JPH09132635A - ハロゲン含量の低いビスフェノールf型エポキシ樹脂、その製造法、エポキシ樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents

ハロゲン含量の低いビスフェノールf型エポキシ樹脂、その製造法、エポキシ樹脂組成物及び硬化物

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JPH09132635A
JPH09132635A JP7314893A JP31489395A JPH09132635A JP H09132635 A JPH09132635 A JP H09132635A JP 7314893 A JP7314893 A JP 7314893A JP 31489395 A JP31489395 A JP 31489395A JP H09132635 A JPH09132635 A JP H09132635A
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epoxy resin
bisphenol
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epihalohydrin
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JP7314893A
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Ryoichi Hasegawa
良一 長谷川
Yasumasa Akatsuka
泰昌 赤塚
Yoshihiko Ueda
珍比古 上田
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン含有量の少ない硬化物を与えるエポキ
シ樹脂を提供すること。 【解決手段】ビスフェノ−ルF型樹脂とエピハロヒドリ
ンを反応させて得られる粗エポキシ樹脂を蒸留すること
により得られる特定の組成を有するエポキシ樹脂、該エ
ポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高信頼性半導体封止
用を始めとする電気・電子部品絶縁材料用、及びダイボ
ンディングペースト、積層板(プリント配線板)を始め
とする各種複合材料用、接着剤等に有用なエポキシ樹
脂、エポキシ樹脂組成物及び硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は作業性及びその硬化物の
優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等
により電気・電子部品、構造用材料、接着剤、塗料等の
分野で幅広く用いられている。この中でもハロゲン含量
の低いエポキシ樹脂は、精密電子材料用として重要な位
置を占めている。このようなエポキシ樹脂は、通常、フ
ェノ−ル性またはアルコ−ル性水酸基、アミノ基等とア
ルカリ性物質の存在下エピハロヒドリンとの反応により
製造される。エポキシ樹脂中の不純物である有機性ハロ
ゲン化合物は、この反応の際に副生成するものが主体で
あって、これから生成するハロゲンは電子回路や、金属
によるボンデイングの損傷を招き、問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ビスフェノ−ルF型エ
ポキシ樹脂は低粘度であるために、液状のエポキシ樹脂
として、例えばダイボンデイングペ−スト用の材料とし
て使用されるが、ハロゲン含量を極めて低くすることが
要求されている。また、その他半導体封止用の樹脂とし
て用いられる際にも、ハロゲンの含量を低くすることが
望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のよう
な要求を満たすビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂につい
て鋭意研究の結果、特定の条件で製造されるビスフェノ
−ル型エポキシ樹脂を、蒸留することにより、上記課題
が解決できることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、(1)下記式(1)
【0006】
【化4】
【0007】(式中nは平均値を示し正数を表す。)で
表されるビスフェノ−ルF型樹脂とエピハロヒドリンと
を反応させて得られた粗エポキシ樹脂を蒸留して得られ
る式(2)
【0008】
【化5】
【0009】(式中Gはグリシジル基を表す。)で表さ
れるビスフェノールF型エポキシ樹脂であって、式
(3)
【0010】
【化6】
【0011】(式中Gはグリシジル基を表す。)で表さ
れる4,4’−置換体の含量が50重量%未満であるビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、(2)4,4’−置換
体の含量が35重量%未満である上記(1)記載のビス
フェノールF型エポキシ樹脂、(3)粗エポキシ樹脂
が、ビスフェノ−ルF型樹脂とエピハロヒドリンとを非
プロトン性極性溶媒中で反応させて得られたものである
