JPH09132315A - ボトル姿勢制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 首部を偏心させてなる変形ボトルにも対
応可能な汎用性に優れたボトル姿勢制御装置を提供する
ことである。 【解決手段】 ボトルがその高さ方向を所定方向と略一
致させて横倒状態で載置される底面を具備してなり、前
記底面は載置される前記ボトルの高さ方向に沿って並設
した二枚の回動可能なプレートから構成され、前記ボト
ルの底部側（又は首部側）に対応する前記プレートを作
動させて前記底面に開口を形成する開口形成手段を有
し、前記開口形成手段で形成された開口から前記ボトル
を底部側（又は首部側）より落下させるようにしたボト
ル姿勢制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば粉末や液剤
が充填されるボトルをその充填工程に先立って同一の姿
勢に整列させるための装置に関するものである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】洗剤などの液剤が充填
されるプラスチックボトルは、その充填工程に先立って
同一姿勢に整列させる必要があり、現在、この作業は完
全自動化された装置によって行われている。こうした装
置には、例えば振動式、キック式、ネックハンガー式な
ど種々のものがあるが、特に効率が高いことからフック
式と呼ばれる装置が広く用いられている。

【０００３】これはコンベヤの終端にボトルの首部を掛
止するフックを設けたことを特徴とするもので、底部側
から送られて来たボトルはフックに掛止されず底部側か
らそのまま落下し、コンベヤの下方に置かれたコンテナ
などに収まる。逆に、首部側から送られて来たボトル
は、底部がコンベヤから離れるまで首部がフックに掛止
されており、これによって向きが逆転するから、やはり
底部側から送られて来た場合と同じ向きでコンテナに収
まるようになっている。

【０００４】ところで、近年、扱いやすいようボトルの
首部を偏心させ、親指の付け根部分のふくらみに対応し
た窪みを設けてなる変形ボトルの需要が高まっている。
しかし、従来装置ではこうした変形ボトルに対応するこ
とが難しかった。これは、ボトルが首部側から送られて
来た場合、この首部が中心線を挟んで左右いずれに位置
するかが不定であって、的確なフックによる掛止ができ
ないことに起因する。

【０００５】本発明はこうした課題を解決するためにな
されたもので、首部を偏心させてなる変形ボトルにも対
応可能な汎用性に優れたボトル姿勢制御装置を提供する
ことである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、ボ
トルがその高さ方向を所定方向と略一致させて横倒状態
で載置される底面を具備してなり、前記底面は載置され
る前記ボトルの高さ方向に沿って並設した二枚の回動可
能なプレートから構成され、前記ボトルの底部側（又は
首部側）に対応する前記プレートを作動させて前記底面
に開口を形成する開口形成手段を有し、前記開口形成手
段で形成された開口から前記ボトルを底部側（又は首部
側）より落下させるようにしたことを特徴とするボトル
姿勢制御装置によって達成される。

【０００７】特に、ボトルをその高さ方向が搬送方向と
略並行となるよう横倒状態で搬送する供給手段と、この
供給手段に続いて設けられた前記ボトルの姿勢制御室
と、この姿勢制御室における底面の一部を構成し、前記
供給手段側に位置する回動可能な第１のプレートと、前
記姿勢制御室における底面の一部を構成する前記第１の
プレートに対応して設けられた回動可能な第２のプレー
トと、前記姿勢制御室内での前記ボトルの向きを検出す
る検出手段と、前記姿勢制御室内に送り込まれる前記ボ
トルが首部側よりのものであることを前記検出手段によ
り検出した場合には、その出力信号に基づいて前記第１
（又は第２）のプレートを回動させ、これによって形成
される第１（又は第２）の開口から底部側（又は首部
側）より落下させ、前記姿勢制御室内に送り込まれる前
記ボトルが底部側よりのものであることを前記検出手段
により検出した場合には、その出力信号に基づいて前記
第２（又は第１）のプレートを回動させ、これによって
形成される第２（又は第１）の開口から底部側（又は首
部側）より落下させる制御手段とを具備することを特徴
とするボトル姿勢制御装置によって達成される。

