JPH09126522A - 空気調和機の制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内温度と給気温度との極端な差を付けずに
使用者への不快感やドラフト感を低減する空気調和機の
制御方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 外気温度センサ９での検知と運転モード
の認識により補正した給気温度最適値Ｔst* と計測給気
温度Ｔs との差△Ｔs に応じた方法と室外ユニットへの
要求度数Ｆｒ値による方法とした制御方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、運転周波数を可変
できる圧縮機を有する空気調和機の制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、空気調和機の制御方法は各種セン
サの発達に伴い、使用者の要求に迅速に適応し、温度、
湿度、気流、空気清浄度等を制御し、居住空間において
より一層の快適性が追求されている。

【０００３】従来、この種の空気調和機に用いられる制
御方法について、その方法を図４を参照しながら説明す
る。

【０００４】図に示すように、室内の床下に冷温風を送
りこむ送風機１０１と室内制御手段１０２を備えた室内
ユニット１０３と、室内温度を感知する室温センサ１０
４とを設け、床下には床下から室内に送り込む空調空気
を検知する給気温度センサ１０５を設け、室外には運転
周波数が可変できる圧縮機１０６と室外制御手段１０７
を備えた室外ユニット１０８が設けられている。

【０００５】上記構成において、室内制御手段１０２に
て設定室温と室温センサ１０４で検知した計測室温との
偏差に応じて目標給気温度を決定し、目標給気温度と給
気温度センサ１０５で測られた計測給気温度との差に対
応して圧縮機１０６の運転周波数が制御されていた。

【０００６】また、特開平４−２７０８５４号公報に
は、冷房運転時に設定室温と給気温度との差を一定値と
する制御方法が提案されていた。

【０００７】また、特開平６−５０５９１号公報には、
設定室温と計測室温との差に加え、設定風速、室内ユニ
ットの種類を考慮し、目標給気温度を決定する制御方法
も提案されていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の空気
調和機の制御方法では、季節により外気温度が異なる場
合や運転モードが冷房・暖房いずれの場合でも常に設定
室温と計測室温との差により決定した給気温度で室内に
吹き出される。例えば、外気温の低い冬季の冷房時、吹
き出された冷気は、設定室温と計測室温との差が同じで
あれば夏季の冷房時と同じ状況になり使用者にとって肌
寒さを感じるという問題があった。

【０００９】また、肌寒さやなま暖かさを感じさせない
ために給気温度と室内温度との差を一定値に抑えると、
設定室温への到達時間が長くなる問題点があった。

【００１０】本発明は上記課題を解決するもので、室温
と給気温度との極端な温度差をつけない給気温度設定と
する空気調和機の制御方法を提供することを第１の目的
とする。

【００１１】また、第２の目的は、空調空気の給気温度
を決定する圧縮機周波数に上限を設けることにある。

【００１２】また、第３の目的は、居室内の人の居場所
を検知し、人のいない場所に優先的に給気し、迅速に設
定室温に空調することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の空気調和機の制
御方法は上記第１の目的を達成するために第１の手段
は、室内の床下に設けた吹出口および天井に設けた吸込
口に連通し設けられる室内ユニットと、運転周波数を可
変できる圧縮機を設けた室外ユニットと、室内の温度を
検知する室温センサと、室内ユニットから床下に供給さ
れる給気流の温度を検知する給気温度センサと、室外の
温度を検知する外気温度センサと、この外気温度センサ
および室内ユニットから信号により前記室外ユニットに
設けた圧縮機の運転周波数を制御するように室外ユニッ
トに設けられた室外制御手段と、前記室温センサおよび
給気温度センサの信号により前記室外制御手段と信号を
交信するように室内ユニットに設けられた室内制御手段
とを備え、設定室温と計測室温との差により決定した給
気温度目標値を運転モードと外気温度を考慮して、給気
温度目標値を最適値に修正し、さらに最適値と計測給気
温度との差に応じて圧縮機周波数を決定する方法とす
る。