上記(1)または(2)記載のビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、(4)上記(1)〜(3)のいずれか1項に
記載のビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、硬化剤を含有
するエポキシ樹脂組成物、(5)上記(4)記載のエポ
シキ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】上記(1)記載のビスフェノ−ル
F型樹脂は、例えばフェノールとホルムアルデヒドの反
応によって製造できるが、出来るだけ高分子量の物の含
有量の少ないものが望ましい。またこのようなビスフェ
ノ−ルF型樹脂は、主として、下式(a)〜(c)で表
される結合を分子中に有する2,2’−、2,4’−、
4,4’−置換体を主成分として含む組成のものが得易
いが、特に4,4’−置換体の含量が高い物は好ましく
ない。
【0013】
【化7】
【0014】このようなビスフェノールF型樹脂は例え
ば市販品を入手するこができる。本発明のビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂(以下、単に本発明のエポキシ樹脂
という)は、上記ビスフェノールF型樹脂を通常の方法
でエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハ
ロヒドリンとアルカリ性物質の存在下反応させることに
より得られた粗エポキシ樹脂から分離することで得るこ
とができる。例えばビスフェノ−ルF型樹脂とエピハロ
ヒドリンの混合物に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を一括添加または
徐々に添加しながら、20〜120℃で0.5〜10時
間反応させる。この際アルカリ金属水酸化物は水溶液を
使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物を
連続的に添加すると共に反応混合物中から減圧下、また
は常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリンを留出せし
め、更に分液し、水は除去しエピハロヒドリンは反応混
合物中に連続的に戻す方法でもよい。上記の方法におい
てエピハロヒドリンの使用量はビスフェノ−ルF型樹脂
の水酸基1当量に対して通常0.8〜20モル、好まし
くは1.07〜10モルである。アルカリ金属水酸化物
の使用量はビスフェノ−ルF型樹脂中の水酸基1当量に
対し通常0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.
2モルである。
【0015】またテトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチル
ベンジルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニ
ウム塩を触媒として使用し、50℃〜150℃で1〜1
0時間反応させ、得られるビスフェノ−ルF型樹脂のハ
ロヒドリンエーテルに水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加
え、20〜120℃の温度で1〜10時間反応させてハ
ロヒドリンエーテルを閉環させて粗エポキシ樹脂を得る
こともできる。この場合の第四級アンモニウム塩の使用
量はビスフェノ−ルF型樹脂の水酸基1当量に対して
0.001〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.1
モルである。
【0016】また、メタノール、エタノールなどのアル
コール類や、トルエン、キシレン等の有機溶剤を併用す
ることにより、反応を円滑に進めることが出来る。これ
らの有機溶剤の添加量は、使用するエピハロヒドリンの
0.02〜10重量倍の範囲が好ましい。
【0017】特に有機性ハロゲン化合物含量の少ない、
本発明のエポキシ樹脂を得るためには、上記反応におい
て非プロトン性極性溶媒の添加が極めて有効である。用
いうる非プロトン性極性溶媒の具体例としては、N,N
−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチルイミ
ダゾリジノン、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルフ
ォスフォアミド等が挙げられるがこれらに限定はされな
い。その使用量は使用するエピハロヒドリンの0.02
〜20重量倍、好ましくは0.1〜10重量倍である。
【0018】通常、これらの反応生成物は水洗後、また
は水洗無しに加熱減圧下過剰のエピハロヒドリンや、そ
の他使用した溶媒を除去した後、トルエン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等の水と混合しない
溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて再び反応を行
うのがよい。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は