【０００８】又、ボトルが投入されるボトル受け容器
と、このボトル受け容器から供給される前記ボトルをそ
の高さ方向が搬送方向と略並行となるよう横倒状態で搬
送する供給手段と、この供給手段に続いて設けられた前
記ボトルの姿勢制御室と、この姿勢制御室における底面
の一部を構成し、前記供給手段側に位置する回動可能な
第１のプレートと、前記姿勢制御室における底面の一部
を構成する前記第１のプレートに対応して設けられた回
動可能な第２のプレートと、前記姿勢制御室内での前記
ボトルの向きを検出する検出手段と、この検出手段から
の出力信号を受けて前記第１のプレートを回動させる第
１の駆動手段と、前記検出手段からの出力信号を受けて
前記第２のプレートを回動させる第２の駆動手段と、前
記検出手段により前記ボトルが首部側より前記姿勢制御
室内に送り込まれたことを検出した場合には、前記第１
（又は第２）の駆動手段の作動により形成される第１
（又は第２）の開口から底部側（又は首部側）より落下
させ、前記検出手段により前記ボトルが底部側より前記
姿勢制御室内に送り込まれたことを検出した場合には、
前記第２（又は第１）の駆動手段の作動により形成され
る第２（又は第１）の開口から底部側（又は首部側）よ
り落下させる制御手段とを具備することを特徴とするボ
トル姿勢制御装置によって達成される。

【０００９】すなわち、本発明では、ボトルがコンベヤ
などの供給手段によって仕切板で構成される姿勢制御室
に送り込まれ、それ以上は水平移動できなくなった時
点、あるいはその前段階の位置において、前記ボトルが
底部側から送り込まれて来たのか、首部側から送り込ま
れて来たのかを発光受光素子などのセンサで検出する。
すなわち、ボトルは、通常、首部側が細く、底部側が幅
広な形状であるため、細い首部側にあっては発光素子か
らの光が通過し、幅広な底部側にあっては遮光される。
従って、光センサを二個以上設けておくことにより、ボ
トルが底部側から送り込まれて来たのか、首部側から送
り込まれて来たのかを検出できる。そして、この検出信
号に基づいて、ボトルが送り込まれた所定位置の底面
に、ボトルの首部側又は底部側に対応して口を開かせ、
ボトルの向きに応じて選択した開口からボトルを落下さ
せることで、ボトルの姿勢が全て同一となるように制御
できるようになっている。例えば、ボトルを底部側が下
方となるよう整列させる場合には、ボトルの底部側が載
る底面部分に開口を形成すれば良く、ボトルは首部側が
上方となるよう９０°回転して、この開口から落下し、
正しい姿勢となる。従って、首部が偏心しているか否か
にかかわらず、例えば首部さえあればボトルの姿勢制御
が可能であって、汎用性が高い。

【００１０】尚、上記ボトル姿勢制御装置において、第
１及び第２のプレートの上方には、姿勢制御室内に送り
込まれたボトルの底部側（又は首部側）に当接して、前
記ボトルを第１又は第２の開口に押し込む第１及び第２
の強制手段が設けられてなることが好ましい。これによ
って姿勢制御室内からのボトルの排出が確実なものとな
り、処理が一層迅速に行える。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１〜図９は本発明に係るボトル
姿勢制御装置の一実施形態を示すもので、図１はボトル
姿勢制御装置の全体斜視図、図２ボトル姿勢制御装置の
要部側面図、図３はボトル姿勢制御装置の要部平面図、
図４〜図６はボトルが底部側から送られて来た場合の装
置の作動状況を示す側面図、図７〜図９はボトルが首部
側から送られて来た場合の装置の作動状況を示す側面図
である。

【００１２】尚、この実施形態のボトル姿勢制御装置は
単独で用いられるものではなく、製品の生産ラインに組
み込まれて使用されるが、他の装置については便宜上図
示していない。各図中、１は成型されたプラスチックボ
トルが投入されるホッパ（ボトル受け容器）、２はホッ
パ１から供給されるプラスチックボトルを搬送するベル
トコンベヤである。

【００１３】３ａ〜３ｃは、プラスチックボトルをその
高さ方向が搬送方向と略並行になるよう横倒状態で搬送
する振動コンベヤ（供給手段）である。この振動コンベ
ヤ３ａ〜３ｃの構造は周知であるから詳細な説明は省略
するが、浅い略Ｖ形断面の振動板と、その表面に方向性
を持たせて植設した繊維状のゴム材（例えばウレタン糸
ゴム）との共同作用でプラスチックボトルの方向が揃え
られるよう構成されている。

【００１４】尚、供給手段は、プラスチックボトルをそ
の高さ方向が搬送方向と略並行になるよう横倒状態で搬
送できるものであれば良く、振動コンベヤ３ａ〜３ｃの
代わりに他構造のコンベアやシュートなどを用いても良
い。４ａ〜４ｃは内部にプラスチックボトルの姿勢制御
機構が設けられたケースであって、それぞれ振動コンベ
ヤ３ａ〜３ｃに対応して設けられている。振動コンベヤ
３ａ〜３ｃで送り込まれたプラスチックボトルは、ケー
ス４ａ〜４ｃ内で、後述する如く同一の姿勢に変換さ
れ、シュート５ａ〜５ｃを通って次行程に送られる。