【００１４】また、第２の目的を達成するために第２の
手段は、給気温度目標値と計測給気温度との差により室
外制御手段に要求する要求度数Ｆｒ値を外気温度と運転
モードのパターンで制限をもたせ、圧縮機の運転を制御
する方法とする。

【００１５】また、第３の目的を達成するために第３の
手段は、部屋を複数に区画した室内に人体を感知する人
体センサと吹出口に風量調整手段を備え、居室内の人の
いる区画と人のいない区画を判別して空調空気の風量を
制御して供給する方法とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明は上記した第１の手段の方
法により、冬季に熱負荷が大きく冷房しなければならな
くなった場合、冷房モードではあるが、冬季であること
を認識して給気温度目標値を通常より抑え、使用者に肌
寒いという不快感を与える度合いを低減できる。

【００１７】また、第２の手段の方法により、きめ細か
い制御をＦｒ値の制御をすることにより圧縮機周波数の
上限が決められ、吹出温度を抑制できる。

【００１８】また、第３の手段の方法により、人体セン
サでの感知により人のいる区画と人のいない区画を判別
し、人のいない区画には大風量で、人のいる区画には小
風量で空調空気が供給され、使用者に不快感を与えるこ
となく、迅速に設定室温に空調することができる。

【００１９】（実施の形態１）以下、本発明の第１実施
例を図１を参照しながら説明する。

【００２０】図に示すように、室内の床下１に設けた吹
出口２および天井３に設けた吸込口３ａに連通して室内
ユニット４を設け、室外には運転周波数を可変できる圧
縮機５を設けた室外ユニット６を配設し、室内には室内
温度を検知する室温センサ７と室内ユニット４から床下
１に給気される給気温度を検知する給気温度センサ８を
設け、室外には室外の温度を検知する外気温度センサ９
を設け、外気温度センサ９および室内ユニット４からの
信号により圧縮機５の運転周波数を制御する室外制御手
段１０を室外ユニット６に設け、室温センサ７および給
気温度センサ８からの信号により室外制御手段１０に信
号を交信する室内制御手段１１を室内ユニット４内に設
ける。

【００２１】上記構成における制御方法について制御ス
テップにより説明すると、ステップｓ１で室温設定手段
（図示せず）により設定室温ＴHst と、室内の室温セン
サ７および給気温度センサ８の各センサで検知した計測
室温ＴHsと計測給気温Ｔs と、外気温度センサ９から室
外制御手段１０を介して計測外気温ＴO が室内制御手段
１１に認識され、ステップｓ２では室内制御手段１１で
給気温度目標値Ｔstが計測室温ＴHsと設定室温ＴHst と
の差（ＴHs−ＴHst ）をもとに演算して給気温度目標値
Ｔstを決定し、ステップｓ３では冷暖房モードが判定さ
れる。そして、ステップｓ４では室外の温度と室内の運
転モードを考慮して給気温度最適値Ｔst* への補正が行
われ、ステップｓ５ではステップｓ１での外気温度認識
とステップｓ３での冷暖房モード認識により給気温度最
適値Ｔst* と計測給気温度Ｔs との差すなわち給気温度
差△Ｔs ＝Ｔs −Ｔst* が得られる。

【００２２】つぎに、ステップｓ６では圧縮機５への要
求度数Ｆｒ値が決定され、ステップｓ７で要求度数Ｆｒ
値を圧縮機目標周波数に変換し、ステップｓ８では圧縮
機運転周波数の制御が行われる。

【００２３】このように本発明の第１実施例の空気調和
機の制御方法によれば、室外の温度と室内の運転モード
が考慮できるため、例えば外気温の低い冬季に、室内の
熱負荷が大きく冷房しなければならなくなった場合、冷
房モードであるが、冬季であることを認識して、給気温
度目標値を通常より抑えることができ、季節にあった吹
出温度となり、使用者に肌寒いといった不快感を与える
度合いが制限される。

