JPH09134938A - 耐酸化性に優れたボンディングツール - Google Patents

耐酸化性に優れたボンディングツール

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JPH09134938A
JPH09134938A JP1580196A JP1580196A JPH09134938A JP H09134938 A JPH09134938 A JP H09134938A JP 1580196 A JP1580196 A JP 1580196A JP 1580196 A JP1580196 A JP 1580196A JP H09134938 A JPH09134938 A JP H09134938A
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bonding
pressure
diamond
bonding tool
oxidation resistance
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JP1580196A
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Inventor
Masatoshi Nishikawa
正寿 西川
Yasuaki Sugizaki
康昭 杉崎
Toshiki Sato
俊樹 佐藤
Masanori Sai
政憲 蔡
Kozo Nishimura
耕造 西村
Takao Inoue
隆夫 井上
Koichi Miyata
浩一 宮田
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SHINKO KOBELCO TOOL KK
Kobe Steel Ltd
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SHINKO KOBELCO TOOL KK
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧着面に使用される気相合成ダイヤモンド結
晶自体の耐酸化性を向上させることによって、優れた耐
酸化性を発揮することのできるボンディングツールを提
供する。 【解決手段】 基体部とシャンク部を接合してなるボン
ディングツールにおいて、基体部の圧着作用相当部に、
炭素に対するB濃度が10〜12000ppmである気
相合成ダイヤモンドからなる圧着面が形成されたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路(IC)
や高密度集積回路(LSI)等の半導体素子をTAB
(Tape Automated Bonding)方式で実装する際に用いら
れるボンディングツールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶テレビ、電子手帳、ラップト
ップ型のパーソナルコンピュター、ワードプロセッサー
等の電子機器は、薄型化、軽量化する傾向があり、また
付加価値の多い高機能化が要求される様になっている。
こうしたことから、上記電子機器に内蔵されるICやL
SI等の半導体素子においても高機能化や大容量化が要
求される様になっている。
【0003】上記の様な要求に対応しつつICやLSI
等の半導体素子を実装する技術として、上記TAB方式
が注目されている。このTAB方式のうち、特にインナ
・リード・ボンディング(ILB)では、フィルムキャ
リアテープ上の多数のリード線と、該リード線に対応し
てICやLSI等のチップ上に多数形成された電極と
を、500〜600℃程度に加熱されたボンディングツ
ールの圧着作用部で圧着して連続的に接合していく方式
である。
【0004】TAB方式で用いられるボンディングツー
ルは、基体部とシャンク部をろう付け接合してなり、基
体部の先端に圧着作用部を備えているものが一般的であ
るが(例えば、特開平4−25138号)、こうしたボ
ンディングツールの圧着作用部に要求される特性として
下記のものが挙げられる。
【0005】(1)温度の均一性が良好であること。 (2)圧着部(圧着面)ができるだけ平坦であり、使用
温度において変形しないこと。 (3)リード線や電極に使用される金属材料が溶融付着
し難く、耐摩耗性が良好であること。 (4)使用温度(500〜600℃)での耐酸化性、耐