【００１５】続いて、ケース４ａ〜４ｃ内の構造を、ケ
ース４ａを例に挙げて説明する。６ａ，６ｂは一端が軸
支された第１及び第２のプレート、７はこの並設された
第１のプレート６ａ及び第２のプレート６ｂの両サイド
に立設する側面仕切板、８は正面仕切板であり、これら
のものからプラスチックボトルが取り込まれる姿勢制御
室９が形成されている。特に、第１のプレート６ａ及び
第２のプレート６ｂは姿勢制御室９の底面としての役割
を果たしている。

【００１６】第１のプレート６ａはロータリアクチュエ
ータ１０ａ（第１の駆動手段）によってリンク１１ａを
介して回動させられ、又、第２のプレート６ｂはロータ
リアクチュエータ１０ｂ（第２の駆動手段）によってリ
ンク１１ｂを介して回動させられる。１２ａ，１２ｂは
プラスチックボトルを姿勢制御室９から強制的に排出す
るためのリニアアクチュエータ（第１及び第２の強制手
段）である。第１のプレート６ａが回動して、その位置
に第１の開口が形成された場合にはリニアアクチュエー
タ１２ａが作動し、又、第２のプレート６ｂが回動して
第２の開口が形成された場合には、リニアアクチュエー
タ１２ｂが作動するようになっている。

【００１７】１３ａ，１３ｂは振動コンベヤ３ａの終端
近傍に設けられたフォトセンサ（検出手段）の発光素子
であり、振動コンベヤ３ａの切欠き１４を挟んで対向位
置に設けられた受光素子（図示せず）との共同作用で、
振動コンベヤ３ａによって送られて来るプラスチックボ
トルの向きを検出する。すなわち、発光素子１３ａ，１
３ｂを用いた二つのフォトセンサは、図３から判るよう
に、所定間隔で並列配置されており、双方のセンサが同
時に感応した場合には、図３中、実線で示す如く底部側
から送られて来たものであると判定する。逆に、中央の
センサだけが単独で感応した場合には、図３中、一点鎖
線で示す如く首部側から送られて来たものであると判定
する。

【００１８】そして、ボトル姿勢制御装置は、プラスチ
ックボトルの搬送されて来る向きによって二通りに作動
する。先ず、プラスチックボトルが底部側から送られて
来た場合であるが、これがフォトセンサによって検出さ
れ、図４に示す如く、プラスチックボトルが姿勢制御室
９内に取り込まれると、ロータリアクチュエータ１０ｂ
に動作指令信号が送られる。これによって第２のプレー
ト６ｂが回動し、姿勢制御室９の底面にはプラスチック
ボトルの底部側に対応した第２の開口が形成される。更
に、リニアアクチュエータ１２ｂが作動してプラスチッ
クボトルの底部側を押し下げるので、プラスチックボト
ルは、図５に示す如く、第１のプレート６ａの端部を支
点として９０°回転し、図６に示す如く、首部側が上方
となるような正しい姿勢でシュート５ａ内を落下する。

【００１９】一方、プラスチックボトルが首部側から送
られて来た場合についても、これがフォトセンサによっ
て検出され、図７に示す如く、プラスチックボトルが姿
勢制御室９内に取り込まれると、ロータリアクチュエー
タ１０ａに動作指令信号が送られる。これによって第１
のプレート６ａが回動し、姿勢制御室９の底面にはプラ
スチックボトルの底部側に対応した第１の開口が形成さ
れる。更に、リニアアクチュエータ１２ａが作動してプ
ラスチックボトルの底部側を押し下げるので、プラスチ
ックボトルは、図８に示す如く、第２のプレート６ｂの
端部を支点として９０°回転し、図９に示す如く、首部
側が上方となるような正しい姿勢でシュート５ａ内を落
下する。

【００２０】上述したように、本実施形態のボトル姿勢
制御装置では、姿勢制御室内におけるボトルの向きに応
じて底面の開口を選択し、この選択された開口からボト
ルを落下させ、姿勢制御するようにしたので、首部が中
央に存在する通常のボトルは勿論、首部が偏心した変形
ボトルであっても容易に姿勢制御が可能であって、汎用
性が高い。

【００２１】特に、底面を構成する二つのプレートそれ
ぞれに対応して強制排出手段を設けたので、姿勢制御室
内からのボトルの排出が確実になされ、詰まりが起き難
く、処理が一層迅速に行われる。

【００２２】

【発明の効果】首部を偏心させてなる変形ボトルにも対
応可能であって、汎用性に優れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ボトル姿勢制御装置の全体斜視図