【００２４】また、中間季、夏季についても同様であ
る。 （実施の形態２）つぎに本発明の第２実施例について図
２を参照しながら説明する。なお、第１実施例と同一部
分には同一符号をつけて詳細な説明は省略する。

【００２５】図に示す制御ステップで、実施例１では、
ステップｓ４の給気温度目標値Ｔstの補正にて、外気温
度変化や運転モードに対応したが、実施例２では、これ
とは異なりｓ４のステップがなかった場合を想定してｓ
６、ｓ７のステップにて各季節での運転モードに対応す
る。ここで、要求度数Ｆｒ値について説明する。ｓ５で
得られた給気温度差△Ｔs について、温度差なしすなわ
ち△Ｔs ＝０をＦｒ０とし、△Ｔs がある値以上であれ
ば、Ｆｒの最大値Ｆｒ５０とする。このように５１段階
に分けることにより、室外ユニット６への能力要求の度
合いを示す代数に置き換える。ここで制御ステップに戻
ると、ステップｓ６で決定した前記Ｆｒ値を室内制御手
段１１から室外制御手段１０に送信し、ステップｓ７で
室外制御手段１０に記憶された冷房・暖房の各モードと
外気温の範囲で決められたＦｒ値から圧縮機周波数への
変換表にて目標周波数が決定し、ステップｓ８での圧縮
機運転周波数制御が可能となる。

【００２６】このように本発明の第２実施例の空気調和
機の制御方法によれば、Ｆｒ値という代数を置くことに
より、きめ細かい制御と要求度数Ｆｒの制限をすること
により圧縮機周波数の上限が決められる。よって、吹出
温度の抑制ができ、季節にあった吹出温度による空調が
でき使用者に肌寒いといった不快感を与えることが低減
できる。

【００２７】なお、本実施例ではＦｒ値を５１分割とし
たが、この分割数を増やしたりＦｒ値と周波数の変換表
のパターン数を増やせば、その作用効果が増大する。

【００２８】さらに、Ｆｒ値を決定のパラメータに△Ｔ
s の時間変化量も考慮すれば、よりきめ細かい制御とな
る。

【００２９】（実施の形態３）つぎに本発明の第３実施
例について図３を参照しながら説明する。なお、第１実
施例と同一部分には同一符号をつけて詳細な説明は省略
する。

【００３０】図に示すように、部屋を複数に区画した室
内に人の居場所を感知する人体センサ１２と床下１の吹
出口２に風量調整手段１３を設け、室内制御手段１１Ａ
に接続し、室内制御手段１１Ａにより制御される送風機
４ａを室内ユニット４内に設ける。

【００３１】上記構成により、例えば部屋を複数に区画
し、１区画に対して１つの人体センサ１２と風量調整手
段１３を設けた吹出口２を設け、人体センサ１２での感
知により人のいる区画と人のいない区画を認識し、室内
制御手段１１により、人のいない区画には室内ユニット
４に設けた送風機４ａからの空調空気の風量を大風量で
供給し、人のいる区画には小風量で供給するように制御
する。

【００３２】このように本発明の第３実施例の空気調和
機の制御方法によれば、部屋を複数に区画し、人のいる
区画と人のいない区画を人体センサ１２で感知し、風量
調整手段で人のいる区画は小風量で、人のいない区画は
大風量で空調空気を供給するので、室内温度と給気温度
すなわち吹出温度との差をつけない場合に比較して使用
者要望の設定室温ＴHst に居室内が到達するまでに長時
間を要しなくなるとともに、使用者にドラフト感を与え
ることがなく、迅速に希望の設定温度に到達することが
できる。