ビスフェノ−ルF型ノボラックの水酸基1当量に対して
0.01〜0.2モル、好ましくは0.05〜0.15
モルである。反応温度は通常50〜120℃の間で行わ
れ、反応時間は通常0.5〜2時間である。
【0019】反応終了後副生した塩をろ過、水洗などに
より除去し、さらに加熱減圧下にトルエン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶媒を留去する
ことにより加水分解性ハロゲン量の少ない、本発明に適
した粗エポキシ樹脂を得ることができる。
【0020】このようにして得られた粗エポキシ樹脂の
加水分解性ハロゲン含量を下げるために蒸留を行い本発
明のエポキシ樹脂を得ることができる。蒸留は出来るだ
け減圧度を上げて行うのがよく、通常0.00001〜
10mmHg、好ましくは0.0001〜5mmHgで
ある。蒸留時の留出温度は通常50〜290℃、好まし
くは80〜260℃である。
【0021】この蒸留においてはベンゼン環を3個以上
含む分子を実質的に除くことが必要である。また、ハロ
ゲンを含有するいくつかの留分が、上記式(3)の化合
物に近接して留出するため、全留出量中に占める式
(3)の化合物の割合が50重量%未満、好ましくは3
5重量%未満となるよう蒸留条件を調整し、式(3)の
化合物を除去する。このようにして得られた本発明のエ
ポキシ樹脂の加水分解性ハロゲンの含有量は、通常40
0ppm以下、好ましい条件下では150ppm以下と
なる。
【0022】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のよ
うにして得られた本発明のエポキシ樹脂、硬化剤を含有
する。本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明の
エポキシ樹脂はハロゲン含量を下げる、エポキシ樹脂組
成物の粘度を下げる、液状のエポキシ樹脂組成物を得
る、本発明のエポキシ樹脂が結晶として析出してくるの
を防止する等の目的等のために、他のエポキシ樹脂と併
用することが出来る。用いうる他のエポキシ樹脂の具体
例としては、フェノール類ノボラック、ビスフェノ−ル
類、ビフェノール類、アルコール類等をグリシジル化し
たグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、ポリブタジエン
のエポキシ化物及び脂環式エポキシ樹脂、またはグリシ
ジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポ
キシ樹脂、前記で挙げたベンゼン環を3個以上含む分子
からなるエポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定さ
れるものではない。これら他のエポキシ樹脂の使用量
は、本発明のエポキシ樹脂100重量部に対して、通常
0〜500重量部、好ましくは0〜300重量部であ
る。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物において用い
る硬化剤としてはアミン系化合物、酸無水物系化合物、
アミド系化合物、フェノ−ル系化合物挙げらる。用いう
る硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジ
シアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミ
ンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無
水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無
水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノ−
ルノボラック、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、B
3 −アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられ
る。硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当
量に対して0.5〜1.5当量が好ましく、0.6〜
1.2当量が特に好ましい。エポキシ基1当量に対し
て、0.5当量に満たない場合、あるいは1.5当量を
超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物
性が得られない恐れがある。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は必要により
硬化促進剤を含有する。用いうる硬化促進剤の具体例と
しては例えば2−メチルイミダゾール、2−エチルイミ
ダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイ
ミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等
のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物、B