熱性が良好であること。
【0006】TAB方式においては前述の如く、ボンデ
ィングツールの圧着作用部でリード線と電極とを一括し
て接合するものであるが、接合の信頼性を高める為には
電極とリード線を合わせて均一に加熱・圧着する必要が
あり、こうしたことから上記(1)、(2)の特性が要
求される。
【0007】また前記リード線はCuの表面にSnやA
uめっきされたものが使用され、電極はAuが使用され
るのが一般的である。そしてこれらの金属材料がボンデ
ィングツールの圧着作用部に付着して汚染されれば、そ
れらを除去する為にクリーニングが行われるのである
が、このクリーニングは、SiCやAl23 の砥石に
よって圧着部表面を研磨することによって行われる。こ
うしたことから、ボンディングツールの圧着作用部に
は、上記(3)の特性が要求される。更に、ボンディン
グツールツールは500〜600℃という高温下で使用
され、特にコンスタント・ヒート方式の場合は高温雰囲
気に常時晒されることから、上記(4)の特性が要求さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なボンディングツールの圧着作用部に使用される物質と
しては、気相合成ダイヤモンド、ダイヤモンド単結晶、
ダイヤモンド焼結体、バインダレスcBN (Cubic Boro
n Nitride)焼結体等が知られている(例えば、特開平5
−67651号)。
【0009】しかしながらこれまで使用されてきた物質
は、いずれも次の様な欠点があり、更なる改良が望まれ
ている。上記物質のうち性能面で最も好ましい物質は、
ダイヤモンド特に気相合成ダイヤモンドであるとされて
いるが、それでも前記の様な使用温度においては長時間
使用すると徐々に表面が酸化してしまい、ボンディング
ツールとして要求される表面粗さや平坦性が低下し、使
用寿命がそれほど長くないという欠点がある。またバイ
ンダレスcBN焼結体は、高温保持によって表面粗さの
変化が気相合成ダイヤモンドに比べて劣っているという
欠点がある。
【0010】一方、上記いずれの特質を採用しても、2
0〜30ショットごとに圧着面に付着したSn等の金属
材料(または金属酸化物)を除去する為のクリーニング
工程が必要となるのであるが、このクリーニング工程の
頻度を少なくして生産性を上げることが望まれている。
【0011】尚ボンディングツールに用いられるダイヤ
モンドの耐酸化性を考慮した技術として、例えば特開平
4−25138号には、気相合成ダイヤモンドの純度を
できるだけ高めて耐酸化性を向上させることも開示され
ているが、この技術は非ダイヤモンド炭素の含有率をで
きるだけ低減することによって耐酸化性の劣化を防止す
るものであり、ダイヤモンドの結晶自体の耐酸化性を向
上させるものではない。
【0012】本発明はこうした状況の下になされたもの
であって、その目的は、圧着面に使用される気相合成ダ
イヤモンドの結晶自体の耐酸化性を向上させることによ
って、優れた耐酸化性を発揮することのできるボンディ
ングツールを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、基体部とシャンク部を接合してなるボンディ
ングツールにおいて、基体部の圧着作用相当部に、炭素
に対するB濃度が10〜12000ppmである気相合
成ダイヤモンドからなる圧着面が形成されたものである
点に要旨を有するボンディングツールである(以下、B
濃度xppmの気相合成ダイヤモンドとは、炭素に対す
るB濃度がxppmであるダイヤモンドとする)。
【0014】本発明のボンディングツールの具体的な構
成としては、(a)基体部がWC−Co系超硬合金から
なり、この基体部の圧着作用相当部に、(Alx Ti
1-x )N窒化膜等からなるCo拡散防止層が形成され、
該Co拡散防止層上に前記気相合成ダイヤモンドからな
る圧着面が形成されたものである構成や、(b)基体部
がWC−Co系超硬合金からなり、この基体部の圧着作
用相当部のCoを溶出させ、その部分に前記気相合成ダ
イヤモンドからなる圧着面が形成された構成、等が挙げ
られる。
【0015】また上記いずれの具体的構成を採用するに
しても、基体部として用いられるWC−Co系超硬合金
の耐酸化性を向上させるという観点からして、基体部に
おける圧着作用相当部およびシャンク部との接合部以外
が、(Alx Ti1-x )N(但し、0.25≦x≦1.