【００３３】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば室内の床下に設けた吹出口および天井に設け
た吸込口に連通し設けられる室内ユニットと、運転周波
数を可変できる圧縮機を設けた室外ユニットと、室内の
温度を検知する室温センサと、室内ユニットから床下に
供給される給気流の温度を検知する給気温度センサと、
室外の温度を検知する外気温度センサと、この外気温度
センサおよび室内ユニットから信号により前記室外ユニ
ットに設けた圧縮機の運転周波数を制御するように室外
ユニットに設けられた室外制御手段と、前記室温センサ
および給気温度センサの信号により前記室外制御手段と
信号を交信するように室内ユニットに設けられた室内制
御手段とを備え、設定室温と計測室温との差により決定
した給気温度目標値を運転モードと外気温度を考慮し
て、給気温度目標値を最適値に修正し、さらに最適値と
計測給気温度との差に応じて圧縮機周波数を決定するの
で、使用者に肌寒いといった不快感を与えることのない
空気調和機の制御装置を提供できる。

【００３４】また、給気温度目標値と計測給気温度との
差により室外制御手段に要求する要求度数Ｆｒ値を外気
温度と運転モードによるパターンで制限を持たせ、圧縮
機の運転周波数を制御するので、圧縮機の上限が決めら
れ、吹出温度の抑制ができる。

【００３５】また、部屋を複数に区画した室内に人体を
感知する人体センサと吹出口に風量調整手段を備え、居
室内の人のいる区画と人のいない区画を判別して空気調
和機の風量を制御して供給するので、居室内の人にドラ
フト感を与えることなく迅速に居室内を設定温度にする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明の第１実施例の空気調和機の制御
方法を示す概略図 （ｂ）同第１実施例の空気調和機の制御方法を示す制御
ステップ図

【図２】同第２実施例の空気調和機の制御方法を示す制
御ステップ図

【図３】同第３実施例の空気調和機の制御方法を示す概
略図

【図４】従来の空気調和機の制御方法を示す概略図

【符号の説明】

１ 床下 ２ 吹出口 ３ 天井 ３ａ 吸込口 ４ 室内ユニット ５ 圧縮機 ６ 室外ユニット ７ 室温センサ ８ 給気温度センサ ９ 外気温度センサ １０ 室外制御手段 １１ 室内制御手段 １１Ａ 室内制御手段 １２ 人体センサ １３ 風量調整手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 達也 大阪府大阪市城東区今福西６丁目２番61号 松下精工株式会社内 (72)発明者 藤澤 秀行 大阪府大阪市城東区今福西６丁目２番61号 松下精工株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】室内の床下に設けた吹出口および天井に設
   けた吸込口に連通し設けられる室内ユニットと、運転周
   波数を可変できる圧縮機を設けた室外ユニットと、室内
   の温度を検知する室温センサと、室内ユニットから床下
   に供給される給気流の温度を検知する給気温度センサ
   と、室外の温度を検知する外気温度センサと、この外気
   温度センサおよび室内ユニットからの信号により前記室
   外ユニットに設けた圧縮機の運転周波数を制御するよう
   に室外ユニットに設けられた室外制御手段と、前記室温
   センサおよび給気温度センサの信号により前記室外制御
   手段と信号を交信するように室内ユニットに設けられた
   室内制御手段とを備え、設定室温と計測室温との差によ
   り決定した給気温度目標値を運転モードと外気温度を考
   慮して、給気温度目標値を最適値に修正し、さらに最適
   値と計測給気温度との差に応じて圧縮機周波数を決定す
   る空気調和機の制御方法。
2. 【請求項２】給気温度目標値と計測給気温度との差によ
   り室外制御手段に要求する要求度数Ｆｒ値を外気温度と
   運転モードによるパターンで制限をもたせ、圧縮機の運
   転周波数を制御する請求項１記載の空気調和機の制御方
   法。
3. 【請求項３】部屋を複数に区画した室内に人体を感知す
   る人体センサと吹出口に風量調整手段を備え、居室内の
   人のいる区画と人のいない区画を判別して空調空気の風
   量を制御して供給する請求項１記載の空気調和機の制御
   方法。