3 の各種錯体などが挙げられる。硬化促進剤はエポキ
シ樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部が必
要に応じ用いられる。さらに、本発明のエポキシ樹脂組
成物は必要に応じてシリカ、アルミナ、窒化アルミ、タ
ルク、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の各種金属粉
末等の、充填材や三酸化アンチモン、シランカップリン
グ剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することが
できる。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記各成
分を所定の割合で均一に混合することにより得られ、通
常のエポキシ樹脂組成物と同様にしてその硬化物を得る
ことができる。例えば、各成分を、必要に応じて押出
機、ニ−ダ、ロ−ル、ミキサー等を用いて均一になるま
で充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、溶融後注型
あるいはトランスファ−成型機などを用いて成形、ある
いは被着体等に塗布し、80〜200℃で2〜10時間
に加熱することによりその硬化物を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例において有機性ハロゲン量の測定は、エ
ポキシ技術協会による全塩素測定法に準じて行った。即
ち、アルカリとして1N−KOH プロピレングリコ−
ル溶液を用い、ブチルカルビト−ル溶媒中で10分間環
流して、硝酸銀水溶液による滴定により求めた。また、
蒸留物の各成分の含有量は、キャピラリ−カラムを備え
たガスクロマトグラフ(FID検出器)より求めた重量
%である。またビスフェノ−ルF型樹脂、粗エポキシ樹
脂等樹脂に含まれる各成分は、液体クロマトグラフの面
積%で示す。尚、3位に置換された異性体は量がわずか
であるため省略した。この時用いたカラムはヌクレオシ
ル 5C17、4.6mmx15cm、溶離液はアセトニ
トリル−水系、1ml/min、でアセトニトリル20
%から80%までのグラジエント操作、カラム温度は6
0℃、検出器はUV275nmの条件を用いた。
【0027】実施例1 式(1)において、2,2’−置換体(式(a)で表さ
れる結合を持つ)16.3%、2,4’−置換体(式
(b)で表される結合を持つ)38.2%、4,4’−
置換体(式(c)で表される結合を持つ)30.1%、
ベンゼン環を3個以上含む高分子物15.4%を含有す
るビスフェノ−ルF型樹脂を用いてエポキシ化反応を行
った。1Lのガラス製フラスコに、上記ビスフェノ−ル
F(水酸基当量100g/eq.)100g、エピクロ
ロヒドリン462.5g、ジメチルスルフォキシド40
0gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら30℃に昇温
した。ここに水4.6gを仕込み、98.5%の苛性ソ
−ダ40.6gを1.5時間かけて添加した。添加後、
40〜60℃で4.5時間反応させた。反応終了後減圧
下で未反応のエピクロロヒドリンと溶媒を回収した。こ
こにメチルイソブチルケトン400gを加え、更に30
%の苛性ソ−ダ水溶液15gを加えて、65℃で2時間
反応させた。ここに温水200gを加え70℃で撹拌し
た後、静置し水相を廃棄した。これを3回繰り返しエポ
キシ化時に副成した塩化ナトリウムを除去した。この
後、溶媒を5mmHgの減圧下、180℃で1時間かけ
て留去し、粗エポキシ樹脂156gが得られ、その塩素
含有量は350ppmであった。このようにして得られ
た粗エポキシ樹脂を、0.005mmHg、170〜1
90℃の条件で蒸留し、79.7gの留分(本発明のエ
ポキシ樹脂)を得た。蒸留の効率は1段であり、いわゆ
る分子蒸留である。蒸留収率は51.1%であった。得
られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は156g/e
q.、塩素含有量は123ppmであった。このものは
ベンゼン環を3個以上含む高分子物を実質的に含まなか
った。また2,2’−置換体(下式(4))、2,4’
−置換体(下式(5)、4,4’−置換体(上式(3)
の含有量は、それぞれ、22.3%、49.9%、2
6.5%であった。
【0028】
【化8】
【0029】(式中Gはグリシジル基を表す。)
【0030】実施例2 溶媒として、ジメチルスルフォキシドの替わりに、メタ
ノ−ル35gを用い、苛性ソ−ダの添加温度を70℃、
添加後の反応を75℃で2時間とした他は実施例1と同
様な操作を行い、160gの粗エポキシ樹脂を得た。そ
の塩素含有量は1082ppmであった。次いでこれを
実施例1と同様の条件で蒸留し、52.2gの留分(本
発明のエポキシ樹脂)を得た。蒸留収率は32.6%で
あった。得られたエポキシ樹脂ののエポキシ当量は15
6.2g/eq.、塩素含有量は225ppmであり、
このものはベンゼン環を3個以上含む高分子物を実質的
に含まなかった。また2,2’−置換体、2,4’−置
換体、4,4’−置換体の含有量は、それぞれ、28.