0)の化学組成で示される皮膜で被覆する構成を付加す
ることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、ボンディングツー
ルの圧着面として使用される気相合成ダイヤモンド自体
の耐酸化性を向上させるべく、様々な角度から検討し
た。その結果、所定量のBを含ませた気相合成ダイヤモ
ンドでは、従来の各種ダイヤモンドよりも耐酸化性が格
段に優れたものとなり、しかもボンディングツールの圧
着面として要求される他の特性も劣化させることもな
く、この様な気相合成ダイヤモンドを圧着面の素材とし
て用いれば、ボンディングツールの耐酸化性を著しく向
上できることを見出し、本発明を完成した。
【0017】Bを含ませることによって気相合成ダイヤ
モンドの耐酸化性が向上した理由については、その全て
を解明し得た訳ではないが、おそらく次の様に考えるこ
とができる。即ち、気相合成ダイヤモンド中にBが含ま
れると、ダイヤモンド結晶自体の結晶性が向上(Bによ
る欠陥生成の抑制効果)することにより耐酸化性が向上
するものと考えられる。
【0018】本発明においては、気相合成ダイヤモンド
中に含まれるB濃度(炭素に対するB濃度)は、10〜
12000ppmとする必要がある。即ち、上記B濃度
が10ppm未満と少なくなり過ぎると、ダイヤモンド
合成時のBによる欠陥生成の抑制効果が得られず、ダイ
ヤモンド結晶自体の結晶性が向上せずに耐酸化性向上効
果が得られない。また上記B濃度が過剰になって120
00ppmを超えると、気相合成ダイヤモンド膜中に非
ダイヤモンド成分であるDLC(Diamond likecarbon)
やグラファイト成分が増加して耐酸化性を却って低下さ
せる。尚気相合成ダイヤモンド中に含まれる非ダイヤモ
ンド成分や成長速度等の観点からすれば、炭素に対する
B濃度は4000ppm以下であることがより好まし
い。
【0019】ところで、基体部の素材として用いられる
物質としては、Si,Si34 を主成分とする焼結
体、SiCを主成分とする焼結体、AlNを主成分とす
る焼結体等、様々なものが提案されており(例えば、前
記特開平4−25138号)、本発明においてもこれら
の物質を採用しても良いが、シャンク部との接合等を考
慮すると、WC−Co系に代表される超硬合金が好まし
い材料であると考えられる。
【0020】しかしながら、WC−Co系各種超硬合金
を基体部の素材として用いると、該超硬合金中に結合材
として含まれるCoの影響により密着性良くダイヤモン
ドの合成を行うことができない。こうしたことから、W
C−Co系超硬合金を基体部の素材として用いる場合
は、基体部の圧着作用相当部にCo拡散防止層を形成
し、このCo拡散防止層上に気相合成ダイヤモンドを形
成する構成を採用するのが好ましい。即ち、基体部と気
相合成ダイヤモンドとの間にCo拡散防止層を形成する
ことによって、上記の様な不都合が回避しつつ希望する
気相合成ダイヤモンドからなる圧着面が形成できるので
ある。尚Co拡散防止層は、その機能を達成し、ダイヤ
モンドと超硬合金の双方と密着性の良好なものであれば
良く、炭化膜,窒化膜等の様々なものが採用できるが、
最も好ましいのは窒化膜であり、具体的には(Alx
1-x )Nの化学組成で示される窒化膜が挙げられる。
また上記炭化膜としては、TiC,WC,TaC等の炭
化膜が挙げられる。
【0021】但し、Co拡散防止層として上記(Alx
Ti1-x )N膜を形成する場合には、xの範囲を0.2
5≦x≦1.0とする必要があるが、これは次の理由か
らである。上記(Alx Ti1-x )N膜において、xの
値が小さくなるにつれて(即ち、TiN膜に近づくにつ
れて)、熱膨張率の差が大きくなり、該膜に対するダイ
ヤモンドの密着性が低下する。AlN膜、TiN膜およ
びダイヤモンド膜の熱膨張率は、夫々AlN膜:5.0
×10-5cm/℃、TiN膜:9.3×10-5cm/
℃、ダイヤモンド膜:3.2×10-5cm/℃である。
即ち、xの値を0.25以上とすれば、熱膨張率の差を
小さくしてダイヤモンドの密着性を良好に維持すること
ができるのである。
【0022】またCo拡散を防止するという観点からす