【図２】ボトル姿勢制御装置の要部側面図

【図３】ボトル姿勢制御装置の要部平面図

【図４】ボトルが底部側から送られて来た場合の装置の
作動状況を示す側面図

【図５】ボトルが底部側から送られて来た場合の装置の
作動状況を示す側面図

【図６】ボトルが底部側から送られて来た場合の装置の
作動状況を示す側面図

【図７】ボトルが首部側から送られて来た場合の装置の
作動状況を示す側面図

【図８】ボトルが首部側から送られて来た場合の装置の
作動状況を示す側面図

【図９】ボトルが首部側から送られて来た場合の装置の
作動状況を示す側面図

【符号の説明】

１ ホッパ（ボトル受け容器） ２ ベルトコンベヤ ３ａ〜３ｃ 振動コンベヤ（供給手段） ４ａ〜４ｃ ケース ５ａ〜５ｃ シュート ６ａ 第１のプレート ６ｂ 第２のプレート ９ 姿勢制御室 １０ａ ロータリアクチュエータ（第１の
駆動手段） １０ｂ ロータリアクチュエータ（第２の
駆動手段） １２ａ リニアアクチュエータ（第１の強
制手段） １２ｂ リニアアクチュエータ（第２の強
制手段） １３ａ，１３ｂ 発光素子

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボトルがその高さ方向を所定方向と略一
   致させて横倒状態で載置される底面を具備してなり、 前記底面は載置される前記ボトルの高さ方向に沿って並
   設した二枚の回動可能なプレートから構成され、 前記ボトルの底部側（又は首部側）に対応する前記プレ
   ートを作動させて前記底面に開口を形成する開口形成手
   段を有し、 前記開口形成手段で形成された開口から前記ボトルを底
   部側（又は首部側）より落下させるようにしたことを特
   徴とするボトル姿勢制御装置。
2. 【請求項２】 ボトルをその高さ方向が搬送方向と略並
   行となるよう横倒状態で搬送する供給手段と、 この供給手段に続いて設けられた前記ボトルの姿勢制御
   室と、 この姿勢制御室における底面の一部を構成し、前記供給
   手段側に位置する回動可能な第１のプレートと、 前記姿勢制御室における底面の一部を構成する前記第１
   のプレートに対応して設けられた回動可能な第２のプレ
   ートと、 前記姿勢制御室内での前記ボトルの向きを検出する検出
   手段と、 前記姿勢制御室内に送り込まれる前記ボトルが首部側よ
   りのものであることを前記検出手段により検出した場合
   には、その出力信号に基づいて前記第１（又は第２）の
   プレートを回動させ、これによって形成される第１（又
   は第２）の開口から底部側（又は首部側）より落下さ
   せ、前記姿勢制御室内に送り込まれる前記ボトルが底部
   側よりのものであることを前記検出手段により検出した
   場合には、その出力信号に基づいて前記第２（又は第
   １）のプレートを回動させ、これによって形成される第
   ２（又は第１）の開口から底部側（又は首部側）より落
   下させる制御手段とを具備することを特徴とするボトル
   姿勢制御装置。
3. 【請求項３】 ボトルが投入されるボトル受け容器と、 このボトル受け容器から供給される前記ボトルをその高
   さ方向が搬送方向と略並行となるよう横倒状態で搬送す
   る供給手段と、 この供給手段に続いて設けられた前記ボトルの姿勢制御
   室と、 この姿勢制御室における底面の一部を構成し、前記供給
   手段側に位置する回動可能な第１のプレートと、 前記姿勢制御室における底面の一部を構成する前記第１
   のプレートに対応して設けられた回動可能な第２のプレ
   ートと、 前記姿勢制御室内での前記ボトルの向きを検出する検出
   手段と、 この検出手段からの出力信号を受けて前記第１のプレー
   トを回動させる第１の駆動手段と、 前記検出手段からの出力信号を受けて前記第２のプレー
   トを回動させる第２の駆動手段と、 前記検出手段により前記ボトルが首部側より前記姿勢制
   御室内に送り込まれたことを検出した場合には、前記第
   １（又は第２）の駆動手段の作動により形成される第１
   （又は第２）の開口から底部側（又は首部側）より落下
   させ、前記検出手段により前記ボトルが底部側より前記
   姿勢制御室内に送り込まれたことを検出した場合には、
   前記第２（又は第１）の駆動手段の作動により形成され
   る第２（又は第１）の開口から底部側（又は首部側）よ
   り落下させる制御手段とを具備することを特徴とするボ
   トル姿勢制御装置。
4. 【請求項４】 第１及び第２のプレートの上方には、姿
   勢制御室内に送り込まれたボトルの底部側（又は首部
   側）に当接して、前記ボトルを第１又は第２の開口に押
   し込む第１及び第２の強制手段が設けられてなることを
   特徴とする請求項２又は請求項３に記載のボトル姿勢制
   御装置。