3%、50.3%、20.1%であった。蒸留を進め更
に42.1gの留分を追加したところ、全蒸留収率は5
8.9%となり、2,2’−、2,4’−、4,4’−
置換体の含有量はそれぞれ18.7%、47.1%、3
4.2%となり、その塩素含有量は251ppmであっ
た。更に蒸留を続けたところ4,4’−置換体の含有量
が50%を越え(全蒸留収率は63%)、その塩素含有
量は1700ppm程度に増加した。
【0031】実施例3 実施例1においてジメチルスルフォキシドの替わりに、
N,N−ジメチルイミダゾリジノンを300g用いたほ
かは実施例1と同様にしてエポキシ化反応を実施した。
得られた粗エポキシ樹脂は158gであり、塩素含有量
は310ppmであった。次いでこの粗エポキシ樹脂を
用いて実施例1と同様に蒸留し、蒸留収率43.1%
で、2,2’−、2,4’−、4,4’−各置換体の含
有量はそれぞれ、23.4%、53.1%、23.5%
の本発明のエポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂
のエポキシ当量は156g/eq.、塩素含有量は11
6ppmであった。
【0032】実施例4 実施例1において2,2’−置換体、12.3%、2,
4’−置換体、32.3%、4,4’−置換体、38.
9%、ベンゼン環を3個以上含む高分子物、16.5%
を含有するビスフェノ−ルF型樹脂(水酸基当量102
g/eq.)102gを用いたほかは、実施例1と同様
にしてエポキシ化反応を行った結果、155gの粗エポ
キシ樹脂が得られた。その塩素含有量は341ppmで
あった。これを、0.005mmHg、170〜190
℃の条件で蒸留し、54.2gの留分(本発明のエポキ
シ樹脂)を得た。蒸留収率は35.0%であった。得ら
れたエポキシ樹脂のエポキシ当量は156g/eq.、
塩素含有量は136ppmであった。このものはベンゼ
ン環を3個以上含む高分子物を実質的に含まなかった。
また2,2’−置換体、2,4’−置換体、4,4’−
置換体の含有量は、それぞれ、27.3%、44.2
%、28.5%であった。
【0033】実施例5 実施例1、2、3で得られた本発明のエポキシ樹脂それ
ぞれに対して無水メチルナジック酸を93.1phr
(エポキシ樹脂100重量部に対し1重量部)、硬化促
進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾ−ルを1p
hr、シリカ粉末300phrを配合して80℃で2時
間、120℃で2時間、200℃で5時間加熱硬化し
た。得られた硬化物を10倍量の水と共に、121℃で
24時間のプレッシャ−クッカ−テストを行った。抽出
水の塩素イオン含量はそれぞれ2ppm、4ppm、1
ppmであった。
【0034】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂は、ハロゲン含量
極めて低い硬化物を与え、電子材料用の接着剤、封止
材、絶縁材料として、回路やボンデイングの、腐食、劣
化、耐久性において信頼性の高い材料を与えることがで
きる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 (式中nは平均値を示し正数を表す。)で表されるビス
    フェノ−ルF型樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて
    得られた粗エポキシ樹脂を蒸留して得られる式(2) 【化2】 (式中Gはグリシジル基を表す。)で表されるビスフェ
    ノールF型エポキシ樹脂であって、式(3) 【化3】 (式中Gはグリシジル基を表す。)で表される4,4’
    −置換体の含量が50重量%未満であるビスフェノール
    F型エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】4,4’−置換体の含量が35重量%未満
    である請求項1記載のビスフェノールF型エポキシ樹
    脂。
  3. 【請求項3】粗エポキシ樹脂が、ビスフェノ−ルF型樹
    脂とエピハロヒドリンとを非プロトン性極性溶媒中で反
    応させて得られたものである請求項1または2記載のビ
    スフェノールF型エポキシ樹脂。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のビス
    フェノ−ルF型エポキシ樹脂、硬化剤を含有するエポキ
    シ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載のエポシキ樹脂組成物を硬化
    してなる硬化物。
JP7314893A 1995-11-09 1995-11-09 ハロゲン含量の低いビスフェノールf型エポキシ樹脂、その製造法、エポキシ樹脂組成物及び硬化物 Pending JPH09132635A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11140163A (ja) * 1997-11-07 1999-05-25 Nippon Kayaku Co Ltd エポキシ樹脂、エポキシ樹脂製造法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
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