れば、圧着作用相当部における基体部のCoを溶出さ
せ、その部分に気相合成ダイヤモンドを成形する構成も
採用することができる。即ち、こうした構成を採用すれ
ば、気相合成ダイヤモンドの形成を阻害するCoを、基
体部の圧着作用相当部から予め除去することになるの
で、前記した様な不都合は生じない。
【0023】一方、基体部はボンディングツールの使用
時に高温雰囲気に最も晒されることになるので、耐酸化
性に優れていることが要求される。耐酸化性が低いと、
ボンディング作業時に酸化スケールがICやLSI等の
チップに飛来してチップの性能を低下させることにもな
る。WC−Co系超硬合金は基体部の素材としてこれま
で用いられてきた前記各種物質と比べて耐酸化性が低い
ので、WC−Co系超硬合金を基体部の素材として用い
る場合には、該基体部の耐酸化性を向上させるという観
点から、基体部における圧着作用相当部およびシャンク
部との接合部以外の部分を前記した様な(Alx Ti
1-x )N膜で被覆することが好ましい。即ち、(Alx
Ti1-x )N膜は、耐酸化性という点でも優れており、
この様な膜を基体部の所定の部分に被覆することによっ
て、基体部の耐酸化性を向上させることができる。(A
x Ti1-x )N膜を基体部の所定の部分に被覆する場
合においても、(Alx Ti1-x )N膜におけるxの範
囲を0.25≦x≦1.0とする必要があるが、これは
耐酸化性の観点から規定される。即ち、xの値が0.2
5未満では、ボンディングツールの使用温度全域(50
0〜600℃)において、希望する耐酸化性が得られな
い。尚使用温度が500℃程度であれば、xの値が0の
場合(即ち、TiN皮膜の場合)でも十分な耐酸化性が
発揮できると考えられるが(TiN皮膜の酸化開始温度
は600℃)、使用温度が高くなって600℃に近づく
につれてその効果が半減してしまうので、この点をも考
慮してxの値の下限を0.25とした。
【0024】前記(Alx Ti1-x )N膜を形成する方
法については、特に限定されるものではなく、例えばア
ークイオンプレーティング法(AIP法)やスパッタリ
ング法に代表される物理的蒸着法(PVD法)によって
行うことができる。尚上記の様な皮膜を形成する為の具
体的方法として、カソードを蒸発源としてアーク放電に
よって金属成分をイオン化しつつ皮膜を形成する方法
を、同一出願人によって既に提案しているが(特公平5
−67705号)、本発明においてもこの方法を採用す
れば、皮膜組成のコントロールが容易に行えるので好ま
しい。
【0025】尚シャンク部の素材として用いられる物質
としては、コバール、インコネル、インバー合金、ステ
ンレス鋼、Mo、W、W−Cu合金、W−Ni合金、超
硬合金等が知られているが(例えば、前記特開平4−2
5138号)、本発明においても、これらをシャンク部
の素材として用いることができる。
【0026】以下本発明を実施例によって、更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0027】
【実施例】
実施例1 超硬合金(10mm×10mm×1mm)の表面にAI
P法によって(AlxTi1-x )N膜を被覆したものを
素材とし、この素材表面に、各種濃度のBを含む気相合
成ダイヤモンド(以下、「Bドープダイヤモンド」と呼
ぶ)および気相合成純ダイヤモンド(Bをドープしてい
ないもの)を下記の条件で合成し、その表面を下記の条
件で研磨加工した。尚合成時間が10〜20時間である
のは、B濃度が高いほどダイヤモンドの成長速度が遅く
なるというダイヤモンドの成長速度の差によって生じた
ものである。
【0028】(合成条件) (a)合成方法:熱フィラメント法(フィラメント温
度;2200℃) (b)原料ガス: (i)Bドープダイヤモンド:水素100ccm内10
ccmは、トリエトキシボラン[(C2H5O)3B]を解かし
たエタノール中を通してのバブリングを行った。 (ii)気相合成純ダイヤモンド:水素100ccm内
10ccmはエタノール中を通してのバブリングを行っ
た。 (c)圧力:80Torr (d)合成時間:10〜20時間(膜厚50μmの合
成) (研磨加工条件) (a)使用砥石:ダイヤモンド砥石,SD#1500
