後水洗表面調整を施し、引続
き前記した装置で、日本パーカライジング(株)製の反
応型クロメート処理液、ジンクロム #3368(ZM #
3368)を吹きつけた後、絞りロールで亜鉛めっき鋼
板表面から処理液を絞り取った後乾燥して目標クロム付
着量が150mg/m2 のクロメート処理を施した。処
理液は表1の通りであり、スプレー装置は5段(全段)
使用し、ライン速度は40〜90m/分まで変化させ
た。その際、ライン速度に応じて、圧力調整弁17a、
17b、17c、17dを調整して、金属板上面のスプ
レー装置のスプレー圧力を図6の線図(a)、下面のス
プレー装置のスプレー圧力を図6の線図(b)に示され
る圧力になるようにした。得られたクロメート処理皮膜
のクロム付着量を図1(a)に示す。
【0045】(比較例)比較のために、前記の本発明例
と同様にして製造した亜鉛めっき鋼板について、前記と
同様の処理液を用いて、金属板上面のスプレー装置のス
プレー圧力を0.8kg/cm2 、下面のスプレー装置
のスプレー圧力を1.4kg/cm2 で一定にして、ラ
イン速度に応じてスプレー装置の使用段数を変えてクロ
メート処理を施した。なお、ライン速度は46m/分
で、スプレー装置の使用段数を4段から5段に切変え
た。得られたクロメート処理皮膜のクロム付着量を図1
(b)に示す。
【0046】本発明例の場合、ライン速度が変化しても
クロム付着量の変化が少ない。一方、比較例はスプレー
装置の使用段数が変化した際にクロム付着量の変化が大
きく、その際の外観の色調変化も大きかった。また、ス
プレー装置の使用段数が一定の場合であっても、ライン
速度の増加に従ってクロム付着量の減少が認められる。
【0047】また、本発明例では遮蔽部材があるので、
下側のスプレー装置の板幅を外れる部分のノズルからス
プレーされた処理液が遮蔽部材により遮蔽され、鋼板の
反対側に回りこまないので、処理層の天井30等から処
理液が鋼板上面に滴下することがないので、これに起因
する外観ムラは認められなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明による処理法の場合、ライン速度
が変わっても、クロム付着量の変化、外観の変化が少な
く、また、ライン速度が変化の際の外観ムラの発生がな
い。また、ノズルの使用、停止がなくなるので、これに
起因するノズル詰まりの発生がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ライン速度を変更した場合のクロム付着量の変
化の状況を示す図。
【図2】本発明を実施するために用いたクロメート処理
設備の図。
【図3】本発明を実施するために用いたクロメート処理
設備の断面図。
【図4】スプレー装置のスプレー圧力を一定にしてスプ
レー装置の使用段数を変更した場合のライン速度とクロ
ム付着量との関係を示す図。
【図5】スプレー装置の使用段数を一定にしてスプレー
圧力を変更した場合のスプレー圧力とクロム付着量との
関係を示す図。
【図6】スプレー装置の使用段数を一定にした場合のク
ロム付着量が一定になるライン速度とスプレー圧力の関
係を示す図。
【符号の説明】 1 処理槽 2〜4 絞りロール 5a、5b、6a、6b、7a、7b、8a、8b、9
a、9b スプレー装置 10 鋼板 13 処理液タンク 14 処理液 16a、16b、16c、16d 圧力調整弁 18a、18b、19a、19b、20、21 スプレ
ー装置への処理液供給のための開閉弁 27 パルス発生器 28 ブライドルロール 29 コントローラー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板表面に化成処理を施すにあたり、
    ライン速度に応じて化成処理液の吹きつけ圧力を制御す
    ることを特徴とする金属板の化成処理方法。
  2. 【請求項2】 金属板が亜鉛めっき鋼板であり、化成処
    理がクロメート処理であることを特長とする請求項1記
    載の金属板の化成処理方法。
  3. 【請求項3】 金属板の表面に化成処理を施すにあた
    り、ライン速度が速い場合には、化成処理液の吹きつけ
    圧力を高くし、ライン速度が遅い場合には、化成処理液
    の吹きつけ圧力を低くすることを特徴とする請求項1乃
    至請求項2記載の金属板の化成処理方法。
  4. 【請求項4】 金属板の表面に化成処理を施すにあた
    り、金属板表裏の化成処理液の吹きつけ圧力を異なる圧
    力とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の
    金属板の化成処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4記載の金属板の化
    成処理方法において、さらに金属板の両縁部の外側に延
    在して設けた遮蔽部材により、金属板の反対面への処理
    液の回り込みを防止することを特徴とする金属板の化成
    処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019042717A (ja) * 2017-09-07 2019-03-22 Jfeスチール株式会社 表面処理金属板の製造方法
CN115505917A (zh) * 2021-06-23 2022-12-23 上海梅山钢铁股份有限公司 一种镀锡板无铬钝化装置及工艺

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JP2019042717A (ja) * 2017-09-07 2019-03-22 Jfeスチール株式会社 表面処理金属板の製造方法
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