(ビドリファイドボンド砥石) (b)回転数:2500rpm
【0029】得られた各試料について、大気中600℃
×2カ月で放置して表面粗さRa(μm)の変化を測定
し、ダイヤモンド膜自体の耐酸化性を調査した。その結
果を下記表1に示す。尚表1には、市販のダイヤモンド
焼結体の耐酸化性を調査した結果についても示した。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかな様に、実施例(試料N
o.2〜8)のものは、2カ月後においてもほとんど変
化しておらず、耐酸化性が優れていることがわかる。
【0032】実施例2 実施例1の試料No.6,10,11を用い、Snの付
着性について調査した。実験装置の概要を図1に示す。
このとき3mm角×0.05mmt(純度:99.9%
以上)のSnのフィルムを用い、真空中で熱電対位置を
550℃に上げ10分保持した。その評価は、まず目視
によるSnの付着状態によって判定した。
【0033】その結果、ダイヤモンド焼結体について
は、Snの付着が激しいため目視で判断できたが、Bド
ープダイヤモンドと気相合成ダイヤモンドは目視では付
着の差は判らなかった。
【0034】そこで、Bドープダイヤモンドと気相合成
純ダイヤモンドについては、2次イオン質量分析法によ
って、Sn付着量の深さ分布測定を行なった。その結果
を図2に示すが、両者はSnの付着性に関してはほぼ同
等であることが分かる。
【0035】実施例3 次に、(Alx Ti1-x )N膜の耐酸化性について調査
した。このとき試料として、12.7×12.7×5
(mm)の超硬合金を母材とし、該母材表面にAIP法
によって厚み8μmの(Al0.6 Ti0.4 )N膜をコー
ティングしたものを用いた。上記試料を雰囲気炉で60
0℃×50時間放置し、12.7mmの辺を高温保持前
後で寸法測定してその変化で評価した。その結果を、
(Alx Ti 1-x )N膜を形成しなかった母材と比較し
て下記表2に示すが、(Alx Ti1- x )N膜を形成し
たものは耐酸化性に優れていることがわかる。
【0036】
【表2】
【0037】実施例4 下記表3に示される各種試料を作製し、ダイヤモンド膜
の密着性について評価した。実験装置の概略を図3に示
す。このときヒータを埋め込んだ加熱台に試料を置き、
22mm角で且つ19.6mm角の中凹加工したアルミ
ナ焼結体で試料に規定の圧力(荷重10Kg,周縁部の
0.2mmのみ負荷)をかけた(加熱温度550℃)。
このとき試料の大きさは、20mm×20mm×3mm
t とした。
【0038】また評価方法は、膜の剥離や欠けが発生し
ているかどうかで判断した。尚Bドープダイヤモンド
は、いずれも2000ppmのBをドープしたものを用
いた。またダイヤモンド膜はいずれも、基体部に厚さ5
0μm合成後にその表面を研磨加工したものを使用し
た。その結果を、下記表3に併記するが従来品と同程度
の密着性を得られることがわかる。
【0039】
【表3】
【0040】実施例5 下記(a)〜(c)に示す各構成のボンディングツール
を作成し、その性能について評価した。また各構成を図
4〜6に夫々示す。(a)および(b)のものは、図示
する様に基体部を構成するWC−Co系超硬合金素材表
面を(Al0.6Ti0.4 )N皮膜で被覆した。またシャ
ンク部と先端基材の接合は(a)および(b)のもの
(図4,5)はAuろうを用い、(c)のもの(図6)
は活性金属としてのTiを含有した金ろうを用いた。尚
BドープダイヤモンドにおけるBドープ量は、いずれも
2000ppmとした。またダイヤモンド膜はいずれ
も、基体部に厚さ50μm合成後にその表面を研磨加工
したものを使用した。このとき使用温度(加熱温度)
は、550℃とした。
【0041】(a)Bドープダイヤモンド/(Al0.6
Ti0.4 )N/WC−Co/接合層/シャンク(コバー
ル):実施例(図4) (b)Bドープダイヤモンド/AlN/WC−Co/接
合層/シャンク(コバール):実施例(図5) (b)気相合成純ダイヤモンド/SiC焼結体/接合層
/シャンク(コバール):従来例(図6)
【0042】各ボンディングツールの性能について評価
した結果、圧着面をBドープダイヤモンドにした実施例
のもの[(a),(b)]については、従来例とショッ
ト寿命は1.1倍程度であったが、常時加熱した状態で
の期間寿命(ショットしない状態をも含んだ寿命)では
従来品の1.3倍(従来品4カ月、実施例5カ月)とな
った。
【0043】
【発明の効果】以上述べたごとく本発明によれば、圧着
作用部にBドープダイヤモンドを用いることによって、
耐酸化性に優れたボンディングツールが実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】Snの付着性を調査したときの実験装置の概略
を示す図である。
【図2】Sn付着量の深さ分布測定の結果を示すグラフ
である。
【図3】ダイヤモンド膜の密着性を調査したときの実験
装置の概略を示す図である。
【図4】実施例5におけるボンディングツール(a)の
構成を示す概略説明図である。
【図5】実施例5におけるボンディングツール(b)の
構成を示す概略説明図である。
【図6】実施例5におけるボンディングツール(c)の
構成を示す概略説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 俊樹 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 蔡 政憲 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 西村 耕造 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 井上 隆夫 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 宮田 浩一 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体部とシャンク部を接合してなるボン
    ディングツールにおいて、基体部の圧着作用相当部に、
    炭素に対するB濃度が10〜12000ppmである気
    相合成ダイヤモンドからなる圧着面が形成されたもので
    あることを特徴とするボンディングツール。
  2. 【請求項2】 基体部がWC−Co系超硬合金からな
    り、この基体部の圧着作用相当部にCo拡散防止層が形
    成され、該Co拡散防止層上に前記気相合成ダイヤモン
    ドからなる圧着面が形成されたものである請求項1に記
    載のボンディングツール。
  3. 【請求項3】 Co拡散防止層が窒化膜である請求項2
    に記載のボンディングツール。
  4. 【請求項4】 窒化膜が、(Alx Ti1-x )N(但
    し、0.25≦x≦1.0)の化学組成で示される窒化
    膜である請求項3に記載のボンディングツール。
  5. 【請求項5】 基体部がWC−Co系超硬合金からな
    り、この基体部の圧着作用相当部のCoを溶出させ、そ
    の部分に前記気相合成ダイヤモンドからなる圧着面が形
    成されたものである請求項1に記載のボンディングツー
    ル。
  6. 【請求項6】 基体部における圧着作用相当部およびシ
    ャンク部との接合部以外が、(Alx Ti1-x )N(但
    し、0.25≦x≦1.0)の化学組成で示される皮膜
    で被覆されたものである請求項2〜5のいずれかに記載
    のボンディングツール。
JP1580196A 1995-09-07 1996-01-31 耐酸化性に優れたボンディングツール Withdrawn JPH09134938A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002134548A (ja) * 2000-10-24 2002-05-10 Tanaka Electronics Ind Co Ltd ボンディングワイヤの巻替ガイド及びそれを用いた巻替方法
JP2021158171A (ja) * 2020-03-26 2021-10-07 日立金属株式会社 熱電変換素子の製造方法

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